JP6883265B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池に関する。
特許文献1には、正極活物質を含んだ正極と、黒鉛系負極活物質を含んだ負極と、非水電解液と、を備えるリチウム二次電池が開示されている。
特開2015−103332号公報 特開2017−098240号公報 特開2017−098241号公報 特開2017−130443号公報
上記のようなリチウム二次電池に対しては、広範な温度環境下で電池性能を向上することが求められている。具体的には、高温環境下に長く曝されても容量劣化が小さいことや、低温環境下においても優れた入力特性を発現することが求められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温保存特性と低温入力特性とに優れたリチウム二次電池を提供することにある。
本発明により、正極活物質を含む正極と、黒鉛系負極活物質を含む負極と、非水電解液と、を備えるリチウム二次電池が提供される。上記黒鉛系負極活物質は、窒素吸着法に基づくBET比表面積が3.8m/g以上4.8m/g以下である。上記正極、上記負極および上記非水電解液の少なくとも1つは、ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体を含む。上記黒鉛系負極活物質に対する、上記ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体の比は、質量基準で、3.21×10−4以上3.51×10−4以下である。
上記構成により、高温環境下において負極の表面に高抵抗な皮膜が形成されにくくなる。このことにより、電池抵抗を低く抑えることができ、高温保存特性を向上することができる。また、上記構成により、少なくとも負極の保液性が高まる。このことにより、低温環境下においても電池内に良好な導電パスを形成することができ、低温入力特性を向上することができる。以上の効果が相俟って、高温保存特性と低温入力特性とに優れたリチウム二次電池を実現することができる。
以下、ここで開示されるリチウム二次電池の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において数値範囲をA〜B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味するものとする。
本実施形態のリチウム二次電池は、正極と、負極と、非水電解液と、を備える。以下、各構成要素について順に説明する。
正極は、少なくとも正極活物質を含んでいる。正極は、典型的には、リン酸三リチウム(LiPO)をさらに含んでいる。正極は、典型的には、正極集電体と、該正極集電体上に固着され、正極活物質を含む正極活物質層と、を備えている。正極集電体としては、例えばアルミニウム箔等の金属箔が好適である。
正極活物質は、電荷担体たるリチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出可能な材料であればよい。正極活物質の好適例として、リチウムニッケル含有複合酸化物、リチウムコバルト含有複合酸化物、リチウムニッケルコバルト含有複合酸化物、リチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。なかでも、層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物が好ましい。
LiPOは、例えば、(a)正極活物質の表面を被覆する;(b)非水電解液の酸化分解(例えば非水電解液に含まれ得る支持塩の加水分解)を抑制する;(c)非水電解液に含まれ得るフッ素含有支持塩(例えばフッ素含有リチウム塩)やフッ素含有溶媒の加水分解によって生成されるフッ酸(HF)を捕捉あるいは消費して、非水電解液の酸性度(pH)を緩和する;(d)対向する負極の表面に、リン酸イオンを含んだ安定な皮膜を形成して、過充電耐性を向上する;のうち少なくとも1つの作用を奏する。LiPOは、かかる作用によって、正極活物質からの金属元素の溶出を抑制して、通常使用時の電池特性、例えばサイクル特性や高温保存特性を向上する効果を奏する。
なお、正極は、上記した正極活物質やLiPOに加えて、必要に応じて更なる任意成分を1種又は2種以上含んでもよい。任意成分の一例としては、例えば、分散剤、結着剤、導電助剤、増粘剤、pH調整剤等が挙げられる。分散剤としては、例えば、後述するナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体が挙げられる。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイドが挙げられる。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック)、活性炭、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料が挙げられる。pH調整剤としては、例えば、リン酸等の酸性物質が挙げられる。
負極は、少なくとも黒鉛系負極活物質を含んでいる。負極は、典型的には、負極集電体と、該負極集電体上に固着され、黒鉛系負極活物質を含む負極活物質層と、を備えている。負極集電体としては、例えば銅箔等の金属箔が好適である。
黒鉛系負極活物質は、電荷担体たるリチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出可能な黒鉛系材料であればよい。黒鉛系負極活物質の好適例として、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質コート黒鉛等の炭素材料が挙げられる。なお、本明細書において「黒鉛系負極活物質」とは、負極活物質全体のうち、黒鉛の占める割合が、質量基準で、概ね50質量%以上、典型的には80質量%以上、例えば90質量%以上である材料をいう。黒鉛系負極活物質は、典型的には粒子状である。
本実施形態において、黒鉛系負極活物質のBET比表面積(窒素ガスを用いた定容量式吸着法(所謂、窒素ガス吸着法)によって測定された表面積をBET法で解析したBET比表面積。以下同じ。)は、3.8〜4.8m/gである。BET比表面積を所定値以上とすることで、負極において非水電解液の保液性が向上する。このことにより、反応抵抗を低減して、低温環境下においても優れた入力特性を実現することができる。低温入力特性を向上する観点からは、BET比表面積が4m/g以上であってもよい。また、BET比表面積を所定値以下とすることで、負極において非水電解液の分解が抑えられる。このことにより、容量劣化に寄与する高抵抗皮膜の形成を抑制して、高温環境下においても電池容量を維持することができる。高温保存特性を向上する観点からは、BET比表面積が4.5m/g以下であってもよい。
特に限定されるものではないが、負極活物質層全体(100質量%)に占める負極活物質の割合は、ここに開示される技術の効果を高いレベルで発揮する観点から、概ね50〜99質量%、例えば90〜98質量%であるとよい。
なお、負極は、上記した黒鉛系負極活物質に加えて、必要に応じて更なる任意成分を1種又は2種以上含んでもよい。任意成分の一例としては、例えば、分散剤、結着剤、増粘剤等が挙げられる。分散剤としては、例えば、後述するナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体や、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース類が挙げられる。結着剤としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類が挙げられる。
非水電解液は、室温(25℃)で液体状態を示す。非水電解液は、典型的には支持塩と非水溶媒とを含む。支持塩は、溶媒中で解離して電荷担体(リチウムイオン)を生成する。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。非水溶媒としては、例えば、非フッ素またはフッ素含有のカーボネートが挙げられる。カーボネートの一好適例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、モノフルオロエチレンカーボネート(FEC)等の環状カーボネートや、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチル−2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート(MTFEC)等の鎖状カーボネートが挙げられる。非水電解液は、例えば上記した支持塩と非水溶媒とに加えて、必要に応じて更なる任意成分を1種又は2種以上含んでもよい。任意成分の一例としては、例えば、後述するナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体が挙げられる。
本実施形態では、上記正極、上記負極および上記非水電解液の少なくとも1つに、ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体を含んでいる。ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体は、後述する構造に起因して、非水電解液との親和性に優れる。この材料特性により、電池内に添加されたナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体は、非水電解液に溶解して、正・負極(正・負極活物質)の表面に付着する。ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体は、典型的には、電池が通常使用されるSOC(充電深度;State of Charge)の範囲内では電気分解されない(安定な)材料である。
特許文献2〜4に記載されるように、ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体は、ナフタレン環を有する炭化水素及びその誘導体である。ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006883265
上記式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。Wが存在する場合、Wは炭素原子、窒素原子及び/もしくは酸素原子の数が1〜20の有機基又は単結合である。
上記ナフチル基を有する重合性不飽和モノマー又はその誘導体としては、例えば、ビニルナフタレン、ナフチル(メタ)アクリレート、ナフチルアルキル(メタ)アクリレート、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。なかでも、下記式(2)で表わされるナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体が好ましい。
Figure 0006883265
上記式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、ホスホリルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。
上記ナフチル(メタ)アクリレート又はその誘導体としては、例えば、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、及びこれらの誘導体等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。なかでも、下記式(3)で表わされる4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 0006883265
上記式(3)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、Zは水酸基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。上記式(3)中の置換基であるZがアルコキシ基の場合、アルコキシ基の炭素数としては、通常1〜8であり、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜2であり、特に好ましくは1である。
4−置換−1−ナフチル(メタ)アクリレートとしては、例えば、4−メチル−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−エチル−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−メトキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−エトキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−エトキシ−4−ヒドロキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、4−フェノキシカルボニルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、及び4−ホスホリルオキシ−1−ナフチル(メタ)アクリレート、若しくはその誘導体等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
なお、ここでいう「誘導体」とは、ナフチル基含有重合性不飽和モノマーに対し、官能基の導入、原子の置換、又はその他の化学反応により分子内の小部分(複数の部分でもよい)を変化させて得られる化合物全般である。例えば、ナフタレンに、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基などの官能基を、1種又は2種以上導入した化合物はナフタレン誘導体である。
ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した標準ポリスチレン換算の分子量。)が、1,000〜100,000であるとよく、3,000〜50,000であることがより好ましい。
本実施形態では、黒鉛系負極活物質の質量(y)に対するナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体の質量(x)の比(x/y)が、3.21×10−4〜3.51×10−4である。上記x/yを所定の範囲とすることで、黒鉛系負極活物質と、ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体と、の添加の効果が適切に発揮される。その結果、高温環境下での容量劣化を抑制すると共に、低温環境下において入力特性を向上することができる。例えば、上記x/yを所定値以上とすることで、ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体の添加の効果が適切に発揮されて、負極の保液性が向上する。このことにより、負極に良好な導電パスを形成して、反応抵抗を低減することができる。低温入力特性を向上する観点からは、上記x/yが、3.3×10−4以上、例えば3.36×10−4以上であってもよい。
本実施形態のリチウム二次電池は、上記したような構成により、広範な温度環境下において優れた電池性能を発揮することができる。具体的には、高温環境下に長く曝されても容量劣化が小さく、優れた保存特性を実現することができる。また、低温環境下においても反応抵抗が低く抑えられ、優れた入力特性を実現することができる。以上のような特性を生かして、本実施形態のリチウム二次電池は、例えば、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車両に搭載されるモーター駆動のための動力源として、好ましく用いることができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<正極の作製>
まず、正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)と、リン酸三リチウム(LPO、LiPO)と、分散剤としてのナフチル基含有重合性不飽和モノマーと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混練して、正極ペーストを調製した。このとき、後述する黒鉛系負極活物質の質量(y)に対するナフチル基含有重合性不飽和モノマーの質量(x)の比(x/y)を、以下の表1,2に示すように、質量基準で、0(無添加)〜3.81×10−4の範囲で変更した。そして、正極ペーストをアルミニウム箔の表面に塗布し、乾燥させることによって正極を作製した。
<負極の作製>
まず、黒鉛系負極活物質としての天然黒鉛(BET比表面積:2.8〜5.3m/g)と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシルメチルセルロース(CMC)と、溶媒としてのイオン交換水とを混合して、負極ペーストを調製した。そして、負極ペーストを銅箔の表面に塗布し、乾燥させることによって負極を作製した。
<リチウム二次電池の構築>
次に、上記作製した正極と、上記作製した負極とを、樹脂製のセパレータを介して積層し、電極体を作製した。また、非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを含む混合溶媒中に、リチウム塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度となるように溶解させたものを用意した。そして、上記電極体と上記非水電解液とを電池ケースに収容し、4V級のリチウム二次電池を構築した。
<初期充放電>
次に、上記構築した各リチウム二次電池に対して、25℃の温度環境下で、次の充放電操作:電池電圧が4.1Vとなるまで0.2Cのレートで定電流充電した後、電流が0.01Cのレートとなるまで定電圧充電する;電池電圧が3.0Vとなるまで0.2Cのレートで定電流放電(CC放電)した後、電流が0.01Cのレートになるまで定電圧放電(CV放電)する;を行い、このときのCCCV放電容量を初期容量とした。
<75℃での容量保存特性の評価>
上記初期充放電後のリチウム二次電池を75℃の恒温槽に設置した。次に、上記リチウム二次電池に対して、75℃の温度環境下で充放電サイクルを100日間繰り返した。1サイクルの充放電条件は、2Cの電流レートでSOC20〜80%の間を充放電するものとした。次に、上記初期容量と同様に、充放電サイクル後の電池容量(CCCV放電容量)を測定した。次に、上記初期容量から充放電サイクル後の電池容量を差し引いて、上記初期容量で除すことにより、容量劣化率(%)を求めた。そして、ルート則から充放電サイクル時間(√day)に対する容量劣化傾き(−%/√day)を算出した。結果を表1に示す。なお、表1の値は、容量劣化傾きが1.70(−%/√day)以下に抑えられているものを良品として、結果を太字で表している。
Figure 0006883265
表1に示すように、黒鉛系負極活物質のBET比表面積を4.8m/g以下とし、かつ、上記x/yの比を3.21×10−4以上とすることで、黒鉛系負極活物質のBET比表面積および/または上記x/yの比が上記範囲外の場合に比べて、容量劣化を小さく抑えることができ、相対的に高い高温保存特性を実現することができた。この理由としては、黒鉛系負極活物質の表面に所定量のナフチル基含有重合性不飽和モノマーが担持されることで、容量劣化に寄与する高抵抗皮膜の形成が抑制されたことなどが考えられる。
<−10℃、SOC56%での入力特性の評価>
上記初期充放電後のリチウム二次電池を、25℃の温度環境下で、SOC56%の状態に調整した。次に、SOC56%に調整したリチウム二次電池に対して、10Cのレートで10秒間の定電流放電を行った。そして、放電開始から10秒後の電圧値と電流値との積から、入力値(W)を算出した。結果を表2に示す。なお、表2の値は、黒鉛系負極活物質のBET比表面積が2.8m/g、かつ、x/yの比が0(すなわち、ナフチル基含有重合性不飽和モノマーを無添加)の試験例の入力値を、100.0(基準)としたときの相対比率(%)で表している。また、相対比率が120%以上に向上しているものを良品として、結果を太字で表している。
Figure 0006883265
表2に示すように、黒鉛系負極活物質のBET比表面積を3.8m/g以上とし、かつ、上記x/yの比を所定の範囲とすることで、例えば黒鉛系負極活物質のBET比表面積が3.3m/g以下の場合に比べて、相対的に高い入力値を実現することができた。この理由としては、黒鉛系負極活物質のBET比表面積を所定値以上とし、さらにナフチル基含有重合性不飽和モノマーを含ませることにより、負極の保液性が向上して、活物質表面における反応抵抗が低下したことなどが考えられる。
以上のことから、黒鉛系負極活物質のBET比表面積を3.8〜4.8m/gとし、かつ、黒鉛系負極活物質に対するナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体の比を、質量基準で、3.21×10−4〜3.51×10−4とすることで、高温保存特性と低温入力特性とを兼ね備えたリチウム二次電池を実現することができる。かかる結果は、ここに開示される技術の意義を示すものである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および試験例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 正極活物質を含む正極と、黒鉛系負極活物質を含む負極と、非水電解液と、を備え、
    前記黒鉛系負極活物質は、窒素吸着法に基づくBET比表面積が3.8m/g以上4.8m/g以下であり、
    前記正極、前記負極および前記非水電解液の少なくとも1つは、ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体を含み、
    前記黒鉛系負極活物質に対する、前記ナフチル基含有重合性不飽和モノマー又はその誘導体の比は、質量基準で、3.21×10−4以上3.51×10−4以下である、リチウム二次電池。
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