以下に、本願にかかる情報制御プログラム、情報制御方法および情報制御装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報制御プログラム、情報制御方法および情報制御装置が限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(第1の実施形態)
〔1.制御処理の一例〕
図1を用いて、第1の実施形態にかかる制御処理の一例を示す。図1は、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムによる制御処理の一例を示す図である。また、第1の実施形態にかかる情報制御システム1は、情報制御装置100と、端末装置10とを含む。第1の実施形態にかかる情報制御プログラムによる制御処理は、図1に示す制御装置100によって行われる。つまり、情報制御装置100は、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムによる制御に従って、第1の実施形態にかかる制御処理を実行する。
なお、以下の第1の実施形態では、情報制御装置100が、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムにより機能するものとして説明するが、例えば、端末装置10が、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムに従って、第1の実施形態にかかる制御処理を行ってもよい。また、情報制御装置100および端末装置10の双方が、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムの一部または全てを有することにより、情報制御装置100および端末装置10の間で連携して、第1の実施形態にかかる制御処理を行ってもよい。
また、第1の実施形態にかかる制御処理は、ユーザに対して行われるログイン認証にかかる一連の処理であるものとするが、必ずしもログイン認証に限定されるものではない。
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。また、端末装置10は、静電容量方式によりユーザーからの操作を受け付けるタッチパネルを搭載しているものとする。また、端末装置10には、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムに関連するアプリケーション(以下、「アプリAP1」とする)が予めインストールされているものとする。
ここで、第1の実施形態にかかる前提について説明する。現在、ユーザに対してログインIDと当該ログインIDに対応するパスワードを入力させ、入力されたログインIDとパスワードとの組合せが、正解データに一致した場合にはかかるユーザの認証を得る、といった認証方式が、最も一般的で簡単なログイン認証の方式であると考えられる。しかしながら、かかる認証方式は、必ずしもセキュアな認証方式とは言えない場合がある。この一例について説明する。
例えば、ユーザは、自身の端末装置10にログインIDおよびパスワードを入力し、この入力した情報を認証を行う所定のサーバ装置等に送信するが、入力中に背後から第三者によってパスワードが盗み見られる危険性がある。また、直接パスワードを盗み見ずとも、サーモグラフィにより端末装置10のタッチパネルを読み取ることにより、タッチパネルに対する温度変化からパスワードが特定されるといった危険性もある。
このような問題点を解決するために、ログインの際、ユーザに入力させる入力情報を設定し、また、この入力情報の入力方法について所定の条件を与え、その条件の中でユーザがかかる入力情報を入力できた場合には、ユーザに対して認証を得るといった認証方式が採用される場合がある。一例を用いて説明する。例えば、ユーザU1が情報制御装置100に対してログインしようとしている場合を例に説明する。図1(a)は、ユーザU1に提示されたログイン画面の一例である。このような状態において、例えば、ユーザU1は、ログインにかかる情報入力を行うために、「入力画面に進む」と記載された箇所をタッチしたとする。
かかる場合、例えば、図1(b)に示すように、「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」といったログイン条件がログイン画面に表示される。かかるログイン条件は、つまり、「タッチ位置1〜7」に対応する情報入力において、その入力方法について「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」といった条件が設定されていることを示す。単純に、タッチ位置1〜7を順にタッチするだけであれば容易であるが、通常、これを「0.3秒以内」に行うのは困難である。このような困難な条件が与えられるのは、よりセキュリティを向上させるためであるが、その一方で、ユーザU1は入力において困難を強いられるため、利便性の高い入力とはいえない。
このような前提を踏まえて、ユーザU1は、所定の導電性パターンが印刷された媒体を端末装置10のタッチパネルに接触させた状態で、導電性パターンにタッチすることにより上記のような困難な入力を行うことができる。人体は微弱な静電気を帯びているため、例えば、ユーザU1が導電性パターンにタッチすると、その静電気が導電性パターンを瞬時に通電してゆく。また、通電とは、端末装置10のタッチパネル内部で常時流れている信号が、タッチパネルに触れられた指を通じてグラウンドへ流出することを示すものでもある。なお、以下の実施形態では、ユーザが導電性パターンに触れたことにより、ユーザの指等から入力点への通電といった形で説明するが、上記の通りタッチパネルから、入力点、さらには導線を伝ってユーザ(グラウンド)への信号が伝わる流れも、本願における通電と解釈できるものとする。つまり、通電とは、ユーザが導電性パターンにタッチしたことに基づく通電である。
後に説明するが、導電性パターンには、ユーザU1による端末装置10への直接入力の代わりに、ユーザU1に対して決められた情報入力(上記例では、タッチ位置1〜7を順にタッチすることによる情報入力)を端末装置10に対して行う入力点が含まれている。また、端末装置10の表示画面Dには、静電容量方式により情報入力を受け付けるタッチパネルが搭載されている。したがって、導電性パターンを通電した静電気は、この入力点での情報入力として端末装置10に検出される。入力点への通電は瞬時に行われるため、ユーザU1は、導電性パターンが印刷された媒体を介した入力操作により、手作業では不可能な時間制限(例えば、0.3秒以内)での情報入力を行うことができる。
さて、図1に示す情報制御装置100は、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムにしたがって、手作業で入力するには困難(ほぼ不可能)であるが、この入力を可能とする導電性パターンに関する情報を生成する。具体的には、情報制御装置100は、ユーザに入力させる情報に関する入力情報を決定し、決定した入力情報に対応する導電性パターンを示すパターン情報を生成する。ここでいう入力情報は、入力させる内容と、その内容を入力させるための条件情報とを含む。図1(b)の例では、入力させる内容とは数字「1、2、3、4、5、6、7」である。条件情報とは、「数字1〜7が対応付けられたタッチ位置であって表示画面D上のタッチ位置を数字の順に0.3秒以内にタッチすること」である。また、入力させる内容は、パスワードとも言い換えることができる。
より具体的には、情報制御装置100は、導電性パターンにユーザがタッチした際に発生する電力(静電気)により端末装置10に対して入力情報に応じた入力を行う入力点と、電力(静電気)が入力点へと通電する導線(接続線)とを含む導電性パターンを示すパターン情報を生成する。例えば、情報制御装置100は、導電性パターンとして、ユーザによる端末装置10への直接入力の代わりに、端末装置10の入力画面に接触された状態で入力点から入力情報に応じた入力を電力(静電気)により行う導電性パターンを示すパターン情報を生成する。
また、情報制御装置100は、決定した入力情報、生成したパターン情報、情報入力にかかる条件、パターン情報に対応する導電性パターンを介した情報入力の仕方、パターン情報に対応する導電性パターンが印刷された媒体の使用方法等をユーザに提示する。以下では、第1の実施形態にかかる制御処理の一例を示す。
まず、ユーザU1は、情報制御装置100にログインするために、端末装置10を用いて、情報制御装置100にアクセスしたとする。そうすると、情報制御装置100は、端末装置10に対して、図1(a)に示すようなログイン画面を表示させる。例えば、ユーザは、ログインに必要な入力情報を既に取得している場合には、「入力画面へ進む」と記載された箇所をタッチし、入力画面へ進む。ここでは、ユーザは、ログインに必要な入力情報を未取得であり、「入力情報を発行」と記載された箇所をタッチしたものとする。
かかる場合、端末装置10は、情報制御装置100に対して、ユーザU1に入力させる情報に関する入力情報を要求する(ステップS1)。情報制御装置100は、端末装置10からの要求を受信すると、入力情報を決定する(ステップS2)。例えば、情報制御装置100は、ユーザU1に入力させる情報の内容を示す内容情報(例えば、パスワード)を決定する。また、情報制御装置100は、ユーザU1にタッチさせる位置であるタッチ位置と、タッチ位置の数、タッチ位置をタッチさせる順番(入力順)、タッチ位置をタッチさせる時間制限等から成る条件情報であって、内容情報の入力に係る条件情報を決定する。
なお、タッチ位置とは、端末装置10の表示画面D上の位置を示す位置情報であり、例えば、x−y座標系により示される位置情報である。
図1の例では、情報制御装置100は、内容情報として数字「1、2、3、4、5、6、7」を決定するとともに、数字「1、2、3、4、5、6、7」がそれぞれ対応付けられた7つのタッチ位置であって、図1(b)に示すような位置に配置される7つのタッチ位置について、「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」といった条件情報を決定したものとする。
なお、情報制御装置100は、例えば、ユーザU1が別のタイミングで入力情報を要求してきた場合には、上記例とは異なる入力情報を決定する。また、情報制御装置100は、例えば、ユーザU1とは異なる別のユーザが入力情報を要求してきた場合にも、上記例とは異なる入力情報を決定する。つまり、情報制御装置100は、ユーザ毎に、また、ユーザのアクセスタイミング毎に、常に異なる入力情報を決定する。言い換えれば、入力情報は、ユーザやタイミングに応じて無数に存在することになる。
図1の説明に戻り、情報制御装置100は、ステップS2で決定した入力情報に基づいて、導電性パターンを示すパターン情報を生成する(ステップS3)。かかる例では、情報制御装置100は、図1(b)に示すような形状の導電性パターン21を示すパターン情報を生成する。導電性パターン21は、ユーザに触れられることにより発生した静電気が通電する導線部分と、静電気が集束し、集束した静電気の電力により端末装置10の表示画面Dに対して、ユーザが表示画面Dをタッチすることに対応する情報入力を行う収束点とで形成される。
図1(b)の例では、入力点は、入力点P1〜P7まで7つ存在しその位置は、表示画面Dに表示される7つのタッチ位置と合致する。表示画面Dに表示される7つのタッチ位置は、ステップS2において決定された入力情報の一つである。このようなことから、例えば、入力点P1の静電気が集束することは、表示画面Dに表示される7つのタッチ位置のうち数字1が表示されるタッチ位置をユーザU1が直接タッチすることに相当するものである。
次に、図1(b)の例では、入力点P1には導線D1、入力点P2には導線D2、入力点P3には導線D3、入力点P4には導線D4、入力点P5には導線D5、入力点P6には導線D6、入力点P7には導線D7が接続される。そして、導線D1〜D7の末端(入力点に接続されていない方)は、上から順に、ステップS2で決定されたタッチ順に応じて並べられている。このように並べられることで、ユーザU1は、図1(c)に示される矢印のように、導線D1〜D7の末端を上から順になぞることにより、タッチ位置1〜7を直接タッチすることに相当する入力を、導電性パターン21を用いて行うことができる。
以上のことから、情報制御装置100は、入力点の個数、位置および各入力点に接続される導線の末端の順序が、ステップS2で決定した入力情報に対応するような導電性パターンの形状を生成し、生成した導電性パターンの形状を示すパターン情報を生成する。
次に、情報制御装置100は、生成したパターン情報を端末装置10に送信する(ステップS5)。例えば、情報制御装置100は、パターン情報がPDFファイル形式で添付された電子メールを端末装置10に送信することができる。また、情報制御装置100は、決定した条件情報(図1の例では、「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」)、および、導電性パターンの使用方法を説明する説明情報も同時にユーザU1に提示してよい。
説明情報に含まれる導電性パターンの使用方法の一例を示す。まず、説明情報は、PDFファイルを所定の媒体(例えば、印刷用紙)に印刷することにより導電性パターンを使用するよう説明する。なお、導電性パターンは、例えば、銀ナノ粒子を含有するインクを使用して印刷されることによりその機能(通電)を発揮する。
また、説明情報は、媒体に印刷された導電性パターン20の所定箇所(入力点P1〜P7)を表示画面Dに表示された7つのタッチ位置に合わせた状態で、導線D1〜D7の末端部分を上から順にすばやくなぞるよう説明する。導線D1〜D7の末端を上から順になぞることは、タッチ位置1〜7を直接タッチすることに相当する。ユーザU1は、まず、導線D1の末端に達とすることになるが、これは表示画面Dに表示されたタッチ位置「1」を直接タッチすることに相当する。
さて、ここまで説明した流れにより、ユーザU1は、独自の導電性パターン20を入手するとともに、それを使用するうえでの条件や使用方法を把握することができる。このような状態において、ユーザU1は、導電性パターン20を用いてログインしたい場合には、図1(a)に示すログイン画面において、「入力画面へ進む」と記載された箇所をタッチする。
そうすると、情報制御装置100は、ステップS2で決定した入力情報に基づく入力画面を端末装置10に対して表示制御する。具体的には、情報制御装置100は、図1(b)に示すように、数字1〜7がそれぞれ付与された7つのタッチ位置を表示画面Dの定められた位置に表示されるよう端末装置10に対して表示制御する。ここで、ユーザU1は、導電性パターン20が印刷された媒体を表示画面に載置し、導線末端をなぞることにより間接的に端末装置10への入力を行う。
実際には、上述したように、導線D1〜D7から順に通電された静電気が、瞬時に各入力点P1〜P7に到達し、入力点P1〜P7において電力によるタッチ入力を行う。端末装置10にはアプリAP1がインストールされているため、端末装置10は、アプリAP1の制御に従って、静電気を検出する。また、端末装置10は、表示画面Dのどの位置に静電気による情報入力が行われたのかも検出する。そして、端末装置10は、検出した位置を示す位置情報、検出した位置それぞれに情報入力された順を情報制御装置100に送信する。
情報制御装置100は、端末装置10により検出された検出情報に基づき、認証処理を実行する。例えば、情報制御装置100は、端末装置10により検出された検出情報が、条件情報「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合には、ユーザU1に対して認証を得る。すなわち、情報制御装置100は、ユーザU1による自装置へのログインを許可する。
さて、これまで説明したきたように、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムに従って、情報制御装置100は、ユーザに入力させる情報に関する入力情報を決定する決定手順と、決定手順により決定された入力情報に対応する導電性パターンを示すパターン情報を生成する。また、情報制御装置100は、導電性パターンを用いた入力を検出し、検出した情報が条件に合致する場合には、所定の処理(認証許可)を実行する。
セキュリティ向上のため、ログイン情報の入力等において、手作業では困難な入力作業が科せられる場合があるが、ユーザは導電性パターンを用いることで、容易に入力作業を行うことができる。したがって、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムは、導電性パターンを用いた情報入力における利便性を高めることができる。第1の実施形態にかかる情報制御プログラムは、入力情報や入力情報に応じた導電性パターンを動的に生成することができるため、例えば、これらをユーザ側に生成させることが無い。つまり、情報制御プログラムは、ユーザに煩雑な作業を強いることがないことからも、利便性を高めることができる。
図1では、情報制御装置100が、ユーザに入力させる情報と、その情報を入力するうえでの条件情報とを決定し、決定した情報での入力を可能とする導電性パターンを生成する例を示した。しかし、この導電性パターンが不意に第三者に渡ってしまうといった事例も起こり得る。したがって、情報制御装置100は、導電性パターンを使用する際の使用態様や、導電性パターンに通電させる通電態様に条件を設定し、その条件が満たされた場合に、認証等の処理を実行することもできる。この点については、以下の第2の実施形態等で説明する。
〔2.情報制御装置の構成〕
次に、図2を用いて、第1の実施形態にかかる情報制御装置100について説明する。図2は、第1の実施形態にかかる情報制御装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、情報制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、入力情報記憶部121と、画像情報記憶部122と、ユーザ情報記憶部123とを有する。
(入力情報記憶部121について)
入力情報記憶部121は、ユーザに入力させる情報に関する入力情報を記憶する。ここで、図3に第1の実施形態にかかる入力情報記憶部121の一例を示す。図3の例では、入力情報記憶部121は、「セキュリティ強度」毎に、「セキュリティ強度」に応じた「入力情報」を記憶する。
「セキュリティ強度」は、セイキュリティ強度の度合いであり、例えば、レベルで表される。「セキュリティ強度」が高いほど(レベルの数値が大きいほど)、安全性が高いことを意味する。このため、「セキュリティ強度」が高いほど、「入力情報」として、ユーザが手作業で入力するには困難な入力情報が対応付けられる。例えば、ユーザは、図1(a)において、入力情報を発行させる際、「セキュリティ強度」を指定することができる。このため、情報制御装置100は、例えば、ユーザにより「レベル1」が指定された場合には、「レベル1」に対応付けられる入力情報の候補の中から、対象の入力情報を決定する。
「入力情報」は、ユーザに入力させる情報に関する入力情報の候補であり、「個数」、「タッチ位置」、「間隔」、「時間条件」、「パスワード」といった項目に分けられる。後述する入力情報決定部132は、候補として記憶されているこの「入力情報」の中から、導電性パターンを用いて入力させる情報や、その入力に係る条件情報を決定する。
「個数」は、端末装置10の入力画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置の個数を示す数情報である。図1の例では、情報制御装置100は、「個数」として「7」を決定している。「タッチ位置」は、端末装置10の入力画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置を示す位置情報であって入力画面D上の位置を示す位置情報である。図3の例では、タッチ位置の候補がx−y座標系で記憶されている例を示す。
「間隔」は、「タッチ位置」を決定する際に用いられる情報であって、各「タッチ位置」間に最低確保すべき間隔の条件情報である。「時間条件」は、例えば、制限時間内に「タッチ位置」を順に押下させる、この制限時間に相当する。図1の例では、情報制御装置100は、「時間条件」として「0.3秒」を決定している。「パスワード」は、ユーザに入力させる文字(文字列)である。図1の例では、情報制御装置100は、「パスワード」として「1、2、3、4、5、6、7」を決定している。
(画像情報記憶部122について)
情報制御装置100は、導電性パターンが印刷された媒体を用いてユーザが入力を行う際におけるユーザによる媒体の使用態様に関する条件情報を生成する場合がある。一例を示すと、情報制御装置100は、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を、表示画面Dに表示される画像情報のうち、いずれの位置に存在する画像情報に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報を生成する場合がある。画像情報記憶部122は、この第2の位置合わせ情報の候補を記憶する。ここで、図4に第1の実施形態にかかる入画像情報記憶部122の一例を示す。図4の例では、画像情報記憶部122は、「セキュリティ強度」毎に、「セキュリティ強度」に応じた「第2の位置合わせ情報」を記憶する。なお、画像情報記憶部122での「セキュリティ強度」は、入力情報記憶部121の「セキュリティ強度」に対応するため説明を省略する。
「第2の位置合わせ情報の候補」は、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を、表示画面Dに表示される画像情報のうち、いずれの位置に存在する画像情報に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報であり、「画像データ」、「パターン形状、種類」、「色」、「位置」といった項目に分けられる。これら各項目を説明するにあたって、図6の例を用いることにする。
図6は、導電性パターンの使用態様に関する画像情報の一例を示す図である。図6の例では、数種のパターン形状の画像を含む1つの画像情報である画像PTDA2−1が表示画面Dに表示されている。パターン形状とは、例えば、ハート型、塗りつぶしなしの円、塗りつぶしの円、塗りつぶしなしの三角、塗りつぶしの三角、塗りつぶしなしの正方形、塗りつぶしの正方形、星型等である。また、各パターン形状は色分けもされている。例えば、表示画面Dの画面右から数えて3つ目の正方形は「青」である。画像PTDA2−1は、た例えば、図1の例では、図1(b)に示す入力画面において、タッチ位置とともに表示される。
図4に戻り、「画像データ」は、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を合わせられる画像のデータの候補である。図6の例では、パターン形状から成る画像であるが、合わせられる画像をどのような画像にするかは制限は無い。例えば、人や動物の顔の画像であってもよいが。また、「セキュリティ強度」のレベルに応じて難解な画像のデータが対応付けられてもよい。例えば、図6の例では、ハートや三角といったように特徴的な部分を比較的容易に認識可能であるが、最もレベルの高いレベル4には、一見しただけでは特徴箇所を認識しづらい幾何学的な模様が採用されてもよい。
「パターン形状、種類」は、対応する「画像データ」に含まれる画像の特徴部分を示す。例えば、図6に示す画像PTDA2−1であれば、「パターン形状、種類」として、正方形1、正方形2等といったようにパターン形状の名称が入力される。「色」は、対応する「パターン形状、種類」の色である。「位置」は、対応する「画像データ」が表示画面Dに表示された場合、対応する「パターン形状、種類」がどのような位置となるかを示す情報であり、例えば、表示画面Dを基準に定められる。例えば、正方形2であれば、図6の例では、「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の正方形」といったようなかたちで「位置」が表される。
(ユーザ情報記憶部123について)
ユーザ情報記憶部123は、入力情報記憶部121に基づきユーザに対して決定された入力情報や、画像情報記憶部122ユーザに対して生成された条件情報とを合わせて記憶する。ここで、図5に第1の実施形態にかかるユーザ情報記憶部123の一例を示す。図5の例では、ユーザ情報記憶部123は、「ユーザID」、「セキュリティ強度」、「個数」、「タッチ位置」、「入力順」、「時間条件」、「位置合わせ情報」といった項目を有する。
「ユーザID」は、ユーザまたはユーザの端末装置10を識別する識別情報である。「セキュリティ強度」は、ユーザに指定された「セキュリティ強度」のレベルを示す。なお、ユーザにより「セキュリティ強度」が指定されていない場合には、デフォルトのレベル(例えば、レベル2)が入力されてもよい。
「個数」は、情報制御装置100によりユーザに対して決定された入力情報であって、表示画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置の個数を示す。「タッチ位置」は、情報制御装置100によりユーザに対して決定された入力情報であって、表示画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置を示す位置情報を示す。図1(b)に示すように、情報制御装置100は、このタッチ位置をユーザが視認できるよう、端末装置10に対して、このタッチ位置に対応する箇所に所定のマーク(例えば、丸印)等を表示するよう表示制御する。
「入力順」は、情報制御装置100によりユーザに対して決定された入力情報であって、各「タッチ位置」をタッチさせる順を示す。「時間条件」は、情報制御装置100によりユーザに対して決定された入力情報であって、「タッチ位置」を「入力順」でタッチさせるうえでの制限時間を示す。「位置合わせ情報」は、媒体または導電性パターンの使用態様に関する条件情報であって、例えば、図4で説明した第2の位置合わせ情報の候補のうち、条件情報として生成されたものを示す。
図3に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報制御装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図3に示すように、制御部130は、受信部131と、入力情報決定部132と、取得部133と、使用条件生成部134と、パターン生成部135と、提示部136と、表示制御部137と、検出部138と、実行部139とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
また、図3に示す各処理部は、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムが実行されることにより実現される処理部である。
(受信部131について)
受信部131は、端末装置10から各種情報を受信する。例えば、受信部131は、端末装置10から入力画面の要求や、入力情報の要求を受信する。
(入力情報決定部132について)
入力情報決定部132は、ユーザに入力させる情報に関する入力情報を決定する。具体的には、入力情報決定部132は、ユーザに入力させる情報の内容を示す内容情報や、この内容情報を入力させるうえでの条件情報を決定する。上述したように、入力情報記憶部121には、入力情報の候補が記憶される。したがって、入力情報決定部132は、入力情報記憶部121を参照し、各ユーザに対して対応付ける入力情報を決定する。また、入力情報決定部132は、決定した入力情報をユーザ毎に、ユーザ情報記憶部123に格納する。
例えば、入力情報決定部132は、入力情報として、表示画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置の個数を決定する。例えば、入力情報決定部132は、入力情報として、表示画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置を示す位置情報であって表示画面D上の位置を示す位置情報を決定する。例えば、入力情報決定部132は、入力情報として、表示画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置それぞれの間隔が所定の条件を満たすように、タッチ位置を示す位置情報を決定する。例えば、入力情報決定部132は、タッチ位置それぞれの間隔が所定の閾値より大きくなるように、タッチ位置を示す位置情報を決定する。
また、例えば、入力情報決定部132は、入力情報として、位置情報によって示されタッチ位置の各々を順にタッチ入力させる際の入力順を決定する。例えば、入力情報決定部132は、入力情報として、タッチ位置をタッチすることにより入力される文字情報であって、タッチ位置の各々に対応付けられる文字情報を含むパスワードを決定する。
図1の例では、入力情報決定部132は、入力情報の発行を要求してきたユーザU1に対して、入力情報を決定する。具体的には、入力情報決定部132は、入力情報記憶部121を参照し、内容情報として数字「1、2、3、4、5、6、7」を決定するとともに、数字「1、2、3、4、5、6、7」がそれぞれ対応付けられた7つのタッチ位置であって、図1(b)に示すような位置に配置される7つのタッチ位置について、「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」といった条件情報を決定する。
また、入力情報決定部132は、上記のように決定した入力情報に基づいて、導電性パターンの入力点のサイズ(例えば、直径)と、入力点に接続される導線のサイズ(例えば、太さ)も決定してよい。図1(c)に示すように、情報制御装置100は、入力点が、タッチ位置の位置関係に合致するように導電性パターンのパターン情報を生成する。したがって、入力点の数は、決定されたタッチ位置の数に対応する。このため、入力情報決定部132は、例えば、タッチ位置の数が多いほど、表示画面D上において全てのタッチ位置に入力点が合わさるようその直径を小さく決定する。
また、入力点の直径が小さすぎると、端末装置10は、その入力点からの電力を検出できない場合がある。以上のことから、入力点の直径には設定可能な最大直径と最小直径が予め決められており、例えば、入力情報決定部132は、決定した入力情報に基づいて、この範囲の中で最適な直径を決定する。
また、入力点が多くなるほど導線も多くなるが、例えば、導線が太すぎると多くなった場合、導線同士が接触したパターンとなる可能性がある。また、導線が細すぎると、静電気が通電し難くなるといった問題もある。言い換えれば、導線が細すぎると、信号の流出量が小さくなり、入力点でタッチが発生し難くなるといった問題もある。このため、導線についても最大サイズと最小直サイズが予め決められており、例えば、入力情報決定部132は、決定した入力情報に基づいて、この範囲の中で最適なサイズを決定する。また、入力情報決定部132は、決定した直径やサイズもユーザ情報記憶部123に格納してよい。
また、入力情報決定部132は、入力情報として、位置情報によって示されるタッチ位置をタッチさせる回数も決定することができる。例えば、入力情報決定部132は、同一のタッチ位置を複数回(例えば、2回)タッチさせることを条件とする入力情報を決定する。また、入力情報決定部132は、複数のタッチ位置をなぞることを条件とする入力情報を決定してもよい。図1の例では、入力情報決定部132は、指を表示画面Dに接触させたままの状態で、7つのタッチ位置を順に、なぞることを条件とする入力情報を決定する。このような場合、パターン生成部135も指でなぞることに対応するパターン女婦王を生成する。
(取得部133について)
取得部133は、ユーザに入力させる情報に関する入力情報を取得する。具体的には、取得部133は、入力情報決定部132により決定された決定情報を取得する。例えば、取得部133は、ユーザ情報記憶部123から入力情報を取得する。例えば、取得部133は、後述する使用条件生成部134にり条件情報が生成が行われるタイミングで入力情報を取得する。
(使用条件生成部134について)
使用条件生成部134は、取得部133により取得された入力情報に対応する導電性パターンが印刷された媒体を用いてユーザが入力する際におけるユーザによる媒体または導電性パターンの使用態様に関する条件情報を、入力情報に基づいて生成する。つまり、ユーザは、媒体または導電性パターンをこの条件情報に示されるような使い方で使用しない限り、取得部133により取得された入力情報で示されるような入力を行うことができない。
例えば、使用条件生成部134は、条件情報として、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を端末装置に合わせる位置であって当該端末装置に対する位置を示す第1の位置合わせ情報を生成する。
例えば、使用条件生成部134は、取得部133により取得された入力情報に示されるような入力を行うにあたって、端末装置10に媒体を載置した場合、例えば、媒体の所定箇所(例えば、媒体の右下の角、あるいは、媒体の下辺中央)が、表示画面Dのどの位置に合わさるかといったことを算出する。このとき、使用条件生成部134は、例えば、媒体の右下の角が表示画面Dの下端中央に位置するといった特徴的な位置関係を算出できたとすると、「媒体の右下の角が表示画面Dの下端中央に位置するように媒体を載置する」といったことを第1の位置合わせ情報として生成する。
なお、まず、使用条件生成部134により、例えば、「媒体の右下の角が表示画面Dの下端中央に位置するように媒体を載置する」といった第1の位置合わせ情報が生成されたうえで、例えば、入力情報決定部132が、この第1の位置合わせ情報に合うように入力情報を決定してもよい。
そうすると、例えば、ユーザは、「媒体の右下の角が表示画面Dの下端中央に位置するように媒体を載置する」ように媒体を使用しない限り、媒体に印刷される導電性パターンの入力点を、入力情報に示されるタッチ位置に合わせることができない。このような使用態様をユーザU1しか知らない場合、例えば、ユーザU1以外のユーザU2が何らかでユーザU1の媒体を入手したとしても、ユーザU1になりすますといったことは不可能である。
また、例えば、使用条件生成部134は、条件情報として、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を、表示画面Dに表示される画像情報のうち、いずれの位置に存在する画像情報に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報を生成する。例えば、使用条件生成部134は、第2の位置合わせ情報として、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を、画像情報のうち、いずれの形状または種類の画像情報に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報を生成する。例えば、使用条件生成部134は、第2の位置合わせ情報として、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を、画像情報のうち、いずれの色の画像情報に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報を生成する。
例えば、使用条件生成部134は、取得部133により取得された入力情報に示されるような入力を行う場合、端末装置10に媒体を載置すると、例えば、媒体の所定箇所(例えば、媒体の右下の角、あるいは、媒体の下辺中央)が、表示画面Dのどの位置に合わさるかといったことを算出する。このような状態において、使用条件生成部134は、画像情報記憶部122を参照し、画像データを選択する。例えば、使用条件生成部134は、画像情報記憶部122を参照し、「セキュリティ強度」に応じた画像データを選択する。
図4の例を用いて、使用条件生成部134は、画像データPTDA2−1を選択したとする。画像データPTDA2−1は、図6に例示されるような各種のパターン形状が複数ランダムに配置された画像のデータである。図4の例では、特に、項目「位置」に示される内容が、第2の位置合わせ情報となり得るものである。したがって、使用条件生成部134は、項目「位置」に示される内容から、例えば、ランダムに選択したものを第2の位置合わせ情報として決定する。使用条件生成部134は、候補の中から選択するのではなく、動的に第2の位置合わせ情報を生成してもよい。ここでは、使用条件生成部134は、「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」を選択し、最終的に、「媒体の右下の角」を「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」に合わせる、を第2の位置合わせ情報として生成したものとする。
また、使用条件生成部134は、算出した情報と、画像データPTDA2−1と、上記の様に生成した第2の位置合わせ情報とを表示制御部137に出力する。かかる場合、例えば、表示制御部137は、「媒体の右下の角」を「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」に合わせた場合、導電性パターンの入力点がタッチ位置に合致するように、「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」が位置するよう画像データPTDA2−1を端末装置10に対して表示制御する。
なお、まず、使用条件生成部134により、例えば、「媒体の右下の角」を「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」に合わせる、といった第2の位置合わせ情報
が生成されたうえで、例えば、入力情報決定部132が、この第2の位置合わせ情報に合うように入力情報を決定してもよい。
また、使用条件生成部134は、媒体または導電性パターンのうち、端末装置10または端末装置10の表示画面Dに表示される画像情報に合わせる部位を示す第3の位置合わせ情報を生成する。媒体または導電性パターンのうち、端末装置10または端末装置10の表示画面Dに表示される画像情報に合わせる部位とは、例えば、「媒体の右下の角」といったものである。使用条件生成部134は、このような部位を示す条件情報も生成してよい。
(パターン生成部135について)
パターン生成部135は、入力情報決定部132により決定された入力情報に対応する導電性パターンを示すパターン情報を生成する。例えば、パターン生成部135は、導電性パターンにユーザがタッチした際に発生する電気の電力により端末装置に対して入力情報に応じた入力を行う入力点と、電気が入力点へと通電される導線とを含む導電性パターンを示すパターン情報を生成する。例えば、パターン生成部135は、導電性パターンとして、ユーザによる端末装置への直接入力の代わりに、端末装置の入力画面に接触された状態で電力により入力点から入力情報に応じた入力を行う導電パターンを示すパターン情報を生成する。
また、パターン生成部135は、入力情報決定部132により表示画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置の個数が決定された場合には、入力点がこの個数に合致するようにパターン情報を生成する。また、パターン生成部135は、入力情報決定部132によりタッチ位置を示す位置情報であって表示画面D上の位置を示す位置情報が決定された場合には、入力点が位置情報によって示される位置に合致するようにパターン情報を生成する。
また、パターン生成部135は、入力情報決定部132によりタッチ位置の各々を順にタッチ入力させる際の入力順を決定された場合には、入力点のうち、タッチ位置の各々に位置が対応する入力点に対して入力順に応じて通電されるようパターン情報を生成する。
図1の例では、パターン生成部135は、表示画面Dにおいて、図1(b)に示すように配置される7つのタッチ位置に7つの入力点が合致するよう、また、タッチ位置1〜7へと順に電力による入力が行われるようパターン情報を生成する。また、パターン生成部135は、端末装置に対して前記入力情報に応じた入力を行う入力点に対して、入力情報決定部132により決定された回数に応じた通電が行われるようパターン情報を生成する。また、例えば、入力情報決定部132により複数のタッチ位置(例えば、入力点P1およびP2に対応するタッチ位置)に対して同時のタッチ入力を示す入力情報が生成される場合がある。このような場合、パターン生成部135は、一つの導線が途中で2つの枝分かれし、その先に入力点P1およびP2が接続されるような導電性パターンを示すパターン情報を生成する。
(提示部136について)
提示部136は、ユーザに対して各種情報を提示する。言い換えれば、提示部136は、ユーザの端末装置10に各種情報を送信し、送信した情報を表示画面Dに表示させる。例えば、提示部136は、パターン生成部135により生成されたパターン情報を端末装置10に送信する。例えば、提示部136は、パターン情報がPDFファイル形式で添付された電子メールを端末装置10に送信する。
また、提示部136は、導電性パターンの使用方法を説明する説明情報も提示する。図1の例では、提示部136は、導電性パターン20の所定箇所(入力点P1〜P7)を表示画面Dに表示された7つのタッチ位置に合わせた状態で、導線D1〜D7の末端部分を上から順にすばやくなぞるよう説明する説明情報を提示する。
また、提示部136は、使用条件生成部134により生成された使用態様に関する条件情報に基づく説明情報も提示する。図4の例を用いた場合、提示部136は、「媒体の右下の角を表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形に合わせて入力を行ってください」といった説明情報も提示する。
(表示制御部137について)
表示制御部137は、各種情報が端末装置10に表示されるよう端末装置10に対して表示制御を行う。例えば、表示制御部137は、入力情報決定部132により決定された入力情報に関する表示制御を行う。この点について、図1の例を用いて説明する。図1の例は、ユーザU1に対して、7つのタッチ位置に導電性パターン20合わせて使用するよう指定されているため、7つのタッチ位置を視認させる必要がある。表示制御部137は、端末装置10が7つのタッチ位置に円マークを表示するよう端末装置10に対して表示制御制御する。
また、表示制御部137は、使用条件生成部134から算出情報と、画像データPTDA2−1と、第2の位置合わせ情報とを受信した場合には、「媒体の右下の角」を「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」に合わせると、導電性パターンの入力点がタッチ位置に合致するような位置に「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」がくるよう画像データPTDA2−1を端末装置10に対して表示制御する。なお、表示制御部137は、位置合わせ情報に基づく表示制御を行う場合、タッチ位置が視認可能な状態にはしない。これは、「媒体の右下の角を表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形に合わせる」といった使用態様を知っているユーザしか、正しい入力を行えないようにするためである。
(検出部138について)
検出部138は、電気により端末装置10に対して入力された入力情報を端末装置10から取得する。また、検出部138は、端末装置10にアクセスし、端末装置10に入力された電気を検出してもよい。図1で説明したように、端末装置10は、アプリAP1の制御に従って、静電気を検出する。また、端末装置10は、表示画面Dのどの位置に静電気による情報入力が行われたのかも検出する。そして、端末装置10は、検出した位置を示す位置情報、検出した位置それぞれに情報入力された順を情報制御装置100に送信する。これにより、検出部138は、電気により端末装置10に対して入力された入力情報を取得することができる。なお、検出部138は、電気が導電性パターンを通電する際の通電態様(例えば、電気が導体のどの位置を通電したかを示す通電態様)も検出することができる。
(実行部139について)
実行部139は、検出部138により検出された検出情報に基づいて、検出された情報に応じた制御処理を行う。制御処理の一例がログイン認証であるとする。この場合、実行部139は、検出情報に基づき、認証処理を実行する。図1の例では、実行部139は、端末装置10により取得された検出情報が、条件情報「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」を満たすか否かを判定する。そして、実行部139は、満たすと判定した場合には、ユーザU1に対して認証を得る。すなわち、実行部139は、ユーザU1による自装置へのログインを許可する。
なお、制御処理は、ログイン認証に限定されない。例えば、特定の施設への入館認証であってもよい。また、この場合、端末装置10は、携帯電話端末ではなく、扉の前に設置された認証端末となる。かかる認証端末にも、静電容量方式によりユーザーからの操作を受け付けるタッチパネルが搭載されている。このような状態において、例えば、実行部139は、条件情報を満たすと判定した場合には、扉を開くよう制御する。
また、実行部138は、段階的な認証を行ってもよい。例えば、実行部138は、2段階のログイン認証を行ってもよい。かかる場合、ユーザU1を例に説明すると、例えば、図5において、ユーザU1に複数のセキュリティ強度(例えば、レベル1と2)が対応付けられる。例えば、実行部139は、ユーザU1が導電性パターンを用いてレベル1に対応付けられる入力を行った場合、全てのコンテンツのうち一部のコンテンツのみ閲覧可能にする。また、次に、ユーザU1が導電性パターンを用いてレベル2に対応付けられる入力を行った場合、実行部139は、全てのコンテンツを閲覧可能にする。
〔3.情報処理における作用の一例〕
以下、図7に示すフローチャートを用いて、各処理部131〜139が実行・実現する処理の内容について説明する。図7は、第1の実施形態にかかる制御処理の一例を示すフローチャートである。また、適宜、図1、図4および図6の例を用いることにする。
まず、受信部131は、図1(a)に示すログイン画面を介して、入力情報の要求を受信したか否かを判定する(ステップS101)。受信部131は、入力情報の要求を受信していない場合には(ステップS101;No)、受信するまで待機する。一方、入力情報決定部132は、受信部131により入力情報の要求が受信された場合には(ステップS101;Yes)、入力情報を決定する(ステップS102)。ここでは、受信部131によりユーザU1からの要求が受信されたものとする。
例えば、入力情報決定部132は、ユーザU1に対して入力させる情報の内容である内容情報と、この内容情報を入力させるうえでの条件である条件情報とを決定する。例えば、入力情報決定部132は、入力情報記憶部121を参照し、ユーザU1が指定したセキュリティ強度(レベル2とする)に対応付けられる入直情報の候補の中から、ユーザU1に付与する入力情報を決定する。ここでは、入力情報決定部132は、入力情報として、表示画面Dにタッチ入力させる際のタッチ位置の個数、位置、タッチ位置をタッチさせる入力順を決定するものとする。一例として、入力情報決定部132は、「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」といった条件情報を決定したものとする。また、ここでは、7つのタッチ位置は、図1(b)にように視認可能に表示されないものとする。
次に、パターン生成部135は、ステップS102で決定された入力情報に基づいて、導電性パターンの形状を示すパターン情報を生成する(ステップS103)。
次に、使用条件生成部134は、ステップS102で決定された入力情報に対応する導電性パターンが印刷された媒体を用いてユーザが入力する際におけるユーザによる媒体または導電性パターンの使用態様に関する条件情報を、入力情報に基づいて生成する(ステップS104)。例えば、使用条件生成部134は、条件情報として、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を、表示画面Dに表示される画像情報のうち、いずれの位置に存在する画像情報に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報を生成する。より具体的には、使用条件生成部134は、条件情報として、媒体、または、導電性パターンのどの部分を、表示画面Dに表示される画像情報のどの部分に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報を生成する。ここでは、使用条件生成部134は、「媒体の右下の角を表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形に合わせる」、を第2の位置合わせ情報として生成したものとする。
次に、提示部136は、ステップS103で生成されたパターン情報をユーザU1の端末装置10に送信する(ステップS105)。また、このとき提示部136は、第2の位置合わせ情報の内容や説明情報も送信する。
ここで、不図示であるが、パターン情報等を収取したユーザU1が、図1(a)において、「入力画面へ進む」の箇所をタッチしたとする。かかる場合、表示制御部137は、端末装置10に対して、所定の入力画面を表示するよう表示制御する。例えば、表示制御部137は、図6に示すように、画像情報PTDA2−1を表示制御する。具体的には、表示制御部137は、「媒体の右下の角」を「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」に合わせると、導電性パターンの入力点がタッチ位置に合致するような位置に「表示画面Dの画面右から数えて3つ目の青色正方形」がくるよう画像データPTDA2−1を端末装置10に対して表示制御する。
このような状態において、検出部138は、静電気による情報入力を検出したか否かを判定する(ステップS106)。検出部137は、検出できない場合には(ステップS106;No)、検出できるまで待機する。一方、実行部138は、検出部により静電気による情報入力が検出された場合には(ステップS106;Yes)、検出された情報に基づいて、認証処理を行う(ステップS107)。例えば、実行部138は、検出情報が条件情報「0.3秒以内にタッチ位置1〜7を順にタッチ」を満たすか否かを判定する。実行部138は、満たさないと判定した場合には(ステップS108;No)、認証を許可せずに処理を終了する。一方、実行部139は、満たすと判定した場合には(ステップS108;Yes)、ユーザU1に対して認証を得る。すなわち、実行部139は、ユーザU1による自装置へのログインを許可するといった制御処理を行う(ステップS109)。
〔4.変形例〕
上記第1の実施形態にかかる情報制御装置100は、上記第1の実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報制御装置100の他の実施形態について説明する。
〔4−1.使用態様について〕
上記第1の実施形態では、情報制御装置100が、媒体や導電性パターンの使用(端末装置10に対してどのような位置関係で載置して使用するか)について条件を生成し、その条件を満たすように媒体や導電性パターンの使用がされた場合には、認証を得る、といったことを説明した。このような使用態様に関する条件情報には、他の例も存在する。
例えば、使用条件生成部134は、条件情報として、媒体、または、導電性パターンの少なくとも一部を、表示画面Dに表示される画像情報のうち、いずれの位置に存在する画像情報に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報を生成する。例えば、使用条件生成部134は、媒体の特定の箇所を、表示画面Dに表示される画像情報のうち、いずれの位置に存在する画像情報に合わせるかを示す第2の位置合わせ情報を生成する。
一例を示すと、例えば、使用条件生成部134は、「媒体に対して印刷されている日付情報の上端部分を、表示画面Dに表示される画像情報に含まれる文字列のうち「タッチしてください」の下端部分に合わせる」といったことを示す第2の位置合わせ情報を生成する。この点について、図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態における変形例にかかる情報処理を説明する説明図(1)である。
図8の例では、媒体Kには、導電性パターン21以外にも印刷日を示す日付情報が印刷されている。例えば、パターン生成部135は、パターン情報として、このような印刷日も合わせて出力されるようなパターン情報を生成することができる。また、図8の表示画面Dは、ログイン画面の一例であるが、「指定通り画面をタッチして下さい」といった文字列を含む画像情報が表示されている。ここで、使用条件生成部134が、「媒体に対して印刷されてい日付情報の上端部分を、表示画面Dに表示される画像情報に含まれる文字列のうち「タッチしてください」の下端部分に合わせる」といったことを示す第2の位置合わせ情報を生成しているため、ユーザU1は、第2の位置合わせ情報に示される条件の通り、図8のように媒体Kを載置する。
このように載置することで、導電性パターン21に含まれる7つの入力点は、予め決定されているタッチ位置であって表示画面D上のタッチ位置に合わさる。このような第2の位置合わせ情報が使用条件として設定されていることにより、ユーザU1以外の第三者は使用条件を知らないため、例えば、ログインすることができない。
したがって、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムは、導電性パターンを用いた情報入力における利便性を高めることができるとともに、セキュリティの向上を図ることができる。
〔4−2.導電性パターンについて(1)〕
上記第1の実施形態では、情報制御装置100が、例えば、図1(b)に示すように、1つの媒体に1つの導電性パターンが印刷されるようパターン情報を生成する例を示した。しかし、パターン生成部135は、1つの媒体に1つの導電性パターンが印刷されるようパターン情報を生成してもよい。この点について、図9を用いて説明する。図9は、第1の実施形態における変形例にかかる情報処理を説明する説明図(2)である。
図9の例では、パターン生成部135は、1つの媒体Kに導電性パターン22と、導電性パターン23とが印刷されるようパターン情報を生成する。例えば、導電性パターン22が、実際に、情報入力に用いることができるパターンであり、導電性パターン23はダミーである。また、使用態様に関する条件情報として、導電性パターン22の方を使用することを示す条件情報が生成されてもよい。
このような場合、ユーザU1以外の第三者は複数の導電性パターンのうち、どの導電性パターンを使用すればよいか知らないため、簡単にはログインすることができない。したがって、第1の実施形態にかかる情報制御プログラムは、導電性パターンを用いた情報入力における利便性を高めることができるとともに、セキュリティの向上を図ることができる。
〔4−3.導電性パターンについて(2)〕
また、パターン生成部135は、例えば、導線が所定の形状となるようパターン情報を生成してもよい。図6の例では、ハートマークが1つだけ存在する。したがって、例えば、パターン生成部135は、このハートマークに合わさるようハート形の導電性パターンとなるようパターン情報を生成する。なお、この場合、使用条件生成部134は、例えば「導線のハート形部分を、表示画面Dに表示される画像情報に含まれるハートマークに合わせる」といったことを示す第2の位置合わせ情報を生成する。
〔4−4.媒体の形状について〕
図1や図6の例では、媒体の形状は四角である。しかし、媒体の形状は、例えば、円形であってもよい。つまり、パターン生成部135は、入力情報に対応する導電性パターンであって、円状の媒体に印刷される導電性パターンを示すパターン情報を生成する。また、パターン生成部135は、使用態様に関する条件情報に基づいて、円状の媒体に印刷される導電性パターンを示すパターン情報を生成する。
例えば、媒体の形状が四角である場合、角があることから媒体の向きを参考に使用態様に関する条件情報が予測され易くなってしまう恐れがある。しかし、円状であれば角が存在しないためこのような危険性が無く、よりセキュリティの向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
〔1.処理概要〕
さて、以下では、第2の実施形態にかかる制御処理について説明する。第2の実施形態にかかる情報制御プログラムは、図2に示した各処理部に加えて、さらに新たな処理部を情報制御装置100または端末装置10に対して実現するものである。以下では、第2の実施形態にかかる情報制御プログラムによって機能する情報制御装置200を例に説明する。情報制御装置200は、情報制御装置100に対応するサーバ装置であり、第1の実施形態で説明した内容と重複する点については適宜省略することにする。
第2の実施形態にかかる情報制御装置200の前提について説明する。例えば、ユーザは導電性パターンに触れることにより、導電性パターンに静電気を通電させるが、例えば、ログインしようとしている対象のユーザにしか実現できないような通電態様を検出できれば、セキュリティの向上を図ることができる。
図1の例を用いて簡単に説明する。まず、人の掌は平面上ではなく、凹凸状となっている。例えば、掌を真横から眺めてみるとその様子を認識し易い。そして、凹凸状となっているため、掌を平面上の媒体Kの上に軽く接触させた場合、掌全体が媒体Kに対して完全に密着することは無く、掌の***している部分(凸状の部分)のみが接触することとなる。また、掌の大きさは人によって異なるうえ、掌のどの箇所がそれだけ***しているかも人によって異なる。このため、例えば、導電性パターン20の7つの入力点の位置が、ユーザU1の掌の***部分に合致するよう設計されていたとすると、「7つの入力点を同時にタッチ」といった条件が決定されていた場合、このような条件を満たすような通電態様を実現できるのはユーザU1だけとなる。
また、例えば、7つの導線が、ユーザU1の掌の***部分に合致するよう設計されていたとすると、「7つの入力点を同時にタッチ」といった条件が決定されていた場合、このような条件を満たすような通電態様を実現できるのはユーザU1だけとなる。
以上を踏まえて、第2の実施形態にかかる情報制御装置200は、端末装置10に情報入力を行う導電性パターンに対してユーザにより通電された場合の通電態様を示す通電情報を検出し、検出した通電情報に応じた制御処理を行う。より具体的には、情報制御装置200は、通電態様の条件情報である通電条件を決定し、決定した通電条件と、検出しれた通電情報とに基づいて、通電情報に応じた制御処理を行う。なお、本実施形態では、「掌」は、手の裏表の双方から指まで全てを含むものとする。
〔2.情報制御装置の構成〕
次に、図10を用いて、第2の実施形態にかかる情報制御装置200について説明する。図10は、第2の実施形態にかかる情報制御装置200の構成例を示す図である。図2に示すように、情報制御装置200は、通信部110と、記憶部220と、制御部230とを有する。
(記憶部220について)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、入力情報記憶部121と、画像情報記憶部122と、ユーザ情報記憶部123と、通電情報記憶部224とを有する。
(通電情報記憶部224について)
通電情報記憶部224は、通電態様の条件情報である通電条件と、当該通電条件が満たすような通電が行わた場合に情報制御装置200が実行する制御処理に関する条件とを記憶する。ここで、図11に第2の実施形態にかかる通電情報記憶部224の一例を示す。図11の例では、通電情報記憶部224は、「ユーザID」、「セキュリティ強度」、「通電条件(その1)」、「通電条件(その2)」、「通電態様を示すデータ」、「押下する圧力」、「制御処理の内容」といった項目を有する。
「ユーザID」は、ユーザまたはユーザの端末装置10を識別する識別情報を示す。「セキュリティ強度」は、ユーザに指定された「セキュリティ強度」のレベルを示す。なお、ユーザにより「セキュリティ強度」が指定されていない場合には、デフォルトのレベル(例えば、レベル2)が入力されてもよい。また、「セキュリティ強度」は、例えば、「認証強度の度合い」と言い換えることができる。
「通電条件(その1)」は、通電態様の条件情報であり、対応する「ユーザID」により識別されるユーザの掌、すなわちユーザの手の少なくとも一部を導電性パターンに接触させた際に発生する電気が通電する際の通電状態の条件である。手の少なくとも一部とは、例えば、掌、指といった手の全ての部分のうちの、所定の部位を示す。「通電条件(その2)」は、「通電条件(その1)」をより詳細に説明するものである。例えば、ユーザは、導電性パターンを用いて、特定の通電態様を実現出来た場合に、認証を許可されるが、この特定の通電態様がどのようなものであるかが、「通電条件(その1)」および「通電条件(その2)」に示されている。例えば、ユーザU1が手の少なくとも一部の***部分で触れた場合でしか実現できない通電態様があり(通電条件(その1))、このような通電態様とは、具体的には、50個のタッチ位置を同時にタッチする(通電条件(その2))といったものである。
「通電態様のデータ」は、「通電条件(その1)」および「通電条件(その2)」で示される通電態様とはどのようなものかを示す情報であり、例えば、画像情報あるいは数値情報で示される。例えば、ユーザU1が手の少なくとも一部を導電性パターンに接触させた際の通電状況をグラデーションで視覚化した通電マップ等が画像情報として考えられる。
また、ユーザは、第2の実施形態では、掌を広げて掌全体で導電性パターンにタッチすることになるが、このときの力の入れ具合が「タッチする圧力」に対応する。例えば、ユーザが、弱い力で強く導電性パターンに触れた場合には、***部分のみが接触することとなる。一方、ユーザが、強い力で軽く導電性パターンに触れた場合には、弱い力でタッチしたときよりもより多くの面積が導電性パターンに触れることになり、***部分に基づく特徴的な接触状態ではなくなる。
強い力で強く導電性パターンに触れた場合には、弱い力でタッチしたときよりもより多くの面積が導電性パターンに触れることになり、***部分に基づく特徴的な接触状態ではなくなるため、「セキュリティ強度」として弱いレベル1が対応付けられるとともに、「制御処理の内容」も一部の認証を許可するに留められている。一方、弱いい力で軽く導電性パターンに触れた場合には、***部分に基づく特徴的な接触状態の影響が強くなるため、「セキュリティ強度」として強いレベル2が対応付けられるとともに、「制御処理の内容」も全ての認証を許可するものとなっている。
図10に戻り、制御部230は、CPUやMPU等によって、情報制御装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図10に示すように、制御部230は、受信部131と、入力情報決定部132と、取得部133と、使用条件生成部134と、パターン生成部135と、通電条件決定部235と、設定部236と、提示部136と、表示制御部137と、検出部138と、実行部139とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図10に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図10に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
また、図10に示す各処理部は、第2の実施形態にかかる情報制御プログラムが実行されることにより実現される処理部である。図10に示す通り、第2の実施形態にかかる情報制御プログラムでは、新たに通電条件決定部235と設定部236とが実行される。したがって、以下では、通電条件決定部235および設定部236について詳細に説明する。
(通電条件決定部235について)
まず、検出部138は、端末装置10に情報入力を行う導電性パターンに対してユーザにより通電された場合の通電態様を示す通電情報を検出する。また、実行部139は、検出手段により検出された通電情報に応じた制御処理を行う。このような状態において、通電条件決定部235は、通電態様の条件情報である通電条件を決定する。具体的には、通電条件決定部235は、実行部139により制御処理が行われるための条件情報であって、通電態様の条件情報である通電条件を決定する。
例えば、通電条件決定部235は、ユーザの手の少なくとも一部を導電性パターンに接触させた際に発生する電気の通電態様であって手の少なくとも一部の状態に応じた通電態様を、ユーザに対する条件情報として決定する。例えば、通電条件決定部235は、ユーザの手の少なくとも一部を導電性パターンに接触させた際の導電性パターンに対する接触箇所であって、手の少なくとも一部の***部分に対応する接触箇所に応じて発生する電気の通電態様を示す情報を通電条件として決定する。例えば、通電条件決定部235は、ユーザの手の少なくとも一部を導電性パターンに接触させた際の導電性パターンに対する接触箇所の接触面積であって、接触させる際における手の少なくとも一部からの圧力によって変化する接触面積に応じて発生する電力の通電態様の情報を通電条件として決定する。例えば、通電条件決定部235は、接触箇所での接触面積毎の通電態様の情報を通電条件として決定する。なお、手の少なくとも一部の***部分とは、例えば、指の関節と関節の間の膨らんでいる箇所、あるいは、掌における指の根元部分を示す。
なお、パターン生成部135は、導電性パターンとして、前記ユーザの手の少なくとも一部の***部分を前記導電性パターンに接触させた際の前記導電性パターンに対する接触箇所での接触面積に応じた通電が行われる導電性パターンを示すパターン情報を生成する。
(設定部236について)
設定部236は、通電条件決定部235により決定された通電条件と、実行部139により実行される制御処理の内容を示す内容情報との組合せを設定する。例えば、設定部136は、認証強度の度合い毎に、当該認証強度の度合いに応じた組合せを設定する。
図11の例を用いて、通電条件決定部235および設定部236について説明する。例えば、情報制御装置200は、ユーザU1の掌の状態がスキャンされたスキャン情報を有しているものとする。つまり、情報制御装置200は、ユーザU1の掌において、各***部分の位置関係や、掌を平面上に軽く置いた際、平面上において***部分が接触する接触箇所の面積や、掌を平面上に強く押し当てた際、平面上において***部分が接触する接触箇所の面積等の情報スキャン情報として取得し所定の記憶部に記憶しているものとする。
ここで、通電条件決定部235は、例えば、ユーザU1に対応するセキュリティ強度「レベル1」に対して、「50個のタッチ位置を同時にタッチする通電」を通電条件として決定する。「50個のタッチ位置を同時にタッチする通電」を実現するには、導電性パターンを特定の50か所を同時にタッチする必要があり、このような入力は手作業では不可能である。例えば、50個の突起物で同時にタッチできれば可能であると考えられるが、この50個の突起物がユーザU1の手の少なくとも一部の***部分となる。ユーザU1の手の少なくとも一部の***部分を用いれば、ユーザU1の手の少なくとも一部の***部分に応じた通電態様となる。
そして、パターン生成部135は、このような通電を実現できるパターン情報を生成する。例えば、パターン生成部135は、スキャン情報に基づいて、例えば、***部分の位置関係に対応するよう、掌を接触させる強度に応じて変化する接触面積に対応するようパターン情報を生成する。つまり、パターン生成部135は、ユーザU1が掌を強めに接触させない限り、50個全ての入力点に同時に通電しないような導線を含むパターン情報を生成する。また、パターン生成部135は、ユーザU1が掌を弱めに接触させた場合には、50個の入力点のうち特定の36個の入力点に同時に通電しないような導線を含むパターン情報を生成する。
また、設定部237は、セキュリティ強度「レベル1」と、「50個のタッチ位置を同時にタッチする通電」といった通電条件との組合せに対して、制御処理の内容「一部の認証を許可」を設定する。また、設定部237は、セキュリティ強度「レベル2」と、「50個のタッチ位置のうち特定の36個のタッチ位置を同時にタッチする通電」といった通電条件との組合せに対して、制御処理の内容「一部の認証を許可」を設定する。なお、特定の36個のタッチ位置は、ユーザU1の手の少なくとも一部の***部分の掌における位置関係に対応する。
また、実行部139は、検出部138により検出された通電情報がユーザU1に対応する通電条件であって、セキュリティ強度「レベル1」に対応する通電条件を満たす場合には、例えば、一部の認証を許可する。例えば、実行部139は、全てのコンテンツのうち一部のコンテンツのみ閲覧可能にする。また、実行部139は、検出部138により検出された通電情報がユーザU1に対応する通電条件であって、セキュリティ強度「レベル2」に対応する通電条件を満たす場合には、例えば、全ての認証を許可する。例えば、実行部139は、全てのコンテンツを閲覧可能にする。
〔3.変形例〕
上記第3の実施形態にかかる情報制御装置200は、上記第2の実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報制御装置200の他の実施形態について説明する。
〔3−1.決められた位置に対応する通電条件〕
通電条件決定部235は、導電性パターンに触れるよう定められた押下位置において、ユーザにより導電性パターンが押下された場合の通電態様を示す情報を通電条件として決定する。この場合、パターン生成部135は、導電性パターンにおいてユーザが特定の位置(定められた押下位置)に掌で軽く触れた場合に、全ての入力点に同時に通電するような導電性パターンを生成する。なお、導電性パターンに対してどのように掌を合わせるかといった情報は、例えば、提示部136によりユーザに通知される。これにより、第2の実施形態にかかる情報制御プログラムは、セキュリティの向上を図ることができる。
〔3−2.決められた時間に対応する通電条件〕
また、通電条件決定部235は、押下位置を押下するよう定められた時間の間、ユーザにより導電性パターンが押下された場合の通電態様を示す情報を前記通電条件として決定する。この場合、例えば、通電条件決定部235は、掌を導電性パターンに接触させて入力点に対して継続して通電させる時間も通電態様として決定する。そうすると、実行部139は、ユーザの掌に応じた通電が検出されたとしても、通電条件決定部235により決定された時間の間、その通電が継続していなければ認証を許可しない。なお、導電性パターンに対してどれだけの時間、通電させるかといった情報は、例えば、提示部136によりユーザに通知される。これにより、第2の実施形態にかかる情報制御プログラムは、セキュリティの向上を図ることができる。
〔3−3.決められた回数に対応する通電条件〕
また、通電条件決定部235は、押下位置を押下するよう定められた回数、ユーザにより前記導電性パターンが押下された場合の通電態様を示す情報を通電条件として決定する。この場合、例えば、通電条件決定部235は、掌を導電性パターンに接触させて入力点に対して通電させる回数も通電態様として決定する。この回数は、例えば、掌で導電性パターンを押下すべき回数である。そうすると、実行部139は、ユーザの掌に応じた通電が検出されたとしても、通電条件決定部235により決定された回数、連続的にその通電が継続していなければ認証を許可しない。これにより、第2の実施形態にかかる情報制御プログラムは、セキュリティの向上を図ることができる。
(その他)
〔1.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態にかかる情報制御装置100および200は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報制御装置100を例に挙げて説明する。図12は、情報制御装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態にかかる情報制御装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
また、例えば、コンピュータ1000が第2の実施形態にかかる情報制御装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。
〔2.その他〕
上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受信部は、受信手段や受信回路に読み替えることができる。