JP6882906B2 - プリント基板、電源装置および画像形成装置 - Google Patents
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第一実装面と、前記第一実装面の反対側の面である第二実装面と、を有し、前記第一実装面に対して圧電トランスが表面実装されるプリント基板であって、
前記圧電トランスは、
入力電極と出力電極とを有する圧電体と、
前記入力電極または前記出力電極と導通した複数の外部電極と、
前記圧電体の側面を取り囲むように配置され、前記圧電体を支持する枠基板と、を有し、
前記第二実装面は、前記圧電体が射影される射影領域を有し、
前記射影領域内には、前記入力電極の端部のうち、前記出力電極に遠いほうの端部を前記第二実装面上に射影した第一の位置から、前記入力電極の端部のうち、前記出力電極に近いほうの端部を前記第二実装面上に射影した第二の位置までの第一領域があり、前記第二の位置から、前記出力電極の端部のうち、前記入力電極に遠いほうの端部を前記第二実装面上に射影した第三の位置までの第二領域があり、前記第一領域には電子部品が実装され、前記第二領域には電子部品が実装されていないことを特徴とするプリント基板が提供される。
[圧電トランス]
図1は表面実装タイプの圧電トランスPTを示す平面図である。表面実装とは、SMT(Surface mount technology)とも呼ばれ、プリント基板の表面に電子部品を実装する技術である。表面実装ではリフローを用いて電子部品がプリント基板に実装される。なお、表面実装される電子部品はSMD (Surface Mount Device)と呼ばれる。圧電体100は概ね平板状の直方体であり、六つの外面を有している。とりわけ、厚み方向で一対をなす二つの外面のうち、一方の外面はプリント基板と対向する下面であり、他方の外面は第一入力電極101、第二入力電極102および出力電極103が形成される上面である。厚み方向とは、上面および下面の法線方向をいう。枠基板104は圧電体100の四つの側面を包囲するように設けられた枠状の部材である。枠基板104は圧電体100よりも厚い。つまり、圧電体100は枠基板104よりも薄い。枠基板104の中央には矩形の孔105が設けられている。圧電体100は孔105に収容される。平面視において矩形の孔105の面積は圧電体100の面積よりも大きい。つまり、孔105の短手方向の長さは圧電体100の短手方向の長さよりも長く、孔105の長手方向の長さは圧電体100の長手方向の長さよりも長い。そのため、圧電体100の四つの側面は枠基板104の内側面に接触しない。つまり、孔105に圧電体100が配置された状態で、圧電体100の外周面と孔105の内周面との間には適度なクリアランス(空間)が確保される。このように、孔105の大きさおよび形状は孔105に圧電体100を配置可能となるような大きさおよび形状である。孔105は枠基板104となる平板状の基板を厚み方向に貫通(開口)して形成されている。
図3、図4を参照しながら両面プリント基板50における電子部品の配置が説明される。図3、図4は図1におけるB−B切断線で圧電トランスPTを切断して得られる断面図である。両面プリント基板50は、それぞれ電子部品を実装可能な第一実装面301と第二実装面302とを有している。圧電トランスPTの枠基板104の下面が第一実装面301と対向するように半田付けすることにより、圧電トランスPTは第一実装面301に表面実装される。圧電体100の下面は枠基板104の下面よりも上方に浮いているため、圧電体100は第一実装面301に接触しない。そのため、両面プリント基板50が圧電体100の機械振動を阻害しない。
図5は入力電極側から見た圧電トランスPTの短辺側の側面図である。図5を参照しながら両面プリント基板50に表面実装される圧電トランスPTの半田接合部が説明される。
両面プリント基板50は、コアと称される基材(例:ガラスエポキシ樹脂製)の第一実装面301と第二実装面302との両側に金属製の配線が形成されたプリント基板である。金属製の配線は、基材の主面である第一実装面301と第二実装面302とのほかに、基材内部に形成されることもある。
両面プリント基板50と圧電トランスPTとを有する電源装置が設置された環境の温度変化に起因して、導電性接合材SLa、SLbにクラック等が発生することがある。これは、両面プリント基板50の熱膨張係数と圧電トランスPTの枠基板104の熱膨張係数との差に起因した応力が導電性接合材SLa、SLbにかかることが原因である。そこで、発明者らはヒートサイクル試験を実行し、半田接合部のクラックの有無を確認した。
プリント基板は、熱によって膨張したり、収縮したりする。基材の熱膨張係数は基材の種類やガラス繊維の向きによって異なる。両面プリント基板50および圧電トランスPTの枠基板104の材質として汎用材であるCEM−3とFR−4とが選択された。CEM−3についての縦方向での熱膨張係数は20〜25ppm/℃であり、横方向での熱膨張係数は23〜28ppm/℃である。FR−4の縦方向での熱膨張係数は10〜14ppm/℃であり、横方向での熱膨張係数は12〜16ppm/℃である。
ヒートサイクル試験では、圧電トランスPTが実装された両面プリント基板50が恒温槽に配置された。ヒートサイクル試験の条件は、JEITAの規格であるET−7404A「CSP・BGAパッケージの実装状態での環境及び耐久性試験方法」に記載された試験条件に準じて設定された。JEITAは一般社団法人電子情報技術産業協会の略称である。ここでは、圧電トランスPTを採用した高圧電源が搭載される画像形成装置の使用状態(電源オフ、スタンバイ、稼働)が考慮された。最高温度は125℃である。最低温度は−25℃である。温度保持時間(圧電トランスPTが実装された両面プリント基板50が恒温槽の環境に馴染むまでの時間)は30分である。1サイクルは、125℃から−25℃へ遷移し、さらに125℃へ戻るまでの過程からなる。ヒートサイクル試験として800サイクルが実行された。
図6は両面プリント基板50と枠基板104との組み合わせを示す表である。数値は熱膨張係数の差を示している。図6のうち太枠で囲まれた部分が実際に試験を実行された組み合わせを示している。また、斜線はクラックが発生した組み合わせを示している。両面プリント基板50に表面実装された圧電トランスPTの半田接合部の信頼性を確認するため、基材の種類と繊維の向きとの様々な組み合わせについてヒートサイクル試験が実施された。発明者らは、ヒートサイクル試験が完了した後に、半田接合部のクラックの有無を確認した。太線の枠が示すように、試験効率を向上させるため、両面プリント基板50の基材の選択はFR−4に固定され、繊維の向きも縦方向に固定された。一方で、この両面プリント基板50に組み合わされる、枠基板104の基材と向きの組み合わせは様々に変更された。両面プリント基板50に表面実装された圧電トランスPTの半田接合部が断面研磨され、研磨部におけるクラック有無が顕微鏡を通じて確認された。
図7は圧電トランスを用いた電源装置を適用可能な中間転写方式の画像形成装置1を示している。画像形成装置1は、単色画像を形成する画像形成装置であってもよいが、ここでは複数の色剤を混色して多色画像を形成する電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)といった4色の現像剤を使用する。図7において参照番号の末尾には色を示す文字が付与されているが、四色に共通する事項が説明される際にはこの文字が省略される。
図8はエンジンコントローラ20と高圧電源30を説明する図である。エンジンコントローラ20は、CPU21と高圧制御部22a〜22dを有している。CPU21は高圧制御部22aに帯電電圧の目標電圧を設定する。CPU21は高圧制御部22bに現像電圧の目標電圧を設定する。CPU21は高圧制御部22cに一次転写電圧の目標電圧を設定する。CPU21は高圧制御部22dに二次転写電圧の目標電圧を設定する。高圧電源30は複数の電源回路を有している。高圧電源30は帯電電圧を生成する昇圧回路32a、現像電圧を生成する昇圧回路32b、一次転写電圧を生成する昇圧回路32cおよび二次転写電圧を生成する昇圧回路32dを有している。高圧制御部22aは昇圧回路32aが出力する帯電電圧が目標電圧となるように制御信号Vcontを出力して昇圧回路32aを制御する。高圧制御部22bは昇圧回路32bが出力する現像電圧が目標電圧となるように制御信号Vcontを出力して昇圧回路32bを制御する。高圧制御部22cは昇圧回路32aが出力する一次転写電圧が目標電圧となるように制御信号Vcontを出力して昇圧回路32cを制御する。高圧制御部22dは昇圧回路32dが出力する二次転写電圧が目標電圧となるように制御信号Vcontを出力して昇圧回路32dを制御する。
図9を用いて電源回路の一例である昇圧回路32について説明する。昇圧回路32において圧電トランスPTは、従来の巻線式の電磁トランスに代えて採用されている。圧電トランスPTの二次側端子の出力は整流平滑回路によって正電圧に整流平滑される。整流平滑回路は、整流用のダイオードD1、D2および高圧コンデンサC1によって構成されている。圧電トランスPTの出力電圧は、圧電トランスPTから延伸した経路に接続された出力端子117から出力され、上述した一次転写ローラ5などの負荷に供給される。出力電圧は、抵抗R1、R2、R3によって分圧され、コンデンサC2および保護用抵抗R4を介してオペアンプOPの非反転入力端子(+端子)に入力される。
図3などに示したように両面プリント基板50は第一実装面301と、第一実装面301の反対側の面である第二実装面302とを有する。第一実装面301には圧電トランスPTが表面実装される。圧電トランスPTは、入力電極と出力電極103とを有する圧電体100と、圧電体100を支持する枠基板104とを有している。第一入力電極101や第二入力電極102は入力電極の一例である。図1に示したように枠基板104は圧電体100の側面を取り囲むように配置されている。また、枠基板104は入力電極または出力電極と導通した複数の外部電極109a〜109dを有している。第二実装面302は、圧電体100が射影される射影領域を有している。射影領域は圧電体100の上面または下面を第二実装面302の法線方向において射影した領域である。射影領域内には電子部品が実装される実装許可領域である第一領域303が含まれている。第一領域303は第一の位置P1から第二の位置P2までの領域である。第一の位置P1は入力電極の端部のうち、出力電極103に遠いほうの端部を第二実装面上に射影した位置である。より詳しくは、第一の位置P1とは、入力電極の端部のうち、出力電極103に遠いほうの端部から第二実装面302に向けて引いた垂線が第二実装面302と交わる位置である。第二の位置P2は、入力電極の端部のうち、出力電極103に近いほうの端部を第二実装面302上に射影した位置である。より詳しくは、第二の位置P2とは、入力電極の端部のうち、出力電極103に近いほうの端部から第二実装面302に向けて引いた垂線が第二実装面と交わる位置である。上述したように圧電トランスPTの射影領域のすべてを電子部品の実装禁止領域にしてしまうと第二実装面302における電子部品の高密度化が図れない。第一領域303は圧電トランスPTからの電界等の影響が小さいため、この領域であれば電子部品の性能の低下をほとんど招くことなく電子部品を実装可能である。このように第一領域303を、電子部品を実装可能な領域とすることで、第二実装面302における電子部品の高密度実装が可能となる。図3などに示したように、第一領域303には、圧電トランスPTを駆動する駆動回路を構成する少なくとも一部の電子部品が配置されてもよい。図3や図9に示したように駆動回路を構成する少なくとも一部の電子部品は、たとえば、コンデンサC3、電界効果トランジスタTrまたはインダクタL1である。
Claims (15)
- 第一実装面と、前記第一実装面の反対側の面である第二実装面と、を有し、前記第一実装面に対して圧電トランスが表面実装されるプリント基板であって、
前記圧電トランスは、
入力電極と出力電極とを有する圧電体と、
前記入力電極または前記出力電極と導通した複数の外部電極と、
前記圧電体の側面を取り囲むように配置され、前記圧電体を支持する枠基板と、を有し、
前記第二実装面は、前記圧電体が射影される射影領域を有し、
前記射影領域内には、前記入力電極の端部のうち、前記出力電極に遠いほうの端部を前記第二実装面上に射影した第一の位置から、前記入力電極の端部のうち、前記出力電極に近いほうの端部を前記第二実装面上に射影した第二の位置までの第一領域があり、前記第二の位置から、前記出力電極の端部のうち、前記入力電極に遠いほうの端部を前記第二実装面上に射影した第三の位置までの第二領域があり、前記第一領域には電子部品が実装され、前記第二領域には電子部品が実装されていないことを特徴とするプリント基板。 - 前記第一実装面は、当該第一実装面上の領域であって前記圧電体と対向している第三領域を有し、
前記射影領域とは、前記第三領域の反対側に位置する領域であることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。 - 前記第三領域は、電子部品が実装されない実装禁止領域であることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板。
- 前記第三領域に実装が禁止される電子部品は表面実装部品であることを特徴とする請求項3に記載のプリント基板。
- 前記第三領域は、前記圧電体が機械振動しても接触しない高さの電子部品が実装される領域であることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板。
- 前記第一の位置とは、前記入力電極の端部のうち、前記出力電極に遠いほうの端部から前記第二実装面に向けて引いた垂線が前記第二実装面と交わる位置であり、
前記第二の位置とは、前記入力電極の端部のうち、前記出力電極に近いほうの端部から前記第二実装面に向けて引いた垂線が前記第二実装面と交わる位置であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のプリント基板。 - 前記第一領域には、前記圧電トランスを駆動する駆動回路を構成する少なくとも一部の電子部品が実装されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のプリント基板。
- 前記駆動回路を構成する少なくとも一部の電子部品は、コンデンサ、トランジスタまたはインダクタであることを特徴とする請求項7に記載のプリント基板。
- 前記第三の位置とは、前記出力電極の端部のうち、前記入力電極に遠いほうの端部から前記第二実装面に向けて引いた垂線が前記第二実装面と交わる位置であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のプリント基板。
- 前記圧電体の側面と前記枠基板の内側面との間には空間が設けられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載のプリント基板。
- 前記圧電体は前記枠基板よりも薄く、前記圧電体の下面と前記第一実装面との間には空間が設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のプリント基板。
- 前記入力電極は、
前記圧電体の上面に設けられた第一対向電極と、
前記圧電体の下面に設けられた第二対向電極と
を有し、前記第二対向電極は、前記圧電体の側面を介して前記圧電体の上面まで延在していることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載のプリント基板。 - 前記プリント基板の基材の熱膨張係数と前記枠基板の熱膨張係数との差が、6×10^−6/℃未満であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載のプリント基板。
- 請求項1ないし13のいずれか一項に記載のプリント基板と、
前記第一実装面に対して表面実装された圧電トランスと、前記圧電トランスを駆動する駆動回路とを含む電源回路と
を有することを特徴とする電源装置。 - 像担持体と、
前記像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、
前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像手段と、
前記トナー画像をシートに転写する転写手段と、
前記帯電手段に供給される帯電電圧、前記現像手段に供給される現像電圧または前記転写手段に供給される転写電圧を生成する、請求項14に記載された電源装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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