JP6881283B2 - エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法およびエピタキシャルシリコンウェーハ - Google Patents

エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法およびエピタキシャルシリコンウェーハ Download PDF

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Description

本発明はエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法およびエピタキシャルシリコンウェーハに関し、特に、エピタキシャル膜の平坦度が高められたエピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法に関する。
エピタキシャルシリコンウェーハは、基板となるシリコンウェーハの片面にシリコンソースガスを吹き付けてエピタキシャル膜を成長させたウェーハであり、メモリー系デバイス、ロジック系デバイス、撮像デバイスなどの幅広い用途に使用されている。
半導体デバイスの集積度の向上のためには、エピタキシャルシリコンウェーハの平坦度は重要な要素の一つであるため、平坦度の高いエピタキシャルシリコンウェーハが強く求められている。さらに、1枚のエピタキシャルシリコンウェーハからより多くの半導体素子を作るためにも、ウェーハの全面、特に外周部領域まで平坦な形状が要求されるようになってきている。ウェーハの表面のフラットネス(平坦度)を測定するときのエッジ除外領域(Edge Exclusion)は、従来、ウェーハエッジから3mmであったものが、現状では、2mmへと進んでおり、さらには1mmまでの縮小化も要求されつつある。
ところが、ウェーハの外周部領域では、結晶方位の違いによるエピタキシャル膜の成長速度の違いからエピタキシャル膜の厚みの変化が生じ、エピタキシャル膜の厚みの均一化を図ることが困難であることが分かってきた。この結晶方位によるエピタキシャル膜の厚みの変化は、形成するエピタキシャル膜の厚みが厚くなるほど、より顕在化することが明らかになってきた。
結晶方位によるエピタキシャル膜の厚みの変化を低減するために、例えば、特許文献1には、シリコンウェーハのおもて面側における面取り幅を200μm以下に縮小する方法が提案されている。この方法によれば、エピタキシャル膜の成長速度方位依存性が抑制されることから、外周部領域における平坦度を高めることが可能となることが報告されている。
また、特許文献2では、エピタキシャル成長条件であるガス濃度、成長温度、チャンバー内圧力などを調整することにより、エピタキシャル膜の成長速度方位依存性を解消できることが報告されている。
特開2014−36153号公報 特開2016−100483号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、エピタキシャル膜の成長速度方位依存性の解消には有効ではあるものの、ウェーハの面取り幅を200μm以下の幅まで狭くしなければならず、面取り幅が広い場合には、十分な平坦度が得られないことになる。また、面取り幅を狭くし過ぎると、面取り部に加工ダメージが残りやすく、面取り部からのスリップ転位が発生し易くなるおそれもある。一方、特許文献2に記載の方法のような、エピタキシャル成長時の炉内圧力を調整だけではエピタキシャル膜の成長速度方位依存性の解消は不十分であり、十分な平坦度を得ることができない。
したがって、本発明の目的は、エピタキシャル膜の平坦度が全面的に高められたエピタキシャルシリコンウェーハ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、外周端に面取り部が形成され、面方位が(100)面もしくは(110)面からなるシリコンウェーハの主面にエピタキシャル膜を形成するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、前記シリコンウェーハの前記面取り部に保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記シリコンウェーハの中央部よりも外周部におけるエピタキシャル膜の成長速度が遅くなるように、前記保護膜形成工程後のシリコンウェーハ上に前記エピタキシャル膜を形成するエピタキシャル膜形成工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、面取り部に保護膜を形成することで、外周部領域におけるエピタキシャル膜の成長速度方位依存性の影響を抑えることができ、エピタキシャル膜の周方向の厚み分布の均一化を図ることができる。また外周部領域のエピタキシャル成長を弱めることにより、外周部におけるエピタキシャル膜の厚みの増加を抑制することができる。したがって、エピタキシャル膜の平坦度が全面的に高められたエピタキシャルシリコンウェーハを提供することができる。
本発明において、前記保護膜形成工程は、少なくとも前記シリコンウェーハの結晶方位<100>の方向の前記面取り部に前記保護膜を形成することが好ましく、前記シリコンウェーハの前記面取り部の全周に亘って前記保護膜を形成することもまた好ましい。結晶方位<100>の方向に存在する面取り部の一部を保護膜で覆うことにより、エピタキシャル膜の成長速度方位依存性を抑えることができる。またシリコンの外周部領域の全周を保護膜で覆う場合も、エピタキシャル膜の成長速度方位依存性がなくなるので、エピタキシャル膜形成工程において原料ソースガスが外周部領域に付着する量を一様にすることができる。したがって、エピタキシャル成長で発生する外周部領域のエピタキシャル膜の周期的な膜厚変化を抑制することができる。
本発明において、前記保護膜は酸化膜であることが好ましい。この場合において、前記エピタキシャル膜形成工程は、塩化水素ガスを添加した原料ソースガスを用いてエピタキシャル成長を行うことが好ましい。これにより、酸化膜上でのシリコン成長を抑制することができ、ノジュールと呼ばれる粒状シリコンの発生を防止することができる。
本発明によるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法は、前記エピタキシャル膜形成工程後、前記保護膜を除去する保護膜除去工程をさらに有することが好ましい。これによれば、外周部領域に発生するエピタキシャル欠陥を除去することができる。
また、本発明によるエピタキシャルシリコンウェーハは、外周端に面取り部を備え、主面が(100)面もしくは(110)面からなるシリコンウェーハ上にエピタキシャル膜を備えるエピタキシャルシリコンウェーハであって、前記エピタキシャル膜は厚さ2μm以上であり、かつ前記外周端より径方向に1mm〜3mmの外周部領域における周方向および径方向それぞれのエピタキシャル膜の厚みのPV値(Peak to Valley)が0.05μm以下であることを特徴とする。この場合において、前記面取り部の表面には粒状シリコンが存在しないことが好ましい。本発明によれば、平坦度が高く高品質なエピタキシャルシリコンウェーハを提供することができ、1枚のエピタキシャルシリコンウェーハからより多くの半導体チップを取り出すことができ、さらには半導体デバイスの集積度を向上させることができる。
本発明によれば、エピタキシャル膜の平坦度が全面的に高められたエピタキシャルシリコンウェーハ及びその製造方法を提供することができる。
図1は、主面が(100)面であるエピタキシャルシリコンウェーハにおけるエピタキシャル膜の膜厚分布を説明するための図であり、(a)は上面図、(b)は外周部領域の周方向における膜厚分布を示すグラフである。 図2は、エピタキシャルシリコンウェーハ1の外周部領域21の断面図であり、(a)は<100>方位における断面を示し、(b)は<110>方位における断面を示している。 図3は、本発明の第1の実施の形態によるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を説明するための図であって、(a)は上面図、(b)はA−A方向の断面図、(c)は(a)のB−B方向の断面図である。 図4は、図3に示したシリコンウェーハ2のおもて面にエピタキシャル膜3が形成されてなるエピタキシャルシリコンウェーハ1の構成を示す断面図であって、(a)は全体図、(b)は端部断面図である。 図5は、中心部よりも外周部の膜厚が厚いエピタキシャル膜が形成されたエピタキシャルシリコンウェーハの構成を示す断面図である。 図6は、本発明の第2の実施の形態によるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を説明するための図であって、(a)は上面図、(b)はA−A方向の断面図、(c)は(a)のB−B方向の断面図である。 図7は、主面が(110)面であるシリコンウェーハ2のおもて面23の表面形状を説明するための上面図である。 図8は、主面が(111)面であるシリコンウェーハ2のおもて面23の表面形状を説明するための上面図である。 図9は、実施例1,2並びに比較例1,2によるエピタキシャルシリコンウェーハの外周部領域におけるエピタキシャル膜厚分布の測定結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、主面が(100)面であるエピタキシャルシリコンウェーハにおけるエピタキシャル膜の膜厚分布を説明するための図であり、(a)は上面図、(b)は外周部領域の周方向における膜厚分布を示すグラフである。外周部領域とは、ウェーハの外周端から径方向に1〜3mmの領域を指す。
図1(a)に示すように、主面が(100)面であるエピタキシャルシリコンウェーハの<110>方位を基準結晶方位とすると、<110>方位は、0度(360度),90度,180度,270度に対応する。これに対し、<100>方位は、45度,135度,225度,315度に対応する。そして、エピタキシャル膜の外周部領域の膜厚は、図1(b)に示すように、<110>方位に対応する部分において厚く、<100>方位に対応する部分において薄くなる。つまり、エピタキシャル膜の外周部領域には、周方向に90度周期の膜厚変化が生じる。
これは、<100>方位の外周部領域ではエピタキシャル膜の成長速度が遅く、<110>方位の外周部領域では成長速度が速いためである。このような現象が生じるのは、下地となるシリコンウェーハの結晶方位によってエピタキシャル膜の成長速度が異なるからであり、この現象は成長速度方位依存性と呼ばれる。成長速度方位依存性による膜厚変動は、ウェーハの中心部においては発生せず、ウェーハの外周端から1〜3mm程度の外周部領域において発生し、その影響はウェーハの外周端に近いほど顕著となる。エピタキシャル膜の膜厚変動幅は、エピタキシャル膜の目標膜厚によっても異なるが、100〜200nm程度である。成長速度方位依存性が生じるメカニズムは以下の通りである。
図2は、エピタキシャルシリコンウェーハ1の外周部領域21の断面図であり、(a)は<100>方位における断面を示し、(b)は<110>方位における断面を示している。
図2(a)及び図2(b)に示すように、本実施形態によるエピタキシャルシリコンウェーハ1は、シリコンウェーハ2と、シリコンウェーハ2の一方の主面(おもて面23)に形成されたエピタキシャル膜3を有している。また、シリコンウェーハ2のおもて面23の結晶面は(100)面である。おもて面23の反対側に位置する裏面24にはエピタキシャル膜3は形成されない。外周部領域21は、ウェーハの外周端近傍の領域であり、さらにその外周には、面取りされた面取り部22が存在する。エピタキシャル膜3は、シリコンソースガス4をシリコンウェーハ2のおもて面23に供給することによって形成される。
図2(a)に示すように、<100>方位の面取り部22に形成されるエピタキシャル膜3には成長速度が速い(110)面が存在し、この部位でのエピタキシャル成長が促進される。その結果、おもて面23の外周部領域21上におけるシリコンソースガス4の濃度が低下し、当該外周部領域21においてエピタキシャル膜3の成長が抑制される。一方、図2(b)に示すように、<110>方位の面取り部22に形成されるエピタキシャル膜3には、成長速度が遅い(311)面および(111)面が存在するため、この部位でのエピタキシャル成長が抑制される。その結果、おもて面23の外周部領域21上におけるシリコンソースガス4の濃度が高まり、当該外周部領域21においてエピタキシャル膜3の成長が促進される。このようなメカニズムにより、おもて面23の外周部領域21上のエピタキシャル膜3の膜厚は、<100>方位では薄く、<110>方位では厚くなる。
本実施形態は、このような成長速度方位依存性によって生じるエピタキシャル膜3の膜厚変動を防止すべく、シリコンウェーハ2のおもて面23の面取り部22にあらかじめ保護膜を形成しておく。
図3は、本発明の第1の実施の形態によるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を説明するための図であって、(a)は上面図、(b)はA−A方向の断面図、(c)は(a)のB−B方向の断面図である。
図3(a)〜(c)に示すように、シリコンウェーハ2の外周端のおもて面側及び裏面側のコーナー部は面取り加工され、面取り部22には保護膜5がウェーハの全周にわたって均一に形成されている。保護膜5としては、面取り部22の表面を覆うことができる材料であれば特に限定されず、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリシリコン膜などを挙げることができ、例えばCVD法や熱酸化により形成することができる。シリコンウェーハ2の面取り部22に保護膜5を形成する方法としては、例えば、複数枚のシリコンウェーハ2を重ね合わせて面取り部22だけを露出させた状態でCVD法などの成膜処理を行う方法を採用することができる。
本実施形態において、保護膜5は<100>方位に対応する45度、135度、225度、315度の面取り部22を覆っているだけでなく、<110>方位に対応する0度(360度)、90度、180度、270度の面取り部22を覆っている。保護膜5が面取り部22を覆っている場合、当該面取り部22においてエピタキシャル膜3は形成されないので、エピタキシャル膜3の膜厚変動が生じることもない。したがって、外周部領域21におけるエピタキシャル膜3の周方向の膜厚変動を防止することができる。
図4は、図3に示したシリコンウェーハ2のおもて面にエピタキシャル膜3が形成されてなるエピタキシャルシリコンウェーハ1の構成を示す断面図であって、(a)は全体図、(b)は端部断面図である。
図4(a)及び(b)に示すように、エピタキシャルシリコンウェーハ1は、主面が(100)面であるシリコンウェーハ2と、シリコンウェーハ2のおもて面に形成されたエピタキシャル膜3とを有している。シリコンウェーハ2の外周端には面取り加工が施されており、シリコンウェーハ2の面取り部22には上述の保護膜5が形成されている。そのため、<110>方位に対応する外周部領域21のエピタキシャル膜3の膜厚と、<100>方位に対応する外周部領域21のエピタキシャル膜3の膜厚との差が小さくなり、これによりウェーハの外周部領域21においてエピタキシャル膜3の90度周期の膜厚変化が生じることがない。
図4(b)に示すように、保護膜5は外周部領域21から離れていることが好ましく、保護膜5から外周部領域21に形成されるエピタキシャル膜3までの間隔dは10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmとすることが特に望ましい。例えばエッジ研磨などで保護膜5の除去する場合にエピタキシャル膜3の外周端も除去されてしまうおそれがあるが、間隔dを設けることにより、エピタキシャル膜3も一緒に除去されてしまう事態を回避することができる。外周部領域21の径方向の外側はエッジ除外領域であり、面取り部22はエッジ除外領域内に形成されている。例えば、エッジ除外領域の幅は1mmであり、面取り部の幅は350〜750μmである。
このように、本実施形態においては、エピタキシャル膜3が成長速度方位依存性の影響を受けないので、エピタキシャル膜3の表面の周方向に周期的な凹凸をなくすことができ、エピタキシャル膜3の外周部領域の周方向の平坦度を高めることができる。
図4に示したエピタキシャルシリコンウェーハ1の保護膜5は最終的に除去されてもよい。例えば、保護膜5が酸化膜であれば、エピタキシャル膜表面の粗さを悪化させない程度の弱いエッチング作用のフッ酸溶液で洗浄して除去すればよい。また、保護膜が樹脂系の膜であれば、研磨などの機械加工により除去すればよく、この場合、図4(b)で示すような、面取り部に酸化膜を設けていないクリアランス部分を設けておくことが望ましい。
上記のように、面取り部22の全周に保護膜5を形成した場合、周方向の結晶方位依存性を解消して周方向のエピタキシャル膜3の厚み分布の均一化が可能であるが、一方では、保護膜5が形成された面取り部22のエピタキシャル成長速度は遅くなるため、図5に示すように、外周部領域21の全周全域に亘ってエピタキシャル膜3が厚くなってしまい、径方向の厚み分布が均一にならないという問題がある。
そこで本実施形態では、ウェーハ中央部におけるエピタキシャル成長速度よりも外周部におけるエピタキシャル成長速度が遅くなる条件でエピタキシャル成長を行うことにより、径方向の厚み分布を調整する。具体的には、ウェーハの外周部領域21の温度を低くしたり、あるいは外周部領域21に向かう原料ソースガスの流れを少なくすることにより、ウェーハ中央部よりも外周部領域におけるエピタキシャル成長速度を遅くする。このように、面取り部22に保護膜5を形成することで周方向の膜厚の不均一性を解消することができ、エピタキシャル膜の成長速度を制御することで径方向(面内)の膜厚の不均一性を解消することができる。
エピタキシャル膜形成工程において、シリコンウェーハ2の面取り部22に保護膜5としての酸化膜が形成された状態のままエピタキシャル成長を実施すると、面取り部22にノジュール(粒状シリコン)が発生する確率が高くなる。ノジュールは、目視で観察可能(0.3μm以上)な大きさを有する塊粒状の多結晶シリコン突起物であり、搬送中にウェーハから剥離してパーティクルを発生させたり、クラウンと呼ばれるエピタキシャル成長異常を引き起こす原因となる。本実施形態においては、エピタキシャル成長に使用するトリクロロシラン等の原料ソースガスに塩化水素ガスを少量混合することにより、ノジュールの発生を防止することができる。
図6は、本発明の第2の実施の形態によるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を説明するための図であって、(a)は上面図、(b)はA−A方向の断面図、(c)は(a)のB−B方向の断面図である。
図6(a)に示すように、シリコンウェーハ2の面取り部22には保護膜5が選択的に形成されている。保護膜5は、図6(b)に示すように<110>方位(ウェーハ中心から0度,90度,180度,270度の方向)の面取り部22を覆っていないが、図6(c)に示すように<100>方位(ウェーハ中心から45度,135度,225度,315度の方向)の面取り部22を覆っている。そのため、<100>方位の外周部領域21のエピタキシャル膜3は、保護膜5によってその成長が促進されるが、<110>方位の外周部領域21のエピタキシャル膜3は保護膜5の影響を受けることなく成長する。保護膜5を形成する領域幅は<100>方位を中心に±22.5度以上であることが好ましい。保護領域の幅が広くなるほど周方向の膜厚変動を低減することができる。
以下、このような保護膜5を有するシリコンウェーハ2を用いたエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法について詳細に説明する。
エピタキシャルシリコンウェーハの製造では、まず図6に示すように、面取り部22に保護膜5が形成されたシリコンウェーハ2を用意する。シリコンウェーハ2の主面に対するテーパ面の角度は20°以上であることが好ましい。
次に、保護膜5が形成されたシリコンウェーハ2のおもて面に周知の方法でエピタキシャル膜3を形成するエピタキシャル膜形成工程を開始する。このとき、<100>方位の面取り部22には保護膜5が存在するので、<100>方位の外周部領域21のエピタキシャル膜3は、保護膜5によってその成長が促進される。一方、<110>方位の面取り部22には保護膜5が存在しないので、<110>方位の外周部領域21のエピタキシャル膜3は、面取り部22の<110>方位の影響を受けながら、<100>方位の面取り部22のエピタキシャル膜3よりも早く成長する。したがって、<110>方位の外周部領域21のエピタキシャル膜3は、<100>方位の外周部領域21のエピタキシャル膜3とほぼ同じ厚さとなる。
以上説明したように、本実施形態によるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法は、成長速度方位依存性によるエピタキシャル膜3の周方向の膜厚変動が発生しないように、シリコンウェーハ2の面取り部22をあらかじめ保護膜5で覆っていることから、エピタキシャル膜3の表面の平坦性をウェーハの端部近傍に亘って高めることが可能となる。これにより、エッジ除外領域が縮小されることから、1枚のエピタキシャルシリコンウェーハからより多くの半導体チップを取り出すことが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、主面が(100)面であるシリコンウェーハを用いた例を説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、主面が(110)面であるシリコンウェーハを用いても構わないし、主面が(111)面であるシリコンウェーハを用いても構わない。
主面が(110)面であるシリコンウェーハ2の面取り部22に保護膜5を選択的に形成する場合には、図8に示すように、成長速度方位依存性によるエピタキシャル膜の膜厚分布が180度周期となることから、このようなシリコンウェーハ2を用いる場合は、面取り部22に180度周期の保護膜5を形成しておけばよい。この場合、保護膜5を形成する領域幅は90度以上、すなわち、<100>方位を中心に±45度以上であることが好ましい。
また、主面が(111)面であるシリコンウェーハ2の面取り部22に保護膜5を選択的に形成する場合には、図9に示すように、成長速度方位依存性によるエピタキシャル膜の膜厚分布が60度周期となることから、このようなシリコンウェーハ2を用いる場合は、面取り部22に60度周期の保護膜5を形成しておけばよい。この場合、保護膜5を形成する領域幅は30度以上であることが好ましい。
<実施例1>
直径300mm、厚さ775μm、面取り幅300μm、結晶面(100)面のシリコンウェーハを準備した。このシリコンウェーハの面取り部の周方向全域にCVD法により厚さ2000Åの酸化膜を形成した。
次に、シリコンウェーハの主面にエピタキシャル膜を形成した。エピタキシャル膜形成工程では、枚葉式エピタキシャル装置内のサセプタ上にシリコンウェーハを載置し、炉内に水素ガスを供給して1130℃の温度で30秒間の水素ベークを行った後、キャリアガスである水素ガスと共にシリコンソースガスとしてトリクロロシラン(SiHCl)ガスを炉内に供給して、1130℃の温度でエピタキシャル成長を行い、シリコンウェーハの主面に、シリコンウェーハの中心部における厚みが2μmとなるようにエピタキシャル膜を形成した。
またエピタキシャル膜形成工程では、ウェーハ外周部のエピタキシャル成長速度がウェーハ中央部の成長速度よりも遅くなるようにエピタキシャル成長処理を行った。具体的には、中央部の成長速度を2μm/min、外周部の成長速度を1.7μm/minとなるように、外周部に向かうガス流量を低下させた状態でエピタキシャル成長処理を行った。なお、成長速度条件は、本実施例の条件に限定されるものではなく、径方向の厚み分布に応じて条件を設定すればよく、概ね、中央部の成長速度に対して外周部の成長速度が5%〜30%遅くなる条件内に設定することが望ましい。なおウェハ中央部は、ウェーハ中心からR/2以内(Rはウェーハ半径)の領域として定義することができる。したがって、例えば300mmウェーハの場合、ウェーハ中央部は、ウェーハ中心から150mm以内の円形領域である。
その後、エピタキシャルシリコンウェーハをフッ酸で洗浄して、面取り部に形成した酸化膜を除去した。こうして、実施例1によるエピタキシャルシリコンウェーハを得た。
<実施例2>
実施例2では、トリクロロシラン(SiHCl)ガス中に塩化水素(HCl)ガスを混合させた以外は、実施例1と同じ条件でエピタキシャル成長処理を行った。なお、HClガスを多量に混合させると、エピタキシャル成長そのものが困難になるおそれがあることから、HClガスの混合割合は多くても原料ガス流量に対して15%以下に留めることが望ましい。
<比較例1>
比較例1では、面取り部には酸化膜を形成せずに、ウェーハ外周部のエピタキシャル成長速度と中央部の成長速度が等しくなるよう、ウェーハ面内で一様にガス流量が等しく流れるようにガス流れを調整した以外は、実施例1と同じ条件でエピタキシャル成長処理を行った。
<比較例2>
比較例2では、面取り部に酸化膜を形成し、エピタキシャル成長処理後に酸化膜を除去した以外は、比較例1と同じ条件でエピタキシャル成長処理を行った。
<エピタキシャル膜の厚み測定>
実施例1,2並びに比較例1,2で得られた各エピタキシャルシリコンウェーハそれぞれについて、フーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR:Fourier Transform Infrared spectrometer)用いて、外周部領域におけるエピタキシャル膜厚分布を測定した。具体的には、ウェーハの外周端より径方向に1mm、2mm、3mmの各地点における周方向の厚み分布を測定した。
図9は、外周部領域におけるエピタキシャル膜の厚み分布の測定結果を示すグラフである。
図9に示すように、実施例1、2では、面取り部に酸化膜を形成し、外周部でのエピタキシャル成長速度を低下させていることから、いずれも、エピタキシャルシリコンウェーハの外周端より径方向に1mm〜3mmの領域における周方向および径方向それぞれのエピタキシャル膜の厚みのPV値(Peak to Valley)が0.05μm以下となり、厚み分布が均一なエピタキシャルシリコンウェーハが得られた。なお、実施例1では面取り部において僅かなノジュールの発生が観察されたが、HClガスを混合させた実施例2では、ノジュールの発生は全く観察されなかった。
一方、比較例1では、エピタキシャルシリコンウェーハの外周端より径方向に1mm〜3mmの領域における周方向および径方向それぞれのエピタキシャル膜の厚みのPV値が0.1μmを超える結果であり、周方向、径方向ともエピタキシャル膜の厚みのばらつきが大きかった。比較例2では、面取り部に酸化膜を形成していることから、周方向の厚みPV値は0.5μm以下であったものの、外周に向かうにつれてエピキシャル膜の厚みが大きくなり、径方向のPV値は0.1μmを超える結果であった。また、比較例2では面取り部において少量のノジュールの発生が確認された。
1 エピタキシャルシリコンウェーハ
2 シリコンウェーハ
3 エピタキシャル膜
4 シリコンソースガス
5 保護膜
21 シリコンウェーハの外周部領域
22 シリコンウェーハの面取り部
23 シリコンウェーハのおもて面
24 シリコンウェーハの裏面

Claims (7)

  1. おもて面側及び裏面側の外周端のコーナー部に面取り部が形成され、(100)面もしくは(110)面からなるシリコンウェーハの前記おもて面にエピタキシャル膜を形成するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、
    前記シリコンウェーハの少なくとも前記おもて面側の面取り部に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記シリコンウェーハの中央部よりも外周部におけるエピタキシャル膜の成長速度が遅くなるように、前記保護膜形成工程後の前記シリコンウェーハの前記おもて面に前記エピタキシャル膜を形成するエピタキシャル膜形成工程と、
    前記エピタキシャル膜形成工程後に前記保護膜を除去する保護膜除去工程とを有することを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  2. 前記保護膜形成工程において、少なくとも前記シリコンウェーハの結晶方位<100>の方向の前記おもて面側の面取り部に前記保護膜を形成する、請求項1に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  3. 前記保護膜形成工程において、前記シリコンウェーハの前記おもて面側の面取り部の全周に亘って前記保護膜を形成する、請求項1に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  4. 前記保護膜が酸化膜である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  5. 前記エピタキシャル膜形成工程において、塩化水素ガスを添加した原料ソースガスを用いてエピタキシャル成長を行う、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  6. おもて面側及び裏面側の外周端のコーナー部に面取り部を備え、(100)面もしくは(110)面からなるシリコンウェーハの前記おもて面にエピタキシャル膜を備えるエピタキシャルシリコンウェーハであって、
    前記エピタキシャル膜は厚さ2μm以上であり、かつ
    前記外周端より径方向に1mm〜3mmの外周部領域における周方向および径方向それぞれのエピタキシャル膜の厚みのPV値(Peak to Valley)が0.05μm以下であることを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハ。
  7. 前記面取り部の表面に粒状シリコンが存在しない、請求項6に記載のエピタキシャルシリコンウェーハ。
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