JP6881068B2 - 母線保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は短絡・地絡事故が発生した側の母線を、電力系統から切離すために事故発生母線の遮断器に開放出力を出す母線保護装置に関する。
変電所の母線方式には、例えば、二重母線方式がある。二重母線方式は、2つの母線と、2つの母線を接続するブスタイ(母線連絡)とを備える。発電機側の送電線及び負荷側の送電線は、2つの母線間に設けられた断路器が切り替わることによって、2つの母線の内の一方の母線に接続する。
また、地絡事故や短絡事故等が生じた場合に母線を保護するために、例えば、比率差動リレーが各母線に対して設けられる。比率差動リレーは、送電線から母線に流入する電流と該母線からブスタイへ流出する電流との差電流を計算する。或いは、比率差動リレーは、ブスタイから母線に流入する電流と該母線から送電線へ流出する電流との差電流を計算する。計算した差電流が零でない場合、比率差動リレーは、ブスタイに設けられた遮断器と、母線に接続する送電線に設けられた遮断器とを開放し、事故の発生した系統から母線を切り離すことにより母線を保護する。
なお、関連する技術として特許文献1〜3に記載の以下のような技術が知られている。
特許文献1に記載の距離継電装置は、1遮断器母線系統に適用され、母線側CT2次電流を変換する補助変成器と、母線中央側CT2次電流を変換する変成器と、2つのCTの和電流を変換する補助変成器とで構成される。また、距離継電装置は、送電線に接続したPTの2次電圧を変換する補助変成器と、送電線断路器の開閉状態を認識する手段と、CT和電流とPTの2次信号とにより付勢された距離継電器と、母線側CT電流と母線中央側CT電流による比率差動継電器とで更に構成される。そして、距離継電装置は、送電線断路器が閉路している場合には距離継電器の動作により遮断器に対して遮断指令を出力し、送電線断路器が開路している場合に限り比率差動継電器の動作により遮断器に対して遮断指令を出力する手段を更に備える。
特許文献2に記載の母線保護継電装置は、母線遮断器「切」のとき母連電流「零」制御されており、母連遮断器に流れる相手側母連電流及び自己側母線流入電流を検出して母線保護する。母線保護継電装置には、母連遮断器の投入指令を取り込む回路と、この取り込んだ投入指令により母連電流「零」制御を解除する回路とが設けられ、片側母線試充電時における母連電流「零」制御解除遅れをなくしたことを特徴とする。
特許文献3に記載の盲点故障検出システムは、多端子送電線系統で発生する盲点事故の検出を行い、開閉検知手段、電流データ検出手段、及び判定手段を備える。開閉検知手段は、各端子に設置された遮断器の開閉を検知する。電流データ検出手段は、当該端子において電流データを検出する。判定手段は、開閉検知手段によって検知される遮断器の開閉が開の状態にあることと、電流データ検出手段によって検出された電流データが予め設定された整定値を越えていることとの論理積に基づいて盲点事故を判定する。
特開平5−83844号公報 特開平7−131929号公報 特開平9−200946号公報
しかしながら、ブスタイに流れる電流を計測する電流センサの配置によっては、該ブスタイで発生した事故に対応して比率差動リレーが動作せず、母線を保護できない盲点事故が発生し得る。
本発明の一側面にかかる目的は、二重母線方式において、ブスタイに流れる電流を計測する電流センサの配置に関係なく母線保護を実行する母線保護装置を提供することである。
一実施形態に従った母線保護装置は、第2母線比率差動リレー、過電流検出部、第1母線異常電圧検出部、計測値設定部、及び第1母線比率差動リレーを備える。第2母線比率差動リレーは、第1母線と第2母線とを接続するブスタイに発生した事故に対応して、ブスタイに設置されたブスタイ遮断器を少なくとも開く第2母線保護動作を実行する。過電流検出部は、ブスタイに流れた過電流を検出する。第1母線異常電圧検出部は、第1母線に印加された異常電圧を検出する。計測値設定部は、第2母線保護動作が行われ且つ過電流及び異常電圧が検出された場合にブスタイに流れた電流の計測値を零に設定する。第1母線比率差動リレーは、第1母線に接続する送電線に流れた電流と、零に設定された計測値とに従って、送電線に設置された送電線遮断器を少なくとも開く第1母線保護動作を実行する。
一実施形態に従った母線保護装置によれば、二重母線方式において、ブスタイに流れる電流を計測する電流センサの配置に関係なく母線保護を実行できる。
実施形態に従った母線保護装置が適用される電力系統の構成例を示す図である。 実施形態に従った母線保護装置の第1の構成例を示す図である。 盲点保護が不要なブスタイの電流センサの配置例を示す図である。 第5及び第6電流センサの機能を兼ね備えた1つの電流センサの構成例を示す図である。 実施形態に従った母線保護装置の各部の動作を説明する例示的なタイミングチャートである。 実施形態に従った母線保護装置の第2の構成例を示す図である。
以下、図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
<母線保護装置を含む電力系統>
図1は、実施形態に従った母線保護装置が適用される電力系統の構成例を示す図である。図1に示す一例では、電力系統PSは、第1母線Lと、第2母線Lと、第1母線Lと第2母線Lとを接続するブスタイBTとが備えられた二重母線方式の電力系統である。
第1送電線L〜第4送電線Lは、第1母線Lと第2母線Lとの間に設置された第1断路器DS〜第8断路器DSが切り替わることによって、第1母線L又は第2母線Lに接続する。例えば、図1に示す一例では、第1発電機P側の第1送電線Lは、第1断路器DSが閉じ、第2断路器DSが開くことによって、受電側の第1母線Lに接続する。第2発電機P側の第2送電線Lは、第5断路器DSが閉じ、第6断路器DSが開くことによって第1母線Lに接続する。第1負荷LD側の第3送電線Lは、第3断路器DSが開き、第4断路器DSが閉じることによって、送電側の第2母線Lに接続する。第2負荷LD側の第4送電線Lは、第7断路器DSが開き、第8断路器DSが閉じることによって第2母線Lに接続する。なお、図1には、4つの送電線が2つの母線に接続する4回線母線の構成例が示されているが、実施形態に従った母線保護装置が適用される電力系統は、4回線母線に限られず、n回線母線(nは1以上の整数)であってよい。
母線保護装置1は、実施形態に従った母線保護装置の一例である。母線保護装置1は、第1母線L及び第2母線Lを母線事故から保護する装置である。母線事故は、例えば、第1母線L、第2母線L、又はブスタイBTに生じた地絡事故や短絡事故等である。地絡事故は、第1母線L、第2母線L、或いはブスタイBTを構成する各相の送電線と地面とが接続する事故である。短絡事故は、第1母線L、第2母線L、或いはブスタイBTを構成する各相の送電線同士が接続する事故である。
例えば、破線で示す第1保護区域Zにおいて第1母線L又はブスタイBTに事故が発生した場合、母線保護装置1は、第1母線Lを事故が発生した電力系統から切り離して保護する第1母線保護動作を実行する。具体的には、母線保護装置1は、遮断器開放指令(トリップ指令)を第1遮断器CB、第2遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTへ出力する。また、例えば、破線で示す第2保護区域Zにおいて第2母線L又はブスタイBTに事故が発生した場合、母線保護装置1は、第2母線Lを事故が発生した電力系統から切り離して保護する第2母線保護動作を実行する。具体的には、母線保護装置1は、遮断器開放指令を第3遮断器CB、第4遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTへ出力する。
第1遮断器CB〜第4遮断器CBは、送電線遮断器であり、対応する第1送電線L〜第4送電線Lに設置された事故除去用スイッチである。ブスタイ遮断器CBBTは、ブスタイBTに設置された事故除去用スイッチである。第1遮断器CB〜第4遮断器CB及びブスタイ遮断器CBBTは、母線保護装置1から入力した遮断器開放指令に従って開く。例えば、第1遮断器CB、第2遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTが、事故発生時に入力した遮断器開放指令に従って開くと、第1母線Lは、事故が発生した電力系統から切り離される。また、第3遮断器CB、第4遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTが、事故発生時に入力した遮断器開放指令に従って開くと、第2母線Lは、事故が発生した電力系統から切り離される。
母線保護装置1は、第1送電線L〜第4送電線L及びブスタイBTに流れる各電流と、第1母線L及び第2母線Lに印加される各電圧とに基づいて、第1母線保護動作及び第2母線保護動作を実行する。
第1送電線L〜第4送電線Lに流れる各電流は、第1電流センサCT〜第4電流センサCTが計測する。第1電流センサCT〜第4電流センサCTは、例えば、計器用変流器である。第1電流センサCT〜第4電流センサCTは、対応する第1送電線L〜第4送電線Lに設置される。第1電流センサCT〜第4電流センサCTは、計測した電流を母線保護装置1へ出力する。
第1母線LからブスタイBTに流出する電流は第5電流センサCTが計測し、ブスタイBTから第2母線Lに流入する電流は第6電流センサCTが計測する。第5電流センサCT及び第6電流センサCTは、例えば、計器用変流器である。第5電流センサCT及び第6電流センサCTは、計測した電流を母線保護装置1へ出力する。
第5電流センサCT及び第6電流センサCTはブスタイBTに設置される。具体的には、図1に示した一例では、第5電流センサCT及び第6電流センサCTは、ブスタイ遮断器CBBTと第1母線Lとの間のブスタイBTに設置される。
このように、図1に示す一例では、第5電流センサCT及び第6電流センサCTは、ブスタイ遮断器CBBTの片側のブスタイBTに設置される。すなわち、第5電流センサCT及び第6電流センサCTは、図3に示すようにブスタイ遮断器CBBTを挟んでブスタイBTに設置されない。図3は、盲点保護が不要なブスタイの電流センサの配置例を示す図である。第5電流センサCT及び第6電流センサCTは、例えば、1つの筐体内に一体的に構成してもよい。第5電流センサCT及び第6電流センサCTを一体的に構成すれば、2つの電流センサが別個に設置される場合と比較して設置コストを削減し得る。
また、第5電流センサCT及び第6電流センサCTが計測する電流の向き(正又は負)は互いに異なるが、両電流の絶対値は同じである。このため、一方の電流センサが計測した電流の向きを逆にすることで、他方の電流センサが計測する電流を求めることが可能である。そこで、図4に示すように、実施例によっては、第5電流センサCT及び第6電流センサCTは、両電流センサの機能を兼ね備えた1つの電流センサによって構成してもよい。図4は、第5及び第6電流センサの機能を兼ね備えた1つの電流センサの構成例を示す図である。図4に示す一例では、第5電流センサCTは設置されず、反転器INVは、例えば利得―1のアナログアンプとして動作することによって、第6電流センサCTの計測値を反転する。この結果、第5電流センサCTを設置しなくても、第5電流センサCTの計測値と同じ電流値を取得できる。第5電流センサCT及び第6電流センサCTを1つの電流センサによって構成すれば、2つの電流センサが設置される場合と比較して設置コストを削減し得る。
第1母線Lに印加される電圧は第1電圧センサVTが計測し、第2母線Lに印加される電圧は第2電圧センサVTが計測する。第1電圧センサVTは、第1母線Lに設置され、計測した電圧を母線保護装置1へ出力する。第2電圧センサVTは、第2母線Lに設置され、計測した電圧を母線保護装置1へ出力する。
<母線保護装置>
母線保護装置1の構成例を示しながら、母線保護装置1が実行する母線保護動作の具体例を以下に説明する。
<<第1の構成例>>
図2は、実施形態に従った母線保護装置の第1の構成例を示す図である。図2に示す第1の構成例では、母線保護装置1は、アナログ/デジタル(A/D(Analog/Digital))変換器11及び処理部12を備える。
アナログ/デジタル変換器11には、第1電流センサCT〜第6電流センサCTが出力した各電流のアナログ信号が入力する。アナログ/デジタル変換器11は、各電流のアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号である各電流を処理部12へ出力する。
また、アナログ/デジタル変換器11には、第1電圧センサVT及び第2電圧センサVTが出力した各電圧のアナログ信号が入力する。アナログ/デジタル変換器11は、各電圧のアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号である各電圧を処理部12へ出力する。
処理部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、又はプログラマブルなデバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)等)である。処理部12には、アナログ/デジタル変換器11が出力した各電流及び各電圧が入力する。処理部12は、入力した各電流及び各電圧に基づいて母線保護動作を実行する。図2に示す第1の構成例では、処理部12は、第1母線比率差動リレーRDf及び第2母線比率差動リレーRDfを含む。
<<片母線保護>>
例えば、地絡事故又は短絡事故といった事故が第1母線Lの任意の事故点F(図1参照)で生じた場合、事故点Fが第1保護区域Zに存在するため、第1母線比率差動リレーRDfは、次の説明のような第1母線保護動作を実行する。第1母線比率差動リレーRDfは、第1電流センサCT及び第2電流センサCTが計測した電流と、第5電流センサCTが計測した電流との差電流を計算する。第1電流センサCTが計測した電流は、第1送電線Lから第1母線Lに流入する電流であり、第2電流センサCTが計測した電流は、第2送電線Lから第1母線Lに流入する電流である。また、第5電流センサCTが計測した電流は、第1母線LからブスタイBTへ流出する電流である。事故が発生していない通常運用時には、差電流は零である。しかしながら、事故点Fで事故が発生した場合、事故点Fに向かって大きい電流が流れるので、差電流は零にならない。そこで、第1母線比率差動リレーRDfは、計算した差電流に基づいて第1母線保護動作を実行する。すなわち、第1母線比率差動リレーRDfは、遮断器開放指令を第1遮断器CB、第2遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTへ出力する。遮断器開放指令は、例えば、論理値“1”の信号である。このように、第1母線比率差動リレーRDfは、比率差動リレーとして機能する。
また、例えば、地絡事故又は短絡事故といった事故が第2母線Lの任意の事故点F(図1参照)で生じた場合、事故点Fが第2保護区域Zに存在するため、第2母線比率差動リレーRDfは、次の説明のような第2母線保護動作を実行する。第2母線比率差動リレーRDfは、第6電流センサCTが計測した電流と第3電流センサCT及び第4電流センサCTが計測した電流との差電流を計算する。第6電流センサCTが計測した電流は、ブスタイBTから第2母線Lに流入する電流である。また、第3電流センサCTが計測した電流は、第2母線Lから第3送電線Lに流出する電流であり、第4電流センサCTが計測した電流は、第2母線Lから第4送電線Lに流出する電流である。事故が発生していない通常運用時には、差電流は零である。しかしながら、事故点Fで事故が発生した場合、事故点Fに向かって大きい電流が流れるので、差電流は零にならない。そこで、第2母線比率差動リレーRDfは、計算した差電流に基づいて第2母線保護動作を実行する。すなわち、第2母線比率差動リレーRDfは、遮断器開放指令を第3遮断器CB、第4遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTへ出力する。このように、第2母線比率差動リレーRDfは、比率差動リレーとして機能する。
<<盲点事故の場合>>
更に、例えば、地絡事故又は短絡事故といった事故が事故点FBT(図1参照)に発生した場合、処理部12は、次の説明のような第1母線保護動作及び第2母線保護動作を実行する。図1に示すように、事故点FBTは、第5電流センサCT及び第6電流センサCTとブスタイ遮断器CBBTとの間のブスタイBTに存在する事故点である。
事故点FBTで事故が発生した場合、第6電流センサCTが計測した電流は、前述した通常運用時と同じである。しかしながら、事故点FBTで事故が発生した場合、第3送電線L及び第4送電線Lから第2母線Lに電流が流れる。すなわち、第3電流センサCT及び第4電流センサCTが計測した電流の向きは通常運用時の電流の向きとは逆になる。このため、第2母線比率差動リレーRDfが計算した差電流は零にならない。そこで、第2母線比率差動リレーRDfは、計算した差電流に基づいて第2母線保護動作を実行する。すなわち、第2母線比率差動リレーRDfは、遮断器開放指令を第3遮断器CB、第4遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTへ出力する。
また、事故点FBTで事故が発生した場合、第1電流センサCT及び第2電流センサCTが計測した電流の向きは、前述した通常運用時と同じである。また、図1に示す構成例では、第1母線Lとブスタイ遮断器CBBTとの間のブスタイBTに第5電流センサCTが設置されているため、第5電流センサCTが計測する電流も通常運用時と同じである。この結果、第1母線比率差動リレーRDfが計算した差電流は零になる。このため、上述したような差電流に基づいては第1母線保護動作が実行されない。
なお、仮に、ブスタイ遮断器CBBTと第2母線Lとの間のブスタイBTに第5電流センサCTが設置された場合(図3)には、差電流に基づいて第1母線保護動作が実行される。具体的には、事故点FBTで事故が発生した場合、第2母線LからブスタイBTに向かって電流が流れ、第5電流センサCTが計測した電流の向きは通常運用時の電流の向きとは逆になる。このため、第1母線比率差動リレーRDfが計算した差電流は零にならない。そこで、第1母線比率差動リレーRDfは、計算した差電流に基づいて第1母線保護動作を実行する。すなわち、第1母線比率差動リレーRDfは、遮断器開放指令を第1遮断器CB、第2遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTへ出力する。したがって、ブスタイ遮断器CBBTと第2母線Lとの間のブスタイBTに第5電流センサCTが設置された場合(図3)には、第1母線Lが電力系統から切り離されない盲点事故は生じない。
上述のように、図1に示すような位置に第5電流センサCTが設置された場合には、事故が発生した電力系統から第1母線Lが切り離されない盲点事故が生じる可能性がある。しかしながら、事故点FBTで事故が発生した場合、処理部12は、以下の説明のように第1母線保護動作を実行し、発生した事故が盲点事故であることを検出し、事故を除去する。
図2に示すように、処理部12は、第1過電流検出部121、第2過電流検出部121、第1母線異常電圧検出部122、及び第2母線異常電圧検出部122を更に含む。また、処理部12は、第1動作遅延タイマTON、第2動作遅延タイマTON、第1復帰遅延タイマTOFF、第2復帰遅延タイマTOFF、第1論理積部AND、第2論理積部AND、第1計測値設定部123、及び第2計測値設定部123を含む。
事故点FBTで事故が発生した場合の母線保護装置1の各部の動作を図5に示すタイミングチャートに沿って以下で更に説明する。図5は、実施形態に従った母線保護装置の各部の動作を説明する例示的なタイミングチャートである。
第1過電流検出部121及び第2過電流検出部121は、ブスタイBTに流れる過電流を検出する過電流検出部の一例である。第1過電流検出部121は、第5電流センサCTが計測した電流が所定レベルを超えた場合にブスタイBTに流れる過電流を検出する。また、第2過電流検出部121は、第6電流センサCTが計測した電流が所定レベルを超えた場合にブスタイBTに流れる過電流を検出する。過電流を検出した場合、第1過電流検出部121及び第2過電流検出部121は、過電流の検出を示す過電流検出信号を出力する。過電流の検出を示す過電流検出信号は、例えば、論理値“1”の信号である。
例えば、第1母線L及び第2母線Lを地絡事故から保護する構成では、第1過電流検出部121及び第2過電流検出部121は、地絡過電流リレー(OCG)として機能する。具体的には、第1過電流検出部121及び第2過電流検出部121は、ブスタイBTを構成する各相の送電線に流れた電流の合成値から零相電流を計算する。該零相電流が所定レベルを超えた場合、第1過電流検出部121及び第2過電流検出部121は、地絡事故に起因した過電流を検出し、過電流の検出を示す過電流検出信号を出力する。
また、例えば、第1母線L及び第2母線Lを短絡事故から保護する構成では、第1過電流検出部121及び第2過電流検出部121は、各相過電流リレー(OC)として機能する。具体的には、ブスタイBTを構成する各相の送電線に流れた電流が所定レベルを超えた場合、第1過電流検出部121及び第2過電流検出部121は、短絡事故に起因した過電流を検出し、過電流の検出を示す過電流検出信号を出力する。
例えば、図5に示すように、事故点FBTでの事故発生から所要の動作時間経過後に、第1過電流検出部121及び第2過電流検出部121は、論理値“1”の過電流検出信号を出力する。なお、説明を明確にするために、図5に示す一例では、過電流検出信号が出力されるタイミングは、第2母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力するタイミングと同じであるが、両タイミングは異なっていてもよい。
第1母線異常電圧検出部122は、第1電圧センサVTが計測した電圧に従って、第1母線Lに印加された異常電圧を検出するユニットである。また、第2母線異常電圧検出部122は、第2電圧センサVTが計測した電圧に従って、第2母線Lに印加された異常電圧を検出するユニットである。異常電圧を検出した場合、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122は、異常電圧の検出を示す異常電圧検出信号を出力する。異常電圧の検出を示す異常電圧検出信号は、例えば、論理値“1”の信号である。
例えば、第1母線L及び第2母線Lを地絡事故から保護する構成では、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122は、地絡過電圧リレー(OVG)として機能する。具体的には、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122は、ブスタイBTを構成する各相の送電線に印加された電圧の合成値から零相電圧を計算する。計算した零相電圧が所定レベルを超えた場合、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122は、地絡事故に起因した過電圧を検出し、過電圧の検出を示す異常電圧検出信号を出力する。
また、例えば、第1母線L及び第2母線Lを短絡事故から保護する構成では、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122は、各相不足電圧リレー(UV)として機能する。具体的には、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122は、ブスタイBTを構成する各相の送電線の内、2相の送電線に印加された電圧の差分から線間電圧を計算する。計算した線間電圧が所定レベルを下回った場合、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122は、当該線間電圧の計算対象である2相の送電線間での短絡事故に起因した不足電圧を検出し、不足電圧の検出を示す異常電圧検出信号を出力する。
例えば、図5に示すように、事故点FBTでの事故発生から所要の動作時間経過後に、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122は、論理値“1”の異常電圧検出信号を出力する。なお、説明を明確にするために、図5に示す一例では、異常電圧検出信号が出力されるタイミングは、第2母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力するタイミングと同じであるが、両タイミングは異なっていてもよい。また、図5に示す一例では、異常電圧検出信号が出力されるタイミングは、前述の過電流検出信号が出力されるタイミングと同じであるが、両タイミングは異なっていてもよい。
第1論理積部ANDは、第1過電流検出部121が出力した過電流検出信号と第1母線異常電圧検出部122が出力した異常電圧検出信号との論理積を演算し、演算結果を第1動作遅延タイマTONへ出力する。また、第2論理積部ANDは、第2過電流検出部121が出力した過電流検出信号と第2母線異常電圧検出部122が出力した異常電圧検出信号との論理積を演算し、演算結果を第2動作遅延タイマTONへ出力する。
事故点FBTで事故が発生した場合、第1論理積部AND及び第2論理積部ANDには、過電流検出信号の論理値“1”と異常電圧検出信号の論理値“1”とが入力する。第1論理積部AND及び第2論理積部ANDは、入力した論理値に対する論理積の演算結果として論理値“1”を出力する。
第1動作遅延タイマTONは、論理値“1”といったオン信号が第1論理積部ANDから入力した場合に、該オン信号を第1計測値設定部123へ出力するタイミングを所定時間遅延する遅延部である。遅延時間である所定時間は、第2母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力してからブスタイ遮断器CBBTが開くまでの時間以上に予め設定される。また、第2動作遅延タイマTONは、論理値“1”といったオン信号が第2論理積部ANDから入力した場合に、該オン信号を第2計測値設定部123へ出力するタイミングを所定時間遅延する遅延部である。遅延時間である所定時間は、第1母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力してからブスタイ遮断器CBBTが開くまでの時間以上に予め設定される。
事故点FBTで事故が発生した場合、論理値“1”が第1論理積部AND及び第2論理積部ANDに入力する。そこで、第1動作遅延タイマTON及び第2動作遅延タイマTONは上述の遅延動作を実行する。
第1復帰遅延タイマTOFFは、遮断器開放指令の不出力を示す論理値“0”といったオフ信号が第2母線比率差動リレーRDfから入力した場合に、該オフ信号を第1計測値設定部123へ出力するタイミングを所定時間遅延する遅延部である。遅延時間である所定時間は、第1母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力してから第1遮断器CB及び第2遮断器CBが開くまでの時間以上に予め設定される。また、第2復帰遅延タイマTOFFは、遮断器開放指令の不出力を示す論理値“0”といったオフ信号が第1母線比率差動リレーRDfから入力した場合に、該オフ信号を第2計測値設定部123へ出力するタイミングを所定時間遅延する遅延部である。遅延時間である所定時間は、第2母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力してから第3遮断器CB及び第4遮断器CBが開くまでの時間以上に予め設定される。
図5に示す一例では、第2母線比率差動リレーRDfは、計算した差電流に基づいて遮断器開放指令を出力する(図5の“動作”)。この結果、遮断器開放指令の出力を示す論理値“1”が第2母線比率差動リレーRDfから第1復帰遅延タイマTOFFに入力する。そこで、第1復帰遅延タイマTOFFは、遅延動作を実行せずに、入力した論理値“1”を第1計測値設定部123へ出力する。
また、第1母線比率差動リレーRDfは、第2母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力したタイミング(図5の“動作”として示すタイミング)においては、計算した差電流に基づいて遮断器開放指令を出力しない。このため、不出力を示す論理値“0”が第2復帰遅延タイマTOFFに継続して入力する。そこで、第2復帰遅延タイマTOFFは、遅延動作を実行せずに、入力した論理値“0”を第2計測値設定部123へ出力する。
第1計測値設定部123は、第1動作遅延タイマTONが出力した論理値と第1復帰遅延タイマTOFFが出力した論理値との論理積を演算し、演算結果である論理値を第1母線比率差動リレーRDfへ出力する。また、第2計測値設定部123は、第2動作遅延タイマTONが出力した論理値と第2復帰遅延タイマTOFFが出力した論理値との論理積を演算し、演算結果である論理値を第2母線比率差動リレーRDfへ出力する。
第1計測値設定部123が出力する論理値は、第5電流センサCTが計測した電流、すなわち、第1母線LからブスタイBTに流出した電流の計測値を零に設定するか否かを示す論理値である。また、第2計測値設定部123が出力する論理値は、第6電流センサCTが計測した電流、すなわち、ブスタイBTから第2母線Lに流入した電流の計測値を零に設定するか否かを示す論理値である。例えば、論理値“1”は、計測値を零に設定することを示す論理値であり、論理値“0”は、計測値を零に設定しないことを示す論理値である。このように、第1計測値設定部123及び第2計測値設定部123は、ブスタイに流れた電流の計測値を零に設定するユニットである。
事故点FBTで事故が発生した場合、第2母線比率差動リレーRDfからの遮断器開放指令の出力を示す論理値“1”と、第1動作遅延タイマTONが出力した論理値“1”とが第1計測値設定部123に入力する。第1計測値設定部123は、入力した2つの論理値の論理積を演算し、演算結果として論理値“1”を第1母線比率差動リレーRDfへ出力する。
また、第2母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力したタイミングでは、第1母線比率差動リレーRDfからの遮断器開放指令の不出力を示す論理値“0”と、第2動作遅延タイマTONが出力した論理値“1”とが第2計測値設定部123に入力する。第2計測値設定部123は、入力した2つの論理値の論理積を演算し、演算結果として論理値“0”を第2母線比率差動リレーRDfへ出力する。
第1母線比率差動リレーRDfは、第1計測値設定部123から入力した論理値に従って第5電流センサCTが計測した電流、すなわち、第1母線LからブスタイBTに流出した電流の計測値を変更する。また、第2母線比率差動リレーRDfは、第2計測値設定部123から入力した論理値に従って第6電流センサCTが計測した電流、すなわち、ブスタイBTから第2母線Lに流入した電流の計測値を変更する。
事故点FBTで事故が発生した上述の例では、計測値を零に設定しないことを示す論理値“0”が第2計測値設定部123から第2母線比率差動リレーRDfに入力する。そこで、第6電流センサCTが計測した電流と第3電流センサCT及び第4電流センサCTが計測した電流との差電流が零でない限り、第2母線比率差動リレーRDfは、前述したような第2母線保護動作を実行する。
一方、事故点FBTで事故が発生した上述の例では、計測値を零に設定することを示す論理値“1”が第1計測値設定部123から第1母線比率差動リレーRDfに入力する。そこで、第1母線比率差動リレーRDfは、入力した論理値に従って第5電流センサCTが計測した電流を零に変更する。第5電流センサCTが計測した電流が零に変更された場合、第1電流センサCT及び第2電流センサCTが計測した電流と、第5電流センサCTが計測した電流との差電流は零にならない。そこで、第1母線比率差動リレーRDfは、計算した差電流に基づいて第1母線保護動作を実行する。すなわち、第1母線比率差動リレーRDfは、遮断器開放指令を第1遮断器CB、第2遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTへ出力する。この結果、第1遮断器CB及び第2遮断器CBは、入力した遮断器開放指令に従って開き、第1母線LAは、事故点FBTでの事故から保護される。
このように、第2母線比率差動リレーRDfが遮断器開放指令を出力した後にブスタイBTでの過電流の検出と第1母線Lでの過電圧の検出とが継続している場合には、第5電流センサCTによる電流計測値が零に変更される。この結果、第1母線比率差動リレーRDfは、計算した差電流に基づいて第1母線保護動作を実行する。したがって、実施形態に従った母線保護装置によれば、二重母線方式において、ブスタイに流れる電流を計測する電流センサの配置に関係なく母線保護を実行できる。
なお、仮に、ブスタイ遮断器CBBTの開放を示す開信号がブスタイ遮断器CBBTから第1母線比率差動リレーRDfに入力するように母線保護装置を構成した場合には、第1母線比率差動リレーRDfは、該開信号に従ってブスタイでの電流計測値を零に変更し得る。しかしながら、ブスタイ遮断器CBBTの開閉信号をブスタイ遮断器CBBTが出力するためには、該開閉信号用の出力端子がブスタイ遮断器CBBT側に設けられる必要がある。こうした出力端子をブスタイ遮断器CBBT側に設けることは変電所の配電盤の構成によっては難しい場合がある。上述したように、実施形態に従った母線保護装置では、ブスタイ遮断器CBBTの開放を示す開信号がブスタイ遮断器CBBTから入力されなくても二重母線の保護を実行できる。
<<第2の構成例>>
図6は、実施形態に従った母線保護装置の第2の構成例を示す図である。図6に示す第2の構成例において、図2に示す第1の構成例と同様の構成要素には同様の参照符号が付されている。図6に示す第2の構成例では、母線保護装置2は、アナログ/デジタル(A/D)変換器11及び処理部13を備える。
処理部13は、例えば、CPU、マルチコアCPU、又はプログラマブルなデバイス(FPGAやPLD等)である。処理部13には、アナログ/デジタル変換器11が出力した各電流及び各電圧が入力する。処理部13は、入力した各電流及び各電圧に基づいて母線保護動作を実行する。
<<片母線保護>>
図2に示す第1の構成例と同様に、処理部13は、第1母線比率差動リレーRDf及び第2母線比率差動リレーRDfを含む。
例えば、地絡事故又は短絡事故といった事故が第1母線Lの任意の事故点Fで生じた場合、第1母線比率差動リレーRDfは、第1の構成例と同様に、第1母線保護動作によって、事故が発生した電力系統から第1母線Lを切り離し、第1母線Lを保護する。また、地絡事故又は短絡事故といった事故が第2母線Lの任意の事故点Fで生じた場合、第2母線比率差動リレーRDfは、第1の構成例と同様に、第2母線保護動作によって、事故が発生した電力系統から第2母線Lを切り離し、第2母線Lを保護する。
<<盲点事故の場合>>
例えば、地絡事故又は短絡事故といった事故が事故点FBTに発生した場合、事故点FBTが第1保護区域Z及び第2保護区域Zに存在するため、処理部13は、次の説明のような第1母線保護動作及び第2母線保護動作を実行する。
事故点FBTで事故が発生した場合、第2母線比率差動リレーRDfは、第1の構成例と同様に、計算した差電流に基づいて第2母線保護動作を実行する。しかしながら、事故点FBTで事故が発生した場合、第1の構成例と同様に、差電流に基づいては第1母線保護動作が実行されない。そこで、処理部13は、以下で説明のように第1母線保護動作を実行し、発生した事故が盲点事故であることを検出し、事故を除去する。
図6に示すように、第1の構成例と同様に、処理部13は、第1過電流検出部121、第2過電流検出部121、第1母線異常電圧検出部122、及び第2母線異常電圧検出部122を含む。これらのユニットは、第1の構成例と同様の動作を実行する。
処理部13は、第1動作遅延タイマTON、第2動作遅延タイマTON、第1復帰遅延タイマTOFF、第2復帰遅延タイマTOFF、第1論理積部AND、及び第2論理積部ANDを含まない。処理部13は、これらのユニットに代わり、排他的論理和部EXORを含む。
排他的論理和部EXORには、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122が出力した異常電圧検出信号が入力する。ブスタイ遮断器CBBTは、事故が発生していない通常運用時には閉じており、第1母線L及び第2母線Lはブスタイ遮断器CBBTを通じて接続している。このため、第1母線L側の第1母線異常電圧検出部122と第2母線L側の第2母線異常電圧検出部122とは同時に動作及び復帰する。したがって、第1母線異常電圧検出部122及び第2母線異常電圧検出部122の一方が異常電圧検出信号を出力した場合には、ブスタイ遮断器CBBTは閉から開へ変化したと判定可能である。そこで、第2母線比率差動リレーRDfが第2母線保護動作を実行することによってブスタイ遮断器CBBTが開くと、例えば、異常電圧検出信号として論理値“1”の信号が排他的論理和部EXORに入力する。
処理部13は、第1計測値設定部123及び第2計測値設定部123の代わりに、第3計測値設定部123及び第4計測値設定部123を含む。
第3計測値設定部123には、第1過電流検出部121が出力した論理値と排他的論理和部EXORが出力した論理値とが入力する。第3計測値設定部123は、入力した2つの論理値の論理積を演算し、演算結果である論理値を第1母線比率差動リレーRDfへ出力する。また、第4計測値設定部123には、第2過電流検出部121が出力した論理値と排他的論理和部EXORが出力した論理値とが入力する。第4計測値設定部123は、入力した2つの論理値の論理積を演算し、演算結果である論理値を第2母線比率差動リレーRDfへ出力する。
第3計測値設定部123が出力する論理値は、第5電流センサCTが計測した電流、すなわち、第1母線LからブスタイBTに流出した電流の計測値を零に設定するか否かを示す論理値である。また、第4計測値設定部123が出力する論理値は、第6電流センサCTが計測した電流、すなわち、ブスタイBTから第2母線Lに流入した電流の計測値を零に設定するか否かを示す論理値である。例えば、論理値“1”は、計測値を零に設定することを示す論理値であり、論理値“0”は、計測値を零に設定しないことを示す論理値である。このように、第1計測値設定部123及び第2計測値設定部123と同様に、第3計測値設定部123及び第4計測値設定部123は、ブスタイに流れた電流の計測値を零に設定するユニットである。
事故点FBTで事故が発生した場合に第2母線比率差動リレーRDfが第2母線保護動作を実行すると、第2過電流検出部121はブスタイBTに流れた過電流を検出する。この結果、第4計測値設定部123は、計測値を零に設定することを示す論理値“1”を第2母線比率差動リレーRDfへ出力する。また、第1過電流検出部121はブスタイBTに流れた過電流を検出し、第1母線異常電圧検出部122は第1母線Lに印加された異常電圧を検出する。この結果、第3計測値設定部123は、計測値を零に設定することを示す論理値“1”を第1母線比率差動リレーRDfへ出力する。
第1母線比率差動リレーRDfは、第3計測値設定部123から入力した論理値に従って第5電流センサCTが計測した電流、すなわち、第1母線LからブスタイBTに流出した電流の計測値を変更する。また、第2母線比率差動リレーRDfは、第4計測値設定部123から入力した論理値に従って第6電流センサCTが計測した電流、すなわち、ブスタイBTから第2母線Lに流入した電流の計測値を変更する。
事故点FBTで事故が発生した上述の例では、計測値を零に設定することを示す論理値“1”が第4計測値設定部123から第2母線比率差動リレーRDfに入力する。差電流第2母線比率差動リレーRDfは、入力した論理値に従って第6電流センサCTが計測した電流を零に変更する。第6電流センサCTが計測した電流が零に変更された場合、第3電流センサCT及び第4電流センサCTが計測した電流と、第6電流センサCTが計測した電流との差電流は零にならない。そこで、第2母線比率差動リレーRDfは、前述したような第2母線保護動作を実行する。
また、事故点FBTで事故が発生した上述の例では、計測値を零に設定することを示す論理値“1”が第3計測値設定部123から第1母線比率差動リレーRDfに入力する。そこで、第1母線比率差動リレーRDfは、入力した論理値に従って第5電流センサCTが計測した電流を零に変更する。第5電流センサCTが計測した電流が零に変更された場合、第1電流センサCT及び第2電流センサCTが計測した電流と、第5電流センサCTが計測した電流との差電流は零にならない。そこで、第1母線比率差動リレーRDfは、計算した差電流に基づいて第1母線保護動作を実行する。すなわち、第1母線比率差動リレーRDfは、遮断器開放指令を第1遮断器CB、第2遮断器CB、及びブスタイ遮断器CBBTへ出力する。この結果、第1遮断器CB及び第2遮断器CBは、入力した遮断器開放指令に従って開き、第1母線LAは、事故点FBTでの事故から保護される。
このように、実施形態に従った母線保護装置を第2の構成例のように構成した場合にも、第1の構成例と同様に、二重母線方式において、ブスタイに流れる電流を計測する電流センサの配置に関係なく母線保護を実行できる。
また、第1の構成例では、二重母線事故において一方の母線が保護され他方の母線がされていないことを判定するために、タイマを用いた時限調整が行われる。時限調整では、ブスタイ遮断器CBBTの動作時間と、第1母線比率差動リレーRDf或いは第2母線比率差動リレーRDfの復帰時間とが考慮される。また、時限調整では、第1過電流検出部121或いは第2過電流検出部121の動作時間と、第1母線異常電圧検出部122或いは第2母線異常電圧検出部122の動作時間とが考慮される。これに対して、第2の構成例では、第1の構成例のようにタイマを用いた時限調整をしなくても、より簡易な構成によって二重母線を保護できる。
また、第1の構成例および第2の構成例はデジタル回路を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、単体の保護リレーとタイマリレーの組合せでも構成することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1、2 母線保護装置
11 アナログ/デジタル(A/D)変換器
12、13 処理部
121 第1過電流検出部
121 第2過電流検出部
122 第1母線異常電圧検出部
122 第2母線異常電圧検出部
123 第1計測値設定部
123 第2計測値設定部
123 第3計測値設定部
123 第4計測値設定部
AND 第1論理積部
AND 第2論理積部
BT ブスタイ
CB 第1遮断器
CB 第2遮断器
CB 第3遮断器
CB 第4遮断器
CBBT ブスタイ遮断器
CT 第1電流センサ
CT 第2電流センサ
CT 第3電流センサ
CT 第4電流センサ
CT 第5電流センサ
CT 第6電流センサ
DS 第1断路器
DS 第2断路器
DS 第3断路器
DS 第4断路器
DS 第5断路器
DS 第6断路器
DS 第7断路器
DS 第8断路器
EXOR 排他的論理和部
、F、FBT 事故点
INV 反転器
第1母線
第2母線
第1送電線
第2送電線
第3送電線
第4送電線
LD 第1負荷
LD 第2負荷
第1発電機
第2発電機
PS 電力系統
RDf 第1母線比率差動リレー
RDf 第2母線比率差動リレー
TOFF 第1復帰遅延タイマ
TOFF 第2復帰遅延タイマ
TON 第1動作遅延タイマ
TON 第2動作遅延タイマ
VT 第1電圧センサ
VT 第2電圧センサ
第1保護区域
第2保護区域

Claims (6)

  1. 第1母線と第2母線とを接続するブスタイに発生した事故に対応して、前記ブスタイに設置されたブスタイ遮断器を少なくとも開く第2母線保護動作を実行する第2母線比率差動リレーと、
    前記ブスタイに流れた過電流を検出する過電流検出部と、
    前記第1母線に印加された異常電圧を検出する第1母線異常電圧検出部と、
    前記第2母線保護動作が行われ且つ前記過電流及び前記異常電圧が検出された場合に前記ブスタイに流れた電流の計測値を零に設定する計測値設定部と、
    前記第1母線に接続する送電線に流れた電流と、零に設定された前記計測値とに従って、前記送電線に設置された送電線遮断器を少なくとも開く第1母線保護動作を実行する第1母線比率差動リレーと
    を含む、二重母線における母線保護装置。
  2. 第1母線と第2母線とを接続するブスタイに流れた過電流を検出する過電流検出部と、
    前記第1母線に印加された異常電圧を検出する第1母線異常電圧検出部と、
    前記第2母線に印加された異常電圧を検出する第2母線異常電圧検出部と、
    前記過電流が検出され且つ前記第1母線又は前記第2母線の前記異常電圧が検出された場合に前記ブスタイに流れた電流の計測値を零に設定する計測値設定部と、
    前記第1母線に接続する送電線に流れた電流と、零に設定された前記計測値とに従って、前記送電線に設置された送電線遮断器を少なくとも開く第1母線保護動作を実行する第1母線比率差動リレーと
    を含む、二重母線における母線保護装置。
  3. 前記過電流検出部は、前記ブスタイの零相電流に対して前記過電流を検出し、
    前記第1母線異常電圧検出部は、前記第1母線の零相電圧に対して過電圧を検出する
    請求項1または請求項2に記載の母線保護装置。
  4. 前記過電流検出部は、前記ブスタイを構成する各相の送電線に流れた電流に対して過電流を検出し、
    前記第1母線異常電圧検出部は、前記第1母線を構成する各相の送電線間に生じた線間電圧に対して不足電圧を検出する
    請求項1または請求項2に記載の母線保護装置。
  5. 前記過電流及び前記異常電圧の検出を所定時間遅延させて前記計測値設定部へ出力する遅延部を更に含む、請求項1に記載の母線保護装置。
  6. 前記第1母線から前記第2母線へ流れる電流値は、前記第2母線から前記第1母線へ流れる電流の計測値を基に取得される
    請求項1〜5の何れか一項に記載の母線保護装置。
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