JP6880605B2 - 目標存在尤度算出装置および目標存在尤度算出方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明の実施の形態1に係る目標存在尤度算出装置ついて説明する。この目標存在尤度算出装置では、目標物から受信した信号に関する情報として、目標物から放射される信号の実測受信レベルと、目標物から得られる放射雑音等の目標情報と、目標物から放射される信号の周波数情報とを用いる。
図1は、本実施の形態1に係る目標存在尤度算出装置10の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、目標存在尤度算出装置10は、尤度算出部としての伝搬損失算出器11、予測受信レベル算出器12および目標存在尤度算出器13と、入力部としての入力端子1a〜1eと、出力部としての出力端子2aとを備えている。
次に、本実施の形態1に係る目標存在尤度算出装置10おける目標存在尤度の算出方法について説明する。目標存在尤度算出装置10に対して、環境情報、自艦情報、目標情報、および目標物からの実測受信レベルが入力されると、目標存在尤度算出装置10は、入力された情報を用いて、目標存在尤度を算出する。
まず、目標存在尤度算出装置10は、伝搬損失算出器11により、伝搬損失の距離特性を算出する。伝搬損失算出器11は、入力端子1aに入力された環境情報と、入力端子1bに入力された自艦情報と、入力端子1eに入力された目標物からの信号の周波数情報とに基づき、音波伝搬モデルを用いて、予め設定された目標深度ztにおける伝搬損失の距離特性(以下、「伝搬損失」と適宜称する)TL(r)を算出する。
次に、目標存在尤度算出装置10は、予測受信レベル算出器12により、予測受信レベルを算出する。予測受信レベル算出器12は、入力端子1cに入力された目標情報SLと、伝搬損失算出器11から入力された伝搬損失TL(r)とに基づき、式(1)を用いて予測受信レベルRLp(r)を算出する。
次に、目標存在尤度算出装置10は、目標存在尤度算出器13により、目標存在尤度の距離特性を算出する。目標存在尤度算出器13は、入力端子1dに入力された実測受信レベルRLと、予測受信レベル算出器12から入力された予測受信レベルRLp(r)とに基づき、式(2)を用いて目標存在尤度の距離特性(以下、「目標存在尤度」と適宜称する)pRL(r|RL)を算出する。式(2)において、関数fは、式(3)に示すように、期待値μ、標準偏差σの正規分布の確率密度関数である。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、目標物から受信した信号に関する情報として、目標物から放射される信号の実測受信レベルおよび目標情報を用いたが、本実施の形態2では、目標物から受信した信号に関する情報として、目標物から放射される信号の到来ふ仰角を用いる。なお、以下の説明において、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図6は、本実施の形態2に係る目標存在尤度算出装置20の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、目標存在尤度算出装置20は、尤度算出部としての音線計算器21および目標存在尤度算出器22と、入力部としての入力端子1a、1bおよび1fと、出力部としての出力端子2bを備えている。
次に、本実施の形態2に係る目標存在尤度算出装置20において、目標存在尤度を算出する方法について説明する。目標存在尤度算出装置20に対して、環境情報、自艦情報、目標物からの到来ふ仰角が入力されると、目標存在尤度算出装置20は、入力された情報を用いて、目標存在尤度を算出する。
まず、目標存在尤度算出装置20は、音線計算器21により、音線深度を算出する。音線計算器21は、入力端子1aに入力された環境情報と、入力端子1bに入力された自艦情報と、入力端子1fに入力された到来ふ仰角とを用いて音線計算処理を行う。そして、音線計算器21は、音線計算処理により、ふ仰角「φ−σΦ」、「φ」および「φ+σΦ」に対する3本の音線を計算する。そして、音線計算器21は、算出した3本の音線における、各距離rに対する音線深度z(φ−σΦ,r)、z(φ,r)およびz(φ+σΦ,r)を算出する。ここで、「σΦ」は、ふ角の測定精度に依存する信号の到来ふ角の標準偏差である。
次に、目標存在尤度算出装置20は、目標存在尤度算出器22により、目標存在尤度の距離特性を算出する。音線計算器21から入力された音線深度z(φ−σΦ,r)、z(φ,r)およびz(φ+σΦ,r)に基づき、式(4)を用いて目標存在尤度の距離特性pEL(r|φ)を算出する。式(4)において、「zt」は目標深度である。また、関数fは、実施の形態1における式(3)に示すものと同様である。さらに、式(4)における「σz」は、例えば式(5)を用いて算出することができる。
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3は、実施の形態1に係る目標存在尤度算出装置10と、実施の形態2に係る目標存在尤度算出装置20とを組み合わせたものである。なお、以下の説明において、実施の形態1および2と共通する部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図9は、本実施の形態3に係る目標存在尤度算出装置100の構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、目標存在尤度算出装置100は、実施の形態1に係る目標存在尤度算出装置10と、実施の形態2に係る目標存在尤度算出装置20と、積算器30とで構成されている。
次に、本実施の形態3に係る目標存在尤度算出装置100おける目標存在尤度の算出方法について説明する。本実施の形態3では、目標存在尤度算出装置10において、実施の形態1で説明したようにして第1の目標存在尤度を算出する。また、目標存在尤度算出装置20において、実施の形態2で説明したようにして第2の目標存在尤度を算出する。そして、積算器30において、第1の目標存在尤度と第2の目標存在尤度とを積算する積算処理を行い、第3の目標存在尤度の距離特性を算出する。
Claims (6)
- 目標物までの距離を推定するソーナー装置に搭載され、前記目標物が存在する位置の尤度を示す目標存在尤度を算出する目標存在尤度算出装置であって、
前記ソーナー装置の周囲の環境状態を示す環境情報と、前記ソーナー装置が搭載された艦船の状態を示す自艦情報と、前記目標物から放射される信号の実測受信レベルと、前記目標物から得られる目標情報と、前記信号の周波数情報とが入力される第1の入力部と、
前記第1の入力部に入力された前記環境情報、前記自艦情報、前記実測受信レベル、前記目標情報および前記周波数情報に基づき、第1の目標存在尤度を算出する第1の尤度算出部と
を備え、
前記第1の尤度算出部は、
前記環境情報、前記自艦情報および前記周波数情報に基づき、予め設定された目標深度における伝搬損失を算出する伝搬損失算出器と、
前記目標物からの前記目標情報および算出された前記伝搬損失に基づき、前記目標物から放射される信号の予測値を示す予測受信レベルを算出する予測受信レベル算出器と、
前記目標物からの前記実測受信レベルおよび算出された前記予測受信レベルに基づき、前記第1の目標存在尤度を算出する第1の目標存在尤度算出器と
を有する第1の目標存在尤度算出装置と、
前記環境情報と、前記自艦情報と、前記目標物から放射される信号の到来ふ仰角とが入力される第2の入力部と、
前記第2の入力部に入力された前記環境情報、前記自艦情報および前記到来ふ仰角に基づき、第2の目標存在尤度を算出する第2の尤度算出部と
を備え、
前記第2の尤度算出部は、
前記環境情報、前記自艦情報および前記到来ふ仰角に基づき、予め設定された目標深度における音線深度を算出する音線計算器と、
算出された前記音線深度に基づき、前記第2の目標存在尤度を算出する第2の目標存在尤度算出器と
を有する第2の目標存在尤度算出装置と、
前記第1の目標存在尤度算出装置によって算出された前記第1の目標存在尤度と、前記第2の目標存在尤度算出装置によって算出された前記第2の目標存在尤度とを積算する積算器と
を備える
ことを特徴とする目標存在尤度算出装置。 - 算出された前記目標存在尤度を表示する表示部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の目標存在尤度算出装置。 - 前記第2の目標存在尤度算出器は、
複数の目標深度における目標存在尤度を算出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の目標存在尤度算出装置。 - 前記伝搬損失算出器は、
複数の目標深度における伝搬損失を算出する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の目標存在尤度算出装置。 - 前記第1の目標存在尤度算出装置は、
複数の周波数に対応する実測受信レベルに対して複数の前記第1の目標存在尤度を算出し、
前記第2の目標存在尤度算出装置は、
複数の到来ふ仰角に対して複数の前記第2の目標存在尤度を算出し、
前記積算器は、
複数の前記第1の目標存在尤度を積算して得られる値と、複数の前記第2の目標存在尤度を積算して得られる値とを積算する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の目標存在尤度算出装置。 - 目標物までの距離を推定するソーナー装置に搭載され、前記目標物が存在する位置の尤度を示す目標存在尤度を算出する目標存在尤度算出方法であって、
前記ソーナー装置の周囲の環境状態を示す環境情報と、前記ソーナー装置が搭載された艦船の状態を示す自艦情報と、前記目標物から放射される信号の実測受信レベルと、前記目標物から得られる目標情報と、前記信号の周波数情報とが入力される第1の入力ステップと、
入力された前記環境情報、前記自艦情報および前記周波数情報に基づき、予め設定された目標深度における伝搬損失を算出する伝搬損失算出ステップと、
前記目標物からの前記目標情報および算出された前記伝搬損失に基づき、前記目標物から放射される信号の予測値を示す予測受信レベルを算出する予測受信レベル算出ステップと、
前記目標物からの前記実測受信レベルおよび算出された前記予測受信レベルに基づき、第1の目標存在尤度を算出する第1の尤度算出ステップと、
前記環境情報と、前記自艦情報と、前記目標物から放射される信号の到来ふ仰角とが入力される第2の入力ステップと、
入力された前記環境情報、前記自艦情報および前記到来ふ仰角に基づき、予め設定された目標深度における音線深度を算出する音線計算ステップと、
算出された前記音線深度に基づき、第2の目標存在尤度を算出する第2の尤度算出ステップと、
前記第1の尤度算出ステップで算出された前記第1の目標存在尤度と、前記第2の尤度算出ステップで算出された前記第2の目標存在尤度とを積算する積算ステップと
を備える
ことを特徴とする目標存在尤度算出方法。
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