JP6879321B2 - 電池用包装材料 - Google Patents

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Description

本発明は、成形後のカールが抑制された電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていた。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このような電池用包装材料においては、一般的に、冷間成形により凹部が形成され、当該凹部によって形成された空間に電極や電解液などの電池素子を配し、シーラント層同士を熱融着させることにより、電池用包装材料の内部に電池素子が収容された電池が得られる。
特開2008−287971号公報
近年、電池の小型化、薄型化の要求に伴い、電池用包装材料に対しても、より一層の薄膜化が求められている。しかしながら、電池用包装材料の厚みが薄くなると、電池用包装材料に形成された凹部の周縁部がカール(湾曲)して、電池素子の収容やシーラント層の熱融着を阻害して、電池の生産効率を低下させる場合がある。特に、自動車用の二次電池など、大型の二次電池に使用される電池用包装材料は、サイズが大きいため、電池の生産性に与えるカールの影響が非常に大きいという問題を有している。
このような状況下、本発明の主な目的は、少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなる電池用包装材料において、成形後のカールを抑制する技術を提供することにある。
本発明者は、前述の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなる電池用包装材料において、シーラント層の厚みを基材層の厚みの3倍以上に設定することにより、電池用包装材料の厚みが例えば160μm以下、さらには130μm以下、さらには100〜120μmにまで薄くなった場合にも、成形後のカールを効果的に抑制できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の電池用包装材料及び電池を提供する。
項1. 少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記シーラント層の厚みが、前記基材層の厚みの3倍以上である、電池用包装材料。
項2. 少なくとも、基材層、金属層、接着層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記接着層と前記シーラント層との合計厚みが、前記基材層の厚みの3倍以上である、電池用包装材料。
項3.前記積層体の厚みが、160μm以下である、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記基材層が、延伸樹脂フィルムにより形成されており、前記シーラント層が、未延伸樹脂フィルムにより形成されている、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記基材層が、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一方により形成されている、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記金属層の少なくとも一方の面に化成処理が施されている、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 二次電池用の包装材料である、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明の電池用包装材料によれば、少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなる電池用包装材料において、シーラント層の厚みを基材層の厚みの3倍以上とすることにより、成形後のカールを効果的に抑制できる。また、本発明の電池用包装材料において、金属層とシーラント層との間に接着層が積層されている場合には、当該接着層とシーラント層との合計厚みを基材層の厚みの3倍以上とすることにより、成形後のカールを効果的に抑制できる。さらに、本発明の電池用包装材料は、成形後のカールが抑制されているため、電池素子の収容やシーラント層の熱融着を阻害しにくく、電池の生産性の向上にも寄与することができる。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 カールの評価方法を説明するための模式図である。 カールの評価方法を説明するための模式図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、シーラント層の厚みが、基材層の厚みの3倍以上であることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
電池用包装材料10は、図1に示すように、少なくとも、基材層1、金属層3、及びシーラント層4が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層になり、シーラント層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
また、本発明の電池用包装材料10は、図1または図2に示すように、基材層1と金属層3との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層2が設けられていてもよい。本発明の電池用包装材料は、図2に示すように、金属層3とシーラント層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。また、図示しないが、基材層1の表面(シーラント層4とは反対側の表面)にコーティング層を設けてもよい。
本発明において、接着層5を有する場合には、接着層5とシーラント層4との合計厚みが、基材層1の厚みの3倍以上となればよい。従って、この場合、接着層5単独またはシーラント層4単独の厚みは、それぞれ、基材層1の厚みの3倍以上であってもよいし、3倍未満であってもよい。
2.電池用包装材料10、基材層1、接着層5、シーラント層4の厚みの関係
本発明の電池用包装材料においては、後述するシーラント層4の厚み(接着層5とシーラント層4との合計厚み)が、後述する基材層1の厚みの3倍以上に設定されていることを特徴としている。前述の通り、電池用包装材料の厚みが薄くなると、電池用包装材料に形成された凹部の周縁部がカール(湾曲)して、電池素子の収容やシーラント層の熱融着を阻害して、電池の生産効率を低下させる場合がある。これに対して、本発明の電池用包装材料においては、電池用包装材料を構成している基材層1の厚みよりも、シーラント層4の厚み(接着層5とシーラント層4との合計厚み)が3倍以上大きくなるように設定していることにより、例えば、電池用包装材料の厚みが160μm以下、さらには130μm以下、さらには100〜120μmと非常に薄い場合にも、成形後のカールを効果的に抑制することができる。
基材層1とシーラント層4(接着層5とシーラント層4との合計厚み)の厚みがこのような関係を有していることにより、成形後におけるカールが効果的に抑制される機序の詳細は必ずしも明らかではないが、例えば次のように考えることができる。すなわち、シーラント層4の厚み(接着層5とシーラント層4との合計厚み)が基材層1の厚みの3倍以上に設定されていることにより、成形時において、基材層1の形状変化が電池用包装材料全体に与える影響が小さくなり、成形によって形成された凹部周辺の基材層1の形状変化(収縮)に伴う電池用包装材料のカール(湾曲)が抑制されるものと考えられる。
特に、自動車用の二次電池など、大型の二次電池に使用される電池用包装材料は、サイズが大きいため、電池の生産性に与えるカールの影響が非常に大きいという問題を有している。本発明の電池用包装材料が、自動車用の二次電池など、大型の二次電池に使用されるものである場合、電池用包装材料の厚みが、例えば160μm以下、さらには130μm以下、さらには100〜120μmと非常に薄い場合にも、成形後のカールを効果的に抑制することができる。
また、本発明の電池用包装材料は、自動車用の二次電池などに限らず、電池用包装材料を構成する積層体の厚みが例えば100μm以下、さらには90〜60μm程度と薄い場合にも、成形後のカールが効果的に抑制される。このため、本発明の電池用包装材料は、厚みを薄くすることによっても、電池の生産性の低下を抑止しつつ、電池のエネルギー密度の向上に寄与することができる。
なお、本発明において、成形後の電池用包装材料のカールの評価は、実施例に記載の方法により行うことができる(図3及び図4を参照)。
3.電池用包装材料を形成する各層の組成
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、及びこれらの混合物や共重合物等の樹脂フィルムが挙げられる。これらの中でも、好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられ、より好ましくは2軸延伸ポリエステル樹脂、2軸延伸ポリアミド樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。また、ポリアミド樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
電池用包装材料においては、基材層1を形成する樹脂フィルムが延伸樹脂フィルムであり、後述のシーラント層を形成する樹脂フィルムが未延伸フィルムである場合に、基材層1の配向の影響を受けやすく、特にカールが生じやすいという問題を有しているが、本発明の電池用包装材料においては、基材層1とシーラント層4との厚みが上記の関係にあることにより、基材層1とシーラント層4とがこのような樹脂フィルムにより形成されている場合にも、成形時のカールを効果的に抑制することができる。なお、本発明において、延伸樹脂フィルムとは、樹脂フィルムの製造時において、MD方向及びTD方向の少なくとも一方に2〜5倍程度に延伸する工程を経て得られたものであり、未延伸フィルムとは、このような工程を経ていないものをいう。
基材層1は、1層の樹脂フィルムから形成されていてもよいが、耐ピンホール性や絶縁性を向上させるために、2層以上の樹脂フィルムで形成されていてもよい。基材層1を多層の樹脂フィルムで形成する場合、2以上の樹脂フィルムは、接着剤または接着性樹脂などの接着成分を介して積層させればよく、使用される接着成分の種類や量等については、後述する接着層2又は接着層5の場合と同様である。なお、2層以上の樹脂フィルムを積層させる方法としては、特に制限されず、公知方法が採用でき、例えばドライラミネーション法、サンドラミネーション法などが挙げられ、好ましくはドライラミネーション法が挙げられる。ドライラミネーション法により積層させる場合には、接着層としてウレタン系接着剤を用いることが好ましい。このとき、接着層の厚みとしては、例えば2〜5μm程度が挙げられる。
基材層1の厚さについては、基材層としての機能を発揮しつつ、シーラント層4の厚み(接着層5とシーラント層4との合計厚み)に対する上記の関係を充足できれば特に制限されないが、例えば、10〜50μm程度、好ましくは15〜25μm程度が挙げられる。
[接着層2]
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3を強固に接着させるために、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。
接着層2は、基材層1と金属層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層2の形成に使用できる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着層2の厚さについては、接着層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μm程度が挙げられる。
[金属層3]
電池用包装材料において、金属層3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層3は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、金属層3にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
金属層3として使用されるアルミニウム箔は、MD方向対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力と、TD方向対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力とが、共に55〜140N/mm2の範囲にあることが好ましく、60〜100N/mm2の範囲にあることがより好ましい。なお、当該0.2%耐力は、JIS Z 2241に規定する引張試験によって測定される値である。
金属層3の厚みは、金属層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、10μm〜50μm程度、好ましくは20μm〜40μm程度とすることができる。
また、金属層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。
Figure 0006879321
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一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
また、金属層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロム酸クロメート処理や、クロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理などが好ましい。
化成処理において金属層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、金属層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属層の表面に塗布した後に、金属層の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属層に化成処理を施す前に、予め金属層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[シーラント層4]
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。本発明の電池用包装材料において、後述の接着層5が積層されている場合には、接着層5とシーラント層4との厚みの合計が、基材層1の厚みの3倍以上であればよく、シーラント層4単独の厚みは、基材層1の厚みの3倍以上であってもよいし、3倍未満であってもよい。一方、後述の接着層5が積層されていない場合には、シーラント層4単独の厚みは、基材層1の厚みの3倍以上である。
シーラント層4に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に使用されるものと同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン;更に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
シーラント層4は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。更に、シーラント層4は、1層のみで成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
また、シーラント層4の厚さとしては、シーラント層としての機能を発揮しつつ、基材層1の厚みとの上記の関係を充足すれば、特に制限されないが、例えば、10〜100μm程度、好ましくは15〜50μm程度が挙げられる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、金属層3とシーラント層4を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。本発明の電池用包装材料において、接着層5が積層されている場合には、接着層5とシーラント層4との厚みの合計が、基材層1の厚みの3倍以上であればよく、接着層5単独の厚みは、基材層1の厚みの3倍以上であってもよいし、3倍未満であってもよい。
接着層5は、金属層3とシーラント層4とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤について、その接着機構、接着剤成分の種類等は、前記接着層2の場合と同様である。接着層5に使用される接着剤成分として、好ましくはポリオレフィン系樹脂、更に好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン、特に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
接着層5の厚さについては、接着層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、2〜50μm程度、好ましくは15〜30μm程度が挙げられる。
[コーティング層]
本発明の電池用包装材料においては、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性の向上などを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1の金属層3とは反対側)に、必要に応じて、コーティング層を設けてもよい。コーティング層は、電池を組み立てた時に、最外層に位置する層である。
コーティング層は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステイル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などにより形成することができる。コーティング層は、これらの中でも、2液硬化型樹脂により形成することが好ましい。コーティング層を形成する2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ポリエステル樹脂、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、コーティング層には、マット化剤を配合してもよい。
マット化剤としては、例えば、粒径が0.5nm〜5μm程度の微粒子が挙げられる。マット化剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。また、マット化剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状等が挙げられる。マット化剤として、具体的には、タルク,シリカ,グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム,酸化ネオジウム,酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム,硫酸バリウム、炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム,シュウ酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケル等が挙げられる。これらのマット化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのマット化剤の中でも、分散安定性やコスト等の観点から、好ましくはりシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、マット化剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理等の各種表面処理を施しておいてもよい。
コーティング層を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、コーティング層を形成する2液硬化型樹脂を基材層1の一方の表面上に塗布する方法が挙げられる。マット化剤を配合する場合には、2液硬化型樹脂にマット化剤を添加して混合した後、塗布すればよい。
コーティング層の厚みとしては、コーティング層としての上記の機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、0.5〜10μm程度、好ましくは1〜5μm程度が挙げられる。
4.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
まず、基材層1、接着層2、金属層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理された金属層3に接着層2の形成に使用される接着剤を、押出し法、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該金属層3又は基材層1を積層させて接着層2を硬化させるドライラミネーション法によって行うことができる。
次いで、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を積層させる。金属層3上にシーラント層4を直接積層させる場合には、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を構成する樹脂成分をグラビアコート法、ロールコート法等の方法により塗布すればよい。また、金属層3とシーラント層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aの金属層3上に、接着層5及びシーラント層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層5とシーラント層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aの金属層3上に熱ラミネーション法により積層する方法、(3)積層体Aの金属層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜したシーラント層4をサーマルラミネーション法により積層する方法、(4)積層体Aの金属層3と、予めシート状に製膜したシーラント層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aとシーラント層4を貼り合せる方法(サンドラミネーション法)等が挙げられる。
コーティング層を設ける場合には、基材層1の金属層3とは反対側の表面に、コーティング層を積層する。コーティング層は、例えばコーティング層を形成する上記の樹脂を基材層1の表面に塗布することに形成することができる。なお、基材層1の表面に金属層3を積層する工程と、基材層1の表面にコーティング層を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、基材層1の表面にコーティング層を形成した後、基材層1のコーティング層とは反対側の表面に金属層3を形成してもよい。
上記のようにして、基材層1/接着層2/必要に応じて表面が化成処理された金属層3/必要に応じて設けられる接着層5/シーラント層4/必要に応じて設けられるコーティング層からなる積層体が形成されるが、接着層2及び必要に応じて設けられる接着層5の接着性を強固にするために、更に、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150〜250℃で1〜5分間が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
5.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
前述の通り、特に、自動車用の二次電池など、大型の二次電池に使用される電池用包装材料は、サイズが大きいため、電池の生産性に与えるカールの影響が非常に大きいという問題を有しているが、本発明の電池用包装材料は、成形後のカールが効果的に抑制されているため、自動車用二次電池の電池用包装材料として、特に有用である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1−3及び比較例1−8
<電池用包装材料の製造>
基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体に対して、サーマルラミネート法で接着層5及びシーラント層4を積層させることにより、基材層1/接着層2/金属層3/接着層5/シーラント層4が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を製造した。電池用包装材料の製造条件の詳細は、以下に示す通りである。
まず、基材層1の一方面に、接着層2を3μmとなるように形成し、金属層3の化成処理面と加圧加熱貼合し基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体を作製した。また、別途、接着層5を構成する酸変性ポリプロピレン樹脂(不飽和カルボン酸でグラフト変性した不飽和カルボン酸グラフト変性ランダムポリプロピレン)と、シーラント層4を構成するポリプロピレン(ランダムコポリマー)を共押出しすることにより、接着層5とシーラント層4からなる2層共押出しフィルムを作製した。
次いで、前記で作製した基材層1/接着層2/金属層3からなる積層体の金属層に、前記で作製した2層共押出しフィルムの接着層5が接するように重ねあわせ、金属層3が120℃となるように加熱してサーマルラミネーションを行うことにより、基材層1/接着層2/金属層3/接着層5/シーラント層4が順に積層された積層体を得た。得られた積層体を一旦冷却した後に、180℃になるまで加熱し、1分間その温度を保持して熱処理を施すことにより、実施例1−3及び比較例1−8の電池用包装材料を得た。
実施例1−3及び比較例1−8で作製した電池用包装材料の積層構造と各層の厚みは、それぞれ、以下の通りである。なお、基材層1を形成するPETとナイロンの積層体は、PETフィルムとナイロンフィルムとを接着層2を形成する接着剤で接着したものである。基材層1の厚みには、接着剤の厚みは含んでいない。
(実施例1)
PET(12μm)/接着剤層(3μm)/ナイロン(15μm)/接着層2(3μm)/金属層3(40μm)/接着層5(40μm)/シーラント層4(40μm)
(実施例2)
PET(9μm)/接着剤層(3μm)/ナイロン(12μm)/接着層2(3μm)/金属層3(30μm)/接着層5(35μm)/シーラント層4(35μm)
(実施例3)
PET(12μm)/接着層2(3μm)/金属層3(35μm)/接着層5(30μm)/シーラント層4(30μm)
(比較例1)
PET(12μm)/接着剤層(3μm)/ナイロン(15μm)/接着層2(3μm)/金属層3(40μm)/接着層5(30μm)/シーラント層4(30μm)
(比較例2)
PET(9μm)/接着剤層(3μm)/ナイロン(12μm)/接着層2(3μm)/金属層3(30μm)/接着層5(30μm)/シーラント層4(30μm)
(比較例3)
PET(12μm)/接着剤層(3μm)/ナイロン(15μm)/接着層2(3μm)/金属層3(35μm)/接着層5(30μm)/シーラント層4(30μm)
(比較例4)
PET(12μm)/接着剤層(3μm)/ナイロン(15μm)/接着層2(3μm)/金属層3(35μm)/接着層5(22μm)/シーラント層4(23μm)
(比較例5)
PET(12μm)/接着剤層(3μm)/ナイロン(12μm)/接着層2(3μm)/金属層3(35μm)/接着層5(30μm)/シーラント層4(30μm)
(比較例6)
ナイロン(25μm)/接着層2(3μm)/金属層3(40μm)/接着層5(25μm)/シーラント層4(25μm)
(比較例7)
ナイロン(15μm)/接着層2(3μm)/金属層3(30μm)/接着層5(20μm)/シーラント層4(15μm)
(比較例8)
ナイロン(15μm)/接着層2(3μm)/金属層3(30μm)/接着層5(15μm)/シーラント層4(10μm)
<成形後のカールの評価>
上記で得られた電池用包装材料を裁断して、150×100mmの短冊片を作製し、これを試験サンプルとした。30×50mmの矩形状の雄型とこの雄型とのクリアランスが0.5mmの雌型からなるストレート金型を用い、雄型側にシーラント層4側が位置するように雌型上に上記試験サンプルを載置し、成形深さ6mmとなるように当該試験サンプルを0.1MPaの押え圧(面圧)で押えて、冷間成形(引き込み1段成形)した。成形を行った位置の詳細は、図3に示される通りである。図3に示されるように、矩形状の成形部Mと電池用包装材料10の端部Pとの最短距離d=25mmとなる位置で成形した。次に、成形後の電池用包装材料10を、図4に示すようにして水平面20におき、水平面20から端部Pまでの垂直方向yの距離の最大値tをカールしている部分の最大高さとした。成形後のカールの評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
〇:t=0mm以上、10mm未満であり、カールが小さく、生産性をほとんど低下させない
×:t=10mm以上であり、カールが大きく、生産性の低下が大きい
Figure 0006879321
表1に示される結果から明らかなように、成形深さ6mmという厳しい条件で成形した場合にも、接着層5及びシーラント層4の合計厚みが、基材層1の厚みの3倍以上である実施例1−3の電池包装材料では、カールが効果的に抑制されていた。一方、接着層5及びシーラント層4の合計厚みが、基材層1の厚みの3倍未満である比較例1−8の電池包装材料では、成形深さ6mmで成形した場合、カールが大きくなり、実施例1−3に比して成形性の点で劣っていた。
1 基材層
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
5 接着層
10 電池用包装材料
M 成形部
P 端部

Claims (8)

  1. 少なくとも、基材層、金属層、接着層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
    前記基材層は、延伸ポリエステル樹脂フィルムの1層、延伸ポリアミド樹脂フィルムの1層、又は延伸ポリエステル樹脂フィルムと延伸ポリアミド樹脂フィルムとがウレタン系接着剤で積層された積層フィルムにより形成されており、
    前記基材層の厚み(但し、前記基材層が、前記延伸ポリエステル樹脂フィルムと前記延伸ポリアミド樹脂フィルムとが前記ウレタン系接着剤で積層された積層フィルムにより形成されている場合には、前記基材層の厚みには、前記ウレタン系接着剤の厚みを含まない。)は12μm以上25μm以下であり、
    前記接着層と前記シーラント層との合計厚みは60μm以上80μm以下であり、
    前記接着層は、酸変性ポリオレフィンによって形成されており、
    前記接着層は、厚みが15μm以上50μm以下であり、
    前記シーラント層は、厚みが15μm以上50μm以下であり、
    前記接着層と前記シーラント層との合計厚みが、前記基材層の厚みの3倍以上である、電池用包装材料。
  2. 前記積層体の厚みが、160μm以下である、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記シーラント層が、未延伸樹脂フィルムにより形成されている、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記アルミニウム箔は、MD方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力と、TD方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力とが、共に55N/mm2以上140N/mm2以下の範囲にある、請求項4に記載の電池用包装材料。
  6. 前記金属層の少なくとも一方の面に化成処理が施されている、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 二次電池用の包装材料である、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
  8. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
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