JP6877281B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、出力特性に優れた磁気記録媒体に関する。
非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤とを含有する磁性層が形成された塗布型の磁気記録媒体は、アナログ方式からデジタル方式への記録再生方式の移行に伴い、一層の記録密度の向上が要求されている。特に、高密度デジタルビデオテープやコンピュータバックアップテープ等においては、この要求が年々高まってきている。
このような記録密度の向上に伴い、記録波長が短波長化され、この短波長記録に対応するため、年々磁性粉末の微粒子化が図られており、現在では平均粒子径が20nm程度の強磁性六方晶フェライト粉末を実現し、この磁性粉末を用いた磁気記録媒体が実用化されている(例えば、特許文献1)。
そして、上記強磁性六方晶フェライト粉末を用いた磁気記録媒体の記録密度を更に向上させるためには、強磁性六方晶フェライト粉末を更に微粒子化する必要がある。しかし、強磁性六方晶フェライト粉末を更に微細化することで、磁性粉末の粒子体積が小さくなり、熱揺らぎの影響を受けやすくなる問題がある。このため、微粒子化しても保磁力が高く、異方性エネルギーが大きい磁性体を用いて熱揺らぎを抑制することが必要となる。
このような状況において近年、磁気記録媒体用の新しい磁性材料として、ε−Fe23の研究が行われており、15nm以下、好ましくは10nm以下の平均粒子径でも強磁性の特性を有するε−Fe23の単相からなる酸化鉄ナノ磁性粒子粉が提案されている(例えば、特許文献2)。また、ε−Fe23を磁性粉末として用いた磁気記録媒体も提案されている(例えば、特許文献3、4)。
また、本発明に関連する先行技術文献として、後述するスペーシングの測定方法及び制御方法に関する特許文献5がある。
特開2015−91747号公報 特開2014−224027号公報 特開2015−82329号公報 特開2014−149886号公報 特開2012−43495号公報
通常知られているFe23の結晶構造は、ガンマ(γ)相、又はアルファ(α)相であるが、ε−Fe23の結晶構造であるイプシロン(ε)相は、γ相及びα相の中間に存在する結晶構造であり、結晶異方性に基づく磁気異方性を示すため、粒子径を10nm以下に小さくしても高保磁力を示すことが特徴となっている。
しかし、ε−Fe23のヒステリシス曲線を微分して得られる微分曲線を見ると、+500エルステッド〔Oe〕以上の磁界の範囲にピーク(P1)が生じると共に、+500エルステッド〔Oe〕より小さい磁界の範囲にもピーク(P2)が生じることが分かっている。これは、ε−Fe23磁性粉末には、高保磁力成分の他に、異なる保磁力、特に低保磁力成分の磁性粉末が混ざっているために、+500エルステッド〔Oe〕より小さい磁界の範囲にもピークが現れると考えられている。
更に、上記微分曲線では、+4000エルステッド〔Oe〕以上の磁界の範囲において、ピーク(P1)を超えた下降曲線部分の傾きが緩くなっている部分が見られる。これは、+500エルステッド〔Oe〕以上+5000エルステッド〔Oe〕未満の保磁力を有する通常の高保磁力成分に加えて、+5000エルステッド〔Oe〕以上の特に高い保磁力を有する成分(超高保磁力成分)の磁性粉末が混ざっているためと考えられる。この超高保磁力成分が磁気記録媒体の磁性層中に存在した場合、磁気ヘッドで磁気信号を記録しようとしても、磁気ヘッドから発生する記録磁界の強度が不足して、磁気信号を記録することができないため、高密度記録用の磁気記録媒体に用いる磁性材料としては好ましくない。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、磁性層の厚さ方向のヒステリシス曲線を微分して得られる微分曲線において示される、+5000エルステッド〔Oe〕以上の保磁力を有する超高保磁力成分の比率を特定の範囲とすることで、出力特性に優れた磁気記録媒体を提供する。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、磁性粉末を含む磁性層とを備える磁気記録媒体であって、前記磁性粉末は、ε酸化鉄粉末からなり、前記磁性粉末の平均粒子径が、8nm以上20nm以下であり、前記磁性層の厚さ方向の角形比が、0.65以上であり、前記磁性層の厚さ方向の保磁力が、3000エルステッド〔Oe〕以上であり、前記磁性層の厚さ方向のヒステリシス曲線において、前記磁性層に正方向の磁場を印加して正方向の飽和磁化に達した後、前記正方向に対して逆方向の磁場を印加して逆方向の飽和磁化に達した点をA点とし、A点から更に正方向の磁場を印加して正方向の飽和磁化に達した点をB点とした場合、A点からB点へ向かうヒステリシス曲線を微分して得られる微分曲線において、0エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における前記微分曲線の積分値をA、+5000エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における前記微分曲線の積分値をB、積分値Aと積分値Bとの比率B/AをRとすると、R≦0.15の関係が成立する。
本発明の磁気記録媒体によれば、磁性層の厚さ方向に測定したヒステリシス曲線を微分して得られる微分曲線において示される、+5000エルステッド〔Oe〕以上の保磁力を有する超高保磁力成分の比率を特定の範囲とすることで、出力特性に優れた磁気記録媒体を提供できる。
図1は、実施形態の磁気記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図2は、実施形態の磁性層の厚さ方向のヒステリシス曲線の一例を示す図である。 図3は、図2におけるA点からB点へ向かうヒステリシス曲線を微分して得られる微分曲線の一部を示す図である。 図4は、実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれで求めた厚さ方向のヒステリシス曲線の微分曲線の一部を示す図である。
本発明の磁気記録媒体の実施形態について説明する。本発明の磁気記録媒体の実施形態は、非磁性支持体と、磁性粉末を含む磁性層とを備えている。また、上記磁性粉末は、ε酸化鉄粉末からなり、上記磁性粉末の平均粒子径は、8nm以上20nm以下であり、上記磁性層の厚さ方向の角形比は、0.65以上であり、上記磁性層の厚さ方向の保磁力は、3000エルステッド〔Oe〕以上である。また、上記磁性層の厚さ方向のヒステリシス曲線において、上記磁性層に正方向の磁場を印加して正方向の飽和磁化に達した後、上記正方向に対して逆方向の磁場を印加して逆方向の飽和磁化に達した点をA点とし、A点から更に正方向の磁場を印加して正方向の飽和磁化に達した点をB点とした場合、A点からB点へ向かうヒステリシス曲線を微分して得られる微分曲線において、0エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における前記微分曲線の積分値をA、+5000エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における前記微分曲線の積分値をB、積分値Aと積分値Bとの比率B/AをRとすると、R≦0.15の関係が成立する。
上記磁性粉末として、ε酸化鉄粉末を用いることにより、上記磁性粉末の平均粒子径を8nm以上20nm以下として短波長記録に対応しても、磁性粉末の保磁力が低下しない。また、上記磁性層の厚さ方向の角形比を0.65以上とすることで、出力特性を向上できる。更に、上記磁性層の厚さ方向の保磁力を3000エルステッド〔Oe〕以上とすることで、高記録密度化における短波長記録領域においても、自己減磁損失が少なく高い再生出力が得られる。
一方、上記ε酸化鉄粉末の平均粒子径を8nm以上20nm以下として、上記ε酸化鉄粉末を微粒子化すると一般に粒度分布が広がる傾向にあり、粒子径が20nmを超える粒子の割合が増加する。ここで、ε酸化鉄粉末は結晶磁気異方性を示すため、ε酸化鉄粉末の保磁力は粒子径の影響を受けやすく、一般に粒子径が小さいと保磁力は小さくなり、粒子径が大きいと保磁力は大きくなる傾向がある。このため、上記ε酸化鉄粉末の平均粒子径を8nm以上20nm以下とすると、上記ε酸化鉄粉末において+5000エルステッド〔Oe〕以上の保磁力を有する超高保磁力成分が増加することになる。また、上記磁性層の厚さ方向の保磁力を3000エルステッド〔Oe〕以上とすると、更に上記超高保磁力成分が増加することになる。この超高保磁力成分は、前述のとおり、磁気信号を記録することができないため、高密度記録用の磁気記録媒体に用いる磁性材料としては好ましくない。
そこで、本実施形態では、R≦0.15として、上記超高保磁力成分の割合を減少させることにより、本実施形態の磁気記録媒体の出力特性の向上を実現した。即ち、上記微分曲線において、0エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における上記微分曲線の積分値をA、+5000エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における上記微分曲線の積分値をB、積分値Aと積分値Bとの比率B/AをRとすると、R≦0.15の関係を成立せることにより、本実施形態の磁気記録媒体の出力特性を向上できる。
上記比率Rは、0.10以下がより好ましく、0.07以下が最も好ましい。上記比率Rの下限値は、小さいほど好ましいが、磁性粉末の粒度分布等の影響を受け、上記超高保磁力成分を完全に除去することはできないため、上記比率Rの下限値は0.03程度である。
本実施形態の磁気記録媒体は、上記比率Rを特定の範囲とすることで、磁性層の出力特性を向上できる。従って、上記比率Rの測定対象は、完成した磁気記録媒体の磁性層であり、ε酸化鉄粉末が測定対象ではない。このため、仮にε酸化鉄粉末の上記比率Rを測定した値と、ε酸化鉄粉末を含む磁性層の上記比率Rを測定した値とが異なっていても、上記磁性層の上記比率RがR≦0.15の範囲内にあればよい。
上記比率Rを0.15以下に制御する方法としては特に限定されないが、例えば、磁性粉末に電磁石で15000エルステッド〔Oe〕以上の直流磁界をかけて引き寄せた後で、磁界を徐々に下げながらエアーで引き寄せた磁性粉末を吸引して、保磁力が+5000エルステッド〔Oe〕未満の成分だけ抽出する方法がある。また、前述のように、ε酸化鉄粉末は結晶磁気異方性を示すため、ε酸化鉄粉末の保磁力は粒子径の影響を受けやすく、一般に粒子径が小さいと保磁力は小さくなり、粒子径が大きいと保磁力は大きくなる傾向がある。そこで、ε酸化鉄粉末を溶剤に分散させてスラリーを作製し、そのスラリーを、超遠心分離法を用いて大きい粒子を沈降させた後に上澄み部分を取り出しで保磁力が+5000エルステッド〔Oe〕未満の成分だけを抽出する方法がある。これらの方法で、保磁力が+5000エルステッド〔Oe〕以上の超高保磁力成分を低減したε酸化鉄粉末を用いて磁性層を作製することにより、上記比率Rを0.15以下に制御することができる。
更に、磁性層形成時に、磁場配向の強度を変えて、ヒステリシス曲線を変化させる方法によっても上記比率Rを制御することができ、特に配向磁場を適度に強くして磁性粉末を配向させることにより、ヒステリシス曲線の微分曲線に生じるピークの形状をシャープにすることができるため上記比率Rを小さくすることができる。
また、上記磁性層の厚さ方向の角形比を0.65以上とすることで、出力特性を向上できるが、上記磁性層の厚さ方向の角形比を0.75以上とすることで、更に出力特性を向上できる。上記角形比を0.65以上に制御する方法は特に限定されないが、例えば、磁場配向の強度を変更して制御する方法等が採用できる。
また、上記磁性層の表面をn−ヘキサンで洗浄した後の上記磁性層の表面のスペーシングをTSA(Tape Spacing Analyzer)で測定したとき、上記スペーシングの値は、5nm以上15nm以下であることが好ましい。上記スペーシングの値が5nmを下回ると、磁性層の表面が平滑になりすぎて、磁気ヘッドと磁性層との接触面積が大きくなり、摩擦係数が増大して、磁性層の耐久性が低下する傾向がある。一方、上記スペーシングの値が15nmを超えると、磁気ヘッドと磁性層表面との距離が大きくなりすぎて、記録再生特性が低下する傾向がある。上記スペーシングの値は、7nm以上13nm以下がより好ましく、8nm以上11nm以下が最も好ましい。
上記スペーシングの値の測定方法及びその制御方法は特に限定されないが、例えば、特開2012−43495号公報(特許文献5)に記載の方法により行うことができる。
上記磁性層の表面には、フッ素系潤滑剤又はシリコーン系潤滑剤を含む潤滑剤層を備えることが好ましい。上記潤滑剤層を備えることにより、磁性層の摩擦係数が低減し、磁性層の耐久性がより向上する。
上記磁性層の厚さは、30nm以上200nm以下であることが好ましい。上記磁性層の厚さを200nm以下とすることにより、短波長記録特性を向上でき、上記磁性層の厚さを30nm以上とすることにより、サーボ信号を記録することができる。本実施形態で用いるε酸化鉄粉末の飽和磁化量は、従来の強磁性六方晶フェライト粉末の飽和磁化量に比べて、1/2〜1/3と小さいため、記録波長が長いサーボ信号を記録する場合には、磁性層の厚さは30nm以上とする必要がある。
上記サーボ信号を磁性層に記録しない場合には、上記磁性層の厚さは、10nm以上50nm以下が好ましい。上記磁性層の厚さを10nm以上50nm以下としても、トンネル型磁気抵抗効果型ヘッド(TMRヘッド)等の高感度の磁気ヘッドを用いれば、データ信号の記録再生が可能である。
以下、本実施形態を図面に基づき説明する。図1は、本実施形態の磁気記録媒体の一例を示す概略断面図である。
図1において、本実施形態の磁気記録媒体10は、非磁性支持体11と、非磁性支持体11の一方の主面(ここでは、上面)に形成された下塗層12と、下塗層12の非磁性支持体11側とは反対側の主面(ここでは、上面)に形成された磁性層13とを有する磁気テープである。また、非磁性支持体11の下塗層12が形成されていない側の主面(ここでは、下面)には、バックコート層14が形成されている。
<磁性層>
磁性層13は、ε酸化鉄粉末と結合剤とを含むものである。
上記ε酸化鉄粉末は、一般組成式ε−Fe23で表される単相で形成されていることが好ましい。α酸化鉄やγ酸化鉄が混入すると、磁性層の保磁力が低下するからである。但し、磁性層の保磁力が低下しない水準であれば、不純物としてα酸化鉄やγ酸化鉄を含んでいてもよい。
上記ε酸化鉄粉末の保磁力は、3000エルステッド〔Oe〕以上が好ましい。また、一般組成式ε−Fe23で表されるε酸化鉄粉末に不純物が含まれると、ε酸化鉄粉末の保磁力が低下するので、不純物が含まれないことが好ましい。但し、上記ε酸化鉄粉末は、その結晶中のFeサイトの一部をアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ロジウム(Rh)、インジウム(In)等の3価の金属元素で置換することで、保磁力をコントロールすることができる。このため、上記ε酸化鉄粉末は、保磁力が3000エルステッド〔Oe〕以上を維持できれば、不純物として鉄以外の金属元素を含んでいてもよい。
前述のとおり、上記磁性層に含まれる上記ε酸化鉄粉末の平均粒子径は、8nm以上20nm以下に設定されている。上記ε酸化鉄粉末の平均粒子径が20nmを超えると、超高保磁力成分が増えるため、磁気ヘッドからの磁気信号を記録し難くなり、特に短波長記録では磁気記録媒体のノイズが上昇するため、高い電磁変換特性が得られない傾向がある。
本実施形態において磁性層に含まれるε酸化鉄粉末の平均粒子径は、ε酸化鉄粉末を用いた磁性層の表面を、日立製作所製の走査型電子顕微鏡(SEM)“S−4800”を用い、加速電圧:2kV、倍率:10000倍、観察条件:U−LA100で撮影した写真より、1視野中のε酸化鉄粉末の粒子100個を用いて、次のように測定する。
上記粒子が針状の場合は100個の粒子の平均長軸径を、上記粒子が板状の場合は100個の粒子の平均最大板径を、上記粒子が長軸長と短軸長の比が1〜3.5である球状ないし楕円体状の場合は100個の粒子の平均最大差し渡し径をそれぞれ算出して決定する。
また、本実施形態において、ε酸化鉄と、それ以外のγ酸化鉄及びα酸化鉄とは、X線回折によりそれらの結晶構造を解析することにより、識別できる。
磁性層13に含まれる結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。上記熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂等が挙げられる。
磁性層13中の上記結合剤の含有量は、ε酸化鉄粉末100質量部に対して、好ましくは7〜50質量部であり、より好ましく10〜35質量部である。
また、上記結合剤とともに、結合剤中に含まれる官能基等と結合し架橋構造を形成する熱硬化性の架橋剤を併用することが好ましい。上記架橋剤としては、具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;イソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等の水酸基を複数個有する化合物との反応生成物;イソシアネート化合物の縮合生成物等の各種のポリイソシアネートが挙げられる。上記架橋剤の含有量は、結合剤100質量部に対して、好ましくは10〜50質量部である。
磁性層13は、上述したε酸化鉄粉末及び結合剤を含有していれば、研磨剤、潤滑剤、分散剤等の添加剤を更に含有してもよい。特に、耐久性の観点から、研磨剤及び潤滑剤が好ましく用いられる。
上記研磨剤としては、具体的には、例えば、αアルミナ、βアルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素等が挙げられ、これらの中でも、モース硬度6以上の研磨剤がより好ましい。これらは、単独で又は複数使用してもよい。上記研磨剤の平均粒子径は、使用する研磨剤の種類にもよるが、好ましくは10〜200nmである。上記研磨剤の含有量は、磁性粉末100質量部に対して、好ましくは5〜20質量部であり、より好ましくは8〜18質量部である。
上記潤滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミドが挙げられる。上記脂肪酸は、直鎖型、分岐型、シス・トランス異性体のいずれであってもよいが、潤滑性能に優れる直鎖型が好ましい。このような脂肪酸としては、具体的には、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。上記脂肪酸エステルとしては、具体的には、例えば、オレイン酸n−ブチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸n−オクチル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸n−ブチル、ラウリン酸ヘプチル、ミリスチン酸n−ブチル、オレイン酸n−ブトキシエチル、トリメチロールプロパントリオレエート、ステアリン酸n−ブチル、ステアリン酸s−ブチル、ステアリン酸イソアミル、ステアリン酸ブチルセロソルブ等が挙げられる。上記脂肪酸アミドとしては、具体的には、例えば、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられる。これらの潤滑剤は、単独で使用してもよく、また、複数を併用してもよい。
これらの中でも、脂肪酸エステルと脂肪酸アミドとを併用することが好ましい。特に、磁性層13中の磁性粉末、研磨剤等の全粉末の総量100質量部に対して、脂肪酸エステルを0.2〜3質量部、脂肪酸アミドを0.5〜5質量部使用することが好ましい。上記脂肪酸エステルの含有量が0.2質量部未満であると、摩擦係数低減効果が小さく、3.0質量部を超えると、磁性層13がヘッドに貼り付く等の副作用を生じる虞があるからである。また、上記脂肪酸アミドの含有量が0.5質量部未満であると、磁気ヘッドと磁性層13とが相互接触することにより生じる焼き付きを防止する効果が小さくなるからであり、5質量部を超えると脂肪酸アミドがブリードアウトしてしまう虞があるからである。
また、磁性層13は、導電性及び表面潤滑性の向上を目的として、カーボンブラックを含有してもよい。このようなカーボンブラックとしては、具体的には、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等が挙げられる。カーボンブラックの平均粒子径は、好ましくは0.01〜0.1μmである。上記平均粒子径が0.01μm以上であれば、カーボンブラックが良好に分散された磁性層13を形成することができる。一方、上記平均粒子径が0.1μm以下であれば、表面平滑性に優れた磁性層13を形成することができる。また、必要に応じて、平均粒子径の異なるカーボンブラックを2種以上用いてもよい。上記カーボンブラックの含有量は、磁性粉末100質量部に対して、好ましくは0.2〜5質量部であり、より好ましくは0.5〜4質量部である。
磁性層13の表面粗さは、JIS B0601で定義されている中心線平均粗さRaとして、2.0nm未満であることが好ましい。磁性層13の表面平滑性が向上するほど、高出力が得られるが、余りに磁性層13の表面が平滑化しすぎると、摩擦係数が高くなり、走行安定性が低下する。このため、Raは1.0nm以上であることが好ましい。
次に、磁性層13の特性について説明する。図2は、磁性層13の厚さ方向のヒステリシス曲線の一例を示す図である。図2に示すように、磁界が0の状態から磁性層13に正方向の磁場を印加すると正方向の飽和磁化Msに達する。その後、上記正方向に対して逆方向の磁場を印加すると逆方向の飽和磁化−Msに達する。その飽和磁化が−Msとなるヒステリシス曲線上の端点をA点とする。また、A点から更に正方向の磁場を印加すると正方向の飽和磁化Msに達する。その飽和磁化がMsとなるヒステリシス曲線上の端点をB点とする。また、図2において、Mrは磁界0における磁化である残留磁化を示し、Hcは磁化が負から正の値に反転するときの磁化0における磁界の強さである保磁力を示す。
磁性層13は、図2において、Mr/Msで示される厚さ方向の角形比は、0.65以上に設定されている。
図3は、図2におけるA点からB点へ向かうヒステリシス曲線を微分して得られる微分曲線の一部を示す。図3では、0エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における上記微分曲線の積分値をA、+5000エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における上記微分曲線の積分値をB、積分値Aと積分値Bとの比率B/AをRとすると、R≦0.15の関係が成立している。ここで、積分値Aは、図3において、0エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲におけるX軸と上記微分曲線により囲まれた面積値に該当し、積分値Bは、図3において、+5000エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲におけるX軸と上記微分曲線により囲まれた面積値に該当する。
また、図3では、2つ以上のピークが存在し、上記ピークの内、+500エルステッド〔Oe〕以上の磁界の範囲における最大のピークの極大値をP1とし、−500エルステッド〔Oe〕以上、+500エルステッド〔Oe〕未満の磁界の範囲における最大のピークの極大値をP2としている。
上記極大値P1は、高保磁力成分である粒子径が8nm以上20nm以下の磁性粉末の割合を表し、上記極大値P2は、低保磁力成分である粒子径が8nm未満の磁性粉末の割合を表すと考えられる。即ち、前述のとおり、ε酸化鉄粉末は結晶磁気異方性を示すため、ε酸化鉄粉末の保磁力は粒子径の影響を受けやすく、一般に粒子径が小さいと保磁力は小さくなり、粒子径が大きいと保磁力は大きくなる。特に、ε酸化鉄粉末の粒子径がより小さくなると急激に保磁力が小さくなり、保磁力に対する影響が大きくなると考えられる。
図3において、P2/P1は、0.25≦P2/P1≦0.60の範囲に設定されていることが好ましい。このように、低保磁力成分である粒子径が8nm未満の磁性粉末の割合を低く設定し、高保磁力成分である粒子径が8nm以上20nm以下の磁性粉末の割合を高く設定することにより、出力特性がより優れた磁気記録媒体を提供できる。
上記P2/P1を0.25以上0.60以下に制御する方法としては特に限定されないが、例えば、高保磁力成分のε酸化鉄粉末と、低保磁力成分のε酸化鉄粉末との混合比率を変える方法、磁場配向の強度を変えて、厚さ方向のヒステリシス曲線を変化させる方法等を採用できる。より具体的には、磁性層13に含まれる上記磁性粉末の平均粒子径を8nm以上20nm以下とすることにより、P2/P1を0.25≦P2/P1≦0.60の範囲に設定できる。
<潤滑剤層>
図1には示していないが、前述したように、磁性層13の摩擦係数を低減し、磁性層13の耐久性をより向上させるため、磁性層13の上には、フッ素系潤滑剤又はシリコーン系潤滑剤を含む潤滑剤層を設けることが好ましい。上記フッ素系潤滑剤として、トリクロロフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルポリエーテル、パーフルオロアルキルカルボン酸等が挙げられる。上記シリコーン系潤滑剤として、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらの潤滑剤は、単独で使用してもよく、また、複数を併用してもよい。より具体的には、上記フッ素系潤滑剤としては、例えば、3M社製の“Novec7100”、“Novec1720”(商品名)を用いることができ、上記シリコーン系潤滑剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製の“KF−96L”、“KF−96A”、“KF−96”、“KF−96H”、“KF−99”、“KF−50”、“KF−54”、“KF−965”、“KF−968”、“HIVAC F−4”、“HIVAC F−5”、“KF−56A”、“KF995”、“KF−69”、“KF−410”、“KF−412”、“KF−414”、“FL”(商品名)、東レダウコーニング株式会社製の“BY16−846”、“SF8416”、“SH200”、“SH203”、“SH230”、“SF8419”、“FS1265”、“SH510”、“SH550”、“SH710”、“FZ−2110”、“FZ−2203”(商品名)を用いることができる。
上記潤滑剤層の厚さは特に限定されず、例えば、3〜5nmとすればよい。上記潤滑剤層の厚さは、前述の特開2012−43495号公報(特許文献5)に記載のTSAを用いる方法により、上記潤滑剤層を有機溶剤で洗い流す前後の磁気記録媒体と透明体とのスペーシングの差から潤滑剤層の厚みを測定することができる。
上記潤滑剤層は、磁性層13の上に上記潤滑剤をトップコートすれば形成できる。磁性層13は、前述のように、粒子径が比較的大きな高保磁力成分の磁性粉末と、粒子径が比較的小さな低保磁力成分の磁性粉末とが、緻密に充填されているため、磁性層13中に含まれる潤滑剤は、磁性層13の表面に移動しにくいが、潤滑剤を磁性層の表面に塗布するトップコートにより、確実に磁性層13の表面に潤滑剤層を形成できる。
<下塗層>
磁性層13の下には、潤滑剤の保持機能と、外部応力(例えば、磁気ヘッドによる加圧力)の緩衝機能とを有する下塗層12を設けることが好ましい。また、下塗層12を設けることにより、磁気記録媒体10の強度が高まるため、磁気記録媒体10を形成する際に、カレンダ処理を可能とし、磁性層13の充填性を向上できる。下塗層12は、非磁性粉末と結合剤と潤滑剤とを含むものである。
下塗層12に含まれる非磁性粉末としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム等が挙げられ、通常は、カーボンブラックが単独で用いられるか、カーボンブラックと、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム等の他の非磁性粉末とが混合して用いられる。厚さムラの少ない塗膜を形成して平滑な下塗層12を形成するためには、粒度分布がシャープな非磁性粉末を用いることが好ましい。上記非磁性粉末の平均粒子径は、下塗層12の均一性、表面平滑性、剛性の確保、及び導電性確保の観点から、例えば10〜1000nmであることが好ましく、10〜500nmであることがより好ましい。
下塗層12に含まれる非磁性粉末の粒子形状は、球状、板状、針状、紡錘状のいずれでもあってもよい。針状又は紡錘状の非磁性粉末の平均粒子径は、平均長軸径で10〜300nmが好ましく、平均短軸径で5〜200nmが好ましい。球状の非磁性粉末の平均粒子径は、5〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましい。板状の非磁性粉末の平均粒子径は、最も大きな板径で10〜200nmが好ましい。
下塗層12に含まれる結合剤及び潤滑剤としては、前述の磁性層13に用いられる結合剤及び潤滑剤と同様のものが使用できる。上記結合剤の含有量は、上記非磁性粉末100質量部に対して、好ましくは7〜50質量部であり、より好ましくは10〜35質量部である。また、上記潤滑剤の含有量は、上記非磁性粉末100質量部に対して、好ましくは2〜6質量部であり、より好ましくは2.5〜4質量部である。
前述の磁性層13に用いるε酸化鉄粉末の飽和磁化量は、従来の強磁性六方晶フェライト粉末の飽和磁化量に比べて、1/2〜1/3と小さいため、記録波長が長いサーボ信号を記録する場合には、下塗層12に磁性粉末を含有させる。上記磁性粉末としては、例えば、針状の金属鉄系磁性粉末、板状の六方晶フェライト磁性粉末、粒状の窒化鉄系磁性粉末等を用いることができる。
下塗層12の厚さは、好ましくは0.1〜3μmであり、より好ましくは0.3〜2μmである。この厚さ範囲とすることにより、磁気記録媒体10の全厚を不要に大きくせずに、潤滑剤の保持機能と、外部応力の緩衝機能を維持できる。
<非磁性支持体>
非磁性支持体11としては、従来から使用されている磁気記録媒体用の非磁性支持体を使用できる。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフオン、アラミド等からなるフィルム等が挙げられる。
非磁性支持体11の厚さは、用途によって異なるが、好ましくは1.5〜11μmであり、より好ましくは2〜7μmである。非磁性支持体11の厚さが1.5μm以上であれば、成膜性が向上するとともに、高い強度を得ることができる。一方、非磁性支持体11の厚さが11μm以下であれば、全厚が不要に厚くならず、例えば、磁気テープの場合1巻当たりの記録容量を大きくすることができる。
非磁性支持体11の長手方向のヤング率は、好ましくは5.8GPa以上であり、より好ましくは7.1GPa以上である。非磁性支持体11の長手方向のヤング率が5.8GPa以上であれば、走行性を向上させることができる。また、ヘリキャルスキャン方式に用いられる磁気記録媒体では、長手方向のヤング率(MD)と幅方向のヤング率(TD)との比(MD/TD)は、好ましくは0.6〜0.8であり、より好ましくは0.65〜0.75であり、更に好ましくは0.7である。上記比の範囲内であれば、磁気ヘッドのトラックの入側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)を抑えることができる。リニアレコーディング方式に用いられる磁気記録媒体では、長手方向のヤング率(MD)と幅方向のヤング率(TD)との比(MD/TD)は、好ましくは0.7〜1.3である。
<バックコート層>
非磁性支持体11の下塗層12が形成されている主面とは反対側の主面(ここでは、下面)には、走行性の向上等を目的としてバックコート層14を設けることが好ましい。バックコート層14の厚さは、好ましくは0.2〜0.8μmであり、より好ましくは0.3〜0.8μmである。バックコート層14の厚さが薄すぎると、走行性向上効果が不十分となり、厚すぎると磁気記録媒体10の全厚が厚くなり、磁気テープ1巻当たりの記録容量が小さくなる。
バックコート層14は、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックを含有することが好ましい。通常、粒子径が相対的に異なる、小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラックとが併用される。併用する理由は、走行性向上効果が大きくなるからである。
また、バックコート層14は結合剤を含み、結合剤としては、磁性層13及び下塗層12に用いられる結合剤と同様のものを用いることができる。これら中でも、摩擦係数を低減させ磁気ヘッドの走行性を向上させるためには、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂とを併用することが好ましい。
バックコート層14は、強度向上を目的として、酸化鉄、アルミナ等を更に含有することが好ましい。
次に、本実施形態の磁気記録媒体の製造方法について説明する。本実施形態の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、各層形成成分と溶媒とを混合して、磁性層形成用塗料、下塗層形成用塗料及びバックコート層形成用塗料をそれぞれ作製し、非磁性支持体の片面に下塗層形成用塗料を塗布して乾燥させて下塗層を形成した後に、その下塗層の上に磁性層形成用塗料を塗布して乾燥させる逐次重層塗布方式で磁性層を形成し、更に非磁性支持体の他方の片面にバックコート層形成用塗料を塗布して乾燥してバックコート層を形成する。その後に全体をカレンダ処理して磁気記録媒体を得る。
また、上記逐次重層塗布方式に代えて、非磁性支持体の片面に下塗層形成用塗料を塗布した後、下塗層形成用塗料が乾燥する前に、下塗層形成用塗料の上に磁性層形成用塗料を塗布して乾燥させる同時重層塗布方式を採用することもできる。
上記各塗料の塗布方法は特に限定されず、例えば、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布等を用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また、以下の説明において、「部」とあるのは「質量部」を意味する。
(実施例1)
[磁性塗料の調製]
表1に示す磁性塗料成分(1)を高速攪拌混合機で高速混合して混合物を調製した。次に、得られた混合物をサンドミルで250分間分散処理した後、表2に示す磁性塗料成分(2)を加えて分散液を調製した。次に、得られた分散液と、表3に示す磁性塗料成分(3)とをディスパを用いて撹拌し、これをフィルタでろ過して、磁性塗料を調製した。
上記磁性塗料成分(1)のε−Fe23磁性粉末(A)は、下記のように超遠心分離法により粒子径の大きな粒子を除去して準備した。先ず、ε−Fe23磁性粉末(100部)に、溶剤としてシクロヘキサノン(400部)、分散剤としてステアリン酸(3部)を加えて、ホモジナイザーを用いて3時間分散させた後に、高圧式メディアレス分散機を用いて、圧力110MPa、吐出径0.18mmで3パスの分散処理を行ってスラリーを作製した。次に、そのスラリーを日立工機社製の超遠心機“CP100NX”(製品名)を用いて、28,500rpmで10分間の超遠心分離処理を行って大きい粒子を沈降させた後に、上澄み部分を取り出して、溶剤を乾燥除去して、ε−Fe23磁性粉末(A)とした。
Figure 0006877281
Figure 0006877281
Figure 0006877281
[下塗塗料の調製]
表4に示す下塗塗料成分(1)を回分式ニーダで混練することにより混練物を調製した。次に、得られた混練物と、表5に示す下塗塗料成分(2)とをディスパを用いて撹拌して、混合液を調製した。次に、得られた混合液をサンドミルで100分間分散して分散液を調製した後、この分散液と、表6に示す下塗塗料成分(3)とをディスパを用いて撹拌し、これをフィルタでろ過して、下塗塗料を調製した。
Figure 0006877281
Figure 0006877281
Figure 0006877281
[バックコート層用塗料の調製]
表7に示すバックコート層用塗料成分を混合した混合液を、サンドミルで50分間分散して分散液を調製した。得られた分散液にポリイソシアネートを15部加えて撹拌し、これをフィルタでろ過して、バックコート層用塗料を調製した。
Figure 0006877281
[評価用磁気テープの作製]
非磁性支持体(ポリエチレンナフタレートフィルム、厚さ:5μm)の上に、上記下塗塗料をカレンダ処理後の下塗層の厚さが1.1μmとなるように塗布し、100℃で乾燥して下塗層を形成した。次に、上記下塗層の上に、上記磁性塗料をカレンダ処理後の磁性層の厚さが55nmとなるように塗布し、N−S対抗磁石を用いて配向磁界(450kA/m)を印加して垂直配向処理を行いながら、100℃で乾燥して磁性層を形成した。
次に、上記バックコート層用塗料を、非磁性支持体の上記下塗層及び上記磁性層が形成された面とは反対側の面上に、カレンダ処理後の厚さが0.5μmとなるように塗布し、100℃で乾燥してバックコート層を形成した。
その後、上記非磁性支持体の上面側に下塗層及び磁性層が形成され、下面側にバックコート層が形成された原反ロールを、7段の金属ロールを有するカレンダ装置で温度100℃、線圧300kg/cmでカレンダ処理した。
最後に、得られた原反ロールを60℃で48時間硬化処理し、磁気シートを作製した。この磁気シートを1/2インチ幅に裁断して評価用磁気テープを作製した。
(実施例2)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を75部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を25部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(実施例3)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を85部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を15部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(実施例4)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を85部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を15部に変更し、カーボンブラックの添加量を2.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(実施例5)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を75部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を25部に変更し、垂直配向処理の配向磁界を250kA/mに変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(実施例6)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を85部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を15部に変更し、磁性層の厚さを30nmに変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(実施例7)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を85部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を15部に変更し、磁性層の厚さを200nmに変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(実施例8)
磁性塗料成分(1)において、カーボンブラックの添加量を3部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(比較例1)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を50部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を50部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(比較例2)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を0部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を100部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
(比較例3)
磁性塗料成分(1)において、ε−Fe23磁性粉末(A)の添加量を75部に変更し、ε−Fe23磁性粉末(B)の添加量を25部に変更し、垂直配向処理の配向磁界を100kA/mに変更した以外は、実施例1と同様にして評価用磁気テープを作製した。
次に、作製した評価用磁気テープを用いて以下の評価を行った。
<磁性特性>
東英工業社製の振動試料型磁力計“VSM−P7型”(製品名)を用いて、評価用磁気テープの磁性層の厚さ方向のヒステリシス曲線を求めた。具体的には、評価用磁気テープを直径8mmの円形に切断して切断サンプルとし、その切断サンプルを、磁気テープの厚さ方向を外部磁場の印加方向に揃えて20枚積層して測定サンプルとした。振動試料型磁力計からのデータのプロットモードとしては、印加磁界を−16kOe〜16kOeとし、時定数TCを0.03sec、描画ステップを6ビット、ウエイトタイムを0.3secと設定した。
上記厚さ方向のヒステリシス曲線から、磁性層の厚さ方向の角形比及び磁性層の厚さ方向の保磁力を求めた。
また、この厚さ方向のヒステリシス曲線において、磁性層に正方向の磁場を印加して正方向の飽和磁化に達した後、正方向に対して逆方向の磁場を印加して逆方向の飽和磁化に達した点をA点とし、A点から更に正方向の磁場を印加して正方向の飽和磁化に達した点をB点とした場合、A点からB点へ向かうヒステリシス曲線について、2759点に分割して出力した測定データの各測定点に対して、18点目から2742点目までの中の一つの測定点と、その測定点を中心とした前後17点との合計35点の範囲において、線形最小二乗近似を行い、得られた近似式の傾きをその測定点における微分値とした。この方法で求めた、18点目から2742点目までの各測定点における微分値から、微分曲線を求めた。
得られた微分曲線から、0エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における上記微分曲線の積分値Aと、+5000エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における上記微分曲線の積分値Bとを求め、積分値Aと積分値Bとの比率R=B/Aを算出した。
ここで、図4に実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれで求めた厚さ方向のヒステリシス曲線の微分曲線の一部を示す。
<磁性層のスペーシング>
Micro Physics社製のTSA(Tape Spacing Analyzer)を用いて、磁性層の表面をn−ヘキサンで洗浄した後のスペーシングSpを測定した。
具体的には、ウレタン製の半球で磁性層をガラス板に押し付ける圧力は0.5atm(5.05×104N/m)とした。この状態でストロボスコープから白色光を、ガラス板を通して評価用磁気テープの磁性層側表面の一定領域(240000〜280000μm2)に照射し、そこからの反射光を、IFフィルタ(633nm)及びIFフィルタ(546nm)を通してCCDで受光することで、この領域の凹凸で生じた干渉縞画像を得た。
次に、この画像を66000ポイントに分割して各ポイントのガラス板から磁性層表面までの距離を求めこれをヒストグラム(度数分布曲線)とし、更にローパスフィルタ(LPF)処理によって滑らかな曲線として、そのピーク位置のガラス板から磁性層表面までの距離をスペーシングSpとした。
また、上記スペーシングの計算に用いた磁性層表面の光学定数(位相、反射率)は、大塚電子社製の反射分光膜厚計“FE−3000”を用いて測定し、波長546nm付近の値を用いた。
n−ヘキサンによる洗浄は、評価用磁気テープをn−ヘキサンに浸漬して室温で30分間超音波洗浄することにより行った。
<出力特性>
Micro Physics社製のループテスター(動的TSA装置)を用い、これに書込みトラック幅11μm、読出しトラック幅3.8μmの誘導型/GMR複合ヘッドを取り付け、テープ速度1.5m/secで、記録波長200nmの信号を評価用磁気テープに記録し、再生した信号を市販のMRヘッド用Readアンプで増幅した後、キーサイト・テクノロジー社製のスペクトラムアナライザー“N9020A”を用いて信号の基本波成分出力(S)と、その2倍の周波数までの積分ノイズ(N)とを測定した。そして、
比較例1のS/N比を基準(0dB)として、他のS/N比を比較例1のS/N比に対する相対値(dB)で出力特性を評価した。
以上の評価結果を表8に示す。また、表8には、用いた磁性粉末全体の平均粒子径を、磁性粉末(A)及び(B)の平均粒子径を配合比率で重み付けして計算した値として示すとともに、磁性層の厚さも示した。
Figure 0006877281
表8から、実施例1〜8は、比較例1〜3に比べて、全て出力特性が優れていることが分かる。一方、超高保磁力成分の比率Rが0.15を上回った比較例1〜2、及び角形比が0.65を下回った比較例3では、全て出力特性が劣った。
本発明の磁気記録媒体は、出力特性に優れた磁気記録媒体として利用可能である。
10 磁気記録媒体(磁気テープ)
11 非磁性支持体
12 下塗層
13 磁性層
14 バックコート層

Claims (5)

  1. 非磁性支持体と、磁性粉末を含む磁性層とを備える磁気記録媒体であって、
    前記磁性粉末は、ε酸化鉄粉末からなり、
    前記磁性粉末の平均粒子径が、8nm以上20nm以下であり、
    前記磁性層の厚さ方向の角形比が、0.65以上であり、
    前記磁性層の厚さ方向の保磁力が、3000エルステッド〔Oe〕以上であり、
    前記磁性層の厚さ方向のヒステリシス曲線において、前記磁性層に正方向の磁場を印加して正方向の飽和磁化に達した後、前記正方向に対して逆方向の磁場を印加して逆方向の飽和磁化に達した点をA点とし、A点から更に正方向の磁場を印加して正方向の飽和磁化に達した点をB点とした場合、A点からB点へ向かうヒステリシス曲線を微分して得られる微分曲線において、
    0エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における前記微分曲線の積分値をA、+5000エルステッド〔Oe〕以上、+10000エルステッド〔Oe〕以下の磁界の範囲における前記微分曲線の積分値をB、積分値Aと積分値Bとの比率B/AをRとすると、R≦0.15の関係が成立することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記磁性層の表面をn−ヘキサンで洗浄した後の前記磁性層の表面のスペーシングをTSA(Tape Spacing Analyzer)で測定したとき、前記スペーシングの値は、5nm以上15nm以下である請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. R≦0.10である請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記磁性層の表面に、フッ素系潤滑剤又はシリコーン系潤滑剤を含む潤滑剤層を更に備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記磁性層の厚さは、30nm以上200nm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
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