JP6875150B2 - マルチビームアレーアンテナシステム - Google Patents
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- Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
Description
(参考文献1)電気通信技術審議会答申 諮問第38号「電波利用における人体の防護指針」、平成2年6月、(インターネット〈URL:http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/material/dwn/guide38.pdf〉[平成29年2月14日検索])
・∀q,∃p s.t. Ap∈Gq
・Gq1∩Gq2=φ (q1,q2∈{1,…,M}、q1≠q2、φ:空集合)
・∪q∈{1,…,M}{k|Ak∈Gq}={1,…,N}
が成立する。第1項は、アンテナ素子を含まないグループが存在しないことを意味し、第2項は、複数のグループに属するアンテナ素子が存在しないことを意味し、第3項は、どのグループにも属さないアンテナ素子が存在しないことを意味する。マルチビームアレーアンテナシステム100において、各アンテナ素子A1,…,ANは予め決められた位置に固定されている。
以下、特に断りがない限り、「ビーム」は「主ビーム」を意味する。ただし、主ビームの方向は単一の方向であるとは限らない。また、「ビーム」は、電波をマルチビームアレーアンテナシステム100と送受信できる範囲に向けられた指向性の電波を意味する。
(条件C) f<t1>≠f<t2>
或る時刻t1で、ビームB1はグループG1によって形成されており、ビームB2はグループG3によって形成されており、ビームB3はグループG2によって形成されているとする。この場合、k[1,t1]=1,k[2,t1]=3,k[3,t1]=2である。
そして、時刻t1と異なる時刻t2では、k[1,t2]≠1,k[2,t2]≠3,k[3,t2]≠2のうち少なくともいずれか二つが成立しなければならない。このため、例えば、時刻t2では、ビームB1はグループG3によって形成され、ビームB2はグループG1によって形成され、ビームB3はグループG2によって形成される。この場合、k[1,t2]=3,k[2,t2]=1,k[3,t2]=2である。
別の観点からは、ビームB1は、時刻t1ではグループG1によって、時刻t2ではグループG3によって、形成され、ビームB2は、時刻t1ではグループG3によって、時刻t2ではグループG1によって、形成され、ビームB3は、時刻t1でも時刻t2でもグループG2によって、形成される、と説明できる。つまり、ビームB1を形成するグループがグループG1からグループG3に切り換わり、ビームB2を形成するグループがグループG3からグループG1に切り換わったことになる。
M個のビームB1,…,BMのそれぞれをM個のグループG1,…,GMのいずれか一つに対応付ける関係は、ビームの添え字(識別子)をグループの添え字(識別子)に対応付ける関係と見ることができ、この対応関係は全単射写像である。M=3の場合、ビームの添字集合{1,2,3}からグループの添字集合{1,2,3}への全単射写像は全部で6個ある。具体的には、6個の全単射写像は、
f1:1→1,2→2,3→3
f2:1→1,2→3,3→2
f3:1→2,2→1,3→3
f4:1→2,2→3,3→1
f5:1→3,2→1,3→2
f6:1→3,2→2,3→1
である。上記の例では、時刻t1での全単射写像f<t1>はf2なので、時刻t2での全単射写像f<t2>はf2以外が選択され、具体的にはf5である。時刻t1でのグループから時刻t2でのグループへの切り換えは、全単射写像f2から全単射写像f5への変更に対応する。
このことを、具体例を挙げて説明する。
比較例では、(T3,T4)において、パターン1のビームを形成する。このときの、マルチビームアレーアンテナシステム100の周りの電界分布は、(T1,T2)における電界分布と同じである。
ここで、T2-T1=T4-T3、T2≒T3(ただし、記号≒は、T2=T3にて瞬間的にグループが切り換えられることを意味する)として、(T1,T4)における時間平均のマルチビームアレーアンテナシステム100の周りの電界分布を図2(c)に示す。図2(c)中、所定の電界強度E以上の範囲を含むことのできる矩形のうち面積が最小の矩形を破線で示す。
ここで、T2-T1=T4-T3、T2≒T3として、(T1,T4)における時間平均のマルチビームアレーアンテナシステム100の周りの電界分布を図2(f)に示す。図2(f)中、所定の電界強度E以上の範囲を含むことのできる矩形のうち面積が最小の矩形を実線で示す。図2(f)では、図2(c)に示した破線の矩形も示している。図2(f)から、実施形態によると電界強度E以上の強電磁界領域を時間平均で狭くできることがわかる。
(条件D1) グループの添字集合{1,…,M}からグループの添字集合{1,…,M}への全単射写像g:{1,…,M}→{1,…,M},f<t1>(i)→f<t2>(i)によって定まるグループGf<t1>(i)とグループGf<t2>(i)との間の距離をLiとして、Σi=1 MLiが予め定められた値以上である。
(条件D1’) グループの添字集合{1,…,M}からグループの添字集合{1,…,M}への全単射写像g:{1,…,M}→{1,…,M},f1(i)→f2(i)によって定まるグループGf1(i)とグループGf2(i)との間の距離をLiとして、Σi=1 MLiが予め定められた値以上である。
(条件D2) 異なる二つのグループ間の距離の最大値をLmaxとし、グループの添字集合{1,…,M}からグループの添字集合{1,…,M}への全単射写像g:{1,…,M}→{1,…,M},f<t1>(i)→f<t2>(i)によって定まるグループGf<t1>(i)とグループGf<t2>(i)との間の距離をLiとして、Lmax∈{L1,…,LM}である。
(条件D2’) 異なる二つのグループ間の距離の最大値をLmaxとし、グループの添字集合{1,…,M}からグループの添字集合{1,…,M}への全単射写像g:{1,…,M}→{1,…,M},f1(i)→f2(i)によって定まるグループGf1(i)とグループGf2(i)との間の距離をLiとして、Lmax∈{L1,…,LM}である。
argmin f<t> (Σi=0 Z-1St-i)/Z
の中から選択されるf<t>によって行われる。記号argminは最小点集合(関数がその最小値をとる定義域の元全体の成す集合)であり、Zは移動平均の計算に用いられるデータの総数である。具体的には、メモリに保存されている電磁界分布Di,k ((i,k)∈{1,…,M}×{1,…,M})を用いて、切り換えた後の区分時間までの移動平均(つまり、移動平均の計算にZ個のデータを用いる場合、切り換えた後の区分時間のStと過去Z-1個の区分時間のSt-Z+1,St-Z+2,…,St-1に基づく移動平均である)を集合{1,…,M}から集合{1,…,M}への全単射写像(全部でM!個)ごとに計算し、計算結果の移動平均のうち最小の計算結果を与えた全単射写像f<t>が一つ選択される。
図3にマルチビームアレーアンテナシステム100の構成例を示す。基地局装置(または移動局装置)は、マルチビームアレーアンテナシステム100を含む。マルチビームアレーアンテナシステム100は、制御装置10と、M個のグループG1,…,GMを含む。制御装置10は、データ送信部11、位相設定部13、制御部15を含む。各グループはN/M個のアンテナ素子を含む(この例では、NはMの倍数である)。
各グループはビームB1,…,BMのうち一つを形成する。一つのビームは複数のアンテナ素子から放射される電波によって形成される。グループGkの高周波移相器群PSGkによってグループGkが作るビームの向きが制御される。
本発明を別の観点からまとめると、下記のように表現することができる。
(1)
Mを2以上の予め定められた整数とし、iを1以上M以下の各整数を表わすとし、k[i,t]を1以上M以下の各整数を表わすとして、
M個のグループがそれぞれ1個以上のアンテナ素子を含み、
予め定められたM個のビームが上記M個のグループによって形成される
マルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
或る時刻tにてi番目のビームBiがk[i,t]番目のグループGk[i,t]によって形成されている場合に、全単射写像f<t>:{1,…,M}→{1,…,M}をf<t>(i)=k[i,t]によって定義すると、
当該マルチビームアレーアンテナシステムの運用期間内に条件Cを満たす第1の時刻t1および当該第1の時刻t1と異なる第2の時刻t2が存在する
(条件C)『f<t1>≠f<t2>』
ことを特徴とするマルチビームアレーアンテナシステム。
(2)
上記(1)に記載のマルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
上記全単射写像f<t1>とf<t2>は条件D1を満たすことを特徴とする
(条件D1)『グループGf<t1>(i)とグループGf<t2>(i)との間の距離をLiとして、Σi=1 MLiが予め定められた値以上である』
マルチビームアレーアンテナシステム。
(3)
上記(1)に記載のマルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
上記全単射写像f<t1>とf<t2>は条件D2を満たすことを特徴とする
(条件D2)『異なる二つのグループ間の距離の最大値をLmaxとし、グループGf<t1>(i)とグループGf<t2>(i)との間の距離をLiとして、Lmax∈{L1,…,LM}である』
マルチビームアレーアンテナシステム。
(4)
上記(1)に記載のマルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
上記全単射写像f<t>が、マルチビームアレーアンテナシステムの周辺で電磁界強度が所定の値以下である範囲、または、当該範囲を含む最小の円または多角形、の移動平均に基づいて決定される
ことを特徴とするマルチビームアレーアンテナシステム。
明細書と特許請求の範囲では、用語「含む」とその語形変化は非排他的表現として使用されている。例えば、「XはAとBを含む」という文は、XがAとB以外のものを含むことを否定しない。ただし、当該用語またはその語形変化が否定辞と結合した場合はその限りではない。例えば、「XはAとBを含まない」という文は、XがAとB以外のものを含む可能性を認めている。
Claims (5)
- Nは2以上の予め定められた整数であり、Mは2以上N以下を満たす予め定められた整数であり、iは1以上M以下の各整数を表し、tは時刻を表し、k[i,t]は1以上M以下の各整数を表わすとして、
予め決められた位置に固定されているN個のアンテナ素子A1,…,ANを含み、
N個のアンテナ素子A1,…,ANはM個のグループG1,…,GMに分類されており、
Ap(p∈{1,…,N}),Gq(q∈{1,…,M})について、
・∀q,∃p s.t. Ap∈Gq
・Gq1∩Gq2=φ (q1,q2∈{1,…,M}、q1≠q2、φ:空集合)
・∪q∈{1,…,M}{k|Ak∈Gq}={1,…,N}
が成立し、
指向性の方向が予め定められた互いに異なるM個のビームB1,…,BMが上記M個のグループG1,…,GMによって形成される
マルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
或る時刻tにてi番目のビームBiがk[i,t]番目のグループGk[i,t]によって形成されている場合に、時刻tにおけるビームの添字集合{1,…,M}からグループの添字集合{1,…,M}への全単射写像f<t>:{1,…,M}→{1,…,M}をf<t>(i)=k[i,t]によって定義すると、
上記マルチビームアレーアンテナシステムの運用期間内に条件Cを満たす第1の時刻t1および当該第1の時刻t1と異なる第2の時刻t2が存在する
(条件C)『f<t1>≠f<t2>』
ことを特徴とするマルチビームアレーアンテナシステム。 - 請求項1に記載のマルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
上記M個のグループG1,…,GMのうち異なる二つのグループの間の距離を、一方のグループの中心と他方のグループの中心との間の距離で与えるとして、
上記第1の時刻t1における全単射写像f<t1>と上記第2の時刻t2における全単射写像f<t2>は条件D1を満たす
(条件D1)『グループGf<t1>(i)とグループGf<t2>(i)との間の距離をLiとして、Σi=1 MLiが予め定められた値以上である』
ことを特徴とするマルチビームアレーアンテナシステム。 - 請求項1に記載のマルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
上記M個のグループG1,…,GMのうち異なる二つのグループの間の距離を、一方のグループの中心と他方のグループの中心との間の距離で与えるとして、
上記第1の時刻t1における全単射写像f<t1>と上記第2の時刻t2における全単射写像f<t2>は条件D2を満たす
(条件D2)『異なる二つのグループの間の距離の最大値をLmaxとし、グループGf<t1>(i)とグループGf<t2>(i)との間の距離をLiとして、Lmax∈{L1,…,LM}である』
ことを特徴とするマルチビームアレーアンテナシステム。 - 請求項2または請求項3に記載のマルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
上記グループの中心は、グループ内の上記アンテナ素子の配列がリニアアレーである場合には両端の上記アンテナ素子を結ぶ線分の等分点であり、グループ内の上記アンテナ素子の配列がサーキュラーアレーである場合には上記アンテナ素子の配列が従う円の中心であり、グループ内の上記アンテナ素子の配列が矩形状のプレーナアレーである場合には上記アンテナ素子の配列が従う矩形の対角線の交点であり、グループ内の上記アンテナ素子の配列がコンフォーマルアレーの場合は全ての上記アンテナ素子を内包できる円のうち面積が最小の円の中心である、
ことを特徴とするマルチビームアレーアンテナシステム。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のマルチビームアレーアンテナシステムにおいて、
上記全単射写像f<t>が、上記マルチビームアレーアンテナシステムの周辺で電磁界強度が所定の値以下である範囲、または、当該範囲を含む最小の円または多角形、の移動平均に基づいて決定される、ただし、「範囲の移動平均」は、当該範囲の面積の移動平均、または、上記マルチビームアレーアンテナシステムの中心から当該範囲の境界までの距離のうち最大の長さの移動平均であり、「最小の円または多角形の移動平均」は、当該円または多角形の面積の移動平均、または、上記マルチビームアレーアンテナシステムの中心から当該円または多角形の境界までの距離のうち最大の長さの移動平均であり、「マルチビームアレーアンテナシステムの中心」は、上記マルチビームアレーアンテナシステム内の上記アンテナ素子の配列がリニアアレーである場合には両端の上記アンテナ素子を結ぶ線分の等分点であり、上記マルチビームアレーアンテナシステム内の上記アンテナ素子の配列がサーキュラーアレーである場合には上記アンテナ素子の配列が従う円の中心であり、上記マルチビームアレーアンテナシステム内の上記アンテナ素子の配列が矩形状のプレーナアレーである場合には上記アンテナ素子の配列が従う矩形の対角線の交点であり、上記マルチビームアレーアンテナシステム内の上記アンテナ素子の配列がコンフォーマルアレーの場合は例えば、全ての上記アンテナ素子を内包できる円のうち面積が最小の円の中心である、
ことを特徴とするマルチビームアレーアンテナシステム。
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