JP6872737B2 - 床材 - Google Patents

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本発明は、床材に関する。
従来より、複数枚の単板を積層した合板を基材とする木質系の床材が知られている。このような床材は、比較的に剛性があるため、段差等が形成され易いフリーアクセスフロア(OAフロア)等の床下地(二重床下地)上に施工した場合には、段差やがたつきが生じ易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、合板基材層の表面側に化粧層を設け、裏面側に遮音層を設けた木質系床材が開示されている。また、この木質系床材は、合板基材層の裏面側に、床材幅方向に延び、かつ裏面側に開放する裏溝を、その上端が上から2層目の単板の層内に位置するように床材長さ方向に間隔をおいて複数形成した構成とされている。
特開2014−1615号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された木質系床材は、上記のように比較的に深い裏溝が形成された構成とされているので、湿度変化や日光に晒されるなどの環境変化によって反りが生じ易くなることが考えられた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、段差やがたつきの発生を抑制可能でありながらも、反りを抑制し得る床材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る床材は、一方向に長尺状とされ、合板基材層の表面側に表面化粧層を設けた床材であって、前記表面化粧層は、防湿層を含んだ構成とされており、前記合板基材層は、床材長手方向に繊維方向を沿わせた奇数層の単板と床材幅方向に繊維方向を沿わせた偶数層の単板とからなる3枚以上で奇数枚の単板を積層した構成とされ、かつ、床材幅方向の全体に亘って延びるように裏面側において開口する複数本の溝が設けられた構成とされ、これら複数本の溝は、これら複数本の溝によって床材長手方向に区分される当該床材の床材長手方向に間隔を空けた部位同士が床下地の段差に追従して床材厚さ方向に相対的に変位可能なように、床材長手方向に間隔を空けて、かつ前記合板基材層の表面側から二枚目の単板の溝底側の残り厚さが該合板基材層の表面側から一枚目の単板の厚さの5/10〜7/10となるように溝底が前記二枚目の単板の層内に位置するように設けられており、前記合板基材層の裏面には、前記床材厚さ方向への変位に追従可能で、かつ前記合板基材層への裏面側からの吸湿を抑制し得る、厚さが0.5mm以下の裏面シートが前記複数本の溝の裏面側開口を塞ぐように略全面に亘って貼着され、当該床材が施工された状態で、該裏面シートが前記床下地に当接されことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る床材は、一方向に長尺状とされ、合板基材層の表面側に表面化粧層を設けた床材であって、前記表面化粧層は、防湿層を含んだ構成とされており、前記合板基材層は、床材長手方向に繊維方向を沿わせた奇数層の単板と床材幅方向に繊維方向を沿わせた偶数層の単板とからなる3枚以上で奇数枚の単板を積層した構成とされ、かつ、床材幅方向の全体に亘って延びるように裏面側において開口する複数本の溝が設けられた構成とされ、これら複数本の溝は、これら複数本の溝によって床材長手方向に区分される当該床材の床材長手方向に間隔を空けた部位同士が床下地の段差に追従して床材厚さ方向に相対的に変位可能なように、床材長手方向に間隔を空けて、かつ前記合板基材層の表面側から二枚目の単板の溝底側の残り厚さが該合板基材層の表面側から一枚目の単板の厚さの5/10〜7/10となるように溝底が前記二枚目の単板の層内に位置するように設けられており、前記合板基材層の裏面には、前記床材厚さ方向への変位に追従可能で、かつ前記複数本の溝の裏面側開口を拡開させる側への前記合板基材層の反りを拘束するように抑制し得る、厚さが1.0mm以下の裏面層が略全面に亘って設けられ、当該床材が施工された状態で、該裏面層が前記床下地に当接されことを特徴とする。
本発明に係る床材は、上述のような構成としたことで、段差やがたつきの発生を抑制可能でありながらも、反りを抑制することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る床材の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図、(b)〜(d)は、本発明の他の実施形態に係る床材の一例をそれぞれ模式的に示す一部破断概略縦断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の更に他の実施形態に係る床材の一例をそれぞれ模式的に示す一部破断概略縦断面図である。 本発明に係る床材の実施例と比較例とを評価試験の結果とともに示す表である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、図1(a)〜(d)及び図2(a)〜(d)では、各実施形態に係る床材を幅方向に分断するように切断した状態、つまり、各実施形態に係る床材の長手方向両端側が図示されるように切断した状態における縦断面図としている。
図1(a)は、第1実施形態に係る床材の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る床材1は、図1(a)に示すように、一方向に長尺状とされ、合板基材層10の表面(上面)側に表面化粧層20を設けた構成とされている。
この床材1は、略矩形平板状とされており、設置対象としての床下地2上に床材長手方向及び床材幅方向に複数枚が並べられて床面を構成する。この床材1は、床下地2にねじや釘等の止具や、接着剤等を用いて施工されるものとしてもよく、または、このような止具や接着剤等を用いずに、床下地2上にいわゆる置敷床的に施工されるものとしてもよい。また、床下地2としては、例えば、根太や床下地ボード、床スラブ等でもよく、また、いわゆるフリーアクセスフロア(OAフロア)等の二重床下地でもよい。また、このような二重床下地としては、正方形状の下地パネルの裏面側(下面側)に配線等の空間が設けられるように支柱が設けられたようなものとしてもよい。
この床材1の長さ寸法や幅寸法、厚さ寸法等は、一般的な床材の各寸法と概ね同寸法としてもよい。例えば、床材1を、長さ寸法が1500mm〜2000mm程度、幅寸法が250mm〜500mm程度とされた長尺板状体としてもよい。また、床材1を、置敷床的に施工されるものとした場合には、上記よりも小さい寸法としてもよい。例えば、床材1を、長さ寸法が600mm〜1200mm程度、幅寸法が100mm〜200mm程度とされたものとしてもよい。
また、床材1は、厚さ寸法が5mm〜30mm程度とされたものとしてもよく、5mm〜15mm程度とされたものとしてもよい。
また、本実施形態では、床材1の長手方向両端部に、長手方向に隣り合う床材1に接合される実部3,4を設けた構成としている。図例では、長手方向一端部に、床材長手方向外方側に向けて突出する雄実部3を設け、長手方向他端部に、床材長手方向外方側に向けて開口する雌実部4を設けた構成としている。つまり、長手方向両端部に本実状の実部3,4を設けた例を示している。また、床材1の幅方向両端部の図示を省略しているが、幅方向両端部には幅方向に隣り合う床材1に接合される実部を設けていない構成としてもよい。つまり、床材1の幅方向両端面を、幅方向外方側に向く平坦な垂直面状としてもよい。また、実部に代えて、床材1の幅方向両端部に、治具等の差込凹所を設けた構成としてもよい。このような差込凹所としては、床材長手方向に延びるように全長に亘って溝状に設けられたものとしてもよい。または、床材1の幅方向両端部にも、上記同様な実部3,4を設けた構成としてもよく、このような本実に代えて、床材1の四周端部に相じゃくり状の実部を設けた構成としてもよい。また、図例では、床材1の長手方向両端部の表面側縁部にC面取り状の面取り部が設けられた例を示しているが、床材1の幅方向両端部の表面側縁部にも同様な面取り部が設けられたものとしてもよい。
合板基材層10は、床材長手方向に繊維方向を沿わせた奇数層の単板11,13,15と床材幅方向に繊維方向を沿わせた偶数層の単板12,14とからなる3枚以上で奇数枚の単板11,12,13,14,15を積層した構成とされている。また、合板基材層10は、床材幅方向の全体に亘って延びるように裏面側において開口する複数本の溝18が設けられた構成とされている。
本実施形態では、合板基材層10を、5枚の単板11,12,13,14,15を積層したいわゆる5プライ合板としている。つまり、本実施形態では、合板基材層10は、表面側から一枚目の単板としての第1単板11、表面側から二枚目の単板としての第2単板12、第3単板13、第4単板14及び第5単板15を表面側からこの順に積層した構成とされている。また、第1単板11、第3単板13及び第5単板15が床材長手方向に繊維方向を沿わせた奇数層の単板を構成し、第2単板12及び第4単板14が床材幅方向に繊維方向を沿わせた偶数層の単板を構成する。これら単板11,12,13,14,15の樹種としては、ラワンやシナノキ、カラマツ、パイン、杉等、種々の樹種が挙げられる。また、全ての単板11,12,13,14,15の樹種を同一の樹種としてもよいが、複数の樹種を組み合わせた構成としてもよい。
また、これら単板11,12,13,14,15の厚さは、合板基材層10自体の厚さに応じて、また、各単板11,12,13,14,15の成形性等の観点や、合板基材層10の強度上の観点等から適宜の厚さとされたものとしてもよい。床材1の厚さ方向の大部分を占める合板基材層10の厚さは、床材1の厚さ寸法に応じて適宜の寸法としてもよく、例えば、2.5mm以上としてもよく、3mm〜30mm程度としてもよく、5mm〜15mm程度としてもよい。また、各単板11,12,13,14,15の厚さは、0.5mm〜5mm程度としてもよく、0.5mm〜3mm程度としてもよい。これら単板11,12,13,14,15は、全てが同厚さとされたものとしてもよいが、少なくとも一枚が異なる厚さとされたものとしてもよい。好ましくは、床材幅方向に見て、合板基材層10が厚さ方向中心線を対称軸として線対称状となるような層構成としてもよい。図例では、第1単板11と第5単板15とを同厚さとし、第2単板12と第4単板14とを同厚さとし、これら第2単板12及び第4単板14の厚さを、第1単板11及び第5単板15の厚さよりも大とした例を示している。また、第3単板13の厚さを、第1単板11及び第5単板15の厚さよりも大とし、第2単板12及び第4単板14の厚さよりも小とした例を示している。また、合板基材層10としては、複数枚の合板を適宜の接着剤等を介して積層一体化した構成とされたものでもよい。
この合板基材層10の裏面側に設けられた複数本の溝18は、床材長手方向に間隔を空けて、かつ溝底が表面側から二枚目の単板としての第2単板12の層内に位置するように設けられている。つまり、これら複数本の溝18は、これら複数本の溝18によって合板基材層10の最裏面側となる第5単板15、第4単板14及び第3単板13を床材長手方向に分断し、かつ第2単板12の表面側の一部を残すように設けられている。つまりは、これら複数本の溝18は、合板基材層10の表面側となる第1単板11には達しないように設けられている。また、これら複数本の溝18は、これら複数本の溝18によって床材長手方向に区分される当該床材1の床材長手方向に間隔を空けた部位同士が床下地2の段差(不陸)に追従して床材厚さ方向に相対的に変位可能なように設けられている。つまり、当該床材1が床下地2の段差を跨ぐように配されれば、当該床材1の長手方向に間隔を空けた部位同士が床材厚さ方向に相対的に変位し、当該床材1の裏面の概ね全面が床下地2に当接し、浮きやがたつきの抑制が可能とされている。また、これら複数本の溝18を、床材幅方向に見て床材1が表面側に突湾曲状に変形可能で、隣り合う床材1との長手方向両端側の実接合の解除が可能なように設けてもよい。このような構成とすれば、床材1を置敷床的に施工すれば、施工後に一枚単位で床材1を容易に取り外すことができる。
これら複数本の溝18は、溝深さ方向を床材厚さ方向に沿わせ、溝長手方向を床材幅方向に沿わせて設けられている。また、本実施形態では、これら複数本の溝18を、床材長手方向に等間隔を空けて長手方向の略全体に亘って設けた構成としている。つまり、合板基材層10の長手方向一端部から長手方向他端部に至るまで等間隔を空けて複数本の溝18を設けた構成としている。また、各溝18を、溝長手方向に見て略矩形溝状としている。つまり、各溝18は、床材1の表裏面に平行状とされた溝底と床材長手方向に沿う方向に向き、互いに平行状とされた両溝側壁とによって区画されている。なお、このような態様に代えて、各溝18を、溝長手方向に見て略U字溝状等としてもよい。
また、各溝18の溝深さ寸法を、全て同一とし、各溝18の溝幅寸法を、全て同一としている。
これら複数本の溝18の溝幅寸法や、隣り合う溝18,18間の寸法(溝間寸法)は、各溝18の加工性や、床材1の強度上の観点、段差(不陸)追従性の観点等から適宜の寸法としてもよい。例えば、各溝18の溝幅寸法を、1mm〜5mm程度としてもよく、好ましくは、1mm〜3mm程度としてもよい。この溝幅寸法を小さくし過ぎれば、加工性や不陸追従性が低下する傾向があり、溝幅寸法を大きくし過ぎれば、強度が低下する傾向がある。また、溝間寸法を、5mm〜20mm程度としてもよく、好ましくは、5mm〜15mm程度としてもよい。この溝間寸法を小さくし過ぎれば、強度が低下する傾向があり、溝間寸法を大きくし過ぎれば、不陸追従性が低下する傾向がある。
また、各溝18の溝深さ寸法は、合板基材層10の厚さに応じて、また、上記と概ね同様、床材1の強度上の観点や段差(不陸)追従性の観点等から適宜の寸法としてもよい。合板基材層10の厚さに対して溝深さ寸法を小さくし過ぎれば、不陸追従性が低下する傾向があり、合板基材層10の厚さに対して溝深さ寸法を大きくし過ぎれば、強度が低下する傾向がある。また、これら複数本の溝18が設けられた部位の第2単板12の溝底側の残り厚さt2は、床材1の強度上の観点や反りを抑制する観点から、また、第1単板11の厚さt1に応じて、適宜の寸法としてもよい。第2単板12の溝底側の残り厚さt2が第1単板11の厚さt1の1/10〜12/10(好ましくは、2/10〜9/10)程度となるように複数本の溝18を設けた構成としてもよい。本実施形態では、これら複数本の溝18を、第2単板12の溝底側の残り厚さt2が第1単板11の厚さt1の5/10〜7/10となるように設けた構成としている。図例では、第2単板12の溝底側の残り厚さt2を、第1単板11の厚さt1の7/10とした例を示している。この第2単板12の溝底側の残り厚さt2は、不陸追従性の観点や強度上の観点、反りを抑制する観点等から、適宜の寸法としてもよく、例えば、0.1mm〜2.0mm程度としてもよく、0.2mm〜1.2mm程度としてもよい。
なお、図例では、床材長手方向一端側の最も雄実部3側に位置する溝18から雄実部3の突出方向先端までの床材長手方向に沿う寸法を、溝間寸法と同程度とした例を示している。また、床材長手方向他端側の最も雌実部4側に位置する溝18から雌実部4の開口縁部側となる床材長手方向他端面までの床材長手方向に沿う寸法を、溝間寸法と同程度とした例を示している。このような態様に代えて、これら床材長手方向両端側の各溝18,18を、図例よりも床材長手方向外方側や中央側に位置するように設けた態様としてもよい。
また、これら複数本の溝18は、適宜の切削工具を用いて切削加工等によって形成されたものとしてもよい。
また、合板基材層10に、床材長手方向の全体に亘って延びるように裏面側において開口する複数本の溝(縦溝)を床材幅方向に間隔(等間隔)を空けて設けた構成としてもよい。この場合は、これら縦溝の溝深さ寸法を、上記した床材幅方向に延びる各溝18の溝深さ寸法よりも小さくしてもよい。
表面化粧層20は、合板基材層10の表面側に積層一体化されており、防湿層22を含んだ構成とされている。
本実施形態では、表面化粧層20を、防湿層22の表面側に表面化粧材21を積層した構成としている。
表面化粧材21としては、天然木材(銘木)から形成された突板等の単板(化粧単板)や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙やオレフィン系等の合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)等としてもよい。この表面化粧材21の厚さは、例えば、0.01mm〜1.0mm程度としてもよく、0.05mm〜0.5mm程度としてもよい。
防湿層22は、薄シート状(フィルム状)とされたものとしてもよい。この防湿層22としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)としてもよく、また、アルミ箔等の金属薄膜シートやアスファルトシート等としてもよい。また、この防湿層22としては、透湿度(水蒸気透過度)が比較的に小さいものとしてもよい。また、防湿層22の厚さは、例えば、0.02mm〜1.0mm程度としてもよく、0.05mm〜0.5mm程度としてもよい。なお、表面化粧層20としては、表面化粧材21と防湿層22とを備えた複層構造とされたものに限られず、防湿性を有した表面化粧材21を表面化粧層20としてもよい。つまりは、表面化粧材21自体が防湿層として機能するものとしてもよい。また、表面化粧層20としては、上記のような表面化粧材21を設けた態様に代えて、または加えて、印刷層や透明(クリアー)保護膜などの塗膜層を含んだ構成としてもよい。
また、合板基材層10の裏面には、上記した当該床材1の長手方向に間隔を空けた部位同士の床材厚さ方向への変位に追従可能な裏面層23が設けられている。本実施形態では、この裏面層23を、合板基材層10の裏面に貼着された裏面シート23としている。この裏面シート23としては、複数本の溝18の裏面側開口を塞ぐように合板基材層10の裏面に貼着され、合板基材層10への裏面側からの吸湿を抑制し得るものでもよい。例えば、裏面シート23としては、上記同様なオレフィン系樹脂やその他の樹脂等の合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)としてもよく、紙シートやゴムシート等としてもよい。また、この裏面シート23を、厚さが0.5mm以下の樹脂シートとしてもよい。この裏面シート23の厚さを、例えば、0.01mm〜0.5mm程度としてもよく、0.1mm〜0.3mm程度としてもよい。また、このような吸湿を抑制する裏面シート23は、合板基材層10の裏面(雄実部の部位を除く裏面)の略全面に亘って貼着されたものでもよいが、合板基材層10の裏面の70%以上、好ましくは80%以上を覆うように貼着されたものでもよい。
また、このような裏面シート23としては、合板基材層10への裏面側からの吸湿を抑制し得る機能に代えて、または加えて、複数本の溝18の裏面側開口を拡開させる側への合板基材層10の反り(凹反り)を拘束するように抑制し得る機能を有したものとしてもよい。つまり、床材幅方向に見て床材長手方向中央部側が凹むような凹反りを物理的に拘束するように抑制し得る裏面シート23を合板基材層10の裏面に貼着した構成としてもよい。このような裏面シート23は、上記同様、複数本の溝18の裏面側開口を塞ぐように合板基材層10の裏面の略全面に亘って貼着されたものでもよいが、合板基材層10の裏面に略全長に亘って貼着された細幅状とされたものでもよい。この場合は、複数枚の裏面シート23を、合板基材層10の裏面に幅方向に間隔を空けて貼着した構成等としてもよい。
また、上記のような拘束によって凹反りを抑制する裏面シート23としては、ガラス繊維や炭素繊維、鉱物繊維等の強化繊維の織布や不織布、マット等の強化繊維シートが例示される。また、裏面シート23としては、ガラス繊維シートとしてもよく、例えば、シート化されたガラス繊維にエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の接着剤を塗布して形成されたたガラス繊維不織布(ガラスペーパー)としてもよい。また、裏面シート23としては、ガラス繊維等の強化繊維に、パルプ等の紙原料をすき合わせたものでもよい。また、裏面シート23としては、このような強化繊維シートに樹脂を含浸させた強化繊維樹脂シート等の強化繊維混合シートとしてもよい。また、裏面シート23を、このような強化繊維シートや強化繊維混合シートとした場合には、厚さを0.1mm以上1.0mm以下としてもよく、好ましくは0.8mm以下としてもよく、0.3mm〜0.5mm程度としてもよい。また、裏面シート23としては、このような強化繊維シートに、上記のような紙シートや樹脂シート等を積層した複層構造とされたものでもよい。また、上記のような種々の裏面シート23と合板基材層10とは、適宜の接着剤を介して積層一体化されたものでもよいが、裏面シート23に設けられた粘着層を介して積層一体化されたものでもよい。このような粘着層を有した裏面シート23としては、PP(ポリプロピレン)テープやPE(ポリエチレン)テープ等の樹脂系粘着テープとしてもよい。また、合板基材層10の裏面に設けられる裏面層23としては、合板基材層10の裏面に貼着される裏面シート23に限られない。例えば、裏面層23としては、硬化後にシート状(薄板状)となるホットメルト系接着剤等の接着剤が合板基材層10の裏面に塗布されて形成された接着剤硬化層でもよい。
本実施形態に係る床材1は、上述のような構成としたことで、段差やがたつきの発生を抑制可能でありながらも、反りを抑制することができる。
つまり、合板基材層10の裏面側に、上記のように複数本の溝18を設けた構成としている。従って、床下地2に段差や不陸があるような場合にも、当該床材1が追従するように変形し、隣り合う床材1同士に段差が生じたり、踏んだ際にがたつきが生じたりすることを抑制することができる。また、荷重によって床下地2が沈み込む傾向がある上記のようなフリーアクセスフロア(OAフロア)の床仕上材として好適なものとなる。つまり、隣り合う下地パネルを跨ぐように床材1を施工した場合において、一方の下地パネルが荷重によって沈み込んだ場合にも、他方の下地パネル上に配された床材1の部位が浮き上がる(跳ね上がる)ようなことを抑制することができる。これにより、止具や接着剤等を用いることなく床下地2上にいわゆる置敷床的に施工されるものとしても好適なものとなる。
また、上記のように変形可能でありながらも、合板基材層10における床材長手方向に繊維方向を沿わせた最表層の第1単板11及び一部に溝18が形成された第2単板12によって床材1自体の破損等を抑制することができる。
また、合板基材層10の裏面に、上記のような床材1の変位に追従可能で、かつ合板基材層10への裏面側からの吸湿を抑制し得る裏面シート(裏面層)23を複数本の溝18の裏面側開口を塞ぐように設けた構成とすれば、吸湿による反りを抑制することができる。つまり、段差や不陸に追従するように変形可能でありながらも、裏面シート23によって合板基材層10の吸湿を抑制することができ、吸湿による反りを抑制することができる。
また、合板基材層10の裏面に、床材1の変位に追従可能で、かつ複数本の溝18の裏面側開口を拡開させる側への合板基材層10の反り(凹反り)を拘束するように抑制し得る裏面シート(裏面層)23を設けた構成としても、概ね同様の効果を奏する。つまり、吸湿自体を抑制する態様に代えて、吸湿によって凹反りしようとする合板基材層10の変形を物理的に拘束するようにして抑制することができる。
また、表面化粧層20を、防湿層22を含んだ構成としている。従って、表面側からの吸湿を抑制することができ、後記するように、日光照射状態に近似させた投光負荷に起因する反りを抑制することができる。
また、本実施形態では、複数本の溝18を、第2単板12の溝底側の残り厚さt2が第1単板11の厚さt1の5/10〜7/10となるように設けた構成としている。従って、合板基材層10における最表層となる第1単板11の厚さt1に対して、第2単板12の溝18が形成された部位の溝底側の残り厚さt2が適度の厚さとなり、後記するように、低湿状態(平常状態(常態)や乾燥負荷状態)における反りを抑制することができる。つまり、第1単板11の厚さt1に対して第2単板12の溝底側の残り厚さt2を小さくし過ぎれば、第1単板11の影響が大となり、床材幅方向に見て床材長手方向中央部側が凹むように凹反りし易くなる傾向がある。一方、第1単板11の厚さt1に対して第2単板12の溝底側の残り厚さt2を大きくし過ぎれば、第2単板12の影響が大となり、床材幅方向に見て床材長手方向中央部側が突出するように凸反りし易くなる傾向がある。上記構成とすれば、このような反りを抑制することができる。
また、裏面シート23を、厚さが0.5mm以下の樹脂シートとすれば、床材1の薄型化を図りながらも、段差や不陸に対する追従性を効果的に向上させ、吸湿による反りを効果的に抑制することができる。また、床材1の薄型化を図ることができるので、フリーアクセスフロア(OAフロア)の床仕上材としても好適なものとなる。
また、裏面シート23を、厚さが1.0mm以下のガラス繊維含有シートとした場合にも概ね同様の効果を奏する。また、吸湿によって凹反りしようとする合板基材層10の変形を、より効果的に物理的に拘束するようにして抑制することができる。
次に、本発明に係る他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(b)は、第2実施形態に係る床材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る床材1Aは、図1(b)に示すように、合板基材層10Aの複数本の溝18Aの構成が、上記第1実施形態とは主に異なる。本実施形態では、上記同様の層構成とされた合板基材層10Aに設けられた複数本の溝18Aの溝深さ寸法を、上記第1実施形態よりも小としている。つまり、第2単板12の溝底側の残り厚さt2Aを、上記第1実施形態の第2単板12の溝底側の残り厚さt2よりも大としている。図例では、第2単板12の溝底側の残り厚さt2Aを、第1単板11の厚さt1の12/10とした構成としている。このような構成とすれば、上記第1実施形態と比べて、低湿状態において僅かに凸反りし易くなる傾向があるものの、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
次に、本発明に係る更に他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(c)は、第3実施形態に係る床材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る床材1Bは、図1(c)に示すように、合板基材層10Bの複数本の溝18Bの構成が、上記第1実施形態とは主に異なる。本実施形態では、上記同様の層構成とされた合板基材層10Bに設けられた複数本の溝18Bの溝深さ寸法を、上記第1実施形態よりも大としている。つまり、第2単板12の溝底側の残り厚さt2Bを、上記第1実施形態の第2単板12の溝底側の残り厚さt2よりも小としている。図例では、第2単板12の溝底側の残り厚さt2Bを、第1単板11の厚さt1の2/10とした構成としている。このような構成とすれば、上記第1実施形態と比べて、低湿状態において僅かに凹反りし易くなる傾向があるものの、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
次に、本発明に係る更に他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(d)は、第4実施形態に係る床材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る床材1Cは、図1(d)に示すように、合板基材層10Cの構成が、上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、合板基材層10Cを、7枚の単板11A,12A,13A,14A,15A,16A,17Aを積層したいわゆる7プライ合板としている。つまり、本実施形態では、合板基材層10Cは、第1単板11A、第2単板12A、第3単板13A、第4単板14A、第5単板15A、第6単板16A及び第7単板17Aを表面側からこの順に積層した構成とされている。また、第1単板11A、第3単板13A、第5単板15A及び第7単板17Aが床材長手方向に繊維方向を沿わせた奇数層の単板を構成し、第2単板12A、第4単板14A及び第6単板16Aが床材幅方向に繊維方向を沿わせた偶数層の単板を構成する。
また、本実施形態では、合板基材層10Cの厚さを、上記各実施形態と同厚さとする一方、内層側の単板(第2単板12A〜第6単板16A)の厚さを、上記各実施形態よりも小としている。図例では、最表層側となる第1単板11A及び最裏層側となる第7単板17Aの厚さを、上記各実施形態の第1単板11及び第5単板15と同厚さとした例を示している。また、図例では、同厚さとされた第1単板11A及び第7単板17A以外の単板12A,13A,14A,15A,16Aを同厚さとし、これらの厚さを第1単板11A及び第7単板17Aの厚さよりも大としている。
また、本実施形態では、複数本の溝18Cを、上記第1実施形態と同様、第2単板12Aの溝底側の残り厚さt2が第1単板11Aの厚さt1の7/10となるように設けた構成としている。
上記構成とされた本実施形態に係る床材1Cにおいても、上記した第1実施形態と略同様の効果を奏する。
次に、本発明に係る更に他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2(a)は、第5実施形態に係る床材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る床材1Dは、図2(a)に示すように、合板基材層10D及び複数本の溝18Dの構成が、上記各実施形態とは主に異なる。
また、本実施形態では、合板基材層10Dの裏面側に、基材層を構成する裏面側層24を更に積層した構成としている。つまり、合板基材層10Dの裏面側と裏面シート23との間に裏面側層24を設けた構成としている。
裏面側層24は、合板基材層10Dの裏面側に積層一体化されており、防湿層26を含んだ構成とされている。本実施形態では、この裏面側層24を、上記した表面化粧層20の表裏を反転させたような構成としている。つまり、合板基材層10Dの裏面側にシート状の防湿層26と、上記した表面化粧材21と同様な裏層材25と、を設けた構成としている。複数本の溝18Dは、この裏面側層24を含んで設けられている。つまり、裏面側層24の裏層材25が複数本の溝18Dの裏面側開口両縁を構成している。なお、裏面側層24としては、このような態様に限られず、その他、種々の変形が可能であり、さらには、このような裏面側層24を設けないようにしてもよい。
また、本実施形態では、合板基材層10Dの厚さを、上記第1実施形態の合板基材層10の厚さよりも小としている。また、合板基材層10Dを、上記第1実施形態と概ね同様、5枚の単板11B,12B,13B,14B,15Bを積層した構成としている。図例では、各単板11B,12B,13B,14B,15Bの厚さを、上記第1実施形態の対応する各単板11,12,13,14,15の厚さよりも小とした例を示している。
また、本実施形態では、複数本の溝18Dを、上記第1実施形態と概ね同様、第2単板12Bの溝底側の残り厚さt2Cが第1単板11Bの厚さt1Aの2/3(約6.7/10)となるように設けた構成としている。
上記構成とされた本実施形態に係る床材1Dにおいても、上記した第1実施形態と略同様の効果を奏する。
次に、本発明に係る更に他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2(b)は、第6実施形態に係る床材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る床材1Eは、図2(b)に示すように、合板基材層10E及び複数本の溝18Eの構成が、上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、合板基材層10Eの厚さ及び複数本の溝18Eの溝深さを、上記第5実施形態の合板基材層10Dの厚さ及び溝18Dの溝深さとそれぞれ同寸法としている。また、合板基材層10Eを、上記第5実施形態と概ね同様、5枚の単板11C,12C,13C,14C,15Cを積層した構成としている。また、第1単板11C及び第5単板15Cの厚さを、上記第5実施形態の第1単板11B及び第5単板15Bの厚さよりも大とし、第2単板12C及び第4単板14Cの厚さを、上記第5実施形態の第2単板12B及び第4単板14Bの厚さよりも小としている。また、第3単板13Cの厚さを、上記第5実施形態の第3単板13Bの厚さよりも大としている。
また、本実施形態では、複数本の溝18Eを、第2単板12Cの溝底側の残り厚さt2Dが第1単板11Cの厚さt1Bの7/13(約5.4/10)となるように設けた構成としている。
上記構成とされた本実施形態に係る床材1Eにおいても、上記した第1実施形態と略同様の効果を奏する。
次に、本発明に係る更に他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2(c)は、第7実施形態に係る床材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る床材1Fは、図2(c)に示すように、合板基材層10F及び複数本の溝18Fの構成が、上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、合板基材層10Fの厚さ及び複数本の溝18Fの溝深さを、上記第5実施形態の合板基材層10Dの厚さ及び溝18Dの溝深さとそれぞれ同寸法としている。また、合板基材層10Fを、上記第4実施形態と概ね同様、7枚の単板11D,12D,13D,14D,15D,16D,17Dを積層した構成としている。図例では、第1単板11D、第2単板12D、第4単板14D、第6単板16D及び第7単板17Dをそれぞれ同厚さとし、第3単板13Dと第5単板15Dとを同厚さとした例を示している。また、これら第3単板13D及び第5単板15Dの厚さを、これら以外の単板11D,12D,14D,16D,17Dの厚さよりも大とした例を示している。
また、本実施形態では、複数本の溝18Fを、上記第5実施形態と同様、第2単板12Dの溝底側の残り厚さt2Cが第1単板11Dの厚さt1Aの2/3(約6.7/10)となるように設けた構成としている。
上記構成とされた本実施形態に係る床材1Fにおいても、上記した第1実施形態と略同様の効果を奏する。
次に、本発明に係る更に他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2(d)は、第8実施形態に係る床材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る床材1Gは、図2(d)に示すように、合板基材層10G及び複数本の溝18Gの構成が、上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、合板基材層10Gの厚さ及び複数本の溝18Gの溝深さを、上記第5実施形態の合板基材層10Dの厚さ及び溝18Dの溝深さとそれぞれ同寸法としている。また、合板基材層10Gを、3枚の単板11E,12E,13Eを積層したいわゆる3プライ合板としている。図例では、最表層側となる第1単板11Eと最裏層側となる第3単板13Eとを、上記同様、同厚さとし、第2単板12Eの厚さを、これら第1単板11E及び第3単板13Eの厚さよりも大とした例を示している。また、第1単板11E及び第3単板13Eの厚さを、上記第6実施形態の第1単板11C及び第5単板15Cの厚さと同厚さとした例を示している。
また、本実施形態では、複数本の溝18Gを、上記第6実施形態と同様、第2単板12Eの溝底側の残り厚さt2Dが第1単板11Eの厚さt1Bの7/13(約5.4/10)となるように設けた構成としている。
上記構成とされた本実施形態に係る床材1Gにおいても、上記した第1実施形態と略同様の効果を奏する。
なお、上記各実施形態に係る床材1,1A〜1Gにおける互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。また、合板基材層10,10A〜10Gとしては、3枚や5枚、7枚の単板を積層した構成とされたものに限られず、9枚以上の奇数枚の単板を積層した構成とされたものとしてもよい。
次に、本発明に係る床材の実施例の一例と比較例とを、図3を参照して説明する。
なお、実施例1〜実施例4及び実施例9〜実施例12は、上記第1実施形態〜第4実施形態に係る床材1,1A〜1Cにそれぞれ相当する実施例で、実施例5〜実施例8は、上記第5実施形態〜第8実施形態に係る床材1D〜1Gにそれぞれ相当する実施例である。
各実施例1〜12及び各比較例1〜13では、いずれも、長さ寸法が895mm、幅寸法が142mmとされた床材とした。また、各床材の合板基材層の裏面側に、溝幅寸法が1.6mm程度、溝間寸法が11.6mm程度となるように、上記したような床材幅方向に延びる複数本の溝を床材長手方向に等間隔を空けて設けた構成とした。また、実施例1〜4及び比較例1〜13では、総厚さを9.0mmとし、実施例5〜8では、総厚さを5.8mmとし、実施例9〜12では、総厚さを9.3mmとした。
また、実施例1〜12及び比較例1〜5では、表面化粧層として、0.2mm厚の突板(表面化粧材)と0.1mm厚のポリエチレンシート(防湿層)とを設けた構成とした。一方、比較例6〜13では、表面化粧層として、防湿層を設けずに、0.3mm厚の突板を設けた構成とした。
また、実施例5〜8では、合板基材層の裏面側に、基材層を構成する裏面側層として、0.1mm厚のポリエチレンシートと0.2mm厚の突板とを設けた構成とし、裏面側層を含んで複数本の溝を設けた構成とした。
また、実施例1〜8、比較例1,6〜9では、裏面シート(裏面層)として、0.2mm厚のオレフィン系樹脂シート(樹脂シート)を設けた構成とした。また、実施例9〜12では、裏面シート(裏面層)として、0.5mm厚のガラス繊維不織布(繊維シート)を設けた構成とした。一方、比較例2〜5,10〜13では、裏面シート(裏面層)を設けていない構成とした。
また、実施例1〜4、実施例9〜12及び比較例1〜13では、8.5mm厚のラワン合板を合板基材層とし、実施例5〜8では、5.0mm厚のラワン合板を合板基材層とした。
また、実施例1〜3、実施例9〜11及び比較例1〜13では、合板基材層を、5枚の単板を積層した構成とし、第1単板及び第5単板の厚さを1.0mm、第2単板及び第4単板の厚さを2.5mm、第3単板の厚さを1.5mmとした。実施例4及び実施例12では、合板基材層を、7枚の単板を積層した構成とし、第1単板及び第7単板の厚さを1.0mm、それ以外の単板の厚さを1.3mmとした。実施例5では、合板基材層を、5枚の単板を積層した構成とし、第1単板及び第5単板の厚さを0.60mm、第2単板及び第4単板の厚さを1.55mm、第3単板の厚さを0.7mmとした。実施例6では、合板基材層を、5枚の単板を積層した構成とし、第1単板及び第5単板の厚さを0.65mm、第2単板及び第4単板の厚さを1.3mm、第3単板の厚さを1.1mmとした。実施例7では、合板基材層を、7枚の単板を積層した構成とし、第3単板及び第5単板の厚さを1.0mm、それ以外の単板の厚さを0.6mmとした。実施例8では、合板基材層を、3枚の単板を積層した構成とし、第1単板及び第3単板の厚さを0.65mm、第2単板の厚さを3.7mmとした。
また、実施例1,4,9,12及び比較例4,8,12では、第2単板の溝底側の残り厚さが0.7mmとなるように、溝深さが6.8mmの複数本の溝を合板基材層に設けた構成とした。また、実施例2,10及び比較例3,7,11では、第2単板の溝底側の残り厚さが1.2mmとなるように、溝深さが6.3mmの複数本の溝を合板基材層に設けた構成とした。また、実施例3,11及び比較例5,9,13では、第2単板の溝底側の残り厚さが0.2mmとなるように、溝深さが7.3mmの複数本の溝を合板基材層に設けた構成とした。また、実施例5,7では、第2単板の溝底側の残り厚さが0.4mmとなるように、溝深さが4.3mmの複数本の溝を、裏面側層を含んで合板基材層(基材層)に設けた構成とした。また、実施例6,8では、第2単板の溝底側の残り厚さが0.35mmとなるように、溝深さが4.3mmの複数本の溝を、裏面側層を含んで合板基材層(基材層)に設けた構成とした。また、比較例1,2,6,10では、第3単板の溝底側の残り厚さが1.2mmとなるように、溝深さが3.8mmの複数本の溝を合板基材層に設けた構成とした。
また、各実施例の床材及び各比較例の床材に対して、以下のような評価試験を行った。
<不陸追従性評価試験>
各実施例1〜12及び各比較例1〜13の床材を、2mm程度の段差が形成された床下地上に段差を跨ぐように施工し、目視観察及び床材上を歩行することで評価した。
結果は、図3に示すように、実施例1〜12及び比較例3〜5,7〜9,11〜13では、段差が略目立ず、がたつきが少なく、良好な結果であった。一方、比較例1,2,6,10では、段差が目立ち、がたつきが生じる結果となった。この結果から、合板基材層(基材層)の裏面側に、第2単板の層内に溝底が位置するように上記のような複数本の溝を設けた構成とすることで、不陸追従性に優れたものとなることが示された。
<反り評価試験:常態>
各実施例1〜12及び各比較例1〜13の床材を、平常状態(常態)の雰囲気に近似させた温度25℃、湿度50%の雰囲気下に96時間放置し、反り量を測定した。反り量は、各実施例1〜12及び各比較例1〜13の床材の長手方向両端に対する長手方向中央部の厚さ方向への変位量とし、この反り量がプラスマイナス5mm以内を合格基準として判断した。
結果は、図3に示すように、実施例1〜12及び比較例1,2,4,6,8,10,12では、反り量がプラスマイナス5mm以内となり、良好な結果となった。また、実施例2,10では、他の良好なものと比べて、プラス側への反り量が大、つまり、長手方向中央部が突出する凸反りが僅かに目立つ結果となった。また、実施例3では、他の良好なものと比べて、マイナス側への反り量が大、つまり、長手方向中央部が凹む凹反りが僅かに目立つ結果となった。また、比較例3,7,11では、プラス側への反り量が5mm超となり、比較例5,9,13では、マイナス側への反り量が5mm超となり、反りが目立つ結果となった。
<反り評価試験:加湿負荷>
各実施例1〜12及び各比較例1〜13の床材を、温度40℃、湿度90%の雰囲気下に96時間放置し、上記同様、反り量を測定した。
結果は、図3に示すように、実施例1〜12及び比較例1,2,6〜10では、反り量がプラスマイナス5mm以内となり、良好な結果となった。また、比較例3,4,11,12では、マイナス側への反り量が5mm超となり、比較例5,13では、プラス側への反り量が5mm超となり、反りが目立つ結果となった。この結果から、裏面シート(裏面層)を設けた構成とすることで、加湿負荷に対する反りを抑制できることが示された。
<反り評価試験:乾燥負荷>
各実施例1〜12及び各比較例1〜13の床材を、温度50℃、湿度20%の雰囲気下に96時間放置し、上記同様、反り量を測定した。
結果は、図3に示すように、常態における反り評価試験と略同様な結果となった。つまり、実施例1〜12及び比較例1,2,4,6,8,10,12では、反り量がプラスマイナス5mm以内となり、良好な結果となった。また、実施例2,10では、他の良好なものと比べて、プラス側への反り量が大となり、実施例3では、他の良好なものと比べて、マイナス側への反り量が大となった。また、比較例3,7,11では、プラス側への反り量が5mm超となり、比較例5,9,13では、マイナス側への反り量が5mm超となり、反りが目立つ結果となった。この結果及び常態下の結果から、第2単板の溝底側の残り厚さを大きくし過ぎれば、第2単板の影響が大となり、凸反りし易くなる一方、第2単板の溝底側の残り厚さを小さくし過ぎれば、第1単板の影響が大となり、凹反りし易くなることが示された。
<反り評価試験:投光負荷>
各実施例1〜12及び各比較例1〜13の床材を、温度20℃、湿度50%の雰囲気下で、かつ各床材の表面に対して、日光照射に近似させた投光機によって150mmの高さから照射した状態で、8時間放置し、上記同様、反り量を測定した。
結果は、図3に示すように、実施例1〜12及び比較例1〜6,10では、反り量がプラスマイナス5mm以内となり、良好な結果となった。また、比較例7〜9,11〜13では、プラス側への反り量が5mm超となり、凸反りが目立つ結果となった。特に、比較例7,11では、プラス側への反り量が大きくなり、凸反りが大きく目立つ結果となった。この結果から、表面化粧層を、防湿層を含んだ構成とすることで、投光負荷(日光照射)に対する反りを抑制できることが示された。
以上の結果から、実施例1〜12の各床材は、比較例1〜13と比較して、不陸追従性に優れ、また、常態並びに加湿負荷、乾燥負荷及び投光負荷のいずれにおいても反りが抑制されることが示され、良好な結果となった。また、実施例1,4〜8,9,11,12の各床材は、常態及び乾燥負荷に対する反りが実施例2,3,10よりも抑制されることが示され、特に良好な結果となった。
1,1A〜1G 床材
10,10A〜10G 合板基材層
11,11A〜11E 第1単板(奇数層の単板、一枚目の単板)
12,12A〜12E 第2単板(偶数層の単板、二枚目の単板)
13,13A〜13E 第3単板(奇数層の単板)
14,14A〜14D 第4単板(偶数層の単板)
15,15A〜15D 第5単板(奇数層の単板)
16A,16D 第6単板(偶数層の単板)
17A,17D 第7単板(奇数層の単板)
18,18A〜18G 溝
20 表面化粧層
22 防湿層
23 裏面シート(裏面層)
t1,t1A,t1B 第1単板の厚さ
t2,t2A〜t2D 第2単板の溝底側の残り厚さ
2 床下地

Claims (4)

  1. 一方向に長尺状とされ、合板基材層の表面側に表面化粧層を設けた床材であって、
    前記表面化粧層は、防湿層を含んだ構成とされており、
    前記合板基材層は、床材長手方向に繊維方向を沿わせた奇数層の単板と床材幅方向に繊維方向を沿わせた偶数層の単板とからなる3枚以上で奇数枚の単板を積層した構成とされ、かつ、床材幅方向の全体に亘って延びるように裏面側において開口する複数本の溝が設けられた構成とされ、これら複数本の溝は、これら複数本の溝によって床材長手方向に区分される当該床材の床材長手方向に間隔を空けた部位同士が床下地の段差に追従して床材厚さ方向に相対的に変位可能なように、床材長手方向に間隔を空けて、かつ前記合板基材層の表面側から二枚目の単板の溝底側の残り厚さが該合板基材層の表面側から一枚目の単板の厚さの5/10〜7/10となるように溝底が前記二枚目の単板の層内に位置するように設けられており、
    前記合板基材層の裏面には、前記床材厚さ方向への変位に追従可能で、かつ前記合板基材層への裏面側からの吸湿を抑制し得る、厚さが0.5mm以下の裏面シートが前記複数本の溝の裏面側開口を塞ぐように略全面に亘って貼着され、当該床材が施工された状態で、該裏面シートが前記床下地に当接されことを特徴とする床材。
  2. 請求項1において、
    前記裏面シートは、樹脂シートとされていることを特徴とする床材。
  3. 一方向に長尺状とされ、合板基材層の表面側に表面化粧層を設けた床材であって、
    前記表面化粧層は、防湿層を含んだ構成とされており、
    前記合板基材層は、床材長手方向に繊維方向を沿わせた奇数層の単板と床材幅方向に繊維方向を沿わせた偶数層の単板とからなる3枚以上で奇数枚の単板を積層した構成とされ、かつ、床材幅方向の全体に亘って延びるように裏面側において開口する複数本の溝が設けられた構成とされ、これら複数本の溝は、これら複数本の溝によって床材長手方向に区分される当該床材の床材長手方向に間隔を空けた部位同士が床下地の段差に追従して床材厚さ方向に相対的に変位可能なように、床材長手方向に間隔を空けて、かつ前記合板基材層の表面側から二枚目の単板の溝底側の残り厚さが該合板基材層の表面側から一枚目の単板の厚さの5/10〜7/10となるように溝底が前記二枚目の単板の層内に位置するように設けられており、
    前記合板基材層の裏面には、前記床材厚さ方向への変位に追従可能で、かつ前記複数本の溝の裏面側開口を拡開させる側への前記合板基材層の反りを拘束するように抑制し得る、厚さが1.0mm以下の裏面層が略全面に亘って設けられ、当該床材が施工された状態で、該裏面層が前記床下地に当接されことを特徴とする床材。
  4. 請求項3において、
    前記裏面層は、ガラス繊維含有シートとされていることを特徴とする床材。
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