JP6870920B2 - X線ct装置及びx線検出装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、X線CT装置及びX線検出装置に関する。
近年、X線CT(Computed Tomography)装置において、個々の検出素子の大きさが小さく、同じ面積でより多くの検出素子を搭載できる高精細のX線検出器が開発されている。高精細のX線検出器は、従来技術のX線検出器よりも高い分解能の高精細データを取得できる。
しかしながら、高精細データが取得可能なX線CT装置であっても、画像ノイズの低減、又は画像処理における互換性や処理速度などの観点から、従来技術と同等の分解能まで下げたノーマルデータの取得が要求される場合がる。
そこで、従来技術では、高精細データを取得可能なX線検出器における複数の検出素子をグループ化により1つの検出素子として扱うことで、ノーマルデータを取得する方法が提案されている。
しかしながら、従来技術では1回のスキャンで高精細データとノーマルデータとを同時に収集することができなかった。
特開2009−78143号公報
本発明が解決しようとする課題は、1回のスキャンで高精細データ及びノーマルデータを収集することができるX線CT装置及びX線検出装置を提供することである。
一実施形態のX線CT装置は、透過したX線に応じたX線信号をそれぞれ出力する複数の検出素子が含まれるX線検出器と、前記複数の検出素子を1つのグループとし、前記複数の検出素子に対して少なくとも1つの前記グループを設定する制御回路と、前記グループ内の前記複数の検出素子のそれぞれから出力される複数のX線信号をそれぞれ独立した画素に対応する画素値として収集する高精細データと、前記グループ内の前記複数の検出素子のそれぞれから出力される複数のX線信号を1つの画素に対応する画素値として収集するノーマルデータとを、同時に収集するスキャンコントローラとを備える。
第1の実施形態に係るX線CT装置の一例を示す概念的な構成図。 2次元アレイ型のX線検出器の構成の一例を示す模式的斜視図。 検出素子のグループ化の方法の一例を示す平面模式図。 逐次読出し方式におけるX線信号の読出し方法を説明する模式図。 逐次読出し方式におけるX線信号の読み出し方法を説明する模式的な回路図。 逐次読出し方式におけるX線信号の読出し動作を説明するタイミングチャート。 同時読出し方式における高精細設定のX線信号の読み出し方法を説明する模式的な回路図。 同時読出し方式におけるノーマル設定のX線信号の読み出し方法を説明する模式的な回路図。 高精細データとノーマルデータとを識別するためのモードフラグについて説明する模式図。 第1の実施形態における検出素子の第1の設定例を示す平面模式図。 第1の実施形態における検出素子の第2の設定例を示す平面模式図。 第1の実施形態における検出素子の第3の設定例を示す平面模式図。 ビュー(X線CT装置のスキャンにおける1つの角度方向)を説明する模式図。 第1の実施形態の検出素子におけるビューごとの設定の切り替えに係る第1の例を示す平面模式図。 第1の実施形態の検出素子におけるビューごとの設定の切り替えに係る第2の例を示す平面模式図。 第1の実施形態の検出素子におけるビューごとの設定の切り替えに係る第3の例を示す平面模式図。 第1の実施形態の検出素子におけるビューごとの設定の切り替えに係る第4の例を示す平面模式図。 第2の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す機能ブロック図。 第2の実施形態に係るX線CT装置の動作の一例を示すフローチャート。 第3の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す機能ブロック図。 第3の実施形態に係るX線CT装置の動作の一例を示すフローチャート。 第3の実施形態における撮像部位ごとの設定を説明する表。 第3の実施形態における撮像部位ごとの設定の切り替えを説明する図。
以下、実施形態のX線CT装置及びX線検出装置について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の一例を示す概念的な構成図である。図1のX線CT装置10は、スキャナ装置11、及び、コンソール装置12を備える。
スキャナ装置11は、通常は検査室に設置され、例えば被検体Qに関するX線の透過データを生成する。一方、コンソール装置12は、検査室に隣接する制御室に設置され、透過データに基づいて投影データを生成することで、再構成画像の生成及び表示を行う。
スキャナ装置11は、架台装置21、寝台装置22、スキャンコントローラ23、及び、操作パネル24を備える。
架台装置21は、ガントリとも呼ばれ、図示しない土台部に固定された固定架台31及び回転架台32を備える。また、固定架台31及び回転架台32は不図示の架台カバーにより囲われており、回転架台32には開口部が設けられている。回転架台32は、固定架台31に対して回転可能なように転がり軸受けやボール/ロール軸受けなどの軸受により支持される。
固定架台31は、回転コントローラ41を備える。回転コントローラ41は、図示しないプロセッサやメモリを備え、スキャンコントローラ23からの指示に従って、回転架台32を固定架台31に対して回転させる。
固定架台31及び回転架台32は、スリップリング51及びデータ伝送装置52を備える。
スリップリング51は、回転架台32内に同心円状に配置された環状の電路(金属製のリング)に対して、固定架台31側のカーボンブラシやワイヤーブラシなどのブラシを側面から押し当てることで、スリップさせながら電気伝導を確保する転接続用のコネクタである。
データ伝送装置52は、回転架台32側の送信回路及び固定架台31側の受信回路を備える。送信回路は、後述するデータ収集回路66によって生成された生データを非接触で受信回路に送信する。受信回路は、送信回路から送信された生データを、後述するスキャンコントローラ23に供給する。
回転架台32は、高電圧発生装置61、X線管62、コリメータコントローラ63、X線光学系64、及び、X線検出装置20を備える。このX線検出装置20の構成は、第1の実施形態のX線CT装置10の特徴の1つである。このX線検出装置20は、X線検出器65及びデータ収集回路66を備える。
回転架台32は、回転フレームとも呼ばれる。回転架台32は、後述の高電圧発生装置61や、X線検出装置20などを一体として保持する。すなわち、回転架台32は、X線管62とX線検出装置20とを対向させた状態で、一体として被検体Qの周りに回転できる。ここでは一例として、X線CT装置10の装置座標系を以下のように定義する。すなわち、鉛直方向をY軸方向とし、Y軸方向に垂直であって、回転架台32の回転中心軸と平行な方向をZ軸方向とし、これらZ軸方向及びY軸方向に垂直な方向をX軸方向とする。
高電圧発生装置61は、商用電源から交流−直流変換を行うAC/DCコンバータ回路と、直流電圧を異なる電圧の直流電圧に変換するDC/DCコンバータと、直流電源からX線管62のX線の照射に必要な出力電流を生成する増幅器とを備える。高電圧発生装置61の増幅器は、スリップリング51を介したスキャンコントローラ23による制御信号によって、スキャンを実行するために必要な電力をX線管62に供給する。
X線管62は、例えば、回転陽極型X線管の場合、真空管の中に陰極、回転陽極ターゲット、フィラメントを備える。フィラメントは、高電圧発生装置61から供給された管電圧に応じて金属製のターゲットに電子線を衝突させることでX線を発生させ、X線をX線検出器65に向かって照射する。X線管62から照射されるX線によって、ファンビームX線やコーンビームX線が形成される。X線管62には、スキャンコントローラ23による制御によって、X線の照射に必要な電力が供給される。
コリメータコントローラ63は、不図示のプロセッサ及びメモリを備え、スキャンコントローラ23による制御に従って、X線光学系64におけるX線のスライス方向の照射範囲を調整する。
X線光学系64は、X線ビームの線量、照射範囲、形状、及び、線質などの照射条件を制御する各種装置を含む。具体的には、X線光学系64は、ウェッジフィルタ及びコリメータなどを含む。ウェッジフィルタは、例えば、アルミニウムなどの軽金属により構成され、X線管62で発生されたX線のX線量を調整する。コリメータは、コリメータコントローラ63による制御によって、線量が調整されたX線に対してX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。
X線検出装置20のX線検出器65は、X線管62から照射されたX線を検出する検出素子を複数備える。X線検出器65は、例えば、多数の検出素子をチャネル方向及び列方向に沿ってマトリクス状に配列した2次元アレイ型の検出器である。2次元アレイ型のX線検出器65については図2で詳細に説明する。
X線検出器65の各検出素子は、X線源から照射され被検体を透過したX線を検出する。X線検出器65は、例えば、シンチレータを備えており、X線が照射されると、シンチレータに衝突したX線は光に変換され、各検出素子により間接的にX線信号が検出される。
高精細データを収集する場合、X線検出器65の個々の検出素子により検出されたX線信号が抽出され、1つの検出素子のX線信号に基づいて、高精細データの1つの画素の画素値はそれぞれの検出素子からのX線信号に応じた輝度レベルとなるように決定される。一方、ノーマルデータの収集の場合、複数の検出素子がグループ化によって1つの検出素子とみなされる。例えば複数の検出素子の各X線信号の合算値に基づいて、ノーマルデータの1つの画素の画素値は複数の検出素子からのX線信号が加算されたX線信号に応じた輝度レベルとなるように決定される。したがって、ノーマルデータの方が、高精細データよりもS/N比は高いが、低解像度となる。ノーマルデータを収集するための検出素子のグループ化は、スキャンコントローラ23の制御により行われる。検出素子のグループ化については図3で詳細に説明する。
なお、2次元アレイ型の検出器は、マルチスライス型検出器とも呼ばれる。X線検出器65がマルチスライス型検出器である場合、回転架台32の1回転(又は半回転+α)で列方向に幅を有する3次元領域のスキャンを実行することができる。このスキャンは、ボリュームスキャンと呼ばれ、ボリュームスキャンでは3次元の画像データであるボクセルデータを収集できる。
データ収集回路66は、制御回路661を備える。制御回路661は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ及びメモリなどを備え、スキャンコントローラ23の制御の下、各検出素子で検出されるX線信号の制御を行う。
制御回路661は、複数の検出素子を1つのグループとすることで、複数の検出素子に対して少なくとも1つのグループを設定する。すなわち、制御回路661は、各検出素子のX線信号の読出しを制御することで複数の検出素子をグループ化する。制御回路661は、複数の検出素子の出力信号線から出力されるX線信号を加算してデータ収集回路66のデータ収集システム(DAS:Data Acquisition System)で読み出すことで、複数の検出素子をグループ化したノーマルデータを得る。一方、制御回路661は、複数の検出素子の出力信号線から出力されるX線信号を、それぞれの検出素子に対応するDASでそれぞれ読み出すことで高精細データを得る。
このように、制御回路661は、検出素子のグループ化を制御し、ノーマルデータを取得するノーマル設定と、高精細データを取得する高精細設定とを切り替える制御を行う。制御回路661のX線信号の読み出し方式の制御について図4乃至図8で詳細に説明する。
データ収集回路66は、複数のDASを有する。各DASは検出素子が出力したアナログ信号を受け、このアナログ信号に対して電流電圧変換、増幅、アナログデジタル変換(Analogue/Digital conversionAD変換)などの処理を施す。データ収集回路66は、これらの処理後のX線信号を用いて投影データを含む送信データを生成し、データ伝送装置52に送信データを送信する。データ伝送装置52に送信された送信データは、スキャンコントローラ23を介してコンソール装置12に送信され、そして、データ処理回路81では、0次オフセットの補正やゲイン調整などのキャリブレーションが行われ、記憶装置82に保存された後、再構成処理される。
スキャナ装置11の寝台装置22は、天板71、及び、天板コントローラ72を備える。天板71は、被検体Qを載置可能である。
天板コントローラ72は、不図示のプロセッサ、メモリ、及びステッピングモータなどの天板駆動用のモータを備え、スキャンコントローラ23による制御に従って、天板71をY軸方向に沿って昇降動させると共に、被検体Qが載置された天板71を以下のようにZ軸方向に沿って水平移動させる。すなわち、天板コントローラ72は、回転架台32の回転中心が含まれる開口部に向けて天板71を挿入し、撮像終了後には開口部から天板71を退避させる。また、天板コントローラ72は、天板71の移動量や現在位置などの位置制御情報をスキャンコントローラ23に送信する。
スキャンコントローラ23は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ及びメモリなどを備える。スキャンコントローラ23は、操作パネル24やコンソール装置12から入力される指令に従って、回転コントローラ41、高電圧発生装置61、コリメータコントローラ63や、寝台装置22の天板コントローラ72などの架台装置21の各部を制御する。
操作パネル24は、モニタなどの表示装置、及びタッチパネルや操作ボタン等の入力装置を備え、架台装置21の開口部の両脇や前後などに設けられる。操作者は被検体Qの様子を確認しながら、各種指令や撮像条件を操作パネル24から入力する。具体的には、X線照射範囲を視認するための光を照射する不図示の投光器の消灯及び点灯の指示や、天板71の移動、停止、及び自動送りの指令が操作パネル24から入力される。
X線CT装置10のコンソール装置12は、コンピュータをベースとして構成されており、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して外部装置と相互通信可能である。コンソール装置12は、処理回路81、記憶回路82、入力回路83、及び、ディスプレイ84などのハードウェアから構成される。処理回路81は、共通信号伝送路としてのバスを介して、コンソール装置12を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、コンソール装置12は、記憶媒体ドライブを具備する場合もある。
処理回路81は、専用のハードウェアで構成してもよいし、内蔵のプロセッサによるソフトウェア処理で各種機能を実現するように構成してもよい。ここでは一例として、プロセッサによるソフトウェア処理によって処理回路81が各種機能を実現する場合について説明する。
上記プロセッサとは、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの回路を意味する。上記プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などが挙げられる。処理回路81は、記憶回路82に記憶されたプログラム、又は、処理回路81のプロセッサ内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで、各機能を実現する。
また、処理回路81は、単一のプロセッサによって構成されてもよいし、複数の独立したプロセッサの組み合わせによって構成されてもよい。後者の場合、複数のプロセッサにそれぞれ対応する複数の記憶回路82が設けられると共に、各プロセッサにより実行されるプログラムが当該プロセッサに対応する記憶回路に記憶される構成でもよい。別の例としては、1個の記憶回路82が複数のプロセッサの各機能に対応するプログラムを一括的に記憶する構成でもよい。
記憶回路82は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスクなどによって構成される。記憶回路82は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)などの可搬型メディアを脱着自在な回路して構成されてもよい。記憶回路82は、処理回路81において実行される各種プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)、プログラムの実行に必要なデータ、及び、画像データを記憶する。また、記憶回路82には、OSを制御するための各種コマンドを入力回路83から入力可能とするためのGUI(Graphical User Interface)のプログラムが記憶されていてもよい。
入力回路83は、ポインティングデバイスなどの入力デバイスからの信号を入力する回路である。ここでは一例として、入力デバイス自体も入力回路83に含まれるものとする。操作者により入力デバイスが操作されると、入力回路83はその操作に応じた入力信号を生成し、この入力信号を処理回路81に出力する。なお、コンソール装置12は、入力デバイスがディスプレイ84と一体的に構成されたタッチパネルを備えてもよい。
ディスプレイ84は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、及び、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスである。ディスプレイ84は、処理回路81の制御に従って画像を表示する。
コンソール装置12には、スキャナ装置11から投影データが入力される。実施形態に係るX線CT装置10では、投影データには高精細データとノーマルデータとが含まれる。コンソール装置12は、投影データを記憶回路82に保存し、また、処理回路81により投影データを再構成することでCT画像を生成する。
図2は、2次元アレイ型のX線検出器65の構成の一例を示す模式的斜視図である。図2には、X線源であるX線管62、被検体Q、及び、X線検出器65が示されている。図2では一例として、図1と共通の座標系を用いている。被検体Qの体軸方向、すなわち、頭足方向は、鉛直方向(Y軸方向に垂直なZ軸方向に合致する。X線検出器65において、被検体Qの体軸方向に平行な方向を列方向、垂直な方向をチャネル方向と呼ぶ。
図2において、X線検出器65に示された複数の格子の1つ1つは1つの検出素子を示しており、2次元アレイ型のX線検出器65では、列方向及びチャネル方向に複数の検出素子が配列される。
図2では説明の簡略化のため、4列×17チャネルの検出素子数の例を示しているが、検出素子数は、この態様に限定されるものではない。実際にX線検出器65に搭載される検出素子は、列方向には例えば、64個あるいは320個配置され、チャネル方向には例えば、256個あるいは512個配置される。なお、図2の例では、検出素子は格子状に示したが、検出素子の形状は格子には限定されない。
図3は、検出素子のグループ化の方法の一例を示す平面模式図である。図3は、図2に示したX線検出器65をX線管62側から見た平面模式図である。ここでは一例として、図3の紙面横方向は、X線検出器65のチャネル方向であり、図3の紙面縦方向は列方向であり、両者は互いに垂直である。図3では、一例として、列方向に8個、チャネル方向に10個の計80個の検出素子が搭載されたX線検出器65を示す。すなわち、図3に示した多数の格子の1つ1つは、「ノーマル設定」として他の格子よりも4倍大きく太枠で記載した1つを除き、X線検出器65における1個の検出素子である。
以下、グループ化された複数の検出素子の一群を検出素子グループと呼ぶこととする。また、ノーマルデータを収集するための検出素子グループの設定をノーマル設定と呼び、高精細データを収集するための検出素子グループの設定を高精細設定と呼ぶこととする。図3では、高精細設定の検出素子グループを4つの小さい格子で示しているのに対し、ノーマル設定の検出素子グループを1つの大きな格子で示している。なお、ここでは一例として、図3の上部において「ノーマル設定」とした太枠のように、各々の検出素子グループが4個の検出素子から構成される例を説明する。
図3のX線検出素子の上側と左側に示した数字は、それぞれチャネル方向及び列方向に並んだ検出素子の位置を示す。以降の説明では、各検出素子の位置をチャネル方向の番号、列方向の番号の順に座標的に表記する。例えば、列方向に1番目、チャネル方向2番目にある検出素子の位置は(1、2)で示す。
上述したノーマル設定は、複数の検出素子をまとめて1つの検出素子として扱うことである。すなわち、1つの検出素子グループを1つの検出素子とみなす。例えば、図3では、(1、3)、(1、4)、(2、3)、(2、4)の4つの検出素子がグループ化され、1つの大きな格子で示されている。一方、高精細設定では、(1、1)、(1、2)、(2、1)、(2、2)の4つの検出素子からそれぞれ出力される4つのX線信号は、4画素分のX線信号のデータとして個別に収集される。
上述の検出素子で検出されたX線信号は、制御回路661の制御の下、データ収集回路66の複数のDASで読み出される。データ収集回路66におけるX線信号の読み出し方法には、逐次読出し方式と同時読出し方式とがある。逐次読出し方式は、1つのDASが複数の検出素子の信号を順番に読み出す。一方、同時読出し方式は、複数のDASが複数の検出素子の信号を同時に読み出す。以下、図4から図6を用いて逐次読出し方式について説明し、図7及び図8を用いて同時読出し方式についてそれぞれ説明する。
図4は、逐次読出し方式におけるX線信号の読出し方法を説明する模式図である。図4ではチャネル方向に2列分の検出素子で検出されたX線信号を1つのDASで読み出す場合を例として説明する。すなわち、図4で示すように、(1、1)を先頭とする検出素子の列と(1、2)を先頭とする検出素子の列とをDAS1で読み出す場合を例に説明する。
図4では、a(1、1)、b(1、2)、c(2、1)、d(2、2)の検出素子が高精細設定、e(3、1)、f(3、2)、g(4、1)、h(4、2)の検出素子がノーマル設定に設定された場合を示している。それぞれの検出素子の位置を示す座標の前に記載されたアルファベットは、それぞれの検出素子をより簡単に区別するために便宜的に付与したものであり、以下ではそれぞれの検出素子をアルファベットで表記して説明する。
図5は、逐次読出し方式におけるX線信号の読み出し方法を説明する模式的な回路図である。図5には図4に示した検出素子の模式的な回路図が示されている。図5では、図4と同様に、検出素子a、検出素子b、検出素子c、検出素子dのグループを高精細設定とし、検出素子e、検出素子f、検出素子g、検出素子hのグループをノーマル設定とした場合を示している。それぞれの検出素子は、出力信号線SでDAS1に接続されており、各検出素子から出力信号線Sへの接続部分にはスイッチが夫々設けられている。例えば、スイッチSWaの一端は検出素子aと接続し、他端は出力信号線Sに接続している。同様に、スイッチSWbの一端は検出素子bと接続し、他端は出力信号線Sに接続している。
逐次読出し方式では、検出素子ごとに設けられたスイッチが切り替えられることにより各検出素子のX線信号が順番にDAS1へ読み出される。DAS1にはリセットスイッチRSWが設けられ、リセットスイッチRSWを切り替えることで、サンプリング対象の検出素子を切り替えることができる。すなわち、1つの検出素子からの信号をサンプリングする度にDAS1のリセットスイッチRSWを切り替えることで、個々の検出素子で検出されたX線信号を独立して読み出すことができる。一方、DAS1のリセットスイッチRSWを切り替えずに、連続して複数の検出素子からX線信号が読み出されると、複数の検出素子からのX線信号を束ねてサンプリングすることができる。このように、DAS1は、高精細設定のグループに属する検出素子で検出されたX線信号は夫々別々にサンプリングし、ノーマル設定のグループに属する検出素子で検出されたX線信号はまとめてサンプリングできる。なお、各検出素子のスイッチやDAS1のリセットスイッチRSWは、不図示の制御回路661からの制御信号線により制御される。
図6は、逐次読出し方式におけるX線信号の読出し動作を説明するタイミングチャートである。図6は、図5の回路例における動作を説明するタイミングチャートである。図6は上からDAS1のリセットスイッチRSW、検出素子aのスイッチSWa、検出素子bのスイッチSWb、検出素子cのスイッチSWc、検出素子dのスイッチSWd、検出素子eのスイッチSWe、検出素子fのスイッチSWf、検出素子gのスイッチSWg、検出素子hのスイッチSWhの動作、DASの積分器の出力、及び、A/D変換器でのX線信号のサンプリングタイミングについてのタイミングチャートを示している。
図6では、図5と同様に、検出素子a、検出素子b、検出素子c、検出素子dのグループは高精細設定、検出素子e、検出素子f、検出素子g、検出素子hのグループはノーマル設定の場合を例として説明する。高精細設定のグループでは、各検出素子で検出されたX線信号はDAS1で夫々サンプリングされる。一方、ノーマル設定のグループは、各検出素子で検出されたX線信号がまとめてDAS1でサンプリングされる。
具体的には、図6のスイッチSWaが閉じた状態、即ち、オンの状態になると、DAS1の積分器に検出素子aのX線信号が読み出され、検出素子aのX線信号がサンプリングされる。次に、リセットスイッチRWSが閉じた状態となり、積分器の電荷が放出される。その後、リセットスイッチRWSが開いた状態、即ち、オフの状態で、スイッチSWbが閉じた状態となり、積分器に検出素子bのX線信号が読み出される。同様に、リセットスイッチRWSが閉じた状態となり、積分器の電荷が放出された後、リセットスイッチRWSがオフの状態で、スイッチSWcが閉じた状態となり、積分器に検出素子cのX線信号が読み出される。リセットスイッチRWSが閉じた状態となり、積分器の電荷が放出された後、リセットスイッチRWSがオフの状態で、スイッチSWdが閉じた状態となり、積分器に検出素子dのX線信号が読み出される。このように、高精細設定された検出素子グループについてそれぞれの検出素子からのX線信号が順番にDASに読み出される。
一方、ノーマル設定の検出素子グループからX線信号を読み出す場合、積分器のリセットスイッチRSWは開いた状態、即ちオフの状態に維持される。したがって、スイッチSWeが閉じた状態、即ち、オンの状態で、DASの積分器に検出素子eのX線信号が読み出される。次に、スイッチSWfが閉じた状態になり、検出素子fのX線信号が積分器に読み出される。この時、積分器は検出素子e及び検出素子fのX線信号が蓄積される。同様に、スイッチSWgが閉じた状態になり、検出素子gのX線信号が積分器に読み出され、スイッチSWhが閉じた状態になり、検出素子hのX線信号が積分器に読み出される。このように、積分器のリセットスイッチRSWがオフの状態で、ノーマル設定の検出素子から順番に積分器にX線信号が読み出され、積分器には検出素子e、検出素子f、検出素子g、検出素子hのX線信号が蓄積する。このように、積分器のリセットスイッチRSWがオフの状態で順番にX線信号が読み出されることで、4つの検出素子からの信号を束ねてサンプリングできる。
以上が、逐次読出し方式の説明である。次に、同時読出し方式について説明する。同時読出し方式では、検出素子ごとにDASが設けられており、グループ設定に応じてX線信号を読み出すDASが異なる。
図7は、同時読出し方式における高精細設定のX線信号の読み出し方法を説明する模式的な回路図である。図7の左側は、検出素子a、検出素子b、検出素子c、検出素子dの検出素子グループを示しており、検出素子グループは高精細設定に設定されている。
検出素子aは、出力信号線s1でDAS1に接続されており、検出素子aから出力信号線s1への接続部分には3路スイッチSW1が設けられている。3路のスイッチSW1は、H側の接点とN側の接点とのいずれかに接続可能であり、高精細設定の場合、3路のスイッチSW1はH側の接点と接続し、DAS1によって検出素子aのX線信号が読み出される。検出素子bとDAS2との間に設けられた3路スイッチSW2もH側の接点とN側の接点とのいずれかに接続可能であり、高精細設定の場合、3路のスイッチSW2はH側の接点と接続し、出力信号線s2を介してDAS2によって検出素子bのX線信号が読み出される。同様に、検出素子cとDAS3との間に設けられた3路スイッチSW3もH側の接点とN側の接点とのいずれかに接続可能であり、高精細設定の場合、3路のスイッチSW3はH側の接点と接続し、出力信号線s3を介してDAS3によって検出素子bのX線信号が読み出される。検出素子dとDAS4との間に設けられた3路スイッチSW4もH側の接点とN側の接点とのいずれかに接続可能であり、高精細設定の場合、3路のスイッチSW4はH側の接点と接続し、出力信号線s4を介してDAS4によって検出素子dのX線信号が読み出される。
同時読出し方式では、各検出素子の3路スイッチの切り替えは同時に行われ、複数の検出素子からX線信号を同時に読み出すことができる。図7で説明した通り、検出素子グループの設定が高精細設定の場合は、それぞれの検出素子に対応するDASがそれぞれの検出素子で検出されたX線信号を読み出す。一方、ノーマル設定の場合は、検出素子a、検出素子b、検出素子c、検出素子dの各検出素子からのX線信号はまとめて1つのDASによって読み出される。
図8は、同時読出し方式におけるノーマル設定のX線信号の読み出し方法を説明する模式的な回路図である。図8は、図7と異なり、各検出素子の3路のスイッチはN側の接点と接続し、X線信号は出力信号線s1を介してDAS1によって読み出される。
具体的には、検出素子aからのX線信号は、3路スイッチSW1がN側の接点に接続されることによって、出力信号線s1を介してDAS1に読み出される。検出素子bからのX線信号は、3路スイッチSW1がN側の接点に接続されることによって、出力信号線s1を介してDAS1に読み出される。同様に、検出素子cからのX線信号は、3路スイッチSW1がN側の接点に接続されることによって、出力信号線s1を介してDAS1に読み出される、検出素子dからのX線信号は、3路スイッチSW1がN側の接点に接続されることによって、出力信号線s1を介してDAS1に読み出される。検出素子a、検出素子b、検出素子c、検出素子dの各検出素子からのX線信号は同時にDAS1に読み出されるため、DAS1では検出素子a、検出素子b、検出素子c、検出素子dのX線信号の総和がサンプリングされる。
図4乃至図8を用いてデータ収集回路66におけるX線信号の読出し方式を説明した。データ収集回路66は逐次読出し方式と同時読出し方式のいずれかの読出し方法によりX線信号を読み出すよう構成されている。データ取集回路66では、読み出された高精細データ及びノーマルデータに対して、0次オフセットの補正やゲイン調整のためのキャリブレーション処理が実施される。0次オフセットの補正用の補正値やキャリブレーション用のデータは、高精細データとノーマルデータとで異なる。したがって、高精細データとノーマルデータと区別するためにデータ収集回路66は高精細データとノーマルデータとを識別するためのモードフラグを付与するように構成されてもよい。
図9は、高精細データとノーマルデータとを識別するためのモードフラグについて説明する模式図である。図9の上段は高精細データを、下段はノーマルデータをそれぞれ示している。図9の右下にはモードフラグとして、高精細データの場合は「h」を、ノーマルデータの場合は「n」を付与する例を示している。
図9の上段左側は、モードフラグを付与する前の4つの高精細データの例を示しており、A、B、C、Dの高精細データがそれぞれ示されている。図9の上段右側は、A、B、C、Dのそれぞれの高精細データに高精細モードフラグ「h」が付与され、「A‐h」、「B‐h」、「C‐h」、「D‐h」の高精細データが示されている。
図9の下段左側は、モードフラグを付与する前のノーマルデータの例を示しており、ある1つのノーマルデータXが示されている。図9の上段右側は、高精細データと同じデータ数である4個にノーマルデータを分割して、それぞれにノーマルモードフラグ「n」が付与された「X-n」のノーマルデータが4つ示されている。上記の処理後に、データ収集回路66からデータ伝送装置52にノーマルデータを出力することにより、記憶回路82に収集データを保存する際、ノーマルデータを構成する各検出素子グループの検出素子に対応する各データにおけるチャネル方向及び列方向の位置が、どのモードでスキャンしてもずれることなく保存することが可能となる。
処理回路81は、高精細データ及びノーマルデータのそれぞれに付与されたモードフラグに基づいてデータの種類を判定し、データの種類に応じて補正やキャリブレーションにおいて適用される補正値やデータを判定し、補正処理を行う。
このように、ノーマル設定では、複数の検出素子で検出されたX線信号を加算し、1つの検出素子からのX線信号とみなすことで、S/N比(Signal/Noise Ratio)の高いデータを得ることができる。一方、高精細設定では、複数の検出素子それぞれからX線信号を得るため、ノーマルデータと比較してS/N比は低くなるが、分解能の高いデータを得ることができる。
なお、図3から図9では、説明を簡略化するため、4つの検出素子を1つのグループにする例を示したが、1つのグループにグループ化される検出素子の個数は、4個には限定されない。1つのグループにされる検出素子の個数は、例えば、2個でも、8個でもよい。また、図3から図8の例では格子状にグループ化される例を示したが、グループ化される形状は格子には限定されない。
以下、図10から図12を適宜参照し、第1の実施形態に係るX線CT装置10の検出素子の設定例を説明する。図10から図12では、多数の検出素子のうち、一部の検出素子に対しては高精細設定が適用され、残りの検出素子に対してはノーマル設定が適用される場合について説明する。
図10は、第1の実施形態における検出素子の第1の設定例を示す平面模式図である。図10では、一例として、図3の表記と同様に、紙面の横方向はチャネル方向、紙面の縦方向は列方向を示している。また、チャネル方向と列方向に示した数字は、図3と同様に各検出素子の位置を示す。
図10は、検出素子グループの設定方法が列方向に同じであるものの、チャネル方向には異なる一例を示す。図10は、ノーマル設定の検出素子グループを4個の検出素子から構成される例を示している。ノーマル設定の検出素子グループに属する検出素子については、縦2×横2の計4個を1つの構成で表記し、高精細設定の検出素子グループに属する検出素子については、1つの検出素子を1つの格子で表記している。なお、この点は後述の図11及び図12も同様である。図10の検出素子グループの設定は、高精細設定の検出素子2列と、ノーマル設定の検出素子2列とがチャネル方向に交互に配列される例を示す。
高精細設定及びノーマル設定のチャネル方向の並び方は図10に示した順番には限定されず、例えば、所定の回数ごとに高精細設定とノーマル設定が繰り返されてもよいし、チャネル方向にランダムに並んでいてもよい。また、高精細設定とノーマル設定との比率は1:1には限定されず、取得する画像の分解能やS/N比に応じて決定されてもよい。
図11は、第1の実施形態における検出素子の第2の設定例を示す平面模式図である。図11は、検出素子グループの設定がチャネル方向に同じであるものの、列方向には異なる例を示す。図11の検出素子グループの設定は、高精細設定の検出素子2行と、ノーマル設定の検出素子2行とが列方向に交互に配列される例を示す。図10の例と同様に、高精細設定及びノーマル設定の並び方は、図11の態様には限定されず、例えば、所定の回数ごとに高精細設定とノーマル設定とが繰り返されてもよいし、ランダムに並んでいてもよい。また、高精細設定とノーマル設定との比率は、1:1には限定されず、取得する画像の分解能やS/N比に応じて決定されてもよい。
図12は、第1の実施形態における検出素子の第3の設定例を示す平面模式図である。図12のX線検出器65の左から1番目の列方向において、縦2×横2の計4個の検出素子からなる検出素子グループの単位で、高精細設定が適用された検出素子グループ、ノーマル設定が適用された検出素子グループの順で、検出素子グループが列方向に交互に並んでいる。図12のX線検出器65の左から2番目において、検出素子グループの単位で、ノーマル設定が適用された検出素子グループ、高精細設定が適用された検出素子グループの順で、検出素子グループが列方向に交互に並んでいる。図12では、この2つの配列がチャネル方向に繰り返されることで千鳥模様の配列パターンとなる例を示している。
すなわち、Nを4の倍数とし、N−3列目及びN−2列目の互いに隣接する2行の検出素子では、チャネル方向の第1列から高精細設定で始まるように、高精細設定の検出素子グループ及びノーマル設定の検出素子グループがチャネル方向に交互に配列される。反対に、N−1列目及びN列目の互いに隣接する2行の検出素子では、チャネル方向の第1列からノーマル設定で始まるように、高精細設定の検出素子グループ及びノーマル設定の検出素子グループがチャネル方向に交互に配列される。
前述の図10及び図11の場合と同様に、このような高精細設定およびとノーマル設定の千鳥模様の配列に関しても、並び方、すなわち、検出素子グループの配置パターンは、検出素子の4行ごとに同じパターンが繰り返される態様には限定されない。例えば、ノーマル設定の検出素子グループが縦3個×横3個の9個の検出素子から構成される場合も、検出素子の6行ごとに同じパターンを繰り返すことで、高精細設定の検出素子グループと、ノーマル設定の検出素子グループとを千鳥模様に配列できる。
なお、図10から図12で説明したそれぞれの配置パターンを組み合わせることもできる。例えば、X線検出器65の一部の領域については図3で示した配置パターンが適用され、他の一部の領域については図10又は図11で示した配置パターンが適用されてもよい。
上述のように、X線検出器65の設定を部分的に高精細設定とし、残りをノーマル設定とすることで、1回のX線検出動作で、高精細データとノーマルデータとを同時に収集することができる。
次に、図13から図17を適宜参照し、ビューごとに検出素子の設定を切り替える例を説明する。本明細書においてビューは、X線CT装置10のスキャンにおける1つの角度方向のことである。まず、図13を用いてビューを説明する。
図13は、ビュー(X線CT装置のスキャンにおける1つの角度方向)を説明する概略図である。図13は、回転架台32のX線管62及びX線検出器65が、回転架台32の回転方向を示す矢印の方向に回転する場合を示している。ビューは、撮像角度のことであり、撮像角度は、回転架台32内を回転するX線管62及びX線検出器65の位置により決まる。
図12に示すように、例えば、回転架台32の回転に従って、X線管62及びX線検出器65が移動し、第1のビュー、第2のビュー、第3のビューでそれぞれ投影データが得られる。すなわち、実線で示した第1のビューにおいてX線管62から放射されたX線がX線検出器65で検出され、第1の投影データが収集される。次に、回転架台32が回転し、X線管62及びX線検出器65が移動し、破線で示した第2のビューにおいて第2の投影データが収集される。さらに、一点鎖線で示した第3のビューで第3の投影データが収集される。
このように、実施形態に係るX線CT装置10の1つのスキャンは、複数のビューから構成される。また、実施形態に係るX線CT装置10の1つのスキャンは、1つの画像データが取得される撮像に対応する。例えば、回転架台32の半回転+αで1つのボリュームデータが生成される。このようなスキャンも1つのスキャンに含まれる。さらに、被検体Qの全身を1回のスキャンで収集することも、1つのスキャンに含まれる。このように、1つのスキャンは、X線管62からX線が継続的に照射される場合、又は、回転架台が継続して回転している場合を含む。
図14は、第1の実施形態の検出素子におけるビューごとの設定の切り替えに係る第1の例を示す平面模式図である。図14の上段は、第1のビューにおけるX線検出器65の設定を示し、図14の下段は、第2のビューにおけるX線検出器65の設定を示している。図14は、検出素子の設定をビューごとに交互に切り替える例を示している。高精細設定とノーマル設定との切り替えは、所定のビュー間隔であってもよく、さらに、高精細設定とノーマル設定の比率は1:1には限定されない。
このようにビューごとにX線検出器65の高精細設定とノーマル設定を切り替えることで、高精細データ及びノーマルデータの両方を1回のスキャンで一括的に収集することができる。
図15は、第1の実施形態の検出素子におけるビューごとの設定の切り替えに係る第2の例を示す平面模式図である。図15に示したそれぞれの図は、図14と同様に、上段は第1のビューを、下段の図は第2のビューを示している。
図15において、第1のビューでは図10に示した高精細設定及びノーマル設定の配列パターンに設定される。一方、第2のビューでは、図10に示した高精細設定及びノーマル設定の配列パターンが、チャネル方向に2列分ずれた配列パターンが設定される。なお、チャネル方向のずれ方は1列分ずつ、すなわち、ビューごとに高精細設定又はノーマル設定の列が1列ごとに重なるように配列パターンをずらしてもよい。
このように、図15は、図14と同様に、奇数番目のビューと偶数番目のビューとで配列パターンを交互に切り替える例を示している。
以下、図16及び図17で、奇数番目のビューと偶数番目のビューとで配列パターンを交互に切り替える、別の例を示す。
図16は、第1の実施形態の検出素子におけるビューごとの設定の切り替えに係る第3の例を示す平面模式図である。図16に示したそれぞれの図は、図14と同様に、上段は第1のビューを、下段の図は第2のビューを示している。
図16は、第1のビューでは図11に示した高精細設定及びノーマル設定の配列パターンに設定される。一方、第2のビューでは、図11に示した高精細設定及びノーマル設定の配列パターンが、列方向に2列分ずれた配列パターンが設定される。なお、列方向のずれ方は1列分ずつ、すなわち、ビューごとに高精細設定又はノーマル設定の列が1列ごとに重なるように配列パターンをずらしてもよい。
図17は、第1の実施形態の検出素子におけるビューごとの設定の切り替えに係る第4の例を示す平面模式図である。図16に示したそれぞれの図は、図14と同様に、上段は第1のビューを、下段の図は第2のビューを示している。
図17は、第1のビューでは図7に示した高精細設定及びノーマル設定の配列パターンに設定される。一方、第2のビューでは、図13に示した高精細設定及びノーマル設定の配列がチャネル方向又は列方向のいずれか一方に1列ずれた配列パターンが設定される。すなわち、図17は、偶数番目のビューと奇数番目のビューとで対称的な配列パターンが適用される例を示している。
なお、図15から図17に示した各配列パターンは相互に組み合わせが可能である。例えば、第1のビューは図15の上段に示した配列パターン、第2のビューは図16の上段に示した配列パターン、第3のビューは図17の上段に示した配列パターン、というように組み合わせて切り替えることも可能である。
このように、第1の実施形態に係るX線CT装置10及びX線検出装置20によれば、1つのスキャンで高精細データとノーマルデータの両方のデータを収集できる。したがって、従来技術よりも撮像時間及びX線被ばく量を低減できる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した検出素子の設定を、X線信号強度の違いに応じて変更する方法に関する。
図18は、第2の実施形態に係るX線CT装置10の機能構成例を示す機能ブロック図である。図18に示すコンソール装置12の処理回路81は、決定機能811及び画像再構成機能813を有する。決定機能811及び画像再構成機能813は記憶回路82に格納されているプログラムを処理回路81のプロセッサが実行することによって実現される機能である。
決定機能811は、X線検出器65の各検出素子で検出されたX線信号強度に応じて、検出素子の設定を判定し、制御回路661に検出素子の設定を変更させる。例えば、第1のビューにおいて、高精細設定で検出されたX線信号強度が低い場合、所定のS/N比を維持できなくなる場合がある。その場合、第2のビューにおいて検出素子の設定をノーマル設定に変更することで、S/N比を改善することができる。
このように、決定機能811は、各検出素子で検出されたX線信号強度の実測値に基づいて、検出素子の設定を高精細設定とノーマル設定のいずれにすべきかを決定する。
画像再構成機能813は、スキャナ装置11で収集された投影データに基づいて画像再構成処理を実行する。画像再構成機能813で画像再構成処理が実行されるとCT画像が生成される。生成されたCT画像はディスプレイ84に表示され、あるいは、記憶回路82に記憶される。
図19は、第2の実施形態に係るX線CT装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図19のフローチャートのステップ番号に従って、第2の実施形態に係るX線CT装置10の動作を説明する。
ステップST101において、X線管62は、高電圧発生装置61から供給された管電圧に応じてX線検出器65に向けX線を照射する。これにより、X線照射が開始される。
ステップST103において、X線検出器65のそれぞれの検出素子は、あるビュー、例えば、第1のビューにおいて被検体Qを透過したX線信号を検出する。検出されたX線信号に基づいて、それぞれの検出素子はX線信号強度を測定する。
ステップST105において、X線信号強度は制御回路661に送信される。さらに、データ伝送装置52は、X線信号強度をスキャンコントローラ23を介してコンソール装置12の決定機能811に送信する。
ステップST107において、決定機能811は、X線信号強度が所定の閾値以上か否かを検出素子ごとに判定する。決定機能811は、所定の閾値以上と判断された検出素子には高精細設定を適用し、所定の閾値未満と判断された検出素子にはノーマル設定を適用する。決定機能811で決定された検出素子ごとの上記設定内容は、スキャンコントローラ23を介してデータ収集回路66の制御回路661に送信される。
なお、高精細設定の検出素子グループにおけるX線信号強度は、検出素子グループの各検出素子で検出されたX線信号強度の平均値に基づいて判定されてもよい。また、X線信号強度は、検出素子グループの各検出素子で検出されたX線信号強度の最大値や中央値に基づいて判定されてもよい。
ある検出素子グループについてX線信号強度が所定の閾値以上であると判定された場合、ステップST107のYES方向に分岐する。この場合、ステップST109において、制御回路661は、X線信号強度が所定の閾値以上であると判定された検出素子グループに対して高精細設定を適用する。
一方、ある検出素子グループについてX線信号強度が所定の閾値未満であると判定された場合、ステップST107のNOの方向に分岐する。この場合、ステップST111において、制御回路661はX線信号強度が所定の閾値未満であると判定された検出素子グループに対してノーマル設定を適用する。
ステップST109及びステップST111における検出素子グループの設定は、X線信号強度が測定されたビューよりも後のビューに適用される。例えば、第1のビューで測定されたX線信号強度に基づいて、第2のビューにおける検出素子グループの設定が変更される。
ステップST113において、スキャンコントローラ23は、スキャンの終了判定を行い、スキャンを継続する場合はNOの方向に分岐し、ステップST103に戻って動作が継続する。一方、スキャンコントローラ23がスキャンを終了すると判定した場合はYESに分岐し、スキャンが終了する。
なお、上述の動作では、各検出素子グループに対する高精細設定又はノーマル設定の一方の適用を1つのビューごとに判定及び変更する例を示したが、これは一例にすぎない。各検出素子グループに対する高精細設定又はノーマル設定の一方の適用は、所定の複数のビューごとに実行されてもよい。
また、決定機能811は、ビューごとの検出素子グループにおけるX線信号強度の変化に応じて、各検出素子グループに高精細設定又はノーマル設定のいずれを適用するかを決定してもよい。X線信号強度は構造物の境界部分で大きく変化する。例えば、体腔部分から臓器の部分にビューが移動した場合、X線信号強度の変化は大きくなる。体腔部分ではX線透過度が高く、X線信号強度は高くなる一方、臓器のように構造物が存在する部分では、X線透過度が低く、X線信号強度は体腔部分と比較して低くなる。したがって、X線強度が高い部分から低い部分に変化した場合、体腔部分から臓器にビューが移動したことを示す。臓器の存在するビューでは高解像度又は高S/N比の画像を収集することが望まれる。したがって、決定機能811は、X線信号強度の差から構造物の境界部分を判定し、検出素子の設定を境界部分で変更してもよい。例えば、決定機能811は、体腔部分のように高分解能の撮像が不要な領域ではノーマル設定で撮像し、臓器については高分解能の高精細設定で撮像するように、高精細設定及びノーマル設定を適用してもよい。
さらに、高精細設定又はノーマル設定のどちらを各検出素子グループに適用するかの判定に関して、決定機能811は、本スキャンに先駆けて収集されるスキャノ画像を撮像する際に測定されたX線信号強度を用いてもよい。スキャノ画像とは、X線CT装置10で、例えば、撮像範囲を指定する際に取得される画像のことであり、X線管62とX線検出器65とを被検体Qの体軸方向に平行に移動させて収集する2次元画像のことである。
決定機能811は、スキャノ画像に基づいて、あらかじめ撮像範囲におけるX線信号強度分布を測定し、高精細設定が適用される検出素子と、ノーマル設定が適用される検出素子とを本スキャン前に決定してもよい。
また、X線CT装置10は、スキャノ画像上にX線信号強度分布を表示し、高精細設定が適用される範囲とノーマル設定が適用される範囲とを指定するためのユーザの入力を入力回路83から受け付けてもよい。この場合、決定機能811は、入力された範囲に基づいて、高精細設定又はノーマル設定のどちらに各検出素子の設定を適用するかを決定してもよい。
なお、決定機能811により高精細設定として決定されたX線検出器65の領域について、第1の実施形態の図10から図13で説明した配列パターンを適用してもよい。すなわち、高精細設定の領域に対応する検出素子グループをすべて高精細設定にするのではなく、図10から図13で説明した配列パターンを適用してもよい。なお、第1の実施形態で説明した検出素子の設定は高精細データとノーマルデータの両方を収集可能であり、このような検出素子の設定を、第2の実施形態において高精細データを収集したい領域に適用しても、高精細データを収集することが可能である。
また、記憶回路82に撮像条件を記憶しておき、撮像条件に含まれるX線ビームの線量、照射範囲、形状、及び、線質などの照射条件に基づいて、決定機能811はスキャン開始前にX線信号強度を予測することができる。このようにX線信号強度の予測値に基づいてビューごとに各検出素子グループに高精細設定又はノーマル設定のいずれを適用するかを決定してもよい。
このように、第2の実施形態に係るX線CT装置10によれば、X線信号強度に応じて検出素子グループごとに高精細設定又はノーマル設定のいずれを適用するかを動的に切り替えることが可能となる。したがって、1つのスキャン内のあるビューで測定されたX線信号強度に基づいて、その後のビューにおいて各検出素子グループに高精細設定又はノーマル設定のいずれを適用するかをダイナミックに変更できる。また、このような動的な変更により、分解能及びS/N比が最適となるように調整しながら画像データを収集できる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第1の実施形態で説明した検出素子の設定を、撮像条件に応じて変更する方法に関する。
図20は、第3の実施形態に係るX線CT装置10の機能構成例を示す機能ブロック図である。図20において、第3の実施形態に係るX線CT装置10の処理回路81は、図18で示した第2の実施形態に係るX線CT装置10の処理回路81の各機能に加えて、算出機能815をさらに有する。算出機能815は、記憶回路82に格納されているプログラムを処理回路81のプロセッサが実行することによって実現される機能である。
決定機能811は、記憶回路82に格納されている撮像条件に基づいて検出素子の設定を決定する。撮像条件には、例えば、撮像部位が含まれており、決定機能811は撮像部位ごとに検出素子の設定を高精細設定とするかノーマル設定とするかを決定する。
算出機能815は、記憶回路82に格納されている撮像条件中の撮像部位に応じて、高精細設定及びノーマル設定を制御するタイミングを算出する。すなわち、算出機能815は、撮像部位がどのビューに含まれるかを撮像条件に基づき算出し、検出素子の設定を切り替えるタイミングを算出する。撮像条件は撮像位置、例えば、撮像部位の標準的な大きさ、天板位置、被検体Qの***、被検体Qが天板71に載置される位置、ビューの角度、回転時間、総スキャン時間、及び、スキャンスライス厚などの情報を含む。また、撮像条件は例えば、天板コントローラ72により取得された現在の天板位置や移動量といった情報を含む。このような情報に基づいて、算出機能815は、設定の切り替えタイミングを算出する。
図21は、第3の実施形態に係るX線CT装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図22及び図23を適宜参照しつつ、図21のフローチャートのステップ番号に従って、第3の実施形態に係るX線CT装置10の動作を説明する。
ステップST201において、X線CT装置10に撮像条件が入力される。入力された撮像条件は記憶回路82に格納される。なお、撮像条件はあらかじめ記憶回路82に格納されていてもよい。また、撮像条件は、外部の記憶装置に記憶されており、例えば、電子ネットワーク経由でX線CT装置10の記憶回路82に入力されてもよいし、入力回路83を介してユーザが入力してもよい。
ステップ203において、決定機能811は、撮像条件に含まれる撮像部位に基づいて検出素子の設定を決定する。決定機能811における検出素子の撮像部位ごとの設定については図23で詳細に説明する。
図22は、第3の実施形態における撮像部位ごとの設定を説明する表である。図22は、撮像部位ごとの検出素子の設定を一覧で示す表である。図22の表は、上から、(頭部、高精細)、(胸部、ノーマル)、(腹部、ノーマル)、・・・(下肢、ノーマル)を示している。
図22の表に示すように、頭部のように構造が細密な部位については、分解能の高い高精細設定で画像データを収集することが望ましい。一方で、腹部のように分解能よりもX線信号強度が重要な部位については、S/N比が良好なノーマル設定で画像データを収集することが望ましい。また、例えば血液量の測定など定量的な観察を行う場合、S/N比が良好な画像が望ましい。このように、撮像部位や検査の種類などに応じて取得する画像データに求められる画質が変化する。
図23は、1つのスキャンで頭部、胸部、腹部を撮像範囲とする例を示している。その際、図22の表に示すように、頭部は、高精細設定で収集する撮像部位である。一方、胸部及び腹部は、ノーマル設定で収集する撮像部位である。
図23に示した矢印Aは、高精細設定で撮像すべき範囲を示しており、矢印Bはノーマル設定で撮像すべき範囲を示している。このように、撮像条件に応じて直線Cで示す位置で検出素子の設定は変更される。
図21のフローチャートに戻って説明を続ける。
ステップST205において、算出機能815は、撮像条件に基づいて検出素子の設定を変更するタイミングを算出する。算出機能815は、撮像条件に含まれる撮像位置、例えば、撮像部位の標準的な大きさ、天板71に被検体Qが載置された位置、ビューの角度、回転時間から、変更すべきビューに到達するまでの撮像時間やビュー数などを算出する。
ステップST207において、決定機能811で決定されたX線検出器の設定、及び、算出機能815で算出されたタイミングは、スキャンコントローラ23を介して制御回路661に伝送される。
ステップST209において、スキャナ装置11は、撮像条件に基づいてスキャンを開始する。
ステップST211において、制御回路661は、算出機能815で算出されたタイミングで検出素子の設定を切り替える。
なお、第2の実施形態と同様に、X線検出器65において高精細設定となる領域は、図10から図12で説明した配列パターンが設定されてもよい。
また、撮像部位は頭部や胸部といった部位単位に限らず、脳や心臓といった臓器単位で設定されていてもよい。さらに、X線検出器65の設定は、対象となる部位を透過したX線を検出するX線検出器65の領域ごとにされてもよい。すなわち、心臓の画像データを高精細設定で収集する場合、心臓を透過したX線が検出される検出素子が存在するX線検出器65の領域を、高精細設定としてもよい。
さらに、スキャノ画像に基づいて撮像範囲を決定する際に、ユーザが入力回路83を介して高精細設定で収集したい範囲と、ノーマル設定で収集したい範囲とを入力できてもよい。
このように、第3の実施形態に係るX線CT装置10は、1つのスキャンで複数の撮像部位を取得する場合、撮像部位に応じて動的に検出素子の設定を制御し、それぞれの撮像部位に適した分解能及びS/N比で画像データを収集できる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態のX線CT装置10及びX線検出装置20によれば、1つのスキャンで高精細データとノーマルデータとを収集することが可能となる。
請求項の用語と実施形態との対応関係は、例えば以下の通りである。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
処理回路81の決定機能811は請求項記載の決定部の一例である。また、処理回路81の算出機能815は、請求項記載の算出部の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…X線CT装置
20…X線検出装置
11…スキャナ装置
12…コンソール装置
23…スキャンコントローラ
31…固定架台
32…回転架台
52…データ伝送装置
62…X線管
65…X線検出器
66…データ収集回路
661…制御回路
81…処理回路
82…記憶回路
83…入力回路
84…ディスプレイ
811…決定機能
813…画像再構成機能
815…算出機能

Claims (9)

  1. 被検体を透過したX線に応じてX線信号を出力する複数の検出素子が含まれるX線検出器と、
    前記検出素子のそれぞれから出力される複数のX線信号である高精細データを収集する高精細設定と、前記検出素子のそれぞれから出力される複数のX線信号が束ねられたX線信号であるノーマルデータを収集するノーマル設定とを、1スキャン中に収集するように切り替えるスキャンコントローラと
    を備え、
    前記1スキャンは複数のビューを含み、
    前記スキャンコントローラは、前記検出素子ごとに、前記高精細設定と前記ノーマル設定とを、前記ビューに応じて切り替える、
    X線CT装置。
  2. 前記スキャンコントローラは、
    前記X線検出器の部分的な領域に属する前記検出素子を前記高精細設定とし、残りの領域に属する前記検出素子を前記ノーマル設定とし、かつ、前記ビューに応じて、両領域の設定を交互に切り替える、
    請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記スキャンコントローラは、
    前記X線検出器の列方向には前記検出素子のそれぞれに同じ収集設定を設定し、前記X線検出器のチャネル方向には所定数の前記検出素子ごとに異なる収集設定を設定する、
    請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記スキャンコントローラは、
    前記X線検出器のチャネル方向には前記検出素子のそれぞれに同じ収集設定を設定し、前記X線検出器の列方向には所定数の前記検出素子ごとに異なる収集設定を設定する、
    請求項2又は請求項3に記載のX線CT装置。
  5. 前記スキャンコントローラは、
    前記X線検出器の列方向に所定数の前記検出素子ごとに異なる収集設定を設定し、かつ、前記X線検出器のチャネル方向にも当該所定数の前記検出素子ごとに異なる収集設定を設定する、
    請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  6. 前記スキャンコントローラは、
    前記X線検出器で取得されるX線信号強度に応じて、前記高精細設定と前記ノーマル設定とを前記検出素子ごとに切り替える、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  7. 撮像条件を記憶する記憶回路と、
    前記撮像条件に基づいて前記高精細設定と前記ノーマル設定とを切り替えるタイミングを算出する算出部と、をさらに備え、
    前記スキャンコントローラは、
    前記算出部により算出されたタイミングに基づいて、前記ビューに応じて前記高精細設定と前記ノーマル設定とを切り替える、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  8. 透過したX線に応じたX線信号をそれぞれ出力する複数の検出素子が含まれるX線検出器と、
    前記複数の検出素子に対して複数のグループを設定する制御回路と、
    所定のグループについてグループ内の検出素子のそれぞれから出力される複数のX線信号をそれぞれ独立した画素に対応する画素値として収集する高精細データと、他のグループについてグループ内の検出素子のそれぞれから出力される複数のX線信号を1つの画素に対応する画素値として収集するノーマルデータとを、同時に収集するスキャンコントローラと、
    撮像条件を記憶する記憶回路と、
    前記撮像条件に基づいて、前記高精細データを収集するための高精細設定に設定する前記所定のグループと、前記ノーマルデータを収集するためのノーマル設定に設定する前記他のグループとを決定する決定部と、
    前記撮像条件に基づいて前記高精細設定及び前記ノーマル設定を制御するタイミングを算出する算出部と、
    を備えたX線CT装置。
  9. X線を検出してX線信号をそれぞれ出力する複数の検出素子と、
    前記検出素子のそれぞれから出力される複数のX線信号である高精細データを収集する高精細設定と、前記検出素子のそれぞれから出力される複数のX線信号が束ねられたX線信号であるノーマルデータを収集するノーマル設定とを、1スキャン中に収集するように切り替えるデータ収集回路と
    を備え、
    前記1スキャンは複数のビューを含み、
    前記データ収集回路は、前記検出素子ごとに、前記高精細設定と前記ノーマル設定とを、前記ビューに応じて切り替える、
    X線検出装置。
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