JP6870624B2 - 多成分系液化ガスの成分調整装置 - Google Patents

多成分系液化ガスの成分調整装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば天然ガスを液化したLNGのような多成分系液化ガスの成分調整装置に関する。
多成分系液化ガスの例として、液化天然ガス(LNG)を挙げて説明する。
LNG基地においては、LNGを気化させて都市ガス向けの燃料ガス、および発電向けの燃料ガスが製造されている。
都市ガス向けの燃料ガスは、都市ガスとして規定された熱量範囲を満足するように熱量を調整して供給する必要がある。LNGを気化させたNG(天然ガス)の熱量は上述した規定熱量範囲より低い場合が多く、通常、増熱剤(LPG等)を混合して熱量調整する。
他方、発電向けの燃料ガスは、都市ガス向けのように熱量範囲が規定されているわけではなく、通常は熱量調整を行わずに供給されている。
都市ガス向けの燃料ガスに混合される増熱剤はLNGとは別途調達する必要があり、そのコスト削減には大きなニーズがある。混合する増熱剤量を低減するための一方策として、熱量調整が要求されない発電向け燃料ガスからプロパン、ブタン等の重質成分を分離回収し、熱量調整に用いる技術が例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1においては、LNGを気化させたNGから重質成分を分離回収する分離回収装置として蒸留装置、ガス分離装置、吸着装置が実施の形態に開示されている。
しかし、蒸留装置は設備構成が複雑でありコストが高くなるし、吸着装置はバッチ式であるため、連続処理を行うには複数の吸着装置を組み合わせる必要があり構成が複雑でコストが高くなるという問題がある。
他方、ガス分離膜装置は装置構造が単純でコストが低いという利点がある。なお、ガス分離装置に使用される分離膜は、ガスの種類によって透過しやすさが異なる性質を利用して多成分系ガスから特定成分のガスを分離するものであり、例えばゴム状高分子膜やガラス状高分子膜などがある。膜を透過して流出してくるガス(透過ガス)には、透過しやすいガス成分が濃縮されている。一方、膜を透過しないで流出してくるガス(非透過ガス)には、逆に透過しにくいガス成分が濃縮されている。膜を透過する際には圧力損失が生じ、透過ガスの圧力は、分離膜に供給される供給ガスの圧力より低下することになる。非透過ガスも多少の圧力低下は生じるが、その程度は透過ガスの圧力低下に比較して非常に小さい。
ここで、特許文献1に記載された膜分離によるガス分離装置に関する第5実施の形態について検討する。
特許文献1の第5実施の形態では、特許文献1の図5に示されるように、気化器で気化したガスを分岐して、一方はガス分離装置に他方は熱量調整装置に流し、ガス分離装置で膜分離されたガスは一旦ガスタンクに貯留して熱量調整装置に増熱剤として供給するようになっている。
特許第5653563号公報 特表2009−532565号公報
特許文献1のガス分離装置を用いたプロセスは、特許文献1の図5に示されるようにガスの送出圧力において重質成分を分離し、概略同一圧力の送出ラインに混合している。ガス分離装置においてガスを膜分離するためには、透過側の圧力を装置入口より低くする必要がある。
メタンを透過しやすい分離膜を使用した場合、発電用ガスとして送出されるメタンガスは61のラインより必ず低圧である。発電用ガスとして要求される圧力を確保するためには、61のライン圧をその要求圧力より高くする必要がある。ここで、61のラインは、そのまま都市ガス向けラインに接続されている。一般に、発電用ガスと都市ガス向けガスの要求圧力は概略同じ場合が多い。都市ガス向けラインの圧力が、その要求圧力を満足するようにするためには、高圧状態の61のライン圧から減圧する必要があり、LNGポンプ17a、17bの昇圧動力の一部が無駄となり損失が生じていた。
逆に、プロパン、ブタン等の重質成分を透過しやすい分離膜を使用した場合、41のラインを通る透過ガスは61のラインより必ず低圧である。この透過ガスを特許文献1の図5の63に示される熱量調整装置にて61のラインを通る被混合ガスに混合して熱量調整に用いるには、透過ガスの圧力を被混合ガス以上にする必要があり、62に示される弁で61のラインを減圧せざるを得ず、損失が生じていた。
もっとも、57のガス分離装置の上流もしくは下流にコンプレッサーを設けることで、弁62における減圧操作無しに、膜分離に必要な圧力差を確保した上で透過ガスの圧力を被混合ガス以上にできるが、この場合にはガスの昇圧に伴う消費動力が大きいという問題がある。
なお、分離膜を用いたガス分離装置に関し、膜透過の差圧を確保する手段として、もともと圧力の低い昇圧装置のサクション側に透過ガスを戻すことが考えられ、そのようなプロセスの例が特許文献2に開示されている。
しかし、特許文献2に開示されているような気体と気体の混合では昇圧装置(図2の7)としてコンプレッサーを用いる他無く、やはり大きな消費動力がかかる。
上記のような課題は、LNGを気化して熱量調整する場合に限られず、例えば多成分系液化ガスである液体空気から酸素濃縮ガスをバーナーやボイラなどで支燃性ガスとして用いるような場合にも生ずる課題である。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、多成分系液化ガスから特定成分を膜分離装置で分離し、分離された特定成分を混合することで成分調整するに際して消費動力が大きくなることなく効率的に特定成分を分離して混合調整することができる多成分系液化ガスの成分調整装置を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る多成分系液化ガスの成分調整装置は、多成分系液化ガスラインに設けられて該多成分系液化ガスに特定成分が濃縮された濃縮ガスを混合する気液混合装置と、該気液混合装置の下流側に設けられて該気液混合装置で前記濃縮ガスが混合された混合液を昇圧する昇圧ポンプと、該昇圧ポンプの下流側に設けられて混合液を気化する気化器と、前記気化器の下流側に設けられて前記気化器によって気化されたガスの一部から特定成分を分離する膜分離装置と、該膜分離装置で分離されて特定成分が希薄になったガスを特定成分希薄ガスとして送出する第一ラインと、前記膜分離装置で分離されて特定成分が濃縮された濃縮ガスを前記気液混合装置に供給するリサイクルラインと、前記気化器と前記膜分離装置の間から分岐して前記気化器で気化されたガスの一部を特定成分が濃縮された特定成分濃縮ガスとして送出するための第二ラインとを備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記多成分系液化ガスラインにおける前記昇圧ポンプの下流側に熱交換器を設け、前記リサイクルラインを流れる濃縮ガスを前記熱交換器によって前記多成分系液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスの冷熱で冷却して前記気液混合装置に供給するようにしたことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記リサイクルラインに設けられて前記気液混合装置に供給する濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記リサイクルラインを流れる前記濃縮ガスの圧力、温度、流量及び組成と前記気液混合装置の上流側の多成分系液化ガスの圧力、温度、流量及び組成とをそれぞれ検出して、前記気液混合装置に供給される濃縮ガスの全量が前記気液混合装置で液化するように前記制御弁を制御する第1の制御装置とを備えたことを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記リサイクルラインに設けられて前記気液混合装置に供給する濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記気液混合装置の下流側において前記気液混合装置から排出される混合液の圧力、温度及び組成を検出して、該混合液の相状態を判定して、前記混合液が液相状態になるように前記制御弁を制御する第2の制御装置を備えたことを特徴とするものである。
(5)本発明に係る多成分系液化ガスの成分調整装置は、多成分系液化ガスラインに設けられて多成分液化ガスを昇圧する昇圧ポンプと、該昇圧ポンプの下流側に設けられて多成分液化ガスを気化する気化器と、前記気化器の下流側に設けられて前記気化器によって気化されたガスの一部から特定成分を分離する膜分離装置と、該膜分離装置で分離されて特定成分が希薄になったガスを特定成分希薄ガスとして送出する第一ラインと、
前記気化器と前記膜分離装置の間から分岐して前記気化器で気化されたガスの一部を特定成分が濃縮された特定成分濃縮ガスとして送出するための第二ラインと、
前記膜分離装置で分離されて特定成分が濃縮された濃縮ガスを気液分離装置で気液分離して、分離された分離液を前記第二ラインに供給する濃縮ガス分離供給ラインとを備え、
前記第二ラインは、該第二ラインに送られた前記気化器で気化されたガスに前記濃縮ガス分離供給ラインから供給される分離液を混合する第二気液混合装置を有し、
前記濃縮ガス分離供給ラインは、前記膜分離装置で分離された濃縮ガスを前記気液分離装置に供給するリサイクルラインと、該リサイクルラインに設けられて多成分液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスの冷熱で前記濃縮ガスを冷却する熱交換器と、前記気液分離装置で分離された分離液を前記第二ラインの前記第二気液混合装置に供給する分離液供給ラインとを有することを特徴とするものである。
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、前記濃縮ガス分離供給ラインは、前記気液分離装置で分離された分離ガスを前記多成分液化ガスラインに供給する分離ガス供給ラインを有し、
前記多成分液化ガスラインは、前記昇圧ポンプの上流側に、前記多成分系液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスに前記分離ガスを混合する気液混合装置を有することを特徴とするものである。
(7)また、上記(5)に記載のものにおいて、前記リサイクルラインにおいて熱交換器を設ける代わりに、前記多成分系液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスの一部を前記昇圧ポンプの下流側から前記気液分離装置に供給する多成分系液化ガス供給ラインを設けたことを特徴とするものである。
(8)また、上記(6)に記載のものにおいて、前記リサイクルラインにおいて熱交換器を設ける代わりに、前記多成分系液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスの一部を前記昇圧ポンプの下流側から前記気液分離装置に供給する多成分系液化ガス供給ラインを設けたことを特徴とするものである。
(9)また、上記(6)に記載のものにおいて、前記分離ガス供給ラインに設けられて前記気液混合装置に供給される分離ガスの量を調整する分離ガス制御弁と、前記リサイクルラインに設けられて前記気液分離装置に供給される濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記分離液供給ラインに設けられて前記第二気液混合装置に分離液を供給すると共に供給する分離液の量を調整する分離液ポンプと、
前記分離ガス供給ラインに供給される前記分離ガスの圧力、温度、流量及び組成と、前記気液混合装置に供給される多成分系液化ガスの圧力、温度、流量及び組成とをそれぞれ検出して、前記気液混合装置に供給される分離ガスの全量が前記気液混合装置で液化するように前記分離ガス制御弁を制御し、前記気液分離装置内の圧力、温度及び液面レベルを検出して前記気液分離装置内の圧力及び液面レベルが所定の範囲内になるように前記制御弁及び前記分離液ポンプを制御する第3の制御装置を備えたことを特徴とするものである。
(10)また、上記(6)に記載のものにおいて、前記分離ガス供給ラインに設けられて前記気液混合装置に供給される分離ガスの量を調整する分離ガス制御弁と、前記リサイクルラインに設けられて前記気液分離装置に供給される濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記分離液供給ラインに設けられて前記第二気液混合装置に分離液を供給すると共に供給する分離液の量を調整する分離液ポンプと、
前記気液混合装置の下流側において前記気液混合装置から排出される混合液の圧力、温度及び組成を検出して、該混合液の相状態を判定して、前記混合液が液相状態になるように前記分離ガス制御弁を制御し、前記気液分離装置内の圧力、温度及び液面レベルを検出して前記気液分離装置内の圧力及び液面レベルが所定の範囲内になるように前記制御弁及び前記分離液ポンプを制御する第4の制御装置を備えたことを特徴とするものである。
(11)また、上記(8)に記載のものにおいて、前記分離ガス供給ラインに設けられて前記気液混合装置に供給される分離ガスの量を調整する分離ガス制御弁と、前記リサイクルラインに設けられて前記気液分離装置に供給される濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記多成分系液化ガス供給ラインに設けられて前記気液分離装置に供給する多成分液化ガスの量を調整する多成分液化ガス制御弁と、前記分離液供給ラインに設けられて前記第二気液混合装置に分離液を供給すると共に供給する分離液の量を調整する分離液ポンプと、
前記分離ガス供給ラインに供給される前記分離ガスの圧力、温度、流量及び組成と、前記気液混合装置に供給される多成分系液化ガスの圧力、温度、流量及び組成とをそれぞれ検出して、前記気液混合装置に供給される分離ガスの全量が前記気液混合装置で液化するように前記分離ガス制御弁を制御し、前記気液分離装置内の圧力、温度及び液面レベルを検出して前記気液分離装置内の圧力及び液面レベルが所定の範囲内になるように前記制御弁、前記多成分液化ガス制御弁及び前記分離液ポンプを制御する第5の制御装置を備えたことを特徴とするものである。
(12)また、上記(8)に記載のものにおいて、前記分離ガス供給ラインに設けられて前記気液混合装置に供給される分離ガスの量を調整する分離ガス制御弁と、前記リサイクルラインに設けられて前記気液分離装置に供給される濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記多成分系液化ガス供給ラインに設けられて前記気液分離装置に供給する多成分液化ガスの量を調整する多成分液化ガス制御弁と、前記分離液供給ラインに設けられて前記第二気液混合装置に分離液を供給すると共に供給する分離液の量を調整する分離液ポンプと、
前記気液混合装置の下流側において前記気液混合装置から排出される混合液の圧力、温度及び組成を検出して、該混合液の相状態を判定して、前記混合液が液相状態になるように前記分離ガス制御弁を制御し、前記気液分離装置内の圧力、温度及び液面レベルを検出して前記気液分離装置内の圧力及び液面レベルが所定の範囲内になるように前記制御弁、前記多成分液化ガス制御弁及び前記分離液ポンプを制御する第6の制御装置を備えたことを特徴とするものである。
本発明においては、多成分系液化ガスラインで昇圧して気化した多成分系液化ガスを第一ラインの膜分離装置に供給し、分離された濃縮ガスを昇圧前の多成分系液化ガスに供給するようにしたことで、膜分離装置における供給側と透過側で差圧を十分とることができ、膜分離圧力差が十分に確保され、分離効率を向上することができる。しかも、多成分系液化ガスラインによる昇圧ポンプでの昇圧は液状態での昇圧であり、流体の昇圧動力はガス状態より液状態の方がはるかに小さいため、圧縮機を用いる場合に比べてプロセスの消費動力を低く抑えられる。
本発明の実施の形態1の多成分系液化ガスの成分調整装置の説明図である。 本発明の実施の形態1の多成分系液化ガスの成分調整装置の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態1の多成分系液化ガスの成分調整装置による成分調整の一例の説明図である。 本発明の実施の形態2の多成分系液化ガスの成分調整装置の説明図である。 本発明の実施の形態2の多成分系液化ガスの成分調整装置の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態2の多成分系液化ガスの成分調整装置による成分調整の一例の説明図である。 多成分系液化ガスの成分調整の比較例の説明図である。 本発明の実施の形態3の多成分系液化ガスの成分調整装置の説明図である。 本発明の実施の形態3の多成分系液化ガスの成分調整装置の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態3の多成分系液化ガスの成分調整装置による成分調整の一例の説明図である。 本発明の実施の形態4の多成分系液化ガスの成分調整装置の説明図である。 本発明の実施の形態4の多成分系液化ガスの成分調整装置の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態4の多成分系液化ガスの成分調整装置による成分調整の一例の説明図である。
[実施の形態1]
本発明の多成分系液化ガスの成分調整装置(以下、単に「成分調整装置」という場合あり)を、貯留槽に貯留されたLNGを液化燃料ガスとして送出するラインを例に挙げて説明する。
したがって、本実施の形態では、LNGが本発明の多成分系液化ガスに相当する。LNGはメタンを主成分とし、この他に重質成分としてエタン、プロパン、ブタン等が含まれている。よって、重質成分が本発明の特定成分に相当し、重質成分が希薄となった低発熱量ガスが本発明の特定成分希薄ガスに相当する。また、重質成分が濃縮された都市ガス用の高発熱量ガスが本発明の特定成分濃縮ガスに相当する。
そして、第一ラインは重質成分が希薄となった低発熱量ガスを発電所等へ供給するラインであり、第二ラインは重質成分が濃縮された都市ガス用の高発熱量ガスを供給するラインである。
本実施の形態の多成分系液化ガスの成分調整装置1は、図1に示すように、LNG送出ポンプ3によって例えば1.0MPaGに昇圧されて送出されたLNGが流れる液化燃料ガスライン5と、液化燃料ガスライン5が分岐した、低発熱量ガスを供給する第一ライン7と、重質成分が濃縮された都市ガス用の高発熱量ガスを供給する第二ライン9とを備えている。
そして、液化燃料ガスライン5には、重質成分が濃縮された濃縮ガスをLNGに混合する気液混合装置11と、気液混合装置11で混合された混合液を昇圧する昇圧ポンプ13と、昇圧されたLNGを気化する気化器15とを設けている。
また、第一ライン7には、気化器15によって気化されたNG(天然ガス)から重質成分を分離する膜分離装置17が設けられている。
さらに、第二ライン9には、第二ライン9に流れる流量を調整する流量調整弁19が設けられている。
またさらに、膜分離装置17で分離された重質成分が濃縮された濃縮ガスを気液混合装置11に供給するリサイクルライン21を設けている。
また、昇圧ポンプ13に供給される混合液に気相が存在しないことが好ましいことに鑑みて、リサイクルライン21に制御弁23を設けると共に、気液混合装置11に供給される濃縮ガスが気液混合装置11で全量液化するように制御弁23を制御する第1の制御装置25を設けている。
なお、本実施の形態の各機器類、例えば昇圧ポンプ13等は第1の制御装置25又は図示しない制御装置によって運転制御される。
以下、各機器を詳細に説明する。
<液化燃料ガスラインに設置される機器>
《気液混合装置》
気液混合装置11は、膜分離装置17で分離された重質成分が濃縮された濃縮ガスをLNGに混合するものであり、液体に気体を直接接触させて前記液体に前記気体を混合、溶解、あるいは前記気体を液化させるものであればその形態は特に限定されない。
気液混合装置11においては、被混合液の過冷度(顕熱)が、混合ガスである濃縮ガスの凝縮潜熱を上回っている場合に、濃縮ガスが完全に液化する。本実施の形態ではLNG送出ポンプ3によって混合前のLNGの過冷度を増加させているが、LNGが予め十分な過冷度を持っている場合はLNG送出ポンプ3を省略してもよい。
また、気液混合装置11として、液化を促進するような機構の混合装置を用いてもよい。
《昇圧ポンプ》
昇圧ポンプ13は、液化燃料ガスライン5を流れるLNGを昇圧するためのポンプである。昇圧ポンプ13によってLNGは例えば7.0MPaGに昇圧される。
《気化器》
気化器15は、昇圧ポンプ13から送出されるLNGを完全に気化させる装置である。気化器15には、例えば海水を加熱媒体とするものが使用できるが、特にその形式は問われない。
<第一ラインに設置される機器>
《膜分離装置》
本実施例では、LNGを構成する成分のうち、エタン、プロパン、ブタン等の重質成分が透過しやすい膜を使用した場合を示す。
膜分離装置17は、気化器15で気化されたNG(天然ガス)を、ガス分離膜を介することで、非透過側で得られるメタンリッチの低発熱量ガスと、透過側で得られるエタン、プロパン、ブタン等の重質成分が濃縮された濃縮ガスとに分離する。分離されたメタンリッチの低発熱量ガスは発電所等へ供給され、濃縮ガスは、リサイクルライン21に送られる。
<第二ラインに設置される機器>
第二ライン9には、第二ライン9に流れる流量を調整する流量調整弁19が設けられている。流量調整弁19により流量調整することで、第二ライン9に流れる気体の流量が調整される。第二ラインの流量調整と同時に第一ライン7に流れる気体流量が変化するので、送出ポンプ3により送液量を調整することで、第一ライン7に流れる気体流量が調整される。
<リサイクルラインに設置される機器>
《制御弁》
制御弁23は、リサイクルライン21に設けられ、第1の制御装置25に制御されて、気液混合装置11に供給する濃縮ガスの量を調整するものである。
<第1の制御装置>
第1の制御装置25は、制御弁23を制御して、気液混合装置11に供給される濃縮ガス量を気液混合装置11で全量が液化する量に調整するものであり、リサイクルライン21における制御弁23の下流側及び液化燃料ガスライン5における気液混合装置11の上流側のそれぞれに設置された圧力検出器(P)、温度検出器(T)、流量検出器(F)及び組成検出器(A)の検出値を入力して全量が液化する混合可能な濃縮ガスの最大混合可能量を演算する第1演算部27と、第1演算部27の演算結果に基づいて気液混合装置11に供給される濃縮ガス量が最大混合可能量以下になるように制御弁23を制御する第1制御部29とを備えている。
第1演算部27は、気液混合装置11に流入するLNGと濃縮ガスそれぞれの圧力、温度、流量、組成を基に、LNGの過冷度および濃縮ガスの凝縮潜熱を求め、濃縮ガスの最大混合可能量を計算する。
なお、濃縮ガスの混合量は、混合液の熱量が都市ガスの規定する熱量範囲の上限を超えないように制御する。
濃縮ガスを最大混合可能量混合したとしても混合液の熱量が都市ガスで要求される規定値よりも低い場合もあり得ることから、第二ライン9に熱量調整装置を設けるようにしてもよい。
また、リサイクルライン21の途中にバッファタンクを設けることで、濃縮ガスの分離量と混合量に差をつけられる緩衝作用を持たせるようにしてもよい。
気液混合装置11によって混合後の流体が液体になることで、混合後の昇圧に液ポンプ(昇圧ポンプ13)を用いることが可能になる。
なお、図1においては、気液混合装置11の上流側に圧力検出器(P)を設置しているが、気液混合装置11における圧力損失を考慮する場合には、気液混合装置11の下流側にも圧力検出器(P)を設置して検出値を第1の制御装置25に入力するようにすればよい。もっとも、気液混合装置11の圧力損失が推定できる場合には、圧力検出器(P)を設けることなく、推定値を第1の制御装置25に入力してもよい。
上記のように構成された本実施の形態の動作を、図1に基づいて説明する。
LNGタンク(図示なし)から送出されたLNGは、気液混合装置11で濃縮ガスが混合され、重質成分が増加した混合液は昇圧ポンプ13で例えば7.0MPaGに昇圧され、気化器15で気化される。
昇圧ポンプ13は液ポンプであり、混合液に気相が混入しないことが望ましく、そのため、本実施の形態では、前述したように第1の制御装置25によって制御弁23が制御され、全量が液化できる量に濃縮ガスの供給量が制御される。
気化器15で気化されたガスの一部は第一ライン7に送られて膜分離装置17によってメタンリッチの低発熱量ガスと、エタン、プロパン、ブタン等の重質成分が濃縮された濃縮ガスに分離される。そして、低発熱量ガスは発電所等へ供給され、濃縮ガスはリサイクルライン21に送られる。
リサイクルライン21に送られた濃縮ガスは、気液混合装置11に供給されてLNGに混合される。このとき、膜分離装置17に供給されるNGは昇圧ポンプ13でLNG送出ポンプ3の吐出圧より昇圧されており、他方、気液混合装置11に供給されるLNGはLNG送出ポンプ3の吐出圧である。このため、膜分離装置17の供給側と透過側で差圧を十分とることができ、膜分離効率を向上することができる。すなわち、昇圧ポンプ13による昇圧分の圧力差を膜分離に利用でき、従来技術より大きな膜分離圧力差を確保できるようになっている。
そして、膜分離は圧力差が大きいほど物質の透過速度が上昇するため、膜面積あたりの重質成分回収量の増大や透過ガス量あたりの必要膜面積の縮小が可能になる。
気化器15で気化されたガスの一部は、重質成分が濃縮された高発熱量ガスとして都市ガスユーザに供給される。
以上のように、本実施の形態では、液化ガス供給ラインで昇圧して気化したNGを膜分離装置17に供給し、分離された濃縮ガスを昇圧ポンプ13による昇圧前のLNGに供給するようにしたことで、膜分離装置17における供給側と透過側で差圧を十分とることができ、膜分離圧力差が十分に確保され、分離効率を向上することができる。
しかも、液化燃料ガスライン5による昇圧ポンプ13での昇圧は液状態での昇圧であり、流体の昇圧動力はガス状態より液状態の方がはるかに小さいため、圧縮機を用いる場合に比べてプロセスの消費動力を低く抑えられる。
また、第1の制御装置25によって、気液混合装置11に供給される濃縮ガスの全量が液化して混合液には気相が残留しないようにしているので、昇圧ポンプ13で効率的に送液することができる。
上記の第1の制御装置25は、制御弁23の制御に関していわゆるフィードフォワード制御であったが、第1の制御装置25に代えて、図2に示すように、フィードバック制御によって制御弁23の制御を行う第2の制御装置31を適用してもよい。
第2の制御装置31は、気液混合装置11の下流側に設けた圧力検出器(P)、温度検出器(T)及び組成検出器(A)の検出値を入力して混合後の液化燃料ガスの相状態を判定する第2演算部33と、第2演算部33の演算結果に基づいて制御弁23を制御する第2制御部35とを備えている。第2制御部35は、第2演算部33の判定結果によって気液混相、あるいは気相状態になるおそれがある場合には、制御弁23を絞って気液混合装置11に供給される濃縮ガス量を少なくする。
また、制御弁23の制御に関しては、フィードフォワード、フィードバックの他に両者を組み合わせて制御を行うようにしてよい。
本実施の形態による熱量調整の具体例について、図3に基づいて概説する。なお、図3は、図1から各検出器と第1の制御装置25の図示を省略すると共に、多成分系液化ガスの成分調整装置1の各位置を流れる流体の流量、熱量及び含有成分量(物質量%)を付記している。図3におけるC1はメタン、C2はエタン、C3はプロパン、C4はブタンであるが、いずれも参考値である。
図3に示す例では、LNG送出ポンプ3によって送られてきた191.3t/hのLNG(熱量:44.2MJ/Nm3、C1:90.0%,C2:6.0%,C3:3.0%,C4:1.0%)に、気液混合装置11によってリサイクルライン21から供給される36.1t/hの濃縮ガス(熱量:46.8MJ/Nm3、C1:85.4%,C2:7.5%,C3:4.9%,C4:2.2%)が混合される。混合液は、昇圧ポンプ13で昇圧されて気化器15で気化され、その一部は第一ライン7の膜分離装置17に送られ、残りは第二ライン9に送られる。膜分離装置17で分離された50t/hの低発熱量ガス(熱量:43.2MJ/Nm3、C1:91.8%,C2:5.4%,C3:2.2%,C4:0.6%)が発電所等へ供給される。他方、膜分離装置17で分離された濃縮ガスは上述の通り気液混合装置11に供給される。
第二ライン9に送られたガスは、さらに熱量調整のために熱量調整器37によって8.7t/hのLPG(熱量:102MJ/Nm3、C3:90.0%,C4:10.0%)が添加され、150t/hの高発熱量ガス(熱量:46.0MJ/Nm3、C1:87.1%,C2:6.1%,C3:5.4%,C4:1.4%)として都市ガス需要者に供給される。
比較例として、膜分離装置17を用いないで、熱量調整器37のみによって熱量調整した場合の具体例を図7に示す。この場合には、熱量調整器によって11.1t/hのLPGの添加が必要であり、本実施の形態の8.7t/hに比較してLPGの添加量が増加する。
このことから、本実施の形態によれば、膜分離装置17を一つ追加するだけのシンプルな構成によってLPGの添加量を少なくできるという効果が得られていることが分かる。
なお、上記の例では、膜分離装置17を一つ用いているが、膜分離装置を複数並列に配置する構成も考えられ、そのようにすれば膜分離装置のメンテナンスの際、一基を停止しても他の装置を運転することでプロセスを停止せずにメンテナンスを行うことが可能となるという効果が得られる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る多成分系液化ガスの成分調整装置39を図4に基づいて説明する。なお、図4において、実施の形態1を示した図1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態2に係る多成分系液化ガスの成分調整装置39は、液化燃料ガスライン5の昇圧ポンプ13と第一気化器15の間に熱交換器41を設け、リサイクルライン21を流れる濃縮ガスを昇圧ポンプ13で昇圧された後のLNGの冷熱を利用して冷却するようにしたものである。
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加えて、気液混合装置11に供給される濃縮ガスの液化が促進され、濃縮ガスの混合可能量が増加する。すなわち、重質成分回収量が増し、その結果、熱量調整のために添加するLPGの削減を実現できる。
図4に示した第1の制御装置25は、制御弁23の制御に関していわゆるフィードフォワード制御であったが、図2に示したものと同様に、図5に示すように、フィードバック制御を行う第2の制御装置31を適用して制御弁23の制御を行うようにしてもよい。
実施の形態2による熱量調整の具体例について図6に基づいて概説する。
図6に示す例では、LNG送出ポンプ3によって送られてきた192.2t/hのLNG(熱量:44.2MJ/Nm3、C1:90.0%,C2:6.0%,C3:3.0%,C4:1.0%)に、リサイクルライン21から供給される59.7t/hの濃縮ガス(熱量:46.6MJ/Nm3、C1:85.9%,C2:7.4%,C3:4.7%,C4:2.0%)が熱交換器41で冷却された後、気液混合装置11によって混合される。混合液は、昇圧ポンプ13で昇圧されて気化器15で気化され、その一部は第一ライン7の膜分離装置17に送られ、残りは第二ライン9に送られる。膜分離装置17で分離された50t/hの低発熱量ガス(熱量:42.8MJ/Nm3、C1:92.6%,C2:5.1%,C3:1.9%,C4:0.4%)が発電所等へ供給される。他方、膜分離装置17で分離された濃縮ガスは上述の通り気液混合装置11に供給される。
第二ライン9に送られたガスは、さらに熱量調整のために熱量調整器37によって7.8t/hのLPG(熱量:102MJ/Nm3、C3:90.0%,C4:10.0%)が添加され、150t/hの高発熱量ガス(熱量:46.0MJ/Nm3、C1:87.1%,C2:6.2%,C3:5.3%,C4:1.4%)として都市ガス需要者に供給される。
本実施の形態では、上記の実施の形態1に比較して添加するLPGの量をより低減することができる。これは、熱交換器41により濃縮ガスの液化が促進され、濃縮ガスの混合可能量が増加したためである。
なお、上記の実施の形態では、多成分系液化ガスの例としてLNGを例示してLNGを液化燃料ガスとして送出するラインを例に挙げて説明したが、本発明の多成分系液化ガスはLNGに限られるものではなく種々の多成分系液化ガスを対象とすることができる。例えば、多成分系液化ガスとしての液体空気からの酸素濃縮ガス製造プロセスなどに適用することも可能である。酸素濃縮ガスは例えばバーナーやボイラなどの支燃性ガスに用いられる。通常の空気を用いた場合に比べ、燃焼効率の向上、排ガス量の低減などの効果が得られる。
[実施の形態3]
実施の形態3に係る多成分系液化ガスの成分調整装置43を図8に基づいて説明する。なお、図8において、実施の形態2を示した図4と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態3に係る多成分系液化ガスの成分調整装置43が実施の形態2と異なる主な点は、膜分離装置17で分離されて特定成分が濃縮された濃縮ガスを気液分離して、分離された分離液を第二ライン9に供給し、分離された分離ガスを液化燃料ガスライン5に供給する濃縮ガス分離供給ライン45を設けた点、及び第二ライン9に、第二ライン9に送られた気化器15で気化されたガスに濃縮ガス分離供給ライン45から供給される分離液を混合する第二気液混合装置47を設けた点である。
そして、濃縮ガス分離供給ライン45は、膜分離装置17で分離された濃縮ガスを気液分離装置49に供給するリサイクルライン21と、リサイクルライン21に設けられて液化燃料ガスライン5を流れる多成分系液化ガスの冷熱で濃縮ガスを冷却する熱交換器41と、気液分離装置49で分離された分離液を第二ライン9の第二気液混合装置47に供給する分離液供給ライン51と、気液分離装置49で分離された分離ガスを液化燃料ガスライン5の気液混合装置11に供給する分離ガス供給ライン53とを有している。
また、分離液供給ライン51には分離液ポンプ55が、分離ガス供給ライン53には分離ガス制御弁57がそれぞれ設けられている。
さらに、気液分離装置49には、圧力検出器(P)、温度検出器(T)及び液面レベル検出器(L)が設けられ、分離ガス供給ライン53には、圧力検出器(P)、温度検出器(T)、流量検出器(F)及び組成検出器(A)がそれぞれ設けられている。
またさらに、本実施の形態では、分離液ポンプ55、分離ガス制御弁57及び制御弁23を制御して、第二気液混合装置47に供給する分離液量、気液混合装置11に供給する分離ガス量及び気液分離装置49に供給する濃縮ガス量を制御する第3の制御装置59が設けられている。
第3の制御装置59は、第3演算部61と第3制御部63を備えている。
昇圧ポンプ13は液ポンプであり、混合液に気相が残留しないことが望ましく、そのため第3演算部61は、液化燃料ガスライン5及び分離ガス供給ライン53における気液混合装置11の上流側に設けられた、圧力検出器(P)、温度検出器(T)、流量検出器(F)及び組成検出器(A)の検出値を入力して、気液混合装置11で全量が液化する混合可能な分離ガスの最大混合可能量を演算する。
そして、第3制御部63は、第3演算部61の演算結果に基づいて分離ガス制御弁57を制御する。
また、第3制御部63は、分離液ポンプ55及び制御弁23の制御を行う。以下、分離液ポンプ55及び制御弁23の制御について具体的に説明する。
気液分離装置49では、液面レベルをある一定範囲内に制御して運用するが、分離液ポンプ55は液レベルを一定に保つように送液量を調整する。すなわち、液面レベルが高くなりすぎる場合は分離液ポンプ55の送液量を多くし、液面レベルが低くなりすぎる場合は分離液ポンプ55の送液量を少なくする調整を施す。
また、気液分離装置49では、圧力をある一定範囲内に制御して運用する。詳しくは、気液分離装置49の運用圧力はLNG送出ポンプ3の吐出圧よりわずかに高い程度で制御されるが、制御弁23によりその圧力を制御する。すなわち、圧力が高くなりすぎる場合は制御弁23の開度を小さくし、圧力が低くなりすぎる場合は制御弁23の開度を大きくする調整を施す。
上記のように構成された本実施の形態の動作を図8に基づいて説明する。
LNGタンク(図示なし)から送出されたLNGは昇圧ポンプ13で例えば7.0MPaGに昇圧され、気化器15に供給されて全量が気化される。気化器15で気化されたNGは膜分離装置17に供給されて、メタンリッチの低発熱量ガスと、エタン、プロパン、ブタン等の重質分が濃縮された濃縮ガスに分離される。
リサイクルライン21に送られた濃縮ガスは、制御弁23の開度に応じた量が熱交換器41に供給される。熱交換器41では、低温のLNGと高温の濃縮ガスの間で熱交換がなされ、濃縮ガスが冷却されることで気液混合状態となり、気液分離装置49に送られる。
気液分離装置49では、ガスと液が分離される。ここで、元のリサイクルライン21よりも分離液の熱量は更に高くなる。一方、分離ガスの熱量はリサイクルライン21よりも低くなる。
気液分離装置49で分離された分離ガスは分離ガス制御弁57を通して気液混合装置11に送られ、更に熱量が高まった分離液は分離液ポンプ55を通して第二ライン9の第二気液混合装置47に送られる。第二気液混合装置47では、分離液ポンプ55で送った液と流量調整弁19の下流のガスとが混合され、液部分は気化し、第二気液混合装置47の下流はガス相となる。
なお、気液分離装置49で分離された高熱量の液を最大混合可能量混合したとしても混合液の熱量が都市ガスで要求される規定値よりも低い場合もあり得ることから、第二気液混合装置47の下流に熱量調整器37を設けるようにしてもよい(図10参照)。この点は、以下の実施の形態においても同様である。
また、リサイクルライン21の途中にバッファタンクを設けることで、濃縮ガスの分離量と混合量に差をつけられる緩衝作用を持たせるようにしてもよい。この点は、以下の実施の形態においても同様である。
膜分離装置17に供給されるNGは昇圧ポンプ13でLNG送出ポンプ3の吐出圧より大幅に昇圧されており、気液分離装置49の運用圧力はLNG送出ポンプ3の吐出圧よりわずかに高い程度で制御される。また、熱交換器41の圧力損失は極わずかである。
このため、膜分離装置17の供給側と透過側で差圧を十分とることができ、膜分離効率を向上することができる。すなわち、昇圧ポンプ13による昇圧分の圧力差を膜分離に利用でき、従来技術より大きな膜分離圧力差を確保できるようになっている。
そして、膜分離は圧力差が大きいほど物質の透過速度が上昇するため、膜面積あたりの重質成分回収量の増大や透過ガス量あたりの必要膜面積の縮小が可能になる。
以上のように、本実施の形態では、膜分離装置17における供給側と透過側で差圧を十分とることができ、膜分離圧力差が十分に確保され、分離効率を向上することができる。
しかも、昇圧ポンプ13での昇圧は液状態での昇圧であり、昇圧動力はガス状態より液状態の方がはるかに小さいため、結果として膜を透過した濃縮ガスの昇圧を、圧縮機を用いる場合に比べて消費動力を低く抑えられる。
また、第3の制御装置59によって、気液混合装置11に供給される分離ガスの全量が液化して混合液には気相が残留しないようにしているので、昇圧ポンプ13で効率的に送液することができる。
また、気液分離装置49により、リサイクルライン21の濃縮ガスよりも更に高い熱量をもつ分離液を第二ライン9に供給することが出来る。
なお、上記の例では、気液混合装置11の上流側に圧力検出器(P)を設置しているが、気液混合装置11における圧力損失を考慮する場合には、気液混合装置11の下流側にも圧力検出器(P)を設置して検出値を第3の制御装置59に入力するようにすればよい。
もっとも、気液混合装置11の圧力損失が推定できる場合には、圧力検出器(P)を設けることなく、推定値を第3の制御装置59に入力するようにしてもよい。
また、上記の第3の制御装置59は、分離ガス制御弁57の制御に関していわゆるフィードフォワード制御であったが、第3の制御装置59に代えて、図9に示すように、フィードバック制御によって分離ガス制御弁57の制御を行う第4の制御装置65を適用してもよい。
第4の制御装置65は、気液混合装置11の下流側に設けた圧力検出器(P)、温度検出器(T)及び組成検出器(A)の検出値を入力して混合後の液化燃料ガスの相状態を判定する第4演算部67と、第4演算部67の演算結果に基づいて分離ガス制御弁57を制御する第4制御部69とを備えている。第4制御部69は、第4演算部67の判定結果によって気液混相、あるいは気相状態になるおそれがある場合には、分離ガス制御弁57を絞って気液混合装置11に供給されるガス量を少なくする。
また、分離ガス制御弁57の制御に関しては、フィードフォワード、フィードバックの他に両者を組み合わせて制御を行うようにしてよい。この点は、以下の実施の形態でも同様である。
実施の形態3による熱量調整の具体例について図10に基づいて概説する。
図10に示す例では、LNG送出ポンプ3によって送られてきた194.5t/hのLNG(熱量:44.2MJ/Nm3、C1:90.0%,C2:6.0%,C3:3.0%,C4:1.0%)に、気液分離装置49で分離された55.6t/hの分離ガス(熱量:40.5MJ/Nm3、C1:97.8%,C2:2.1%,C3:0.1%,C4:0.0%)が気液混合装置11によって混合される。混合液(熱量:43.3MJ/Nm3、C1:91.8%,C2:5.1%,C3:2.3%,C4:0.8%)は、昇圧ポンプ13で昇圧されて気化器15で気化され、その一部は第一ライン7の膜分離装置17に送られ、残りは第二ライン9に送られる。膜分離装置17で分離された50t/hの低発熱量ガス(熱量:41.8MJ/Nm3、C1:94.6%,C2:4.0%,C3:1.2%,C4:0.2%)が発電所等へ供給される。他方、膜分離装置17で分離された71.4t/hの濃縮ガス(熱量:44.4MJ/Nm3、C1:89.9%,C2:5.8%,C3:3.1%,C4:1.2%)はリサイクルライン21により熱交換器41に供給され冷却された後に気液分離装置49に供給され、その分離ガスは上述の通り気液混合装置11に供給される。
気液分離装置49で分離された15.8t/hの分離液(熱量:70.6MJ/Nm3、C1:37.4%,C2:30.6%,C3:22.8%,C4:9.2%)は分離液ポンプ55によって第二気液混合装置47に送液され、第二ライン9に送られたガスと混合され、さらに熱量調整のために熱量調整器37によって5.5t/hのLPG(熱量:102MJ/Nm3、C3:90.0%,C4:10.0%)が添加され、150t/hの高発熱量ガス(熱量:46.0MJ/Nm3、C1:87.0%,C2:6.6%,C3:5.0%,C4:1.4%)として都市ガス需要者に供給される。
実施の形態2では熱量調整のために添加したLPGの量が7.8t/hであったが、実施の形態3では5.5t/hとなっており、添加量が減少している。これは、気液分離装置49を設けたことにより、膜分離装置17で分離された濃縮ガスの熱量が気液分離装置49を通過することで増加したことによる。つまり、この熱量が増加した分、第二ライン9で最後に熱量調整として加えるLPGの必要量が減少する。
本実施の形態によれば、実施の形態2に比較して、熱量調整に必要なLPGの量を少なくできるというさらなる効果が得られている。
[実施の形態4]
実施の形態4に係る多成分系液化ガスの成分調整装置71を図11に基づいて説明する。なお、図11において、実施の形態3を示した図8と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態4に係る多成分系液化ガスの成分調整装置71は、実施の形態3における熱交換器41に代えて、液化燃料ガスライン5における昇圧ポンプ13の下流側から気液分離装置49にLNGを供給する多成分系液化ガス供給ラインとしてのLNG供給ライン73を設けたものである。LNG供給ライン73には、LNG供給量を調整するための多成分液化ガス制御弁としてのLNG制御弁75が設けられている。
また、本実施の形態では、分離液ポンプ55、分離ガス制御弁57、LNG制御弁75及び制御弁23を制御して、第二気液混合装置47に供給する分離液量、気液混合装置11に供給する分離ガス量、気液分離装置49に供給するLNG量及び気液分離装置49に供給する濃縮ガス量を制御する第5の制御装置77が設けられている。
第5の制御装置77は、第5演算部79と第5制御部81を備えており、第5演算部79の機能は第4演算部67と同様であり、第5制御部81は第4制御部69の機能に加えてLNG制御弁75を制御する機能を有している。
気液分離装置49では、温度をある一定範囲内に制御して運用するが、第5制御部81は温度を一定に保つようにLNG制御弁75の開度を調整する。すなわち、温度が高くなりすぎる場合はLNG制御弁75の開度を大きくし、温度が低くなりすぎる場合はLNG制御弁75の開度を小さくする調整を施す。
上記のように構成された本実施の形態の動作を図11に基づいて説明する。
本実施の形態の動作は実施の形態3とほぼ同様であるが、実施の形態3では膜分離装置17で分離された濃縮ガスを、熱交換器41を介して液化燃料ガスライン5のLNGで冷却していたのに対して、本実施の形態では液化燃料ガスライン5のLNGの一部を気液分離装置49に供給することで冷却する点が異なるので、これに関連する点について以下説明する。
リサイクルライン21に送られた濃縮ガスは、制御弁23の開度に応じた量が気液分離装置49に送られる。また、昇圧ポンプ13から送られたLNGのうち一部は、LNG制御弁75の開度に応じた量が気液分離装置49に送られる。
気液分離装置49では、ガスと液が分離される。ここで、元のリサイクルライン21よりも分離液の熱量は更に高くなる。一方、分離ガスの熱量はリサイクルライン21よりも低くなる。
分離ガスは分離ガス制御弁57を通して気液混合装置11に送られ、更に熱量が高まった分離液は分離液ポンプ55を通して第二気液混合装置47に送られる。
本実施の形態の作用効果については、実施の形態3と同様である。
なお、上記の第5の制御装置77は、分離ガス制御弁57の制御に関していわゆるフィードフォワード制御であったが、第5の制御装置77に代えて、図12に示すように、フィードバック制御によって分離ガス制御弁57の制御を行う第6の制御装置83を適用してもよい。第6の制御装置83は、第6演算部85と第6制御部87を備えている。
実施の形態4による熱量調整の具体例について図13に基づいて概説する。
図13に示す例では、LNG送出ポンプ3によって送られてきた193.9t/hのLNG(熱量:44.2MJ/Nm3、C1:90.0%,C2:6.0%,C3:3.0%,C4:1.0%)に、気液分離装置49で分離された61.9t/hの分離ガス(熱量:39.9MJ/Nm3、C1:99.5%,C2:0.5%,C3:0.0%,C4:0.0%)が気液混合装置11によって混合される。混合液(熱量:43.1MJ/Nm3、C1:92.5%,C2:4.5%,C3:2.2%,C4:0.8%)は、昇圧ポンプ13で昇圧された後、60.0t/hが気液分離装置49に供給される。残りが気化器15で気化され、その一部は第一ライン7の膜分離装置17に送られ、残りは第二ライン9に送られる。膜分離装置17で分離された50t/hの低発熱量ガス(熱量:42.1MJ/Nm3、C1:94.4%,C2:3.9%,C3:1.5%,C4:0.2%)が発電所等へ供給される。他方、膜分離装置17で分離された36.3t/hの濃縮ガス(熱量:44.6MJ/Nm3、C1:90.0%,C2:5.4%,C3:3.2%,C4:1.4%)はリサイクルライン21により気液分離装置49に供給され、その分離ガスは上述の通り気液混合装置11に供給される。
気液分離装置49で分離された34.4t/hの分離液(熱量:52.9MJ/Nm3、C1:71.8%,C2:15.8%,C3:9.0%,C4:3.4%)は分離液ポンプ55によって第二気液混合装置47に送液され、第二ライン9に送られたガスと混合され、さらに熱量調整のために熱量調整器37によって6.1t/hのLPG(熱量:102MJ/Nm3、C3:90.0%,C4:10.0%)が添加され、150t/hの高発熱量ガス(熱量:46.0MJ/Nm3、C1:86.9%,C2:6.7%,C3:5.0%,C4:1.4%)として都市ガス需要者に供給される。
実施の形態2では熱量調整のために添加したLPGの量が7.8t/hであったが、実施の形態4では6.1t/hとなっており、添加量が減少している。これは、実施の形態3と同様に、気液分離装置49を設けたことにより、膜分離装置17で分離された濃縮ガスの熱量が気液分離装置49を通過することで増加したことによる。つまり、この熱量が増加した分、第二ライン9で最後に熱量調整として加えるLPGの必要量が減少する。
本実施の形態によれば、実施の形態2に比較して、熱量調整に必要なLPGの量を少なくできるというさらなる効果が得られている。
実施の形態3、4おいては、気液分離装置49によって気液分離された分離ガスを第一ライン7の気液混合装置11に供給する例を示したが、本発明の多成分液化ガスの成分調整装置はこれに限定されるものではなく、分離ガスを気液混合装置11に供給しない態様も含む。この場合、分離ガスは例えばガス燃焼ボイラなどガスの熱量の制約が緩やかな機器に供給するようする。
1 成分調整装置(実施の形態1)
3 LNG送出ポンプ
5 液化燃料ガスライン
7 第一ライン
9 第二ライン
11 気液混合装置
13 昇圧ポンプ
15 気化器
17 膜分離装置
19 流量調整弁
21 リサイクルライン
23 制御弁
25 第1の制御装置
27 第1演算部
29 第1制御部
31 第2の制御装置
33 第2演算部
35 第2制御部
37 熱量調整器
39 成分調整装置(実施の形態2)
41 熱交換器
43 成分調整装置(実施の形態3)
45 濃縮ガス分離供給ライン
47 第二気液混合装置
49 気液分離装置
51 分離液供給ライン
53 分離ガス供給ライン
55 分離液ポンプ
57 分離ガス制御弁
59 第3の制御装置
61 第3演算部
63 第3制御部
65 第4の制御装置
67 第4演算部
69 第4制御部
71 成分調整装置(実施の形態4)
73 LNG供給ライン
75 LNG制御弁
77 第5の制御装置
79 第5演算部
81 第5制御部
83 第6の制御装置
85 第6演算部
87 第6制御部

Claims (12)

  1. 多成分系液化ガスラインに設けられて該多成分系液化ガスに特定成分が濃縮された濃縮ガスを混合する気液混合装置と、該気液混合装置の下流側に設けられて該気液混合装置で前記濃縮ガスが混合された混合液を昇圧する昇圧ポンプと、該昇圧ポンプの下流側に設けられて混合液を気化する気化器と、前記気化器の下流側に設けられて前記気化器によって気化されたガスの一部から特定成分を分離する膜分離装置と、該膜分離装置で分離されて特定成分が希薄になったガスを特定成分希薄ガスとして送出する第一ラインと、前記膜分離装置で分離されて特定成分が濃縮された濃縮ガスを前記気液混合装置に供給するリサイクルラインと、前記気化器と前記膜分離装置の間から分岐して前記気化器で気化されたガスの一部を特定成分が濃縮された特定成分濃縮ガスとして送出するための第二ラインとを備えたことを特徴とする多成分系液化ガスの成分調整装置。
  2. 前記多成分系液化ガスラインにおける前記昇圧ポンプの下流側に熱交換器を設け、前記リサイクルラインを流れる濃縮ガスを前記熱交換器によって前記多成分系液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスの冷熱で冷却して前記気液混合装置に供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  3. 前記リサイクルラインに設けられて前記気液混合装置に供給する濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記リサイクルラインを流れる前記濃縮ガスの圧力、温度、流量及び組成と前記気液混合装置の上流側の多成分系液化ガスの圧力、温度、流量及び組成とをそれぞれ検出して、前記気液混合装置に供給される濃縮ガスの全量が前記気液混合装置で液化するように前記制御弁を制御する第1の制御装置とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  4. 前記リサイクルラインに設けられて前記気液混合装置に供給する濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記気液混合装置の下流側において前記気液混合装置から排出される混合液の圧力、温度及び組成を検出して、該混合液の相状態を判定して、前記混合液が液相状態になるように前記制御弁を制御する第2の制御装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  5. 多成分系液化ガスラインに設けられて多成分液化ガスを昇圧する昇圧ポンプと、該昇圧ポンプの下流側に設けられて多成分液化ガスを気化する気化器と、前記気化器の下流側に設けられて前記気化器によって気化されたガスの一部から特定成分を分離する膜分離装置と、該膜分離装置で分離されて特定成分が希薄になったガスを特定成分希薄ガスとして送出する第一ラインと、
    前記気化器と前記膜分離装置の間から分岐して前記気化器で気化されたガスの一部を特定成分が濃縮された特定成分濃縮ガスとして送出するための第二ラインと、
    前記膜分離装置で分離されて特定成分が濃縮された濃縮ガスを気液分離装置で気液分離して、分離された分離液を前記第二ラインに供給する濃縮ガス分離供給ラインとを備え、
    前記第二ラインは、該第二ラインに送られた前記気化器で気化されたガスに前記濃縮ガス分離供給ラインから供給される分離液を混合する第二気液混合装置を有し、
    前記濃縮ガス分離供給ラインは、前記膜分離装置で分離された濃縮ガスを前記気液分離装置に供給するリサイクルラインと、該リサイクルラインに設けられて多成分液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスの冷熱で前記濃縮ガスを冷却する熱交換器と、前記気液分離装置で分離された分離液を前記第二ラインの前記第二気液混合装置に供給する分離液供給ラインとを有することを特徴とする多成分系液化ガスの成分調整装置。
  6. 前記濃縮ガス分離供給ラインは、前記気液分離装置で分離された分離ガスを前記多成分液化ガスラインに供給する分離ガス供給ラインを有し、
    前記多成分液化ガスラインは、前記昇圧ポンプの上流側に、前記多成分系液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスに前記分離ガスを混合する気液混合装置を有することを特徴とする請求項5記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  7. 前記リサイクルラインにおいて熱交換器を設ける代わりに、前記多成分系液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスの一部を前記昇圧ポンプの下流側から前記気液分離装置に供給する多成分系液化ガス供給ラインを設けたことを特徴とする請求項5記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  8. 前記リサイクルラインにおいて熱交換器を設ける代わりに、前記多成分系液化ガスラインを流れる多成分系液化ガスの一部を前記昇圧ポンプの下流側から前記気液分離装置に供給する多成分系液化ガス供給ラインを設けたことを特徴とする請求項6記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  9. 前記分離ガス供給ラインに設けられて前記気液混合装置に供給される分離ガスの量を調整する分離ガス制御弁と、前記リサイクルラインに設けられて前記気液分離装置に供給される濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記分離液供給ラインに設けられて前記第二気液混合装置に分離液を供給すると共に供給する分離液の量を調整する分離液ポンプと、
    前記分離ガス供給ラインに供給される前記分離ガスの圧力、温度、流量及び組成と、前記気液混合装置に供給される多成分系液化ガスの圧力、温度、流量及び組成とをそれぞれ検出して、前記気液混合装置に供給される分離ガスの全量が前記気液混合装置で液化するように前記分離ガス制御弁を制御し、前記気液分離装置内の圧力、温度及び液面レベルを検出して前記気液分離装置内の圧力及び液面レベルが所定の範囲内になるように前記制御弁及び前記分離液ポンプを制御する第3の制御装置を備えたことを特徴とする請求項6記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  10. 前記分離ガス供給ラインに設けられて前記気液混合装置に供給される分離ガスの量を調整する分離ガス制御弁と、前記リサイクルラインに設けられて前記気液分離装置に供給される濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記分離液供給ラインに設けられて前記第二気液混合装置に分離液を供給すると共に供給する分離液の量を調整する分離液ポンプと、
    前記気液混合装置の下流側において前記気液混合装置から排出される混合液の圧力、温度及び組成を検出して、該混合液の相状態を判定して、前記混合液が液相状態になるように前記分離ガス制御弁を制御し、前記気液分離装置内の圧力、温度及び液面レベルを検出して前記気液分離装置内の圧力及び液面レベルが所定の範囲内になるように前記制御弁及び前記分離液ポンプを制御する第4の制御装置を備えたことを特徴とする請求項6記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  11. 前記分離ガス供給ラインに設けられて前記気液混合装置に供給される分離ガスの量を調整する分離ガス制御弁と、前記リサイクルラインに設けられて前記気液分離装置に供給される濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記多成分系液化ガス供給ラインに設けられて前記気液分離装置に供給する多成分液化ガスの量を調整する多成分液化ガス制御弁と、前記分離液供給ラインに設けられて前記第二気液混合装置に分離液を供給すると共に供給する分離液の量を調整する分離液ポンプと、
    前記分離ガス供給ラインに供給される前記分離ガスの圧力、温度、流量及び組成と、前記気液混合装置に供給される多成分系液化ガスの圧力、温度、流量及び組成とをそれぞれ検出して、前記気液混合装置に供給される分離ガスの全量が前記気液混合装置で液化するように前記分離ガス制御弁を制御し、前記気液分離装置内の圧力、温度及び液面レベルを検出して前記気液分離装置内の圧力及び液面レベルが所定の範囲内になるように前記制御弁、前記多成分液化ガス制御弁及び前記分離液ポンプを制御する第5の制御装置を備えたことを特徴とする請求項8記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
  12. 前記分離ガス供給ラインに設けられて前記気液混合装置に供給される分離ガスの量を調整する分離ガス制御弁と、前記リサイクルラインに設けられて前記気液分離装置に供給される濃縮ガスの量を調整する制御弁と、前記多成分系液化ガス供給ラインに設けられて前記気液分離装置に供給する多成分液化ガスの量を調整する多成分液化ガス制御弁と、前記分離液供給ラインに設けられて前記第二気液混合装置に分離液を供給すると共に供給する分離液の量を調整する分離液ポンプと、
    前記気液混合装置の下流側において前記気液混合装置から排出される混合液の圧力、温度及び組成を検出して、該混合液の相状態を判定して、前記混合液が液相状態になるように前記分離ガス制御弁を制御し、前記気液分離装置内の圧力、温度及び液面レベルを検出して前記気液分離装置内の圧力及び液面レベルが所定の範囲内になるように前記制御弁、前記多成分液化ガス制御弁及び前記分離液ポンプを制御する第6の制御装置を備えたことを特徴とする請求項8記載の多成分系液化ガスの成分調整装置。
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