JP6866548B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング装置において、一般的には、撮像して得られる画像は平面に沿った画像(以下、平面の画像)である。しかし、生体での組織の形状は、湾曲等している場合が多い。例えば、脊椎に沿ったコロナル断面(冠状断面)を得たい場合、脊髄はS字状に湾曲しているため、1枚の平面の画像では、脊髄に沿った画像は得られない。
そのため、次の2つのいずれかの手法によって脊髄の画像を読影しているのが現状である。第1の手法では、平面状のスライス断面についての複数の平面の画像を取得し、湾曲した脊髄をすべて含むような画像が得られるような撮像を行う方法である。この場合、取得した複数の平面の画像に跨って部分的に表示されている脊髄の画像で読影することになる。
第2の手法では、前記の撮像によって得られた複数の平面の画像を用いて、MPR(multi planar reconstruction)処理を用いて、湾曲した脊髄における曲面に沿った画像(以下、曲面の画像)を計算処理により生成し、その曲面の画像で読影することとなる。
ここで、第1の手法の場合、湾曲した脊髄は複数の平面の画像に跨っていて、各1枚の画像には脊髄の一部だけしか描出されていない。よって、1枚の画像では脊髄の一部だけしか描出されていない画像を複数枚寄せ集めて、それらを用いて脊髄の全体像を思い浮かべ、読影しなければならない。そのため、読影が困難であるという問題があった。
また、第2の手法の場合、次のような一連の作業を行わなければならない。すなわち、操作者は、まず、前記の撮像によって得られた複数の平面の画像においてMPR処理に用いる画像を選択し、選択した画像を磁気共鳴イメージング装置に読み込ませ、生成しようとする曲面の位置設定を行う。その上で、この磁気共鳴イメージング装置が、操作者により設定された位置でMPR画像を計算して生成する処理を実施することで曲面の画像を得る。そのため、撮像によって複数の画像を得た後に、追加の手間と時間を要してしまう。さらに、MPR処理で作成した画像の空間分解能は、特に撮像によって得られた画像のスライス厚に強く依存している。そのため、具体的には、スライス厚が厚いと、MPR処理で作成した画像の空間分解能は低下し診断に耐えない画像となるという問題があり、また、スライス厚が薄いと、必要な画像の枚数が増えるため撮像時間が延長するという問題があった。
そこで、平面に沿って撮像するのではなく、曲面に沿って撮像を行い、画像を再構成することが考えられる。例えば、特許文献1に記載の磁気共鳴イメージング装置は、被検体の所定の柱状領域を励起し、柱状領域からの磁気共鳴信号を検出する動作を、柱状領域を移動させながら繰り返し行い、得られた複数の磁気共鳴信号を用いて画像を再構成する。この従来技術では、ディスプレイに表示されたスカウト画像であるサジタル画像上に、操作者がマウス等を操作することにより曲線を描くことで、磁気共鳴イメージング装置が、この曲線を受け付けて、曲線を含み且つスカウト画像に垂直な曲面を撮像すべき曲面として設定している。
特開2009−178287号公報
例えば診断のために、脊髄等の曲面に沿った撮像によって得られる断層画像について画質の向上が望まれている。具体的には、曲面に沿った撮像において、1つの柱状領域は、再構成画像の1つの画素に相当し、断面のサイズである太さが再構成画像における空間分解能に対応している。また、同じ太さであれば、曲面の方向における画像空間分解能は、柱状領域の間隔に依存する。このため、例えば柱状領域の間隔が所定値である場合、柱状領域を太くし過ぎると、画像の空間分解能が低下するので精細な画像が得られなくなる問題がある。逆に、柱状領域を細くし過ぎると、柱状領域の体積が減ることにより、柱状領域から発生する磁気共鳴信号の強度が低下するので、得られる画像のSN比が低下する問題がある。
また、操作者が指定して撮像した断面以外の位置の断層画像を得たいと望む場合がある。このような場合、従来技術では、同じことを再度、繰り返さなければならない。すなわち、操作者は、再度、曲線を指定し、磁気共鳴イメージング装置は、再度、曲面に沿った撮像を実施しなければならない。したがって、従来は、生体の湾曲した組織の形状に沿った所望の位置における曲面の断層画像を容易に得ることはできなかった。
そこで、曲面の断層画像の画質を向上させると共に所望の位置における曲面の断層画像を容易に得ることのできる磁気共鳴イメージング装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、被検体の所定のスライス曲面に直交する断面画像として表示されたスカウト画像に対して重畳するように前記スライス曲面を指定するためのスライス曲線を入力する入力手段と、入力されたスライス曲線を受け付けて、前記被検体における所定の柱状領域を、前記スライス曲線に沿ってオーバーラップするように移動させるときのそれぞれの位置を算出すると共に、算出したそれぞれの位置情報および前記スライス曲線の位置情報を保持する位置計算手段と、前記位置計算手段で算出されたそれぞれの位置に配置される前記柱状領域を、傾斜磁場の印加および高周波磁場の照射により励起して前記柱状領域から発生する磁気共鳴信号を検出する撮像手段と、前記柱状領域の位置を所定の順序で変化させながら前記撮像手段による一連の動作を前記撮像手段に繰り返し行わせる制御手段と、検出された複数の前記磁気共鳴信号を用いて画像を再構成する画像再構成処理手段と、再構成された画像である曲面断層画像を表示する表示手段と、を備え、撮像中および画像の再構成中であっても前記スライス曲線を延長する入力を受け付け可能であり、前記スライス曲線を延長する入力を受け付けた場合、延長されたスライス曲線に応じて表示中の曲面断層画像を更新し、前記制御手段は、前記柱状領域の位置を変化させることで前記スライス曲線に沿って形成される前記柱状領域を1以上前方または後方に飛び越えて、前記撮像手段による一連の動作を繰り返し行わせながら、前記スライス曲線で指定されるスライス曲面内のすべての前記柱状領域を励起させることを特徴とする。
かかる構成によれば、磁気共鳴イメージング装置は、被検体における柱状領域を、スライス曲線に沿ってオーバーラップするように移動させながら柱状領域から発生する磁気共鳴信号を検出する。このように柱状領域をオーバーラップさせることにより、柱状領域の体積を大幅に減らすことなく磁気共鳴信号を検出できるため、得られる画像のSN比が向上する。また、オーバーラップさせることは、柱状領域の間隔を狭く設定したことになるので、結果として画像空間分解能も向上させることができる。
また、磁気共鳴イメージング装置は、スライス曲線を延長する入力を受け付けた場合、延長されたスライス曲線に応じて表示中の曲面断層画像を更新する。これにより、操作者は、最初に入力したスライス曲線で指定されたスライス曲面に沿った曲面断層画像の表示を参照し、画面上でインタラクティブに、最初に入力したスライス曲線を延伸することができる。したがって、曲面の撮像を継続的に実施しながら追加された位置における画像の再構成処理を行うので、撮像を一旦中止して再度位置決めして撮像することなく、所望の曲面をインタラクティブに設定できリアルタイムに近い時間で断層画像が容易に得られる。
また、かかる構成によれば、磁気共鳴イメージング装置は、スライス曲線に沿って算出された位置に配置される各柱状領域において、隣接する柱状領域を連続的に励起するのでなく、1以上の柱状領域を飛び越えるほど離間した位置に形成される柱状領域を順番に励起する。よって、一柱状領域に着目すると、前記一柱状領域を励起した後、ある程度の時間を待ち、前記一柱状領域における磁化の緩和が進んで元の状態に戻ってから、この一柱状領域に対して隣接する他柱状領域を励起することになる。これにより、一柱状領域と、これに隣接する柱状領域との干渉を抑制し、干渉に由来する信号強度の低下が抑制された磁気共鳴信号を得ることができるので画像のSN比が向上できる。
また、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、前記柱状領域の断面の形状は菱形であり、前記菱形の一方の対角線は他方の対角線よりも短く、前記一方の対角線の向きに前記柱状領域を移動させるようにしてもよい。これにより、画像空間分解能を向上させることができる。また、この場合、前記柱状領域を形成する前記菱形の他方の対角線の長さは、スライス厚の1.5〜2.5倍であることが好ましく、前記柱状領域を形成する前記菱形の一方の対角線の長さが、画素サイズの1.5〜2.5倍であることが好ましい。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置によれば、得られる画像のSN比が向上すると共に画像空間分解能を向上させることができるので、曲面の断層画像の画質を向上させることができる。
また、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置によれば、操作者は、画面上でインタラクティブに、最初に入力したスライス曲線を延伸することができるので、撮像を一旦中止して再度位置決めして撮像することなく、所望の位置における曲面の断層画像を容易に得ることができる。
本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置のパルスシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置において励起される2平面と柱状領域とを柱状領域の軸方向から見たときの空間的な関係を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置において励起される2平面と柱状領域とを模式的に示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置において励起される柱状領域で形成される湾曲面を模式的に示す斜視図である。 柱状領域の断面の形状を模式的に示す図である。 柱状領域のオーバーラップを模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置においてデータ収集を説明する図であって、(a)は柱状領域がオーバーラップする方向のFOVを満たすデータ、(b)はスライスの厚み方向の信号強度プロファイルを示している。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置において柱状領域の励起順を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置において操作者によるスライス曲線の設定手法の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置における画像再構成の手順を模式的に示す図であって、(a)は操作者により設定された各柱状領域、(b)は各柱状領域のMR信号、(c)はMR信号の1次元フーリエ変換後に計算された絶対値、(d)は脊椎に沿った曲面のコロナル画像を示している。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置において操作者により延伸されたスライス曲線の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置において設定されたスライス曲線で指定されたスライス曲面に関する曲面断層画像をモニタ画面に再構成画像として表示した模式図であって、(a)はスライス曲線を延伸する前の状態、(b)はスライス曲線を延伸した後の撮像途中の状態、(c)はスライス曲線を延伸した後の最終状態を示している。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置について詳細に説明する。
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、核磁気共鳴現象(NMR現象)を利用して、被検体Pの断層画像を得るもので、静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系4と、受信系5と、制御部(制御手段)6と、信号処理部7とを備えている。
静磁場発生系2は、図示しないテーブルに載置された被検体Pに静磁場を与えるものであり、静磁場発生部8を備えている。静磁場発生部8は、被検体Pに強く均一な静磁場を発生させるものであり、被検体Pの周りのある広がりをもった空間に配置された磁石からなる。この磁石は、例えば永久磁石、または常電導方式の磁石あるいは超電導方式の磁石である。ここで、静磁場発生部8が常電導方式あるいは超電導方式の磁石の場合、静磁場発生系2は、静磁場発生部8に電源を供給する静磁場電源を備える。
傾斜磁場発生系3は、被検体Pに傾斜磁場を与えるものであり、傾斜磁場コイル10と、傾斜磁場電源11とを備えている。傾斜磁場コイル10は、X、Y、Zの三軸方向(第1のスライス方向、第2のスライス方向、周波数エンコード方向)に巻かれており、それぞれのコイルは傾斜磁場電源11に接続されている。
傾斜磁場電源11は、制御部6からの命令に従って傾斜磁場コイル10を駆動するものである。これにより、傾斜磁場コイル10は、X、Y、Zの三軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを被検体Pに印加するようになっている。傾斜磁場Gx、Gy、Gzを用い、第1のスライス方向傾斜磁場、第2のスライス方向傾斜磁場、周波数エンコード方向傾斜磁場を印加する。第1のスライス方向傾斜磁場と同時に印加する高周波パルスで励起される断面と、第2のスライス方向傾斜磁場と同時に印加される高周パルスで励起される断面と、の交差する柱状領域を励起することができる。また、周波数エンコード方向の傾斜磁場(柱状領域の長手方向の傾斜磁場)により、磁気共鳴信号(エコー信号、NMR信号、以下、単にMR信号ともいう)に柱状領域の長手方向の位置情報を付与することができる。
送信系4は、被検体Pの生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴(NMR)を起こさせる高周波パルスを照射するものであり、高周波発生器12と、変調器13と、高周波アンプ14と、送信側高周波コイル15aとを備えている。
高周波発生器12は、高周波パルスを発生する。変調器13は、高周波発生器12から出力された高周波パルスを制御部6の命令に従って変調する。高周波アンプ14は、変調された高周波パルスを増幅する。送信側高周波コイル15aは、被検体Pに近接して配置されており、増幅された高周波パルス(電磁波)を被検体Pに照射する。
受信系5は、被検体Pの生体組織における原子核の磁気共鳴により放出されるNMR信号を検出するものであり、受信側高周波コイル15bと、増幅器16と、A/D変換器17と、検波器18とを備えている。
受信側高周波コイル15bは、被検体Pに近接して配置されており、送信側高周波コイル15aから照射された電磁波である高周波パルスによる被検体Pからの応答の電磁波であるNMR信号を検出する。増幅器16は、検出されたNMR信号を増幅する。A/D変換器17は、増幅されたNMR信号をデジタル信号に変換する。検波器18は、送信系4の高周波発生器12と接続されており、デジタル変換されたNMR信号を直交位相検波し、制御部6からの命令によるタイミングでリサンプリングした二系列の収集データとする。この二系列の収集データの信号は、制御部6から信号処理部7に送られるようになっている。
傾斜磁場発生系3の傾斜磁場コイル10と、送信系4の送信側高周波コイル15aと、受信系5の受信側高周波コイル15bとは、静磁場発生系2の静磁場発生部8の発生する静磁場の磁場空間内に設置されており、本実施形態における撮像手段9を構成している。
撮像手段9は、所定の撮像条件で被検体Pに核磁気共鳴信号(NMR信号)を発生させると共に当該核磁気共鳴信号を検出する。
制御部6は、撮像手段9を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)の制御で動作する。制御部6は、高周波パルスと傾斜磁場を所定のパルスシーケンス(pulse sequence)で繰り返し印加してNMR信号を計測データとして収集する。制御部6は、被検体Pの断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系4、傾斜磁場発生系3、または受信系5に送り、所定のパルスシーケンスで傾斜磁場および高周波パルスを発生させるとともにNMR信号を検出し、所定のNMR信号が収集されるようにする。
信号処理部7は、計算機19と、ディスプレイ(表示手段)20と、記憶部21と、入力デバイス(入力手段)22とを備えている。計算機19は、例えば、一般的なコンピュータで実現することができ、CPUと、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)と、入力/出力インタフェースとを含んで構成されている。計算機19は、受信系5で検出されたNMR信号から画像を再構成してディスプレイ20に表示するようになっている。
ディスプレイ20は、再構成された画像である断層画像を表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイ等から構成される。再構成された画像は記憶部21に記憶されている。
記憶部21は、断層画像等の画像データや各種データを記憶するものであり、例えば磁気ディスク、光ディスク、一般的な画像メモリ等から構成される。記憶部21は、再構成された画像と入力された撮像条件とを組み合わせて記憶する。この撮像条件は、入力デバイス22で入力される。
入力デバイス22は、信号処理部7で行う処理や撮像条件や撮像する曲面の設定など制御のために必要な情報や被検体情報を入力するものであり、例えばキーボードやマウスあるいはタッチパネルと、条件設定に必要なGUI(Graphical User Interface)を表示する表示部などを備えている。
入力デバイス22を介して設定される撮像条件として、パルスシーケンスの選択や、撮像する曲面(スライス曲面)の設定等が含まれる。
スライス曲面の設定は、例えばディスプレイ20に、被検体Pの所定のスライス曲面に直交する断面画像としてスカウト画像が表示された状態で行われる。ここで、スカウト画像は、短時間で撮像された分解能が低い位置決め用の画像であって、例えばトランスバース、サジタルおよびコロナルのいずれかの画像を用いる。例えば、被検体の脊髄を含む曲面の撮像を行う場合、被検体の脊髄を含むスカウト画像を事前に撮像しておく。
入力デバイス22は、表示されたスカウト画像に対して重畳するようにスライス曲面を指定するための曲線(スライス曲線)を入力する。
例えばスカウト画像として表示された矢状断面の画像(サジタル画像)上に、操作者がマウス等の入力デバイス22を操作することにより曲線を描くことで、計算機19が、この曲線を受け付けて、曲線を含み且つコロナル断面(冠状断面)に対応した湾曲した曲面を撮像すべき曲面として設定することができる。
計算機19は、画像再構成処理部(画像再構成処理手段)23と、位置計算部(位置計算手段)24とを備えている。
画像再構成処理部23は、撮像手段9により検出されたNMR信号を用いて被検体の画像を作成する。再構成された画像は、その撮像条件と共に記憶部21に格納される。画像再構成処理部23が行う画像再構成では、フーリエ変換を行い、絶対値画像を作成する。
位置計算部24は、入力デバイス22により入力されたスライス曲線を受け付けて、被検体Pにおける所定の柱状領域を、スライス曲線に沿って移動させるときのそれぞれの位置を算出するものである。位置計算部24は、算出したそれぞれの位置情報およびスライス曲線の位置情報を保持する。
本実施形態では、位置計算部24は、柱状領域を、スライス曲線に沿ってオーバーラップするように移動させる。
以下、柱状領域の励起によるエコー信号(磁気共鳴信号)の収集の詳細について説明する。
[パルスシーケンス]
まず、パルスシーケンスについて図2を参照(適宜図1および図3参照)して説明する。図2において横軸は時間を示し、縦軸は、各項目の強度を示している。
制御部6の制御の下、撮像手段9により行うパルスシーケンスの概要は次の通りである。
まず、撮像手段9は、磁化を90度励起する第1の高周波パルス201と同時に、第1のスライス方向傾斜磁場203を被検体に印加する。このとき第1のスライス方向傾斜磁場203と同時に第2のスライス方向傾斜磁場205を被検体に印加する。これにより、被検体において、第1のスライス断面225(図3参照)が励起される。
次に、撮像手段9は、周波数エンコード方向傾斜磁場207を被検体に印加する。周波数エンコード方向傾斜磁場207は、検出すべきエコー信号の最大強度が時間軸上でA/D変換のための所定期間における中心付近に位置するようにするために印加するものである。
次に、撮像手段9は、磁化を180度励起する第2の高周波パルス202と同時に、第1のスライス方向傾斜磁場204を被検体に印加する。このとき第1のスライス方向傾斜磁場204と同時に第2のスライス方向傾斜磁場206を被検体に印加する。これにより第2のスライス断面226(図3参照)が励起される。
これにより、第1のスライス断面225と第2のスライス断面226とが交差する柱状領域227(図3においてハッチングで示す菱形領域)だけが、磁化を90度励起する第1の高周波パルス201と、磁化を180度励起する第2の高周波パルス202との2つの高周波パルスによる励起を受けることになる。
次に、撮像手段9は、周波数エンコード方向傾斜磁場208を被検体に印加して、第1のスライス断面225と第2のスライス断面226とが交差する柱状領域227(図3参照)からのエコー信号209を検出する。そして、得られたエコー信号209は、タイミング210の期間でA/D変換器17によりA/D変換される。なお、信号処理部7は、A/D変換されたデータを用いて、画像再構成処理を行い、断層画像を表示する。
撮像手段9は、第1の高周波パルス201の印加からエコー信号209の検出までの動作を、操作者によって撮像条件として指定されたTR(繰返し時間)で、次に励起する柱状領域の位置に切り替えて繰り返し実行する。ここで、第1の高周波パルス201の中心からエコー信号209の中心までの時間はTE(エコー時間)である。
[柱状領域の励起]
次に、柱状領域の励起について図3を参照(適宜図2参照)して説明する。図3では、柱状領域の断面がXY平面に配置されているものとしており、横軸は位置座標Xを示し、縦軸は位置座標Yを示している。
図3において、ベクトル220は、第1のスライス方向傾斜磁場203(図2参照)の印加方向と印加強度を示すベクトルである。また、ベクトル221は、第1のスライス方向傾斜磁場203と同時に印加される第2のスライス方向傾斜磁場205(図2参照)の印加方向と印加強度を示すベクトルである。第1のスライス方向傾斜磁場203と第2のスライス方向傾斜磁場205とは同時に被検体に印加されるので、被検体に実質的に印加される磁場は、ベクトル220とベクトル221とが合成された合成ベクトル223で表される傾斜磁場となる。ここで、励起させたい所望のスライス断面に対応した高周波周波数を設定された第1の高周波パルス201(図2参照)を印加すると、合成ベクトル223に直交した第1のスライス断面225が励起される。ここで、第1のスライス断面225の厚みは例えばDであるものとする。
また、第1のスライス断面225を励起する高周波周波数の値と、合成ベクトル223等との間には次の関係がある。ここでは、合成ベクトル223に対応する傾斜磁場の強度をG1とする。また、座標の原点から第1のスライス断面225に下した垂線を想定する。このとき原点から第1のスライス断面225までの距離をR1とする。なお、第1のスライス断面225には厚みDがあるので、距離R1とは、原点から第1のスライス断面225の厚みの中心点までの距離を意味する。この場合、第1のスライス断面225を励起する高周波周波数F1は次の式(1)で表される。
1=γ・(G1・R1+H0) … 式(1)
ここで、γは水素原子核の核磁気回転比であり、具体的には42.5MHz/Tである。また、H0は、静磁場強度である。
前記ベクトル220は、図3において、第1のスライス方向傾斜磁場204(図2参照)の印加方向と印加強度を示すベクトルも表している。また、ベクトル222は、第1のスライス方向傾斜磁場204と同時に印加される第2のスライス方向傾斜磁場206(図2参照)の印加方向と印加強度を示すベクトルである。第1のスライス方向傾斜磁場204と第2のスライス方向傾斜磁場206とは同時に被検体に印加されるので、被検体に実質的に印加される磁場は、ベクトル220とベクトル222とが合成された合成ベクトル224で表される傾斜磁場となる。ここで、前記した所望のスライス断面に対応した高周波周波数を設定された第2の高周波パルス202(図2参照)を印加すると、合成ベクトル224に直交した第2のスライス断面226が励起される。ここで、第2のスライス断面226の厚みは例えばDであるものとする。
また、第2のスライス断面226を励起する高周波周波数の値と、合成ベクトル224等との間には次の関係がある。ここでは、合成ベクトル224に対応する傾斜磁場の強度をG2とする。また、座標の原点から第2のスライス断面226までの距離をR2とする。なお、第2のスライス断面226には厚みDがあるので、距離R2とは、原点から第2のスライス断面226の厚みの中心点までの距離を意味する。この場合、第2のスライス断面226を励起する高周波周波数F2は次の式(2)で表される。
2=γ・(G2・R2+H0) … 式(2)
なお、γは水素原子核の核磁気回転比であり、H0は、静磁場強度である。
以上より、前記したように、第1のスライス断面225と第2のスライス断面226とが交差する柱状領域227だけが、所望のスライス断面を特定する周波数値が設定された第1の高周波パルス201と第2の高周波パルス202との両方で励起されるため、被検体において、所望のスライス断面に配置された柱状領域227だけからエコー信号が得られる。
ここで、入力されたスライス曲線に沿って柱状領域を移動させる方法は、被検体を寝台等に載せて物理的に移動させるのではなく、被検体に印加される高周波パルスに設定される高周波周波数の値を変化させることで実行できる。例えば、柱状領域を最初の所望の位置座標(X1,Y1)に配置するには、第1回目に、位置座標(X1,Y1)を特定する周波数値f11が設定された第1の高周波パルス201と周波数値f12が設定された第2の高周波パルス202との両方で被検体を励起する。そして、柱状領域を移動先である次の所望の位置座標(X2,Y2)に配置するには、撮像条件として指定されたTR(繰返し時間)後の第2回目に、位置座標(X2,Y2)を特定する周波数値f21が設定された第1の高周波パルス201と周波数値f22が設定された第2の高周波パルス202との両方で被検体を励起する。以下、同様に周波数値を変化せることで、柱状領域を所望の位置座標(Xn,Yn)に配置することができる。
図3では、簡便なベクトル図で説明するために柱状領域を2次元空間で説明したが、柱状領域は、図4に示すような3次元領域である。図4では、柱状領域227の長手方向を図面上の奥行き方向に一致させて示している。なお、柱状領域227の長手方向の長さをFOV(1)と表記している。
[スライス曲面]
次に、スライス曲面について図5を参照(適宜図2参照)して説明する。図5では、柱状領域227の長手方向を図面の上下方向に一致させて配置している。
図5に示す柱状領域227を移動させること、すなわち、入力されたスライス曲線に沿ってオーバーラップするように配置された複数の柱状領域227を想定することは、被検体において励起する3次元領域(柱状領域227)の位置を変化させることに対応する。
そして、入力されたスライス曲線228に沿うように、被検体において柱状領域227が励起する位置を変える動作を、高周波パルスに設定される高周波周波数の値を変化させながら、所定の回数だけ、所定の繰返し時間(TR)で繰り返すことで、湾曲したスライス曲面229全体のエコー信号を得ることができる。そして、それら全体のエコー信号についてフーリエ変換等を行うことで、スライス曲面229に沿った曲面断層画像を再構成することができる。なお、以下では、曲面断層画像のFOVのうち、柱状領域227の長手方向の長さをFOV(1)、柱状領域227の連鎖方向の長さをFOV(2)とする。
[柱状領域の形状]
次に、柱状領域の形状について図6を参照(適宜図3及び図5参照)して説明する。図6には、柱状領域の断面形状を示している。
本実施形態では、柱状領域227の断面の形状は菱形としている。また、図6では、菱形の水平方向の対角線(一方の対角線)が垂直方向の対角線(他方の対角線)よりも短くなるように図示されている。柱状領域227を形成する菱形の垂直方向の対角線の長さは、スライス厚Tの1.5〜2.5倍であることが好ましく、菱形の水平方向の対角線の長さは、画素サイズの1.5〜2.5倍であることが好ましい。ここで、画素サイズは、スライス曲線に沿って配置される柱状領域227の個数(スライス曲線に沿ったデータ点数)Nと、柱状領域227の連鎖方向の長さをFOV(2)(図5参照)によって決定される。すなわち、画素サイズは、FOV(2)/Nで表される。
例えば、操作者(以下、ユーザーともいう)が撮像条件として、スライス厚をT(mm)、柱状領域227の連鎖方向のFOV(2)をFOV(mm)、柱状領域227の連鎖方向のデータ点数をNとした場合、図6に示すように、柱状領域227を形成する菱形の垂直方向の対角線の長さが2×Tであり、かつ、水平方向の対角線の長さが2×FOV/Nあることが特に好ましい。本実施形態では、上記の長さの対角線とした菱形の柱状領域227で励起することとする。
[柱状領域のオーバーラップ]
次に柱状領域のオーバーラップについて図7および図8を参照して説明する。
本実施形態では、菱形の柱状領域227を、柱状領域の連鎖方向にオーバーラップするような位置で励起する。この場合、隣接する菱形の柱状領域227同士の距離は、柱状領域の連鎖方向における対角線の長さの1/2であるFOV/Nとする。これにより菱形の柱状領域227は図7に示すようにオーバーラップする。なお、この場合、オーバーラップした領域の長手方向の長さはスライス厚Tとなる。
本実施形態では、柱状領域227を菱形の短い対角線の向きに移動させるので、画像空間分解能を高めることができる。
図8(a)は、菱形の柱状領域227における柱状領域の連鎖方向の対角線が、ユーザーによって入力されたスライス曲線228の接線と重なるように、且つ、図7と同様にオーバーラップして移動する場合の軌跡を模式的に示す図である。図8(a)は、柱状領域の連鎖方向におけるFOV(その長さはFOV(2))をすべて満たすようにデータを収集した状態を示している。ここでは、柱状領域を図6および図7に示した形状および配置としていることから、柱状領域の連鎖方向のFOVを満たす菱形の柱状領域227の個数は、ユーザーが撮像条件として設定したデータ点数と同じ値(N)となる。この場合、ユーザーがスライス曲線228により指定したスライス曲面229に沿った断層画像が得られる。
図8(b)は、図8(a)のスライス曲面229についての信号強度プロファイルを示している。図8(b)において、縦軸は図8(a)のスライス曲面229の厚み方向の位置を示している。また、横軸は、MR信号強度を示している。なお、MR信号強度の値は横軸において左の方が右よりも高くなるように表されている。
この場合、図8(a)では、柱状領域が図6および図7に示した形状および配置としていることから、図8(b)に示すプロファイルにおいて、MR信号の強度のFWHM(半値幅)で評価すると、FWHMは、ユーザーが撮像条件で設定したスライス厚T(mm)となる。
[柱状領域の励起順]
次に、柱状領域の好ましい励起順序について説明する。菱形の柱状領域227の位置を移動させながら曲面を撮像する際、隣接する柱状領域を連続的に励起していくことも可能である。ただし、柱状領域の磁化の緩和が十分に進んでいないうちに隣接する柱状領域を励起すると、干渉により、信号強度が低下してしまう。そのため、隣接する柱状領域を励起するためには、時間を空ける必要がある。このような待ち時間のため、撮像時間が長くなってしまう。そこで、撮像時間を短縮できるような柱状領域の励起順序について図9を参照して説明する。
以下では、例えば、ユーザーが撮像条件として、柱状領域の連鎖方向のFOVを満たす菱形の柱状領域227の個数をNに設定したものとして説明する。また、オーバーラップしながら配置される柱状領域の連続的に図9において左から順番に、P1、P2、P3、・・・P256と番号付けするものとする。さらに、ここでは、一例として6本の柱状領域を1つのグループとする。具体的には、P1〜P6が第1のグループ、P7〜P12が第2のグループに属する。
この場合、第1のグループでは、励起の順番を、P1、P4、P2、P5、P3、P6として、3本おきに励起することで、隣接する柱状領域を連続励起しないようにする。
また、第2のグループでは、励起の順番を、P9、P12、P8、P11、P7、P10として、3本おきに励起することで、隣接する柱状領域を連続励起しないようにする。
なお、第3グループ以降も、以下同様に、すべての柱状領域の励起を行う。
ここで、6本の柱状領域を3本おきに励起するので、隣接する柱状領域を励起するまでには、少なくとも(6/3)×TRの時間が経過した後となるので、緩和が進んだ状態で、隣接領域を励起するため、干渉によるエコー信号の強度が低下することが抑制される。
[磁気共鳴イメージング装置の処理の流れ]
次に、磁気共鳴イメージング装置1の処理の流れについて図10を参照(適宜図1、図2、図9および図11〜図14参照)して説明する。
まず、磁気共鳴イメージング装置1は、信号処理部7によって、ディスプレイ20の画面上にスカウト画像を表示し、ユーザーは、そのスカウト画像上に撮像したい曲面を指定するためのスライス曲線を、マウス等の入力デバイス22を用いて描く。これにより、信号処理部7の位置計算部24は、スカウト画像に入力されたスライス曲線を受け付ける(ステップS1)。
図11は、ユーザーがディスプレイ20に表示されたスカウト画像に対して、例えばマウス等の入力デバイス22を用い、撮像を行いたいスライス曲線228を設定した状態を示す模式図である。ここでは、スカウト画像は、一例として、被検体Pである犬の胸椎301から腰椎302まで脊髄液303と共に写っているサジタル画像であるものとした。
次に、磁気共鳴イメージング装置1は、このインタラクティブな曲面撮像を開始する(ステップS2)。磁気共鳴イメージング装置1は、例えば図11に示す画像上で、ユーザーがスライス曲線228を設定した位置に関して、図2のパルスシーケンス図に従ったシーケンスを繰り返すことで、エコー信号を収集する。具体的には、撮像手段9は、位置計算部24で算出されたそれぞれの位置に配置される柱状領域227を、傾斜磁場の印加および高周波磁場の照射により励起して柱状領域227から発生する磁気共鳴信号を検出する。また、制御部6は、柱状領域227の位置を所定の順序で変化させながら撮像手段9による一連の動作を撮像手段9に繰り返し行わせる。これにより、信号処理部7は、指定された曲面からのMR信号の一部(第1グループのP1〜P6:図9参照)を得る(ステップS3)。
そして、信号処理部7は、画像再構成処理部23によって、その得られたMR信号の一部(P1〜P6)を用いて画像再構成を行う(ステップS4)。
そして、信号処理部7は、一部のMR信号(P1〜P6)を用いて再構成された画像である曲面断層画像をディスプレイ20に表示する(ステップS5)。ここで、ディスプレイ20には、撮像したい曲面を指定するためのスライス曲線と共にスカウト画像が表示されているが、ディスプレイ20の同じモニタ画面上に、再構成された曲面断層画像も表示される。
次に、指定された曲面からのMR信号の収集が終了していない場合(ステップS6においてNo)、磁気共鳴イメージング装置1は、ステップS3に戻り、信号処理部7は、指定された曲面からのMR信号の一部(第2グループのP7〜P12)を得る(ステップS3)。この場合、信号処理部7は、画像再構成処理部23によって、その得られたMR信号の一部(P7〜P12)を用いて画像再構成を行う(ステップS4)。
そして、信号処理部7は、前回までに得られた一部のMR信号(P1〜P6)を用いて再構成された曲面断層画像に加えて、今回得られた一部のMR信号(P7〜P12)を用いて再構成された曲面断層画像をディスプレイ20に表示する(ステップS5)。
このようにして、信号処理部7は、各グループのデータが収集できた度に、曲面断層画像を更新していき、ユーザーが、撮像とリアルタイムに近い時間で曲面断層画像を確認できるようにする。
そして、指定されたスライス曲面における柱状領域から発生するMR信号の収集が終了した場合(ステップS6においてYes)、信号処理部7は、徐々に更新された曲面断層画像について現在の表示状態を保つ。
ここで、菱形の柱状領域227の位置を移動させながら収集したエコー信号の画像再構成の一例について図12を参照して説明する。例えば、ユーザーが撮像条件の1つとして、柱状領域の連鎖方向のFOVを満たす菱形の柱状領域227の個数(N)に、N=256と設定したものとする。画像再構成処理部23は、図12(a)に示す各菱形の柱状領域227(P1〜P256)からのエコー信号(図12(b)参照)をそれぞれ1次元フーリエ変換し、その結果の絶対値を得る(図12(c)参照)。なお、図12(c)において、横軸は周波数、縦軸は強度を示している。
図2を参照して説明したように、撮像手段9は、エコー信号209の収集と同時に、周波数エンコード方向傾斜磁場208を被検体に印加している。周波数エンコード方向とは、柱状領域227の長手方向に対応している。したがって、1次元フーリエ変換して絶対値を計算した結果は、まさに、菱形の柱状領域227の断層画像情報である。これらの、1次元フーリエ変換して絶対値を計算した結果のデータ(図12(c)参照)を、256データ分並べれば、図12(d)に示すように、ユーザーが設定したスライス曲線228によるスライス曲面229(図11参照)全体を示す曲面の断層画像(胸椎301から腰椎302にかけての脊椎に沿った曲面のコロナル画像)となる。
図10に戻って磁気共鳴イメージング装置1の処理の流れについて説明を続ける。
例えば、指定されたスライス曲面における柱状領域から発生するMR信号の収集が終了し(ステップS6においてYes)、現在の表示状態を保っている場合、ユーザーは、ディスプレイ20の画面上に表示された曲面断層画像を参考にして、図11のスカウト画像上のスライス曲線を、マウス等の入力デバイス22を用いて延長させることができる。これにより、信号処理部7の位置計算部24は、スカウト画像に入力されたスライス曲線の延伸を受け付けることができる(ステップS7A)。なお、スライス曲線の延伸ができるタイミングはこれに限定されず、撮像中でも、再構成中でもスライス曲線の延伸は画面上で随時受け付けている。
そして、例えば、スライス曲線が延伸されず(ステップS7BにおいてNo)、撮像終了の指示がなければ(ステップS8においてNo)、磁気共鳴イメージング装置1は、待機状態となる。
一方、ユーザーがスライス曲線を延伸した場合(ステップS7BにおいてYes)、磁気共鳴イメージング装置1はステップS3に戻る。
図13は、ユーザーが、スカウト画像上のスライス曲線を延伸した状態を示す模式図であり、破線部分が延伸したスライス曲線305である。図13は、延伸したスライス曲線305が追加された点が図11と異なっている。ここでは、例えば腰椎302に関して、背から腹にかけての横断面(アキシャル面)を観察したくなった場合に当該位置を含むようにユーザーがスライス曲線を延伸したこととしている。
このような場合であっても、磁気共鳴イメージング装置1は、延伸したスライス曲線305で指定されたスライス曲面における柱状領域から発生するMR信号の収集と画像再構成、画像表示を前記の手順と同様に行う。
ここで、スライス曲線を延伸したときに、ディスプレイ20に表示される曲面断層画像の遷移を図14(a)〜図14(b)に示す。
図14(a)は、図11に示す実線のスライス曲線228で指定されるスライス曲面について再構成された曲面断層画像をモニタ画面に再構成画像として表示した模式図である。
図14(b)は、図11に示す実線のスライス曲線228と、図13に示す破線のスライス曲線305とで指定されるスライス曲面について撮像の途中までに再構成された曲面断層画像をモニタ画面に再構成画像として表示した模式図である。ここでは、腰椎302の横断面(アキシャル面)の一部まで画像再構成が行われている。
図14(c)は、図14(b)と同様であるが、延伸されたスライス曲線305で指定されるスライス曲面における柱状領域から発生するすべてのMR信号が収集されて再構成された曲面断層画像をモニタ画面に再構成画像として表示した模式図である。
このように、磁気共鳴イメージング装置1は、撮像の進捗とリアルタイムに近い時間で再構成画像が増加し、これを反映して再構成された曲面断層画像を徐々に更新しながらディスプレイ20に表示することができる。
図10に戻って説明を続ける。
次に、延伸されたスライス曲線305に対応したMR信号の収集が終了し、スライス曲線がそれ以上延長されず(ステップS7BにおいてNo)、この曲面撮像を終了する場合(ステップS8においてYes)、信号処理部7は、撮像により得られた画像を記憶部21に保存した上で、曲面撮像を終了する(ステップS9)。
以上説明したように、磁気共鳴イメージング装置1は、被検体における柱状領域を、ユーザー(操作者)が指定したスライス曲線に沿ってオーバーラップするように移動させながら柱状領域から発生するMR信号(磁気共鳴信号)を検出するので、得られる画像のSN比が向上すると共に画像空間分解能を向上させることができる。
また、磁気共鳴イメージング装置1は、生体の湾曲した組織の形状に沿って曲面の断層画像を撮像し画像再構成する際に、撮像の進捗に従いリアルタイムに近い状態で曲面断層画像を確認できるように表示することができる。また、操作者が、ディスプレイ20に表示された曲面断層画像を参考にして、スカウト画像上でスライス曲線をインタラクティブに延伸すると、磁気共鳴イメージング装置1は、これを反映して再構成された曲面断層画像を徐々に更新しながらディスプレイ20に表示することができる。したがって、撮像を一旦中止して再度位置決めして撮像することなく、所望の位置における曲面の断層画像を容易に得ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。例えば、被検体として犬を図示したが、他の動物でも人体でもよい。
また、スライス曲面として指定する部位を脊椎としたが、これに限るものではない。
また、スカウト画像はサジタル画像であるものとしたが、これに限らず、コロナルやトランスバースの画像であってもよい。
1 磁気共鳴イメージング装置
2 静磁場発生系
3 傾斜磁場発生系
4 送信系
5 受信系
6 制御部(制御手段)
7 信号処理部
8 静磁場発生部
9 撮像手段
10 傾斜磁場コイル
15a 送信側高周波コイル
15b 受信側高周波コイル
19 計算機
20 ディスプレイ(表示手段)
21 記憶部
22 入力デバイス(入力手段)
23 画像再構成処理部(画像再構成処理手段)
24 位置計算部(位置計算手段)

Claims (4)

  1. 被検体の所定のスライス曲面に直交する断面画像として表示されたスカウト画像に対して重畳するように前記スライス曲面を指定するためのスライス曲線を入力する入力手段と、
    入力されたスライス曲線を受け付けて、前記被検体における所定の柱状領域を、前記スライス曲線に沿ってオーバーラップするように移動させるときのそれぞれの位置を算出すると共に、算出したそれぞれの位置情報および前記スライス曲線の位置情報を保持する位置計算手段と、
    前記位置計算手段で算出されたそれぞれの位置に配置される前記柱状領域を、傾斜磁場の印加および高周波磁場の照射により励起して前記柱状領域から発生する磁気共鳴信号を検出する撮像手段と、
    前記柱状領域の位置を所定の順序で変化させながら前記撮像手段による一連の動作を前記撮像手段に繰り返し行わせる制御手段と、
    検出された複数の前記磁気共鳴信号を用いて画像を再構成する画像再構成処理手段と、
    再構成された画像である曲面断層画像を表示する表示手段と、を備え、
    撮像中および画像の再構成中であっても前記スライス曲線を延長する入力を受け付け可能であり、前記スライス曲線を延長する入力を受け付けた場合、延長されたスライス曲線に応じて表示中の曲面断層画像を更新し、
    前記制御手段は、前記柱状領域の位置を変化させることで前記スライス曲線に沿って形成される前記柱状領域を1以上前方または後方に飛び越えて、前記撮像手段による一連の動作を繰り返し行わせながら、前記スライス曲線で指定されるスライス曲面内のすべての前記柱状領域を励起させる
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記柱状領域の断面の形状は菱形であり、前記菱形の一方の対角線は他方の対角線よりも短く、前記一方の対角線の向きに前記柱状領域を移動させる請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記柱状領域を形成する前記菱形の他方の対角線の長さは、スライス厚の1.5〜2.5倍である請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記柱状領域を形成する前記菱形の一方の対角線の長さは、画素サイズの1.5〜2.5倍である請求項2または請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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