本発明の実施形態に関する説明に先立ち、本願明細書における種々の用語に関して説明する。
アクセサリ装置とは、撮像装置に装着可能な装置を言う。撮像装置とアクセサリ装置は、互いの有するマウント部を結合することにより装着される。アクセサリ装置は、撮影光学系を有するレンズ装置を含む。また、アクセサリ装置はレンズ装置と撮像装置本体の間に装着される中間アクセサリ装置を含む。
マウント部とは、撮像装置とアクセサリ装置のそれぞれに設けられる結合部である。撮像装置のマウント部およびアクセサリ装置のマウント部には、それぞれ電気接点が設けられ、撮像装置にアクセサリ装置が装着されると互いのマウント部に設けられた電気接点同士が接触する。すなわち、マウント部は撮像装置本体とアクセサリ装置を機械的に結合する機能だけでなく、撮像装置本体とアクセサリ装置を電気的に接続する機能も有する。
次に、本実施形態の撮像装置、レンズ装置、中間アクセサリ装置の相互関係について、図1を用いて説明する。図1は本実施形態の撮像装置としてのカメラ本体100と、本実施形態のレンズ装置200と、本実施形態の中間アクセサリ装置400および500と、本実施形態のレンズ装置とは異なる構成である従来例のレンズ装置300との相互関係を表している。図1中の矢印で示された装置同士は、互いのマウント部を結合して装着することができることを表している。レンズ装置200は撮影光学系280を有し、レンズ装置300は撮影光学系380を有する。カメラ本体100はCMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子を有する。カメラ本体100にレンズ装置200またはレンズ装置300を装着することで被写体を撮影することができる。
レンズ装置200と、中間アクセサリ装置500と、中間アクセサリ装置400は、カメラ本体100に直接装着することができる。すなわち、レンズ装置200のマウント部250と、中間アクセサリ装置500のマウント部550aと、中間アクセサリ装置400のマウント部450aは、カメラ本体100のマウント部150に結合可能な形状を有する。
また、中間アクセサリ装置500はカメラ本体100に装着可能な第1のアクセサリマウント部としてのマウント部550aの他に、カメラ本体100のマウント部150と同様の形状の第2のアクセサリマウント部としてのマウント部550bを備えている。そのため、レンズ装置200は中間アクセサリ装置500にも装着することができる。換言すると、レンズ装置200は中間アクセサリ装置500を介してカメラ本体100に装着することができる。なお、レンズ装置200と中間アクセサリ装置500の間に他の中間アクセサリ装置(不図示)を装着しても良い。この場合、レンズ装置200とカメラ本体100の間には2つの中間アクセサリ装置が装着されることになる。
一方、マウント部150の形状はレンズ装置300のマウント部350を結合できないような形状となっている。そのため、レンズ装置300はカメラ本体100に直接装着することができない。ただし、レンズ装置300は、マウント部(第1のアクセサリマウント部)450aとレンズ装置300を装着可能なマウント部(第2のアクセサリマウント部)450bとを有する中間アクセサリ装置400介してカメラ本体100に装着できる。
このように、カメラ本体100にはレンズ装置200とレンズ装置300を含む複数のレンズ装置のいずれかが選択的に装着される。
次に、図2を用いて、カメラ本体100、レンズ装置200、レンズ装置300、中間アクセサリ装置500、中間アクセサリ装置400のそれぞれのマウント部について説明する。図2(a)は被写体側から見たカメラ本体100のマウント部150の概略図であり、図2(b)は像面側から見たレンズ装置200のマウント部250の概略図である。また、図2(c)は被写体側から見た中間アクセサリ装置400のマウント部450bの概略図であり、図2(d)は像面側から見たレンズ装置300のマウント部350の概略図である。
マウント部150は、カメラ本体100の前側(被写体側)に設けられている。マウント150は、所定のフランジバックを確保するためのリング状のマウント基準面151を備える。マウント基準面151の内側には周方向の3箇所にバヨネット爪152a乃至152cが設けられている。また、マウント部150には、アクセサリ装置のマウント部をマウント部150にバヨネット結合する際の位置決めのためのロックピン153が、マウント基準面151に対して突出および引込み可能に設けられている。装着が完了する位置までマウント部150とアクセサリ装置のマウント部が相対回転すると、アクセサリ装置のマウント部に設けられた嵌合穴とロックピン153が係合する。
また、バヨネット爪152a乃至152cよりも内側の領域には、カメラ側接点保持部154が設けられている。カメラ側接点保持部154は電気接点(カメラ側電気接点)1001乃至1012を保持している。
中間アクセサリ装置500のマウント部550bは図2(a)に示すマウント部150と同様の構成である。
マウント部250は、レンズ装置200の後端部(像面側)に固定されている。マウント250は、フランジバックの基準面であるリング状のマウント基準面251を備える。マウント基準面251の内側には周方向の3箇所にバヨネット爪252a乃至252cが設けられている。また、マウント部250には、嵌合穴253が設けられている。嵌合穴253は、カメラ本体100にレンズ装置200の装着が完了した際にロックピン153と係合する。
また、バヨネット爪252a乃至252cよりも内側の領域には、アクセサリ側接点保持部254が設けられている。アクセサリ側接点保持部254は電気接点(レンズ側電気接点)2001乃至2012を保持している。
中間アクセサリ装置500のマウント部550aおよび中間アクセサリ装置400のマウント部450aは図2(b)に示すマウント部250と同様の構成である。すなわち、マウント部550aおよびマウント部450aは電気接点(アクセサリ側電気接点)2001乃至2012を保持するアクセサリ側接点保持部を有する。
マウント部450は、マウント部150と同様に、マウント基準面451、バヨネット爪452a乃至452c、接点保持部454を有する。ただし、バヨネット爪452a乃至452cの長さおよびバヨネット爪同士の間隔はマウント部150のバヨネット爪152a乃至152cとは異なる。
マウント部350は、マウント部250と同様に、マウント基準面351、バヨネット爪352a乃至352c、接点保持部354を有する。ただし、バヨネット爪352a乃至352cの長さおよび隣接するバヨネット爪間の間隔はマウント部250のバヨネット爪252a乃至252cとは異なる。
次に、図3を用いて、カメラ本体100にレンズ装置200を装着した場合について説明する。図3は、カメラ本体100にレンズ装置200が接続された状態での回路構成を示すブロック図である。レンズ装置200とカメラ本体100は、マウント部150およびマウント部250に設けられた複数の電気接点のうちの一部が形成する通信路を介して通信可能となっている。レンズ装置200とカメラ本体100は後述する第1の通信、第2の通信、第3の通信を行うことができる。
カメラ制御手段としてのカメラ制御部101は、マウント部150に設けられた電気接点の出力を制御したり、電気接点に入力された信号を処理したりすることで、カメラ本体100に装着されたアクセサリ装置と行われる通信を制御する。
カメラ電源部103は、カメラ本体100の各部およびカメラ本体100に装着されたアクセサリ装置の動作に用いられる電源である。カメラ電源部103は複数の異なる電圧を生成し、カメラ本体100の各部またはカメラ本体100に装着されたアクセサリ装置に各電圧の電源を供給する。
電源切り替え部104は、第1通信用I/F(インターフェース)部102aへ電源を供給する。電源切り替え部104には電源部103から電圧値の異なる2つの電源が供給されており、カメラ制御部101の制御の下で第1通信用I/F(インターフェース)部102aへ供給する電源を切り替え可能である。
レンズ制御手段としてのレンズ制御部201は、マウント部250に設けられた電気接点の出力を制御したり、電気接点に入力された信号を処理したりすることで、カメラ本体100とレンズ装置200の間で行われる通信を制御する。
レンズ電源部203は、カメラ本体100から供給された電源から所定の電圧の電源を生成し、レンズ制御部201およびレンズ側通信用I/F部202に供給する。
電気接点1001および電気接点2001は、主にカメラ本体100とレンズ装置200との間で行われる通信の制御に用いられる電力(通信電力)をカメラ本体100の電源部103からレンズ装置200に供給するために用いられる端子である。以下、電気接点1001および電気接点2001をVDD端子1001およびVDD端子2001とも称する。本実施形態において、VDD端子1001によってレンズ装置200に供給される電力の電圧(以下、VDD電圧と称する)は5.0Vである。
電気接点1002および電気接点2002は主にモータ等の駆動系の動作に用いられる電力(駆動電力)をカメラ本体100からレンズ装置200に供給するために用いられる端子である。以下、電気接点1002および電気接点2002をVBAT端子1002およびVBAT端子2002とも称する。本実施形態において、VBAT端子1002によってレンズ装置200に供給される電力の電圧(以下、VBAT電圧と称する)は4.5Vである。また、VDD端子とVBAT端子を総称して電源系端子とも称する。
電気接点(第1のカメラ側電気接点)1012および電気接点(第1のアクセサリ側電気接点)2012は、カメラ本体100とレンズ装置200の通信制御系回路をグラウンドに接続する端子である。つまり、VDD端子に対応した接地端子である。以下、電気接点1012および電気接点2012をDGND端子1012およびDGND端子2012とも称する。
電気接点1004および電気接点2004は、カメラ本体100とレンズ装置200に設けられたモータ等を含む駆動系回路をグラウンドに接続するための端子である。つまり、VBAT端子に対応した接地端子である。以下、電気接点1004および電気接点2004をPGND端子1004およびPGND端子2004とも称する。また、DGND端子とPGND端子を総称してグラウンド端子とも称する。
電気接点1005および電気接点2005は、カメラ本体100にレンズ装置が装着されたことを検出するための端子である。カメラ制御部101は、電気接点1005の電圧レベルに応じてカメラ本体100にレンズ装置の着脱を検出する。カメラ制御部101がレンズ装置の装着を検出すると、VDD端子1001およびVBAT端子1002を介してレンズ装置への電源供給を開始する。以下、電気接点1005および電気接点2005をMIF端子1005およびMIF端子2005とも称する。
電気接点1003および電気接点2003は、カメラ本体100に装着されたアクセサリ装置の種類を判別するための端子である。電気接点1003は、カメラ本体100内において、カメラ制御部101に供給される電源と同電圧に抵抗125を介してプルアップされている。また、電気接点2003は、レンズ装置200内において抵抗222を介してグラウンド(DGND)にプルダウンされている。カメラ制御部101は、電気接点1003の電圧値を検出し、検出された電圧値に基づいてカメラ本体100に装着されたアクセサリ装置の種類を判別する。すなわち、カメラ制御部101は装着されたアクセサリ装置の種類を判別する判別手段としても機能する。また、カメラ制御部101は、電源切り替え部104を制御してカメラ本体100に装着されたアクセサリ装置の種類に応じて電源切り替え部104によって第1通信用I/F部102aに供給される電源を切り替える。これによって、カメラ本体100とカメラ本体100に装着されたアクセサリ装置は適切な通信電圧で通信できる。以下、電気接点1003および電気接点2003をTYPE端子1003およびTYPE端子2003とも称する。
電気接点1006乃至1008および電気接点2006乃至2008は、後述する第1の通信に用いられる端子である。電気接点1006乃至1008の入出力は第1通信用I/F部102aを介してカメラ制御部101によって制御される。電気接点2006乃至2008の入出力は、レンズ側通信用I/F部202を介してレンズ制御部201によって制御される。
電気接点(第1のカメラ側通信用接点)1008および電気接点(第1のアクセサリ側通信用接点)2008は、第1の通信に用いられるクロック信号をカメラ本体100からレンズ装置200に出力可能な端子である。また、電気接点1008および電気接点2008はレンズ装置200がカメラ本体100に対して通信待機要求を通知するためにも用いられる。以下、電気接点1008および電気接点2008をLCLK端子1008およびLCLK端子2008とも称する。LCLK端子1008はカメラ本体100内で抵抗120を介して第1通信用I/F部102aのインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。また、LCLK端子2008はレンズ装置200内で抵抗220を介してレンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。
電気接点(第2のカメラ側通信用接点)1006および電気接点(第2のアクセサリ側通信用接点)2006は、第1の通信によってカメラ本体100からレンズ装置200にデータを送信可能な端子である。以下、電気接点1006および電気接点2006をDCL端子1006およびDCL端子2006とも称する。DCL端子2006はレンズ装置200内で抵抗221を介してレンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。
電気接点(第3のカメラ側通信用接点)1007および電気接点(第3のアクセサリ側通信用接点)2007は、第1の通信によってレンズ装置200からカメラ本体100にデータを送信可能な端子である。以下、電気接点1007および電気接点2007をDLC端子1007およびDLC端子2007とも称する。DLC端子1007はカメラ本体100内で抵抗121を介して第1通信用I/F部102aのインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。
以下では、第1の通信に用いられるLCLK端子1008、DCL端子1006、DLC端子1007を第1のカメラ側電気接点群とも称する。また、LCLK端子2008、DCL端子2006、DLC端子2007を第1のレンズ側電気接点群とも称する。
電気接点(第4のカメラ側通信用接点)1009および電気接点2009は後述する第2の通信に用いられる。電気接点1009および電気接点2009は、第2の通信によってレンズ装置200からカメラ本体100にデータを送信可能な端子である。以下、電気接点1009および電気接点2009をDLC2端子1009およびDLC2端子2009とも称する。DLC2端子1009はカメラ本体100内で抵抗122を介してDGND端子と同電位にプルダウンされている。
電気接点1010、1011および電気接点2010、2011は、後述する第3の通信に用いられる端子である。
電気接点(第5のカメラ側通信用接点)1010および電気接点2010は、カメラ本体100とレンズ装置200の間で第3の通信によって双方向にデータを送受信可能な端子である。以下、電気接点1010および電気接点2010をDCA端子1010およびDCA端子2010とも称する。DCA端子1010はカメラ本体100内で抵抗124を介して第2・第3通信用I/F部102bのインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。また、DCA端子1010はCMOSタイプの入出力インターフェースを介してカメラ制御部101に接続されている。同様に、DCA端子2010はCMOSタイプの入出力インターフェースを介してレンズ制御部201に接続されている。これによって、カメラ制御部101およびレンズ制御部201は、DCA端子1010および2010を用いて高速なデータの送受信を行うことができる。
電気接点(第6のカメラ側通信用接点)1011および電気接点2011は、カメラ本体100とレンズ装置200の間で第3の通信に関する後述する所定のタイミングを通知可能な端子である。以下、電気接点1011および電気接点2011をCS端子1011およびCS端子2011とも称する。CS端子1011はカメラ本体100内で抵抗123を介して第2・第3通信用I/F部102bのインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。また、CS端子2011はレンズ装置200内で抵抗224を介してレンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧と同電位にプルアップされている。また、CS端子1011はオープンタイプの出力インターフェースを介してカメラ制御部101に接続されている。同様に、CS端子2011はオープンタイプの出力インターフェースを介してレンズ制御部201に接続されている。ここで、オープンタイプの出力インターフェースとは、オープンドレインまたはオープンコレクタである出力インターフェースを言う。
本実施形態において、カメラ本体100にレンズ装置200が装着された場合、第1通信用I/F部102aおよび第2・第3通信用I/F部102bのインターフェース電圧は3.0V(第1の電圧)に設定される。また、レンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧は3.0V(第1の電圧)に設定される。以下、装着されたアクセサリ装置と通信を行なうために用いられる電気接点1006乃至1011をカメラ側通信用接点とも称する。また、カメラ本体100にレンズ装置200を装着した際にカメラ側通信用接点と接触する電気接点である電気接点2006乃至2011をアクセサリ側通信用接点とも称する。
次に、図4を用いて、カメラ本体100に中間アクセサリ装置500を介してレンズ装置200を装着する場合について説明する。中間アクセサリ装置500はカメラ本体100と第3の通信を行うことができる。
図4は、カメラ本体100に、中間アクセサリ装置500を介してレンズ装置200が装着されている場合のブロック図である。前述のように、中間アクセサリ装置500はマウント部550aと550bを備える。また、中間アクセサリ装置500は、カメラ本体100との通信を制御したり、中間アクセサリ装置500に設けられた操作部材(不図示)の操作に応じた処理を行ったりするアクセサリ制御部501を有する。操作部材の操作は、アダプタ操作入力部502を介してアクセサリ制御部501に伝えられる。なお、操作部材の一例としては、絞り値の設定が可能なファンクションリングを挙げることができる。
マウント部550aは、前述したレンズ装置200のマウント部250と同様である。また、マウント部550bは、前述したカメラ本体100のマウント部150と同様である。マウント部550aに設けられた電気接点2001乃至2012は、中間アクセサリ装置500内においてマウント部550bに設けられた電気接点1001乃至1012まで配線されている。
なお、中間アクセサリ装置500内においてVDD端子2001はアクセサリ電源部503にも接続されており、中間アクセサリ装置500にも電源を供給するように構成されている。本実施形態では、アクセサリ電源部503は3.0Vの電源を生成してアクセサリ制御部501やアクセサリ操作入力部502に供給する。また、中間アクセサリ装置500内において第3の通信に用いられるDCA端子2010およびCS端子2011はアクセサリ制御部501にも接続されており、中間アクセサリ装置500とカメラ本体100は第3の通信を行なうことができる。
カメラ本体100に中間アクセサリ装置500を介してレンズ装置200が装着された場合、第1通信用I/F部102aおよび第2・第3通信用I/F部102bのインターフェース電圧は3.0Vに設定される。また、レンズ側通信用I/F部202のインターフェース電圧は3.0Vに設定される。
以上では、カメラ本体100にレンズ装置200を装着する場合について説明した。
次に、図5を用いて、カメラ本体100にレンズ装置300を装着する場合について説明する。前述のように、レンズ装置300は従来例のレンズ装置であり、本実施形態のレンズ装置200とは異なる。レンズ装置300はカメラ本体と第2の通信、第3の通信を行うことはできないが、第1の通信を行うことができる。また、中間アクセサリ装置400はカメラ本体と第3の通信を行うことができる。
図5は、カメラ本体100に、中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着されている場合のブロック図である。前述のように、中間アクセサリ装置400はマウント部450aと450bを備える。また、中間アクセサリ装置400は、カメラ本体100と通信したり、不図示の操作部材の操作に応じた処理を行ったりするアダプタ制御部401を有する。操作部材の操作は、アダプタ操作入力部402を介してアダプタ制御部401に伝えられる。
マウント部450aは、前述したレンズ装置200のマウント部250と同様である。ただし、中間アクセサリ装置400の内部回路とレンズ装置200の内部回路は異なる。具体的には、第1の通信に用いられるDCL端子2006、DLC端子2007、LCLK端子2008は中間アクセサリ装置400内でアダプタ制御部401に接続されておらず、マウント部450bの対応する電気接点までスルー配線されている。一方、第3の通信に用いられるDCA端子2010およびCS端子2011は中間アクセサリ装置400内でアダプタ制御部401に接続されている。これは、中間アクセサリ装置400はカメラ本体100と第1の通信を行わず第3の通信を行うためである。
また、第2の通信に用いられるDLC2端子2009は中間アクセサリ装置400内で抵抗を介してDGND端子2012と同レベルにプルダウンされている。これは、レンズ装置300とカメラ本体100は第2の通信を行わないためである。
また、TYPE端子2003は中間アクセサリ装置400内で抵抗422を介してDGND端子2012と同レベルにプルダウンされている。抵抗422はレンズ装置200の抵抗222とは異なる抵抗値とを有する。
次に、マウント部450aおよびマウント部350に設けられた電気接点について説明する。
電気接点3001および電気接点4001は、駆動電力をカメラ本体100のVBAT端子1002からレンズ装置300に供給するために用いられる端子である。中間アクセサリ装置400においてVBAT端子2002は電気接点4001までスルー配線されている。以下、電気接点3001および電気接点4001をVBAT端子3001およびVBAT端子4001とも称する。なお、本実施形態において、VBAT端子1002によってレンズ装置300に供給される電力の電圧は4.5Vである。
電気接点3004および電気接点4004は、カメラ本体100のVDD端子1001からレンズ装置300に通信電力を供給するために用いられる端子である。中間アクセサリ装置400においてVDD端子2001は電気接点4001までスルー配線されると共に、中間アクセサリ装置400内のアダプタ電源部403にも接続されている。アダプタ電源部403はアダプタ制御部401およびアダプタ操作入力部に供給する電源として3.0Vの電源を生成する。以下、電気接点3004および電気接点4004をVDD端子3004およびVDD端子4004とも称する。なお、本実施形態において、VDD端子1001によってレンズ装置200に供給される電力の電圧は5.0Vである。
電気接点3003および電気接点4003は、カメラ本体100とレンズ装置300の駆動系をグラウンドに接続するための端子である。つまり、VBAT端子に対応した接地端子である。中間アクセサリ装置400においてPGND端子2004は電気接点4003までスルー配線されている。以下、電気接点3003および電気接点4003をPGND端子3003およびPGND端子4003とも称する。
電気接点3008および電気接点4008は、カメラ本体100とレンズ装置300の通信制御系をグラウンドに接続するための端子である。つまり、VDD端子に対応した接地端子である。中間アクセサリ装置400においてVDD端子2012は電気接点4008までスルー配線されている。以下、電気接点3008および電気接点4008をDGND端子3008およびDGND端子4008とも称する。
電気接点3002および電気接点4002は、カメラ本体100に中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着されたことを検出するために用いられる端子である。カメラ制御部101はレンズ装置300の装着を検出すると、レンズ装置300への電源供給を開始する。中間アクセサリ装置400においてMIF端子2005は電気接点4002までスルー配線されている。以下、電気接点3002および電気接点4002をMIF端子3002およびMIF端子4002とも称する。
電気接点3005乃至3007および電気接点4005乃至4007は、後述する第1の通信に用いられる端子である。電気接点3005乃至3007の入出力はレンズ側通信用I/F部302を介してレンズ制御部301によって制御される。以下、電気接点3005、3006、3007をDCL端子3005、DLC端子3006、LCLK端子3007とも称する。また、電気接点4005、4006、4007をDCL端子4005、DLC端子4006、LCLK端子4007とも称する。
中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着されている場合、第1通信用I/F部102aおよびレンズ側通信用I/F部302のインターフェース電圧はVDD端子から供給される電圧と同じ電圧である5.0V(第2の電圧)に設定される。第2の電圧は第1の電圧とは異なる電圧である。
一方、第2・第3通信用I/F部102bのインターフェース電圧は3.0Vに設定される。すなわち、カメラ本体100に中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着されている場合、第1の通信の通信電圧と第3の通信の通信電圧は互いに異なる。なお、後述のように、カメラ本体100に中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着されている場合、第2の通信は行われない。
以上、カメラ本体100およびカメラ本体100に装着可能なアクセサリ装置の構成ついて説明した。次に、TYPE端子1003の機能について詳しく説明する。
以下では、TYPE端子1003がカメラ本体内でプルアップされる電源電圧は3.3Vであるとする。また、抵抗125の抵抗値は100kΩ、抵抗126の抵抗値は1kΩ、抵抗222の抵抗値は33kΩ、抵抗422の抵抗値は300kΩであるとする。また、TYPE_IN端子に入力される電圧値は、不図示のAD変換器により10bitの分解能でデジタル信号に変換されるものとする。
図6(a)は、カメラ本体100にレンズ装置200が装着された状態におけるTYPE端子1003の周辺回路を図示したものである。この場合、カメラ制御部101のTYPE_IN端子に入力される値は、電源電圧(3.3V)を抵抗125と抵抗222で分圧した電圧値をAD変換した値であり、おおよそ「0x0103」となる。
また、図6(b)はカメラ本体100に中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着された状態におけるTYPE端子1003の周辺回路を図示したものである。この場合、カメラ制御部101のTYPE_IN端子に入力される値は、電源電圧(3.3V)を抵抗125と抵抗422で分圧した電圧値をAD変換した値であり、おおよそ「0x0300」となる。
このように、中間アクセサリ装置400の抵抗422の抵抗値とレンズ装置200の抵抗222の抵抗値を異ならせることで、カメラ本体100に装着されたアクセサリ装置の種類に応じてTYPE_IN端子に入力される値を異ならせることができる。このため、カメラ制御部101はTYPE_IN端子の入力値を用いてカメラ本体100に装着されたアクセサリ装置の種類を判別することができる。
しかしながら、TYPE端子1003とTYPE端子2003の接続状態に何らかの異常が生じた場合、TYPE_IN端子に本来想定されない値が入力される場合がある。アクセサリ装置の装着状態に何らかの異常があるにも関わらず、カメラ制御部101がカメラ本体100に何らかのアクセサリ装置が装着されていると判定してしまうと、アクセサリ装置に定格外の電圧を印加してしまうおそれがあるため好ましくない。そこで、図6(c)、(d)、(e)を用いて、TYPE端子1003とTYPE端子2003の接続状態に何らかの異常が生じた場合について考える。
図6(c)は、カメラ本体100にアクセサリ装置の装着が完了しているにも関わらず、接触不良などによりTYPE端子1003とTYPE端子2003が接触しなかった場合のTYPE端子1003の周辺回路を図示したものである。この場合、TYPE_IN端子に入力される電圧値はカメラ本体100内の抵抗125(100kΩ)のみで決まり、AD変換後の値はおおよそ「0x03FF」となる。
図6(d)はTYPE端子1003とVBAT端子1002がショートした場合のTYPE端子1003の周辺回路を図示したものである。ここで、カメラ本体100に装着されたアクセサリ装置の種類の判定をVBAT端子1002およびVBAT端子2002への電源供給より前に行う場合について考える。電源供給を行っていないときのVBAT端子1002およびVBAT端子2002の電圧がPGND端子と同じである場合、TYPE端子1003とVBAT端子1002がショートするとTYPE端子1003の電圧はPGND端子の電圧と略等しくなる。このとき、TYPE_IN端子に入力される値は、カメラ本体100内の抵抗125(100kΩ)と抵抗126(1kΩ)の分圧比で決まり、おおよそ「0x000A」となる。
次に、カメラ本体100に装着されたアクセサリ装置の種類の判定をVBAT端子1002およびVBAT端子2002への電源供給より後に行う場合について考える。この場合、TYPE端子1003とVBAT端子1002がショートしてしまうと、VBAT電圧(本実施形態では4.5V)がTYPE端子1003に印加されることになる。このとき、TYPE_IN端子に入力される値はおおよそ「0x03FF」となる。
図6(e)はTYPE端子1003とPGND端子1004がショートした場合のTYPE端子1003の周辺回路を図示したものである。TYPE端子1003とPGND端子1004がショートした場合、TYPE端子1003の電圧はPGND端子1004の電圧(VBAT電圧の基準電位の電圧)と略等しくなる。このとき、TYPE_IN端子に入力される値はカメラ本体100内の抵抗125(100kΩ)と抵抗126(1kΩ)との分圧比で決まり、おおよそ「0x000A」となる。
以上説明したように、TYPE端子1003とTYPE端子2003の接続状態に何らかの異常が生じた場合、TYPE端子1003の電圧は、VBAT電圧またはPGND端子1004の電圧と略等しくなる。そこで本実施形態では、カメラ本体100に適切にレンズ装置が装着されたと判定されるTYPE端子1003の電圧の範囲として、VBAT電圧およびPGND端子1004の電圧を含まない電圧範囲を設定している。表1に、本実施形態におけるTYPE_IN端子の入力値とカメラ制御部101による装着状況の判別結果の対応表を示す。
表1に示すように、TYPE_IN端子の入力値が「0x0080〜0x017F」の範囲内であれば、カメラ制御部101はカメラ本体100にレンズ装置200が装着されていると判定するようにしている。「0x0080〜0x017F」は、TYPE端子1003の電圧がVBAT電圧およびPGND端子1004の電圧である場合のTYPE_IN端子の入力値を含まない。したがって、カメラ本体100にレンズ装置200が適切に装着された場合にのみ、カメラ制御部101はカメラ本体100にレンズ装置200が装着されたと判定することができる。レンズ装置200が装着されたと判定された場合、カメラ制御部101は通信電圧3.0Vでレンズ装置200と通信を行なう。
同様に、TYPE_IN端子の入力値が「0x0280〜0x037F」の範囲内であれば、カメラ制御部101はカメラ本体100にレンズ装置300が装着されていると判定するようにしている。「0x0280〜0x037F」は、TYPE端子1003の電圧がVBAT電圧およびPGND端子1004の電圧である場合のTYPE_IN端子の入力値を含まない。したがって、カメラ本体100にレンズ装置200が適切に装着された場合にのみ、カメラ制御部101はカメラ本体100にレンズ装置200が装着されたと判定することができる。レンズ装置300が装着されたと判定された場合、カメラ制御部101は通信電圧5.0Vでレンズ装置100と通信を行なう。
以上のように、TYPE_IN端子の入力値とカメラ制御部101による装着状況の判別結果の対応関係を予め定めておくことで、装着されたレンズ装置の種類を適切に判別することができる。
なお、TYPE_IN端子の入力値が「0x0000〜0x007F」の範囲内である場合、カメラ制御部101はカメラ本体100とアクセサリ装置の装着状態に何らかの異常が生じていると判定する。「0x0000〜0x007F」は、TYPE端子1003とPGND端子1004の電圧が略等しい場合のTYPE_IN端子の入力値「0x000A」含む。この場合、カメラ制御部101はカメラ本体に装着されたレンズ装置と通信を行なわない。これによって、TYPE端子の接続状態に異常が生じた場合に、アクセサリ装置に定格外の電圧を印加してしまうことを防ぐことができる。
また、TYPE_IN端子の入力値が「0x0380〜0x03FF」の範囲内である場合、カメラ制御部101はカメラ本体100とアクセサリ装置の装着状態に何らかの異常が生じていると判定する。「0x0380〜0x03FF」は、TYPE端子1003の電圧がVBAT電圧に略等しい場合のTYPE_IN端子の入力値「0x03FF」含む。この場合、カメラ制御部101はカメラ本体に装着されたレンズ装置と通信を行なわない。これによって、TYPE端子の接続状態に異常が生じた場合に、アクセサリ装置に定格外の電圧を印加してしまうことを防ぐことができる。
次に、図7のフローチャートを用いて、カメラ本体100の動作フローについて説明する。本フローは、カメラ制御部101に格納されているコンピュータプログラムに従って行われる。図7のフローチャートは、カメラ本体100の不図示の電源スイッチの操作によりカメラ本体100の電源をONにした状態からスタートする。なお、フローチャートにおいてSはステップを表す。
まず、S601においてカメラ制御部101はMIF_IN端子の電圧値を取得し、不図示のRAM領域に記憶させる。
次に、S602において、カメラ制御部101はS601で記憶させたMIF_IN端子の電圧値がLowレベルに相当するか否か判定する。MIF_IN端子の電圧値がLowレベルでない場合、カメラ本体100にはレンズ装置が装着されていない状態であるため、S601に戻る(S602のNo)。MIF_IN端子の電圧値がLowレベルである場合、カメラ本体100にレンズ装置が装着された状態であると判定し、S603に進む。
S603では、カメラ制御部101は、TYPE_INの電圧値を取得し、不図示のRAM領域に記憶させる。
S604では、S603で記憶させたTYPE_INの値が0x0080以上0x017F以下の範囲であるか否か判定する。S604がYesの場合、カメラ制御部101は装着されたレンズ装置がレンズ装置200であると判定する。この場合、S605に進む。
S605では、第1通信用I/F部102aに供給される電源電圧が3.0Vとなるようにカメラ制御部101が電源切り替え部104を制御する。
その後、S606で電源部103によるVDD端子1001への電源供給を開始し、S607でレンズ装置200と第1の通信による通信を開始する。
一方、S604がNoだった場合、S608に進む。S608では、S603で記憶したTYPE_INの値が0x0180以上0x02FF以下範囲であるか否か判定する。S608がYesの場合、カメラ制御部101は装着されたレンズ装置がレンズ装置300であると判定する。この場合、S609に進む。
S609では、第1通信用I/F部102aに供給される電源電圧が5.0Vとなるようにカメラ制御部101が電源切り替え部104を制御する。
その後、S610で電源部103によるVDD端子1001への電源供給を開始し、S611でレンズ装置300と第1の通信による通信を開始する。
一方、S608がNoだった場合、S612に進む。この場合、カメラ制御部101は装着されたアクセサリ装置がカメラ本体100では制御できないアクセサリ装置である、または、装着状態に異常が生じていると判定し、S613に進む。
S613では、カメラ制御部101はアクセサリとの通信を行なわず、カメラ本体100に設けられた不図示の表示部に接続エラーであることを表示する。
S614では、カメラ本体100の電源スイッチの操作によりカメラ本体100の電源がOFFにされたかどうかを判定する。電源スイッチがOFFにされたと判定した場合は電源OFFの処理を行う。そうでない場合は、S615に進む。
S615では、カメラ制御部101がMIF_IN端子の電圧値を読み込み、不図示のRAM領域に記憶する。
S616では、S615で記憶したMIF_INの電圧値がHighレベルに相当するか判定する。MIF_INの電圧値がHighの場合、カメラ本体100に装着されていたレンズ装置が取り外されたと判定する。一方、MIF_INの電圧値がLowレベルの場合は、レンズ装置が装着されたままであると判定して、S614戻る。
S617では、カメラ制御部101はレンズ装置との通信を停止し、S618で電源部103によるVDD端子1001への電源供給を停止する。その後、S601に進む。
次に、カメラ本体100に装着されたアクセサリ装置と、カメラ本体100との間で行われる通信について説明する。
まず、第1の通信について説明する。第1の通信とは、カメラ本体100とカメラ本体100に装着されたレンズ装置との間で行われる通信の1つである。第1の通信は、LCLK端子、DCL端子、DLC端子を用いて行わる。また、第1の通信はクロック同期式の通信方式で行われる。なお、第1の通信は調歩同期式の通信方式で行っても良い。その場合、LCLK端子はデータ送信要求をカメラ本体100からレンズ装置に通知するための端子として用いられる。
レンズ装置200とレンズ装置300は、共に第1の通信に対応している。ただし、前述のように第1の通信の通信電圧はレンズ装置200とレンズ装置300で異なる。
カメラ本体100は、レンズ装置を制御するための制御コマンドを第1の通信によってレンズ装置に送信する。制御コマンドはレンズ装置の駆動部(不図示)を駆動させるためのコマンドを含む。なお、レンズ装置の駆動部としてはフォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り羽を例示することができる。
第1の通信によって送信された制御コマンドを受信したレンズ装置は、命令に応じた動作を行う。また、レンズ装置は制御コマンドに応答して自身の状態に関する情報を第1の通信によってカメラ本体100へ送信する。ここで言う状態に関する情報とは、フォーカスレンズの位置、焦点距離、絞り値に関する情報を含む。
以上のように、第1の通信は、主としてレンズ装置を制御するために用いられる通信である。
次に、第2の通信について説明する。第2の通信とは、カメラ本体100とカメラ本体100に装着されたレンズ装置200との間で行われる通信の1つであり、DLC2端子1009および2009を用いて行われる非同期式の通信である。なお、レンズ装置300はDLC2端子を有さないため、カメラ本体100にレンズ装置300が装着された場合第2の通信は行われない。ゆえに、カメラ本体100にレンズ装置300が装着された場合、DLC2端子1009は使用されない。
第2の通信では、レンズ装置200が通信マスターとなり、レンズ装置200におけるフォーカスレンズの位置、ズームレンズの位置、絞り値、防振レンズの状態等の光学データをカメラ本体100に送信する。第2の通信によってレンズ装置200がカメラ本体100に送信するデータの種類や順番は、カメラ本体100から第1の通信によって指定される。
ここで、図8を用いて、第2の通信のフローについて説明する。図8のフローチャートは、撮像制御が開始されたタイミングからスタートする。なお、フローチャートにおけるSはステップを表す。
S1401において、カメラ本体100は、第2の通信を開始することを要求する開始要求を、第1の通信によってレンズ装置200に送信する。S1401において送信される開始要求には、カメラ本体100が第2の通信でレンズ装置200から受信したいデータの種類と、受信する順番が予め登録されている登録通信コマンドが含まれている。
S1411において、レンズ装置200はカメラ本体100から開始要求を受信する。S1412において、レンズ装置200は開始要求に含まれる登録通信コマンドで指定された種類のデータを指定された順番で生成する。
S1413において、レンズ装置200はS1412で生成したデータをカメラ本体100に第2の通信によって送信する。すなわち、レンズ装置200は、S1412で生成したデータをカメラ本体100にDLC2端子2009を用いて送信する。
カメラ本体100はS1402においてレンズ装置200から第2の通信によって送信されたデータを受信する。
S1402またはS1413の後に再び撮像制御が開始された場合、再び図8に示す制御を開始する。
このように、第2の通信の開始要求は第1の通信によって行われ、第2の通信によるレンズ装置200からカメラ本体100へのデータ送信は、DLC2端子2009を用いて行われる。よって、第1の通信に用いられる電気接点とは別にDLC2端子2009を設けて第2の通信を行うことにより、第1の通信で行う必要のある他の通信を妨げることなく、レンズ装置200からカメラ本体100へ光学データを送信することができる。
なお、第2の通信の開始要求は第1の通信によって行われるため、第1の通信が成立していない場合に第2の通信を行うことはできない。
次に、第3の通信について説明する。第3の通信とは、レンズ装置200、中間アクセサリ装置400、中間アクセサリ装置500とカメラ本体100の間で行われる通信であり、DCA端子およびCS端子を用いて行われる非同期式の通信である。
前述のように、レンズ装置300はDCA端子およびCS端子を有さないため、カメラ本体100に中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着された場合、カメラ本体100とレンズ装置300は第3の通信を行わない。ただし、この場合カメラ本体100と中間アクセサリ装置400は第3の通信を行なっても良い。
第3の通信において、通信マスターはカメラ本体100であり、通信スレーブはレンズ装置200、中間アクセサリ装置400、中間アクセサリ装置500である。なお、図4にはカメラ本体100とレンズ装置200の間に1つの中間アクセサリ装置500のみが装着されている場合を例示しているが、カメラ本体100とレンズ装置200に複数の中間アクセサリ装置が装着されることもある。したがって、第3の通信では、1つの通信マスターに対して複数の通信スレーブが直列に接続される場合がある。このため、第3の通信では、カメラ本体100が複数のスレーブに対して一斉に信号を送信するブロードキャスト通信モードと、特定のスレーブを指定して通信を行うP2Pモードとで通信を行なうことができる。
第3の通信におけるブロードキャスト通信モードとP2Pモードにおいて、DCA端子は共にデータを送受信するための端子として機能する。一方、CS端子の機能はブロードキャスト通信モードとP2Pモードで異なる。以下では、カメラ本体100に中間アクセサリ装置500を介してレンズ装置200が装着されている場合を例にして、ブロードキャスト通信モードとP2PモードにおけるCS端子の機能について説明する。
図9は、カメラ制御部101とレンズ制御部201とアクセサリ制御部501との間でやり取りされるブロードキャスト通信における通信制御タイミングを示している。カメラ制御部101、レンズ制御部201、アクセサリ制御部501のCS端子の出力をそれぞれCS(カメラ)、CS(レンズ)、CS(アクセサリ)と表している。また、カメラ制御部101、レンズ制御部201、アクセサリ制御部501のDCA端子の出力をそれぞれDCA(カメラ)、DCA(レンズ)、DCA(アクセサリ)と表している。また、CS端子が構成する信号線(CS信号線)の信号波形とDCA端子が構成する信号線(DCA信号線)の信号波形を、それぞれCS、DCAと表している。図9は、カメラ制御部101からレンズ制御部201およびアクセサリ制御部501へのブロードキャスト通信に応答する形でアクセサリ制御部501からカメラ制御部101およびレンズ制御部201へのブロードキャスト通信を行う場合を示している。
まず、図9に示した(1)のタイミングで、通信マスターであるカメラ制御部101は、ブロードキャスト通信を開始することを通信スレーブであるレンズ制御部201およびアクセサリ制御部501に通知するために、CS端子にLowを出力する。次に、図9に示した(2)のタイミングで、カメラ制御部101は送信するデータをDCA端子に出力する。
図9の(3)のタイミングで、レンズ制御部201とアクセサリ制御部501はDCA端子から入力された信号のスタートビットSTを検出すると、CS端子へのLow出力を開始する。なお、この時点ではすでに(1)のタイミングでカメラ制御部101がCS端子へのLow出力を行っているので、CS信号線のレベルは変化しない。
図9の(4)のタイミングで、送信するデータのストップビットSPまで出力が完了したら、カメラ制御部101は(5)のタイミングで、CS端子へのLow出力を解除する。一方、レンズ制御部201とアクセサリ制御部501はストップビットSPまで受信したら、受信したデータの解析および受信したデータに関する内部処理を行う。内部処理が完了し、次のデータを受信するための準備が整った場合、レンズ制御部201およびアクセサリ制御部501は、それぞれ(6)、(7)のタイミングで、CS端子へのLow出力を解除する。
このとき、受信したデータの解析および受信したデータに関する内部処理に要する時間は各制御部の処理能力に依って異なる。したがって、次の通信を適切に行うためには、各制御部は、他の全てのマイコンにおいて、受信したデータに関する内部処理が完了したタイミングを把握する必要がある。
本実施形態では、前述のとおりCS端子はオープンタイプの出力端子である。このため、CS信号線のレベルは、カメラ制御部101、レンズ制御部201、アクセサリ制御部501の全てがそれぞれのCS端子へのLow出力を解除した場合にHighとなる。すなわち、ブロードキャスト通信に関与する各制御部は、CS信号線のレベルがHighとなることを確認することで、他の制御部における次の通信を行うための準備が整ったことを判断することができるため、適切に次の通信を行うことができる。
(8)のタイミングで、アクセサリ制御部501はブロードキャスト通信を開始することをカメラ制御部101およびレンズ制御部201に通知するために、CS端子へのLow出力を開始する。次に、(9)のタイミングで、アクセサリ制御部501は送信するデータをDCA端子に出力する。
カメラ制御部101とレンズ制御部201は、DCA端子から入力されたスタートビットSTを検出すると、(10)のタイミングでCS端子へのLow出力を開始する。なお、この時点ではすでにアクセサリ制御部501がCS端子へのLow出力を開始しているので、CS信号線のレベルは変化しない。次に、アクセサリ制御部501は(11)のタイミングで、ストップビットSPの出力を完了した後、(12)のタイミングでCS端子へのLow出力を解除する。
カメラ制御部101とレンズ制御部201はDCA端子から入力されたストップビットSPを受信したのち、受信したデータの解析および受信したデータに紐づけられた内部処理を行う。カメラ制御部101とレンズ制御部201は次のデータを受信するための準備が整ったあとに、それぞれ(13)、(14)のタイミングで、CS端子へのLow出力を解除する。
以上のように、ブロードキャスト通信におけるCS端子は、電圧値の変化によって、ブロードキャスト通信を開始するタイミングと、全てのマイコンにおいて信号の受信準備が完了したタイミングを通知する。
次に、P2P通信におけるCS端子の機能を説明する。図10は、カメラ制御部101、レンズ制御部201、アクセサリ制御部501との間でやり取りされるP2P通信の通信制御タイミングを表している。ここでは、カメラ制御部101からレンズ制御部201に対して1バイト分のデータ送信し、そのデータに応答する形でレンズ制御部201からカメラ制御部101に対して2バイト分のデータを送信する例を示す。
まず、カメラ制御部101は、DCA端子を用いて、図10に示した(1)のタイミングで、特定のデータを送信させるための命令をレンズ制御部201に送信する。ストップビットSPの出力まで完了した(2)のタイミングの後、(3)のタイミングでカメラ制御部101はCS端子へのLow出力を開始する。カメラ制御部101は、CS端子にLowを出力している間にデータを受信する準備を行い、準備が整った(4)のタイミングで、CS端子へのLow出力を解除する。
一方、レンズ制御部201は、カメラ制御部101が出力したCS端子のLow信号を検出したのち、カメラ制御部101から受信した命令の解析し、該命令に関する内部処理を行う。レンズ制御部201は、CS端子のLow出力解除を確認した後、カメラ制御部101から受信した命令に応じたデータを(5)のタイミングで、DCA端子から送信する。レンズ制御部201は2バイト目のストップビットSPの出力まで終了した(6)のタイミングの後、(7)のタイミングでCS端子へのLow出力を開始する。
その後、レンズ制御部201は次のデータの受信準備が整った(8)のタイミングでCS端子へのLow出力を解除する。なお、P2P通信の通信相手として指定されていないアクセサリ制御部501は、CS信号線およびDCA信号線の操作には一切関与しない。
以上のように、P2PモードにおいてCS端子は、電圧値の変化によって、データ送信側の装置においてデータ送信が完了したタイミングと、データ受信側の装置においてデータの受信準備が完了したタイミングを通知する。
以上説明したように、第3の通信では、ブロードキャスト通信モードとP2PモードでCS端子の機能を異ならせている。これによって、2本の信号線のみでブロードキャスト通信モードとP2Pモードを実現している。さらに、第3の通信におけるデータの送受信は入出力インターフェースがCMOSタイプであるDCA端子で行われる。ゆえに、第3通信における種々のタイミングを単に通知するために用いられるCS端子の出力インターフェースをオープンタイプとしたとしても、高速な通信を実現することができる。
次に、第1乃至第3の通信の通信電圧について説明する。以上で述べたように、カメラ本体100にレンズ装置200が装着された場合、第1の通信、第2の通信、第3の通信が行われ得る。一方、カメラ本体100にレンズ装置300が装着された場合、第1の通信と第3の通信が行われ得る。すなわち、カメラ本体100にレンズ装置200が装着された場合の方が、レンズ装置300が装着された場合と比較して、行う通信の種類が多い。ゆえに、カメラ本体100にレンズ装置200が装着された場合の通信電圧はなるべく低い方が、消費電力を低減させる上で好ましい。このため、本実施形態では、レンズ装置200が装着された場合の第1の通信の通信電圧(3.0V)をレンズ装置300が装着された場合の通信電圧(5.0V)よりも小さくしている。
また、本実施形態のように、レンズ装置200が装着された場合の第3の通信の通信電圧とレンズ装置300が装着された場合の通信電圧を同じにすることで、第2・第3通信用I/F部202bの構成を簡略化することができる。その際、第3の通信の通信電圧はレンズ装置200が装着された場合の第1の通信の通信電圧とレンズ装置300が装着された場合の第1の通信の通信電圧のうち低い方と等しくすることが好ましい。これにより第3の通信を行なう際の消費電力を低減させることができる。
以上の説明を踏まえて、マウント部150およびマウント部250のカメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254の形状について、図11を用いて説明する。ここでは、カメラ本体100にレンズ装置200が装着された場合を例に説明するが、カメラ本体100に中間アクセサリ装置400または中間アクセサリ装置500が装着された場合についても同様である。
図11(a)は、カメラ本体100にレンズ装置200が装着された状態でのカメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254を光軸と垂直な方向から見た場合の概略図である。図11(b)は、カメラ本体100にレンズ装置200が完全に装着されていない状態でのカメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254を光軸と垂直な方向から見た場合の概略図である。図11にはカメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254をそれぞれ平面に示している。ただし実際には、カメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254のそれぞれの形状はマウント部150およびマウント部250の周方向に沿って湾曲している。また、カメラ本体100の電気接点は、それぞれカメラ側接点保持部154の内部で不図示の弾性部材によって、カメラ側接点保持部154から突出する方向に付勢されている。弾性部材としては例えばコイルばねや板ばねを挙げることができる。
図11(a)に示す矢印Aは、カメラ本体100からレンズ装置200を取り外す際の、カメラ本体100に対するレンズ装置200の移動方向(回転方向)を示している。レンズ装置200を取り外す際、例えばDGND端子1012は、電気接点2011から電気接点2005に順に接触する。
また、図11(b)に示す矢印Bは、カメラ本体100にレンズ装置200を装着する際のカメラ本体100に対するレンズ装置200の移動方向(回転方向)を示している。矢印Bの方向は第1の方向に相当する。カメラ本体100にレンズ装置200を装着する際、例えばDGND端子1012は電気接点2005乃至電気接点2011に接触した後にDGND端子2012に接続される。
このように本実施形態ではDGND端子1012はレンズ装置200を着脱する際、電気接点2005乃至2011と摺動する。DGND端子1012は、前述のように、カメラ本体100およびレンズ装置200の基準電位となる電気接点である。したがって、カメラ本体100からレンズ装置200への電源供給を安定させるためには、DGND端子1012の摩耗を抑え、DGND端子1012とDGND端子2012の接触インピーダンスの上昇を抑制することが好ましい。
図11(c)は、カメラ本体100にレンズ装置200が装着された状態での電気接点1005乃至1012および電気接点2005乃至2012を拡大して示した図である。図11(c)における2005a乃至2012aは、それぞれレンズ装置200におけるカメラ本体100側の電気接点1005乃至1012との接触部を表している。
DGND端子1012が他の電気接点と摺動する際の接触圧を軽減すれば、DGND端子1012は摩耗しにくくなる。DGND端子1012と他の電気接点との接触圧は、DGND端子1012を付勢する弾性部材の自然長からの変位によって定まる。そこで本実施形態では、接触部2006a乃至2011aが、接触部(第1の接触部)2012aよりもアクセサリ側接点保持部254からの高さが低い接触部を含むように構成している。これによって、アクセサリ側接点保持部254からの高さが低い接触部上をDGND端子1012が摺動する際のDGND端子1012を付勢する弾性部材の変位を小さくすることができる。結果としてレンズ装置200の着脱によるDGND端子1012の摩耗量を低減させることができる。
なお、「アクセサリ側接点保持部254からの高さ」とは、アクセサリ側接点保持部254において電気接点が設けられていない領域(アクセサリ側接点保持部254における隣接する2つの電気接点の間の領域)を基準とした高さを言う。すなわち、接触部2012aのアクセサリ側接点保持部254からの高さは図11(c)に示すT1である。また、接触部2009a乃至2011aのアクセサリ側接点保持部254からの高さは図11(c)に示すT2である。
なお、接触部2006a乃至2011aの高さを低くすると、DGND端子1012の摩耗量を低減させることはできるが、電気接点2006乃至2011と電気接点1006乃至1011の接触不良は生じやすくなる。前述のように、レンズ装置200の駆動制御や状態情報の取得は、第1の通信によって行われる。すなわち、第1の通信が成立していなければ、カメラ本体100はレンズ装置200の主要な制御を行うことができない。反対に、仮に第2の通信や第3の通信が行えなくなったとしても、第1の通信が成立していれば、カメラ本体100はレンズ装置200の主要な制御を行うことができる。このため、接触部2006a乃至2008aは接触部2012aと同じ高さとし、接触部(第2の接触部)2009a、接触部(第3の接触部)2010a、接触部(第4の接触部)2011aの高さを接触部2012aよりも低くすることが好ましい。なお、接触部2009a乃至2011aと接触部2012aとの高さの差ΔTは、0.05mm程度であれば十分である。
なお、本実施形態において、接触部2005aは接触部2012aと略同等の高さとしている。これはMIF端子1005およびMIF端子2005の接触圧を高めることでカメラ本体100にレンズ装置200の装着を確実に検出させるためである。
また、本実施形態では、図11に示すように、カメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254に段差を設けている。以下では、保持している電気接点の多い方の段を第1の段と称し、保持している電気接点の少ない方の段を第2の段と称する。これにより、カメラ本体100にレンズ装置200を着脱する際に、電気接点2001乃至2004と電気接点1005乃至1012とを接触させないようにすることができる。したがって、カメラ本体100にレンズ装置200を着脱する際の電気接点の摩耗量をより低減させることができる。
次に、カメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254における電気接点の並び順について説明する。
前述のように、本実施形態において、カメラ側接点保持部154の第2の段には、レンズ装置200の装着方向(図11(b)の矢印Bの方向)に順に、PGND端子1004、TYPE端子1003、VBAT端子1002、VDD端子1001が配置されている。同様に、アクセサリ側接点保持部254の第2の段には、レンズ装置200の装着方向(図11(b)の矢印Bの方向)に順に、PGND端子2004、TYPE端子2003、VBAT端子2002、VDD端子2001が配置されている。すなわち、第2の段に電源系端子を配置している。これによって、電源系端子の摩耗量を低減させることができる。結果として、安定した電源供給を行うことができる。
導電性の異物がカメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254の間に挟まったり、電気接点が変形したりすると、隣接した電気接点同士がショートしてしまう場合がある。特に、電源系端子(VDD端子、VBAT端子)とグラウンド端子(PGND端子)がショートした場合、電源回路に大電流が流れ得る。これに対して、電源系端子とグラウンド端子の間に他の電気接点を設けることで、ショートによる電源回路への影響を低減できる。
なお、電源系端子とグラウンド端子の間に設ける端子はカメラ本体100およびレンズ装置200の動作中に信号レベルが略一定である端子であることが好ましい。通常、電源系端子に隣接する端子とカメラ制御部101の間には、ショートした際にカメラ本体100の内部回路を保護するための保護素子が設けられる。仮に電源系端子とグラウンド端子の間にカメラ本体100およびレンズ装置200の動作中に信号レベルが変化する端子を設ける場合、該端子の配線容量は保護素子によって増加してしまう。そのため、該端子を介して送信または受信される信号波形に影響を及ぼし得る。一方、カメラ本体100およびレンズ装置200の動作中に信号レベルが略一定である端子であれば、保護素子を設けることによる影響が少ない。動作中の信号レベルが略一定である端子としてはTYPE端子とMIF端子があるが、MIF端子は後述のように第1の段の端に設けることが好ましいため、電源系端子とグラウンド端子の間にはTYPE端子を設けることが好ましい。なお、本実施形態では、TYPE端子1003とカメラ制御部101の間には、保護素子としての抵抗126が設けられている。
また、本実施形態において、MIF端子1005は、カメラ側接点保持部154の第1の段における第2の段に最も近い位置に配置されている。同様に、MIF端子2005は、アクセサリ側接点保持部254の第1の段における第2の段に最も近い位置に配置されている。
このような位置にMIF端子1005を配置することで、カメラ本体100にレンズ装置200を着脱する際にMIF端子1005と接触する電気接点をMIF端子2005のみとすることができる。これによって、MIF端子1005の摩耗を低減できる。これによって、MIF端子1005の接触不良を生じにくくすることができ、レンズ装置の装着を適切に検出することができる。
なお、カメラ本体100にレンズ装置200を着脱する際、MIF端子2005は電気接点1006乃至1012と接触するため、MIF端子2005は摺動による摩耗量の多い位置に配置されていると言える。しかし、図1に示すようにカメラ本体100には複数の種類のカメラアクセサリが装着されるため、レンズ装置200の電気接点の摩耗量はカメラ本体100に比べて少ない。このため、本実施形態ではカメラ本体100のMIF端子1005の摩耗量が少なくなるように電気接点を配列している。
さらに、カメラ本体100にレンズ装置200を装着する際にMIF端子1005に他の電気接点が接触すると、MIF端子1005の電圧レベルが変化し、カメラ制御部101がレンズ装置の装着を誤検出してしまうおそれがある。レンズ装置200の装着が完了していないにも関わらずレンズ装置200の装着を誤検出してしまうと、電源系端子による電源供給が開始されてしまい、レンズ装置200の誤動作やレンズ装置200の内部回路への影響を及ぼし得る。これに対して、本実施形態のようにMIF端子1005を配置することで、MIF端子同士が接続される前に(すなわちレンズ装置200の装着が完了する前に)電源供給が開始されることを抑制できる。
なお、レンズ装置200のMIF端子2005のマウント部250の周方向の長さは、他の電気接点よりも短いことが好ましい。これによって、カメラ本体100にレンズ装置200を装着する際、複数の電気接点の中でMIF端子1005が最後に接続されるようにすることができる。この場合、他の電気接点同士の接続が完了した後にカメラ本体100からレンズ装置200への電源供給を行わせることができる。また、カメラ本体100からレンズ装置200を取り外す際、複数の電気接点の中でMIF端子1005が最初に切断されるようにすることができる。この場合、カメラ本体100からレンズ装置200を取り外す際、即座にカメラ本体100からレンズ装置200への電源供給を停止させることができる。なお、MIF端子2005のマウント部250の周方向の長さとしては、他の電気接点よりも中心角1°に相当する分だけ短ければ十分である。
上述したように、レンズ装置200およびレンズ装置300の駆動制御や状態情報の取得は、第1の通信によって行われる。したがって、仮に第2の通信や第3の通信が行えなくなったとしても、第1の通信が成立していれば、レンズ装置200及びレンズ装置300の主要な制御を行うことができる。ゆえに、撮像動作を行う上で、第1の通信に用いられる電気接点は、第2の通信や第3の通信に用いられる電気接点と比較して、より重要であると言える。
そこで本実施形態では、アクセサリ装置の着脱による電気接点の摩耗量が、第2の通信または第3の通信に用いられる電気接点1009乃至1011よりも第1のカメラ側電気接点群の方が少なくなるように電気接点を配列している。これについて、図11を用いて説明する。
カメラ本体100とレンズ装置200を装着する際、レンズ装置200はカメラ本体100に対して図11(b)に示す位置から図11(a)に示す位置まで移動(回転)する。その際、カメラ側接点保持部154に保持された電気接点のそれぞれは、アクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と少なくとも1回接触する。アクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と接触する回数が多い電気接点ほど摩耗量が多くなる。
レンズ装置200をカメラ本体100に装着し始めてから完了するまでの間で、電気接点1001乃至1012がアクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と接触し始めるタイミングはそれぞれ異なる。
例えば、DGND端子1012は、レンズ装置200をカメラ本体100に装着する際に電気接点1001乃至1012の中で最も早くアクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と接触する。DGND端子1012はレンズ装置200の装着が完了するまでに電気接点2005乃至2012と接触するため、DGND端子1012がアクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と接触する回数は8回である。一方、レンズ装置200をカメラ本体100に装着する際、DGND端子1012の次にアクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と接触するCS端子1011は、レンズ装置200の装着が完了するまでに電気接点2005乃至2011と接触する。したがって、CS端子1011がアクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と接触する回数は7回であり、DGND端子1012よりも少なくなる。
このように、レンズ装置200をカメラ本体100に装着する際に、アクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と接触し始めるタイミングが早い電気接点ほど、アクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点との接触回数が多くなる。
レンズ装置200をカメラ本体100に装着する際に、カメラ側接点保持部154に保持された電気接点がアクセサリ側接点保持部254に保持された電気接点と接触する回数は、接触するタイミングが早い電気接点ほど多くなる。
本実施形態の電気接点の配列では、レンズ装置200を装着する際、第2または第3の通信に用いられる電気接点1009乃至1011は第1の通信に用いられる電気接点1006乃至1008より前にアクセサリ側接点保持部に設けられた電気接点と接触する。
このように電気接点を配列することで、第1の通信に用いられる第1のカメラ側電気接点群の摩耗量を第2または第3の通信に用いられる電気接点1009乃至1011と比較して低減させられる。これにより、電気接点の摩耗による通信不良の発生を低減させることができる。
なお、第1のレンズ側電気接点群である電気接点2006乃至2008は、電気接点2009乃至2011よりもカメラ本体100にレンズ装置200を着脱する際の摩耗量が多くなる位置に配置されていると言える。しかし、図1に示すようにカメラ本体100には複数の種類のカメラアクセサリが装着されるため、レンズ装置200の電気接点の摩耗量はカメラ本体100に比べて少ない。このため、本実施形態では第1のカメラ側電気接点群の摩耗量が少なくなるように電気接点を配列している。
次に、DGND端子、CS端子、DCA端子の並び順について図12を用いて説明する。
まず、比較例として、DGND端子に隣接してDCA端子が配置されている場合について考える。この場合のCS端子、DCA端子、DGND端子の周辺回路を図12(a)に示す。前述のように、DCA端子はCMOSタイプの入出力インターフェースの端子である。図12(a)において、カメラ本体とアクセサリ装置の間に導電性の異物が挟まる等してDGND端子とDCA端子がショートした場合、DCA端子にHighレベルが出力されるとDCA端子からDGND端子に向かって大電流が流れてしまう。これは、Highレベルを出力する際のCMOSタイプのインターフェースの抵抗が低いためである。この場合、第3の通信を行なっているアクセサリ装置およびカメラ本体に大電流が流れ込み、内部回路に影響を及ぼすおそれがある。
これに対して、本実施形態では、DCA端子とDGND端子の間にCS端子を配置している。本実施形態のカメラ本体100およびアクセサリ装置としてのレンズ装置200におけるCS端子、DCA端子、DGND端子の周辺回路を図12(b)に示す。前述のように、CS端子はオープンタイプの出力端子である。ゆえに、図12(b)において、DGND端子とCS端子がショートしたとしても、DGND端子には微小な電流しか流れ込まない。これは、CS端子が抵抗器を介して電源電位にプルアップされているためである。
以上より、DGND端子に隣接する電気接点を、オープンタイプの出力端子であるCS端子とすることで、意図しない電気接点同士が接続された場合のアクセサリ装置やカメラ本体100の内部回路への電気的な影響を低減できる。
本実施形態では第1の通信に用いる電気接点群に隣接してDLC2端子を配置している。すなわちLCLK端子に隣接してDLC2端子を配置している。この理由について、第1の通信に用いる電気接点群にCS端子またはDCA端子が配置された場合と比較して説明する。以下では、カメラ本体と第3の通信が可能な中間アクセサリ装置を介してレンズ装置300がカメラ本体に装着されているものとする。したがって、第1の通信の通信電圧は5.0Vである。また、第3の通信の通信電圧は3.0Vである。また、第2の通信は行われない。
図13(a)はLCLK端子に隣接してCS端子が配置されている場合のLCLK端子とCS端子の周辺回路を示している。LCLK端子はカメラ本体内およびレンズ装置300内のそれぞれにおいて第1の通信の通信電圧である5.0Vにプルアップされている。一方、CS端子はカメラ本体内及び中間アクセサリ装置内で第3の通信の通信電圧である3.0Vにプルアップされている。ここで、LCLK端子とCS端子の間に導電性の異物90が挟まってLCLK端子とCS端子が短絡すると、CS端子に3.0Vを超える電圧が印加されるおそれがある。このとき、カメラ本体の第2・第3通信用I/F部や中間アクセサリ装置のアクセサリ制御部に動作電圧(3.0V)を超える電圧が印加されてしまうため好ましくない。
図13(b)はLCLK端子に隣接してDCA端子が配置されている場合のLCLK端子とDCA端子の周辺回路を示している。DCA端子はカメラ本体内及び中間アクセサリ装置内で第3の通信の通信電圧である3.0Vにプルアップされている。ここで、LCLK端子とDCA端子の間に導電性の異物90が挟まってLCLK端子とDCA端子が短絡すると、DCA端子に3.0Vを超える電圧が印加されるおそれがある。このとき、カメラ本体の第2・第3通信用I/F部や中間アクセサリ装置のアクセサリ制御部に動作電圧(3.0V)を超える電圧が印加されてしまうため好ましくない。
図13(c)は本実施形態のカメラ本体100に中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着されている場合のLCLK端子とDLC2端子の周辺回路を示している。このとき、第2の通信は行われないため、DLC2端子は使用されない。このため、本実施形態ではLCLK端子とDLC2端子が短絡したとしても、カメラ本体100または中間アクセサリ装置400の内部回路に対する影響は生じにくい。
なお、カメラ本体100にレンズ装置200が装着される場合、第2の通信が行われるが第1の通信と第2の通信の通信電圧は共に3.0Vである。このため、LCLK端子とDLC2端子がショートしたとしても、カメラ本体100またはレンズ装置200の内部回路に過大な電圧が印加されることはない。
以上より、第1の通信に用いる電気接点群に隣接する電気接点は、レンズ装置300が装着された場合に用いられないDLC2端子であることが好ましいと言える。
さらに、カメラ本体100にレンズ装置200が装着される場合、第2の通信と第3の通信が同時に行われ得る。この場合、DLC2端子がDCA端子とショートしたとしても、第2の通信および第3の通信の通信電圧は共に3.0Vであるため、カメラ本体100またはレンズ装置200の内部回路に過大な電圧が印加されることはない。したがって、DLC2端子の隣には、CS端子またはDCA端子を配置することが好ましい。またこの場合、LCLK端子とCS端子またはDCA端子の間にDLC2端子が配置されることになるため、LCLK端子とCS端子またはDCA端子の短絡を生じにくくすることができる。これによって、カメラ本体100に中間アクセサリ装置400を介してレンズ装置300が装着された場合に、異なる通信電圧で通信を行なう電気接点同士が短絡することを防ぐことができる。
[その他の実施形態]
以上では、DGND端子1012の摩耗を低減させるための構成として、レンズ装置200における一部の電気接点のアクセサリ側接点保持部254からの高さを、DGND接点2012よりも低くした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電気接点2006乃至2011のうちの一部を設けないようにしても良い。
図14は、電気接点2009乃至2011を有さないアクセサリ装置がカメラ本体100に装着された場合のカメラ側接点保持部154およびアクセサリ側接点保持部254を示している。このとき、カメラ本体100側の電気接点1009乃至1011はアクセサリ側接点保持部254に接触する。すなわち、接触部2009a乃至2011aはアクセサリ接点保持部254上に位置する。接触部2009a乃至2011aと接触部2012aの高さの差は、DGND端子2012のアクセサリ側接点保持部254からの高さに相当する。このようにアクセサリ装置を構成することで、DGND端子1012の摩耗量をより低減させることができる。
さらに、図14に示すようにアクセサリ装置が電気接点2009乃至2011を有さない場合、DGND端子2012とLCLK端子2008の間隔を広くすることができる。このため、DGND端子2012が他の電気接点と短絡することを抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。