JP6865622B2 - 変性ジエン系重合体の製造方法、変性ジエン系重合体、ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

変性ジエン系重合体の製造方法、変性ジエン系重合体、ゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、変性ジエン系重合体の製造方法、変性ジエン系重合体、ゴム組成物及びタイヤに関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求が強まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少させる手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物について、tanδが低く(以下、「低ロス性」という。)、低発熱性の優れたものを用いることが、現在一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、カーボンブラックやシリカ等の充填材の減量、又は大粒径のカーボンブラックの使用等が考えられるが、いずれの方法でも、ゴム組成物の補強性、耐摩耗性及び湿潤路面でのグリップ性等の低下が避けられない。
一方、発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、ゴム組成物中の充填材の分散性を高める技術開発も数多くなされてきた。その中でも特に、アルキルリチウムを用いたアニオン重合で得られる共役ジエン系重合体の重合活性部位を、充填材と相互作用可能な官能基で修飾する方法が効果的である。
例えば特許文献1には、充填材としてカーボンブラックを用い、ゴム成分として重合活性部位をスズ化合物で修飾した変性共役ジエン系重合体を用いる方法が開示されている。また、特許文献2には、充填材としてカーボンブラックを用い、ゴム成分として重合活性両末端をスズ化合物で修飾した変性共役ジエン系重合体を用いる方法が開示されている。
ただし、特許文献1及び2に開示された変性共役ジエン系重合体を用いる場合、充填材及び軟化剤の配合量が少ない低燃費タイヤ用のゴム組成物においては、当該変性共役ジエン系重合体による充填材の分散性改良効果が大きいが、充填材及び軟化剤の配合量が多い汎用タイヤ向けのゴム組成物においては、当該変性共役ジエン系重合体による充填材の分散性改良効果が十分に発揮されず、ゴム組成物の低ロス性や、破壊特性及び耐摩耗性を十分に改善できないという問題があった。
そのため、特許文献3では、充填材や軟化剤の配合量が多い場合でも、充填材の分散性を向上させ、優れた低ロス性を得ることを目的として、ゴム成分として含窒素官能基を5つ以上有する変性共役ジエン系重合体を用いたゴム組成物が開示されている。
特開平5−287121号公報 特開平6−49279号公報 特開2005−298626号公報
特許文献3のゴム組成物によれば、充填材や軟化剤の配合量が多い場合でも、一定の低ロス性を得ることが可能となった。しかしながら、タイヤに用いた場合のさらなる低燃費化を目的として、低ロス性のさらなる向上が望まれており、特にゴム組成物中にシリカ等の補強性充填材を多く含む場合に、補強性充填材の分散性を高め、優れた低ロス性を実現できる技術の開発が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、補強性充填材とともに用いた際に低ロス性に優れたゴム組成物とすることが可能な、変性ジエン系重合体を得ることができる、変性ジエン系重合体の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、補強性充填材とともに用いた際に低ロス性に優れたゴム組成物を実現できる変性ジエン系重合体、及び、低ロス性に優れたゴム組成物、並びに、転がり抵抗の低減が図られたタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った。そして、1,3−ブタジエンを含むジエン系重合体を変性する変性剤として、テトラジン系化合物を用いたところ、ジエン系重合体の主鎖を変性することができ、シリカ等の補強性充填材との反応部位が増加する結果、補強性充填材の分散性を高めることができることを見出した。
そして、本発明者らは、さらなる鋭意研究を行った結果、予め製造したジエン系重合体と、テトラジン系化合物とを混合し、その後、加熱を施すことによって、ジエン系重合体の主鎖を効率的に変性することができ、補強性充填材とともに用いた際、優れた低ロス性を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の変性ジエン系重合体の製造方法は、1,3−ブタジエンを含むジエン系重合体を製造する工程と、
製造された前記ジエン系重合体と、テトラジン系化合物とを混合した後、加熱して、前記ジエン系重合体の主鎖を変性する工程と、
を具えることを特徴とする。
上記構成により、補強性充填材とともに用いた際に、低ロス性に優れたゴム組成物とすることが可能な変性ジエン系重合体を得ることができる。
また、本発明の変性ジエン系重合体の製造方法では、前記テトラジン系化合物の、テトラジン構造における置換基が、N、O及びFから選択される少なくとも一種の元素を有することが好ましく、3,6−ジ(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン及び3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンから選択される少なくとも一種であることがより好ましい。補強性充填材の分散性をより向上させ、ゴム組成物に用いた場合の低ロス性をより向上させることができるからである。
さらに、本発明の変性ジエン系重合体の製造方法では、前記ジエン系重合体の分子量が100000〜2000000である際、前記テトラジン系化合物の配合量が、前記ジエン系重合体100質量部に対して、0.01〜2.5質量部であることが好ましい。補強性充填材の分散性をより向上させ、ゴム組成物に用いた場合の低ロス性をより向上させることができるからである。
さらにまた、本発明の変性ジエン系重合体の製造方法では、前記ジエン系重合体は、さらに芳香族ビニル化合物を含むことが好ましく、該芳香族ビニル化合物がスチレンであることがより好ましい。補強性充填材の分散性をより向上させ、ゴム組成物に用いた場合の低ロス性をより向上させることができるからである。
また、本発明の変性ジエン系重合体の製造方法では、前記ジエン系重合体と前記テトラジン系化合物との混合物の加熱は、前記ジエン系重合体の乾燥工程として実施することが好ましい。前記ジエン系重合体の変性効率を高めることができるからである。
本発明の変性ジエン系重合体は、上述した本発明の変性ジエン系重合体の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
上記構成により、補強性充填材とともに用いた際に、低ロス性に優れたゴム組成物を実現できるからである。
本発明のゴム組成物は、上述した本発明の変性ジエン系重合体を含有するゴム成分と、補強性充填材とを含むことを特徴とする。
上記構成により、補強性充填材の分散性が高く、優れた低ロス性を実現できる。
また、本発明のゴム組成物では、前記補強性充填材が、シリカを含むことが好ましい。補強性充填材の分散性がより高くなり、より優れた低ロス性を実現できるからである。
本発明のタイヤは、上述したゴム組成物を用いたことを特徴とする。
上記構成により、優れた転がり抵抗を実現できる。
本発明によれば、補強性充填材とともに用いた際に、低低ロス性に優れたゴム組成物とすることが可能な、変性ジエン系重合体を得ることができる、変性ジエン系重合体の製造方法を提供できる。また、本発明によれば、補強性充填材とともに用いた際に、低ロス性に優れたゴム組成物を実現できる変性ジエン系重合体、及び、低ロス性に優れたゴム組成物、並びに、転がり抵抗の低減が図られたタイヤを提供できる。
<変性ジエン系重合体の製造方法>
以下に、本発明の変性ジエン系重合体の製造方法の実施形態について、詳細に例示説明する。
本発明の変性ジエン系重合体の製造方法は、1,3−ブタジエンを含むジエン系重合体を製造する工程と、
製造された前記ジエン系重合体と、テトラジン系化合物とを混合した後、加熱して、前記ジエン系重合体を変性する工程と、
を具えることを特徴とする。
前記1,3−ブタジエンを含むジエン系重合体を変性する変性剤として、テトラジン系化合物を用いることによって、ジエン系重合体の主鎖を変性することができ、シリカ等の補強性充填材との反応部位が増加する結果、補強性充填材の分散性を高めることが可能となる。そして、その結果、製造された変性ジエン系重合体を補強性充填材とともに用いてゴム組成物とした際、当該ゴム組成物の低ロス性を大幅に向上できる。
さらに、製造したジエン系重合体と、テトラジン系化合物とを混合した後、加熱を施すことによって、ジエン系重合体の主鎖を効率的に変性することができる。
(ジエン系重合体製造工程)
本発明の変性ジエン系重合体の製造方法は、1,3−ブタジエンを含むジエン系重合体を製造する工程(以下、「ジエン系重合体製造工程」ということがある。)を具える。
ここで、前記ジエン系重合体製造工程では、重合反応によって1,3−ブタジエンを含むジエン系重合体が得られる。前記1,3−ブタジエンを含むジエン系重合体の重合方法については、特に限定はされず、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の1,3−ブタジエンについて一般的に用いられる重合方法を採用することができる。
なお、溶液重合や乳化重合の溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素が特に好ましい。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用いてもよい。
なお、前記ジエン系重合体の分子量は、特に限定はされないが、ピーク分子量を10万以上とすることが、良好な耐破壊特性及び耐摩耗性が得られる点から好ましく、70万以下とすることが、良好な耐破壊特性及び耐摩耗性に加えて良好な加工性が得られる点でより好ましい。さらに、高度に耐破壊特性及び耐摩耗性と加工性を両立するためには、10〜35万のピーク分子量であることが望ましい。前記ピーク分子量については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算のピーク分子量(Mp)とする。
ここで、前記ジエン系重合体については、1,3−ブタジエンを含むものであればよく、その他の構成については特に限定はされない。例えば、前記ジエン系重合体は、ジエン共重合体であっても良いし、ジエン単独重合体であっても良い。
その中でも、前記ジエン系重合体が、ジエン系単量体の単独重合体であるか、又は、芳香族ビニル化合物をさらに含むことが好ましい。さらに、前記ジエン系重合体が、芳香族ビニル化合物をさらに含む場合には、前記ジエン系単量体と芳香族ビニル化合物との共重合体であることがより好ましい。ジエン系重合体の低ロス性、破壊特性及び耐摩耗性を向上できるためである。
同様の観点から、前記ジエン系重合体については、60〜100質量%のジエン系単量体と、0〜40質量%の芳香族ビニル化合物とを重合してなる、重合体(単独重合体)又は共重合体であることが特に好ましい。さらに、前記ジエン系単量体のうち、前記1,3−ブタジエン単量体単位の占める割合が、70質量%以上であることが好ましい。
また、前記ジエン系単量体については、1,3−ブタジエンを含むが、その他に、例えば、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン化合物を含むことができる。これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
さらに、単量体としての前記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン及び2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、スチレンが特に好ましい。これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記芳香族ビニル化合物として、スチレンを含有する場合、結合スチレン量が0〜50%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。
また、前記ジエン系重合体は、そのシス−1,4結合量が、94%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましく、98%以上であることが特に好ましい。前記ジエン系重合体のシス−1,4結合量が、シス含量が94%未満では、本発明の効果が発現しにくい傾向となり、上記範囲内であると、伸張結晶性の増加により、優れた耐亀裂成長性を発揮することが可能となる。なお、シス−1,4結合量とは、ブタジエン系重合体中のブタジエン化合物単位におけるシス−1,4結合の割合を意味する。
また、前記ジエン系重合体製造工程では、共役系ではなく、1点でラジカル開裂して少なくとも一方のラジカルになる原子から延びたアルキル鎖中の炭素数が5〜10である構造を有する、重合開始剤を用いることもできる。
なお、前記重合開始剤としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート及びt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートのうちから選択される少なくとも一種であることがより好適であり、t−ブチルハイドロパーオキサイド及び/又はt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートであることがさらに好適である。
(ジエン系重合体変性工程)
本発明の変性ジエン系重合体の製造方法は、前記ジエン系重合体製造工程に続いて、該ジエン系重合体製造工程において製造された前記ジエン系重合体と、変性剤であるテトラジン系化合物とを混合した後、加熱して、前記ジエン系重合体を変性する工程(以下、「ジエン系重合体変性工程」ということがある。)を、さらに具える。
変性剤として前記テトラジン系化合物を用いることで、テトラジン系化合物がジエン系重合体の主鎖を変性することによって、変性ジエン系重合体とシリカ等の補強性充填材との反応部位が多くなり、補強性充填材との相互作用を高めることができる結果、補強性充填材の分散性向上が可能となる。
ここで、前記テトラジン系化合物とは、テトラジン構造を有する化合物のことであり、本発明では、下記式で表されるように、1,2,4,5−テトラジンの構造を有する化合物のことである。
Figure 0006865622
式中、テトラジン系化合物の側鎖にあるR及びRは、それぞれ、置換又は無置換の炭素数1〜11の炭化水素基を示す。
前記テトラジン系化合物の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006865622
また、前記テトラジン系化合物の具体例としては、
1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ジフェニル−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ジベンジル−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3−メチル−6−(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−チエニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3−メチル−6−(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピリミジニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピラジル)−1,2,4,5−テトラジン等も挙げられる。
また、上述したテトラジン系化合物の中でも、R及びRのうちの少なくとも一方が、N、O及びFから選択される少なくとも一種の元素を含む(テトラジン構造における置換基が、N、O及びFから選択される少なくとも一種の元素を有する)ことが好ましく、少なくともNを含むことがより好ましく、含窒素複素環であることがさらに好ましく、R及びRのいずれもが含窒素複素環であることが特に好ましい。
前記ジエン系重合体を変性させた後、該ジエン系重合体とシリカとの相互作用を大きくでき、より優れた低ロス性を実現できる。
同様の観点から、前記テトラジン系化合物は、
3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン(以下、「3,6−ジ(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン」ともいう。)、
3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、(以下、「3,6−ジ(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン」ともいう。)
3,6−ビス(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン、(以下、「3,6−ジ(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン」ともいう。)
3−メチル−6−(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、及び、
3−メチル−6−(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
さらに、同様の観点から、前記テトラジン系化合物は、3,6−ジ(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、及び、3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、から選択される少なくとも一種であることが特に好ましい。
前記テトラジン系化合物の配合量については、前記ジエン系重合体を変性させることができる量であればよく、特に限定はされない。ただし、前記ジエン系重合体の分子量が100000〜2000000である場合に、補強性充填材の分散性を高め、低ロス性をより高いレベルで実現させる観点からは、前記テトラジン系化合物の配合量が、前記ジエン系重合体100質量部に対して、0.01〜2.5質量部であることが好ましい。前記テトラジン系化合物の配合量を、前記ジエン系重合体100質量部に対して0.01質量部以上とすることで、より確実に前記ジエン系重合体の変性を行うことができ、2.5質量部以下とすることで、作業性や耐スコーチ性の悪化を防ぐことができる。
また、前記ジエン系重合体変性工程では、前記ジエン系重合体と、前記テトラジン系化合物とを混合した後に加熱を行う。この加熱によって、ジエン系重合体の主鎖を効率的に変性することができる。なお、前記加熱は、「前記ジエン系重合体と、前記テトラジン系化合物とを混合した後に加熱される」と規定されているが、これは、重合反応クエンチ後、前記テトラジン化合物と混合した後に、混合物を加熱させてもよいし、重合反応クエンチ後、重合体を加熱した状態で、前記テトラジン系化合物を投入し、混合したと同時に加熱を開始するような場合も含む。
なお、前記加熱における温度については、前記ジエン系重合体を変性できる範囲であれば特に限定はされないが、より効率的に前記ジエン系重合体の主鎖を変性できる点からは、100℃であることが好ましい。
また、前記加熱の時間についても、前記ジエン系重合体を変性できる範囲であれば特に限定はされない。
さらに、前記ジエン系重合体と前記テトラジン系化合物との混合物の加熱については、前記ジエン系重合体の乾燥工程として実施することが好ましい。前記ジエン系重合体の乾燥工程は高温で処理が行われるため、乾燥工程を利用することでより効率的に前記ジエン系重合体の主鎖を変性できるためである。また、前記ジエン系重合体と前記テトラジン系化合物との反応が、ポリマー重合溶液中に前記テトラジン系化合物を撹拌し、混合させた方が、重合体中に、均一に前記テトラジン系化合物を混合できる結果、反応効率が高くなるという効果がある。さらに、混練中の加熱よりも、ポリマー製造直後での加熱のほうが、副反応が少なく反応効率が高くなるという効果もある。
ここで、本発明の変性ジエン系重合体の製造方法では、前記テトラジン系化合物によって、前記ジエン系重合体の主鎖を変性することができるが、他の変性剤をさらに添加し、前記ジエン系重合体の変性を行うこともできる。前記ジエン系重合体は、前記テトラジン系化合物によって変性し、シリカ等の補強性充填材との相互作用が高まるが、テトラジン系化合物による変性では相互作用が得られにくい補強性充填材(例えば、カーボンブラック等)や、その他の充填材(補強性充填材以外の充填材)との相互作用が高くなるように変性することによって、多くの充填材について分散性を高め、より優れた低ロス性や耐摩耗性を実現できる。
なお、前記テトラジン系化合物の混合は、前記ジエン系重合体製造工程の後のジエン系重合体変性工程において実施されるが、その他の変性剤の混合のタイミングについては、特に限定されない。前記テトラジン系化合物を混合させる前であっても、後であっても、同時であっても良い。
前記テトラジン系化合物以外の変性剤については、要求される変性官能基の種類に応じて適宜選択することができる。
例えば、変性ジエン系重合体のシリカとの相互作用をさらに高めることを目的とした場合には、以下の一般式(I)〜(X)で示される化合物の少なくとも一種を有する変性剤が挙げられる。
Figure 0006865622
前記一般(I)式中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、aは0〜2の整数であり、ORが複数ある場合、複数のORは互いに同一でも異なっていても良く、また分子中には活性プロトンは含まれない。
ここで、前記一般式(I)で表される化合物(アルコキシシラン化合物)の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等を挙げることができるが、これらの中で、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン及びジメチルジエトキシシランが好適である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせても用いてもよい。
Figure 0006865622
前記一般式(II)中、Aはエポキシ、イソシアネート、イミン、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、環状三級アミン、非環状三級アミン、ピリジン、シラザン及ジスルフィドからなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する一価の基であり、Rは単結合又は二価の炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、bは0〜2の整数であり、ORが複数ある場合、複数のORは互いに同一であっても異なっていても良く、また分子中には活性プロトンは含まれない。
上記一般式(II)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、例えば、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン等を挙げることができる。これらの中で、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを好適に用いることができる。
Figure 0006865622
前記一般式(III)中、n1+n2+n3+n4=4(但し、n1、n2、n3及びn4は0〜4の整数であり、且つn1+n2=1以上の整数)であり、A1は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基(イソシアナート基又はチオイソシアナート基を示す。以下、同様。)、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに、加水分解性基を有する第一若しくは第二アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、R21は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R23は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R22は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、n2が2以上の場合には、互いに同一若しくは異なっていても良く、或いは、一緒になって環を形成しており、R24は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。
前記加水分解性基を有する第一若しくは第二アミノ基又は前記加水分解性基を有するメルカプト基における加水分解性基としては、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
なお、本発明において、「炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基」とは、「炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3〜20の一価の脂環式炭化水素基」をいう。二価の炭化水素基の場合も同様である。
Figure 0006865622
前記一般式(IV)中、p1+p2+p3=2(但し、p1、p2、p3は0〜2の整数であり、且つp1+p2=1以上の整数)であり、A2は、NRa(Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である。加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。)、或いは、硫黄であり、R25は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、p1が2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R27は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、R26は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又は含窒素有機基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、p2が2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R28は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
Figure 0006865622
前記一般式(V)中、q1+q2=3(但し、q1は0〜2の整数であり、q2は1〜3の整数である)であり、R31は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R32及びR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R34は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていても良く、R35は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。
Figure 0006865622
前記一般式(VI)中、r1+r2=3(但し、r1は1〜3の整数であり、r2は0〜2の整数である)であり、R36は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R38は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていても良い。
Figure 0006865622
前記一般式(VII)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R40はトリメチルシリル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R41は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R42は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
Figure 0006865622
前記一般式(VIII)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R43及びR44はそれぞれ独立して炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R45は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、複数のR45は、同一でも異なっていても良い。
Figure 0006865622
前記一般式(IX)中、r1+r2=3(但し、r1は0〜2の整数であり、r2は1〜3の整数である。)であり、TMSはトリメチルシリル基であり、R46は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R47及びR48はそれぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、複数のR47又はR48は、同一でも異なっていても良い。
Figure 0006865622
前記一般式(X)中、Xはハロゲン原子であり、R49は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R50及びR51はそれぞれ独立して、加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であるか、或いは、R50及びR51は結合して二価の有機基を形成しており、R52及びR53はそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。R50及びR51としては、加水分解性基であることが好ましく、加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
なお、上記一般式(III)〜(X)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物については、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。
また、上述した式(I)〜(X)で示される化合物の中でも、テトラオキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのうちから選択される少なくとも一種が特に好ましい。
また、変性ジエン系重合体とカーボンブラックとの相互作用を高めることを目的とした場合には、以下の一般式(XI)、(XII−1)、(XII−2)、及び(XIII)で示される変性剤が挙げられる。
R’SnX ・・・ (XI)
前記一般式(XI)中、R’は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜3で、bは1〜4で、但し、a+b=4である。式(XI)のスズ含有化合物で変性したジエン系ゴムは、少なくとも一種のスズ−炭素結合を有する。
ここで、R’として、具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、ネオフィル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
また、式(XI)のスズ含有化合物としては、四塩化スズ、R’SnCl、R’SnCl、R’SnCl等が好ましく、四塩化スズが特に好ましい。
θ−C≡N ・・・(XII−1)
θ−R−C≡N ・・・(XII−2)
上記式(I)および(II)中、θは複素環基を示す。さらにθが窒素原子を含む複素環基であるのが好ましく、また酸素原子を含む複素環基、硫黄原子を含む複素環基、2以上のヘテロ原子を含む複素環基、および1以上のシアノ基を含む複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種の複素環基であるのが好ましい。さらに、チオフェン、ピリジン、フラン、ピペリジン、ジオキサンなどの複素芳香環基または複素非芳香環基であってもよく、さらに単環式、二環式、三環式、または多環式の複素環基であってもよい。
このようなθとして具体的には、例えば、窒素原子を含む複素環基として、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピラジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、N−メチル−2−ピロリル、N−メチル−3−ピロリル、N−メチル−2−イミダゾリル、N−メチル−4−イミダゾリル、N−メチル−5−イミダゾリル、N−メチル−3−ピラゾリル、N−メチル−4−ピラゾリル、N−メチル−5−ピラゾリル、N−メチル−1,2,3−トリアゾール−4−イル、N−メチル−1,2,3−トリアゾール−5−イル、N−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イル、N−メチル−1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル、1,3,5−トリアジニル、N−メチル−2−ピロリン−2−イル、N−メチル−2−ピロリン−3−イル、N−メチル−2−ピロリン−4−イル、N−メチル−2−ピロリン−5−イル、N−メチル−3−ピロリン−2−イル、N−メチル−3−ピロリン−3−イル、N−メチル−2−イミダゾリン−2−イル、N−メチル−2−イミダゾリン−4−イル、N−メチル−2−イミダゾリン−5−イル、N−メチル−2−ピラゾリン−3−イル、N−メチル−2−ピラゾリン−4−イル、N−メチル−2−ピラゾリン−5−イル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、N−メチルインドール−2−イル、N−メチルインドール−3−イル、N−メチルイソインドール−1−イル、N−メチルイソインドール−3−イル、1−インドリジニル、2−インドリジニル、3−インドリジニル、1−フタラジニル、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、2−キノキサリニル、3−シンノリニル、4−シンノリニル、1−メチルインダゾール−3−イン、1,5−ナフチリジン−2−イル、1,5−ナフチリジン−3−イル、1,5−ナフチリジン−4−イル、1,8−ナフチリジン−2−イル、1,8−ナフチリジン−3−イル、1,8−ナフチリジン−4−イル、2−プテリジニル、4−プテリジニル、6−プテリジニル、7−プテリジニル、1−メチルベンズイミダゾール−2−イル、6−フェナンスリジニル、N−メチル−2−プリニル、N−メチル−6−プリニル、N−メチル−8−プリニル、N−メチル−β−カルボリン−1−イル、N−メチル−β−カルボリン−3−イル、N−メチル−β−カルボリン−4−イル、9−アクリジニル、1,7−フェナントロリン−2−イル、1,7−フェナントロリン−3−イル、1,7−フェナントロリン−4−イル、1,10−フェナントロリン−2−イル、1,10−フェナントロリン−3−イル、1,10−フェナントロリン−4−イル、4,7−フェナントロリン−1−イル、4,7−フェナントロリン−2−イル、4,7−フェナントロリン−3−イル、1−フェナジニル、2−フェナジニル、ピロリジノ、ピペリジノが挙げられる。
酸素原子を含む複素環基として、2−フリル、3−フリル、2−ベンゾ[b]フリル、3−ベンゾ[b]フリル、1−イソベンゾ[b]フリル、3−イソベンゾ[b]フリル、2−ナフト[2,3−b]フリル、3−ナフト[2,3−b]フリルが挙げられる。
硫黄原子を含む複素環基として、2−チエニル、3−チエニル、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、1−イソベンゾ[b]チエニル、3−イソベンゾ[b]チエニル、2−ナフト[2,3−b]チエニル、3−ナフト[2,3−b]チエニルが挙げられる。
2以上のヘテロ原子を含む複素環基として、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,2,3−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2−オキサゾリン−2−イル、2−オキサゾリン−4−イル、2−オキサゾリン−5−イル、3−イソオキサゾリニル、4−イソオキサゾリニル、イソオキサゾリニル、2−チアゾリン−2−イル、2−チアゾリン−4−イル、2−チアゾリン−5−イル、3−イソチアゾリニル、4−イソチアゾリニル、5−イソチアゾリニル、2−ベンゾチアゾリル、モルホリノが挙げられる。
これらのなかでも、θは窒素原子を含む複素環基であるのが好ましく、特に2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルであるのが好ましい。
このような複素環式ニトリル化合物としては、具体的には、例えば、窒素原子を含む複素環基を有する化合物として、2−ピリジンカルボニトリル、3−ピリジンカルボニトリル、4−ピリジンカルボニトリル、ピラジンカルボニトリル、2−ピリミジンカルボニトリル、4−ピリミジンカルボニトリル、5−ピリミジンカルボニトリル、3−ピリダジンカルボニトリル、4−ピリダジンカルボニトリル、N−メチル−2−ピロールカルボニトリル、N−メチル−3−ピロールカルボニトリル、N−メチル−2−イミダゾールカルボニトリル、N−メチル−4−イミダゾールカルボニトリル、N−メチル−5−イミダゾールカルボニトリル、N−メチル−3−ピラゾールカルボニトリル、N−メチル−4−ピラゾールカルボニトリル、N−メチル−5−ピラゾールカルボニトリル、N−メチル−1,2,3−トリアゾール−4−カルボニトリル、N−メチル−1,2,3−トリアゾール−5−カルボニトリル、N−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボニトリル、N−メチル−1,2,4−トリアゾール−5−カルボニトリル、1,2,4−トリアジン−3−カルボニトリル、1,2,4−トリアジン−5−カルボニトリル、1,2,4−トリアジン−6−カルボニトリル、1,3,5−トリアジンカルボニトリル、N−メチル−2−ピロリン−2−カルボニトリル、N−メチル−2−ピロリン−3−カルボニトリル、N−メチル−2−ピロリン−4−カルボニトリル、N−メチル−2−ピロリン−5−カルボニトリル、N−メチル−3−ピロリン−2−カルボニトリル、N−メチル−3−ピロリン−3−カルボニトリル、N−メチル−2−イミダゾリン−2−カルボニトリル、N−メチル−2−イミダゾリン−4−カルボニトリル、N−メチル−2−イミダゾリン−5−カルボニトリル、N−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボニトリル、N−メチル−2−ピラゾリン−4−カルボニトリル、N−メチル−2−ピラゾリン−5−カルボニトリル、2−キノリンカルボニトリル、3−キノリンカルボニトリル、4−キノリンカルボニトリル、1−イソキノリンカルボニトリル、3−イソキノリンカルボニトリル、4−イソキノリンカルボニトリル、N−メチルインドール−2−カルボニトリル、N−メチルインドール−3−カルボニトリル、N−メチルイソインドール−1−カルボニトリル、N−メチルイソインドール−3−カルボニトリル、1−インドリジンカルボニトリル、2−インドリジンカルボニトリル、3−インドリジンカルボニトリル、1−フタラジンカルボニトリル、2−キナゾリンカルボニトリル、4−キナゾリンカルボニトリル、2−キノキサリンカルボニトリル、3−シンノリンカルボニトリル、4−シンノリンカルボニトリル、1−メチルインダゾール−3−カルボニトリル、1,5−ナフチリジン−2−カルボニトリル、1,5−ナフチリジン−3−カルボニトリル、1,5−ナフチリジン−4−カルボニトリル、1,8−ナフチリジン−2−カルボニトリル、1,8−ナフチリジン−3−カルボニトリル、1,8−ナフチリジン−4−カルボニトリル、2−プテリジンカルボニトリル、4−プテリジンカルボニトリル、6−プテリジンカルボニトリル、7−プテリジンカルボニトリル、1−メチルベンズイミダゾール−2−カルボニトリル、フェナントリジン−6−カルボニトリル、N−メチル−2−プリンカルボニトリル、N−メチル−6−プリンカルボニトリル、N−メチル−8−プリンカルボニトリル、N−メチル−β−カルボリン−1−カルボニトリル、N−メチル−β−カルボリン−3−カルボニトリル、N−メチル−β−カルボリン−4−カルボニトリル、9−アクリジンカルボニトリル、1,7−フェナントロリン−2−カルボニトリル、1,7−フェナントロリン−3−カルボニトリル、1,7−フェナントロリン−4−カルボニトリル、1,10−フェナントロリン−2−カルボニトリル、1,10−フェナントロリン−3−カルボニトリル、1,10−フェナントロリン−4−カルボニトリル、4,7−フェナントロリン−1−カルボニトリル、4,7−フェナントロリン−2−カルボニトリル、4,7−フェナントロリン−3−カルボニトリル、1−フェナジンカルボニトリル、2−フェナジンカルボニトリル、1−ピロリジンカルボニトリル、1−ピペリジンカルボニトリルが挙げられる。
酸素原子を含む複素環基を有する化合物としては、2−フロニトリル、3−フロニトリル、2−ベンゾ[b]フランカルボニトリル、3−ベンゾ[b]フランカルボニトリル、イソベンゾ[b]フラン−1−カルボニトリル、イソベンゾ[b]フラン−3−カルボニトリル、ナフト[2,3−b]フラン−2−カルボニトリル、ナフト[2,3−b]フラン−3−カルボニトリルが挙げられる。
硫黄原子を含む複素環基を有する化合物として、2−チオフェンカルボニトリル、3−チオフェンカルボニトリル、ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニトリル、ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボニトリル、イソベンゾ[b]チオフェン−1−カルボニトリル、イソベンゾ[b]チオフェン−3−カルボニトリル、ナフト[2,3−b]チオフェン−2−カルボニトリル、ナフト[2,3−b]チオフェン−3−カルボニトリルが挙げられる。
2以上のヘテロ原子を含む複素環基を有する化合物として、2−オキサゾールカルボニトリル、4−オキサゾールカルボニトリル、5−オキサゾールカルボニトリル、3−イソオキサゾールカルボニトリル、4−イソオキサゾールカルボニトリル、5−イソオキサゾールカルボニトリル、2−チアゾールカルボニトリル、4−チアゾールカルボニトリル、5−チアゾールカルボニトリル、3−イソチアゾールカルボニトリル、4−イソチアゾールカルボニトリル、5−イソチアゾールカルボニトリル、1,2,3−オキサゾール−4−カルボニトリル、1,2,3−オキサゾール−5−カルボニトリル、1,3,4−オキサゾール−2−カルボニトリル、1,2,3−チアゾール−4−カルボニトリル、1,2,3−チアゾール−5−カルボニトリル、1,3,4−チアゾール−2−カルボニトリル、2−オキサゾリン−2−カルボニトリル、2−オキサゾリン−4−カルボニトリル、2−オキサゾリン−5−カルボニトリル、3−イソオキサゾリンカルボニトリル、4−イソオキサゾリンカルボニトリル、5−イソオキサゾリンカルボニトリル、2−チアゾリン−2−カルボニトリル、2−チアゾリン−4−カルボニトリル、2−チアゾリン−5−カルボニトリル、3−イソチアゾリンカルボニトリル、4−イソチアゾリンカルボニトリル、5−イソチアゾリンカルボニトリル、ベンゾチアゾール−2−カルボニトリル、4−モルホリンカルボニトリルが挙げられる。
2以上のシアノ基を有する化合物として、2,3−ピリジンジカルボニトリル、2,4−ピリジンジカルボニトリル、2,5−ピリジンジカルボニトリル、2,6−ピリジンジカルボニトリル、3,4−ピリジンジカルボニトリル、2,4−ピリミジンジカルボニトリル、2,5−ピリミジンジカルボニトリル、4,5−ピリミジンジカルボニトリル、4,6−ピリミジンジカルボニトリル、2,3−ピラジンジカルボニトリル、2,5−ピラジンジカルボニトリル、2,6−ピラジンジカルボニトリル、2,3−フランジカルボニトリル、2,4−フランジカルボニトリル、2,5−フランジカルボニトリル、2,3−チオフェンジカルボニトリル、2,4−チオフェンジカルボニトリル、2,5−チオフェンジカルボニトリル、N−メチル−2,3−ピロールジカルボニトリル、N−メチル−2,4−ピロールジカルボニトリル、N−メチル−2,5−ピロールジカルボニトリル、1,3,5−トリアジン−2,4−ジカルボニトリル、1,2,4−トリアジン−3,5−ジカルボニトリル、3,2,4−トリアジン−3,6−ジカルボニトリル、2,3,4−ピリジントリカルボニトリル、2,3,5−ピリジントリカルボニトリル、2,3,6−ピリジントリカルボニトリル、2,4,5−ピリジントリカルボニトリル、2,4,6−ピリジントリカルボニトリル、3,4,5−ピリジントリカルボニトリル、2,4,5−ピリミジントリカルボニトリル、2,4,6−ピリミジントリカルボニトリル、4,5,6−ピリミジントリカルボニトリル、ピラジントリカルボニトリル、2,3,4−フラントリカルボニトリル、2,3,5−フラントリカルボニトリル、2,3,4−チオフェントリカルボニトリル、2,3,5−チオフェントリカルボニトリル、N−メチル−2,3,4−ピロールトリカルボニトリル、N−メチル−2,3,5−ピロールトリカルボニトリル、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリカルボニトリル、1,2,4−トリアジン−3,5,6−トリカルボニトリルが挙げられる。
これらのなかでも、2−シアノピリジン(2−ピリジンカルボニトリル)、3−シアノピリジン(3−ピリジンカルボニトリル)、4−シアノピリジン(4−ピリジンカルボニトリル)が好適なものとして挙げられる。
(AM)Li(Q)y ・・・(XIII)
[式中、yは、0又は0.5〜3であり、Qは、炭化水素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物からなる群から選択される可溶化成分であり、AMは、一般式(XIII−1)又は(XIII−2)である。
Figure 0006865622
(式中、各々のRは、独立して、1〜12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキル基を示す。)
Figure 0006865622
(式中、Rは、3〜16のメチレン基を有するアルキレン、置換アルキレン、オキシ−
またはN−アルキルアミノ−アルキレン基を示す。)]
式(XIII)中の、(Q)は可溶化成分であり、炭化水素、エーテル、アミンまたはそれらの混合物であってもよい。この(Q)成分が存在すると、該開始剤が炭化水素溶媒に可溶になる。
また、(Q)基には、3から約300の重合単位から成る重合度を有するジエニルもしくはビニル芳香族のポリマー類またはコポリマー類が含まれる。上記ポリマー類には、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレンおよびそれらのコポリマー類が含まれる。
(Q)の他の例には、極性リガンド、例えば、テトラヒドロフラン(THF)およびテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)が含まれる。
該(AM)成分はアミノ官能基を表し、例えば、ポリマーの開始部位または頭部に組み込まれることによって、官能性の少なくとも一つの基を末端に持ったポリマーが合成される。
可溶成分である(Q)が、エーテルまたはアミノ化合物である場合、(Q)の存在下、無水の非プロトン溶媒、例えばシクロヘキサンなどの中で官能化剤AM−Hの溶液を製造し、次に、この溶液に同じか或は同様な溶媒中の有機リチウム化合物を添加することにより、開始剤を生じさせることができる。
この有機リチウム化合物は、一般式RLi(式中、Rは、1から約20個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールおよびアラルキル、並びにジオレフィンおよびビニルアリールモノマー類から得られる25個以下の単位を有する短鎖長の低分子量ポリマー類から成る群から選択される)で表される。
たとえば、代表的なアルキルとしては、n−ブチル、s−ブチル、メチル、エチル、イソプロピルなどが挙げられる。また、シクロアルキルにはシクロヘキシル、メンチルなどが挙げられ、アルケニルにはアリル、ビニルなどが好ましい例として挙げられる。
さらに、アリールおよびアラルキル基にはフェニル、ベンジル、オリゴ(スチリル)などが挙げられ、また、短鎖長ポリマー類には、適当なモノマーのオリゴマー化を有機リチウムで開始させることによって生じさせたオリゴ(ブタジエニル)類、オリゴ(イソプレニル)類、オリゴ(スチリル)類などが挙げられる。insitu法(特開平6−199921号公報に記載の方法)も好適に用いられる。有機リチウム化合物としてはn−ブチルリチウムが好ましい。
式(XIII)中の、式(XIII−1)で示される置換アミノ基は、式中のR基が1〜12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキル基であれば特に制限はないが、メチル、エチル、ブチル、オクチル、シクロヘキシル、3−フェニル−1−プロピル及びイソブチルなどが好ましい例として挙げられる。式(XIII−1)中の各々のRは同じものであっても異なったものでもよい。
さらに、 式(XIII)中の、式(XIII−2)で示される環状アミノ基は、式中のR基が、3から16個のメチレン基を有する二価のアルキレン、置換アルキレン、オキシ−またはN−アルキルアミノ−アルキレン基であれば特に制限はない。
ここで置換アルキレン類には一置換から八置換されているアルキレン類が含まれる。好適な置換基は1から約12個の炭素原子を有する線状もしくは分枝アルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、アリールおよびアラルキルである。好ましいR2基としては、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オキシジエチレン、N−アルキルアザジエチレン、ドデカメチレン及びヘキサデカメチレンなどがあげられる。
また、該環状および二環状アミン類のアルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキル置換体を含む環状アミン類の有用な例は数多く存在しており、これらに限定するものでないが、2−(2−エチルヘキシル)ピロリジン;3−(2−プロピル)ピロリジン;3,5−ビス(2−エチルヘキシル)ピペリジン;4−フェニルピペリジン;7−デシル−1−アザシクロトリデカン;3,3−ジメチル−1−アザシクロテトラデカン;4−ドデシル−1−アザシクロオクタン;4−(2−フェニルブチル)−1−アザシクロオクタン;3−エチル−5−シクロヘキシル−1−アザシクロヘプタン;4−ヘキシル−1−アザシクロヘプタン;9−イソアミル−1−アザシクロヘプタデカン;2−メチル−1−アザシクロヘプタデセ−9−エン;3−イソブチル−1−アザシクロドデカン;2−メチ
ル−7−t−ブチル−1−アザシクロドデカン;5−ノニル−1−アザシクロドデカン;8−(4’−メチルフェニル)−5−ペンチル−3−アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン;1−ブチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン;8−エチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン;1−プロピル−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン;3−(t−ブチル)−7−アザビシクロ[4.3.0]ノナン;1,5,5−トリメチル−3−アザビシクロ[4.4.0]デカンなどが挙げられる。
さらに、上述した式(XI)、(XII−1)、(XII−2)、及び(XIII)で示される化合物の中でも、前記変性剤は、四塩化スズ、2−シアノピリジン及びヘキサメチレンイミンのうちから選択される少なくとも一種を含むことが特に好ましい。
さらにまた、前記ジエン系重合体の変性は、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として使用して一方の末端を変性させた後、上述した一般式(I)〜(X)で示される化合物を含む変性剤によって、他方の末端を変性させることもできる。
上述の重合開始剤として用いられる有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム又はリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前記ヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である変性ジエン系ゴムが得られ、重合活性部位である活性末端に、窒素原子及び珪素原子を含むヒドロカルビルオキシシラン化合物又は珪素原子を含むヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させて変性させる。
また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である変性ジエン系ゴムが得られるため、例えば、重合開始末端にヘキサメチレンイミンが結合し、他方の末端には前記アルコキシシラン化合物が結合した変性ジエン系重合体を得ることもできる。
前記重合開始剤であるヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応性生物等が挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
さらに、前記重合開始剤であるリチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
なお、これらのリチウムアミド化合物は、一般に、第二アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−situ)で調製することもできる。
<変性ジエン系重合体>
本発明の変性ジエン系重合体は、上述した本発明の変性ジエン系重合体の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
製造された本発明の変性ジエン系重合体は、補強性充填材とともに用いた際、ゴム組成物の低ロス性を向上させることができる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上述した本発明の変性ジエン系重合体を含有するゴム成分と、補強性充填材とを含むことを特徴とする。
前記ゴム成分として、本発明の変性ジエン系重合体を含有することによって、補強性充填材の分散性が高くなり、優れた低ロス性を実現できる。
(ゴム成分)
本発明のゴム組成物は、本発明の変性ジエン系重合体を含有するゴム成分を含む。
ゴム成分として本発明の変性ジエン系重合体を含有することで、補強性充填材との強い相互作用も得られる。
ここで、前記ゴム成分は、本発明の変性ジエン系重合体100%から構成することもできるが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、本発明の変性ジエン系重合体以外のゴムを含有することもできる。
前記ゴム成分における本発明の変性ジエン系重合体の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく30質量%以上であることが特に好ましい。
前記ゴム成分を構成するゴムの種類については、本発明の変性ジエン系重合体を含有すること以外は、特に限定されず、要求される性能に応じて適宜選択することができる。例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)等の非ジエン系ゴムが挙げられる。これらの中から、1種又は2種以上のゴムを適宜選択し、使用することができる。
また、前記ゴム成分については、ゴム組成物の耐摩耗性を向上する観点からは、本発明の変性ジエン系重合体に加えて、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムをさらに含有することがより好ましい。ゴム組成物の耐摩耗性や、その他の物性を向上させることができるためである。
前記天然ゴム及び/又はイソプレンゴムの含有量については、前記ゴム成分中の、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
(補強性充填材)
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分に加えて、補強性充填材を含む。
前記補強性充填材はゴム成分中の変性ジエン系重合体との相互作用が高まる結果、ゴム組成物における分散性が向上し、ゴム組成物の低ロス性を向上させることができる。
ここで、前記補強性充填材については、ゴム分野で通常用いられる補強性充填材であればよく、例えば、カーボンブラック、シリカ、タルク、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化チタン等が挙げられる。
また、前記補強性充填材は、上述した中でも、シリカを少なくとも含むことが好ましい。前記テトラジエン系化合物により変性したジエン系重合体との相互作用が特に高くなり、より高いレベルで低ロス性を実現できる。さらに、前記補強性充填材中の前記シリカの含有量は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましい。さらに高いレベルで低ロス性を実現できるためである。
なお、前記シリカについては、特に限定はされない。例えば、湿式シリカ、沈降シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
上述した中でも、前記シリカは、湿式シリカ又は沈降シリカであることが好ましい。これらのシリカは、分散性が高く、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性をより向上できるためである。なお、沈降シリカとは、製造初期に、反応溶液を比較的高温、中性〜アルカリ性のpH領域で反応を進めてシリカ一次粒子を成長させ、その後酸性側へ制御することで、一次粒子を凝集させる結果得られるシリカのことである。
また、前記湿式シリカのBET比表面積が、40〜350m/gであることが好ましく、80〜300m/gであることがより好ましい。前記湿式シリカのBET比表面積が、前記好ましい範囲内又は前記より好ましい範囲内であると、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とをより高いレベルで両立できる点で有利である。このような湿式シリカの市販品の具体例としては、東ソー・シリカ(株)社製、商品名「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、デグッサ社製、商品名「ウルトラジルVN3」、などが挙げられる。
また、さらに高いレベルで補強性を実現する観点から、前記補強性充填材は、前記シリカに加えて、カーボンブラックを含むことがより好ましい。
前記カーボンブラックについても、特に限定はされない。例えば、オイルファーネス法により製造された任意のハードカーボン及びソフトカーボンを用いることができる。これらの中でも、より優れた低ロス性及び耐摩耗性を実現する観点からは、GPF、FEF、SRF、HAF、ISAF、IISAF、SAFグレードのカーボンブラックを用いることが好まし、さらに優れた耐摩耗性を実現する観点からは、HAF、ISAF、IISAF、SAFグレードのカーボンブラックを用いることが特に好ましい。
(その他の成分)
また、本発明のゴム組成物は、ゴム組成物に通常配合される添加剤(その他の成分)を、発明の効果を損なわない程度に含むことができる。例えば、ゴム工業で通常使用されている、老化防止剤、架橋促進剤、架橋剤、架橋促進助剤、シランカップリング剤、グリセリン脂肪酸エステル、軟化剤、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、界面活性剤等の添加剤を適宜配合することができる。
前記老化防止剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されない。例えば、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤等を挙げることができる。これら老化防止剤は、1種又は2種以上を併用することができる。
前記架橋促進剤としては、公知のものを用いることができ、特に制限されるものではない。例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤;ジアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
前記架橋剤についても、特に制限はされない。例えば、硫黄、ビスマレイミド化合物等が挙げられ、その中でも、硫黄を用いることが好ましい。
前記ビスマレイミド化合物の種類については、例えば、N,N’−o−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンなどを例示することができる。
前記架橋促進助剤については、例えば、亜鉛華(ZnO)や脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸としては、飽和若しくは不飽和、直鎖状若しくは分岐状のいずれの脂肪酸であってもよく、脂肪酸の炭素数も特に制限されないが、例えば炭素数1〜30、好ましくは15〜30の脂肪酸、より具体的にはシクロヘキサン酸(シクロヘキサンカルボン酸)、側鎖を有するアルキルシクロペンタン等のナフテン酸;ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸(ネオデカン酸等の分岐状カルボン酸を含む)、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸;メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸;ロジン、トール油酸、アビエチン酸等の樹脂酸などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明においては、亜鉛華及びステアリン酸を好適に用いることができる。
なお、本発明のゴム組成物の製造方法は、特に限定はされない。例えば、前記ゴム成分と、前記補強性充填材と、前記その他の成分とを、公知の方法で、配合し、混錬することで得ることができる。
前記シランカップリング剤については、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−[エトキシビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シリル]−1−プロパンチオール(エボニック・デグッサ社製の商品名「Si363」)等が挙げられる。なお、これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のゴム組成物は、前記補強性充填剤としてシリカを含む場合には、グリセリン脂肪酸エステルをさらに含むことが好ましい。ゴム組成物の加工性が向上し、また、ゴム組成物をタイヤに適用することで、タイヤの転がり抵抗を更に低減できるためである。
前記グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルである。なお、グリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンの3つのOH基の少なくとも1つと、脂肪酸のCOOH基とがエステル結合してなる化合物である。
ここで、前記グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン1分子と脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステル(モノエステル成分)でも、グリセリン1分子と脂肪酸2分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸ジエステル(ジエステル成分)でも、グリセリン1分子と脂肪酸3分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸トリエステル(トリエステル成分)でもよいし、これらの混合物でもよいが、グリセリン脂肪酸モノエステルが好ましい。なお、グリセリン脂肪酸エステルがグリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステルの混合物である場合、各エステルの含有率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。また、グリセリン脂肪酸ジエステルを構成する2つの脂肪酸、並びに、グリセリン脂肪酸トリエステルを構成する3つの脂肪酸は、同一でも、異なってもよい。
前記グリセリン脂肪酸エステルの原料となる2種以上の脂肪酸(即ち、グリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸)としては、ゴム組成物の加工性、低ロス性、破壊特性の観点から、炭素数が8〜22である脂肪酸が好ましく、炭素数12〜18である脂肪酸がより好ましく、炭素数が14〜18である脂肪酸がさらに好ましく、炭素数が16の脂肪酸と炭素数が18の脂肪酸がよりさらに好ましい。また、前記グリセリン脂肪酸エステルの原料となる2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分と2番目に多い脂肪酸成分は、一方が炭素数16の脂肪酸で他方が炭素数18の脂肪酸であることがより好ましい。
また、前記グリセリン脂肪酸エステルがグリセリンと炭素数が16の脂肪酸及び炭素数が18の脂肪酸とのエステルである場合、炭素数が16の脂肪酸と炭素数が18の脂肪酸との質量比(炭素数16の脂肪酸/炭素数18の脂肪酸)は、90/10〜10/90の範囲が好ましく、80/20〜20/80の範囲がより好ましく、75/25〜25/75の範囲がより一層好ましい。炭素数が16の脂肪酸と炭素数が18の脂肪酸との質量比がこの範囲であれば、ゴム組成物の加工性、低ロス性、破壊特性を更に向上させることができる。
また、本発明のゴム組成物は、優れた低ロス性及び耐摩耗性を実現する観点から、軟化剤をさらに含むことが好ましい。前記軟化剤としては、例えば、ナフテン系ベースオイル、パラフィン系ベースオイル、アロマ系ベースオイル等が挙げられる。ここで、前記軟化剤の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対し、2〜30質量部配合することが好ましい。前記軟化剤の含有量がゴム成分100質量部に対して30質量部を超える場合、軟化剤がゴム製品の表面に滲み出るおそれや、耐摩耗性が低下したりするおそれがある。また、変性したゴム成分中のテトラジン部位と相互作用し、遮蔽してしまうため反応性が落ち、低ロス性能や耐摩耗性が低下するおそれもある。
さらに、上述した軟化剤の中でも、ナフテン系ベースオイル又はパラフィン系ベースオイルを用いることが好ましく、ナフテン系ベースオイルを用いることが最も好ましい。アロマオイルは、芳香族成分が多いため、芳香族化合物である当該薬品との親和性が高く、ポリマーとの反応をより阻害するため好ましくないためである。一方で、ナフテン系ベースオイルやパラフィン系ベースオイルは、ポリマー中に拡散し反応することを助ける効果があり、流動点が低いオイルの方がよくポリマー中に拡散するためである。
なお、前記ナフテン系ベースオイル、前記パラフィン系ベースオイル、前記アロマ系ベースオイルという分類については、CA値、CP値、CN値により決定される。例えば、前記ナフテン系ベースオイル前記分類されるのは、TDAE、SRAE、RAE、Black Oil等である。また、前記パラフィン系ベースオイルとして分類されるのは、スピンドルオイルヤパラフィンオイルである。
さらにまた、前記ナフテン系ベースオイルと前記ナフテン系アスファルトを混合した、A/O Mix(三共油化工業株式会社)等の混合油でもより好ましい効果が得られる。
これらの潤滑油を配合するタイミングについては特に限定はされず、例えば、前記ゴム成分の製造の段階で 油展させてもよいし、ゴム組成物を混錬する際に、添加させてもよい。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、上述した本発明のゴム組成物を用いたことを特徴とする。本発明のゴム組成物をタイヤ材料として含むことで、転がり抵抗の低減が可能となる。
なお、本発明のタイヤは、上述した本発明のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いること以外、特に制限は無く、常法に従って製造することができる。なお、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
また、本発明のタイヤでは、上述した本発明のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いるが、タイヤ部材の中でも、トレッドゴム、サイドウォールゴム、コード若しくは繊維被覆ゴム、ビードフィラー又はゴムチェーファーに用いられることが好ましく、その中でもトレッドゴムに用いられることがより好ましい。これらの部材に適用すれば、本発明のゴム組成物による優れた低ロス性の効果による利益を十分に享受できるからである。
なお、本発明のタイヤの種類については、特に限定はされないが、転がり抵抗の低減をより効果的に発揮できる点からは、乗用車用タイヤ、スタッドレスタイヤ、ランフラットタイヤ又はトラック・バス用タイヤであることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
以下の手順に従って、変性又は未変性の重合体A〜Dを製造した。なお、各重合体における、分子特性については、表1に示す。
(変性重合体Aの製造)
乾燥し、窒素置換した5Lの耐圧容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液、及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン551g及びスチレン129gとなるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.48gを加え、さらに重合開始剤として0.34gのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率はほぼ100%であった。
その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5重量%溶液3ミリリットルを加えて反応を停止させ、得られたポリマーセメントをドラム乾燥して未変性重合体Aを得た。
(変性重合体Bの製造)
乾燥し、窒素置換した5Lの耐圧容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液、及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン551g及びスチレン129gとなるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.48gを加え、さらに重合開始剤として0.34gのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率はほぼ100%であった。
その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5重量%溶液3ミリリットルを加えて反応を停止させ、次いで3.71gの3,6−ジ(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンを添加し撹拌した。得られたポリマーセメントをドラム乾燥して変性重合体Bを得た。
(変性重合体Cの製造)
乾燥し、窒素置換した5Lの耐圧容器に、ヘキサン815gと、22.4重量%の1,3−ブタジエンのヘキサン溶液1417gとを加えた。4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液3.05mL、22.4重量%の1,3−ブタジエンのヘキサン溶液0.63g、0.537Mのネオジムバーサテートのシクロヘキサン溶液0.24mL、1.0Mのジイソブチルアルミニウムハイドライドのヘキサン溶液2.77mLおよび1.0Mのジエチルアルミニウムクロライドのヘキサン溶液0.52mLを混合して、予備形成触媒を調製した。触媒を15分間熟成させ、リアクターに投入した。その後、リアクターのジャケットの温度を65℃に設定した。触媒を添加してから約72分後、重合混合物を室温まで冷却し、12重量%の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールのイソプロパノール溶液15mlを加えた。得られたポリマーセメントをドラム乾燥して未変性重合体Cを得た。
(変性重合体Dの製造)
乾燥し、窒素置換した5Lの耐圧容器に、ヘキサン815gと、22.4重量%の1,3−ブタジエンのヘキサン溶液1417gとを加えた。4.32Mのメチルアルミノキサンのトルエン溶液3.05mL、22.4重量%の1,3−ブタジエンのヘキサン溶液0.63g、0.537Mのネオジムバーサテートのシクロヘキサン溶液0.24mL、1.0Mのジイソブチルアルミニウムハイドライドのヘキサン溶液2.77mLおよび1.0Mのジエチルアルミニウムクロライドのヘキサン溶液0.52mLを混合して、予備形成触媒を調製した。触媒を15分間熟成させ、リアクターに投入した。その後、リアクターのジャケットの温度を65℃に設定した。触媒を添加してから約72分後、重合混合物を室温まで冷却し、12重量%の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールのイソプロパノール溶液15mlを加え、次いで1.77gの3,6−ジ(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンを添加し撹拌した。得られたポリマーセメントをドラム乾燥して変性重合体Dを得た。
Figure 0006865622
<実施例1〜2及び比較例1〜2>
上述の変性重合体A〜Dを用いて、表2に示す配合処方のゴム組成物を調整し、実施例及び比較例の各サンプルを得た。
実施例及び比較例の各サンプルについて、(1)低ロス性(tanδ)、(2)耐摩耗性、について評価を行った。
(1)低ロス性(tanδ)
各サンプルに対して、160℃で15分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムに対し、スぺクトロメーター(株式会社上島製作所製)を用い、温度60℃、初期歪2%、動歪1%、周波数52Hzの条件で、損失正接(tanδ)を測定した。得られたtanδの値は、比較例1及び実施例1については、比較例1の値を100としたときの指数として表示し、比較例2及び実施例2については、比較例2の値を100としたときの指数として表示した。結果を表2に示す。なお、低ロス性の指数値は、小さい程低ロス性に優れることを示す。
(2)耐摩耗性
各サンプルに対して、160℃で15分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムについて、円板状(直径16.2mm×厚さ6mm)に切り抜いた試験片を用い、JIS−K6264−2:2005に準じて、DIN摩耗試験を行い、摩耗量(mm)を測定した。
得られた摩耗量の値は、その逆数をとり、比較例1及び実施例1については、比較例1の逆数値を100としたときの指数として表示し、比較例2及び実施例2については、比較例2の逆数値を100としたときの指数として表示した。結果を表2に示す。なお、摩耗量の指数値は、大きい程耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0006865622
※1:東ソーシリカ(株)製 「ニプシルAQ」
※2:三共油化工業(株)製 ナフテン系オイル「A/O MIX」
※3:三菱化学(株)製 「ダイヤブラックN234」
※4:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
※5−1:ビス−[γ−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製 「Si69」
※6:ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業(株)製 「ノクセラーD」
※7:ベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製 「ノクセラーDM−P」
※8:N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業製内新興化学工業(株)製 「ノクセラーNS−P」
表2の結果から、実施例1及び実施例2のサンプルは、それぞれ、比較例1及び比較例2のサンプルに比べて、低ロス性及び耐摩耗性のいずれについてもより優れた結果を示すことがわかった。
本発明によれば、補強性充填材とともに用いた際に、低低ロス性に優れたゴム組成物とすることが可能な、変性ジエン系重合体を得ることができる、変性ジエン系重合体の製造方法を提供できる。また、本発明によれば、補強性充填材とともに用いた際に、低ロス性に優れたゴム組成物を実現できる変性ジエン系重合体、及び、低ロス性に優れたゴム組成物、並びに、転がり抵抗の低減が図られたタイヤを提供できる。

Claims (6)

  1. 1,3−ブタジエンを含むジエン系重合体を製造する工程と、
    製造された前記ジエン系重合体と、3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ビス(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン、3−メチル−6−(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン及び3−メチル−6−(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンから選択される少なくとも一種のテトラジン系化合物とを混合した後、加熱して、前記ジエン系重合体を変性する工程と、
    前記ジエン系重合体を、以下の一般式(I)〜(XIII)で示される化合物のうちの少なくとも一種を有する変性剤を用いて変性する工程と、
    を具えることを特徴とする、変性ジエン系重合体の製造方法。
    Figure 0006865622
    (前記一般(I)式中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、aは0〜2の整数であり、ORが複数ある場合、複数のORは互いに同一でも異なっていても良く、また分子中には活性プロトンは含まれない。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(II)中、Aはエポキシ、イソシアネート、イミン、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、環状三級アミン、非環状三級アミン、ピリジン、シラザン及ジスルフィドからなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する一価の基であり、Rは単結合又は二価の炭化水素基であり、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、bは0〜2の整数であり、ORが複数ある場合、複数のORは互いに同一であっても異なっていても良く、また分子中には活性プロトンは含まれない。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(III)中、n1+n2+n3+n4=4(但し、n1、n2、n3及びn4は0〜4の整数であり、且つn1+n2=1以上の整数)であり、A1は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基(イソシアナート基又はチオイソシアナート基を示す。以下、同様。)、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに、加水分解性基を有する第一若しくは第二アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、R21は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R23は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R22は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、n2が2以上の場合には、互いに同一若しくは異なっていても良く、或いは、一緒になって環を形成しており、R24は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(IV)中、p1+p2+p3=2(但し、p1、p2、p3は0〜2の整数であり、且つp1+p2=1以上の整数)であり、A2は、NRa(Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である。加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。)、或いは、硫黄であり、R25は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、p1が2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R27は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、R26は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又は含窒素有機基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、p2が2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R28は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(V)中、q1+q2=3(但し、q1は0〜2の整数であり、q2は1〜3の整数である)であり、R31は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R32及びR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R34は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていても良く、R35は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(VI)中、r1+r2=3(但し、r1は1〜3の整数であり、r2は0〜2の整数である)であり、R36は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R38は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていても良い。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(VII)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R40はトリメチルシリル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R41は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R42は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(VIII)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R43及びR44はそれぞれ独立して炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R45は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、複数のR45は、同一でも異なっていても良い。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(IX)中、r1+r2=3(但し、r1は0〜2の整数であり、r2は1〜3の整数である。)であり、TMSはトリメチルシリル基であり、R46は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R47及びR48はそれぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、複数のR47又はR48は、同一でも異なっていても良い。)
    Figure 0006865622
    (前記一般式(X)中、Xはハロゲン原子であり、R49は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R50及びR51はそれぞれ独立して、加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であるか、或いは、R50及びR51は結合して二価の有機基を形成しており、R52及びR53はそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。)
    R’SnX ・・・ (XI)
    (前記式(XI)中、R’は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜3で、bは1〜4で、但し、a+b=4である。式(XI)のスズ含有化合物で変性したジエン系ゴムは、少なくとも一種のスズ−炭素結合を有する。)
    θ−C≡N ・・・(XII−1)
    θ−R−C≡N ・・・(XII−2)
    (前記式(XII−1)および(XII−2)中、θは複素環基を示す。)
    (AM)Li(Q)y ・・・(XIII)
    (前記式(XIII)中、yは、0又は0.5〜3であり、Qは、炭化水素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物からなる群から選択される可溶化成分であり、AMは、一般式(XIII−1)又は(XIII−2)である。
    Figure 0006865622
    (式中、各々のRは、独立して、1〜12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキル基を示す。)
    Figure 0006865622
    (式中、Rは、3〜16のメチレン基を有するアルキレン、置換アルキレン、オキシ−
    またはN−アルキルアミノ−アルキレン基を示す。))
  2. 前記テトラジン系化合物が、3,6−ジ(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン及び3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンから選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
  3. 前記ジエン系重合体のピーク分子量(Mp)が100000〜2000000である際、前記テトラジン系化合物の配合量が、前記ジエン系重合体100質量部に対して、0.01〜2.5質量部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
  4. 前記ジエン系重合体は、さらに芳香族ビニル化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
  5. 前記芳香族ビニル化合物がスチレンであることを特徴とする、請求項4に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
  6. 前記ジエン系重合体と前記テトラジン系化合物との混合物の加熱は、前記ジエン系重合体の乾燥工程として実施することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の変性ジエン系重合体の製造方法。
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