JP6864580B2 - ヘッドアップディスプレイ装置、ナビゲーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置及びナビゲーション装置に関する。
車両の運転者等の運転を支援する情報をウィンドウシールドの反射部材に投影して運転者の前方に虚像を結像させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置が知られている。虚像はウィンドウシールドよりも車両の前方に結像するので、通常、遠方を見ている運転者は車内のディスプレイを見る場合よりも少ない視線移動で運転を支援する情報を視認できる。
このようなヘッドアップディスプレイ装置において、虚像の結像位置を近方と遠方に異ならせた2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。図1は、2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置により結像される遠方虚像11と近方虚像12を模式的に示す。なお、図1(a)では説明のための遠方虚像11と近方虚像12が図示されているが、実際には遠方虚像11と近方虚像12は目に映るだけである。
図1(b)は遠方虚像11と近方虚像12に表示される運転を支援する情報の一例を示す。一例として、遠方虚像11に走行レーンを示すアイコン201が表示されており、近方虚像12に追従走行中であることを示すアイコン202、進路変更までの時間203、着信のお知らせ204が表示されている。図1(b)に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置は遠方と近方にそれぞれ適切な情報を表示するため、ユーザは遠方虚像11に表示された情報と近方虚像12に表示された情報を把握しやすくなる。
また、表示される虚像の数を多くすることで、奥行き感を増大させたヘッドアップディスプレイ装置が考案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2には、正面虚像の下側に下側虚像を表示し、正面虚像の上側に上側虚像を表示する車両用表示装置が開示されている。下側虚像と上側虚像により正面虚像に奥行き感が得られるため運転者への情報の訴求力を向上させることができる。
実開平7−5886号公報 特開2016−68693号公報
しかしながら、特許文献2の車両用表示装置では虚像の数だけ表示器が必要になりコスト増になるという問題がある。すなわち、表示器が独立している場合、表示器の位置を表示器ごとに変えられるため正面画像の上下に別々の虚像を表示できる。しかし、複数の表示器を設けることはコスト増になる。
本発明は、上記課題に鑑み、コストの増大を抑制して奥行き感がある映像を表示可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
本発明は、映像投影装置が投影した映像の虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、前記映像投影装置が投影した第一の映像を反射する第一のミラーと、前記第一のミラーが反射した前記第一の映像を、前記映像投影装置が投影した第二の映像に重畳させる1つ以上の第二のミラーと、前記第二の映像の予め定められた領域が所定方向に投影された際に形成する空間を使って前記第二のミラーを固定する固定手段と、を有し、前記第二のミラーは前記第二の映像と重畳して配置されており、前記第一のミラーが反射した前記第一の映像を、前記第二の映像が投影される方向に反射することを特徴とする。

コストの増大を抑制して奥行き感がある映像を表示可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供することができる。
2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置により結像される遠方虚像と近方虚像を模式的に示す図の一例である。 ヘッドアップディスプレイ装置の概略的な特徴を説明する図の一例である。 運転者の視点から見た遠方虚像と近方虚像の一例を示す図である。 車載されたヘッドアップディスプレイ装置の概略的な構成図の一例である。 凸レンズによる虚像の結像を説明する図の一例である。 ヘッドアップディスプレイの基本的な光学系を説明する図の一例である。 ヘッドアップディスプレイ装置の比較例を説明する図である。 ヘッドアップディスプレイ装置の概略的な構造を説明する図の一例である。 ヘッドアップディスプレイ装置の概略的な構造を説明する図の一例である。 非描画領域を説明する図の一例である。 近方虚像用の映像と重畳するように配置される第二ミラー、又は第四ミラーの取り付け構造を説明する図の一例である。 四隅の非描画領域が凹面ミラーに対し投影してできる空間を示す図の一例である。 アイボックスを説明する図の一例である。 視点位置ずれを説明する図の一例である。 運転席から見た実景に重畳された近方虚像及び遠方虚像の一例を示す図である。 ARイメージについて説明する図の一例である。 路面にペイントされた投影画像の投影面への透視投影変換を説明する図の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
<ヘッドアップディスプレイ装置の概略的な特徴>
図2は、本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置の概略的な特徴を説明する図の一例である。本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置は1つの映像投影装置で近方虚像12と遠方虚像11を重畳して表示する。図2に示すように、運転者の視点から、近方虚像12の略中央に遠方虚像11が重なって表示される。遠方虚像11が重畳する近方虚像12は、中央31aと四隅31bに非描画領域31を有する。非描画領域31とは文字やアイコンなどの情報だけでなく輝度の明暗による情報を含まない領域である。具体的には、元の映像が黒画素の領域、又は、光が照射されない領域ということができる。このため、遠方虚像11と近方虚像12が重畳していても、運転者は遠方虚像11を良好に視認できる。
図3は、運転者の視点から見た遠方虚像11と近方虚像12であり、非描画領域31について説明する図である。図2で説明したように、近方虚像12の中央31aと四隅31bは非描画領域31であり、中央31aがくり抜かれたような構造になるため、遠方虚像11に奥行き感が得られる。更に、奥行き感を増大させるため、近方虚像12の右描画領域12r、左描画領域12l、上描画領域12u、及び、下描画領域12dは、パース図で表現されている。パース図とは遠近法を利用して立体的に表現された図をいう。透視図ともいう。すなわち、遠方虚像11に近づくほど狭くなる図形(四辺形であるがより具体的には台形)が右描画領域12r、左描画領域12l、上描画領域12u、及び、下描画領域12dとして形成されている。実景の視認性を阻害しない程度に半透明のグラデーションを形成することで更に奥行感を強調できる。
右描画領域12r、左描画領域12l、上描画領域12u、及び、下描画領域12dには、それぞれに適した運転を支援する情報の表示が可能である。
遠方虚像11の周囲には中央31aの非描画領域31が存在する。近方虚像12の右描画領域12r、左描画領域12l、上描画領域12u、及び、下描画領域12dの間は四隅31bの非描画領域31である。中央31a及び四隅31bの非描画領域31も奥行き感を高めるという効果を奏する。更に、中央31aの非描画領域31は後述するアイボックス内の視点ぶれに対する視認性の確保に有効であり、遠方虚像11の歪み補正にも利用できる。
また、近方虚像12の右描画領域12r、左描画領域12l、上描画領域12u、及び、下描画領域12dの間の四隅31bの非描画領域31は、後述するように、遠方虚像11と近方虚像12の重畳表示を実現するためのミラーを固定する固定アーム(固定手段の一例)が設置される領域となる。したがって、四隅31bの非描画領域31は奥行き感を高めるだけでなく、固定アームを見えなくする効果をもたらすことができる。
<ヘッドアップディスプレイ装置の概略構造>
図4は、車載されたヘッドアップディスプレイ装置の概略的な構成図を示す。図4は説明の便宜上、1レイヤのヘッドアップディスプレイ装置を示す。本実施形態では一例として車両に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置を例にして説明する。ヘッドアップディスプレイ装置の表示ユニット20はダッシュボードの内部に埋め込まれており、表示ユニット20の上面に設けられ射出窓からウィンドウシールド13に向けて映像が投影される。投影された映像がウィンドウシールド13よりも前方に虚像10として表示される。運転者9はこの虚像を視認することができる。したがって、ヘッドアップディスプレイ装置は表示装置の一態様である。運転者9は視線を前方の車両や路面に保ったまま(少ない視線移動で)運転を支援する情報を目視できる。運転を支援する情報については後述する。
<ヘッドアップディスプレイの光学系>
図5、図6を用いてヘッドアップディスプレイの光学系について説明する。図5は凸レンズによる虚像の結像を説明する図の一例であり、図6はヘッドアップディスプレイの基本的な光学系を説明する図の一例である。
図5に示すように、レンズ51の焦点距離fよりもレンズ51に対し手前に物体52がある場合、レンズ越しの視点から虚像10が見える。虚像10は実際にはそこに存在せず、スクリーンを置いても物体の像は映らない。レンズ51から物体52までの距離をa、虚像10までの距離b、焦点距離をfとすると、これらにはよく知られているように以下の関係がある。
(1/a)−(1/b)=1/f
距離bについて解くと分かるように、レンズ51から虚像10までの距離bは距離aが大きく焦点距離fが小さいほど大きくなる。焦点距離fが一定であれば、距離aが大きいほど距離bが大きくなり、運転者9から見て遠方に虚像を結像させることができる(ただし、虚像が得られるのはa<f)。虚像10が遠方にあるほど、通常、遠方を見ている運転者9にとっては少ない視線移動で運転を支援する情報を視認できる。
次に、図6を用いて凹面ミラー27による虚像について説明する。映像投影装置21がディフューザ22に照射した映像は凹面ミラー27で反射され拡大された後にウィンドウシールド13のコンバイナー17で運転者9の視線方向に反射される。この時、運転者9からはコンバイナー17を通して画像が遠方に拡大して表示されているように見える。これは、凹面ミラー27が図5で説明したレンズ51と同様の働きをするためである。凹面ミラー27の焦点距離fとディフューザ22との距離L1の関係により(L1<f)、車両の前方の画像は虚像10になり、実際にはコンバイナー17の前方には存在しない。
ディフューザ22と凹面ミラー27との距離をL1、凹面ミラー27とコンバイナー17との距離L2、凹面ミラー27が凸レンズであった場合の仮想的な虚像10´と凹面ミラー27までの距離をL3、コンバイナー17から虚像10までの距離L4とする。図5との対応では、距離L1が距離aに相当し、距離L3が距離bに相当する。したがって、コンバイナー17からは距離L4=L2+L3に虚像が結像するように見える。
運転者9の視線移動を少なくするにはL2又はL3を大きくすればよい。距離L2は車両の構造などで決まる場合が多く距離L2を大きくすることは困難な場合が多い。距離L3を大きくするには図5で説明したように凹面ミラー27の焦点距離fを小さくするか又は距離L1を大きくする必要がある。距離L1を大きくする方法として、ヘッドアップディスプレイ装置ではいくつかのミラーで映像を折り返して距離を稼ぐ方法が採用される。
<本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置の構造例>
<<近方虚像と遠方虚像が重畳しないヘッドアップディスプレイ装置>>
図7は、本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置100と比較するための比較例を説明する図である。図7のヘッドアップディスプレイ装置100は、2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置であるが近方虚像12と遠方虚像11が重畳しない。
ヘッドアップディスプレイ装置100は、表示ユニット20とウィンドウシールド13に形成されたコンバイナー17を有する。表示ユニット20は、更に映像投影装置21、ディフューザ22、第一ミラー23(第一のミラーの一例)、第二ミラー24(第二のミラーの一例)、及び、凹面ミラー27を有する。これらの詳細は図8にて説明する。
映像投影装置21は遠方虚像11として結像する映像と、近方虚像12として結像する映像をディフューザ22に投影する。遠方虚像用の映像は第一ミラー23で第二ミラー24の方向に反射され、第二ミラー24により凹面ミラー27に向かって反射される。これに対し、近方虚像用の映像はディフューザ22から直接、凹面ミラー27に到達する。
凹面ミラー27は遠方虚像用の映像と近方虚像用の映像をコンバイナー17に向けて反射する。運転者の視点からは遠方虚像11と近方虚像12が見える。第一ミラー23と第二ミラー24により、遠方虚像用の映像の方が近方虚像用の映像よりも凹面ミラー27までの光路長が長いので、遠方虚像11は近方虚像12よりも運転者から見て遠方に結像する。
<<近方虚像と遠方虚像が重畳するヘッドアップディスプレイ装置1>>
図8は、本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置100の概略的な構造を説明する図の一例である。すなわち、図8のヘッドアップディスプレイ装置100は近方虚像12と遠方虚像11が重畳する2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置である。図7との相違としては、第二ミラー24が近方虚像用の映像43と重畳している。これにより、近方虚像12に重畳した遠方虚像11が得られる。
映像投影装置21は、車両に搭載された車両側ユニットから取得した運転を支援する情報に基づいて虚像として投影される映像を生成する。具体的には例えば路面に進行方向を表すマークが描画されているかのように見えるARイメージを生成する。ARとは「Augmented Reality」の略であり拡張現実と呼ばれる。この場合、映像投影装置21は三次元座標系に何らかの投影画像(オブジェクトと呼ばれる)を配置して運転者の視界に相当する投影面に投影画像を透視投影変換することで、ARイメージを生成する。あるいは、AR表示することなく、単に車速などの情報を生成してもよい。
映像投影装置21は映像を投影する機能を有する。投影の方式としてはLCD(液晶ディスプレイ)、DLP(Digital Light Processing)、レーザプロジェクタなどがある。本実施形態では投影の方式は制限されない。
ディフューザ22は映像投影装置21が投影した映像(光)を拡大する役割を有する。ディフューザ22の映像投影装置21側の面には隙間なくマイクロレンズが形成されている。マイクロレンズは通常のレンズと比較して物像間距離を小さくできるため、距離L1を稼ぎやすい。なお、映像が広がる角度は,マイクロレンズのサイズ、各レンズの焦点距離などから決定される。
映像投影装置21から見てディフューザ22の背面(映像の投影方向)には第一ミラー23及び第二ミラー24が配置されている。第一ミラー23は第二ミラー24よりも鉛直方向上側に配置される。第二ミラー24は、第一ミラー23の真下であって、近方虚像用の映像43の中央に配置される。図8の第一ミラー23と第二ミラー24の面積は同じであるが、どちらかが大きくてもよい。
第一ミラー23は、遠方虚像用の映像42を第二ミラー24に向けて折り返すため、遠方虚像用の映像42の投影範囲に配置される。すなわち、ディフューザ22と重畳している。第二ミラー24は、近方虚像用の映像43に遠方虚像用の映像42を重畳させるため、近方虚像用の映像43の投影範囲に配置される。すなわち、ディフューザ22と重畳している。
第一ミラー23がどのくらいディフューザ22と重畳するかは、映像の設計方針によって調整される。すなわち、近方虚像12として表示する運転を支援する情報を多くしたければ、第一ミラー23とディフューザ22の重畳面積を小さくする。遠方虚像11として表示する運転を支援する情報を多くしたければ、第一ミラー23とディフューザ22の重畳面積を大きくする。ただし、遠方虚像11の周囲を囲むように近方虚像12が表示されるため、第一ミラー23とディフューザ22の重畳面積はディフューザ22の半分未満である。奥行き感を十分に表現するためには1/3未満であることが好ましい。
第一ミラー23と第二ミラー24は互いに平行に配置されており、第一ミラー23及び第二ミラー24はディフューザ22からの遠方虚像用の映像42を近方虚像用の映像43と重畳させて、近方虚像用の映像43と平行に凹面ミラー27に向けて反射する。
凹面ミラー27は上記のように、映像を拡大してコンバイナー17に向けて反射すると共に虚像を結像させるためのレンズの役割を果たす。凹面ミラー27には近方虚像用の映像43に重畳して遠方虚像用の映像42が到達する。凹面ミラー27が反射した映像は表示ユニット20の射出部18を通過してコンバイナー17に到達する。凹面ミラー27は映像の全体がコンバイナー17に到達するように大きさ、角度、及び、位置が設計される。
コンバイナー17は2つの機能を有する。1つは凹面ミラー27で反射された映像を運転者側に反射させる機能である(反射部材の機能)。もう1つはコンバイナー17を介して運転者9が得る視界を確保する機能(透過機能)である。コンバイナー17の運転者側の面にはビームスプリッターが形成されているため、入射する映像の少なくとも一部を運転者9に向けて反射する。また、外光の少なくとも一部が透過して運転者9の目に到達する。 これにより、運転者9は虚像と実景の両方を同時に見ることができる。
なお、コンバイナー17の車外側の面は車内側の面とほぼ同じ曲率を有しているため、コンバイナー17を透過する光に対してレンズ効果を持たず、実景が歪むことはない。
図8から明らかなように、ディフューザ22から第一ミラー23,第二ミラー24、及び、凹面ミラー27までの光路長と、ディフューザ22から凹面ミラー27までの光路長とでは、前者の方が長い。したがって、近方虚像12は遠方虚像11よりも運転者9から見て手前に結像し、遠方虚像11は近方虚像12よりも運転者9から見て遠方に結像する。
図8のような構成によれば、1つの第二ミラー24で近方虚像12と遠方虚像11を重畳させることができる。つまり、ミラーの数が少なくて済むためコスト増を抑制できる。一方で、遠方虚像用の映像42の距離をあまり稼げない。
ところで、後述するアイボックス内で運転者が視線を動かすと第一ミラー23及び第二ミラー24のエッジ41が見える可能性がある。しかし、第一ミラー23及び第二ミラー24の縁がミラーコーティングされていない場合、光学的なパス(通り道)にならないため、黒く沈んで見えるだけになる。
一方、エッジ41の浮きという現象は発生しないが、エッジ41を映像が通過できないので、描画できないエリアが存在する。しかし、近方虚像用の映像43の中央31aの非描画領域を遠方虚像用の映像42よりも大きく確保することで、描画できないエリアが目立たないようにできる。
また、アイボックス内で目を動かすと遠方虚像11が中心に見えなくなるが、これも中央31aの非描画領域31が設けられることで解決される。
また、第二ミラー24が配置される際、ミラー本体以外の取り付け部品(以下、固定アームという)が近方虚像用の映像43の光路を遮らないように配置される必要がある。この構造については図11にて説明する。
<<近方虚像と遠方虚像が重畳するヘッドアップディスプレイ装置2>>
図9は、本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置100の概略的な構造を説明する図の一例である。なお、図9の説明では主に図8との相違を説明する。
図9では、第一ミラー23,第二ミラー24(第一反射部の一例)、第三ミラー25(第二反射部の一例)、及び、第四ミラー26(第三反射部の一例)により遠方虚像用の映像42が反射されている。第一ミラー23と第二ミラー24の配置は図7と同様である。第三ミラー25は第二ミラー24が反射した遠方虚像用の映像42を鉛直方向上側に反射する。第四ミラー26は第三ミラー25の真上であって、近方虚像用の映像43の中央に配置される。すなわち、第四ミラー26は、近方虚像用の映像43に遠方虚像用の映像42を重畳させるため、近方虚像用の映像43の投影範囲に配置される。すなわち、ディフューザ22と重畳している。
第一ミラー23、第二ミラー24、第三ミラー25及び第四ミラー26の面積は同じであるが、必ずしも同一である必要はない。第四ミラー26は、遠方虚像用の映像42を近方虚像用の映像43と重畳させて、近方虚像用の映像43と平行に凹面ミラー27に向けて反射する。
図9の構成によれば、ディフューザ22が投影した遠方虚像用の映像42は、第一ミラー23、第二ミラー24、第三ミラー25,及び第四ミラー26により順番に反射され凹面ミラー27まで導かれる。したがって、図8の構成よりも遠方虚像用の映像42の光路長を長くすることができる。第三ミラー25,及び第四ミラー26の分だけ部品数が多くなるため、若干のコスト増になる可能性があるが、近方虚像12と遠方虚像11の距離の差をより大きくできるため、図8の構成よりも奥行き感を増大させることが可能になる。
なお、第四ミラー26が配置される際、ミラー本体以外の固定アームが近方虚像用の映像43の光路を遮らないように配置される必要がある点は図8の構成と同様である。固定アームの配置方法については図8と同様であり、図11にて説明する。
<第二ミラー24、第四ミラー26の取り付け構造>
図10は非描画領域31を説明する図の一例である。ディフューザ22は1つの映像内に構築された近方虚像用の映像43(第二の映像の一例)と遠方虚像用の映像42(第一の映像の一例)を投影する。近方虚像用の映像43を第一ミラー23と同一の形状にできればヘッドアップディスプレイ装置100の設計上、最大のサイズの近方虚像12を投影できるため理想的である。しかし、映像は凹面ミラー27及びコンバイナー17により歪むため、この歪みが近方虚像12として結像される際になくなるように、予め歪み補正された映像が投影される。歪み補正された映像は第一ミラー23と同じ矩形ではないので、近方虚像用の映像43には、歪み補正のための非描画領域32が設けられている。したがって、実際に情報が描画される領域35は近方虚像用の映像43の一部である(第一ミラー23のサイズよりも小さい)。
近方虚像用の映像43は、上記のように中央31aと四隅31bの非描画領域31が存在する。近方虚像用の映像43は、上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dの各領域に区分されている。各領域は遠近感を演出するためにパース図で表現されている。中央31aと四隅31bの非描画領域31は、近方虚像用の映像43から上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dのパース図を差し引いた残りの領域である。
ユーザインタフェースのデザイン性を考慮して、上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dが決定されるので、中央31aと四隅31bの非描画領域31は予め定められている。ただし、固定アームが第二ミラー24を取り付ける空間を考慮して非描画領域31が決定される。いずれにしても非描画領域31は予め定められている。
遠方虚像用の映像42は非描画領域32と共に近方虚像用の映像43の中央31aと重畳される。したがって、近方虚像用の映像43の中央31aの非描画領域31には、遠方虚像用の映像42の情報が描画される領域35と非描画領域32が重畳される。したがって、中央31aの非描画領域31の一部が非描画領域32になる。
また、第二ミラー24又は第四ミラー26は、近方虚像用の映像43の四隅31bの非描画領域31を使用して取り付けられる。すなわち、四隅31bの非描画領域31と重なりはみ出さないように固定アームが第二ミラー24又は第四ミラー26を固定する。
なお、四隅31bの非描画領域31に限られず、中央31aの非描画領域31(遠方虚像用の映像42の周囲の非描画領域32)が固定アームの取り付けに利用されてもよい。
図11は、近方虚像用の映像43と重畳するように配置される第二ミラー24、又は第四ミラー26の取り付け構造を説明する図の一例である。図11では第二ミラー24の取り付け構造が説明されるが、第四ミラー26の場合も考え方は同じである。
凹面ミラー27には近方虚像用の映像43と遠方虚像用の映像42が重畳して投影されている。ディフューザ22は近方虚像用の映像43を第二ミラー24に向かって投影するが、第二ミラー24の4つの頂点44に対応する近方虚像用の映像43の位置は、中央31aと四隅31bの交点45である。
また、第二ミラー24の4つの頂点44に対応する交点45から近方虚像用の映像43の頂点46に向かう四隅31bの範囲は、奥行き感をもたらすための非描画領域31である。固定アーム47は近方虚像用の映像43の四隅31bの非描画領域31が凹面ミラー27の方向(所定方向の一例)に投影してできる空間を利用して、第二ミラー24を周囲の壁面49に固定する。なお、必ずしも4つの固定アーム47の全てを壁面49に固定しなくてもよく、少なくとも1つ以上が壁面49に固定されればよい。
図12は四隅31bの非描画領域31が凹面ミラー27に対し投影してできる空間48を示す図の一例である。図12に示すように、固定アーム47は四隅31bの非描画領域31が形成する空間48に配置される。図示する以外の固定アーム47についても同様である。
このように投影される映像の非描画領域31を利用することで、第二ミラー24をディフューザ22と重畳させても、第二ミラー24の固定アームが近方虚像12に影を落とすことを防止できる。
<視点位置ずれについて>
図3にて説明したように、遠方虚像11を上下左右の近方虚像12が囲むように虚像が表示される。近方虚像12の方が運転者から見て手前に結像するため、運転者の目の位置によっては近方虚像12が遠方虚像11を遮るおそれがある。しかしながら、本実施形態では遠方虚像用の映像42の周囲に歪み補正の非描画領域32(近方虚像用の映像43との重畳後は中央31aの周囲)が設けられているため、近方虚像12が遠方虚像11を遮るおそれはほとんどない。
まず、図13を用いてアイボックスについて説明する。図13はアイボックスを説明する図の一例である。なお、図13では説明の便宜上、1レイヤのヘッドアップディスプレイ装置を示す。運転者9の体格や運転席に着座した際の姿勢等は運転者9によって同じとは限らないので、運転者9の目の位置も変化する。このため、ヘッドアップディスプレイ装置では代表的な運転者9の目の位置を中心とする一定領域が想定されている。運転者9の目がこの領域内にある限りは虚像を視認できるように、ヘッドアップディスプレイの光学系が設計されている。そして、このように設定された一定領域(視認領域)をアイボックス19と称する。
図13では、凹面ミラー27で反射した光をコンバイナー17がアイボックス19をカバーして反射できるように、凹面ミラー27の角度(コンバイナー17による映像の反射方向)等が設計されている。
図13は1レイヤのヘッドアップディスプレイ装置が例示されているが、2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置の場合も同様であり、第一ミラー23及び第二ミラー24のそれぞれで反射された光が、運転者9の目に向けてコンバイナー17で反射されることでアイボックス19が形成される。
図14は、視点位置ずれを説明する図の一例である。図14(a)は非描画領域31を説明するための側面図を示し、図14(b)はアイボックスにおける視点位置(両目の中心位置)を示す。図14(c)は運転者から見た近方虚像12と遠方虚像11の相対位置を模式的に示す。図14(a)に示すように、近方虚像12が上と下に、遠方虚像11がその間に表示される。運転者から見て左右の近方虚像12は省略されている。近方虚像12は遠方虚像11よりも手前に表示される。
運転者の視点位置はアイボックス内で図14(b)のa〜eのいずれかを取り得る。視点位置がアイボックス内のaにある場合、図14(c)のc−1に示すように遠方虚像11は近方虚像12の中心に見える。視点位置がアイボックス内のbにある場合、図14(c)のc−2に示すように遠方虚像11は近方虚像12の上側に寄って見える。視点位置がアイボックス内のcにある場合、図14(c)のc−3に示すように遠方虚像11は近方虚像12の下側に寄って見える。視点位置がアイボックス内のdにある場合、図14(c)のc−4に示すように遠方虚像11は近方虚像12の右側に寄って見える。視点位置がアイボックス内のeにある場合、図14(c)のc−5に示すように遠方虚像11は近方虚像12の左側に寄って見える。
しかしながら、遠方虚像用の映像42の周囲には歪み補正のための非描画領域32(重畳後は中央31aの周囲)が設けられているので、アイボックスの範囲では近方虚像12が遠方虚像11を遮ることがないか、又は、視認性に支障がない程度になる。
<運転を支援する情報の表示例>
図15を用いて近方虚像12及び遠方虚像11として表示される運転を支援する情報の一例を説明する。図15は、運転席から見た実景に重畳された近方虚像12及び遠方虚像11の一例を示す。近方虚像12及び遠方虚像11は実景に重ねて表示されるAR表示が可能である。
まず、ヘッドアップディスプレイ装置100はナビゲーション装置と一体に提供されてもよいし、ヘッドアップディスプレイ装置100のみで提供されてもよい。ナビゲーション装置は各種の運転支援を行う装置である。例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)などで自車位置を検出すると共に道路地図に自車位置を表示する。また、道路地図に目的地までの経路を表示したり、進路変更の手前で進行方向を案内したりすることで目的地まで運転者を誘導する。
遠方虚像11には自車両が追従走行している先行車を表す追従走行マーク301、及び、目的地マーク302が表示されている。追従走行する際、自車両はレーダ又はステレオカメラなどで先行車を検出しているため、自車両を基準とする距離と方位を検出している。また、路面の高さは既知である。したがって、映像投影装置21は先行車両の後方の路面に追従走行マーク301を表示できる。
ナビゲーション装置に目的地が設定されている場合、自車位置と目的地の座標(緯度、経度、標高)が検出されている。したがって、自車位置からみた目的地の方位も既知になる。映像投影装置21は目的地を囲むように目的地マーク302を表示できる。なお、目的地マーク302に限らず、POI(Point Of Interest)の場所にPOIマークを表示してもよい。例えば、運転者が過去に立ち寄った場所、運転者の嗜好から判断される施設、及び、ガソリンスタンド等である。
近方虚像12の上描画領域12uには、例えば、自車両の進行方向303、目的地までの距離304、及び、誘導方向305等が表示される。すなわち、遠方虚像11で表示された情報を補完する情報が表示されている。こうすることで、運転者が運転のために見る機会が多い遠方虚像11の視認性を阻害せずに、目的地までの詳細な情報を近方虚像12の上描画領域12uに表示できる。なお、自車両の進行方向は東西南北のどの方向に向かっているかを示す。目的地までの距離は道なりの距離でも直線距離でもよい。誘導方向とは次の進路変更の際に自車両が進行する方向である。目的地までの距離は遠方虚像11の目的地マーク302の真上に表示することが好ましい。こうすることで運転者は遠方虚像11と近方虚像12との関連性を把握できる。また、近方虚像12の上描画領域12uに誘導方向が表示されるので運転者の視認性を阻害せずに誘導方向を案内できる。
左右の側面(左描画領域12l、右描画領域12r)には何らかの警告が表示される。一例として、近方虚像12の左描画領域12lには検出された障害物に関する警告枠306が表示されている。図15では歩行者307が検出された例を示す。自車両はステレオカメラやレーダにより障害物を検出しているため、障害物までの距離と方位は既知である。映像投影装置21は歩行者307の周囲を囲む四辺形を警告枠306として表示する。この警告枠306は遠近感を表すように遠方が狭く近方が広くなるので、運転者の視点からの相対方向が分かり易くなる。
また、一例として、近方虚像12の右描画領域12rには後方接近車両マーク308が表示されている。後方接近車両マーク308は自車両の右後側方で車両が検出された旨の警告である。自車両から見て右側の路面に後方接近車両マーク308が表示されている。
近方虚像12の下描画領域12dのうち、ダッシュボードに近いエリアには自車速度310や交差点拡大図311などが表示され(インフォテイメント領域)、道路に近いエリアには、走行レーン312等が表示される。インフォテイメントとはインフォメーション(情報)とエンターテインメント(娯楽)を組み合わせた造語である。
近方虚像12の上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dには半透明のグラデーションが表示されている。このグラデーションは遠方ほど薄く、近方ほど濃くなっている。また、近方虚像12の上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dは遠近感をもたらすパース図により描かれている。これらにより、奥行き感を増大させることができる。
なお、近方虚像12の上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dに表示されるべきコンテンツが無い場合、これらの虚像は完全に透過な映像でよい。あるいは、表示されるべきコンテンツが無い場合に半透明であってもよい。近方虚像12の上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dのグラデーション及び枠線は表示されるべきコンテンツがある場合にのみ表示される。あるいは、表示されるべきコンテンツが無い場合にグラデーション及び枠線が表示されてもよい。
また、近方虚像12の上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dは常に4つ1組で表示されることで奥行き感を演出できる。しかし、任意の1つ以上だけが表示されてもよい。
このように、近方虚像12の中央に遠方虚像11が重畳されることで、奥行き感のある映像の提供が可能になる。また、近方虚像12を4つに分けてそれぞれに適切な運転を支援する情報を奥行き感のある状態で表示できる。
これら図15の表示例は一例にすぎず、近方虚像12の上描画領域12u、左描画領域12l、右描画領域12r、及び、下描画領域12dにどのようなコンテンツが表示されるかは適宜、設定される。また、運転者が任意に設定可能であると更に好ましい。
<ARイメージの作成について>
図16はARイメージについて説明する図の一例である。図16(a)は投影画像53が仮に車両6の前方の路面にペイントされている場合の想定図である。このような投影画像53が路面に実際にペイントされていると仮定すると、運転者9からは遠方ほど小さい右向きの三角形(レーン移動誘導の投影画像)が見える。一例として、車両の車幅方向をx軸、鉛直方向をy軸、進行方向をz軸とする。三角形の頂点の1つの座標を(x,y,z)とする。
図16(b)は同様に路面にペイントされたレーン移動誘導と車両6の側面図である。車両6と共に移動する所定の原点(例えば車両の中心)をとると、路面までの高さy1は既知になる。また、車両6のどのくらい前方にレーン移動誘導の投影画像53が表示されることが運転を支援する上で効果的かは実験的に定められている。したがって、前方までの距離zは設定値となる。車両6の中心から車幅方向のどのくらいの距離にレーン移動誘導の投影画像53が表示されることが運転を支援する上で効果的かは実験的に定められている。したがって、車幅方向の距離xは設定値となる。以上から(x,y,z)は既知である。
図17は、路面にペイントされた投影画像53の投影面54への透視投影変換を説明する図の一例である。映像投影装置21は投影画像の透視投影変換を行うが、透視投影変換には投影面54の設定が必要になる。投影面54とは投影画像53が投影される2次元平面である。投影面54は運転者9の視界を表す。ヘッドアップディスプレイ装置100がARイメージを表示する場合、運転者はコンバイナー越しに前方を見るため、コンバイナー17の付近のほぼ垂直な平面が投影面54として設定される。したがって、投影面54の中心座標(x,y,z)は投影面54がどこに設定されるかにより上記のx、y、z座標系で算出される。投影面54の大きさもアイボックス19及びコンバイナー17の大きさから適宜、決定されている。
映像投影装置21はこの投影面54に対し透視投影変換を行う。投影面54に投影された投影画像53の座標をx,y,zとすると、同次座標系の射影変換は以下で表すことができる。
Figure 0006864580
この変換を投影画像の各画素ごとに行うことで、映像投影装置21はARイメージを作成できる。左辺の第4成分でx,yを割ることで投影面54の座標が得られる。
したがって、路面だけでなく、図15で説明した歩行者又は先行車等の三次元座標が分かれば、適宜、ARイメージを作成できる。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置は、2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置において、近方虚像用の映像43の中央に描画しないエリアが設けられており、遠近感が高いユーザインタフェースを実現することができる。従来の2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置と比較しても、臨場感を得られる他、近方虚像と遠方虚像の奥行感の差を利用して多種多様なユーザインタフェースが可能となる。特に、AR表現の自由度が高くなる。
また、臨場感が高い表現によって運転者の視野の奥行感や平衡感覚の維持にも効果があると期待できる。近方虚像が複数のエリアに区切られることで、エリアごとに適切な情報を表示したり、複数のエリア間で情報を補間し合ったりすることも可能となる。
また、近方虚像の中央に遠方虚像を投影するため、第二ミラー24又は第四ミラー26の固定に工夫がいるが、四隅31bの非描画領域31が凹面ミラー27の方向に投影してできる空間を利用することで固定アーム47を取り付け可能となる。したがって、従来の2レイヤのヘッドアップディスプレイ装置の機構を大きく変更することなく、ミラーを配置するだけで実現可能であり、ヘッドアップディスプレイ装置のサイズの増大及びコスト増を抑制できる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施形態では近方虚像用の映像43の四隅を非描画領域31としたが、非描画領域31は近方虚像用の映像43のどこに設けられてもよい。すなわち、非描画領域31により固定アームを固定できる空間が得られればよい。ただし、近方虚像用の映像43は運転を支援する情報を表示するための映像なので、運転を支援する情報の視認性が考慮されてよい。
また、四隅31bの全てを使用するのでなく、四つの四隅31bの一部だけを使って固定アームが第二ミラー24を固定してもよい。
また、ヘッドアップディスプレイ装置はダッシュボードの内部に埋め込まれている必要はなく、ダッシュボード上に配置されていていてもよい。あるいは、天井に取り付けられていてもよいし、サンバイザにと取り付けられていてもよい。また、ヘッドアップディスプレイ装置は車両への脱着が可能でもよい。
また、近方虚像用の映像43に遠方虚像用の映像42の全体が重畳することが好ましいが、一部が重畳するだけでもよい。また、近方虚像用の映像43の1辺と遠方虚像用の映像42の1辺だけが共通になるように重畳したり、近方虚像用の映像43の2辺と遠方虚像用の映像42の2辺だけが共通になるように重畳したり、近方虚像用の映像43の3辺と遠方虚像用の映像42の3辺だけが共通になるように重畳したりしてもよい。
また、近方虚像用の映像43の近方虚像12の右描画領域12r、左描画領域12l、上描画領域12u、及び、下描画領域12dは四辺形に限られず、遠近感が表現された角が丸くなった図形でもよい。また、角がカットされた図形でもよい。
また、本実施形態では遠方虚像11と近方虚像12に運転を支援する情報が表示されると説明したが、遠方虚像11と近方虚像12には各種の情報を表示できる。例えば、電話・メールが着信したことを文字やアイコンなどで表示してもよいし、メールの内容を表示してもよい。また、サーバなどからお知らせ(ニュース等)が受信された場合、内容を表示してもよい。
また、図9では第二ミラー24〜第四ミラー26で光路長を稼ぎながら近方虚像と遠方虚像を重畳させたが、更にミラーを増やせば光路長を稼ぎ、かつ、近方虚像と遠方虚像を重畳させることができる。
また、本実施形態ではヘッドアップディスプレイ装置100が車両6に搭載された例を説明したが、車両6以外の移動体に搭載されてもよい。例えば、飛行機、電車、船舶、自動二輪車、又は、車椅子などに搭載できる。
11 :遠方虚像
12 :近方虚像
20 :表示ユニット
21 :映像投影装置
22 :ディフューザ
23 :第一ミラー
24 :第二ミラー
25 :第三ミラー
26 :第四ミラー
27 :凹面ミラー
31、32 :非描画領域
47 :固定アーム
100 :ヘッドアップディスプレイ装置

Claims (10)

  1. 映像投影装置が投影した映像の虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記映像投影装置が投影した第一の映像を反射する第一のミラーと、
    前記第一のミラーが反射した前記第一の映像を、前記映像投影装置が投影した第二の映像に重畳させる1つ以上の第二のミラーと、
    前記第二の映像の予め定められた領域が所定方向に投影された際に形成する空間を使って前記第二のミラーを固定する固定手段と、を有し、
    前記第二のミラーは前記第二の映像と重畳して配置されており、前記第一のミラーが反射した前記第一の映像を、前記第二の映像が投影される方向に反射することを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記第二の映像の予め定められた領域は、前記第二の映像の情報が含まれない領域であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記第二の映像の予め定められた領域は、黒画素が形成された領域であるために光が投影されない領域であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記第二の映像は、重畳された前記第一の映像の右側、上側、左側、又は、下側に、遠近感が表現された図形を有し、
    前記予め定められた領域は、遠近感が表現された前記図形が前記第二の映像から差し引かれた残りの四隅の領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 前記固定手段は前記四隅がそれぞれ形成する前記空間に配置され、それぞれの前記固定手段の少なくとも1つは前記第二のミラーの頂点を前記ヘッドアップディスプレイ装置の壁面に固定することを特徴とする請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 記第一のミラーが反射した前記第一の映像を前記第二の映像に重畳して、前記第二の映像が投影される方向に反射することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  7. 前記第二のミラーは、前記第一のミラーが反射した前記第一の映像を反射する第一反射部と、
    前記第一反射部が反射した前記第一の映像を反射する第二反射部と、
    前記第二の映像と重畳して配置され、前記第二反射部が反射した前記第一の映像を前記第二の映像に重畳して、前記第二の映像が投影される方向に反射する第三反射部と、
    を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  8. 前記第一の映像には情報が含まれない非描画領域が前記第一の映像の周囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  9. 前記映像投影装置は前記図形の内側に運転を支援する情報を表示する請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置を有し、
    目的地まで前記ヘッドアップディスプレイ装置が搭載された車両を案内するナビゲーション装置。
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