(本開示の基礎となった知見)
上記のように、テロなどの犯罪や不慮の事故防止のため、不審な無人飛行体に対する対策として、不審な無人飛行体を捕獲する網を具備する手動操縦型の捕獲用無人飛行体が導入されているが、不審な無人飛行体を捕獲した後、爆発や薬剤散布などの危険性があるため、可及的速やかに広場や河川などの安全な場所に不審な無人飛行体を移動させなければならない。
しかしながら、捕獲用無人飛行体の操縦者は、不審な無人飛行体を捕獲した場所の近傍の安全な場所について知っているわけではない。また、操縦者が捕獲用無人飛行体で不審な無人飛行体を捕獲した場合、急激な重量変化により、操縦者の手動操縦が困難になる可能性があり、最悪の場合、捕獲用無人飛行体の墜落等の操縦事故を発生させてしまう可能性がある。
上記課題を解決するため、本開示では、例えば、不審な無人飛行体の捕獲までは、操縦者が手動で捕獲用無人飛行体を操縦し、捕獲用無人飛行体が不審な無人飛行体の捕獲を検知すると、捕獲用無人飛行体の飛行状態を直ちに自律飛行に切り替え、この自律飛行では、捕獲用無人飛行体は、不審な無人飛行体を捕獲した場所から、捕獲用無人飛行体が保持しているマップの中で最も近い安全な場所に移動するように制御される。
この場合、捕獲用無人飛行体は、不審な無人飛行体を捕獲後、自律飛行により最速で安全な場所に移動できる。また、不審な無人飛行体の捕獲後、捕獲用無人飛行体の急激な重量変化による手動操縦の操縦事故を回避できる。
上記の知見に基づき、本願発明者らは、不審な無人飛行体等の空中にある他の物体を捕獲した場合に無人飛行体を如何に制御すべきかについて鋭意検討を行った結果、本開示を完成したものである。
本開示の一態様に係る無人飛行体は、空中を飛行する無人飛行体であって、空中にある他の物体を捕獲するための捕獲部と、前記捕獲部が前記物体を捕獲したことを検知する検知部と、前記検知部が前記物体の捕獲を検知した場合に、外部からの操縦信号に依らない自律飛行状態となるように前記無人飛行体の飛行状態を制御する自律飛行制御部とを備える。
この構成によれば、空中にある他の物体を捕獲したことを検知した場合に、外部からの操縦信号に依らない自律飛行状態となるように無人飛行体の飛行状態を制御しているので、不審な無人飛行体等の空中にある他の物体を捕獲した場合でも、適切に飛行することができる無人飛行体を実現することができる。
上記無人飛行体は、外部からの操縦信号を受信する通信部と、前記操縦信号に基づいて前記無人飛行体の飛行状態を制御する手動飛行制御部と、前記検知部が前記物体の捕獲を検知した場合に、前記手動飛行制御部による手動飛行から前記自律飛行制御部による自律飛行に切り替える制御切替部をさらに備えるようにしてもよい。
この構成によれば、外部からの操縦信号を受信し、操縦信号に基づいて無人飛行体の飛行状態を制御しているので、不審な無人飛行体等の空中にある他の物体を手動操縦により捕獲することができる。また、物体の捕獲を検知した場合に、手動操縦による手動飛行から自律飛行に切り替えているので、不審な無人飛行体等の空中にある他の物体の捕獲後、無人飛行体の急激な重量変化による手動操縦による事故を回避できる。
上記無人飛行体は、前記捕獲部の重量を計測する重量計測部をさらに備え、前記検知部は、前記重量計測部により計測された前記重量が所定値以上であることを判定することにより、前記物体の捕獲を検知するようにしてもよい。
この構成によれば、捕獲部の重量を計測し、計測した重量が所定値以上であることを判定することにより、物体の捕獲を検知しているので、不審な無人飛行体等の物体の捕獲を高精度に検出することができる。
上記無人飛行体は、前記無人飛行体を飛行させるための駆動部と、前記駆動部の駆動電流を計測する電流計測部とをさらに備え、前記検知部は、前記電流計測部により計測された前記駆動電流が所定値以上であることを判定することにより、前記物体の捕獲を検知するようにしてもよい。
この構成によれば、無人飛行体を飛行させるための駆動部の駆動電流を計測し、計測した駆動電流が所定値以上であることを判定することにより、物体の捕獲を検知しているので、不審な無人飛行体等の物体の捕獲を高精度に検出することができる。
上記無人飛行体は、前記無人飛行体を飛行させるための駆動部と、前記駆動部の回転数を計測する回転数計測部とをさらに備え、前記検知部は、前記回転数計測部により計測された前記回転数が所定値以上であることを判定することにより、前記物体の捕獲を検知するようにしてもよい。
この構成によれば、無人飛行体を飛行させるための駆動部の回転数を計測し、計測した回転数が所定値以上であることを判定することにより、物体の捕獲を検知しているので、不審な無人飛行体等の物体の捕獲を高精度に検出することができる。
上記無人飛行体は、前記無人飛行体に対する相対的な風速を計測する風速計測部をさらに備え、前記検知部は、前記風速計測部により計測された前記風速に応じて前記所定値を変化させるようにしてもよい。
この構成によれば、無人飛行体に対する相対的な風速を計測し、計測した風速に応じて、物体の捕獲検知に用いられる所定値を変化させているので、風速も考慮して、不審な無人飛行体等の物体の捕獲を高精度に検出することができる。
上記無人飛行体は、前記物体を着陸又は着水をさせても安全である安全地の位置を示す安全地位置情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記自律飛行制御部は、前記検知部が前記物体の捕獲を検知した地点から前記記憶部に記憶されている安全地位置情報が示す前記安全地まで自律飛行するように、前記無人飛行体の飛行状態を制御するようにしてもよい。
この構成によれば、不審な物体を着陸又は着水をさせても安全である安全地の位置を示す安全地位置情報を記憶し、物体の捕獲を検知した地点から安全地位置情報が示す安全地まで自律飛行するように無人飛行体の飛行状態を制御しているので、不審な無人飛行体等の物体を捕獲後、自律飛行により安全な場所に確実に移動することができる。
前記通信部は、前記無人飛行体が自律飛行する前記安全地の位置を示す前記安全地位置情報を外部に通知するようにしてもよい。
この構成によれば、無人飛行体が自律飛行する移動先となる安全地の位置を示す安全地位置情報を外部、例えば、無人飛行体の操縦器すなわち操縦者に通知することができ、無人飛行体の移動先を操縦者等に知らせることができる。
前記通信部は、前記検知部が前記物体の捕獲を検知したことを外部に通知するようにしてもよい。
この構成によれば、物体の捕獲を検知したことを外部、例えば、無人飛行体の操縦器すなわち操縦者に通知することができ、不審な無人飛行体等の物体を捕獲したことを操縦者等に知らせることができる。
前記検知部は、前記物体の捕獲の検知後、前記重量計測部により計測された前記重量が所定値未満であることを判定することにより、前記物体の落下を検知するようにしてもよい。
この構成によれば、物体の捕獲の検知後、捕獲部の重量を計測し、計測した重量が所定値未満であることを判定することにより、物体の落下を検知しているので、不審な無人飛行体等の物体の落下を高精度に検出することができる。
前記通信部は、前記検知部が前記物体の落下を検知したことを外部に通知するようにしてもよい。
この構成によれば、物体の落下を検知したことを外部、例えば、無人飛行体の操縦器すなわち操縦者に通知することができ、不審な無人飛行体等の物体が落下したことを操縦者等に知らせることができる。
前記通信部は、前記検知部が前記物体の落下を検知した場所を示す落下位置情報を外部に通知するようにしてもよい。
この構成によれば、物体の落下を検知した場所を示す落下位置情報を外部、例えば、無人飛行体の操縦器すなわち操縦者に通知することができ、不審な無人飛行体等の物体の落下位置を操縦者等に知らせることができる。
上記無人飛行体は、前記物体を着陸又は着水をさせても安全である安全地の位置を示す安全地位置情報と、前記安全地の安全度合を示す安全度合情報とを関連づけたマップ情報を記憶するマップ情報記憶部と、前記マップ情報記憶部を参照して、前記重量計測部により計測された前記重量の増加量が大きいほど、現在地からより近い範囲で前記安全度合が最も高い前記安全地を前記自律飛行の到達目標地点として設定する目標地点管理部とをさらに備えるようにしてもよい。
この構成によれば、不審な物体を着陸又は着水をさせても安全である安全地の位置を示す安全地位置情報と、安全地の安全度合を示す安全度合情報とを関連づけたマップ情報を記憶するマップ情報記憶部を参照して、計測した重量の増加量が大きいほど、現在地からより近い範囲で安全度合が最も高い安全地を自律飛行の到達目標地点として設定しているので、不審な無人飛行体等の物体の重量に応じて、自律飛行により安全な場所に確実に移動することができる。
上記無人飛行体は、前記無人飛行体に電力を供給するバッテリと、前記バッテリの残量を計測する残量計測部と、前記物体を着陸又は着水をさせても安全である安全地の位置を示す安全地位置情報と、前記安全地の安全度合を示す安全度合情報とを関連づけたマップ情報を記憶するマップ情報記憶部と、前記マップ情報記憶部を参照して、前記残量計測部により計測された前記残量が小さいほど、現在地からより近い範囲で前記安全度合が最も高い前記安全地を前記自律飛行の到達目標地点として設定する目標地点管理部とをさらに備えるようにしてもよい。
この構成によれば、バッテリの残量を計測し、不審な物体を着陸又は着水をさせても安全である安全地の位置を示す安全地位置情報と、安全地の安全度合を示す安全度合情報とを関連づけたマップ情報を記憶するマップ情報記憶部を参照して、計測したバッテリの残量が小さいほど、現在地からより近い範囲で安全度合が最も高い安全地を自律飛行の到達目標地点として設定しているので、バッテリの残量に応じて、自律飛行により安全な場所に確実に移動することができる。
また、本開示は、以上のような特徴的な構成を備える無人飛行体として実現することができるだけでなく、無人飛行体が備える特徴的な構成に対応する特徴的な処理を実行する無人飛行体の制御方法などとして実現することもできる。また、このような無人飛行体の制御方法に含まれる特徴的な処理を、プロセッサ及びメモリ等を備えるコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。したがって、以下の他の態様でも、上記の無人飛行体と同様の効果を奏することができる。
本開示の他の態様に係る制御方法は、空中を飛行する無人飛行体の制御方法であって、空中にある他の物体を捕獲するための捕獲部が前記物体を捕獲したことを検知し、前記物体の捕獲を検知した場合に、外部からの操縦信号に依らない自律飛行状態となるように前記無人飛行体の飛行状態を制御する。
本開示の他の態様に係る制御プログラムは、空中を飛行する無人飛行体の制御装置として、コンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記コンピュータに、空中にある他の物体を捕獲するための捕獲部が前記物体を捕獲したことを検知し、前記物体の捕獲を検知した場合に、外部からの操縦信号に依らない自律飛行状態となるように前記無人飛行体の飛行状態を制御する、処理を実行させる。
そして、上記のようなコンピュータプログラムを、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が想到する範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
(実施の形態1)
本実施の形態における無人飛行体の一例である捕獲用ドローンについて説明する。図1は、本開示の実施の形態1における捕獲用ドローンの構成の一例を示すブロック図である。図1に示す捕獲用ドローン100は、プロポ(操縦器)300を用いて遠隔操縦される。また、捕獲用ドローン100は、自律飛行可能な無人飛行体であり、プロポ300からの遠隔指示を受けることなく、自律飛行を行うことができる。
捕獲用ドローン100は、制御部101、安全地マップ記憶部102、網重量センサ103、ジャイロセンサ104、GPS(Global Positioning System)部105、駆動部106、及び通信部107を備える。制御部101は、プロセッサ等から構成され、飛行制御部108、重量捕獲判定部109、制御切替部110、及び自律飛行制御部111を備える。
図2は、図1に示す捕獲用ドローン100を上面から見た外観図であり、図3は、図1に示す捕獲用ドローンを正面から見た外観図である。図2及び図3に示すように、捕獲用ドローン100は、上記の構成に加え、本体部A1、支持部A2、及び捕獲用網112をさらに備える。
各駆動部106は、本体部A1から四方へ延在する支持部A2の先端に取り付けられ、捕獲用ドローン100の推進力を発生させる。本体部A1の上側にはGPS部105が取り付けられ、本体部A1の下側には網重量センサ103が取り付けられている。本体部A1の内部には、制御部101、安全地マップ記憶部102、ジャイロセンサ104、及び通信部107が設けられている。捕獲用網112は、例えば、縦3メートル、横2メートルの網から構成され、本体部A1の下側に取り付けられる。なお、図2では、捕獲用ドローン100は4個の駆動部106を有しているがこれに限定されない。例えば、5個以上であってもよい。
図4は、図1に示す捕獲用ドローン100が不審なドローンを捕獲している様子の一例を示す図である。図4に示すように、捕獲用ドローン100は、プロポ300からの操作を受け、自身を移動させることで、不審ドローン200を捕獲用網112で捕獲する。不審ドローン200は、空中でからめとられて捕獲用網112に捕獲されている。
なお、捕獲用ドローン100が捕獲用網112で捕獲する空中にある他の物体は、不審ドローン200のみではなく、捕獲用網112で捕獲可能なサイズの飛行体等であれば、他の物体でもよい。また、空中にある他の物体を捕獲する捕獲部としては、上記の捕獲用網に特に限定されず、例えば、空中にある他の物体を把持する複数のアーム、空中にある他の物体を吸着する吸着装置、空中にある他の物体を貼り付ける粘着部材、空中にある他の物体をからめとるロープ、空中にある他の物体に打ち込まれる捕鯨砲のような槍等の種々の捕獲部を用いることができる。
再び、図1を参照して、制御部101は、網重量センサ103、ジャイロセンサ104、GPS部105、駆動部106、及び通信部107の制御を行う。
通信部107は、2.4GHz帯ISM(Industry Science Medical)バンド等の通信技術を用いて、プロポ300と通信を行い、情報の送受信を行う。
ジャイロセンサ104は、捕獲用ドローン100の角度及び角速度を検出し、角度情報及び角速度情報を制御部101に出力する。GPS部105は、捕獲用ドローン100の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す現在位置情報を制御部101に出力する。制御部101は、検出された角度情報、角速度情報、及び現在位置情報等を用いて、駆動部106の制御を行う。
駆動部106は、制御部101からの指示を受け、捕獲用ドローン100自身の移動の制御を行う。具体的には、駆動部106は、プロペラ(図2参照)、及びプロペラを回転させるモータ(図示省略)等を備える。制御部101は、駆動部106のプロペラの回転数を適宜制御することで、捕獲用ドローン100の移動方向や飛行状態を制御する。
飛行制御部108は、操縦信号に基づいて捕獲用ドローン100の飛行状態を制御する手動飛行制御部の一例であり、通信部107が受信したプロポ300からの操作信号に応じて駆動部106を制御する。
網重量センサ103は、捕獲用網112の重量を計測するセンサである。捕獲用網112で不審ドローン200が捕獲されると、捕獲用網112の重量は、不審ドローン200の重量を含むことになり、この場合、網重量センサ103は、不審ドローン200の重量を含む捕獲用網112の重量を計測する。
重量捕獲判定部109は、網重量センサ103で計測された重量に基づいて、不審ドローン200を捕獲したか否かの判定を行う。重量捕獲判定部109は、ローパスフィルタを含み、網重量センサ103で計測された重量を示す出力値をフィルタリングする。重量捕獲判定部109は、不審ドローン200を捕獲したと判定した場合、判定結果を制御切替部110に通知する。
制御切替部110は、判定結果の入力を受け付けると、プロポ300からの操作を受付けず、飛行の制御を飛行制御部108による手動飛行から自律飛行制御部111による自律飛行に切り替える。すなわち、制御切替部110は、重量捕獲判定部109が不審ドローン200の捕獲を検知した場合に、飛行制御部108による手動飛行から自律飛行制御部111による自律飛行に切り替える。
制御切替部110により自律飛行に切り替えられた場合、自律飛行制御部111は、後述する自律飛行により駆動部106を制御する。また、自律飛行制御部111は、通信部107を介して、不審ドローン200を捕獲したこと、捕獲用ドローン100が自律飛行に切り替わったこと等をプロポ300に通知する。
安全地マップ記憶部102は、メモリ等から構成され、不審な物体を着陸又は着水をさせても安全である安全地の位置を示す安全地位置情報と、安全地の安全度合を示す安全度合情報(例えば、安全地、準安全地等の情報)とを関連づけたマップ情報として、安全地マップを予め記憶している。
自律飛行制御部111は、GPS部105からの捕獲用ドローン100の現在位置情報に基づいて安全地マップ記憶部102から最も近い安全地を決定し、最も近い安全地への飛行ルートを生成する。自律飛行制御部111は、生成した飛行ルートに基づいて、駆動部106を制御し、不審ドローン200を捕獲した位置から最も近い安全地へ移動し、捕獲用ドローン100を着陸若しくは着水させる、又は、不審ドローン200を投下して着陸若しくは着水させる。
次に、図1に示す捕獲用ドローン100を操縦するプロポ300について説明する。図5は、図1に示すプロポ300の構成の一例を示すブロック図であり、図6は、図5に示すプロポ300を正面から見た外観図である。図5及び図6に示すように、プロポ300は、制御部301、表示部302、入力部303、及び通信部304を備える。
制御部301は、表示部302、入力部303、及び通信部304の制御を行う。
表示部302は、種々の操作画面及び通知画面等を表示する。例えば、表示部302は、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を捕獲したことを通知する通知画面、捕獲用ドローン100が自律飛行を開始し、プロポ300からの指示を受け付けない旨を通知する通知画面等を表示して操縦者に通知するために用いられる。
入力部303は、捕獲用ドローン100の操縦者の入力指示を受け付ける。例えば、入力部303は、図6に示す2つのスティックから構成され、各スティックは、上下左右に可動である。
通信部304は、2.4GHz帯ISMバンド等の通信技術を用いて、捕獲用ドローン100と通信を行い、入力部303からの操縦者の操作指示等の指示情報を送信し、また、捕獲用ドローン100から種々の通知情報を受信する。
次に、重量捕獲判定部109について詳細に説明する。図7は、図1に示す網重量センサ103の出力値に対する重量捕獲判定部109の判定方法の一例を説明するための図である。図7において、横軸は、時間を示し、縦軸は、網重量センサ103の出力値を示している。
捕獲用ドローン100の操縦者は、不審ドローン200を発見すると、プロポ300を操作し、捕獲用ドローン100を浮上させて捕獲する。このとき、図7に示すように、捕獲用ドローン100の浮上開始(時間0)から浮上完了時刻T1までに捕獲用ドローン100の浮上が完了し、次に、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を捕獲すると、捕獲検出時刻T2において、網重量センサ103の出力値WOが増加する。
ここで、網重量センサ103の出力値WOには、ノイズ等が重畳されており、変動幅が大きいが、重量捕獲判定部109のローパスフィルタ後の出力値WLは、ノイズ等が除去され、滑らかに変化しており、捕獲用網112の総重量を正確に表している。
重量捕獲判定部109は、重量に対する所定の捕獲検出閾値Tw(例えば、捕獲用網112の重量と、不審ドローン200の重量とを加算した重量を示す出力値)を予め設定している。重量捕獲判定部109は、浮上完了時刻T1で浮上が完了したと判定した後、捕獲検出時刻T2でローパスフィルタ後の出力値WLが捕獲検出閾値Tw以上であることを判定することにより、不審ドローン200を捕獲したと判定する。
なお、上記の判定では、重量捕獲判定部109のローパスフィルタ後の出力値WLが捕獲検出閾値Tw以上である場合に、不審ドローン200の捕獲を検知しているが、この例に特に限定されず、網重量センサ103により計測された重量の増加量、すなわち、重量捕獲判定部109のローパスフィルタ後の出力値の増加量(例えば、浮上完了時刻T1から捕獲検出時刻T2までの平均出力値からの増加量)が所定値以上であることを判定することにより、不審ドローン200の捕獲を検知する等の種々の変更が可能である。
次に、自律飛行制御部111について詳細に説明する。自律飛行制御部111は、通信部107を介して、不審ドローン200を捕獲したこと、及び捕獲用ドローン100が自律飛行に切り替わることをプロポ300に通知する。プロポ300は、通信部304を介して、捕獲用ドローン100の通知を受け取ると、制御部301は、不審ドローン200を捕獲したこと、及び捕獲用ドローン100が自律飛行に切り替わることを示すメッセージを表示するように表示部302を制御する。
図8は、不審ドローン200の捕獲後に捕獲用ドローン100が自律飛行に切り替わることを通知するためのプロポ300の表示画面の一例を示す図である。図8に示すように、プロポ300の表示部302に、不審ドローン200を捕獲したこと、及び捕獲用ドローン100が自律飛行に切り替わったことを示すメッセージ「物体の捕獲を検知しました。安全な場所に自律飛行します。」が表示されている。このような表示画面を表示部302に表示することにより、操縦者は、不審ドローン200を捕獲し、捕獲用ドローン100が自律飛行に切り替わったことを知ることができる。
また、捕獲用ドローン100の自律飛行制御部111は、安全地マップ記憶部102を参照して、現在位置から最も近い安全地を決定し、最も近い安全地への飛行ルートを生成する。このとき、自律飛行制御部111は、通信部107を介して、不審ドローン200の移動先を通知する。
プロポ300は、通信部304を介して、捕獲用ドローン100の当該通知を受け取ると、制御部301は、捕獲用ドローン100の移動先を表示するように表示部302を制御する。この場合、図8に示すように、プロポ300の表示部302に、不審ドローン200の移動先を示すメッセージ「目標着地位置はx、yです。」が表示される。このような表示画面を表示部302に表示することにより、操縦者は、不審ドローン200の移動先や移動させるまでの飛行ルートを知ることができ、飛行ルートから避難することもできる。
なお、不審ドローン200の移動先等の情報は、プロポ300のみに限らず、操縦者とともに不審ドローン200の捕獲を行う他の作業員等が使用する他の機器に通知してもよい。また、表示部302に表示されるメッセージは、上記の例に特に限定されず、例えば、不審ドローン200の移動先を地図で示してもよいし、不審ドローン200の移動先を含む飛行ルートも表示するようにしてもよい。
図9は、図1に示す安全地マップ記憶部102の安全地マップを用いて、不審ドローンの移動先及び飛行ルートを決定する方法の一例を説明するための図である。図9に示すように、安全地マップ記憶部102は、例えば、ハッチング部分が河原、海岸、山林、河川、湖沼、海洋などの安全地SAを示す安全地マップSMの情報を記憶している。図9に示す例では、捕獲用ドローン100の現在位置CPと移動先DPとを結ぶ飛行ルートFRを安全地マップSM上に示している。
自律飛行制御部111は、GPS部105から、捕獲用ドローン100の現在位置CPを示す位置情報を検出する。自律飛行制御部111は、現在位置CPを示す位置情報から安全地マップSMの最も近い安全地SAを移動先DPに決定し、現在位置CPと移動先DPとを結ぶルートを飛行ルートFRとして生成する。このようにして、移動先DPは、現在位置CPから最も近い安全地に設定される。
自律飛行制御部111は、生成した飛行ルートFRに基づいて、駆動部106を制御し、不審ドローン200を捕獲した位置(例えば、現在位置CP)から最も近い安全地へ移動し、捕獲用ドローン100を着陸若しくは着水させる、又は、不審ドローン200を投下する。
また、自律飛行制御部111は、通信部107を介して、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を移動先DPに移動完了したことを通知する。プロポ300は、通信部304を介して、捕獲用ドローン100の通知を受け取ると、制御部301は、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を移動先DPに移動完了したことを示すメッセージを表示するように表示部302を制御する。
図10は、不審ドローン200の捕獲後に捕獲用ドローン100が安全地に移動完了したことを通知するためのプロポの表示画面の一例を示す図である。図10に示すように、プロポ300の表示部302に、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を移動先DPに移動完了したことを示すメッセージ「捕獲した物体を安全な場所に着地させました。着地位置はx,yです。」が表示されている。このような表示画面を表示部302に表示することにより、操縦者は、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を移動先DPに移動完了したことを知ることができる。
なお、捕獲用ドローン100は、安全地マップを有しているものとして説明したが、これに限らない。捕獲用ドローン100は、必要に応じて、外部から安全地マップを取得するようにしてもよい。例えば、安全地マップ記憶部102を省略し、安全地マップを記憶している外部のサーバ等から通信部107を介して安全地マップを取得するようにする等の種々の変更が可能である。
また、捕獲用ドローン100が、不審ドローン200の移動先を決定するものとして説明したが、これに限らない。例えば、捕獲用ドローン100は、不審ドローン200を捕獲したときに、捕獲用ドローン100の位置情報をサーバ等の外部の機器に通知し、外部の機器により不審ドローン200の移動先を決定し、決定した移動先を取得するようにしてもよい。
また、自律飛行制御部111が安全地マップ記憶部102を参照して現在位置から最も近い安全地を決定できない場合、自律飛行制御部111は、通信部107を介して、現在位置から最も近い安全地を決定できないことをプロポ300に通知し、制御切替部110は、飛行の制御を自律飛行制御部111による自律飛行から飛行制御部108による手動飛行に切り替え、操縦者の手動操縦によりその後の飛行を行うようにしてもよい。この点については、他の実施の形態も同様である。
次に、捕獲用ドローン100による不審ドローン200の捕獲処理について説明する。図11は、図1に示す捕獲用ドローン100による不審ドローン200の捕獲処理の一例を示すフローチャートである。
まず、捕獲用ドローン100の通信部107は、プロポ300からの操作指示(不審ドローン200の捕獲指示)を受信する(ステップS11)。
次に、飛行制御部108は、プロポ300からの操作指示を受けて、駆動部106を制御し、不審ドローン200を捕獲する(ステップS12)。
次に、重量捕獲判定部109は、網重量センサ103により計測された捕獲用網112の重量に基づいて、不審ドローン200を捕獲したか否かの判定を行う(ステップS13)。重量捕獲判定部109は、不審ドローン200を捕獲していないと判定した場合(ステップS13でNGの場合)、ステップS11に戻って以降の処理を継続する。
一方、不審ドローン200を捕獲したと判定した場合(ステップS13でOKの場合)、重量捕獲判定部109は、判定結果を制御切替部110へ通知し、制御切替部110は、判定結果の入力を受け付け、飛行の制御を飛行制御部108による手動飛行から自律飛行制御部111による自律飛行に切り替える(ステップS14)。このとき、自律飛行制御部111は、通信部107を介して、捕獲用ドローン100が自律飛行に切り替わることをプロポ300に通知する。
次に、自律飛行制御部111は、安全地マップ記憶部102を参照して、GPS部105からの位置情報に基づいて最も近い安全地を決定し、最も近い安全地への飛行ルートを生成する(ステップS15)。
次に、自律飛行制御部111は、生成した飛行ルートに基づいて、駆動部106を制御し、不審ドローン200を捕獲した位置から最も近い安全地へ移動し、捕獲用ドローン100を着陸若しくは着水させる、又は、不審ドローン200を投下する(ステップS16)。
以上のように、本実施の形態における捕獲用ドローン100は、捕獲用ドローン100の操作指示を受け付ける通信部107と、捕獲用ドローン100を飛行させるための駆動部106と、操作指示に基づいて駆動部106を制御する制御部101と、空中の物体を捕獲するための捕獲用網112と、捕獲用網112の重量を検出する網重量センサ103とを備え、制御部101は、重量の増加が所定値以上の場合に、自律飛行に切り替える。これにより、捕獲用ドローン100は、空中の物体である不審ドローン200を捕獲した後、急激な重量変化による手動操縦の操縦事故を回避することができる。
また、本実施の形態における捕獲用ドローン100は、さらに、捕獲用ドローンの位置情報を検出するGPS部105と、不審ドローン200を移動させるための安全地マップを記憶している安全地マップ記憶部102とを備え、制御部101は、自律飛行において、安全地マップの位置情報から最も近い安全地である移動先を決定し、移動先に向けて捕獲用ドローン100を移動させる。これにより、捕獲用ドローン100は、不審ドローン200を捕獲後、自律飛行により最速で安全な場所に移動できる。
なお、本実施の形態では、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を捕獲したと判断した後、捕獲用ドローン100が自律飛行に切り替える制御を行ったが、これに限らない。例えば、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を捕獲したと判断したことをプロポ300に通知し、操縦者がプロポ300から捕獲用ドローン100を自律飛行に切り替える操作を行うことにより、捕獲用ドローン100を自律飛行に切り替えるようにしてもよい。
また、網重量センサ103以外の手段を用いて、捕獲用ドローン100が不審ドローン200を捕獲したか否かの判断をしてもよい。例えば、以下のように、網重量センサ103の代わりに、電流センサ、回転数センサ等を用いてもよい。
(変形例1)
本実施の形態の変形例1として、網重量センサの代わりに電流センサを用いる例について説明する。図12は、本開示の実施の形態1の変形例1における捕獲用ドローンの構成の一例を示すブロック図であり、図13は、図12に示す捕獲用ドローンを上面から見た外観図である。なお、図12では、図示を容易にするため、図13に示す4つの電流センサ113を1つの電流センサ113として図示している。
図12及び図13に示す捕獲用ドローン100aが図1及び図2に示す捕獲用ドローン100と異なる点は、網重量センサ103に代えて電流センサ113を備え、制御部101が制御部101aに変更され、制御部101の重量捕獲判定部109が制御部101aの電流捕獲判定部114に変更された点であり、その他の点は同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
制御部101aは、電流センサ113、ジャイロセンサ104、GPS部105、駆動部106、及び通信部107の制御を行う。
4つの電流センサ113は、捕獲用ドローン100aの駆動部106に含まれる4つのモータ(図示省略)に流れる駆動電流を計測するセンサである。捕獲用網112で不審ドローン200が捕獲されると、捕獲用ドローン100aの駆動部106に流れる電流が増え、電流センサ113は、増加した駆動電流を計測する。なお、電流捕獲判定部114は、4つの電流センサ113により計測された4つのモータの駆動電流の平均値を用いて後述する判定を行うが、電流センサの構成は、この例に特に限定されず、4つのモータの駆動電流の合計値を計測したり、1つのモータの駆動電流を代表値として計測したりする等の種々の変更が可能である。
電流捕獲判定部114は、4つの電流センサ113で計測された電流値の平均値に基づいて、不審ドローン200を捕獲したか否かの判定を行う。電流捕獲判定部114は、ローパスフィルタを含み、電流センサ113で計測された電流値をフィルタリングする。電流捕獲判定部114は、不審ドローン200を捕獲したと判定した場合、判定結果を制御切替部110に通知する。
次に、電流捕獲判定部114について詳細に説明する。図14は、図12に示す電流センサ113の出力値に対する電流捕獲判定部114の判定方法の一例を説明するための図である。図14において、横軸は、時間を示し、縦軸は、4つの電流センサ113の出力値の平均値を示している。
捕獲用ドローン100aの操縦者は、不審ドローン200を発見すると、プロポ300を操作し、捕獲用ドローン100aを浮上させて捕獲する。このとき、図14に示すように、捕獲用ドローン100aの浮上開始(時間0)から浮上完了時刻T1までに捕獲用ドローン100aの浮上が完了し、次に、捕獲用ドローン100aが不審ドローン200を捕獲すると、捕獲検出時刻T2において、電流センサ113の出力値COが増加する。
ここで、4つの電流センサ113の出力値の平均値COには、ノイズ等が重畳されており、変動幅が大きいが、電流捕獲判定部114のローパスフィルタ後の出力値CLは、ノイズ等が除去され、滑らかに変化しており、駆動部106の駆動電流の平均値を正確に表している。
電流捕獲判定部114は、駆動電流に対する所定の捕獲検出閾値Tc(例えば、不審ドローン200を捕獲した後に捕獲用ドローン100aを飛行させるための駆動電流の平均値を示す出力値)を予め設定している。飛行開始時、駆動部106に大電流が流れるので、電流捕獲判定部114は、飛行開始後に所定時間が経過した後、例えば、浮上が完了したと判定した浮上完了時刻T1以降に、捕獲検出時刻T2でローパスフィルタ後の出力値CLが捕獲検出閾値Tc以上であることを判定することにより、不審ドローン200を捕獲したと判定する。
なお、上記の判定では、電流捕獲判定部114のローパスフィルタ後の出力値CLが捕獲検出閾値Tc以上である場合に、不審ドローン200の捕獲を検知しているが、この例に特に限定されず、電流センサ113により計測された駆動電流の増加量、すなわち、電流捕獲判定部114のローパスフィルタ後の出力値の増加量(例えば、浮上完了時刻T1から捕獲検出時刻T2までの平均出力値からの増加量)が所定値以上であることを判定することにより、不審ドローン200の捕獲を検知する等の種々の変更が可能である。
(変形例2)
本実施の形態の変形例2として、網重量センサの代わりに回転数センサを用いる例について説明する。図15は、本開示の実施の形態1の変形例2における捕獲用ドローンの構成の一例を示すブロック図であり、図16は、図15に示す捕獲用ドローンを上面から見た外観図である。なお、図15では、図示を容易にするため、図16に示す4つの回転数センサ115を1つの回転数センサ115として図示している。
図15及び図16に示す捕獲用ドローン100bが図1及び図2に示す捕獲用ドローン100と異なる点は、網重量センサ103に代えて回転数センサ115を備え、制御部101が制御部101bに変更され、制御部101の重量捕獲判定部109が制御部101bの回転数捕獲判定部116に変更された点であり、その他の点は同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
制御部101bは、回転数センサ115、ジャイロセンサ104、GPS部105、駆動部106、及び通信部107の制御を行う。
4つの回転数センサ115は、捕獲用ドローン100bの駆動部106に含まれる4つのモータ(図示省略)に接続され、各モータの回転数を計測するセンサである。捕獲用網112で不審ドローン200が捕獲されると、捕獲用ドローン100bの駆動部106のモータの回転数が増え、回転数センサ115は、増加した回転数を計測する。なお、回転数捕獲判定部116は、4つの回転数センサ115により計測された4つのモータの回転数の平均値を用いて後述する判定を行うが、回転数センサの構成は、この例に特に限定されず、1つの回転数センサ115が計測した1つのモータの回転数を代表値として判定を行う等の種々の変更が可能である。
回転数捕獲判定部116は、4つの回転数センサ115で計測された回転数の平均値に基づいて、不審ドローン200を捕獲したか否かの判定を行う。回転数捕獲判定部116は、ローパスフィルタを含み、回転数センサ115で計測された回転数をフィルタリングする。回転数捕獲判定部116は、不審ドローン200を捕獲したと判定した場合、判定結果を制御切替部110に通知する。
次に、回転数捕獲判定部116について詳細に説明する。図17は、図16に示す回転数センサ115の出力値に対する回転数捕獲判定部116の判定方法の一例を説明するための図である。図17において、横軸は時間を示し、縦軸は、4つの回転数センサ115の出力値の平均値を示している。
捕獲用ドローン100bの操縦者は、不審ドローン200を発見すると、プロポ300を操作し、捕獲用ドローン100bを浮上させて捕獲する。このとき、図17に示すように、捕獲用ドローン100bの浮上開始(時間0)から浮上完了時刻T1までに捕獲用ドローン100bの浮上が完了し、次に、捕獲用ドローン100bが不審ドローン200を捕獲すると、捕獲検出時刻T2において、4つの回転数センサ115の出力値の平均値ROが増加する。
ここで、4つの回転数センサ115の出力値の平均値ROには、ノイズ等が重畳されており、変動幅が大きいが、回転数捕獲判定部116のローパスフィルタ後の出力値RLは、ノイズ等が除去され、滑らかに変化しており、駆動部106のモータの回転数の平均値を正確に表している。
回転数捕獲判定部116は、回転数に対する所定の捕獲検出閾値Tr(例えば、不審ドローン200を捕獲した後に捕獲用ドローン100bを飛行させるための回転数の平均値を示す出力値)を予め設定している。飛行開始時、モータの回転数が大きくなるので、回転数捕獲判定部116は、飛行開始後に所定時間が経過した後、例えば、浮上が完了したと判定した浮上完了時刻T1以降に、捕獲検出時刻T2でローパスフィルタ後の出力値RLが捕獲検出閾値Tr以上であることを判定することにより、不審ドローン200を捕獲したと判定する。
なお、上記の判定では、回転数捕獲判定部116のローパスフィルタ後の出力値RLが捕獲検出閾値Tr以上である場合に、不審ドローン200の捕獲を検知しているが、この例に特に限定されず、回転数センサ115により計測された回転数の増加量、すなわち、回転数捕獲判定部116のローパスフィルタ後の出力値の増加量(例えば、浮上完了時刻T1から捕獲検出時刻T2までの平均出力値からの増加量)が所定値以上であることを判定することにより、不審ドローン200の捕獲を検知する等の種々の変更が可能である。
(実施の形態2)
上記の実施の形態1の捕獲用ドローン100は、網重量センサ103により検出された重量に基づいて不審ドローン200を捕獲したか否かを判定したが、本実施の形態では、網重量センサ103を用いて検出した重量と、さらに、風速計を用いて計測した風速も考慮して、捕獲用ドローンが不審ドローンを捕獲したか否かを判断する。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、網重量センサの代わりに、電流センサや回転数センサを用いてもよい。
図18は、本開示の実施の形態2における捕獲用ドローンの構成の一例を示すブロック図であり、図19は、図18に示す捕獲用ドローンを上面から見た外観図である。
図18及び図19に示す捕獲用ドローン100cが図1及び図2に示す捕獲用ドローン100と異なる点は、風速計121が追加され、制御部101が制御部101cに変更され、制御部101の重量捕獲判定部109が制御部101cの風速考慮重量捕獲判定部122に変更された点であり、その他の点は同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
制御部101cは、風速計121、網重量センサ103、ジャイロセンサ104、GPS部105、駆動部106、及び通信部107の制御を行う。
風速計121は、本体部A1に固定され、捕獲用ドローン100c付近の、捕獲用ドローン100cに対する相対的な風速を計測する。例えば、捕獲用ドローン100cが速度Aで移動しているとき、向かい風の風速が風速Bの場合、捕獲用ドローン100cに対する相対的な風速は、風速(A+B)となり、追い風の風速が風速Cの場合、捕獲用ドローン100cに対する相対的な風速は、風速(A−C)となる。
風速考慮重量捕獲判定部122は、網重量センサ103で計測された重量と、風速計121で計測された風速とに基づいて、不審ドローン200を捕獲したか否かの判定を行う。風速考慮重量捕獲判定部122は、ローパスフィルタを含み、網重量センサ103で計測された重量をフィルタリングする。風速考慮重量捕獲判定部122は、不審ドローン200を捕獲したと判定した場合、判定結果を制御切替部110に通知する。
次に、風速考慮重量捕獲判定部122について詳細に説明する。図20は、図18に示す網重量センサ103の出力値に対する風速考慮重量捕獲判定部122の判定方法の一例を説明する図である。図20において、横軸は時間を示し、縦軸は、網重量センサ103の出力値を示している。
捕獲用ドローン100cの操縦者は、不審ドローン200を発見すると、プロポ300を操作し、捕獲用ドローン100cを浮上させて捕獲する。このとき、図20に示すように、捕獲用ドローン100cの浮上開始(時間0)から浮上完了時刻T1までに捕獲用ドローン100cの浮上が完了し、次に、捕獲用ドローン100cが不審ドローン200を捕獲すると、捕獲検出時刻T2において、風速が小さい場合の網重量センサ103の出力値WO1及び風速が大きい場合の網重量センサ103の出力値WO2が増加する。
ここで、風速が小さい場合の網重量センサ103の出力値WO1及び風速が大きい場合の網重量センサ103の出力値WO2には、ノイズ等が重畳されており、変動幅が大きいが、風速が小さい場合の風速考慮重量捕獲判定部122のローパスフィルタ後の出力値WL1及び風速が大きい場合の風速考慮重量捕獲判定部122のローパスフィルタ後の出力値WL2は、ノイズ等が除去され、滑らかに変化しており、捕獲用網112の総重量を正確に表している。
風速考慮重量捕獲判定部122は、捕獲用ドローン100cに対する相対的な風速が小さい場合の重量に対する所定の捕獲検出閾値Tw1と、大きい場合の重量に対する所定の捕獲検出閾値Tw2(Tw1<Tw2)を予め設定している。
相対的な風速が小さい場合、風速考慮重量捕獲判定部122は、浮上完了時刻T1で浮上が完了したと判定した後、捕獲検出時刻T2でローパスフィルタ後の出力値WL1が捕獲検出閾値Tw1以上であることを判定することにより、不審ドローン200を捕獲したと判定する。また、相対的な風速が大きい場合、風速考慮重量捕獲判定部122は、浮上完了時刻T1で浮上が完了したと判定した後、捕獲検出時刻T2でローパスフィルタ後の出力値WL2が捕獲検出閾値Tw2以上であることを判定することにより、不審ドローン200を捕獲したと判定する。
なお、風速考慮重量捕獲判定部122が用いる捕獲検出閾値は、相対的な風速が小さい場合と、相対的な風速が大きい場合との2値である必要はなく、風速に応じて捕獲検出閾値を決定するようにしてもよい。図21は、相対的な風速と捕獲判定閾値との関係の一例を示す図である。図21において、横軸は、風速を示し、縦軸は、捕獲検出閾値を示している。
図21に示すように、捕獲検出閾値は、相対的な風速に比例して増大する。風速考慮重量捕獲判定部122は、図21に示す相対的な風速と捕獲判定閾値との関係を示す一次関数を予め記憶しており、相対的な風速が速くなると、捕獲検出閾値を高くするように捕獲検出閾値を決定し、決定した捕獲検出閾値を用いて、不審ドローン200の捕獲を判定する。この場合、相対的な風速を考慮して、不審ドローン200の捕獲をより正確に判定することができる。なお、相対的な風速と捕獲判定閾値との関係は、上記の例に特に限定されず、2次関数、指数関数等の他の関係を用いてもよい。
以上のように、本実施の形態における捕獲用ドローン100cは、捕獲用ドローン100cの操作指示を受け付ける通信部107と、捕獲用ドローン100cを飛行させるための駆動部106と、操作指示に基づいて駆動部106を制御する制御部101cと、空中の物体を捕獲するための捕獲用網112と、捕獲用網112の重量を検出する網重量センサ103と、捕獲用ドローン付近の風速を計測する風速計121とを備え、制御部101cは、風速が大きければ大きいほど大きい所定値(捕獲判定閾値)を設定し、重量の増加が所定値以上の場合に、自律飛行に切り替える。これにより、捕獲用ドローン100cは、空中の物体である不審ドローン200を捕獲した後、急激な重量変化による手動操縦の操縦事故を回避することができる。
また、本実施の形態における捕獲用ドローン100cは、さらに、捕獲用ドローン100cの位置情報を検出するGPS部105と、不審ドローン200を移動させるための安全地マップを記憶している安全地マップ記憶部102とを備え、制御部101cは、自律飛行において、安全地マップの位置情報から最も近い安全地である移動先を決定し、移動先に向けて捕獲用ドローン100cを移動させる。これにより、捕獲用ドローン100cは、不審ドローン200を捕獲後、自律飛行により最速で安全な場所に移動できる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1の捕獲用ドローン100と同様に、不審ドローン200を捕獲した後、自律飛行で移動先へ移動中に、網重量センサ103により検出された重量に基づいて不審ドローン200が落下したか否かを判定する。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、網重量センサの代わりに、電流センサや回転数センサを用いてもよい。
図22は、本開示の実施の形態3における捕獲用ドローンの構成の一例を示すブロック図である。図22に示す捕獲用ドローン100dが図1に示す捕獲用ドローン100と異なる点は、制御部101が制御部101dに変更され、制御部101dに重量落下判定部131が追加された点であり、その他の点は同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
制御部101dは、網重量センサ103、ジャイロセンサ104、GPS部105、駆動部106、及び通信部107の制御を行う。
重量落下判定部131は、網重量センサ103で計測された重量に基づいて、不審ドローン200を移動先への移動中に落下したか否かの判定を行う。重量落下判定部131は、ローパスフィルタを含み、網重量センサ103で計測された重量をフィルタリングする。また、重量落下判定部131は、不審ドローン200が落下したと判定した場合、不審ドローン200の落下を検知した場所を示す落下位置情報として、GPS部105から捕獲用ドローン100の現在位置を示す現在位置情報を取得する。
次に、重量落下判定部131について詳細に説明する。図23は、図22に示す網重量センサの出力値に対する重量落下判定部131の落下判定方法の一例を説明するための図である。図23において、横軸は時間を示し、縦軸は、網重量センサ103の出力値を示している。
捕獲用ドローン100dは、不審ドローン200の捕獲後、自律飛行により安全地まで移動するが、移動中に不審ドローン200が落下する場合がある。このとき、図23に示すように、不審ドローン200を捕獲した捕獲検出時刻T2以降において、不審ドローン200が落下すると、落下検出時刻T3において、網重量センサ103の出力値WOが減少する。
ここで、網重量センサ103の出力値WOには、ノイズ等が重畳されており、変動幅が大きいが、重量落下判定部131のローパスフィルタ後の出力値WFは、ノイズ等が除去され、滑らかに変化しており、捕獲用網112の総重量を正確に表している。
重量落下判定部131は、重量捕獲判定部109と同様に、重量に対する所定の捕獲検出閾値Twを予め設定している。重量落下判定部131は、捕獲検出時刻T2以降において、ローパスフィルタ後の出力値WFが捕獲検出閾値Twを下回っていることを判定することにより、不審ドローン200が落下したと判定する。
なお、上記の判定では、重量落下判定部131のローパスフィルタ後の出力値WFが捕獲検出閾値Tw未満である場合に、不審ドローン200の落下を検知しているが、この例に特に限定されず、網重量センサ103により計測された重量の減少量、すなわち、重量落下判定部131のローパスフィルタ後の出力値の減少量(例えば、捕獲検出時刻T2以降の平均出力値からの減少量)が所定値以上であることを判定することにより、不審ドローン200の落下を検知する等の種々の変更が可能である。
また、重量落下判定部131は、重量捕獲判定部109と同様に、捕獲検出閾値Twを用いて判定を行っているが、この例に特に限定されず、捕獲検出閾値Twと異なる落下検出閾値を用いる等の種々の変更が可能である。
また、重量落下判定部131は、不審ドローン200が落下したと判定した場合、判定結果を制御切替部110に通知し、制御切替部110は、飛行の制御を自律飛行制御部111による自律飛行から飛行制御部108による手動飛行に切り替え、落下後は、操縦者が捕獲用ドローン100dを手動で操縦するようにしてもよい。
また、重量落下判定部131は、通信部107を介して、プロポ300に捕獲用ドローン100dが不審ドローン200を移動先への移動中に落下したこと、及び不審ドローン200の落下を検知した場所を示す落下位置情報を通知する。プロポ300は、通信部304を介して、捕獲用ドローン100dの通知を受け取ると、制御部301は、不審ドローン200を移動先への移動中に落下したこと、及び不審ドローン200の落下を検知した場所を示す落下位置情報を示すメッセージを表示するように表示部302を制御する。
図24は、不審ドローン200の捕獲後に不審ドローン200の落下を検出したことを通知するためのプロポ300の表示画面の一例を示す図である。図24に示すように、プロポ300の表示部302に、捕獲用ドローン100dが不審ドローン200を移動先への移動中に落下したこと、及び不審ドローン200の落下を検知した場所を示す落下位置情報を示すメッセージ「捕獲した物体の落下を検出しました。落下位置はa,bです。」が表示されている。このような表示画面を表示部302に表示することにより、操縦者は、移動中に不審ドローン200が落下したこと、及び不審ドローン200の落下位置を知ることができる。
以上のように、本実施の形態における捕獲用ドローン100dは、捕獲用ドローン100dの操作指示を受け付ける通信部107と、捕獲用ドローン100dを飛行させるための駆動部106と、操作指示に基づいて駆動部106を制御する制御部101dと、空中の物体を捕獲するための捕獲用網112と、捕獲用網112の重量を検出する網重量センサ103と、捕獲用ドローン100dの位置情報を検出するGPS部105と、不審ドローン200を移動させるための安全地マップを記憶している安全地マップ記憶部102とを備え、制御部101dは、重量の増加が所定値以上の場合に、自律飛行に切り替え、安全地マップの位置情報から最も近い安全地である移動先を決定し、移動先に向けて捕獲用ドローン100dを移動させ、また、重量の減少が所定値より大きい場合に、不審ドローン200が落下したと判定する。これにより、捕獲用ドローン100dは、不審ドローン200を捕獲した後、自律飛行により最速で安全な場所への飛行を開始し、さらに、移動中に不審ドローン200が落下したか否かを判定することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1の捕獲用ドローン100と同様に、不審ドローン200を捕獲し、さらに、不審ドローン200を捕獲した後、自律飛行で移動先を決定する際に、不審ドローン200の重量と、自身のバッテリの残量とを考慮して移動先を決定する。
図25は、本開示の実施の形態4における捕獲用ドローンの構成の一例を示すブロック図である。図25に示す捕獲用ドローン100eが図1に示す捕獲用ドローン100と異なる点は、バッテリ142及び残量計測部141が追加され、制御部101が制御部101eに変更され、制御部101eに目標地点管理部143が追加された点であり、その他の点は同様であるので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、バッテリ142は、本実施の形態以外の捕獲用ドローンにも具備されるものである。
制御部101eは、網重量センサ103、ジャイロセンサ104、GPS部105、駆動部106、通信部107、及び残量計測部141の制御を行う。
バッテリ142は、捕獲用ドローン100eの駆動部106等に必要な電力を供給する。残量計測部141は、バッテリ142の残量を計測し、計測結果を目標地点管理部143に出力する。
目標地点管理部143は、不審ドローン200の重量と、バッテリ142の残量とを考慮して移動先を決定する。具体的には、目標地点管理部143は、安全地マップ記憶部102を参照して、残量計測部141により計測された残量が小さいほど、現在地からより近い範囲で安全度合が最も高い安全地を自律飛行の到達目標地点として設定する。
図26は、図25に示す安全地マップ記憶部102の安全地マップを用いて、不審ドローンの移動先及び飛行ルートを決定する方法の一例を説明するための図である。図26に示すように、安全地マップ記憶部102は、右上から左下に向けた斜線のハッチング部分が河原、海岸、山林、河川、湖沼、海洋などの安全地SAを示し、左上から右下に向けた斜線のハッチング部分が広場、公園などの準安全地SS(安全地SAより安全度合が低い安全地)を示す安全地マップSMの情報を記憶している。
図26に示す例では、捕獲用ドローン100eの現在位置CPと安全地SA内の移動先D1とを結ぶ飛行ルートF1と、捕獲用ドローン100eの現在位置CPと準安全地SS内の移動先D2とを結ぶ飛行ルートF2とを安全地マップSM上に示している。この場合、移動先D2は、捕獲用ドローン100eの現在位置CPから最も近い安全地SA内の移動先ではなく、捕獲用ドローン100eの現在位置CPから最も近い準安全地SS内の移動先である。
なお、安全地マップ記憶部102に記憶される安全地マップの安全地の安全度合を示す安全度合情報として、安全地と、準安全地との2段階の情報を用いたが、この例に特に限定されず、3段階以上の安全度合を示す安全度合情報を記憶する等の種々の変更が可能である。
目標地点管理部143は、残量計測部141により計測されたバッテリ142の残量と、網重量センサ103により計測された捕獲用網112の重量の増加量(不審ドローン200の捕獲による捕獲用網112の重量の増加量を表す網重量増加値)とに基づいて、飛行可能な最大距離(到達目標地点までの最大距離)を算出する。
図27は、到達目標地点までの最大距離と網重量増加値及びバッテリ残量との関係の一例を示す図である。図27に示す例は、バッテリ142の残量が多い場合、中間の場合、及び少ない場合の3種類の到達目標地点までの最大距離と網重量増加値との関係を示している。到達目標地点までの最大距離は、網重量増加値が大きくなるほど短くなり、また、バッテリ142の残量が多い場合、中間の場合、少ない場合の順に短くなる。例えば、目標地点管理部143は、図27に示すような関係となる到達目標地点までの最大距離を決定する。
また、目標地点管理部143は、GPS部105から、捕獲用ドローン100eの現在位置CPを示す位置情報を検出する。目標地点管理部143は、飛行可能な最大距離の範囲内で、現在位置CPを示す位置情報から安全地マップSMの最も近い安全地SAを移動先D1に決定し、現在位置CPと移動先D1とを結ぶルートを飛行ルートF1として生成する。
一方、飛行可能な最大距離の範囲内に安全地SAがない場合は、目標地点管理部143は、飛行可能な最大距離の範囲内で、現在位置CPを示す位置情報から安全地マップSMの最も近い準安全地SSを移動先D2に決定し、現在位置CPと移動先D2とを結ぶルートを飛行ルートF2として生成する。
このように、目標地点管理部143は、不審ドローン200の捕獲による重量の増加の大きさに応じて、最も近い安全地ではなく、より近い準安全地を到達目標地点にする。また、目標地点管理部143は、到達目標地点への途中で、バッテリ142の残量が低下すると、最も近い安全地ではなく、より近い準安全地を到達目標地点にする。
なお、目標地点管理部143が安全地マップ記憶部102を参照して現在位置から最も近い安全地及び準安全地を決定できない場合、目標地点管理部143は、通信部107を介して、現在位置から最も近い安全地及び準安全地を決定できないことをプロポ300に通知し、制御切替部110は、飛行の制御を自律飛行制御部111による自律飛行から飛行制御部108による手動飛行に切り替え、操縦者の手動操縦によりその後の飛行を行うようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態における捕獲用ドローン100eは、捕獲用ドローン100eの操作指示を受け付ける通信部107と、捕獲用ドローン100eを飛行させるための駆動部106と、操作指示に基づいて駆動部106を制御する制御部101eと、空中の物体を捕獲するための捕獲用網112と、捕獲用網112の重量を検出する網重量センサ103と、捕獲用ドローン100eの位置情報を検出するGPS部105と、安全地の位置を示す安全地位置情報と、安全地の安全度合を示す安全度合情報とを関連づけた安全地マップを記憶する安全地マップ記憶部102とを備え、制御部101eは、安全地マップ記憶部102を参照して、網重量センサ103により計測された捕獲用網112の重量の増加値が大きいほど、現在地からより近い範囲で安全度合が最も高い安全地を自律飛行の到達目標地点として設定する。これにより、捕獲用ドローン100eは、不審ドローン200の重量に応じて、自律飛行により安全な場所に確実に移動することができる。
また、本実施の形態における捕獲用ドローン100eは、さらに、捕獲用ドローン100eに電力を供給するバッテリ142と、バッテリ142の残量を計測する残量計測部141とを備え、制御部101eは、残量計測部141により計測された残量が小さいほど、現在地からより近い範囲で安全度合が最も高い安全地を自律飛行の到達目標地点として設定する。これにより、捕獲用ドローン100eは、バッテリ142の残量に応じて、自律飛行により安全な場所に確実に移動することができる。