JP6859531B1 - インクジェット用水性インク及び印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】難吸収性基材等に対する画質、及び、印刷安定性をともに向上させ、更には印刷物の乾燥性や保存安定性にも優れるインクジェット印刷用水性インクを提供すること。【解決手段】着色剤、樹脂、湿潤剤、界面活性剤、水を含有するインクジェット印刷用水性インクであって、湿潤剤が、溶解度パラメータ値が11.0〜15.0である多価アルコール類(A)を、湿潤剤全量に対して60質量%以上含み、樹脂が、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造と、ポリエーテル鎖構造とを有し、重量平均分子量が2,000〜30,000である(メタ)アクリル樹脂(B)を含み、多価アルコール類(A)の配合量と、(メタ)アクリル樹脂(B)の配合量との比が、質量比で1500:1〜6:1であり、フッ素元素の含有量が、水性インク全量中500ppm以下である、インクジェット印刷用水性インク。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット印刷用水性インク及び印刷物に関する。
インクジェット印刷方式とは、記録媒体に対して、インクジェットヘッドからインクの微小な液滴を吐出、飛翔及び着弾させて、前記記録媒体上に画像や文字を形成し印刷物を得る方式であり、版を必要としないことを特徴とする。
他に版を必要としない印刷方式として、電子写真方式が広く認知されているが、インクジェット印刷方式は、電子写真方式に比べ、装置自体の価格、印刷時のランニングコスト、装置サイズ、高速印刷特性等の面で優れており、デジタル印刷の普及や用途拡大により、今後成長が見込まれている。
インクジェット印刷方式で使用されるインクは、油系、溶剤系、活性エネルギー線硬化系、水系など多岐に渡る。なかでも近年では、紙基材だけでなくプラスチック基材やガラス基材等の記録媒体にも適用できる点や、印刷物の耐摩擦性に優れる点、高速印刷が実現できる点などから、活性エネルギー線硬化系インクジェット印刷方式の普及が進んでいる。しかし、近年、環境や人に対する有害性への配慮・対応といった点から、溶剤やモノマーの使用に対する規制が進められており、水系(水性)インクへの置き換えが要望され、需要が高まっている。
また近年、インクジェットヘッド性能の著しい向上に伴い、オフセット印刷方式等の既存印刷市場へのインクジェット印刷方式の展開が期待されている。既存印刷市場では、印刷物の画質、生産性及び色再現性が非常に重要となる。しかしながら、既存印刷市場で一般的に使用されている、コート紙、アート紙などの難吸収性基材に対するインクの濡れ性が乏しいと、印刷物の画質が悪化してしまい、インクジェット印刷方式を利用してオフセット印刷方式による印刷物レベルの高画質を得ることが難しくなる。そのため従来は、後述する溶解度パラメータ値(SP値)が小さい材料を一定量使用し、難吸収性基材への濡れ性を付与する方策がとられてきた(特許文献1〜2参照)。しかし、これらのインクでは、着弾直後の表面張力(動的表面張力)が過剰に小さくなることから、前記インクを吐出するノズル近傍でのメニスカス制御が難しく、安定した吐出が難しくなる。また使用する材料によっては、インクジェットヘッドの部材を侵食し、当該インクジェットヘッドの寿命を短命化させるリスクがある。
また、難吸収性基材への濡れ性を付与するために、フッ素系界面活性剤を用いる方策も知られている(特許文献3参照)。しかし、溶解度パラメータ値が小さい材料の場合と同様、着弾直後の表面張力が劇的に小さくなってしまうため、印刷安定性が悪化する可能性が高い。また一般に、インクジェットヘッドを構成する撥水膜はフッ素加工されていることが多く、材料親和性の観点から、当該撥水膜へのインクの付着及び濡れ広がりが起きることも懸念される。更に環境規制の観点からも、フッ素を含む材料の仕様は極力避けたほうがよい。
一方で、上記環境規制に加え、人に対する有害性への配慮、及び、将来的なパッケージ印刷市場への展開を考慮した際の食品包装材料規制等も考慮すると、インクに使用できる材料は、溶解度パラメータ値が大きいものが多くなる。しかしながら、これらの材料を用いたインクでは、着弾直後の表面張力が大きいため、印刷安定性は良化するものの、難吸収性基材に対する濡れ性が乏しくなってしまう。
以上のように、難吸収性基材に対する画質と、印刷安定性とのトレードオフを解決することは、インクジェット印刷用途の拡大において非常に重要と考えられる。
特開2004−43518号公報 国際公開第00/022056号 特開2007−238813号公報
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、難吸収性基材等に対する画質、及び、印刷安定性をともに向上させ、更には印刷物の乾燥性や保存安定性にも優れるインクジェット印刷用水性インクを提供することにある。
本発明者は今般、溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜15.0(cal/cm31/2である湿潤剤、並びに、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造と、ポリエーテル鎖構造とを有し、重量平均分子量が2,000〜30,000である(メタ)アクリル樹脂(B)を併用することで、上記目的が達成できるとの知見を得た。
すなわち本発明は、着色剤、樹脂、湿潤剤、界面活性剤、水を含有するインクジェット印刷用水性インクであって、
前記湿潤剤が、溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜15.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A)を、湿潤剤全量に対して60質量%以上含み、
前記樹脂が、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造と、ポリエーテル鎖構造とを有し、重量平均分子量が2,000〜30,000である(メタ)アクリル樹脂(B)を含み、
前記(メタ)アクリル樹脂(B)が、水溶性であり、
前記多価アルコール類(A)の配合量と、前記(メタ)アクリル樹脂(B)の配合量との比が、質量比で1500:1〜6:1であり、
フッ素元素の含有量が、水性インク全量中500ppm以下である、インクジェット印刷用水性インクに関する。
また本発明は、前記着色剤が顔料であり、その含有量が水性インク全量中0.5〜15質量%である、上記インクジェット印刷用水性インクに関する。
また本発明は、前記多価アルコール類(A)の含有量が、水性インク全量中0.5〜50質量%である、上記インクジェット印刷用水性インクに関する。
また本発明は、前記(メタ)アクリル樹脂(B)の添加量が、水性インク全量中0.01〜5質量%である、上記インクジェット印刷用水性インクに関する。
また本発明は、前記湿潤剤が、炭素数8以上の湿潤剤を水性インク全量中2質量%以上含まない、上記インクジェット印刷用水性インクに関する。
また本発明は、湿潤剤が、溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜13.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A1)を、湿潤剤全量に対して60質量%以上含む、上記インクジェット印刷用水性インクに関する。
また本発明は、上記インクジェット印刷用水性インクを用いて得られる印刷物に関する。
本発明によって、難吸収性基材等に対する画質、及び、印刷安定性をともに向上させ、更には印刷物の乾燥性や保存安定性にも優れるインクジェット印刷用水性インクを得ることに成功した。
以下に、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される変形例も含まれる。なお、特にことわりの無い限り、「部」「%」は、「質量部」「質量%」を表す。
本発明においては、インクジェット印刷用水性インクが、溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜15.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A)と、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造とポリエーテル鎖構造とを有し、重量平均分子量が2,000〜30,000である(メタ)アクリル樹脂(B)とを含むこと、並びに、それらの配合量の比、及び、水性インク中のフッ素元素量を規定している。
上述したように、一般に溶解性パラメータ値が小さい材料を含む水性インクでは、ノズル近傍でのメニスカス制御が難しく、印刷安定性(吐出安定性)が悪化する恐れがある。また前記ノズルから吐出されたインク液滴が直進しない、あるいは、ミスト状に飛散するために、意図しない箇所に着弾し、前記液滴同士の合一が発生して、画質が悪化することも懸念される。
特に、溶解度パラメータ値が11.0(cal/cm31/2未満である材料を主として含む水性インクでは、難吸収性基材に対する濡れ性こそ向上するものの、インクジェットヘッドを構成する接着部材等を侵食してしまい、印刷安定性が著しく悪化する、インクジェットヘッドの寿命を縮める、等の問題も発生する恐れがある。
そこで本発明では、溶解度パラメータ値が11.0〜15.0(cal/cm31/2 である多価アルコール類(A)を主として使用することで、上述したインクジェットヘッドへのダメージを抑制し、印刷安定性の悪化を防止している。また、水酸基を複数含む化合物である多価アルコール類を使用することで、多価アルコール分子間、及び/または、前記多価アルコール分子と水分子との間に水素結合が形成され、吐出されたインクの液滴がミスト状に飛散することを防ぎ、画質の悪化も抑制できる。
一方で、11.0〜15.0(cal/cm31/2という溶解度パラメータ値は大きい値ではないため、多価アルコール類(A)を使用しただけでは、上述した印刷安定性及び画質の悪化が発生する可能性がある。そこで本発明では、前記多価アルコール類(A)に加えて、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造とポリエーテル鎖構造とを有し、重量平均分子量が2,000〜30,000である(メタ)アクリル樹脂(B)を使用することで、印刷安定性及び画質の悪化を防ぎ、更には水性インクの保存安定性の向上も同時に実現している。
前記(メタ)アクリル樹脂(B)は、疎水構造であるポリジメチルシロキサン鎖と、親水構造であるポリエーテル鎖とを有しており、更に重量平均分子量が2,000〜30,000と比較的小さいため、溶解度パラメータ値が小さく疎水性を有する多価アルコール類(A)、及び、水を含む水性インク中で安定的かつ均一に存在できる。その結果、水性インクの保存安定性に悪影響を及ぼさないだけでなく、前記水性インクに適度な粘弾性が付与され、メニスカスの安定化、及び、吐出されたインク液滴の直進性向上が実現できると考えられる。
更に本発明者が鋭意検討を進めた結果、多価アルコール類(A)と(メタ)アクリル樹脂(B)との配合量の比を、質量比で1500:1〜6:1とすることにより、記録媒体上に着弾したインク液滴中で、(メタ)アクリル樹脂(B)が気液界面に迅速に配向し、後から付与される別のインク液滴との合一(混色)を防ぐことができることを見出した。またその際、前記後から付与される別のインク液滴の濡れ性が良化するために、画質の一層の向上が実現できる。更に詳細は不明ながら、水性インクの乾燥性も向上する。
なお、溶解度パラメータ値が11.0(cal/cm31/2未満である材料を主として含む水性インクにおいて(メタ)アクリル樹脂(B)を使用した場合、記録媒体上に着弾したインク液滴が乾燥する過程で、前記インク液滴中の溶剤比率が上昇した際に、前記(メタ)アクリル樹脂(B)が前記材料に溶解してしまうため、後から付与される別のインク液滴との合一が発生しやすくなり、画質が悪化する恐れがある。また、溶解度パラメータ値が15.0(cal/cm31/2よりも大きい材料を主として含む水性インクにおいて(メタ)アクリル樹脂(B)を使用した場合、前記(メタ)アクリル樹脂(B)が前記水性インク中で安定的に存在することができず、保存安定性及び印刷安定性が悪化する恐れがある。
本発明の水性インクでは、多価アルコール類(A)と(メタ)アクリル樹脂(B)とを好適な配合量比で使用したうえで、更に前記水性インク中に含まれるフッ素元素量を500ppm以下と規定している。上述の通り、フッ素元素量を制限することで、撥水加工を施したノズルプレート(複数のノズル孔が設けられたプレート)に対する水性インクの付着及び濡れ広がりを抑制し、印刷安定性の悪化を防ぐことができる。また詳細は不明ながら、水性インクの保存安定性を維持・向上させる点からも、フッ素元素量の制限は有効である。
以上のように、難吸収性基材に対する印刷安定性と画質とを両立し、更には乾燥性及び保存安定性にも優れた水性インクを得るためには、上述した構成が必須不可欠である。なお、上述した仮説はあくまでも推測であり、本発明を限定するものではない。
続いて、本発明の水性インクを構成する各材料について、以下で詳細に説明する。
<着色剤>
本発明の水性インクは、着色剤を含む。前記着色剤として、従来既知の染料及び顔料が任意に使用可能である。中でも、印刷物の耐光性等の観点から、前記着色剤として顔料を使用することが好ましい。
前記顔料として、従来既知の有機顔料及び無機顔料のいずれも使用することができる。これらの顔料(ただし、後述するホワイト顔料の場合を除く)の含有量は、水性インク全量に対して2〜15質量%であることが好ましく、2.5〜12質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが特に好ましい。顔料の含有量を上記範囲にすることで、後述するシングルパス印刷であっても十分な発色性を得ることができ、また水性インクの粘度をインクジェット印刷方式に適した範囲内に調整することができ、これらの結果として長期の印刷安定性を確保することができる。
なお、用途や画質に応じて、上述した顔料の含有量よりも前記含有量の少ない、ライトイエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、グレーなどの淡色インクを設定してもよく、この場合の顔料の含有量は0.5質量%以上であることが好ましい。
使用できるシアン有機顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66などが挙げられる。中でも発色性及び耐光性に優れる観点から、C.I.ピグメントブルー15:3、及び/または15:4からなる群から選択される1種以上が好ましい。また色再現性を向上させる目的で、C.I.ピグメントグリーン7、36、43、58などのグリーン顔料を混合してもよい。
また、使用できるマゼンタ有機顔料として、例えば、C.I.ピグメントレッド5、7、12、22、23、31、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、112、122、146、147、150、185、238、242、254、255、266、269、及び282、並びにC.I.ピグメントバイオレッド19、23、29、30、37、40、43、及び50などが挙げられる。中でも発色性や耐光性に優れる観点から、C.I.ピグメントレッド122、146、150、185、202、209、254、266、269、及び282、並びにC.I.ピグメントバイオレッド19からなる群から選択される1種以上の顔料が好ましい。
また、使用できるイエロー有機顔料として、例えば、C.I.ピグメントイエロー10、11、12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、94、95、109、110、117、120、125、128、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、及び213などが挙げられる。なかでも発色性に優れる観点からC.I.ピグメントイエロー12、13、14、74、83、120、150、151、154、155、180及び185からなる群から選択される1種以上が好ましく選択される。
また、使用できるブラック有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ルモゲンブラック、及びアゾメチンアゾブラックなどが挙げられる。また、上記のシアン顔料、マゼンタ顔料、及びイエロー顔料、並びに下記のオレンジ顔料、グリーン顔料、及びブラウン顔料などの有彩色顔料を複数使用し、ブラック顔料とすることもできる。
また、使用できるブラック無機顔料として、例えば、カーボンブラック、酸化鉄などが挙げられる。前記カーボンブラックは、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックのどちらを使用してもよい。具体的に利用可能な市販品を例示すると、No.25、30、33、40、44、45、52、850、900、950、960、970、980、1000、2200B、2300、2350、2600;MA7、MA8、MA77、MA100、MA230(以上、三菱化学社製)、RAVEN760UP、780UP、860UP、900P、1000P、1060UP、1080UP、1255(以上、アディティア・ビルラ社製)、REGAL330R、400R、660R、MOGUL L(以上、キャボット社製)、Nipex160IQ、170IQ、35、75;PrinteX30、35、40、45、55、75、80、85、90、95、300;SpecialBlack350、550;Nerox305、500、505、600、605(以上、オリオン・エンジニアドカーボンズ社製)などがある。
また、使用できるホワイト有機顔料として、例えば、特開平3−26724号公報、特開2009−263553号公報等に開示されている中空樹脂粒子がある。
また、使用できるホワイト無機顔料として、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。なかでも隠蔽性や着色力の観点から、酸化チタンが最も好ましい。
上述したホワイト顔料の含有量は、水性インク全量に対して3〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の水性インクは、オレンジ顔料、グリーン顔料、及びブラウン顔料などの特色顔料を含む特色インクであってもよい。具体的には、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、64、及び71、C.I.ピグメントグリーン7、36、43、及び58、並びにピグメントブラウン23、25、及び26などを使用することができる。
<湿潤剤>
<多価アルコール類(A)>
本発明の水性インクは湿潤剤(保湿剤)を含む。また前記湿潤剤として、溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜15.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A)を、湿潤剤全量に対して60質量%以上含む。
なお、本明細書における「湿潤剤」とは、添加された水性インクの過度な乾燥を抑制し、湿潤性を保つことができる成分である。一般に湿潤剤として、常温(25℃)下で液体である成分(例えば有機溶剤等)、及び、前記常温下で固体である成分(例えばグリセリン誘導体、尿素誘導体、ポリエチレングリコール等)が存在するが、本明細書では、常温下で液体であり、かつ、1気圧下における沸点が180℃以上である化合物のみを指すものとする。
上述の通り、本発明で使用できる湿潤剤として、後述する方法で算出可能である溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜15.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A)を含む。また、湿潤剤が、溶解度パラメータ値が11.0〜13.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A1)を使用することが更に好ましい。
また、使用する多価アルコール類(A)は水溶性であることが好ましく、更に、25℃での粘度は1〜100mPa・sであることが好ましい。
溶解度パラメータ値を算出する方法は、これまで種々知られているが、本明細書においては、「Plastics Materials 6th Edition」(J.A.Brydson著、Butterworth−Heinemann社、1995年)の85〜86ページに記載の方法により算出される、25℃における値を用いるものとする。
具体的な算出方法を、1,2−プロパンジオールを例にとって説明すると、沸点(188℃)から算出される、前記1,2−プロパンジオールの蒸発潜熱(ΔH)は、23.7×(188+273)+0.02×(188+273)2−2950≒12232.4(cal/mol)となる。そして、この値と、1,2−プロパンジオールの分子量[76.1(g/mol)]と、前記1,2−プロパンジオールの密度[1.04(g/cm3)]とを用い、下記式(1)から、12.6(cal/cm31/2と算出される。
式(1):

SP値((cal/cm31/2)={(ΔH−RT)÷(M÷D)}1/2
ただし上記式(1)において、ΔHは湿潤剤の蒸発潜熱(cal/mol)を、Rは気体定数(1.99cal/K・mol)を、Tは温度(25℃=298K)を、Mは前記湿潤剤の分子量(g/mol)を、Dは前記湿潤剤の密度(g・cm3)を、それぞれ表す。
また本発明の水性インクでは、上記多価アルコール類(A)の合計含有量が、水性インクに含まれる湿潤剤総量に対し60質量%以上である。多価アルコール類(A)の含有量を前記範囲内とすることで、記録媒体に対する濡れ性を保持するとともに、画質及び乾燥性を容易に制御することが可能となる。また、ノズルからの吐出安定性も向上させることができ、結果として、吸収層を有する記録媒体及び難吸収性基材のどちらに対しても、画質に優れた画像を得ることができる。上記効果が更に好適に発現する観点から、多価アルコール類(A)の合計含有量が、水性インクに含まれる湿潤剤総量に対し70質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上とすることが特に好ましい。
上記溶解度パラメータ値が11.0〜15.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A)としては、以下に限定されないが、例えば1,2−プロパンジオール(SP値12.6/沸点188℃)、1,2−ブタンジオール(SP値11.5/沸点194℃)、エチレングリコール(SP値14.7/沸点196℃)、1,3−ブタンジオール(SP値11.3/沸点208℃)、1,3−プロパンジオール(SP値13.3/沸点210℃)、2,3−ブタンジオール(SP値11.3/沸点182℃)、1,4−ブタンジオール(SP値12.32/沸点230℃)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(SP値12.0/沸点214℃)、グリセリン(SP値14.7/沸点290℃)、及び1,2,3−ブタントリオール(SP値13.5/沸点約294℃)が挙げられる。これらの多価アルコール類(A)は1種のみ用いてもよいし、2種以上を使用してもよい。
なお詳細は不明ながら、上記例示した多価アルコール類(A)の中でも、1−ヒドロキシエチル基(−CH(OH)CH3)を有している化合物は、他の位置異性体と比較して、印刷安定性と印刷物の画質とが両立した水性インクが得られやすいことから、本発明において好適に選択される。前記1−ヒドロキシエチル基を有している化合物としては、例えば1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2,3−ブタントリオールが挙げられる。
多価アルコール類(A)は、1気圧下での沸点が180〜250℃であることが好ましく、180〜230℃であることがより好ましい。上記の沸点範囲を満たす多価アルコール類(A)を用いることで、記録媒体種の影響を受けずに、水性インクの濡れ性、浸透性、及び乾燥性を容易に制御することが可能となるためである。またこれにより、ノズル上での保湿性を維持しつつ、様々な記録媒体に対して、乾燥装置を大型化せずとも、画質及び定着性に優れた画像を直接描画することが可能となる。なお、本明細書における1気圧下での沸点は、例えば熱分析装置を用い測定することが可能である。
特に、多価アルコール類(A)として、1気圧下での沸点が180〜230℃であるアルカンジオールのみを使用することが好ましい。理由としては、既存印刷市場で一般的に使用されているコート紙やアート紙、または、ポリ塩化ビニルシートなどの疎水性が高い記録媒体上であっても、水性インクの濡れ性を高め、かつ前記記録媒体上でのドットセット性能を良化させることで、画質を特段に向上させることができるためである。
多価アルコール類(A)の含有量は、水性インク全量中0.5〜50質量%であることが好ましく、1〜45質量%であることが更に好ましく、10〜40質量%であることが特に好ましい。この含有量は、多価アルコール類(A1)となる場合も同様である。
<その他の湿潤剤>
本発明の水性インクは、上述した多価アルコール類(A)以外の湿潤剤(以下「その他の湿潤剤」とも呼ぶ)を含んでもよい。具体的には、1気圧下における沸点が180℃以上であり、常温(25℃)下で液体である化合物のうち、多価アルコール類(A)に属さない化合物であり、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、ジプロピレングリコール等の2価アルコール(グリコール)類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールジアルキルエーテル類;
N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−エトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−2−エチルヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−オクトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−オクトキシプロピオンアミド等の含窒素系溶剤;等が挙げられる。
前記湿潤剤は、炭素数8以上の湿潤剤を水性インク全量中2質量%以上含まないことが好ましい。
<その他の溶剤>
また本発明の水性インクは、上述した湿潤剤以外の溶剤(以下「その他の溶剤」とも呼ぶ)を含んでもよい。具体的には、1気圧下における沸点が180℃未満である化合物を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等の1価アルコール類;
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の低沸点グリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等の低沸点グリコールジアルキルエーテル類;等が挙げられる。
これらのその他の溶剤の配合量は、水性インク全量中10質量%未満である(0質量%でもよい)ことが好ましく、5質量%未満(0質量%でもよい)であることが特に好ましい。
<樹脂>
<(メタ)アクリル樹脂(B)>
本発明の水性インクは、樹脂として、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造と、ポリエーテル鎖構造とを有し、重量平均分子量が2,000〜30,000である(メタ)アクリル樹脂(B)を含む。前記(メタ)アクリル樹脂(B)は、分散樹脂、バインダー樹脂、耐摩擦剤、界面活性剤、粘度調整剤等として使用され、複数の機能を有するものを使用してもよい。
なお本明細書における「(メタ)アクリル」「(メタ)アクリレート」とは、それぞれ、「アクリルまたはメタクリル」「アクリレートまたはメタクリレート」を意味するものとする。また後述するように、本明細書における「(メタ)アクリル樹脂」を構成するエチレン性不飽和単量体として、(メタ)アクリル系単量体に加え、スチレン系単量体を使用してもよい。
前記(メタ)アクリル樹脂(B)は、水溶性であっても非水溶性であってもよい。中でも、多価アルコール類(A)、及び、水を含む水性インク中で、より安定的かつ均一に存在できる点から、水溶性であるものを使用することが好適である。また同様の観点から、前記(メタ)アクリル樹脂(B)の重量平均分子量は、3,000〜25,000であることが好ましく、4,000〜20,000であることがより好ましく、4,500〜15,000であることが特に好ましい。
なお本明細書において「水溶性である」とは、対象の材料1gと水100gとの混合物が透明である、または、当該混合物を試料として、粒子径を測定することができない状態を意味するものとする。ただし、前記対象の材料が樹脂であり、当該樹脂が酸価を有する場合は、等モル量の塩基(例えば水酸化カリウム)で中和したのち、水と混合することとする。また上記粒子径は、動的光散乱法(例えばマイクロトラック・ベル社製「ナノトラックUPA−EX150」)により、25℃の条件下で測定するものとする。
また、(メタ)アクリル樹脂(B)の重量平均分子量は、東ソー社製「TSKgel(登録商標)」カラムを備え、RI検出器を装備した東ソー社製「HLC−8120GPC」を用い、溶離液としてテトラヒドロフランを使用して測定できる、ポリスチレン換算分子量である。
本発明の水性インクで使用される(メタ)アクリル樹脂(B)は、合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記(メタ)アクリル樹脂(B)を合成する方法として、ポリジメチルシロキサン鎖構造、及び/または、ポリエーテル鎖構造を有するエチレン性不飽和単量体を使用して、(メタ)アクリル樹脂を合成する方法、あるいは、あらかじめ合成した(メタ)アクリル樹脂に対して、ポリジメチルシロキサン鎖構造を有する化合物、及び、ポリエーテル鎖構造を有する化合物を付加する方法、等が挙げられる。
ここで、前記ポリジメチルシロキサン鎖構造を有するエチレン性不飽和単量体は、合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記ポリジメチルシロキサン鎖構造を有するエチレン性不飽和単量体を合成する方法として、従来既知の方法、例えば、Si−Cl構造を有するシロキサン化合物と水酸基を有するエチレン性不飽和単量体化合物との脱塩酸反応、Si−H構造を有するシロキサン化合物とビニル基を有するエチレン性不飽和単量体化合物との付加反応、水酸基を有するシロキサン化合物とエポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体化合物との付加反応、等が挙げられる。一方、前記ポリジメチルシロキサン鎖構造を有するエチレン性不飽和単量体の市販品として、信越化学工業社性のKF−2012、X−22−174ASX、X−22−174BX、X−22−174DX、X−22−2404、X−22−2426、X−22−2475;JNC社製のサイラプレーンFM−0711、FM−0721、FM−0725等がある。
また、上記ポリエーテル鎖構造を有するエチレン性不飽和単量体として、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等が使用でき、市販品では、新中村化学工業社製のAM−90G、AM−130G、AMP−20GY、M−90G、M−230G;共栄社化学社製のライトアクリレート130A、ライトアクリレートDPM−A、ライトアクリレートEC−A、ライトアクリレートEHDG−AT、ライトアクリレートMTG−A、ライトアクリレートP2H−A、ライトアクリレートP−200A、ライトエステル041MA、ライトエステル130MA、ライトエステルBC;日立化成社製のファンクリルFA−314A、ファンクリルFA−318A、ファンクリルFM−400M(100)等がある。
なお、上述したポリジメチルシロキサン鎖構造を有するエチレン性不飽和単量体を合成する方法において、当該合成に使用する化合物のいずれかがポリエーテル鎖構造を有していてもよい。例えば、前記ビニル基を有するエチレン性不飽和単量体化合物として、ポリアルキレングリコールモノアリルエーテル(メタ)アクリレートを使用することで、ポリジメチルシロキサン鎖構造及びポリエーテル鎖構造を有するエチレン性不飽和単量体を得ることができる。また、前記ポリジメチルシロキサン鎖構造及びポリエーテル鎖構造を有するエチレン性不飽和単量体として、例えば国際公開第2018/181645号明細書に開示されている(メタ)アクリル変性シリコーンマクロモノマー等を使用することもできる。
側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造と、ポリエーテル鎖構造とを有する(メタ)アクリル樹脂(B)は、構成単位として、ポリジメチルシロキサン鎖構造及びポリエーテル鎖構造を有さないものを含んでいてもよい。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アラキル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセリル(メタ)アクリレート、セロトイル(メタ)アクリレート、モンタニル(メタ)アクリレート、メリッシル(メタ)アクリレート、ドトリアコンタノイル(メタ)アクリレート、テトラトリアコンタノイル(メタ)アクリレート、ヘキサトリアコンタノイル(メタ)アクリレート等のアルキル基含有(メタ)アクリル系単量体;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリル系単量体;
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリル系単量体;
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン系単量体;が挙げられる。
一方で上述の通り、(メタ)アクリル樹脂(B)は市販されているものを使用していてもよい。具体的には、ビックケミー社製のBYK−3565が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂(B)の含有量は、水性インク全量中0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜4質量%であることが更に好ましく、0.3〜3質量%であることが特に好ましい。
<その他の樹脂>
本発明の水性インクは、上述した(メタ)アクリル樹脂(B)以外の樹脂(以下「その他の樹脂」とも呼ぶ)を含んでもよい。前記その他の樹脂は、分散樹脂、バインダー樹脂、耐摩擦剤、界面活性剤、粘度調整剤等として使用され、複数の機能を有するものを使用してもよい。また1種類のみ使用してもよいし、2種類以上のその他の樹脂を併用してもよい。
前記その他の樹脂の種類として、(メタ)アクリル樹脂(B)以外の(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、オレフィン樹脂、オレフィン−マレイン酸樹脂、オレフィン−酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。またその分子構造についても特に制限はなく、ランダム構造、ブロック構造、櫛形構造、星型構造等を任意に選択できる。
前記その他の樹脂は、水溶性であっても非水溶性であってもよい。また、非水溶性の樹脂を使用する場合、水性インクの保存安定性及び印刷安定性の観点から、樹脂微粒子の形態で水系媒体中に存在させることが好ましい。一般に、樹脂微粒子は水溶性樹脂と比較して高分子量であり、またインク粘度を低くすることができ、より多量の樹脂をインク中に配合できることから、印刷物の耐性を高めるのに適している。一方で、インク中のバインダー樹脂が樹脂微粒子である場合、水が揮発した際に分散状態であった前記樹脂微粒子が凝集し、成膜し始めることにより、ノズルでの目詰まりが発生し、印刷安定性が低下する恐れがある。そこで、前記樹脂微粒子を構成する単量体の種類や量をコントロールし、ガラス転移点(Tg)を80℃以上にすることが好適である。
一方で、水性インクの印刷安定性を確保し、またインクジェットプリンターのメンテナンス性能等も考慮する観点から、前記その他の樹脂として水溶性樹脂を使用することもできる。水溶性樹脂を使用する場合、その重量平均分子量は5,000〜50,000であることが好ましく、10,000〜40,000であることがより好ましい。重量平均分子量を5,000以上とすることで、印刷物の塗膜耐性を良好なものとすることができ、重量平均分子量を50,000以下とすることで、インクジェットヘッドからの吐出安定性を良好なものとし、印刷安定性に優れた水性インクを得ることが可能となる。
また、水溶性樹脂を使用する際には酸価も重要である。使用用途によっても異なるが、例えば、前記水溶性樹脂をバインダー樹脂または耐摩擦剤として使用する場合、酸価が10〜80mgKOH/gであることが好ましく、20〜50mgKOH/gであることがより好ましく、20〜45mgKOH/gであることが特に好ましい。酸価を10mgKOH/g以上とすることで、ノズル上での目詰まりを防止し、印刷安定性の確保が可能となる。また酸価が80mgKOH/g以下であれば、印刷物の耐水性が著しく悪化することもない。
また、前記水溶性樹脂を分散樹脂として使用する場合、酸価は、100〜400mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは130〜350mgKOH/gであり、更に好ましくは150〜300mgKOH/gである。酸価が100mgKOH/g以上であれば、着色剤に好適に吸着し、保存安定性のよい水性インクとなる。また酸価が400mgKOH/g以下であれば、前記水溶性樹脂間での相互作用が好適化し、着色剤分散液の粘度を低くすることができる。
<界面活性剤>
本発明の水性インクは、表面張力を調整し記録媒体上での前記水性インクの濡れ性及び画質を向上させることを目的に、界面活性剤を添加する。本発明では、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれの界面活性剤も用いることが可能である。なお本明細書では、上述した(メタ)アクリル樹脂(B)、及び、その他の樹脂にあたる化合物は、「界面活性剤」には含めないものとする。
陽イオン性界面活性剤としては、脂肪酸アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、ポリオキシエチレンアセチレングリコールエーテル、ポリオキシプロピレンアセチレングリコールエーテル、ポリジメチルシロキサン、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン、ポリオキシプロピレン変性ポリジメチルシロキサン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン変性ポリジメチルシロキサン、2−(パーフルオロアルキル)エタノール、パーフルオロアルキル基含有ポリアルコキシアルキレンオキサイド変性ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
上記例示した界面活性剤のなかでも、印刷基材への濡れ性を向上させ、画質に優れた水性インクが得られる点から、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、ポリオキシエチレンアセチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン、ポリオキシプロピレン変性ポリジメチルシロキサン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン変性ポリジメチルシロキサンからなる群より選択される1種以上を用いることが好ましい。特に、水性インクの表面張力を好適な範囲に制御できるという観点から、アセチレングリコール、ポリオキシエチレンアセチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン変性ポリジメチルシロキサンからなる群より選択される1種以上を使用することが好ましい。なお、界面活性剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としてポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン、及び/または、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン変性ポリジメチルシロキサンを使用する場合、その配合量は、水性インク全量に対して0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることが更に好ましい。配合量を上記範囲内に収めることで、水性インク液滴の混色を制御することが可能となる。
また、界面活性剤としてアセチレングリコール、及び/または、ポリオキシエチレンアセチレングリコールエーテルを使用する場合、その配合量は、水性インク全量に対して0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜4質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上とすることで、水性インクの動的表面張力を十分に低下する効果が得られ、画質を改善することが可能となる。また5質量%以下とすることで、水性インクの動的表面張力を好適な範囲内に収めることが可能となり、ノズル周辺への濡れ性や、メニスカスの制御が可能となり、インクジェットヘッドからの安定吐出が可能となるため、印刷安定性が向上する。
特に、幅広い印刷基材に対して画質良好な印刷物を作成するできる点から、界面活性剤として、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン変性ポリジメチルシロキサンからなる群より選択される1種以上と、アセチレングリコール、及び/または、ポリオキシエチレンアセチレングリコールエーテルからなる群より選択される1種以上とを併用することが特に好適である。
<インク中の水含有量>
水の含有量としては、水性インクの全質量の45〜95質量%、更に好ましくは50〜75質量%の範囲であることが好ましい。
水性インクに含まれる水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい
<その他の成分>
また本発明の水性インクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、消泡剤、防腐剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などの添加剤を適宜に添加することができる。これらの添加剤の添加量としては、水性インクの全質量に対して、0.01〜5質量%が好適である。
なお、本発明の水性インクは重合性単量体を実質的に含有しないことが好ましい。ここで「実質的に含有しない」とは意図的に添加しないことを表すものであり、水性インクを製造・保管する際の微量の混入または発生を除外するものではない。具体的には、水性インク全量中、重合性単量体の含有量は1質量%以下(0質量%であってもよい)であることが好ましく、0.5質量%以下(0質量%であってもよい)であることがより好ましく、0.2質量%以下(0質量%であってもよい)であることが特に好ましい。
<水性インクの粘度>
本発明の水性インクの粘度は4〜20mPa・sであることが好ましく、5〜17mPa・sであることがより好ましく、6〜15mPa・sであることが特に好ましい。なお上記粘度は25℃における測定値であり、本発明では、東機産業製「TVE−25L」(コーンプレートタイプE型粘度計)により測定した。
<水性インクの静的表面張力>
また、本発明の水性インクの静的表面張力は、18〜40mN/mであることが好ましく、20〜35mN/mであることがより好ましく、22〜32mN/mであることが特に好ましい。なお上記静的表面張力は25℃における測定値であり、本発明では、協和界面科学社製「CBVP−Z」を用い、白金プレート法(Wilhelmy法)によって測定した。
<水性インク中のフッ素原子の含有量>
上述した通り、本発明の水性インク中に含まれるフッ素原子の量は、前記水性インク全量中500ppm以下である(0ppmでもよい)。フッ素原子の量が少ないほど、印刷安定性及び保存安定性の悪化を抑制できるため、前記フッ素原子の量は、水性インク全量中300ppm以下である(0ppmでもよい)ことが好ましく、100ppm以下である(0ppmでもよい)ことが特に好ましい。
フッ素原子は、例えば、フッ素原子含有界面活性剤、フッ素樹脂、フッ素原子含有着色剤等に含まれる。従って、これらフッ素原子を含む材料の添加量を減らす、あるいは使用しないことで、水性インク中に含まれるフッ素原子の量を500ppm以下に抑えることができる。
フッ素原子の量は、水性インク中に含まれる、フッ素原子を含む材料の構造式及び配合量から算出することができる。例えば、下記一般式(2)で表されるフッ素原子含有界面活性剤を、水性インク全量中0.5質量%含む場合、前記フッ素系界面活性剤の分子量が2756.4であり、1分子中に含まれるフッ素原子の量が40個であるので、水性インク中に含まれるフッ素原子の量は、(19×40÷2756.4)×0.5%≒0.1379[%]=1379[ppm]となる。なお、「19」はフッ素原子の原子量である。
[一般式(2)]
Figure 0006859531
なお一般式(2)中、xは1〜7の整数である。
<インクジェット印刷方式>
本発明の水性インクは、インクジェット印刷方式に使用される。前記インクジェット印刷方式として、記録媒体に対し水性インクを1回だけ吐出して記録するシングルパス方式、及び、記録媒体の最大記録幅の間を、記録媒体の搬送方向と直行する方向に短尺のシャトルヘッドを往復走査させながら記録を行うシリアル方式のどちらを採用してもよい。また、前記インクジェット印刷方式による印刷を行うインクジェット記録装置は、水性インクを吐出するインクジェットヘッド(インク吐出手段)に加え、前記インクジェットヘッドから吐出された前記水性インクを乾燥させる乾燥手段を有していることが好ましい。例えばシングルパス方式のインクジェット記録装置では、記録媒体の搬送方向に対して上流側から、インク吐出手段、乾燥手段の順番に配列される。その場合、インクジェットヘッドから吐出された水性インクが記録媒体上に着弾したのち、乾燥手段により乾燥処理が行われる。
またインクジェット方式には特に制限はなく、従来既知の方法、例えば電気−機械変換方式(例:シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例:サーマルインクジェット型、バブルジェット[登録商標]型等)、静電吸引方式(例:電解制御型、スリットジェット型等)、音響インクジェット方式、及び放電方式(例:スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができる。なお、インクジェット方式により記録を行う際に使用するノズルの形状等についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
インクジェットヘッドから吐出される水性インクの液滴量としては、乾燥負荷軽減効果が大きく、画質の向上という点でも、0.2〜50ピコリットル(pL)であることが好ましく、1〜30ピコリットル(pL)であることがより好ましい。
<記録媒体>
本発明の水性インクを印刷する記録媒体は特に限定されず、上質紙、コート紙、アート紙、キャスト紙、合成紙の様な紙基材;ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発泡スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETの様なプラスチック基材;アルミニウム、ステンレスの様な金属基材;ガラス基材;木材等が使用できる。本発明の水性インクは、吸収層を有する専用用紙やコピー用紙のような紙基材だけではなく、既存印刷市場で一般的に使用されている、コート紙、アート紙などの難吸収性基材、更にはプラスチック基材に対しても好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の記載において、「部」「%」及び「比率」とあるものは特に断らない限り、質量基準を意味する。
<1.顔料分散液の調製>
顔料分散液の調製で使用した顔料は、以下の通りである。
・HOSTAPERM BLUE BT617D(クラリアント社製)
・Inkjet Magenta E7B(クラリアント社製)
・Inkjet Yellow 4GC(クラリアント社製)
・NiPex 160IQ(オリオン・エンジニアドカーボンズ社製)
また、顔料分散液の調製において、分散樹脂として使用した水溶性樹脂は、以下の通りである。
・BYKJET−9151(ビックケミー社製樹脂型分散剤)
・BYKJET−9152(ビックケミー社製樹脂型分散剤)
また、顔料分散液の調製で使用した消泡剤は、以下の通りである。
・BYK−019 (ビックケミー社製)
(樹脂分散型シアン顔料の水分散液)
顔料としてHOSTAPERM BLUE BT617Dを20部と、BYKJET−9151を8部と、BYK−019を0.8部と、水を71.2部とを、撹拌機で予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した、容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行った。その後、水で希釈をして顔料濃度が10%になるよう調整し、樹脂分散型シアン顔料の水分散液を得た。
(樹脂分散型マゼンタ顔料の水分散液)
顔料としてInkjet Magenta E7Bを20部と、BYKJET−9152を12部と、BYK−019を0.8部と、水を67.2部とを、撹拌機で予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した、容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行った。その後、水で希釈をして顔料濃度が10%になるよう調整し、樹脂分散型マゼンタ顔料の水分散液を得た。
(樹脂分散型イエロー顔料の水分散液)
顔料としてInkjet Yellow 4GCを20部と、BYKJET−9152を10部と、BYK−019を0.8部と、水を69.2部とを、撹拌機で予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した、容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行った。その後、水で希釈をして顔料濃度が10%になるよう調整し、樹脂分散型イエロー顔料の水分散液を得た。
(樹脂分散型ブラック顔料(カーボンブラック)の水分散液)
顔料としてNiPex 160IQを20部と、BYKJET−9151を8部と、BYK−019を0.8部と、水を71.2部とを、撹拌機で予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した、容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行った。その後、水で希釈をして顔料濃度が15%になるよう調整し、樹脂分散型ブラック顔料(カーボンブラック)の水分散液を得た。
後述する実施例では、上記樹脂分散型シアン顔料の水分散液と、上記樹脂分散型マゼンタ顔料の水分散液と、上記樹脂分散型イエロー顔料の水分散液と、上記樹脂分散型ブラック顔料(カーボンブラック)の水分散液とを、「樹脂分散型顔料分散液のセット」として使用した。またこれら以外に、下記の顔料分散液を準備し、それぞれをセットとして使用した。
(自己分散型顔料分散液のセット)
・CAB−O−JET 250C:キャボット社製、自己分散型シアン顔料の水分散液 、顔料濃度10%)
・CAB−O−JET 265M:キャボット社製、自己分散型マゼンタ顔料の水分散 液、顔料濃度10%)
・CAB−O−JET 470Y:キャボット社製、自己分散型イエロー顔料の水分散 液、顔料濃度15%)
・CAB−O−JET 352K:キャボット社製、自己分散型カーボンブラックの水 分散液、顔料濃度15%)
(非水溶性樹脂被覆型顔料分散液のセット)
・Pro−Jet[登録商標]Cyan ADP 2000:富士フイルム社製、非水 溶性樹脂により被覆されたシアン顔料の水分散液、顔料濃度14%
・Pro−Jet[登録商標]Magenta ADP 1100:富士フイルム社製 、非水溶性樹脂により被覆されたマゼンタ顔料の水分散液、顔料濃度14%
・Pro−Jet[登録商標]Yellow APD 1000LF:富士フイルム社 製、非水溶性樹脂により被覆されたイエロー顔料の水分散液、顔料濃度15%
・Pro−Jet[登録商標]Black APD 1001:富士フイルム社製、非 水溶性樹脂により被覆されたカーボンブラックの水分散液、顔料濃度14%
<2.(メタ)アクリル樹脂の調製>
((メタ)アクリル樹脂Aの合成)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び撹拌機を備えた反応容器に、ブタノール80部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱したのち、エチレン性不飽和単量体として、下記一般式(3)で表され、n≒8である化合物を10部、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレートを60部、2−エチルヘキシルアクリレートを30部;重合開始剤としてV−601(和光純薬社製)を2部;及び、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタンを7.5部;の混合物を4時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、100℃で1時間反応させた後、V−601を0.5部添加し、更に100℃で1時間反応を継続した。その後、室温まで冷却したのち、水を100部添加し、撹拌した。そして、100℃以上に加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去したのち、固形分が30%になるように調整することで、(メタ)アクリル樹脂Aの固形分30%の水性化溶液(水を含む溶媒と、該溶媒に分散及び/または溶解した成分とを含む溶液)を得た。なお(メタ)アクリル樹脂Aは水溶性であり、また、上述した方法により測定した、前記(メタ)アクリル樹脂Aの重量平均分子量は、3,000であった。
((メタ)アクリル樹脂B、Cの合成)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び撹拌機を備えた反応容器に、ブタノール80部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱したのち、エチレン性不飽和単量体として、下記一般式(3)で表され、n≒8である化合物を10部、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレートを60部、2−エチルヘキシルアクリレートを30部;及び、重合開始剤としてV−601(和光純薬社製)を18部;の混合物を4時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、100℃で1時間反応させた後、V−601を1.5部添加し、更に100℃で1時間反応を継続した。その後、室温まで冷却したのち、水を100部添加し、撹拌した。そして、100℃以上に加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去したのち、固形分が30%になるように調整することで、(メタ)アクリル樹脂Bの固形分30%の水性化溶液を得た。なお(メタ)アクリル樹脂Bは水溶性であり、また、上述した方法により測定した、前記(メタ)アクリル樹脂Bの重量平均分子量は、8,500であった。
また、上述した(メタ)アクリル樹脂Bの合成において、混合物中に含まれるV−601の量を10部とした以外は、前記(メタ)アクリル樹脂Bと同様の方法により合成を行うことで、(メタ)アクリル樹脂Cの固形分30%の水性化溶液を得た。(メタ)アクリル樹脂Cは水溶性であり、また、上述した方法により測定した、前記(メタ)アクリル樹脂Cの重量平均分子量は、19,000であった。
((メタ)アクリル樹脂Dの合成)
上述した(メタ)アクリル樹脂Bの合成において、混合物中に含まれるエチレン性不飽和単量体を、下記一般式(3)で表され、n≒58である化合物を2部、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレートを60部、ブチルメタクリレートを38部とした以外は、前記(メタ)アクリル樹脂Bと同様の方法により合成を行うことで、(メタ)アクリル樹脂Dの固形分30%の水性化溶液を得た。(メタ)アクリル樹脂Dは水溶性であり、また、上述した方法により測定した、前記(メタ)アクリル樹脂Dの重量平均分子量は、8,000であった。
[一般式(3)]
Figure 0006859531
<3.水性インクの4色セット(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の調製>
(実施例1)
樹脂分散型シアン顔料の水分散液を40部と、グリセリンを30部と、BYK−3565(詳細は後述)を2部と、BYK−348(詳細は後述)を3部と、トリエタノールアミン(pH調整剤)を1部と、水24部とを、それぞれ秤量したのち、混合容器へ順次投入し、十分に均一になるまで撹拌機で撹拌した。その後、得られた混合液をメンブランフィルターで濾過し、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去することによって、シアン水性インク1を得た。なお、この水性インクの粘度は7mPa・sであった。また、樹脂分散型シアン顔料の水分散液を、樹脂分散型マゼンタ顔料の水分散液、樹脂分散型イエロー顔料の水分散液、樹脂分散型ブラック顔料(カーボンブラック)の水分散液に、それぞれ変更した以外は、上記シアン水性インク1と同様にして、マゼンタ水性インク1、イエロー水性インク1、ブラック水性インク1を調製した。そして、これら4色の水性インクをセットとし、以降の評価に使用した。
(実施例2〜47、比較例1〜20)
表1〜7に記載した顔料分散液、樹脂、湿潤剤、界面活性剤、pH調整剤、水の配合に従い、実施例1と同様の方法によって、水性インクの4色セット(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)を調製した。
Figure 0006859531
Figure 0006859531
Figure 0006859531
Figure 0006859531
Figure 0006859531
Figure 0006859531
Figure 0006859531
なお、表1〜7で使用した市販品の詳細は、以下の通りである。
・BYK−348:ビックケミー社製ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン
・TEGO Glide 440:エボニック社製ポリオキシエチレン変性ポリジメチル シロキサン
・Surfynol 104E:日信化学工業社製アセチレングリコール(固形分濃度5 0%)
・BYK−3565:ビックケミー社製、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造と、ポリ エーテル鎖構造とを有し、重量平均分子量が2,000〜30,000である(メタ) アクリル樹脂
・BYK−3550:ビックケミー社製、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造を有し、 ポリエーテル鎖構造を有さない(メタ)アクリル樹脂
・Joncryl HPD496:BASF社製(メタ)アクリル樹脂(水溶性樹脂、重 量平均分子量5,000、固形分濃度34%)
・Joncryl HPD96−E:BASF社製(メタ)アクリル樹脂(水溶性樹脂、 重量平均分子量16,000、固形分濃度34%)
・JE−1056:星光PMC社製(メタ)アクリル樹脂エマルジョン(非水溶性樹脂、 固形分濃度42.5%)
・PTFE D−210:ダイキン社製フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)エマ ルジョン(非水溶性樹脂、固形分濃度60%)
・AQUACER 515:ビックケミー社製オレフィン樹脂エマルジョン(非水溶性樹 脂、固形分濃度35%)
なお、PTFE D−210を水性インク全量中1質量%(固形分として0.6質量%)含有する場合、当該水性インク中に含まれるフッ素原子の量は、約4286[ppm]である。
<4.水性インクの4色セットの評価>
実施例1〜47、及び比較例1〜20で得た水性インクの4色セットを使用して、以下に関する評価を行った。なおいずれの評価においても、A、B、C評価を、実使用可能な品質であると判断した。
(評価1:印刷評価試験)
表1〜7に記載された各4色セットを、京セラ社製ヘッド(QA06NTB)を搭載したインクジェット吐出装置に充填した。次いで、周波数30kHz、600×600dpiの印字条件で、王子製紙社製コート紙であるOKトップコート+(米坪量104.7g/m2)上に吐出させ、カラーチャート画像(JIS X 9204:2004、画像識別番号S6)の印刷を行った。そして印刷後すぐに、60℃エアオーブンを用いて3分間乾燥させた後、得られたカラーチャート画像印刷物の混色滲みについて、目視及びルーペを用いて評価を行った。評価基準は下記のとおりとした。
A:ルーペ及び目視で混色滲みが見られなかった
B:ルーペでは僅かに混色滲みが見られたが、目視では混色滲みが見られなかった
C:目視で僅かに混色滲みが見られた
D:目視で明らかに混色滲みが見られた
(評価2:長期目詰まり信頼性試験)
評価1で使用したインクジェット吐出装置に、各4色セットを充填し、ノズルクリーニングを実施後、ヘッドキャップをせずに一定期間静置した。その後、ノズルチェックパターンを印刷し、ノズル抜け及び飛行曲がりの発生状況を確認することで、長期目詰まり信頼性の評価を行った。評価基準は下記のとおりとした。
A:室温(25℃)下に120分静置した後でも、4色全てで、ノズル抜けまたは飛行 曲がりを起こしたノズルの本数が10本未満であった
B:室温(25℃)下に60分静置した後では、4色全てで、ノズル抜けまたは飛行曲 がりを起こしたノズルの本数が10本未満であったが、120分静置すると、1色以 上で、ノズル抜けまたは飛行曲がりを起こしたノズルの本数が10本以上となった
C:室温(25℃)下に5分静置した後では、4色全てで、ノズル抜けまたは飛行曲が りを起こしたノズルの本数が10本未満であったが、60分静置すると、1色以上で 、ノズル抜けまたは飛行曲がりを起こしたノズルの本数が10本以上となった
D:室温(25℃)下に5分静置すると、1色以上で、ノズル抜けまたは飛行曲がりを 起こしたノズルの本数が10本以上となった
(評価3:印刷安定性試験)
評価1で使用したインクジェット吐出装置に、各4色セットを充填した。次いで、周波数30kHz、600×600dpiの印字条件で、王子製紙社製コート紙であるOKトップコート+(米坪量104.7g/m2)上に吐出させ、カラーチャート画像(JIS X 9204:2004、画像識別番号S6)を所定枚数連続で印刷した。そして、ノズルチェックパターンを印刷し、ノズル抜け及び飛行曲がりの発生状況を確認することで、印刷安定性の評価を行った。評価基準は下記のとおりとした。
A:カラーチャート画像を100枚印刷した後であっても、4色全てで、ノズル抜けま たは飛行曲がりを起こしたノズルの本数が10本未満であった
B:カラーチャート画像を50枚印刷した後であっても、4色全てで、ノズル抜けまた は飛行曲がりを起こしたノズルの本数が10本未満であった
C:カラーチャート画像を30枚印刷した後であっても、4色全てで、ノズル抜けまた は飛行曲がりを起こしたノズルの本数が10本未満であった
D:カラーチャート画像を30枚印刷すると、1色以上で、ノズル抜けまたは飛行曲が りを起こしたノズルの本数が10本以上となった
(評価4:印刷物乾燥性試験)
評価1で使用したインクジェット吐出装置に、各4色セットを充填した。次いで、周波数30kHz、600×600dpiの印字条件で、王子製紙社製コート紙であるOKトップコート+(米坪量104.7g/m2)上の同一箇所に、シアン水性インク、マゼンタ水性インク、イエロー水性インクをそれぞれ印字率80%となるように吐出させ、CMY3色画像(総印字率240%)の印刷を行った。そして、室温(25℃)下で所定時間静置した後に濾紙を押し付け、インクが濾紙に移らなくなるまでの時間を測定することで、印刷物乾燥性を評価した。評価基準は下記のとおりとした。
A:室温(25℃)下での静置10秒で、濾紙への移りがなくなった
B:室温(25℃)下での静置20秒で、濾紙への移りがなくなった
C:室温(25℃)下での静置30秒で、濾紙への移りがなくなった
D:室温(25℃)下での静置30秒でも、濾紙への移りがなくならなかった
(評価5:インク粘度安定性試験)
E型粘度計(東機産業社製TVE−20L)を用い、25℃、回転数50rpmという条件で、各水性インクの粘度測定を行った。次いで、前記水性インクを70℃の恒温機内に所定期間保存した後、再度水性インクの粘度を測定することで、インクの粘度安定性を評価した。評価基準は以下の通りとした。
(評価基準)
A:4色全てで、四週間保存後の粘度変化率が±10%未満であった
B:4色全てで、二週間保存後の粘度変化率が±10%未満であった
C:4色全てで、一週間保存後の粘度変化率が±10%未満であった
D:4色のうち1色以上で、一週間保存後の粘度変化率が±10%以上であった
以上より、溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜15.0(cal/cm31/2である湿潤剤を使用し、更に(メタ)アクリル樹脂(B)と併用した本発明の水性インクでは、難吸収性基材等に対する画質、及び、印刷安定性をともに向上させ、更には印刷物の乾燥性や保存安定性にも優れることが確認された。また、湿潤剤やその他の樹脂の種類を選択することで、更なる品質の向上が実現できた。

Claims (7)

  1. 着色剤、樹脂、湿潤剤、界面活性剤、水を含有するインクジェット印刷用水性インクであって、
    前記湿潤剤が、溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜15.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A)を、湿潤剤全量に対して60質量%以上含み、
    前記樹脂が、側鎖にポリジメチルシロキサン鎖構造と、ポリエーテル鎖構造とを有し、重量平均分子量が2,000〜30,000である(メタ)アクリル樹脂(B)を含み、
    前記(メタ)アクリル樹脂(B)が、水溶性であり、
    前記多価アルコール類(A)の配合量と、前記(メタ)アクリル樹脂(B)の配合量との比が、質量比で1500:1〜6:1であり、
    フッ素元素の含有量が、水性インク全量中500ppm以下である、インクジェット印刷用水性インク。
  2. 前記着色剤が顔料であり、その含有量が水性インク全量中0.5〜15質量%である、請求項1に記載のインクジェット印刷用水性インク。
  3. 前記多価アルコール類(A)の含有量が、水性インク全量中0.5〜50質量%である、請求項1または2に記載のインクジェット印刷用水性インク。
  4. 前記(メタ)アクリル樹脂(B)の添加量が、水性インク全量中0.01〜5質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット印刷用水性インク。
  5. 前記湿潤剤が、炭素数8以上の湿潤剤を水性インク全量中2質量%以上含まない、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット印刷用水性インク。
  6. 湿潤剤が、溶解度パラメータ値(SP値)が11.0〜13.0(cal/cm31/2である多価アルコール類(A1)を、湿潤剤全量に対して60質量%以上含む、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット印刷用水性インク。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載のインクジェット印刷用水性インクを用いて得られる印刷物。
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