JP6857686B2 - インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システム - Google Patents

インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システム Download PDF

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Description

1.発明の分野
本発明は、インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムに関する。
2.関連技術の記載
肝臓は、肝臓がんが発達するまでに、脂肪肝、肝線維症、および肝硬変などのステップを経る(非特許文献1、Liver Cancer. 2013 Aug; 2(3-4): 365-366)。したがって、新薬開発の初期段階において肝線維症を引き起こす薬物をスクリーニングすることは非常に重要である。
スクリーニングの初期段階において、ヒト由来細胞は培養皿で培養され、次いで薬物に直接さらされ、その後に、活性が減少したか否かを判断するために細胞活性の検討が続く。しかしながら、この検討の結果は、薬物代謝などの臨床試験結果と比較すると信頼性がない。上記問題を解決すべく、細胞は、ミクロ組織(MT)および/または細胞スフェロイドなどの小さな組織を形成するために、三次元的に培養され、その後にスクリーニングが続いた。この場合、薬物代謝酵素または活性は、培養皿で培養された肝細胞よりも高い。したがって、上記方法は、代替的な試験方法として広く用いられる。しかしながら、細胞溶解または切開のプロセスが、不都合なことに、毒性を引き起こす薬物だけでなく、長い線維状タンパク質であるコラーゲンの過剰分泌を誘発することによる、細胞内の脂肪蓄積または肝線維症を誘発する薬物をスクリーニングする場合にもまた、必要である。組織の内部状態の検討において、かかる不都合なプロセスを回避すべく、様々な周波数を伴う交流電流を流すインピーダンス分光法が研究されてきた。
細胞膜は疎水性または親水性のいずれかである脂質層から構成され、これにより、細胞膜はキャパシタとしての特徴を有する。キャパシタは、高周波数電流を通すが低周波数電流は遮断する低周波数フィルタとして作用する。
これは、高周波数および低周波数インピーダンス(電圧が回路中に適用された場合の、電流の流れを干渉する値)の間の差を介して、組織の内部状態を評価することを可能にさせる。組織の内部状態は、高周波数および低周波数の間のインピーダンス(電圧が回路内に適用された場合の、電流の流れを妨害する値)の差を通じて評価され得る。健康な組織の70%より多くは、電流をよく通すイオン水から構成される。しかしながら、薬物によって脂肪が形成された組織において、電流抵抗は上昇することから、内部インピーダンスは上昇する。
肝臓組織において肝線維症が発生する場合、線維状タンパク質が細胞間で上昇し、組織剛性の上昇につながる。組織が一定の圧力で狭い通路に置かれた場合、組織の抵抗が上昇し、これは、組織のひずみ(strain)と相関した。組織の剛性は、加えられた圧力とひずみとの比を通じて測定され得る。
上記に関連する過去の研究に基づき、本発明者らは、ミクロ組織および/または細胞スフェロイドを用いた、非侵襲的で再現性の高い様式でのスクリーニング下で、薬物により引き起こされた脂肪肝および/または肝線維症を分析し得るインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムを開発し、その結果、上記システムを用いる脂肪肝および肝線維症を評価するための方法を提供した。
Liver Cancer. 2013 Aug; 2(3-4): 365-366
本発明の側面によると、三次元の肝ミクロ組織を用いることにより、非侵襲的で再現性の高い様式で薬物誘発性脂肪肝および肝線維症を分析し得る、インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムを提供することが、本発明の目的である。
本発明の別の側面によると、上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムを用いることにより、試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法を提供することが、本発明の別の目的である。
本発明の別の側面によると、上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムを用いることにより、試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法を提供することもまた、本発明の目的である。
上記目的を達成するために、本発明は、本発明の側面によると、インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムであって、第一チューブ、および第一チューブ内に挿入され第一チューブよりも小さい長さを有する第二チューブを含む肝細胞スフェロイドひずみ発生部と、肝細胞スフェロイドひずみ発生部と接続されている、肝細胞スフェロイドのインピーダンスを測定するためのインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部とを含み、インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスから脂肪肝および肝線維症を評価する、前記システムを提供する。
本発明の別の側面において、本発明は、試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法であって、以下のステップ:
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを配置し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
上記測定された第一インピーダンスおよび第二インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること、および
上記結果を正常の対照群のそれらと比較することで、試験薬物誘発性脂肪肝を評価すること、
を含む、前記方法を提供する。
さらに、本発明は、本発明の別の側面において、試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法であって、以下のステップ:
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを配置し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを押し、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを押し、インピーダンスアナライザを用いることで第三インピーダンスを測定すること、
第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し、インピーダンスアナライザを用いることで第四インピーダンスを測定すること、
上記測定された第一インピーダンス、第二インピーダンス、第三インピーダンス、および第四インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること、および
圧力変化からスフェロイドの剛性を得ること、
を含む、前記方法を提供する。
とくに、本発明は、本発明の側面において、インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムであって、
円柱状の第一チューブ;第一チューブ内に挿入され、第一チューブの内表面と接触する外表面を有し、第一チューブよりも小さい長さを有する、円柱状の第二チューブ;第一チューブの一端に接続されており、第一チューブの一端に接続されたiチューブと、第一チューブに圧力を加えることで第一チューブ内の肝細胞スフェロイドの位置を調整するためのシリンジに接続されたiiチューブと、内部に設置されたコイル状の金(Au)ワイヤを有し、金ワイヤの一端が外側へ突出されたiiiチューブとを含む、Y状の第三チューブ;第一チューブのもう一端に接続されており、第一チューブのもう一端に接続されたIチューブと、バロメータおよびシリンジポンプにチューブを介して接続されたIIチューブと、内部に設置されたコイル状の白金(Pt)ワイヤを有し、白金ワイヤの一端が外側へ突出されたIIIチューブとを含む、Y状の第四チューブ;および、外に向かって突出した金ワイヤに接続された作用電極、および外に向かって突出した白金ワイヤに接続された対電極を含むインピーダンスアナライザ、
を含む、前記システムを提供する。
本発明の別の側面において、本発明は、試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法であって、以下のステップ:
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
iiチューブに接続されたシリンジを用いて、第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを置くこと
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて、第二チューブの内部に肝細胞スフェロイドを配置し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること;
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて、第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し(引き離し)、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること;
上記測定された第一インピーダンスおよび第二インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること;および
上記結果を正常の対照群のそれらと比較することで、試験薬物誘発性脂肪肝を評価すること、
を含む、前記方法を提供する。
さらに、本発明は、本発明の別の側面において、試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法であって、以下のステップ:
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
iiチューブに接続されたシリンジを用いて、第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを置くこと、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブの一端に肝細胞スフェロイドを固定し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて圧力を上昇させることにより第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを移動し、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて圧力を上昇させることにより第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドをさらに移動し、インピーダンスアナライザを用いることで第三インピーダンスを測定すること、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し、インピーダンスアナライザを用いることで第四インピーダンスを測定すること、
上記測定された第一インピーダンス、第二インピーダンス、第三インピーダンスおよび第四インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること、および
圧力変化からスフェロイドの剛性を得ること
を含む、前記方法を提供する。
有利な効果
本発明の一側面において提供されるインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムは、三次元の肝ミクロ組織を用い、これにより、試験薬物誘発性脂肪肝および肝線維症が、非侵襲的で再現性の高い様式で分析され得る。
図1は、本発明の一側面において提供されるインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムのイメージを説明する模式図である。 図2は、圧力変化による肝ミクロ組織(MT)の変形、インピーダンスおよび位相角の変化を示す写真およびグラフの一式であり、ここで、図2aは対照群を説明し、図2bは脂肪肝誘発薬物である0.5 Mのオレイン酸で処置された肝ミクロ組織を説明する。 図3は、圧力変化による肝ミクロ組織(MT)の抵抗パターンを説明するグラフである。
好適な態様の説明
これ以降、本発明を詳細に記載する。
本発明の一側面において、本発明は、インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムであって、第一チューブ、および第一チューブ内に挿入され第一チューブよりも小さい長さを有する第二チューブを含む肝細胞スフェロイドひずみ発生部と、肝細胞スフェロイドひずみ発生部と接続されている、肝細胞スフェロイドのインピーダンスを測定するためのインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部とを含み、インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスを通じて脂肪肝および肝線維症を評価する、前記システムを提供する。
本発明の評価システムは、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイド(またはミクロ組織、MT)を、そこに圧力を加えかつ弱い交流電流を流すことにより固定するステップによって、ミクロ組織の内部状態の観察を容易にする。脂肪肝誘発薬物に起因した、高い電流抵抗を伴う十分な脂肪を有するミクロ組織のインピーダンスは、正常の対照ミクロ組織のそれよりも高い。さらに、ミクロ組織の剛性が、ミクロ組織のインピーダンス(ひずみ)の圧力(ストレス)に対する比を通じて測定され得る。肝線維症が、肝細胞間の炎症により誘発された線維状タンパク質(例、コラーゲン)の過剰蓄積により生じた組織の剛性を測定することによって評価され得る。インピーダンスは、ミクロ組織のひずみに比例する。したがって、圧力の精密制御がストレス−ひずみ曲線を描き得、その曲線の傾斜を観察することにより剛性が評価され得る。
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムにおいて、肝細胞スフェロイドひずみ発生部は、インピーダンス測定標的である肝細胞スフェロイドを含有し、外部条件に起因する肝細胞スフェロイドの変形が生じてもよい空間になってもよい。上記肝細胞スフェロイドひずみ発生部は、第一チューブ、および第一チューブの内部に設置された第二チューブを含む。
第一チューブは、中空円筒形状または円柱状の形状を有し得る。第二チューブは、中空円筒の形状でもあり得、または、円筒やその類似体の形状であり得る。
第一チューブの内径は、第二チューブの外径と同じであり得る。第二チューブは、第一チューブの内部に設置され得、この場合、第二チューブの外表面は、第一チューブの内表面と接触する。第一チューブの内径が第二チューブの外径と同じであるので、第二チューブは第一チューブの内部に設置され得る。第二チューブは、第一チューブの内部の中心に固定され得る。第一チューブはその側面を、第二チューブと縦方向に共有する。
円柱状の第二チューブの内径は、肝細胞スフェロイドの直径よりも好ましくは小さい。円柱状の第二チューブの内径は、肝細胞スフェロイドの直径よりも小さいので、肝細胞スフェロイドは第二チューブを通過し得ず、よって、減圧により、第二チューブの一端に固定され得る。
肝細胞スフェロイドひずみ発生部は、第一チューブの一端に接続されている、第一チューブに圧力を加えることで第一チューブ内の肝細胞スフェロイドの位置を調節する第三チューブ、および、第一チューブのもう一端に接続されており、第一チューブ内の圧力を調節することで第一チューブ内の肝細胞スフェロイドの位置を調節する第四チューブを含み得る。
上記第三チューブはYの形状であり、これは、第一チューブの一端に接続されたiチューブ、第一チューブに圧力を加えることで第一チューブ内の肝細胞スフェロイドの位置を調整するためのシリンジに接続されたiiチューブ、および電極材料を含有するiiiチューブを含む。iiiチューブ内に装備された電極材料は、コイル状のワイヤの形であり、これはiチューブの内部へ伸展され得る。
上記第四チューブはYの形状であり、これは、第一チューブのもう一端に接続されたIチューブ、バロメータおよびシリンジポンプに接続されたIIチューブ、および電極材料を含有するIIIチューブを含む。IIIチューブ内に装備された電極材料はコイル状のワイヤの形であり、Iチューブの内部へ伸展され得る。
例として、iiiチューブ内に装備されたコイル状の金(Au)ワイヤはiチューブの内部へ伸展され得、IIIチューブ内に装備されたコイル状の白金(Pt)ワイヤはIチューブの内部へ伸展され得る。金および白金ワイヤが伸展された場合、金および白金ワイヤは、第一チューブ、第二チューブ、第三チューブおよび第四チューブに満たされたバッファー溶液をより容易に共有し得るので、インピーダンスにおける変化が正確かつ確実に測定され得る。
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムにおいて、インピーダンス測定部は、肝細胞スフェロイドインピーダンスを測定するため、上記肝細胞スフェロイドひずみ発生部に接続されたインピーダンスアナライザを含む。インピーダンスアナライザは、作用電極および対電極を含有し、肝細胞ひずみ発生部に接続され得る。とくに、インピーダンスアナライザにおける作用電極は、肝細胞スフェロイドひずみ発生部の電極材料を含むiiiチューブに含まれる電極材料に接続され得、好ましくは、電極材料は、外に向かって突出するコイル状の金ワイヤに接続され得る。インピーダンスアナライザにおける対電極は、肝細胞スフェロイドひずみ発生部の電極材料を含むIIIチューブに含まれる電極材料に接続され得、好ましくは、電極材料は、外に向かって突出するコイル状の白金ワイヤに接続され得る。
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムは、インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスから、脂肪肝および肝線維症を評価し得る。
とくに、本発明は、本発明の側面において、インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムであって、
円柱状の第一チューブ;第一チューブ内に挿入され、第一チューブの内表面と接触する外表面を有し、第一チューブよりも小さい長さを有する、円柱状の第二チューブ;第一チューブの一端に接続されており、第一チューブの一端に接続されたiチューブと、第一チューブに圧力を加えることで第一チューブ内の肝細胞スフェロイドの位置を調整するためのシリンジに接続されたiiチューブと、内部に設置されたコイル状の金(Au)ワイヤを有し、金ワイヤの一端が外側へ突出したiiiチューブとを含む、Y状の第三チューブ;第一チューブのもう一端に接続されており、第一チューブのもう一端に接続されたIチューブと、バロメータおよびシリンジポンプにチューブを介して接続されたIIチューブと、内部に設置されたコイル状の白金(Pt)ワイヤを有し、白金ワイヤの一端が外側へ突出したIIIチューブとを含む、Y状の第四チューブ;および、外に向かって突出した金ワイヤに接続された作用電極、および外に向かって突出した白金ワイヤに接続された対電極を含むインピーダンスアナライザ、
を含む、前記システムを提供する。
さらに、本発明は、試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法であって、以下のステップ:
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを配置し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
上記測定された第一インピーダンスおよび第二インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること、および
上記結果を正常の対照群のそれと比較することで、試験薬物誘発性脂肪肝を評価すること、
を含む、前記方法を提供する。
本発明の別の側面において、本発明は、試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法であって、以下のステップ:
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
iiチューブに接続されたシリンジを用いて、第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを置くこと、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブの一端に肝細胞スフェロイドを固定し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し(引き離し)、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
上記測定された第一インピーダンスおよび第二インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること;および
上記結果を正常の対照群のそれと比較することで、試験薬物誘発性脂肪肝を評価すること、
を含む、前記方法を提供する。
上記試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法は、第一チューブの内部に試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置き、第一チューブが第三チューブおよび第四チューブの両方に接続されるように、Y状の第三チューブとY状の第四チューブとの間に第一チューブをアレンジするステップを、追加的に含み得る。
上記第二チューブの内径は、好ましくは肝細胞スフェロイドの直径よりも小さく、その理由は上記したとおりである。
上記試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法は、好ましくは、肝細胞スフェロイドひずみ発生部がバッファー溶液で満たされながら行われる。例えば、本方法は、第一チューブ、第二チューブ、第三チューブおよび第四チューブがバッファー溶液で満たされながら実行されることが好ましい。
上記試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法は、以下のステップ:
試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドから計算された内部抵抗が正常の対照群のそれよりも大きい場合、試験薬物が脂肪肝を引き起こす毒性を有することを判断すること、
試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドから計算された外部抵抗が正常の対照群のそれよりも大きい場合、試験薬物が脂肪肝を引き起こす毒性を有することを判断すること、および/または
試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドから計算されたキャパシタンスが正常の対照群のそれよりも小さい場合、試験薬物が脂肪肝を引き起こす毒性を有することを判断すること
もまた含み得る。
さらに、本発明は、試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法であって、以下のステップ:
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを配置し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを移動し、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを移動し、インピーダンスアナライザを用いることで第三インピーダンスを測定すること、
第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し、インピーダンスアナライザを用いることで第四インピーダンスを測定すること、
上記測定された第一インピーダンス、第二インピーダンス、第三インピーダンスおよび第四インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること、および
圧力変化からスフェロイドの剛性を得ること、
を含む、前記方法を提供する。
本発明の別の側面において、本発明は、試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法であって、以下のステップ:
上記インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
iiチューブに接続されたシリンジを用いて、第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを置くこと、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブの一端に肝細胞スフェロイドを固定し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを移動し、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを移動し、インピーダンスアナライザを用いることで第三インピーダンスを測定すること、
IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し(引き離し)、インピーダンスアナライザを用いることで第四インピーダンスを測定すること、
上記測定された第一インピーダンス、第二インピーダンス、第三インピーダンスおよび第四インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること、および
圧力変化からスフェロイドの剛性を得ること、
を含む、前記方法を提供する。
試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法は、結果を対照群のそれらと比較することで試験薬物誘発性肝線維症を評価するステップを、追加的に含み得る。
試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法において、肝細胞スフェロイドは、IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブの一端に固定され、次いで、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスが測定される。次いで、IIチューブに接続されたシリンジポンプを用いて第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去する前に、インピーダンスを追加的に測定するため、減圧の程度が変更される。
例えば、第一インピーダンスを測定するステップは、以下のサブステップ:
シリンジポンプを用いて圧力を-10 mPaに設定することにより、1-1インピーダンスを測定すること、
シリンジポンプを用いて圧力を-15 mPaに設定することにより、1-2インピーダンスを測定すること、および
シリンジポンプを用いて圧力を-20 mPaに設定することにより、1-3インピーダンスを測定すること
を追加的に含み得る。
圧力がより強く加わるにつれ、肝細胞スフェロイドは、第二チューブの一端により頑丈に固定される。スフェロイドが第二チューブの内部へより深く侵入するにつれてひずみが増加し、よって、インピーダンスが上昇する。肝細胞スフェロイドの剛性が肝線維症誘発薬物によって上昇する場合、ストレスに対するインピーダンス割合は減少するだろう。
本発明の一側面において提供されるインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムは、三次元の肝ミクロ組織を用い、これにより、試験薬物誘発性脂肪肝および肝線維症が、非侵襲的で再現性の高い様式で分析され得、これは、これ以降に記載される以下の例および実験例により裏付けされる。
本発明の実践的かつ現時点での好適な態様は、以下の例において示されるように例示される。
しかしながら、当業者が、本開示を考慮の上、本発明の真意および範囲内で修正および改良を施してもよいことは理解されるだろう。
準備例1:肝ミクロ組織(MT)の形成
1. 完全に分化したHepaRG肝臓細胞株が、4,000,000 細胞/100 uLの密度で得られた。
2. Microfit Co.から提供されたC253000のマニュアルに従い、試料が調製された。400,000のHepaRG細胞が各ウェルに置かれることを可能にするように、10 μLの細胞懸濁液#1が各ウェルへ分配された。このステップは、マイクロパターンプレート法または懸滴法などの3D細胞調製方法を用いて実施され得る。
3. 細胞は3日間培養され、細胞培養培地は毎日交換された。
4. 4日目に、ミクロ組織(MT)は、100 uLの青いチップを用いて、96ウェルプレート(超低接着表面マルチプルウェルプレート、Corning)へ分配された。
例1:インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの構築
1. 1.8 mmの外径、0.4 mmの内径および5 mmの長さを有するプラスチックチップ(第二チューブ)が、2 mmの外径、1.8 mmの内径および8 cmの長さを有するガラスチューブ(第一チューブ)の中心に置かれた。
2. 2つのY状のチューブ(それぞれ、第三チューブおよび第四チューブ)が調製された。0.5 mmの直径および5 cmの長さを伴う少なくとも99%の金(Au)ワイヤが、1つのYチューブ(第三チューブ)の一方(iiiチューブ)にコイルの形状で置かれ、0.5 mmの直径および5 cmの長さを伴う少なくとも99%の白金(Pt)ワイヤが、もう1つのYチューブ(第四チューブ)の一方(IIIチューブ)にコイルの形状で置かれた。このとき、金(Au)および白金(Pt)ワイヤの末端はYチューブの外側に露出され、チューブ(iiiチューブおよびIIIチューブ)の末端は、空気および水の流れを遮断するために塞がれた。
3. 白金(Pt)ワイヤを含有するYチューブのもう一端(IIチューブ)は、チューブを介して圧力センサおよびシリンジポンプに接続され、金(Au)ワイヤを含有するYチューブのもう一端(iiチューブ)は、肝ミクロ組織(MT)の位置を手動で調整するために1 mLシリンジに接続された。
4. 各Yチューブは、PBSバッファーで満たされた。
実験例1:薬物誘発性脂肪肝毒性の評価
(例1の1から4に従う)
5a. 超低接着表面マルチプルウェルプレートに分配された肝ミクロ組織(MT)は、脂肪肝毒性誘発薬物である0.5 Mのオレイン酸で処置された。
6a. 200 μLのピペットが例1の第一ガラスチューブの末端に挿入され、肝ミクロ組織(MT)および培養培地が、気泡形成を防ぎながらガラスチューブを満たすためにもう一つの末端を通じて吸い上げられた。
7a. ガラスチューブが、例1および例4の2つのYチューブ(第三チューブおよび第四チューブ)の間に、気泡形成を防ぎながら挿入された。
8a. 液体中の気泡は除去され、各Yチューブのワイヤに同じ液体を共有させた。
9a. ポテンシオスタットまたはインピーダンスアナライザの作用電極/検出電極はYチューブ(iiiチューブ)の外に突出する金(Au)ワイヤに接続され、基準/対電極はもう一つのYチューブ(IIIチューブ)の外に突出する白金(Pt)ワイヤに接続された。
図1は、本発明の一側面において提供されるインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムのイメージを説明する模式図を提供する。
10a. 1 mLのシリンジを用いることにより、肝ミクロ組織(MT)はプラスチックチップの末端に置かれた。
11a. シリンジポンプを用いることにより圧力は-5 mPaに設定され、肝ミクロ組織(MT)は圧力差によりプラスチックチップに固定された。
12a. 交流電流インピーダンスは、肝ミクロ組織(MT)およびPBSバッファーのインピーダンスを測定するために、106 Hzから10-2 Hzまで、50 mVの固定電圧で測定された。
13a. シリンジポンプの圧力は、プラスチックチップから肝ミクロ組織(MT)の除去をさせることを可能にするために、10 mPaで設定された。
14a. インピーダンスは、PBSバッファー(バックグラウンド)のインピーダンスを測定するために、106 Hzから10-2 Hzまで、50 mVの固定電圧で測定された。
15a. 12aの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンス、ならびに14aの抵抗およびキャパシタンスは、フィッティングプログラム(例、Zview)を用いることで測定された。
16a. 肝ミクロ組織(MT)の内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスは、正常の対照群のそれらと比較された。このとき、正常の対照群は、脂肪肝毒性誘発薬物として認識されているオレイン酸で処置されていない肝ミクロ組織(MT)を意味する。
17a. オレイン酸により肝臓組織内で脂肪が形成された場合、電流が干渉され、よって、内部抵抗が上昇した。細胞サイズが上昇した場合、細胞間隙を反映する外部抵抗値が上昇した。キャパシタンスは、細胞膜の安定性を反映する。したがって、試験薬物が毒性を有すると、キャパシタンスは減少する。
結果は、図2a、図2bおよび図3にて示される。
図2は、圧力変化による肝ミクロ組織(MT)の変形、インピーダンス、および位相角における変化を示す写真およびグラフの一式であり、ここで、図2aは、対照群を説明し、図2bは、オレイン酸で処置された肝ミクロ組織を説明する。
図3は、圧力変化による肝ミクロ組織(MT)の抵抗パターンを説明するグラフである。
図2a、図2bおよび図3にて示されるように、オレイン酸により脂肪が肝ミクロ組織(MT)内に形成され、したがって、インピーダンスおよび抵抗が、正常の対照群と比較して、上昇した。
上記結果から、本発明の一側面において提供されるインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムが三次元の肝ミクロ組織を用いることにより、試験薬物誘発性脂肪肝および肝線維症が、非侵襲的で再現性の高い様式で分析され得ることが確認された。
実験例2:薬物誘発性肝線維症毒性の評価
(例1の1から4に従う)
5b. 超低接着表面マルチプルウェルプレートに分配された肝ミクロ組織(MT)は、肝線維症誘発薬物であるTGF-βで処置された。
6b〜12b. これらのステップは、実験例1の6a〜12aと同じ様式によって実施された。
13b. シリンジポンプの圧力は-10 mPaに設定され、これにより、肝ミクロ組織(MT)はより密接にプラスチックチップに固定された。
14b. 交流電流インピーダンスは、肝ミクロ組織(MT)およびPBSバッファー(バックグラウンド)のインピーダンスを測定するために、106 Hzから10-2 Hzまで、50 mVの固定電圧で測定された。
15b. シリンジポンプの圧力は-15 mPaに設定され、これにより、肝ミクロ組織(MT)は、より頑丈にプラスチックチップに固定された。
16b. 交流電流インピーダンスは、肝ミクロ組織(MT)およびPBSバッファー(バックグラウンド)のインピーダンスを測定するために、106 Hzから10-2 Hzまで、50 mVの固定電圧で測定された。
17b. シリンジポンプの圧力は-20 mPaに設定され、これにより、肝ミクロ組織(MT)は、より頑丈にプラスチックチップに固定された。
18b. 交流電流インピーダンスは、肝ミクロ組織(MT)およびPBSバッファー(バックグラウンド)のインピーダンスを測定するために、106 Hzから10-2 Hzまで、50 mVの固定電圧で測定された。
19b. シリンジポンプの圧力は、プラスチックチップから肝ミクロ組織(MT)の除去をさせることを可能にするために、10 mPaで設定された。
20b. インピーダンスは、PBSバッファー(バックグラウンド)のインピーダンスを測定するために、106 Hzから10-2 Hzまで、50 mVの固定電圧で測定された。
21b. 12b、14b、16bおよび18bの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンス、ならびに20bの抵抗およびキャパシタンスは、フィッティングプログラム(例、Zview)を用いることで測定された。
22b. 上記測定された内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスは、PBSインピーダンスを除き、対照群のそれらと比較された。このとき、正常の対照群は、肝線維症毒性誘発薬物として認識されているTGF-βで処置されていない肝ミクロ組織(MT)を意味する。
23b. インピーダンスは、肝ミクロ組織(MT)のひずみに比例して上昇した。したがって、ストレスに従うひずみの変化は、圧力およびインピーダンスの傾斜として表現され得る。肝ミクロ組織(MT)の剛性が肝線維症誘発薬物のようなものにより上昇した場合、ひずみのストレスに対する比が低減した。

Claims (14)

  1. インピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムであって、
    第一チューブ、および第一チューブ内に挿入され第一チューブよりも小さい長さを有する第二チューブを含む肝細胞スフェロイドひずみ発生部と、
    肝細胞スフェロイドひずみ発生部と接続されている、肝細胞スフェロイドのインピーダンスを測定するためのインピーダンスアナライザを含むインピーダンス測定部とを含み、
    インピーダンス測定部で測定されたインピーダンスから脂肪肝および肝線維症を評価
    肝細胞スフェロイドひずみ発生部が、
    第一チューブの一端に接続されており、第一チューブに圧力を加えることで第一チューブ内の肝細胞スフェロイドの位置を調節する第三チューブ、および
    第一チューブのもう一端に接続されており、第一チューブ内の圧力を調節することで第一チューブ内の肝細胞スフェロイドの位置を調節する第四チューブ
    を含む、前記システム。
  2. 第一チューブの内径が第二チューブの外径と同じであり、第二チューブの内径が肝細胞スフェロイドの直径よりも小さい、請求項1に記載のインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システム。
  3. 第三チューブが、
    Yの形状であり、
    第一チューブの一端に接続されたiチューブ、第一チューブに圧力を加えることで第一チューブ内の肝細胞スフェロイドの位置を調整するためのシリンジに接続されたiiチューブ、および電極材料を含有するiiiチューブを含む、
    請求項に記載のインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システム。
  4. 第四チューブが、
    Yの形状であり、
    第一チューブのもう一端に接続されたIチューブ、バロメータおよびシリンジポンプに接続されたIIチューブ、および電極材料を含有するIIIチューブを含む、
    請求項に記載のインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システム。
  5. iiiチューブに含有された電極材料が、コイル状のワイヤの形でありiチューブの内部へ伸展している、
    請求項に記載のインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システム。
  6. IIIチューブに含有された電極材料が、コイル状のワイヤの形でありIチューブの内部へ伸展している、
    請求項に記載のインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システム。
  7. 試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法であって、以下のステップ:
    請求項1に記載のインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
    第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを配置し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
    第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
    上記測定された第一インピーダンスおよび第二インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること、および
    上記結果を正常の対照群のそれらと比較することで、試験薬物誘発性脂肪肝を評価すること、
    を含む、前記方法。
  8. 肝細胞スフェロイドひずみ発生部がバッファーで満たされながら行われる、請求項に記載の試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法。
  9. 試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドから計算された内部抵抗が正常の対照群のそれよりも大きい場合、試験薬物が脂肪肝を引き起こす毒性を有することを判断するステップを追加的に含む、
    請求項に記載の試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法。
  10. 試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドから計算された外部抵抗が正常の対照群のそれよりも大きい場合、試験薬物が脂肪肝を引き起こす毒性を有することを判断するステップを追加的に含む、
    請求項に記載の試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法。
  11. 試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドから計算されたキャパシタンスが正常の対照群のそれよりも小さい場合、試験薬物が脂肪肝を引き起こす毒性を有することを判断するステップを追加的に含む、
    請求項に記載の試験薬物誘発性脂肪肝を評価するための方法。
  12. 試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法であって、以下のステップ:
    請求項1に記載のインピーダンスに基づく脂肪肝および肝線維症評価システムの第一チューブの内部に、試験薬物で処置された肝細胞スフェロイドを置くこと、
    第二チューブの一端に接触させるよう肝細胞スフェロイドを配置し、インピーダンスアナライザを用いることで第一インピーダンスを測定すること、
    第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを押し、インピーダンスアナライザを用いることで第二インピーダンスを測定すること、
    第二チューブの内部へ肝細胞スフェロイドを押し、インピーダンスアナライザを用いることで第三インピーダンスを測定すること、
    第二チューブから肝細胞スフェロイドを除去し、インピーダンスアナライザを用いることで第四インピーダンスを測定すること、
    上記測定された第一インピーダンス、第二インピーダンス、第三インピーダンス、および第四インピーダンスに基づき、肝細胞スフェロイドの内部抵抗、外部抵抗およびキャパシタンスを得ること、および
    圧力変化からスフェロイドの剛性を得ること、
    を含む、前記方法。
  13. 第二チューブの内径が肝細胞スフェロイドの直径よりも小さい、請求項12に記載の試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法。
  14. 肝細胞スフェロイドひずみ発生部がバッファーで満たされながら行われる、請求項12に記載の試験薬物誘発性肝線維症を評価するための方法。
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