JP6856661B2 - 機能性フィルムおよび有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は、機能性フィルムおよびこれを用いた有機EL素子に関する。
有機TFTを用いたPE(Printable Electronics)センサーや電子デバイス素子、有機太陽電池、光学素子、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置、各種の半導体装置等の各種装置において、防湿性が必要な部位や部品、食品や電子部品、医療用部品等を包装する包装材料などガスバリアフィルムが利用されている。
近年、有機デバイス(有機TFTデバイス、有機太陽電池デバイス、有機ELデバイス等)の分野においては、ガラス基板に代わって、透明ガスバリアフィルムに対するニーズが高まっている。透明ガスバリアフィルムは軽量であり、ロールトゥロール(Rollto Roll)方式に適用可能であることから、コストの点で有利である。しかし、透明ガスバリアフィルムはガラス基板と比較して水蒸気バリア性に劣るという問題がある。
ガスバリアフィルムは、一般的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のプラスチックフィルムを支持体として、その上に、ガスバリア性を発現するガスバリア層を形成してなる構成を有する。また、ガスバリアフィルムに用いられるガスバリア層としては、例えば、窒化ケイ素、酸化珪素、酸化アルミニウム等の各種の無機化合物からなる層が知られている。
これらの無機化合物からなる無機層の形成には、スパッタリングやプラズマCVD(chemical vapor deposition)等の真空成膜法による薄膜形成が成膜に利用されている。
また、ガスバリアフィルムには、優れたガスバリア性のみならず、高い透過性(高い可視光透過率)や高い耐酸化性など、用途に応じて、各種の特性が要求される。
特に、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイあるいは太陽電池等のように光を透過させる必要がある装置に用いられる場合には、高い透明性を有することが求められる。
このようなガスバリアフィルムにおいて、より高いガスバリア性能が得られる構成として、支持体の上に、有機化合物からなる有機層と、無機化合物からなる無機層とを交互に積層した積層構造を有する、有機無機積層型のガスバリアフィルム(以下、積層型のガスバリアフィルムとも言う)が知られている。
積層型のガスバリアフィルムでは、下地となる有機層の上に無機層を形成することにより、有機層によって無機層の形成面を平滑化して、良好な平滑性を有する有機層の上に無機層を形成する。これにより、ヒビや割れ等のない均一な無機層を形成して、優れたガスバリア性能を得ている。また、この有機層と無機層との積層構造を、複数、繰り返し有することにより、より優れたガスバリア性能を得ることができる。
例えば、特許文献1には、支持体と、この支持体の上に形成された有機層と、有機層の上に形成される無機層とを有する機能性フィルムが記載されている。
特開2013−31794号公報
ここで、フラットなガスバリアフィルムを有機デバイスに使用した場合に、有機デバイスとデバイスを配置する基材に追従する(密着する)ようにガスバリアフィルムを曲げながら貼り合わせるため、ヒビや割れ等が生じ、バリア性能が不十分になるという問題が生じる。
本発明の課題は、上記事情に鑑みてなされたものであって、分離された領域を形成することで、高いガスバリア性を発現できる機能性フィルムおよびこれを用いた有機EL素子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、酸素に対する不透過性を有し、離散的に配置された複数の凹部が形成された樹脂層を有し、樹脂層は、弾性率が0.5GPa以上10GPa以下であり、樹脂層の酸素透過度が10cc/(m2・day・atm)以下であることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
(1) 酸素に対する不透過性を有し、離散的に配置された複数の凹部が形成された樹脂層を有し、樹脂層は、弾性率が0.5GPa以上10GPa以下であり、樹脂層の酸素透過度が10cc/(m2・day・atm)以下である機能性フィルム。
酸素透過度はMOCON社製、OX−TRAN 2/20を用いて測定できる。
(2) 複数の凹部が形成された面とは反対側に基材フィルムを有する(1)に記載の機能性フィルム。
(3) 基材フィルムの酸素透過度が1cc/(m2・day・atm)以下である(2)に記載の機能性フィルム。
(4) 樹脂層の凹部側の面に、少なくとも無機層が形成された(1)〜(3)のいずれかに記載の機能性フィルム。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の機能性フィルムを使用した有機EL素子。
(6) 樹脂層の凹部の側面と底面との接続部分、ならびに、樹脂層の表面と凹部の側面との接続部分の曲率半径が5μm以上200μm以下である(1)〜(4)に記載の機能性フィルム。
(7) 樹脂層の凹部の深さhが1μm以上100μm以下であり、
隣接する凹部の間の幅tが5μm以上300μm以下であり、
隣接する凹部の間の幅tと凹部の深さhとのアスペクト比h/tが3.0未満である(1)〜(4)、および、(6)のいずれかに記載の機能性フィルム。
(8) 樹脂層は、散乱粒子を含む(1)〜(4)、(6)および(7)のいずれかに記載の機能性フィルム。
(9) 凹部は、平面視において正多角形である(1)〜(4)、および、(6)〜(8)のいずれかに記載の機能性フィルム。
本発明によれば、分離された領域を形成することで、高いガスバリア性を発現でき、また、高い透明性を有する機能性フィルムおよび有機EL素子を提供することができる。
本発明の機能性フィルムの一例を模式的に示す斜視図である。 図1の機能性フィルムの断面図である。 本発明の機能性フィルムの他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の機能性フィルムの他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の機能性フィルムの他の一例を模式的に示す断面図である。 凹部の角部の曲率半径を説明するための概略断面図である。 本発明の有機EL素子の一例を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る機能性フィルムおよび有機EL素子の実施の形態について説明する。本明細書の図面において、視認しやすくするために各部の縮尺を適宜変更して示している。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、『(メタ)アクリレート』とは、アクリレートとメタクリレートとの少なくとも一方、または、いずれかの意味で用いるものとする。『(メタ)アクリロイル』等も同様である。
<機能性フィルム>
本発明の機能性フィルムは、
酸素に対する不透過性を有し、離散的に配置された複数の凹部が形成された樹脂層を有し、樹脂層は、弾性率が0.5GPa以上10GPa以下であり、樹脂層の酸素透過度が10cc/(m2・day・atm)以下である機能性フィルムである。
図1は、本発明に係る機能性フィルムの一例を模式的に示す斜視図であり、図2は図1の断面図である。
図1および図2に示す機能性フィルム1aは、樹脂層3を有し、樹脂層3の一方の面に、凹部2が複数、離散的に形成されている。
樹脂層3は、弾性率が0.5GPa以上10GPa以下であり、酸素透過度が10cc/(m2・day・atm)以下である。
凹部2には機能性の素材、例えば有機デバイスを配置することができ、図示しない別のガラス基板やガスバリアフィルムで封止することで、機能性の素材を水分や酸素から保護することができる。
本明細書において、「フィルム上において、・・・凹部が複数、離散的に配置され」とは、図1に示すように、機能性フィルムのフィルム面に垂直な方向から観察(平面視)した際に、樹脂層3のフィルム面に沿った二次元方向において複数の凹部2が互いに接触しないで孤立して配置されていることを意味する。図1に示す例においては、凹部2は四角柱状であり、機能性フィルム1aのフィルム面に沿った二次元方向において酸素に対する不透過性を有する樹脂層3に囲まれて個々孤立しており、個々の凹部2への機能性フィルム1aのフィルム面に沿った二次元方向からの酸素の侵入が遮断されている。
本明細書において「酸素に対する不透過性を有する」とは、酸素透過度が10cc/(m2・day・atm)以下であることを意味する。酸素に対する不透過性を有する樹脂層の酸素透過度は1cc/(m2・day・atm)以下であることがより好ましく、さらに好ましくは、10-1cc/(m2・day・atm)以下である。なお、本明細書において「不透過性を有する」と「バリア性を有する」とは同義で用いている。すなわち、本明細書において、ガスバリアとは、ガス(気体)に対して不透過性を有することを意味し、水蒸気バリアとは、水蒸気に対して不透過性を有することを意味する。また、酸素および水蒸気の両者に対して不透過性を有する層については、「バリア層」と称する。
前述のとおり、本発明者の検討によれば、フラットなガスバリアフィルムを有機デバイスの封止に使用した場合に、有機デバイスとデバイスを配置する基材に追従する(密着する)ようにガスバリアフィルムを曲げながら貼り合わせるため、ヒビや割れ等が生じ、バリア性能が不十分になるという問題が生じることがわかった。
これに対して、本発明の機能性フィルムは、酸素に対する不透過性を有し、離散的に配置された複数の凹部が形成された樹脂層を有し、樹脂層は、弾性率が0.5GPa以上10GPa以下であり、樹脂層の酸素透過度が10cc/(m2・day・atm)以下である。
離散的に配置された複数の凹部が形成され、バリア性を有する樹脂層を有する機能性フィルムを、凹部内に有機デバイスが配置されるように設置することで(図7参照)、ガスバリアフィルムを曲げながら貼り合わせる必要がなくなり、ヒビや割れ等の発生を抑制できる。
以上のとおり、本発明の機能性フィルムは、酸素に対する不透過性を有し、離散的に配置された複数の凹部が形成された樹脂層を有し、樹脂層は、弾性率が0.5GPa以上10GPa以下であり、樹脂層の酸素透過度が10cc/(m2・day・atm)以下である構成とすることで、ガスバリアフィルムを曲げながら貼り合わせる必要がなくなり、ヒビや割れ等の発生を抑制でき、高いガスバリア性を発現できる。
ここで、本発明の機能性フィルムにおいては、凹部2が配置される樹脂層3の凹部2の深さをhとし、隣接する凹部2間の幅、すなわち、樹脂層3の厚みをtとすると、樹脂層3の凹部2の深さhが1μm以上100μm以下であるのが好ましく、隣接する凹部2の間の幅tが5μm以上300μm以下であるのが好ましく、隣接する凹部2間の幅tと深さhとのアスペクト比h/tが3.0未満であるのが好ましい。
なお、樹脂層3に形成される凹部の深さhは、機能性フィルムの凹部の部分をミクロトームで切断して断面を形成し、この断面を光学顕微鏡を用いて観察し、凹部を10個抽出して深さを測定して平均値として求める。
また、隣接する凹部2間の幅t(樹脂層3部分の厚みt)は、隣接する凹部2間の最短距離であり、機能性フィルムの一方の面から、光学顕微鏡を用いて表面を観察し、隣接する凹部2の間の樹脂層3部分を少なくとも20個抽出し、その幅を読み取って、これらの平均値を幅tとして算出する。
また、平面視における、機能性フィルム全体の面積に対する凹部2の面積の比率は、顕微鏡を用いて機能性フィルムの表面を真上から観察し、30mm×30mmの視野(5箇所)について、凹部の面積の合計と視野の面積(幾何学的面積)とから、比率(凹部の面積/幾何学的面積)から算出し、各視野(5箇所)における平均値を面積の比率として算出した。
また、樹脂層3に形成される凹部2の角部の曲率半径が5μm以上200μm以下であることが好ましい。ここで、凹部2の角部の曲率半径とは、樹脂層3の凹部2の側面と底面との接続部分(図6中、符号7で示す)の曲率半径、ならびに、樹脂層3の表面と凹部2の側面との接続部分(図6中、符号8で示す)の曲率半径である。
樹脂層3に形成される凹部の角部の曲率半径を5μm以上200μm以下とすることにより、樹脂層表面に無機バリア層等を設ける場合に欠陥なく作製することができ、バリア性の低下を抑制できる。
なお、凹部の角部の曲率半径は、機能性フィルムの凹部の部分をミクロトームで切断して断面を形成し、この断面を光学顕微鏡を用いて観察し、凹部を10個抽出して測定し、平均値として求める。
また、図1および図2に示す機能性フィルム1aは、樹脂層3からなる構成としたが、これに限定はされず、図3に示す機能性フィルム1bのように、樹脂層3を基材フィルム4の上に形成したものでもよい。
図3に示すように、基材フィルム4は、樹脂層3の凹部2が形成された面とは反対側の面に積層される。
基材フィルム4の存在により、機能性フィルムの強度が向上され、且つ、容易に製膜を実施することが可能となる。
基材フィルム4は酸素に対して不透過性を有するものであることが好ましく、酸素透過度が1cc/(m2・day・atm)以下であることが好ましい。
これにより、機能性フィルムのガスバリア性がより向上する。
なお、図3では、基材フィルム4は単層のフィルムからなる構成を例示したが、これに限定はされず、複数の層が積層された積層フィルムであってもよい。例えば、図4に示す機能性フィルム1cのように、支持フィルム9の一面にバリア層5を備える基材フィルム4を用いる構成としてもよい。
すなわち、樹脂層と支持フィルムとの間に、酸素に対する不透過性を有するバリア層が積層された構造としてもよい。
さらに、図5に示す機能性フィルム1dのように樹脂層3の凹部2側の表面に少なくとも無機層を含む凹凸部バリア層6を形成したものであってもよい。
また、凹部2の大きさや配置パターンは特に限定されず、所望の条件によって適宜設計すればよい。設計においては、凹部を平面視において互いに離間して配置するための幾何学的制約を考慮する。また、例えば、凹部の形成方法の1つとして印刷法を用いる場合、個々の占有面積(平面視において)がある程度の大きさ以上でないと印刷ができないという制約もある。さらには、隣接する凹部の最短距離は、酸素透過度10cc/(m・day・atm)以下を実現できる距離とする必要がある。これらを鑑みて所望の形状、大きさおよび配置パターンを設計すればよい。
上記実施形態においては、図1に示すように凹部2は四角柱状であり、平面視において四角形であるが、凹部2の形状は特に制限はない。凹部2は多角柱や円柱であってもよい。また、上述の例においては円柱あるいは多角柱の底面が基材フィルム面に平行に配置されているが、必ずしも底面が基材フィルム面に平行に配置されていなくても構わない。また、各凹部2の形状は不定形であっても構わない。
また、上記実施形態においては、凹部2は周期的にパターン配置されているが、複数の凹部2が離散的に配置されていれば所望の性能が損なわれない限りにおいて、非周期的であってもよい。
また、凹部2の配置および形状は、組み合わされる有機デバイスの配置および大きさ等に応じて、設定されてもよい。
以下に、本発明の機能性フィルムの各構成要素について説明する。
<<酸素に対して不透過性を有する樹脂層>>
酸素に対して不透過性を有する樹脂層を形成する硬化性化合物としては、(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ系化合物などのガスバリア性の高い樹脂層を形成できるものが特に好ましい。
上述した硬化性化合物の中でも、(メタ)アクリレート化合物が、組成物粘度、光硬化性の観点から好ましく、アクリレートがより好ましい。また、本発明では、重合性官能基を2つ以上有する多官能重合性化合物が好ましい。本発明では特に、単官能(メタ)アクリレート化合物と多官能(メタ)アクリレート化合物の配合比が、重量比で80/20〜0/100が好ましく、70/30〜0/100がより好ましく、40/60〜0/100であることが好ましい。適切な比率を選択することで、十分な硬化性を有し、且つ組成物を低粘度とすることができる。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物において、上記2官能(メタ)アクリレートと上記3官能以上の(メタ)アクリレートの比率は、質量比で100/0〜20/80が好ましく、より好ましくは100/0〜50/50、さらに好ましくは100/0〜70/30である。上記3官能以上の(メタ)アクリレートは上記2官能(メタ)アクリレートよりも粘度が高いため、上記2官能(メタ)アクリレートが多い方が本発明における酸素に対して不透過性を有する樹脂層用硬化性化合物の粘度を下げられるため好ましい。
重合性化合物としては芳香族構造および/または脂環炭化水素構造を有する置換基を含有している化合物を含むことが酸素に対する不透過性を高める観点から好ましく、芳香族構造および/または脂環炭化水素構造を有する重合性化合物を成分中50質量%以上含有していることがより好ましく、80質量%以上含有していることがさらに好ましい。芳香族構造を有する重合性化合物としては、芳香族構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。芳香族構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、ナフタレン構造を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、例えば1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチルエチル(メタ)アクリレート、芳香環上に置換基を有するベンジルアクリレートなどの単官能アクリレート、カテコールジアクリレート、キシリレングリコールジアクリレートなどの2官能アクリレートが特に好ましい。脂環炭化水素構造を有する重合性化合物としてはイソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
また、重合性化合物として、(メタ)アクリレートを用いる場合、硬化性に優れる観点からメタアクリレートよりも、アクリレートの方が好ましい。
樹脂層3は、樹脂層3を挟んで隣接する凹部2間の最短距離における酸素透過度が10cc/(m2・day・atm)以下を満たすことが好ましい。樹脂層38の、隣接する凹部2間の最短距離における酸素透過度は1cc/(m2・day・atm)以下であることがより好ましく、10-1cc/(m2・day・atm)以下であることがさらに好ましい。樹脂層3の組成により、凹部2間の必要最短距離は異なる。
酸素透過度は、SI単位として、fm/(s・Pa)を用いることができる。1fm/(s・Pa)=8.752cc/(m2・day・atm)で換算することが可能である。fmはフェムトメートルと読み、1fm=10-15mを表わす。
樹脂層3の組成により、凹部2間の必要最短距離は異なる。なお、樹脂層3の隣接する凹部2間の最短距離とは、機能性フィルム主面より観察した場合の隣接する凹部2間のフィルム面内における最短距離のことを意味する。また、以下では隣接する凹部2間の最短距離を樹脂層の幅と記載することもある。
上述のように樹脂層3の組成により凹部2間の必要最短距離は異なるが、一例として隣接する凹部2間の最短距離、すなわち樹脂層の幅としては5μm以上300μm以下が好ましく、10μm以上200μm以下がより好ましく、15μm以上100μm以下がさらに好ましい。樹脂層の幅が短すぎると必要な酸素透過度を確保することが難しく、樹脂層の幅が長すぎると機能性素材の単位面積あたりの割合が少なくなり、十分な機能を発揮できなくなる。
樹脂層3は、弾性率が0.5GPa以上10GPa以下であり、1GPa以上7GPa以下であることがより好ましく、3GPa以上6GPa以下であることが特に好ましい。樹脂層の弾性率をこの範囲にすることで、酸素透過度を維持しつつ、樹脂層を形成する際の欠損を防ぐことができ、好ましい。
樹脂層の弾性率は、JIS K7161等に例示される方法で測定される。
樹脂層3の形成材料として、2官能以上の光重合性架橋基を有する化合物が好ましく、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールaジ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビスフェノールa型エポキシ等が挙げられる。中でも酸素に対する不透過性を高める観点からウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ化合物を少なくとも含むことが好ましい。ウレタン結合やヒドロキシル基、カルボキシル基などの極性官能基有する化合物を用いることで分子間の相互作用を高め、酸素に対する不透過性が高い樹脂層が得られる。
(添加剤)
樹脂層の形成材料には必要に応じて、光重合開始剤、無機層状化合物、光散乱粒子、酸化防止剤、剥離促進剤、溶剤等が含まれていても良い。
(光重合開始剤)
樹脂層3を形成する硬化性化合物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、光照射により上述の重合性化合物を重合する活性種を発生する化合物であればいずれのものでも用いることができる。光重合開始剤としては、カチオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤が挙げられ、樹脂層の形成材料に応じて適切に選ばれる。
(無機層状化合物)
樹脂層3を形成する硬化性化合物は無機層状化合物等の、樹脂層中で気体分子の拡散長を伸ばし、ガスバリア性を向上させる、いわゆる迷路効果を付与する化合物を含んでいても良い。そのような無機層状化合物としては例えば、タルク、雲母、長石、カオリナイト(カオリンクレー)、パイロフィライト(ろう石クレー)、セリサイト(絹雲母)、ベントナイト、スメクタイト・バーミキュライト類(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイトなど)、有機ベントナイト、有機スメクタイト、平板アルミナなどの平板無機酸化物などが挙げられる。また、無機層状化合物は樹脂形成材料への分散性を高めるために表面処理が施されていても良い。さらに上述の迷路効果に優れる観点から、無機層状化合物のアスペクト比が10〜1000であるものが好ましい。アスペクト比が10以下であると迷路効果によるガスバリア性向上効果が低く、アスペクト比が1000以上であると脆いため作製プロセス中に粉砕される可能性がある。
これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。市販されている層状化合物としては、例えば、無機化合物としては、白石カルシウム(株)製のST−501、ST−509、片倉コープアグリ(株)製のソマシフシリーズ、ミクロマイカシリーズ、キンセイマティック(株)製のセラフシリーズが挙げられる。中でも、本発明の機能性フィルムにおいては透明性の高いセラフシリーズが好適に用いることができる。
<<基材フィルム>>
基材フィルム4は、酸素の透過を抑制する機能を有するフィルムであることが好ましい。図4に示す実施形態では、支持フィルム9の一面にバリア層5を備えた構成を有している。かかる態様では、支持フィルム9の存在により、機能性フィルムの強度が向上され、且つ、容易に製膜を実施することが可能となる。なお、図4に示す実施形態では支持フィルム9の一面にバリア層5を備える構成であるが、図3に示すようにバリア性を充分有する支持体のみにより基材フィルムが構成されていてもよい。
基材フィルム4は、可視光に対して透明である可撓性を有する帯状の支持体が好ましい。ここで可視光に対して透明とは、可視光領域における線透過率が、80%以上、好ましくは85%以上であることをいう。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。可撓性を有する支持体については、特開2007−290369号公報段落0046〜0052、特開2005−096108号公報段落0040〜0055を参照できる。
また、基材フィルム4に形成されるバリア層5は、可視光領域における全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。可視光領域とは、380〜780nmの波長領域をいうものとし、全光線透過率とは、可視光領域にわたる光透過率の平均値を示す。
基材フィルム4は、酸素透過度が1.00cc/(m2・day・atm)以下であることが好ましい。酸素透過度は、より好ましくは0.1cc/(m2・day・atm)以下、さらに、好ましくは0.01cc/(m2・day・atm)以下であり、特に好ましいのは0.001cc/(m2・day・atm)以下である。ここで、酸素透過度は、測定温度23℃、相対湿度90%の条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。
基材フィルム4は、酸素を遮断するガスバリア機能に加え、水分(水蒸気)を遮断する機能を有していることが好ましい。基材フィルム4は、透湿度(水蒸気透過度)は0.10g/(m・day・atm)以下であることが好ましく、0.01g/(m・day・atm)以下であることがより好ましい。
基材フィルム4の平均膜厚は、機能性フィルムの耐衝撃性等の観点から、10μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上400μm以下であることがより好ましく、30μm以上300μm以下であることが好ましい。デバイスの薄型化の観点から、基材フィルム4の平均膜厚は、40μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがさらに好ましい。
また、基材フィルム4は、波長589nmにおける面内リターデーションRe(589)が1000nm以下であることが好ましい。500nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましい。
機能性フィルムを作製した後、異物や欠陥の有無を検査する際、2枚の偏光板を消光位に配置し、その間に機能性フィルムを差し込んで観察することで、異物や欠陥を見つけやすい。支持体のRe(589)が上記範囲であると、偏光板を用いた検査の際に、異物や欠陥をより見つけやすくなるため、好ましい。
ここで、Re(589)は、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)を用いて、入力波長589nmの光をフィルム法線方向に入射させることにより測定することができる。
(支持フィルム)
支持フィルム9は、酸素および水分に対するバリア性を有することが好ましい。かかる支持フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、環状オレフィン構造を有するポリマーからなるフィルム、およびポリスチレンフィルム等が、好ましい例として挙げられる。
(バリア層)
基材フィルム4が有する、樹脂層3に接して形成されてなるバリア層5、および、凹部2上に形成される凹凸部バリア層6は、少なくとも一層の無機層を含む。
なお、バリア層5と凹凸部バリア層6とは、形成される位置および形状が異なる以外は同様の構成を有するので、以下の説明においてバリア層5と凹凸部バリア層6とを区別する必要が無い場合には、両者をまとめてバリア層として説明を行う。
バリア層としては、少なくとも無機層1層と少なくとも1層の有機層を含むものであってもよい。このように複数の層を積層することは、より一層バリア性を高めることができるため、耐光性向上の観点からは好ましい。他方、積層する層の数が増えるほど、基材フィルムの光透過率は低下する傾向があるため、良好な光透過率を維持し得る範囲で、積層数を増やすことが望ましい。
バリア層は、可視光領域における全光線透過率が好ましくは80%以上であり、かつ、酸素透過度が1.00cc/(m2・day・atm)以下であることが好ましい。
バリア層の酸素透過度は、より好ましくは0.1cc/(m2・day・atm)以下、特に好ましくは0.01cc/(m2・day・atm)以下であり、より特に好ましいのは0.001cc/(m2・day・atm)以下である。
酸素透過度は低いほど好ましく、可視光領域における全光線透過率は高いほど好ましい。
−無機層−
無機層とは、無機材料を主成分とする層であり、無機材料が50質量%以上、さらには80質量%以上、特に90質量%以上を占める層が好ましく、好ましくは無機材料のみから形成される層である。
無機層は酸素を遮断するガスバリア機能を有する層であることが好ましい。具体的には、無機層の酸素透過度は、1.00cc/(m2・day・atm)以下であることが好ましい。無機層の酸素透過度はオービスフェアラボラトリー社製型酸素濃度計の検出部に波長変換層を、シリコングリスを介して貼付し、平衡酸素濃度値から酸素透過度を換算して求めることができる。無機層は、水蒸気を遮断する機能を有することも好ましい。
無機層は、バリア層中に2つまたは3つ以上含まれていてもよい。
無機層の厚さは、1〜500nmであればよく、5〜300nmであることが好ましく、特に10〜150nmのであることが好ましい。無機層の膜厚が、上述した範囲内であることにより、良好なバリア性を実現しつつ、無機層における反射を抑制することができ、光透過率がより高い機能性フィルムを提供できるからである。
無機層を構成する無機材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属、または無機酸化物、窒化物、酸化窒化物等の各種無機化合物を用いることができる。無機材料を構成する元素としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズ、インジウムおよびセリウムが好ましく、これらを一種または二種以上含んでいてもよい。無機化合物の具体例としては、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム合金、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、および窒化チタンを挙げることができる。また、無機層として、金属膜、例えば、アルミニウム膜、銀膜、錫膜、クロム膜、ニッケル膜あるいはチタン膜を設けてもよい。
上記の材料の中でも、上記バリア性を有する無機層が窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化ケイ素および酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種の化合物を含む無機層であることが特に好ましい。これらの材料からなる無機層は、有機層との密着性が良好であることから、無機層にピンホールがある場合でも、有機層がピンホールを効果的に埋めることができ、破断を抑制できるとともに、さらに無機層を積層したケースにおいても極めて良好な無機層膜形成ができ、バリア性をより一層高くすることができるからである。また、バリア層における光の吸収を抑制する観点からは、窒化ケイ素がもっとも好ましい。
無機層の形成方法としては、特に限定されず、例えば製膜材料を蒸発ないし飛散させ被蒸着面に堆積させることができる各種製膜方法を用いることができる。
無機層の形成方法の例としては、無機酸化物、無機窒化物、無機酸化窒化物、金属等の無機材料を、加熱して蒸着させる真空蒸着法;無機材料を原料として用い、酸素ガスを導入することにより酸化させて蒸着させる酸化反応蒸着法;無機材料をターゲット原料として用い、アルゴンガス、酸素ガスを導入して、スパッタリングすることにより蒸着させるスパッタリング法;無機材料にプラズマガンで発生させたプラズマビームにより加熱させて蒸着させるイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical VaporDeposition法、PVD法)、酸化ケイ素の蒸着膜を製膜させる場合は、有機ケイ素化合物を原料とするプラズマ化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等が挙げられる。
あるいは、無機層の形成方法として、塗布法、印刷法、転写法等を適用することもできる。
−有機層−
有機層とは、有機材料を主成分とする層であって、好ましくは有機材料が50質量%以上、さらには80質量%以上、特に90質量%以上を占める層を言うものとする。
有機層としては、特開2007−290369号公報段落0020〜0042、特開2005−096108号公報段落0074〜0105を参照できる。なお有機層は、上記の密着力条件を満足する範囲内でカルドポリマーを含むことが好ましい。これにより、有機層と隣接する層との密着性、特に、無機層とも密着性が良好になり、より一層優れたガスバリア性を実現することができるからである。カルドポリマーの詳細については、上述の特開2005−096108号公報段落0085〜0095を参照できる。
有機層の膜厚は、0.05〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。有機層がウェットコーティング法により形成される場合には、有機層の膜厚は、0.5〜10μmの範囲内、中でも1〜5μmの範囲内であることが好ましい。また、ドライコーティング法により形成される場合には、0.05〜5μmの範囲内、中でも0.05〜1μmの範囲内であることが好ましい。ウェットコーティング法またはドライコーティング法により形成される有機層の膜厚が上述した範囲内であることにより、無機層との密着性をより良好なものとすることができるからである。
無機層、有機層のその他詳細については、上述の特開2007−290369号公報、特開2005−096108号公報、さらにUS2012/0113672A1の記載を参照できる。
機能性フィルムにおいて、有機層は、無機層の下地層として形成されていてもよく、無機層の保護層として形成されていてもよい。また、2層以上の無機層を有する場合には、有機層は無機層の間に積層されていてもよい。
<機能性フィルムの製造方法>
次に、上記の如く構成された本発明の実施形態の機能性フィルムの製造工程の一例について説明する。
(塗布液調製工程)
塗布液調製工程では樹脂層用塗布液を調製する。具体的には、有機溶媒中に分散された硬化性化合物、および、重合開始剤などの各成分をタンクなどにより混合し、塗布液を調製する。なお、塗布液には有機溶媒を含んでいなくても構わない。
(樹脂層形成工程)
基材フィルム4上に樹脂層用塗布液を塗布し、塗布した樹脂層用塗布液に凹凸パターンを有する型(モールド)を圧接して凹部を有する所定パターンを形成して、樹脂層用塗布液を硬化させて、基材フィルム4上に、複数の凹部を有する樹脂層3が積層された機能性フィルム1を作製する。
樹脂層形成工程における硬化処理は、塗布液に応じて熱硬化あるいは紫外線による光硬化など適宜選択すればよい。
紫外線による光硬化により樹脂層3を硬化させる場合には、紫外線の照射量は、100〜10000mJ/cm2とするのが好ましい。
熱硬化により樹脂層3を硬化させる場合には、20〜100℃に加熱するのが好ましい。
なお、機能性フィルムの作製方法は、いわゆるロール・トゥ・ロール(RtoR)により上述の各工程を連続的に行ってもよいし、カットシート状の基材フィルムを用いて、いわゆる枚葉式で各工程の処理を施すものであってもよい。
ここで、基材フィルム4に塗布された樹脂層用塗布液に複数の凹部(凹凸パターン)を形成する方法について具体的に説明する。
パターンの形成としては、上述のとおり、基材フィルム上に塗布した樹脂層用塗布液に凹凸パターンを有する型(モールド)を圧接して微細な凹凸パターンを形成する方法を用いることができる。
また、インクジェット法、ディスペンサー法でパターン形成をすることもできる。
ここで、モールドとしては、転写されるべきパターンを有するモールドが使われる。モールド上のパターンは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じて形成できるが、モールドパターン形成方法は特に制限されない。
光透過性のモールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであればよい。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、SUS等の金属膜が例示される。
一方、非光透過型モールド材としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの基板などが例示される。また、モールドの形状も特に制約されるものではなく、板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。
モールドは、硬化性化合物とモールド表面との剥離性を向上させるために離型処理を行ったものを用いてもよい。このようなモールドとしては、撥水撥油性に優れた素材をコーティングすることが挙げられ、具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を物理蒸着(PVD)または化学蒸着(CVD)したもの、および、シリコン系、フッ素系などのシランカップリング剤による処理を行ったもの、例えば、ダイキン工業(株)製のオプツールDSXや、住友スリーエム(株)製のNovec EGC−1720等、市販の離型剤も好適に用いることができる。
上記モールドを用いた凹凸パターンを形成する方法として具体的に、基材フィルム上に塗布・硬化した樹脂層にモールドを、樹脂層またはモールドを加熱した状態で圧接して微細な凹凸パターンを形成する熱インプリント法や、基材フィルム上に塗布した樹脂層用塗布液に凹凸パターンを有する型(モールド)を圧接した後、樹脂層を光で硬化し、微細な凹凸パターンを形成する光インプリント法や、微細な凹凸パターンを形成する溶融成型法等が挙げられる。中でも、生産速度に優れ、設備投資が少ない観点から光インプリント法が好ましい。
光インプリントリソグラフィを行なう場合、通常、モールド圧力を10気圧以下で行なうのが好ましい。モールド圧力を10気圧以下とすることにより、モールドや基板が変形しにくくパターン精度が向上する傾向にある。また、加圧が低いため装置を縮小できる傾向にある点からも好ましい。モールド圧力は、モールド凸部の硬化性化合物の残膜が少なくなる範囲で、モールド転写の均一性が確保できる領域を選択することが好ましい。
硬化部における光照射の照射量は、硬化に必要な照射量よりも十分大きければよい。硬化に必要な照射量は、硬化性組成物の不飽和結合の消費量や硬化膜のタッキネスを調べて適宜決定される。
また、光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと硬化性組成物との密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射してもよい。また、パターン形成方法中、光照射時における好ましい真空度は、10-1Paから1気圧の範囲である。
硬化性化合物を硬化させるために用いられる光は特に限定されず、例えば、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯、LED(light emitting diode)等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUV(extreme ultraviolet)が含まれる。また、LED、半導体レーザー光、あるいは248nmのKrFエキシマレーザー光や193nmArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も本発明に好適に用いることができる。これらの光は、モノクロ光を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(ミックス光)でもよい。
露光に際しては、露光照度を1mW/cm2〜1000mW/cm2の範囲にすることが好ましい。1mW/cm2以上とすることにより、露光時間を短縮することができるため生産性が向上し、1000mW/cm2以下とすることにより、副反応が生じることによる永久膜の特性の劣化を抑止できる傾向にあり好ましい。露光量は5mJ/cm2〜10000mJ/cm2の範囲にすることが望ましい。5mJ/cm2未満では、露光マージンが狭くなり、光硬化が不十分となりモールドへの未反応物の付着などの問題が発生しやすくなる。一方、10000mJ/cm2を超えると組成物の分解による永久膜の劣化の恐れが生じる。さらに、露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御してもよい。
硬化部においては、光照射により硬化性化合物を硬化させた後、必要に応じて熱を加えてさらに硬化させる工程を含んでいてもよい。光照射後に加熱硬化させる熱としては、80〜280℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分間が好ましく、15〜45分間がさらに好ましい。
樹脂層に形成される凹凸パターンは任意の形態をとり得ることができ、例えば一例として凹部の開口形状が正四角形または長方形である格子状メッシュパターンや、凹部が正六角形であるハニカムパターンや、凹部が円形である海島パターン、凹部が正五角形/正六角形の組合せ、直径の異なる円形の組合せ等の複合パターン、六角形の大きさに面内分布があるパターン等が挙げられる。
中でも、光インプリント法で、樹脂層を形成する場合はモールドから樹脂層を剥離する際の隔壁の欠損を抑制できる点で、正方形、正六角形等の正多角形、および、円形パターンが好ましい。
また、上記例においては、樹脂層の硬化させる工程は、モールドを付着させた状態で行う構成としたが、モールド剥離後に行ってもよい。モールドを密着させた状態で行なうのが好ましい。
熱インプリント法を行う場合、通常、モールド圧力を0.1〜100MPaの範囲で行うことが好ましい。また、モールド及び樹脂層の温度を所定の範囲にすることが好ましく、一般的には、モールド温度は樹脂層のガラス転移温度(Tg)以上に設定すること、基材温度はモールド温度より低く設定することが多い。
溶融成型法を行う場合、成型する樹脂を融点以上の温度に加熱した後、ただちにモールドと基材フィルムの間に溶融状態の樹脂(メルト)を流しこんだ後に圧接・冷却して作製する。溶融成型法を行う場合の、樹脂層3に適した材料として、酸素透過係数が低い高分子が好ましく、具体的にはポリビニアルコール(PVA)や、ポリエチレンービニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂が挙げられる。中でも透明性、耐熱耐光性に優れる観点から(変性)ポリビニルアルコールが好ましく、ポリエチレンービニルアルコール共重合体(EVOH)が特に好ましい。
樹脂層を形成する基材フィルムとの密着性を確保するために、基材フィルムにアンカーコート層を設けても良い。アンカーコート層の素材としては樹脂層および基材フィルムの材質等に応じて適切に選ばれるが、例えば樹脂層がEVOH、基材フィルムがPETの場合、アンカーコート層の素材として、ウレタン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、(変性)ポリオレフィン系化合物が挙げられ、耐水性及び密着力に優れる観点からウレタン系、(変性)ポリオレフィン系化合物のアンカーコート素材が最も好ましい。具体的な商品として東洋モートン社製EL−530A/B、三井化学社製タケラックA/タケネートAシリーズ、アドマーシリーズ、ユニストールシリーズが例示される。
<有機EL素子>
本発明の有機EL素子は、上述した機能性フィルムを使用して有機ELデバイスを封止した構成を有する。
図7に、本発明の有機EL素子の一例の模式的な断面図を示す。
図7に示す有機EL素子10は、有機EL用基板11と有機EL用基板11上に形成された、複数の有機ELデバイス12と、本発明の機能性フィルム1とを有する。
図に示すように、機能性フィルム1は凹部2が形成された面を有機ELデバイス12側に向けて積層されている。また、機能性フィルム1は、その凹部2内に有機ELデバイス12が配置されるように、凹部2の位置と有機ELデバイス12の位置とを合わせて積層されている。
機能性フィルム1と有機EL用基板11および有機ELデバイス12とは、有機EL装置で用いられる従来公知の接着剤で接着されている。
また、機能性フィルム1の凹部2内に有機ELデバイス12を形成し、有機ELデバイス12を形成した機能性フィルム1に、有機EL用基板11を貼り合わせる構成であってもよい。
有機ELデバイス12としては限定はなく、従来公知の有機ELデバイスが利用可能である。例えば、有機ELデバイス12は、有機電界発光層と、有機電界発光層を挾持する電極対である透明電極および反射電極とを有して構成される。
また、有機EL用基板11は、ガラス基板等の従来公知の有機EL用基板が各種利用可能である。
以下に実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<機能性フィルムの作製>
(基材フィルムの作製)
基材フィルム4として、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる支持フィルム9上に、無機層及びその無機層の下地層および保護層として下記組成物を塗工した有機層を有するバリア層5が形成されてなるバリアフィルムを以下のようにして作製した。
支持フィルム9としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製、商品名「コスモシャイン(登録商標)A4300」、厚さ23μm)を用いて、支持フィルム9の片面側に以下の手順で有機層および無機層を順次形成した。
−有機層の形成−
トリメチロールプロパントリアクリレート(製品名「TMPTA」、ダイセル・オルネクス(株)製)および光重合開始剤(商品名「ESACURE(登録商標) KTO46」、ランベルティ社製)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15%の塗布液とした。この塗布液を、ダイコーターを用いてロールトゥロールにてPETフィルム上に塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、窒素雰囲気下で紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm)し、紫外線硬化にて硬化させ、巻き取った。支持体上に形成された有機層の厚さは、1μmであった。
−無機層の形成−
次に、ロールトゥロールのCVD(chemical vapor deposition)装置を用いて、有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。製膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして支持体上に形成された有機層の表面に無機層を形成した。
−第二の有機層の形成−
さらに、無機層の表面に、第二の有機層を積層した。第二の有機層には、ウレタン骨格アクリレートポリマー(商品名「アクリット8BR930」、大成ファインケミカル社製)95.0質量部に対して、光重合開始剤(商品名「IRGACURE184」、BASF社製)5.0質量部を秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15%の塗布液とした。
この塗布液を、ダイコーターを用いてロールトゥロールにより上記無機層表面に直接に塗布し、100℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、60℃に加熱したヒートロールに抱かせながら、紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して硬化させ、巻き取った。支持体上に形成された第二の有機層の厚さは、1μmであった。このようにして、有機層、無機層および第二の有機層からなるバリア層を有するバリアフィルム(基材フィルム)を作製した。
このバリアフィルムの酸素透過度をMOCON社製、OX−TRAN 2/20を用いて測定したところ、4.0×10-3cc/(m2・day・atm)以下の値を示した。
(樹脂層の形成)
樹脂層形成用の塗布液1として、硬化性化合物、重合開始剤、および、シランカップリング剤などの各成分をタンクなどにより混合し、塗布液を調製した。
−樹脂層の塗布液1の組成−
下記の組成の樹脂層用塗布液を調製し、塗布液1とした。
・ウレタン(メタ)アクリレート(U−4HA(新中村化学工業(株)製)) 49.5質量部
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A−DCP(新中村化学工業(株)製)) 49.5質量部
・光重合開始剤(イルガキュア819(BASF(株)製)) 1質量部
−樹脂層の形成−
基材フィルム4上に樹脂層用塗布液を塗布し凹部を転写した後に光硬化させて、複数の凹部を有する樹脂層3を形成した。なお、転写に用いる金型の角部には曲率を付けず、直角のものを使用した。
ここで、凹部は、250μm×250μmの正方形状で、格子状パターンとし、凹部の深さhは40μmとし、幅tは50μmとした。すなわち、アスペクト比h/tは0.8である。凹部の角部には曲率を付けず、直角とした。
また、光硬化には、200W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて、紫外線を第1の基材フィルム側より500mJ/cm2照射して樹脂層を硬化させた。
また、硬化後の樹脂層の弾性率を、JIS K7161の基準に従って計測した結果、3.1GPaであった。
また、硬化後の樹脂層の酸素透過度を測定した結果、1×10−1cc/(m2・day・atm)であった。
[実施例2]
凹形成時に、凹部の角部に曲率半径50μmの丸みが付いたものを使用し、凹部の曲率半径を50μmとした以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例3]
樹脂層3の凹部2側の面上に無機層からなる凹凸部バリア層6を次のようにしてつけたこと、基材フィルム4にバリア層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
−無機バリア層の形成−
樹脂層3の凹部2側の面上にアクアミカNP140(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)社製)をダイコーターにて塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成、その後、100℃の加熱ゾーンを3分間通過させることで乾燥、硬化させ、無機バリア層を1μmの厚さで製膜した。
[実施例4]
基材フィルムを有さず、樹脂層3の厚みを5000μmとした以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。すなわち、実施例4の機能性フィルムは、凹部2を有する樹脂層3から単層のフィルムである。
なお、樹脂層3は、仮支持体(東洋紡(株)社製 A4100 100μm)上に塗布液1を塗布し凹部を転写して硬化させて、その後、仮支持体から剥離して形成した。
硬化後の樹脂層の酸素透過度を測定した結果、1×10−1cc/(m2・day・atm)であった。
[比較例1]
樹脂層を有さない以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。すなわち、実施例1で使用したバリアフィルムを準備した。
[比較例2]
塗布液1に代えて、以下の樹脂層形成用の塗布液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを作製した。
硬化後の樹脂層の弾性率を、JIS K7161の基準に従って計測した結果、0.0015GPaであった。
また、硬化後の樹脂層の酸素透過度を測定した結果、1.3×10 cc/(m2・day・atm)であった。
−樹脂層の塗布液2の組成−
下記の組成の樹脂層用塗布液を調製し、塗布液1とした。
・紫外線硬化型液状シリコーンゴム(PDMS(信越化学工業(株))
[比較例3]
塗布液1に代えて、以下の樹脂層形成用の塗布液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを作製した。
硬化後の樹脂層の弾性率を、JIS K7161の基準に従って計測した結果、110GPaであった。
また、硬化後の樹脂層の酸素透過度を測定した結果、5×10-2cc/(m2・day・atm)であった。
−樹脂層の塗布液3の組成−
下記の組成の樹脂層用塗布液を調製し、塗布液1とした。
・ウレタン(メタ)アクリレート(U−4HA(新中村化学工業(株)製)) 74.5質量部
・合成板状アルミナ(セラフ、キンセイマテック(株)製)24.5質量部
・光重合開始剤(イルガキュア819(BASF(株)製)) 1質量部
<評価>
ガラス基板(有機EL用基板)上に配置した有機ELデバイス上へ機能性フィルムを設置して、輝度劣化を評価した。
有機ELデバイスは、縦100μm×横100μm×高さ40μmとし、格子状に4×4個、間隙200μmで、ガラス基板上に配置した。
ガラス基板および有機ELデバイスと機能性フィルムとを、熱硬化型の接着剤(ダイゾーニチモリ(株)製、エポテック310)を用いて、貼り合せ、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させ、封止された有機EL素子を作製した。
有機EL素子の輝度劣化の評価は、以下のようにして行った。
まず、作製直後の有機EL素子をKeithley社製SMU2400型ソースメジャーユニットを用いて7Vの電圧を印加して発光させ、有機EL素子の発光面に対して垂直方向520mmの位置に設置した輝度計(商品名「SR3」、TOPCON社製)にて初期輝度を測定した。
次に、有機EL素子を60℃・相対湿度90%の暗い室内に500時間静置した後、上記と同様にして輝度を測定した。
初期輝度に対する500時間経過後の輝度が95%以上のものをA、95%未満90%以上のものをB、それ以下をCとして評価を行った。
実施例と比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0006856661
表1の結果から明らかなように、本発明の機能性フィルムを用いて封止した有機EL素子は経時後の輝度劣化が少なく湿熱耐久性に優れていることがわかる。すなわち、機能性フィルムが高いガスバリア性を発現できることがわかる。
また、実施例1と実施例2との対比から、隔壁にR形状を設けたものは、輝度劣化が小さく好ましいことがわかる。
さらに、実施例3から、樹脂層の凹部側の面にバリア層を形成したものは、基材フィルムにバリア層が無くても、輝度劣化が小さく好ましいことがわかる。
また、実施例1と実施例4との対比から、基材フィルムを有するのが好ましいことがわかる。
比較例1では輝度低下が大きく早く劣化したことがわかる。これは、バリアフィルムを有機ELデバイスに追従させて曲げたことで、割れが生じてバリア性が低下したためと考えられる。
本発明の機能性フィルムは、上述の実施形態においては有機エレクトロルミネッセンス素子における有機エレクトロルミネッセンス層を封止する例について説明したが、種類を適宜選択することにより、有機太陽電池における有機光電変換層の封止などに適用することが可能であり、性能低下を抑制する効果を得ることができる。
1、1a〜1e 機能性フィルム
2 凹部
3 樹脂層
4 基材フィルム
5 バリア層
6 凹凸部バリア層
7 接続部分
8 接続部分
9 支持フィルム
10 有機EL素子
11 有機EL用基板
12 有機ELデバイス

Claims (4)

  1. 樹脂からなり、酸素に対する不透過性を有し、離散的に配置された複数の凹部が形成された保護層と、
    前記保護層の前記凹部側の面に形成された無機層と、を有し、
    前記保護層は、弾性率が3GPa以上6GPa以下であり
    前記保護層を挟んで隣接する前記凹部間の最短距離が5μm以上300μm以下であり、
    前記最短距離における前記保護層の酸素透過度が10cc/(m 2 ・day・atm)以下であり、
    前記凹部の角部の曲率半径が5μm以上200μm以下である機能性フィルム。
  2. 複数の凹部が形成された面とは反対側に基材フィルムを有する請求項1に記載の機能性フィルム。
  3. 前記基材フィルムの酸素透過度が1cc/(m2・day・atm)以下である請求項2に記載の機能性フィルム。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の機能性フィルムを使用した有機EL素子。
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