JP6855805B2 - 施工方法および積層体 - Google Patents

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Description

本発明は施工方法および積層体に関する。
住宅やビル等の内壁や外装の施工においては、壁の意匠性を高めるために化粧材を施す場合がある。なかでも、マグネットを有する化粧材を用いることにより、短時間での施工が可能である。
特許文献1には、化粧板の裏面にマグネット板を設けたエレベータ内装材をエレベータの壁面に装着することが記載されている。
特開2002−128429号公報
しかし、既に化粧材が施された面に対して新たな化粧材を施そうとする場合には先の化粧板を剥がす必要があり、作業が繁雑になったり下地にダメージが残ったりする場合があった。
本発明は、容易に構造体の外観を新たにすることが可能な化粧材の施工方法を提供する。
本発明によれば、
下地に貼られた第1の化粧材の意匠面に対し、第2の化粧材を貼り付ける工程を含み、
前記第2の化粧材は、化粧層と、前記化粧層を基準に前記第2の化粧材の意匠面とは反対側に設けられたマグネット部材とを有し、
前記下地に強磁性体が含まれ、
前記第1の化粧材は、前記下地側から、マグネット部材を一面に一様に有するマグネット層と、接着層と、強磁性体層と、化粧層と、を有し、前記化粧層に前記意匠面が形成されており、前記第1の化粧材の前記マグネット部材の磁力で前記第1の化粧材が前記下地に固定されており、
前記貼り付ける工程では、前記第2の化粧材の前記マグネット部材の磁力を用いて前記第2の化粧材を貼り付ける、施工方法
が提供される。
本発明によれば、
第1の化粧材と、第2の化粧材とを含み、
前記第1の化粧材は、マグネット部材を有し、
前記第2の化粧材は、化粧層と、前記化粧層を基準に前記第2の化粧材の意匠面とは反対側に設けられたマグネット部材とを有し、
前記第1の化粧材の意匠面の少なくとも一部を前記第2の化粧材が覆っている積層体
が提供される。
本発明によれば、容易に構造体の外観を新たにすることが可能な化粧材の施工方法を提供できる。
第1の実施形態に係る化粧材の施工方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る化粧材の構成を例示する図である。 第2の化粧材が施工された壁の斜視図である。 化粧材の構造の変形例を示す断面図である。 第2の実施形態に係る第1の化粧材の構成を例示する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、「〜」は特に断りがなければ「以上」から「以下」を表す。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る化粧材の施工方法を説明するための図である。本図は本実施形態の方法で施工された壁の断面を示している。また、図2は、第1の実施形態に係る化粧材10の構成を例示する図である。本施工方法は、下地20に貼られた第1の化粧材10aの意匠面101aに対し、第2の化粧材10bを貼り付ける工程を含む。第2の化粧材10bは、化粧層12と、化粧層12を基準に第2の化粧材10bの意匠面101bとは反対側に設けられたマグネット部材14とを有する。また、下地20に、または下地20と第1の化粧材10aの意匠面101aとの間に、強磁性体が含まれている。そして、貼り付ける工程では、マグネット部材14の磁力を用いて第2の化粧材10bを貼り付ける。以下に詳しく説明する。
本実施形態の施工方法は、たとえば部屋や通路、またはエレベータ等の内壁または外壁を施工する方法である。内装または外装を施工する建物としては、特に限定されないが、ビルや住宅等が挙げられる。また、本施工方法は、移動体や家具等の表面に化粧材を施工する方法であっても良い。
本実施形態において、第1の化粧材10aおよび第2の化粧材10bはたとえば以下に説明する化粧材10のような構成を有している。ただし、第1の化粧材10aと第2の化粧材10bとは同様の構成を有していても良いし、異なる構成を有していても良い。なお、第1の化粧材10aは、マグネット層14を備えなくても良く、さらに接着層13を備えなくても良い。その場合、第1の化粧材10aは下地20に対して接着剤等で固定されている。
化粧材10は、壁等と一体となって外観に美観を付与する部材である。図2は、マグネット部材14がシート状のマグネット層である例を示しており、以下ではマグネット部材14をマグネット層14として説明するが、マグネット部材14は、シート状に限定されず、塊状であってもよい。化粧材10は、意匠面101側から木目等の模様やデザインが視認可能に構成されている。
本実施形態に係る施工方法では、第1の化粧材10aの意匠面101aに対し第2の化粧材10bを貼り付ける。したがって、第1の化粧材10aに汚れが付着した場合、傷が生じた場合や、意匠を一新したい場合等に、第1の化粧材10aを下地20から剥がす必要が無く、短時間で容易に構造体の外観を新たにすることが可能である。また、剥がされた第1の化粧材10aの保管や処分にかかる負担も軽減される。さらに、第2の化粧材10bが磁力で吸着していることから、再度構造体の外観を新たにする際にも交換が容易である。
下地20への吸着力を高める観点から、マグネット層14は、化粧材10の意匠面101に垂直な方向から見てほぼ全面に設けられていることが好ましい。また、マグネット層14は、化粧材10の意匠面101とは反対側の面に一様に設けられていることがより好ましい。そうすれば、化粧材10が、下地20から浮いたり、撓んだりすることが避けられる。また、化粧材10の平面形状を加工しても、化粧材10の下地20への着脱機能を確保できる。なお、マグネット層14が化粧材10のほぼ全面に設けられているとは、たとえば化粧層12の主面に垂直な方向から見て90%以上の領域に設けられていることをいう。
化粧材10はたとえば化粧層12、マグネット層14および、化粧層12とマグネット層14とを接合する接着層13を備える。化粧材10はシート状であっても良いし、板状であっても良い。また化粧材10は、織物状であってもよい。化粧材10の構造については詳しく後述する。
図3は、第2の化粧材10bが施工された壁の斜視図であり、下地20、第1の化粧材10a、および第2の化粧材10bの一部は省略されている。
第1の化粧材10aおよび第2の化粧材10bは下地20のほぼ全体を覆うように固定されている。たとえば下地20のうち躯体30とは反対側の面の95%以上は第1の化粧材10aおよび第2の化粧材10bで覆われている。図1および図3の例において、下地20は複数の下地層を有する。下地層は壁の骨組みと第1の化粧材10aとの間に位置する層である。または、下地層は第1の化粧材10aよりも壁の内側に位置するように壁の枠組みに嵌め込まれた層である。下地層は、単独でまたは複数が協働して、たとえば構造補強、断熱、防湿、防水、耐火等の機能を発揮する。図1および図3の例では、下地20は第1下地層22および第2下地層24を備える。ただし、下地20は、さらに他の下地層を備えても良い。下地20は躯体30に対して固定されている。
躯体30は、たとえば建物の躯体であり、建物の構造を支える骨組である。躯体30は、木材、金属、鉄筋コンクリート等である。なお、下地20は建物の躯体30に必ずしも固定されていなくてもよい。たとえば、下地20と化粧材10との積層体は、室内の空間を区切るパーテーションの一部であっても良い。また、化粧材10は、出隅入り隅材、見切り材、ジョイナー、掲示パネル等として機能してもよい。
本実施形態に係る施工方法において、下地20は強磁性体を含む。そして、下地20にマグネットが引きつけられる。強磁性体としては、たとえば鉄、コバルト、ニッケル、及びこれらの合金が挙げられる。本実施形態において下地20は、強磁性体を含む強磁性層を含む。たとえば第2下地層24および第1下地層22の少なくとも一方は強磁性層である。ここで、下地20のうち最も化粧材10に近い下地層が強磁性層であることが好ましい。そうすれば、下地20に対する第2の化粧材10bの固定強度を向上させることができる。強磁性層以外の下地層としては、ケイカル(ケイ酸カルシウム)板、石膏ボード、火山性ガラス質複層板等の無機質板や木製合板等が挙げられる。
本実施形態において強磁性層は、強磁性材料を含む板材である。強磁性材料を含む板材は、たとえば鉄板等、強磁性体の板である。また、強磁性材料を含む板材は、強磁性体以外の材料と鉄粉や鉄箔等の強磁性材料との複合部材であっても良い。複合部材を用いることで、形状の自由度の向上、および軽量化が図れる。強磁性体以外の材料としては樹脂や木材、石膏、ケイ酸カルシウム、セメント、ガラス質材料等が挙げられる。複合部材において、強磁性体以外の材料と強磁性材料とは、混合されていても良いし、積層されていても良い。複合部材はたとえば、樹脂粒子や木材のチップ等と鉄粉を混合して板状に成形することで得られる。または、複合部材は、強磁性体以外の材料の板状部材と鉄箔とを積層し、接着することで得られる。また、下地層を土壁で形成する場合、強磁性材料を混合した土を用いて層を形成することで複合部材としても良い。強磁性層の厚さは特に限定されないが、たとえば1mm以上20mm以下である。
下地20は、主面に垂直な方向から見て、少なくとも一部の領域に強磁性体を含んでいれば良く、全体に強磁性体を含んでいる必要は無い。下地20全体の面積に対する、強磁性体を含む領域の面積は特に限定されないが、20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。たとえば、下地20は、格子状にパターン化された強磁性層を含んでも良い。また、下地20のうち各化粧材10の外周に対向する領域には、強磁性体が含まれることが好ましい。
強磁性材料を含む板材は、一つの、または二つ以上の開口を有していても良い。板材が開口を有することで、下地20の重さを低減することができ、建物の耐震性を向上できる。ただし、耐火性向上の観点から、開口は他の下地層を構成する板材同士の境界と重ならないことが好ましい。
また、強磁性層は、強磁性材料を含む塗料の固化物であってもよい。塗料の固化物とは、塗料が固化、または硬化して得られる固体である。この場合、任意の下地層に強磁性材料を含む塗料を塗布し、固化または硬化させることにより強磁性層を形成することができる。
塗料は、強磁性材料およびバインダーを含む。強磁性材料はたとえば鉄粉等の強磁性粉末である。粒子の大きさは特に限定されないが、強磁性粉末のメディアン径D50は0.02mm以上0.2mm以下が好ましく、0.05mm以上0.1mm以下がより好ましい。そうすれば、塗料を均一に塗布しやすくなる。また、塗料の固形物における強磁性粉末の含有率は、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。そうすれば、化粧材10を下地20に充分な磁力で固定することができる。
塗料に含まれるバインダーとしては、マグネット層14に含まれるバインダーとして後述する樹脂と同様の樹脂が挙げられる。
また、塗料は、強磁性材料およびバインダーに加えて、溶剤、可塑剤、分散材、増粘剤、その他の添加剤を含んでも良い。これらの添加剤の含有量の合計は、たとえば塗料の固化物に対して5質量%以下である。
塗料は、上記の各成分を混合することにより得られる。
以上のとおり、下地20に強磁性体が含まれることにより、第2の化粧材10bのマグネット層14が下地20に引きつけられ、第2の化粧材10bを下地20に対して固定することができる。そして、第2の化粧材10bは下地20に対して脱着可能であることから、第2の化粧材10bが汚れたり傷んだりした場合や、内装または外装のデザインを変更したい場合に下地20にダメージを与えることなく、短時間で容易に第2の化粧材10bの張り替えができる。また、施工現場において第1の化粧材10aに第2の化粧材10bを貼り付ける際、接着剤を使用する必要が無い。したがって、乾燥時に有機溶剤等による臭気が発生することがない。さらに、第2の化粧材10bを第1の化粧材10aに素早く容易に固定できることから、施工期間の短縮が図れる。
図3に示す様に、第1下地層22および第2下地層24はそれぞれ複数の板材で形成されていても良い。ここで、第1下地層22における複数の板材の境界と、第2下地層24における複数の板材の境界とは、交差点を除いて互いに重ならないことが好ましい。そうすることで、火災時に境界部から火が漏れ広がることが避けられ、耐火性が向上する。
また、最も化粧材10側の下地層である第2下地層24において、複数の板材の境界はパテ201で埋められている。また、板材と板材との境界に生じる段差は、パテ201によっておよそ平らに均されている。
少なくとも第2の化粧材10bは下地20に対し磁力で固定される。第1の化粧材10aがマグネット層14を備える場合には、第1の化粧材10aも下地20に対し磁力で固定されている。一つの壁面には、複数の第1の化粧材10aが敷き詰められても良い。また、一つの壁面には、複数の第2の化粧材10bを敷き詰めてもよい。そうすれば、施工場所までの第2の化粧材10bの運搬が容易となる。第2の化粧材10bが可撓性を有する場合、ロール状に丸めて運搬することができる。また、壁面に複数の第2の化粧材10bを並べて固定する場合、隣り合う第2の化粧材10bと第2の化粧材10bとの間には隙間を設けても良い。そうすれば、第2の化粧材10bが水分等によって膨張・収縮する場合でも、第2の化粧材10bにたわみ等が生じにくい。ただし、第2の化粧材10bの全体が、樹脂などの膨張・収縮しにくい材料からなる場合には、隣り合う第2の化粧材10bと第2の化粧材10bとの間には隙間を設けなくても良い。
図2に戻り、化粧材10について以下に詳しく説明する。ただし、化粧材10は以下の構造に限定されない。
化粧材10は、化粧層12、接着層13、およびマグネット層14を備える。化粧層12の構造は特に限定されないが、本実施形態において化粧層12は表面層120および芯材層129を含む。化粧層12は、たとえばメラミン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、および(メタ)アクリル樹脂により構成される群から選択される一以上の樹脂を含んで構成される。
本図の例において表面層120は芯材層129と接している。さらに表面層120は、印刷基材122、印刷部121、第1樹脂層123、および第2樹脂層124を含んで構成されている。化粧材10の意匠面101には、表面層120が露出している。ただし、表面層120は印刷基材122および印刷部121を含んでいなくても良い。たとえば表面層120はエンボス加工により凹凸が施された樹脂層や金属層を含むことにより、意匠性を生じても良い。また、化粧材10の意匠面101の表面に意匠が施されていても良い。
化粧材10は全体として可撓性を有することが好ましい。そうすれば湾曲した下地にも固定することができる。具体的には化粧材10は、25℃において10mmの曲げ半径で湾曲させたとき、亀裂が生じない程度の可撓性を有することが好ましい。
化粧層12は、化粧材10に意匠性を付与する部分である。化粧層12は、意匠面101側から見て美観を起こさせる意匠性を有する。本図の例においては、化粧層12は意匠面101側から印刷部121、すなわち印刷された模様等のデザインを視認可能に構成されている。
表面層120は、たとえば意匠面となる意匠面101側にメラミン樹脂を含有する樹脂(第1樹脂層123)を担持し、芯材層129と接する第1面102側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(第2樹脂層124)を担持する印刷基材122からなる表面層材料で構成される。なお、第1面102は、化粧材10の意匠面101とは反対側の面である。以下に詳しく説明する。
印刷基材122は、たとえばパルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維である。また、印刷基材122は、酸化チタンなどの顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙であってもよい。
本図の例において、印刷部121は化粧材10に意匠性を付与する。印刷部121は印刷により印刷基材122に担持されたインクである。印刷部121は、印刷基材122の表面に層状に形成されていてもよいし、少なくとも一部が印刷基材122に含浸していてもよい。印刷法は、特に限定されないが、グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷等を用いることができる。
第1樹脂層123は、樹脂(A)を含む層であり、印刷基材122の意匠面101側に位置する透明な層である。樹脂(A)は、メラミン系樹脂を含む。樹脂(A)は中でもメラミン樹脂を含むことが好ましい。これにより、化粧材10の表面がメラミン樹脂を含むこととなり、化粧層12の表面に好適な硬度を付与することができる。ひいては、化粧材10の耐久性を高めることができる。本図の例において、化粧材10の意匠面101には、第1樹脂層123が露出している。
メラミン樹脂としては、特に限定されず、例えば、メラミンとホルムアルデヒドを中性または弱アルカリ下において反応させて得られるものを用いることができる。
また、メラミン樹脂としては、住友化学(株)製のメラミン樹脂等、市販のものを用いることもできる。
樹脂(A)を印刷基材122の意匠面101側に担持させる方法としては、特に限定されず、例えば、樹脂(A)を溶媒に溶解した樹脂ワニスを、例えば、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の装置を用いて塗工した後、80〜130℃程度で加熱乾燥する方法等が挙げられる。
樹脂(A)を溶解する溶剤としては、特に限定されず、例えば、水、メタノール等が挙げられる。中でも水が好ましい。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。樹脂ワニスの固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、樹脂ワニスの30〜70質量%であるのが好ましく、45〜60質量%であるのがより好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。
第2樹脂層124は、樹脂(B)を含む層である。樹脂(B)は、たとえば熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分である。なお、本明細書中おいて、熱可塑性エマルジョン樹脂とは、熱可塑性樹脂が溶剤に分散してエマルジョン状態となったものである。また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分とは、熱可塑性エマルジョン樹脂から溶剤を除いた成分を意味する。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、エマルジョン樹脂粒子として存在する成分を含み、金属や各種素材との接着特性を有し、化粧層12に柔軟性を付与する。したがって、表面層120の第1面102側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が担持されることにより、表面層120と芯材層129との接着強度を向上させることができるとともに、化粧層12の曲げ加工性を向上させることができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、たとえば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ウレタンアクリル複合粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。本明細書中において、ウレタンアクリル複合粒子とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを意味する。
ウレタン樹脂とアクリル樹脂は、各々が芯材層129との接着強度が高いため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、芯材層129との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン樹脂は、特に強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、特に透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。
また、本明細書中において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。
なお、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、これらの中の1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分には、上記熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子以外にも、必要に応じて少量の増粘剤、浸透促進剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、平均粒径が30〜100nmのエマルジョン樹脂粒子を含むことが好ましく、エマルジョン樹脂粒子の平均粒径は、60〜90nmであることがより好ましい。これにより、印刷基材122の繊維間への含浸性が向上し、より印刷基材122の内部に含浸させることができるため、表面層120に良好な柔軟性を付与することができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を印刷基材122の第1面102側に担持させる方法としては、特に限定されず、樹脂(A)を印刷基材122の意匠面101側に担持させる上述の方法と同様にして行うことができる。つまり、溶剤に溶解されたエマルジョン状態の熱可塑性エマルジョン樹脂を塗工、加熱乾燥する方法等が挙げられる。
熱可塑性エマルジョン樹脂に用いられる溶剤としては、特に限定されず、例えば、水等が挙げられる。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、熱可塑性エマルジョン樹脂の25〜60質量%であるのが好ましく、30〜45質量%であるのがより好ましい。これにより、熱可塑性エマルジョン樹脂の基材への含浸性を向上できる。
なお、第1樹脂層123および第2樹脂層124は単独で層を形成していなくてもよい。すなわち、樹脂(A)および樹脂(B)は印刷基材122に担持されていればよい。ここで、印刷基材122が樹脂を担持するとは、樹脂が基材(担体)の表面に付着し、または、基材内部の空隙部に含浸され、表面層材料の成形後に担持させた樹脂の性能を発現することを可能にする状態であることを意味する。第1樹脂層123および第2樹脂層124はたとえば、表面層120において層状の分布を有している。なお、樹脂は、基材の表面および基材の内部に均一に分布していなくてもよい。
芯材層129は、たとえばガラスクロス、またはガラスクロスを基材とするプリプレグを含んで構成されている。これにより、化粧層12に、耐熱性、不燃性、剛性などを付与することができる。
芯材層129の厚みは、50μm以上とすることが好ましい。これにより、化粧層12に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。また、厚みの上限については、特に限定されないが、厚みが大きいほど化粧層12の厚みと重量が増大すると共に、コストも嵩むため、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、350μm以下にすることが好ましい。
マグネット層14は、化粧層12の第1面102側に固定されている。化粧材10がマグネット層14を備えることにより、強磁性体を含む下地20に化粧材10を脱着可能に取り付けることができる。また、施工場所で溶剤を用いることなく、化粧材10を下地20に取り付けることができる。化粧材10が下地20に十分強く固定されるためにマグネット層14の磁束密度は20mT以上であることが好ましい。
マグネット層14は、磁石粉末をバインダー(結合樹脂)で結合してなる層であり、たとえばマグネットシートである。磁石粉末は、優れた磁気特性を有するものが好ましい。このような磁石粉末としては、例えば、R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種)を含む合金、特にR(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種)とTM(ただし、TMは、遷移金属のうちの少なくとも1種)とB(ボロン)とを含む合金が挙げられる。
マグネット層14に含まれるバインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66、ナイロン6T、ナイロン9T)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノール型、ノボラック型、ナフタレン系等の各種エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。なお、使用される熱硬化性樹脂(未硬化)は、室温で液状のものでも、固形(粉末状)のものでもよい。
マグネット層14の厚さ(平均厚さ)は、審美的な観点から適宜変更されるが、0.15〜6mmであるのが好ましく、0.6〜2mmであるのがより好ましい。マグネット層14の大きさ・形状は、化粧材10の形状等によって適宜変更することができる。
マグネット層14は、接着層13により化粧層12に固定されている。接着層13は特に限定されないが、たとえば、主として粘着剤で構成されている。この粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を挙げることができる。
アクリル系粘着剤としては、粘着性を与える低Tgの主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体よりなる。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等を挙げることができる。
コモノマー成分としてはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
また、ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム系、イソプレンゴム系、スチレン−ブタジエン系、再生ゴム系、ポリイソブチレン系のものや、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン等のゴムを含むブロック共重合体を主とするもの等を挙げることができる。
また、シリコーン系粘着剤としては、例えば、ジメチルシロキサン系、ジフェニルシロキサン系のもの等を挙げることができる。
以上のような粘着剤は、非架橋型、架橋型のいずれのものも使用可能である。後者の場合、必要に応じ、架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等が挙げられる。このような粘着剤は、有機溶剤系、エマルション系のいずれでもよい。
また、接着層13には、例えば、可塑剤、粘着付与剤、増粘剤、充填材、老化防止剤、防腐剤、防カビ剤、染料、顔料等の各種添加剤が必要に応じ添加されていてもよい。
なお、芯材層129に接着剤が含浸されている場合等、芯材層129が接着層13を兼ねていても良い。また、化粧層12は、さらに保護層を有していても良い。保護層は意匠面101に露出するよう設けることができる。
化粧材10の製造方法について以下に説明する。化粧材10は、化粧層12に接着層13を介してマグネット層14を固定することにより形成される。具体的には、化粧層12に接着層13を構成する粘着剤等を塗布し、マグネット層14を積層する。ただし、粘着剤を塗布したマグネット層14を化粧層12に積層してもよい。
化粧層12は、表面層120と芯材層129とを重ね合わせ、これを加熱加圧成形して積層することにより得られる。また、化粧層12の成形時に、所定の板材を重ねることにより、化粧材10の意匠面101の表面粗さや光の反射率等を調整することができ、デザイン性を高めることができる。
表面層120は、以下の様にして得られる。まず、印刷基材122に模様等のデザインを印刷することにより印刷部121を形成する。次いで、印刷部121を設けた印刷基材122の一方の面に第1樹脂層123を形成し、他方の面に第2樹脂層124を形成する。
なお、化粧材10の製造方法は上記した方法に限定されない。たとえば、必要に応じて担体フィルムを使用してもよい。担体フィルムは製造時においていずれかの層を保護したり、製造を容易にしたりするために用いられる。担体フィルムは、その後除去されることにより、化粧材10には含まれない。
また、本図では、印刷部121が化粧層12の内部に位置する例を示したが、印刷部121は化粧層12の意匠面101側の表面に位置していてもよい。
図4は、化粧材10の構造の変形例を示す断面図である。本変形例に係る化粧材10は、化粧層12の構造を除いて図2に例示した化粧材10と同じである。
本実施形態において化粧層12は第1樹脂層123、第2樹脂層124、および印刷部121を備える。そして第2樹脂層124が印刷基材122として機能する。
第1樹脂層123は、透明な樹脂フィルムである。第1樹脂層123は、合成樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、又は(メタ)アクリル樹脂を含む。第1樹脂層123は、たとえばエンボス圧延加工によるラミネートによって、印刷部121が形成された第2樹脂層124に積層される。第1樹脂層123の厚さはたとえば10μm以上80μm以下である。
第2樹脂層124は、合成樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンポリエステル、ポリオレフィン樹脂、又は(メタ)アクリル樹脂を含む。第2樹脂層124は、さらに、不燃性の無機充填材を含んでもよい。無機充填材としては、CaCO、Mg(OH)、Al(OH)、SiO、粘土(例えば、モンモリロナイト又はカオリン)等が挙げられる。第2樹脂層124の厚さはたとえば60μm以上150μm以下である。第2樹脂層124はたとえばキャスティング、またはカレンダリングにより形成することができる。
本変形例に係る化粧材10の製造方法は化粧層12の形成方法を除いて図2を用いて説明した化粧材10の製造方法と同じである。本変形例において化粧層12は、第2樹脂層124のうち意匠面101側となる面に印刷により印刷部121を形成し、次いで、印刷部121を覆うように第1樹脂層123を形成することで得られる。
第2の化粧材10bは、合成樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、および(メタ)アクリル樹脂からなる群から選択される一以上の樹脂を含むことが好ましく、たとえば、図4に示したような構成を有することが好ましい。
第2の化粧材10bが合成樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、および(メタ)アクリル樹脂からなる群から選択される一以上の樹脂を含むことにより、第2の化粧材10bの耐久性、難燃性が高くなるとともに、発色性が良くなる。また、安価で加工性にも優れる材料であることから、製造コストを低減できる。
また、第1の化粧材10aが合成樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、および(メタ)アクリル樹脂からなる群から選択される一以上の樹脂を含んでもよい。その場合、第1の化粧材10aが高い耐久性を有することにより、たとえば第2の化粧材10bの施工後に、必要に応じて第2の化粧材10bを剥がし、再び表面を第1の化粧材10aに戻して使用することができる。
なお、化粧材10の構造は上記した例に限定されない。化粧材10は、たとえば布、麻、綿、絹等のクロス、塩化ビニル・PET・ポリオレフィン等のプラスチック樹脂、SUS・アルミ等の金属(箔)、段ボール等の紙類、木材、竹、籐のうちの一以上の材料を含んで構成されることができる。
躯体30等、壁等の構造部材(骨組み)には下地20が固定されている。たとえば構造部材に対し、ステイプラーやネジ等で、施工面のほぼ全体を覆うように複数の板材が取り付けられ、第1下地層22が形成されている。そして、第1下地層22に対し、第1下地層22のほぼ全体を覆うように複数の板材がステイプラーやネジ等で取り付けられ、第2下地層24が形成されている。たとえば第2下地層24は強磁性層である。そして、第2下地層24を構成する複数の板材同士の境界にはパテ201が塗られて隙間を埋めるとともに段差が均されている。
さらに、第1の化粧材10aの意匠面101aとは反対側の面を下地20側に向け、第1の化粧材10aが下地20に貼り付けられている。ここでたとえば、第1の化粧材10aがマグネット層14を含まない場合、第1の化粧材10aの厚さは0.5mm以下であり、第2の化粧材10bのマグネット層14側の表面磁束密度が30mT以上であることが好ましい。そうすれば、第1の化粧材10aを介しても、第2の化粧材10bが下地20との間の磁力により安定して固定される。
本実施形態に係る施工法において、第2の化粧材10bを貼り付ける工程では、下地20に貼り付けられた第1の化粧材10aに対し、さらに第2の化粧材10bを重ねて貼り付ける。第2の化粧材10bの施工や運搬の容易化、および、第2の化粧材10bを施工される構造体への負荷の軽減の観点から、第2の化粧材10bの坪量は、8.0kg/m以下であることが好ましく、5.0kg/m以下であることがより好ましい。
施工面の外観の向上の観点から、第2の化粧材10bを貼り付ける工程では、第1の化粧材10aの意匠面101aの全体を覆うように第2の化粧材10bを貼り付けることが好ましい。一方、第2の化粧材10bの意匠面101bの平坦性確保の観点から、第2の化粧材10bを貼り付ける工程では、第2の化粧材10bの主面に垂直な方向から見て、第2の化粧材10bの全体が第1の化粧材10aと重なるように、第2の化粧材10bを貼り付けることが好ましい。
なお、第2の化粧材10bを交換したい場合には、第2の化粧材10bを下地20から剥がし、新たな第2の化粧材10bを第1の化粧材10aに貼り付ければよい。
また、第1の化粧材10aと第2の化粧材10bとの間には他のシート材が挟み込まれてもよい。そうすれば、やむを得ず第2の化粧材10bを取り外した状態としている間に、シート材を露出させることができ、たとえば古くなった第1の化粧材10aを露出させずに済む。シート材としてはたとえば、塩化ビニルシート等の樹脂シート、および紙が挙げられる。また、シート材を設ける代わりに、第1の化粧材10aの意匠面101aに、塗料による塗装膜を形成しても良い。その場合でも同様の効果が得られる。
また、第2の化粧材10bは、磁力のみならず、物理的な支持手段や接着材をさらに用いて下地20に対し固定されてもよい。
本実施形態に係る施工方法では、上記した通り、複数の第2の化粧材10bを第1の化粧材10aの意匠面101aに貼り付けてもよい。その場合、複数の第2の化粧材10bは、たとえば形状、寸法、意匠、マグネット層14の材質、およびマグネット層14の厚さのうち少なくとも一つが互いに異なる二以上の化粧材10を含んでもよい。すなわち、複数の第2の化粧材10bは、必ずしも全てが同じ構成を有していなくてもよい。
施工対象の壁等の形状および大きさは、場合によって様々である。そして第2の化粧材10bは、必要に応じ、施工前に施工対象である壁等の形状や寸法に合わせて切断されてもよい。一方、施工現場に搬入する前、たとえば出荷時等に、予め施工対象に合わせて第2の化粧材10bを加工しておくことで、現場での施工時間を短縮できる。特に、マグネット層14を有する化粧材10は、通常の壁紙等に比べて厚いため、現場での切断に時間を要する場合がある。したがって、事前の加工が有益である。
なお、以上では主に内装の施工方法を例に説明したが、内装に限定されず、複数の化粧材10は外装に用いられても良い。化粧材10はたとえば外装用のパネル、シート、タイル等であり得る。
本実施形態に係る施工方法によれば、第1の化粧材10aと、第2の化粧材10bとを含む積層体が得られる。積層体において、第2の化粧材10bは、化粧層12と、化粧層12を基準に第2の化粧材10bの意匠面101bとは反対側に設けられたマグネット部材14とを有し、第1の化粧材10aの意匠面101aの少なくとも一部を第2の化粧材10bが覆っている。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、第1の化粧材10aの意匠面101aに対し第2の化粧材10bを貼り付ける。したがって、第1の化粧材10aに汚れが付着した場合、傷が生じた場合、意匠を一新したい場合等に、第1の化粧材10aを下地20から剥がす必要が無く、容易に構造体の外観を新たにすることが可能である。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る第1の化粧材10aの構成を例示する図である。本実施形態に係る施工方法は、第1の化粧材10aが強磁性体を含む点を除いて第1の実施形態に係る施工方法と同じである。第1の化粧材10aが強磁性体を含むことにより、第1の化粧材10aに対して第2の化粧材10bが磁力でより安定して固定される。
本図の例において、第1の化粧材10aは、強磁性層15を備える点を除いて図4に示した化粧材10と同じである。ただし、第1の化粧材10aの構成は本図の例に構成されない。たとえば、第1の化粧材10aは図2に示した化粧材10に対して、強磁性層15が付加された構成を有していても良い。強磁性層15はたとえば強磁性体の薄膜等である。強磁性体としては、たとえば鉄、コバルト、ニッケル、及びこれらの合金が挙げられる。
本実施形態において、下地20と第1の化粧材10aの意匠面101aとの間に強磁性体が含まれている。強磁性層15はマグネット層14よりも第1の化粧材10aの意匠面101a側に形成されており、本図の例において、強磁性層15は化粧層12と接着層13の間に形成されている。強磁性層15はたとえば強磁性体の薄膜を化粧層12にラミネートすることにより形成できる。なお、強磁性層15は、化粧層12の一部であっても良い。たとえば強磁性層15の金属光沢が意匠の構成要素の一つとして意匠面101a側から視認可能であっても良い。
第1の化粧材10aがマグネット層14を備える場合、下地20に施工された第1の化粧材10aにおいて、強磁性層15は外部へのマグネット層14の磁力の影響を抑制するシールド層として機能する。また、第2の化粧材10bがシールド層としてさらに強磁性層15を備えても良い。
なお、本実施形態において、第1の化粧材10aはマグネット層14を有してもよいし、マグネット層14を有さなくてもよい。すなわち、第1の化粧材10aは、下地20に対して接着剤等で張り付けられていてもよい。また、下地20は強磁性体を含んでも良いし含まなくても良い。下地20が強磁性体を含まない場合、第1の化粧材10aは下地20に対して接着剤等で固定されている。そして、第2の化粧材10bは、第2の化粧材10bに磁力で固定されることにより、下地20に対して貼り付けられる。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。くわえて、第1の化粧材10aが強磁性体を含むことにより、第1の化粧材10aに対して第2の化粧材10bが磁力でより安定して固定される。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 下地に貼られた第1の化粧材の意匠面に対し、第2の化粧材を貼り付ける工程を含み、
前記第2の化粧材は、化粧層と、前記化粧層を基準に前記第2の化粧材の意匠面とは反対側に設けられたマグネット部材とを有し、
前記下地に、または前記下地と前記第1の化粧材の意匠面との間に、強磁性体が含まれ、
前記貼り付ける工程では、前記マグネット部材の磁力を用いて前記第2の化粧材を貼り付ける施工方法。
2. 1.に記載の施工方法において、
前記貼り付ける工程では、前記第1の化粧材の意匠面の全体を覆うように前記第2の化粧材を貼り付ける施工方法。
3. 1.または2.に記載の施工方法において、
前記貼り付ける工程では、前記第2の化粧材の主面に垂直な方向から見て、前記第2の化粧材の全体が前記第1の化粧材と重なるように、前記第2の化粧材を貼り付ける施工方法。
4. 1.から3.のいずれか一項に記載の施工方法において、
前記マグネット部材は、前記第2の化粧材の意匠面とは反対側の面に一様に設けられたマグネット層である施工方法。
5. 1.から4.のいずれか一項に記載の施工方法において、
前記第1の化粧材は前記強磁性体を含む施工方法。
6. 1.から4.のいずれか一項に記載の施工方法において、
前記第1の化粧材は前記強磁性体を含む前記下地に貼り付けられており、
前記第1の化粧材の厚さは0.5mm以下であり、
前記第2の化粧材の前記マグネット部材側の表面磁束密度が30mT以上である施工方法。
7. 1.から6.のいずれか一項に記載の施工方法において、
前記第2の化粧材の坪量は、8.0kg/m 以下である施工方法。
8. 1.から7.のいずれか一項に記載の施工方法において、
前記第2の化粧材は合成樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、および(メタ)アクリル樹脂からなる群から選択される一以上の樹脂を含む施工方法。
9. 1.から8.のいずれか一項に記載の施工方法において、
前記第2の化粧材の前記化粧層は芯材層を含み、
前記芯材層はガラスクロスを含む施工方法。
10. 第1の化粧材と、第2の化粧材とを含み、
前記第2の化粧材は、化粧層と、前記化粧層を基準に前記第2の化粧材の意匠面とは反対側に設けられたマグネット部材とを有し、
前記第1の化粧材の意匠面の少なくとも一部を前記第2の化粧材が覆っている積層体。
10 化粧材
10a 第1の化粧材
10b 第2の化粧材
12 化粧層
13 接着層
14 マグネット層(マグネット部材)
15 強磁性層
20 下地
22 第1下地層
24 第2下地層
30 躯体
101 意匠面
101a 意匠面
101b 意匠面
102 第1面
120 表面層
121 印刷部
122 印刷基材
123 第1樹脂層
124 第2樹脂層
129 芯材層
201 パテ

Claims (14)

  1. 下地に貼られた第1の化粧材の意匠面に対し、第2の化粧材を貼り付ける工程を含み、
    前記第2の化粧材は、化粧層と、前記化粧層を基準に前記第2の化粧材の意匠面とは反対側に設けられたマグネット部材とを有し、
    前記下地に強磁性体が含まれ、
    前記第1の化粧材は、前記下地側から、マグネット部材を一面に一様に有するマグネット層と、接着層と、強磁性体層と、化粧層と、を有し、前記化粧層に前記意匠面が形成されており、前記第1の化粧材の前記マグネット部材の磁力で前記第1の化粧材が前記下地に固定されており、
    前記貼り付ける工程では、前記第2の化粧材の前記マグネット部材の磁力を用いて前記第2の化粧材を貼り付ける、
    施工方法。
  2. 請求項1に記載の施工方法において、
    前記第2の化粧材は、前記下地側から、前記マグネット部材を一面に一様に有するマグネット層と、接着層と、化粧層と、を有する施工方法。
  3. 請求項1または2に記載の施工方法において、
    前記貼り付ける工程では、前記第1の化粧材の意匠面の全体を覆うように前記第2の化粧材を貼り付ける施工方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記貼り付ける工程では、前記第2の化粧材の主面に垂直な方向から見て、前記第2の化粧材の全体が前記第1の化粧材と重なるように、前記第2の化粧材を貼り付ける施工方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記第2の化粧材の前記マグネット部材は、前記第2の化粧材の意匠面とは反対側の面に一様に設けられたマグネット層である施工方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記第2の化粧材の坪量は、8.0kg/m2以下である施工方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記第2の化粧材は合成樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、および(メタ)アクリル樹脂からなる群から選択される一以上の樹脂を含む施工方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記第2の化粧材の前記化粧層は芯材層を含み、
    前記芯材層はガラスクロスを含む施工方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の施工方法において、
    第2の化粧材を貼り付ける前記工程の前に、前記第1の化粧材の前記マグネット部材の磁力で前記下地に前記第1の化粧材を貼り付ける工程を含む施工方法。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記下地のうち躯体とは反対側の面の95%以上は前記第1の化粧材および前記第2の化粧材で覆われている施工方法。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記第1の化粧材の前記マグネット部材は、前記第1の化粧材の前記意匠面とは反対側の面に一様に設けられたマグネット層である施工方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記第1の化粧材および前記第2の化粧材はいずれもシート状である、施工方法。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記第1の化粧材および前記第2の化粧材はいずれも全体として可撓性を有する、施工方法。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の施工方法において、
    前記第1の化粧材の前記強磁性体は、金属光沢を有する強磁性体層として形成されており、前記金属光沢が前記第1の化粧材の前記意匠面側から視認可能である、施工方法。
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