JP6854342B2 - ファージ表面上での二重特異性抗体の提示 - Google Patents

ファージ表面上での二重特異性抗体の提示 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2016年9月15日に出願された米国仮出願第62/395,139号の恩恵を主張する。この出願の内容は、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明は概して、抗体の対を、それらの各々の標的への同時結合に基づいて同時選択できるようにする、抗体ファージ提示の組成物および方法の分野に関する。本発明で具体化される組成物および方法は、二重特異性抗体の開発に有用である。
発明の背景
ファージ提示法は、繊維状バクテリオファージによってコードされかつその表面で発現される変異体の大きなライブラリーから、所望の特徴を有するまれなリガンドを単離できるようにする、強力なインビトロ進化技術である。ファージ提示法を介して特定された多くの抗体が、治療上、または臨床開発で現在使用されている。抗体ファージ提示法は、二重特異性抗体を発見するのに今まで使用されてきたが、そのプロセスは、選択が同時結合に基づくことを保証するようには合理化されていない。さらに、当技術分野において公知である他の技法(例えば、ファージダイアボディ技術)は、同時結合に基づく直接的な選択を目的とした使用はなされておらず、ファージダイアボディ技術は、ダイアボディレパートリーの構築の難しさが原因で、該技術の幅広い適用は実現不可能である可能性がある。ダイアボディの抗原結合部位の幾何形状の、免疫グロブリン分子との違いは、免疫グロブリンに基づく二重特異性抗体型式への変換と引き換えにその有用性を損なう可能性がある。
したがって、抗体の対を、それらの各々の標的への同時結合に基づいて同時選択することを可能にする、ファージ提示の組成物および方法が必要である。
本明細書において、ファージの表面上に2種のリガンド結合ポリペプチドを同時に提示するための提示システムが提供される。そのようなシステムは、第1の二量体化ドメインとファージの外表面タンパク質とにインフレームで融合している第1のリガンド結合ポリペプチドのコード配列を含むファージミド;第2の二量体化ドメインにインフレームで融合している第2のリガンド結合ポリペプチドのコード配列を含むプラスミド;およびファージをパッケージングするのに必要なすべてのタンパク質のコード配列を含むヘルパーファージを含む。これらのシステムでは、第1のリガンド結合ポリペプチドと第2のリガンド結合ポリペプチドは異なり、かつ異なる標的リガンドにそれぞれ結合する。第1のリガンド結合ポリペプチドの融合体および第2のリガンド結合ポリペプチドの融合体およびすべてのファージタンパク質が適切な宿主細胞中で発現した場合、2種のリガンド結合ポリペプチド融合体が、それらの各々の二量体化ドメインを介して結合し、その結果、ファージの表面上に2種のリガンド結合ポリペプチドが同時に提示される。
一態様では、第1のリガンド結合ポリペプチドおよび二量体化ドメインは繊維状バクテリオファージのマイナーコートタンパク質3に融合しており、これは、第2の二量体化ドメインと高親和性でヘテロ二量体化する。第1の二量体化ドメインと第2の二量体化ドメインの両方ともロイシンジッパーである。
いくつかの態様では、第1の二量体化ドメインはSEQ ID NO:1の核酸配列によってコードされ、第2の二量体化ドメインはSEQ ID NO:3の核酸によってコードされ、または第1の二量体化ドメインはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含み、第2の二量体化ドメインはSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含む。他の態様では、第1の二量体化ドメインはSEQ ID NO:5の核酸配列によってコードされ、第2の二量体化ドメインはSEQ ID NO:7の核酸によってコードされ、または第1の二量体化ドメインはSEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含み、第2の二量体化ドメインはSEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含む。
これらのシステムでは、第1および第2のリガンド結合ポリペプチドは、抗原結合ポリペプチド、例えば、scFvおよび非免疫グロブリン結合ドメインでもよい。
第1および第2のリガンド結合ポリペプチドが宿主細胞中で発現した場合、ファージの表面上に提示される2種のリガンド結合ポリペプチドは、IgG分子のものに匹敵する幾何形状を有するか、IgG分子のものに匹敵する分子分離距離を有するか、またはIgG分子のものに匹敵する幾何形状と分子分離距離の両方を有する。
本明細書において、使用のための指示書とともに適切な包装に入れられた提示システムのキットも提供される。
本明細書において記載される提示システムのいずれかを適切な宿主細胞中で転写および翻訳させることによって2種のリガンドポリペプチドをファージの表面上に提示するための方法も提供される。
さらに、1種または複数種の試験作用物質とファージの表面上に提示された2種のリガンド結合ポリペプチドとの間で同時に起こる特異的相互作用を検出するための方法が提供される。そのような方法では、本明細書において記載される提示システムを使用して表面上に提示される2種以上のリガンド結合ポリペプチドを提示するファージを、リガンド結合ポリペプチドと1種または複数種の試験作用物質との間で安定な複合体を生成するのに適した条件下で、1種または複数種の試験作用物質と接触させ、安定な複合体の形成を(もしあれば)検出する。様々な態様では、1種または複数種の試験作用物質は、タンパク質、多糖、および/またはリガンドである。例えば、1種または複数種の試験作用物質は、抗原でもよく、またはリガンドでもよい。
[本発明1001]
2種のリガンド結合ポリペプチドをファージの表面上に同時に提示するための提示システムであって、該提示システムは、
a.第1の二量体化ドメインとファージの外表面タンパク質とにインフレームで融合している第1のリガンド結合ポリペプチドのコード配列を含むファージミド;
b.第2の二量体化ドメインにインフレームで融合している第2のリガンド結合ポリペプチドのコード配列を含むプラスミド;および
c.ファージをパッケージングするのに必要なすべてのタンパク質のコード配列を含むヘルパーファージ
を含み、
第1のリガンド結合ポリペプチドと第2のリガンド結合ポリペプチドは異なり、かつ異なる標的リガンドにそれぞれ結合するものであり、第1のリガンド結合ポリペプチドの融合体および第2のリガンド結合ポリペプチドの融合体およびすべてのファージタンパク質が適切な宿主細胞中で発現した場合、2種のリガンド結合ポリペプチド融合体がそれらの各々の二量体化ドメインを介して結合し、その結果、ファージの表面上に2種のリガンド結合ポリペプチドが同時に提示される、
前記提示システム。
[本発明1002]
前記第1のリガンド結合ポリペプチドおよび二量体化ドメインが、繊維状バクテリオファージのマイナーコートタンパク質3に融合している、本発明1001の提示システム。
[本発明1003]
前記第1の二量体化ドメインが前記第2の二量体化ドメインと高親和性でヘテロ二量体化する、本発明1001の提示システム。
[本発明1004]
前記第1の二量体化ドメインおよび前記第2の二量体化ドメインがロイシンジッパーである、本発明1003の提示システム。
[本発明1005]
前記第1の二量体化ドメインがSEQ ID NO:1の核酸配列によってコードされ、かつ前記第2の二量体化ドメインがSEQ ID NO:3の核酸によってコードされている、本発明1004の提示システム。
[本発明1006]
前記第1の二量体化ドメインがSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含み、かつ前記第2の二量体化ドメインがSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含む、本発明1004の提示システム。
[本発明1007]
前記第1の二量体化ドメインがSEQ ID NO:5の核酸配列によってコードされ、かつ前記第2の二量体化ドメインがSEQ ID NO:7の核酸によってコードされている、本発明1005の提示システム。
[本発明1008]
前記第1の二量体化ドメインがSEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含み、かつ前記第2の二量体化ドメインがSEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含む、本発明1004の提示システム。
[本発明1009]
前記第1および第2のリガンド結合ポリペプチドが抗原結合ポリペプチドである、本発明1001の提示パッケージ。
[本発明1010]
前記第1および第2のリガンド結合ポリペプチドがscFvである、本発明1009の提示システム。
[本発明1011]
前記第1および第2のリガンド結合ポリペプチドが非免疫グロブリン結合ドメインである、本発明1009の提示システム。
[本発明1012]
前記第1および第2のリガンド結合ポリペプチドがペプチドである、本発明1009の提示システム。
[本発明1013]
前記宿主細胞中で発現した場合、前記ファージの表面上に提示される2種のリガンド結合ポリペプチドが、IgG分子のものに匹敵する幾何形状を有する、本発明1001の提示システム。
[本発明1014]
前記宿主細胞中で発現した場合、前記ファージの表面上に提示される2種のリガンド結合ポリペプチドが、IgG分子のものに匹敵する分子分離距離を有する、本発明1001の提示システム。
[本発明1015]
前記宿主細胞中で発現した場合、前記ファージの表面上に提示される2種のリガンド結合ポリペプチドが、IgG分子のものに匹敵する幾何形状と分子分離距離の両方を有する、本発明1001の提示システム。
[本発明1016]
適切な包装中に本発明1001の提示システムを含む、キット。
[本発明1017]
使用のための指示書をさらに含む、本発明1016のキット。
[本発明1018]
本発明1001の提示システムを適切な宿主細胞中で転写および翻訳させる工程を含む、2種のリガンドポリペプチドをファージの表面上に提示するための方法。
[本発明1019]
1種または複数種の試験作用物質とファージの表面上に提示された2種のリガンド結合ポリペプチドとの間で同時に起こる特異的相互作用を検出する方法であって、以下の工程を含む方法:
a.本発明1018の方法に従って調製される、2種のリガンド結合ポリペプチドを提示するファージを提供する工程;
b.2種のリガンド結合ペプチドと1種または複数種の試験作用物質との間で安定な複合体を生成するのに適した条件下で、該ファージを該作用物質と接触させる工程;および
c.安定な複合体の形成を検出する工程。
[本発明1020]
前記1種または複数種の試験作用物質が、タンパク質、多糖、脂質、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1019の方法。
[本発明1021]
前記1種または複数種の試験作用物質が抗原またはリガンドである、本発明1020の方法。
二重提示システムの概要を提供する。図1Aでは、相補的ロイシンジッパードメイン(Z1およびZ2)の配列が提供される。図1Bは、二重提示ファージを生成するために使用される2レプリコン発現システムの概略図である。 抗CD3可溶性成分scFvを発現する大腸菌(E. coli)中で生成された様々な二重提示ファージコンストラクトの結合活性を示す。示されるファージ成分を有するファージミドを、可溶性成分として抗CD3-Z1または抗CD3-Z2のいずれかをコードするプラスミドを保有する大腸菌中でレスキューし、レスキューしたファージを、固定化されたCD3ペプチドに結合するそれらの能力について、ELISAによって試験した。バーは、二つ組での測定の平均および範囲を表す。 ファージ選択が、組み込まれた可溶性成分抗体によって推進されることを示す。図3Aは、ファージ成分として抗IFNγ-Z1または抗IFNγ-Z2のいずれかをコードするファージクローンの概略図を示し、これらのファージクローンは、可溶性成分として抗CD3-Z2を発現する大腸菌における感染およびレスキュー、それに続く固定化されたCD3ペプチドに対するパニングからなる選択ラウンドに供された。抗IFNγ-Z2ファージ成分を有するファージのみが、抗CD3-Z1可溶性成分を獲得する能力を有することが予想された。 ファージ選択が、組み込まれた可溶性成分抗体によって推進されることを示す。図3Bは、最初のファージ混合物について、および各選択ラウンドの後に得られたファージ集団について行われる、固定化されたCD3ペプチドへの結合に対するELISAアッセイの結果を示す。1:10、1:1000、および1:100000でIFNγ-Z1ファージ中に最初に希釈されたIFNγ-Z2ファージを用いて、3つの異なる選択実験を行う。 ファージ選択が、組み込まれた可溶性成分抗体によって推進されることを示す。図3Cは、固定化されたCD3ペプチドに対するパニングなしで選択ラウンドを行ったことを除いては図3Bと同様のELISAアッセイの結果を示す。 2種の異なる標的構造体に結合する二重提示ファージの能力に基づく選択戦略を示す。図4Aでは、CD3ペプチドでタグづけされたCCR5を発現する細胞とともに、CCR5のみに結合することができる、CD3ペプチドのみに結合することができる、両方の構造体に結合することができる、またはいずれの構造体にも結合することができない4種のファージクローンを使用した。 2種の異なる標的構造体に結合する二重提示ファージの能力に基づく選択戦略を示す。図4Bは選択プロセスを示す流れ図である。 N末端でヒトCCR5に融合しているCD3エピトープタグをコードするpcDNA3.1ベクターの配列、およびpcDNA3.1骨格のXbaIクローニング部位からCCR5のN末端残基をコードする領域までの配列を示す。 使用されるCHO-CD3-CCR5細胞株の特徴づけを示す。トランスフェクトされていないCHO細胞(CHO-WT)またはCHO-CD3-CCR5細胞を、示されるようにCCR5またはCD3ペプチドエピトープのいずれかに特異的な抗体とともにインキュベートし、フローサイトメトリーによって解析した。 出発ファージミドpNDSのマップを示す。 最終的なファージミドpNDS-DDのユニークな制限部位および重要な特徴を示す。 pNDS-DDを作製するためにpNDSに行った配列改変を示す。NotI部位の上流からM13遺伝子3タンパク質のN末端残基をコードする領域までのファージミドの配列とともに、ロイシンジッパードメインZ1をコードするバージョンが、一例として本明細書に提供される。 出発プラスミドpCDF-1bのマップを示す。 最終的なファージミドpcDF-1b-DDの選択された制限部位および重要な特徴を示す。 pCDF-1b-DDを作製するためにpCDF-1bに行った配列改変を示し、pCDF-1b由来の配列はマルチクローニングサイト(MCS)+隣接領域を示す。SphI部位の挿入部位を矢印で示す。 本明細書に一例として提供される、ロイシンジッパードメインZ1をコードするバージョンでの、コードscFv断片の下流に位置するNotI部位からpCDF-1b骨格のPacI部位までのpCDF-1b-DD由来の配列を示す。
詳細な説明
本明細書において、ファージ(例えば、繊維状バクテリオファージ)の表面上での2種の異なるリガンド結合ポリペプチド(すなわち、抗体またはその抗原結合断片)の二重提示のためのファージ提示システム、組成物、および方法が提供される。該システムが適切な宿主細胞中で発現した場合、2つのポリペプチドは、インタクトな免疫グロブリンの2つの抗原結合部位のものと似た幾何形状および/または分子分離距離を有する。これらのシステム、組成物、および方法は、大きなナイーブ抗体レパートリーの使用に容易に適合し、使用者が定めた2種の異なる標的を同時結合させるのに使用することができる、二重レプリコンシステムを使用する。
定義
別段定義しない限り、本発明に関連して使用される科学用語および技術用語は、当業者が通常理解する意味を有するものとし、さらに、文脈によって別段必要とされない限り、単数形の用語は複数を含むものとし、複数形の用語は単数を含むものとする。一般に、本明細書において記載される、細胞および組織培養、分子生物学、ならびにタンパク質およびオリゴまたはポリペプチド化学、ならびにハイブリダイゼーションに関連して利用される専門語、ならびにこれらの技法は、当技術分野において周知であり、一般に使用されているものである。標準的な技法が、組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織培養および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクチン)に使用される。酵素反応および精製技法は、本明細書において記載されるように、製造者の仕様書に従って、または当技術分野において一般に達成されるように行われる。前述の技法および手順は、一般に、当技術分野において周知である従来の方法に従って、ならびに本明細書全体を通して引用され、論じられている様々な一般的な、およびより具体的な参考文献において本明細書において記載されるように行われる(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning. A Laboratory Manualを参照されたい)。
本出願の文脈において、以下に挙げる用語は以下のように定義される。
本明細書において使用される場合、用語「抗体」は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原と特異的に結合する(「免疫反応する」)抗原結合部位を含む分子を指す。構造的に、天然に存在する最も単純な抗体(例えば、IgG)は、ジスルフィド結合によって相互接続した、4つのポリペプチド鎖、2つの重(H)鎖、および2つの軽(L)鎖を含む。免疫グロブリンは、IgD、IgG、IgA、IgMおよびIgEなどのいくつかのタイプの分子を含む、大きな分子ファミリーを表す。
本明細書において使用される場合、用語「二重特異性抗体」は、2種の異なるモノクローナル抗体の断片から構成され、その結果2種の異なるタイプの抗原に結合する、人工タンパク質を指す。
用語「免疫グロブリン分子」には、例えば、ハイブリッド抗体、または改変抗体、およびそれらの断片が含まれる。
本明細書において使用される場合、「抗原」は、抗体が特異的に認識し、結合する物質を指す。抗原としては、例えば、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖、および脂質;それらの均等物および組み合わせを挙げることができる。本明細書において使用される場合、用語「表面抗原」は細胞の原形質膜成分を指し、原形質膜を構成する、内在性膜タンパク質および表在性膜タンパク質、糖タンパク質、多糖ならびに脂質を包含する。「内在性膜タンパク質」は、細胞の原形質膜の脂質二重層を横断して伸長している膜貫通タンパク質である。典型的な内在性膜タンパク質は、一般に疎水性アミノ酸残基を含む、少なくとも1つの「膜貫通セグメント」を含む。表在性膜タンパク質は、脂質二重層の疎水性内部に伸長しておらず、他の膜タンパク質との非共有結合的相互作用によって膜表面に結合している。
「抗体断片」は、好ましくはインタクトな抗体の抗原結合領域または可変領域を含め、インタクトな抗体の一部を含む。抗体断片の例としては、限定されないが、Fab、Fab'、F(ab')2、およびFv断片;ダイアボディ;直鎖状抗体(Zapata et al., Protein Eng. 8(10): 1057-1062 (1995)を参照されたい);単鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられる。
単鎖可変断片(scFv)は、典型的には、10〜約25アミノ酸の短いリンカーペプチドで接続された、免疫グロブリンの重鎖(VH)および軽鎖(VL)の可変領域の融合タンパク質である。リンカーは、通常、可動性のためにグリシンに富み、可溶性のためにセリンまたはスレオニンに富む。リンカーは、VHのN末端をVLのC末端に接続させることが可能であり、またはその逆も可能である。
「ダイアボディ」は、同じポリペプチド鎖中で軽鎖可変ドメイン(VL)に接続した重鎖可変ドメイン(VH)を含む(VW-VL)、2つの抗原結合部位を有する小型抗体断片を指す。同じ鎖上の2つのドメイン間で対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、これらのドメインは強制的に別の鎖の相補的ドメインと対形成され、2つの抗原結合部位を作出する。ダイアボディは、例えば、EP404,097;WO93111161;およびHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)において、さらに十分に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み入れられる。
「ドメイン」は、タンパク質またはペプチドの他の部分と物理的または機能的に区別される、タンパク質の部分を指す。物理的に定義されたドメインは、極めて疎水性または親水性であるアミノ酸配列、例えば、膜結合性または細胞質結合性の配列を含む。ドメインは、例えば、遺伝子重複から生じる内部相同性によって定義することもできる。機能的に定義されたドメインは独特な生物学的機能を有する。例えば、受容体のリガンド結合ドメインは、リガンドに結合するドメインである。抗原結合ドメインは、抗原に結合する、抗原結合単位または抗体の部分を指す。機能的に定義されたドメインは、連続的なアミノ酸配列にコードされる必要がない。機能的に定義されたドメインは、1つまたは複数の物理的に定義されたドメインを含むことができる。例えば、受容体は、一般に細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内エフェクタードメインに分けられる。「膜アンカードメイン」は、膜結合を媒介するタンパク質部分を指す。一般に、膜アンカードメインは疎水性アミノ酸残基から構成される。あるいは、膜アンカードメインは、修飾アミノ酸、例えば、脂肪酸鎖に結合するアミノ酸を含むことができ、次にこれはタンパク質を膜に固定させる。
「リガンド」は、特定のドメイン(すなわち、「リガンド結合ドメイン」)と結合することができる分子である。適切なリガンドは、当技術分野において使用される任意の方法を使用して化学合成されてもよく、または天然に存在していてもよい。「リガンド結合ドメイン」は、その作用が結合リガンドの存在に依存するドメインである。ある場合には、受容体タンパク質への「リガンド結合」は、3次元形状の配向に影響を及ぼすことによって化学的コンホメーションを変える。リガンド結合ドメインへのリガンドの結合速度は、その親和性として公知である。
本明細書において使用される場合、「高親和性」は、リガンドとその受容体との間のより大きな分子間力によって生じるリガンド結合を指す。したがって、高親和性結合は、リガンドの、その受容体結合部位におけるより長い滞留時間を伴い、高親和性リガンド結合は、リガンド結合部位を最大限に占有しかつ生理学的応答を誘発するのに比較的低濃度のリガンドで十分であることを意味する。
「ヘテロ二量体受容体」は、それぞれがリガンドへの結合親和性を示す2つのタンパク質性サブユニットを含む細胞タンパク質である。2つのタンパク質性サブユニットは、少なくとも1つのアミノ酸残基だけアミノ酸配列が異なる別個の分子である。
本明細書において使用される場合、「二量体」は、非共有結合した2つの巨大分子、例えば、タンパク質、ポリペプチド、または核酸によって形成される巨大分子複合体である。「ホモ二量体」は、「ホモ二量体化」と呼ばれるプロセスにおいて2つの同一の分子によって形成される。「ヘテロ二量体」は、「ヘテロ二量体化」と呼ばれるプロセスにおいて2つの異なる巨大分子によって形成される。「二量体化ドメイン」は、巨大分子の結合を媒介する分子部分を指す。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」などは本明細書において互換的に使用されて、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは直鎖状でも、環状でも、分枝状でもよく、修飾アミノ酸を含んでいてもよく、かつ/または非アミノ酸によって中断されていてもよい。これらの用語は、例えば、硫酸化、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、ヨウ素化、メチル化、酸化、タンパク分解性プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、タンパク質への転移RNA媒介性アミノ酸付加、例えば、アルギニル化、ユビキチン化、または任意の他の操作、例えば、標識成分とのコンジュゲーションを介して修飾されたアミノ酸ポリマーも包含する。
本明細書において使用される場合、用語「アミノ酸」は、グリシンおよびDまたはL光学異性体の両方、ならびにアミノ酸類似体およびペプチド模倣体を含めた、天然および/または非天然もしくは合成アミノ酸のいずれかを指す。
本明細書において使用される場合、「ペプチド」は、短いポリペプチド、例えば、典型的には約50個未満のアミノ酸、より典型的には約30個未満のアミノ酸を含むものを指す。この用語は、構造的機能、したがって生物学的機能を模倣する、類似体および模倣体も包含する。
用語「融合タンパク質」は、異種性アミノ酸配列に結合しているポリペプチドまたは断片を含むポリペプチドを指す。
用語「ポリヌクレオチド」、「核酸分子」、「核酸」、または「核酸配列」などは、少なくとも10塩基長のヌクレオチドのポリマー形態を指す。本用語には、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNAまたは合成DNA)およびRNA分子(例えば、mRNAまたは合成RNA)、ならびに非天然ヌクレオチド類似体、非天然ヌクレオシド間結合もしくはその両方を含む、DNAまたはRNA類似体が含まれる。核酸は、任意のトポロジー的コンホメーションで存在することができる。例えば、核酸は、一本鎖、二本鎖、三本鎖、四本鎖、部分的二本鎖、分枝状、ヘアピン状、環状、またはパドロック状のコンホメーションでもよい。
「コード配列」または「オープンリーディングフレーム」は、ポリペプチドまたはタンパク質をコードするヌクレオチド配列である。コード配列の末端は開始コドンおよび終止コドンである。
「宿主細胞」または「細胞株」または「細胞培養」または「細胞」は、インビトロで増殖するまたは維持される、細菌細胞、植物細胞、昆虫細胞、または高等真核細胞を示す。細胞の子孫は、親細胞と(形態的、遺伝子型的、または表現型的に)完全に同一でなくてもよい。
用語「遺伝子」は、タンパク質の生成に関与するDNAセグメントを意味する。これは、コード領域に先行する、およびそれに続く領域(リーダーおよびトレーラー)、ならびに個々のコードセグメント(エクソン)の間の介在配列(イントロン)を含む。リーダー、トレーラー、およびイントロンは、遺伝子の転写および翻訳の間に必要な調節エレメントを含む。さらに、「タンパク質遺伝子産物」は、特定の遺伝子から発現されたタンパク質である。
DNA核酸配列(例えば、遺伝子)に関連して本明細書において使用される場合、単語「発現」または「発現される」は、その配列の転写および/または翻訳の産物を意味する。細胞中のDNA分子の発現レベルは、細胞内に存在する対応するmRNAの量か、または細胞によって生成される、そのDNAにコードされるタンパク質の量かのいずれかに基づいて決定することができる(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 18.1-18.88 (1989)を参照されたい)。ポリペプチドに関連して使用される場合、発現は、限定されないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、および分泌を含めた、ポリペプチドの生成に関与する任意の工程を含む。発現は、タンパク質を検出するための従来の技法(例えば、ELISA、ウエスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫蛍光、免疫組織化学など)を使用して検出することができる。
「配列同一性のパーセンテージ」は、比較ウィンドウにわたって最適に整列させた2つの配列を比較することによって決定され、ここで、比較ウィンドウ中のポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適な整列化のために、(付加または欠失を含まない)参照配列と比べて、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含むことができる。パーセンテージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列に存在する位置の数を決定して、一致した位置の数を得て、一致した位置の数を比較ウィンドウ中の位置の総数で割り、その結果に100を掛けて配列同一性のパーセンテージを得ることによって計算される。
2つ以上の核酸配列またはポリペプチド配列の文脈において、用語「同一の」またはパーセント「同一性」は、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、または手動整列化および目視検査によって測定した場合に、比較ウィンドウまたは指定された領域にわたって、最大一致を目的として比較し、整列させるときに、同じであるか、同じアミノ酸残基またはヌクレオチドの特定のパーセンテージ(すなわち、例えば、本開示のポリペプチド配列全体または本開示のポリペプチドの個々のドメインの特定の領域にわたって、60%の同一性、任意で、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の同一性)を有する、2つ以上の配列または部分配列を指す。次いで、そのような配列は「実質的に同一」と言われる。この定義は、試験配列の相補体も指す。任意で、同一性は、少なくとも約50個のヌクレオチドの長さの領域にわたって、またはより好ましくは、100個〜500個もしくは1000個以上のヌクレオチドの長さの領域にわたって存在する。
本明細書において使用される場合、「バクテリオファージ」は、細菌に感染するウイルスを指す。同様に、「アーケオファージ(archaeophage)」は古細菌に感染するウイルスを指す。用語「ファージ」は、本明細書において、両方のタイプのウイルスを指すのに使用されるが、特定の場合では、文脈によって示される場合、簡略表記として、特にバクテリオファージまたはアーケオファージを指すのに使用することもできる。バクテリオファージおよびアーケオファージは、宿主の生合成機構のいくつかまたはすべてを使用することによって、細菌/古細菌の内部に感染しかつ内部で増殖する、(感染する宿主細胞を特定する工程と適切な宿主細胞中でしか自身のゲノムを生産的に複製ができないことの両方に関する)偏性細胞内寄生体である。様々なバクテリオファージおよびアーケオファージが様々な物質を含み得るが、これらはすべて核酸およびタンパク質を含み、ある特定の状況下で、脂質膜中に被包され得る。
ファージに応じて、核酸はDNAまたはRNAのどちらかでよく(しかし、典型的には両方ではない)、様々な形態で存在することができ、核酸のサイズはファージに依存する。最も単純なファージは、サイズが数千個のヌクレオチドのゲノムしか有さないが、より複雑なファージは、そのゲノム中に100,000個を超える、まれな例では、1,000,000個を超えるヌクレオチドを有し得る。さらに、ファージは脂質膜で覆われている可能性があり、様々な物質も含み得る。ファージ粒子中の様々な種類のタンパク質の数およびそれぞれの種類のタンパク質の量は、ファージによって変動する。タンパク質は、環境中のヌクレアーゼから核酸を保護し、感染において機能的である。
例えば、繊維状ファージM13、f1、fd、If1、Ike、Xf、Pf1、およびPf3を含めた多くの繊維状および非繊維状ファージのゲノムがシークエンスされている。繊維状ファージのクラスの中では、その3次元構造が公知であり、そのコートタンパク質の機能がよく理解されているように、M13が最もよく特徴づけされている種である。特に、M13ゲノムは5種のコートタンパク質、pIII、VIII、VI、VII、およびIXをコードし、これらは、M13ベクターに外来DNAを挿入するための部位として使用される。
本明細書において使用される場合、「ファージゲノム」は、天然に存在するファージゲノムおよびその誘導体を含む。一般に、(必ずしもそうとは限らないが)、誘導体は、親と同じ宿主内で増殖する能力を有する。いくつかの態様では、天然に存在するファージゲノムと誘導体ファージゲノムの唯一の違いは、(ゲノムが直鎖状である場合は)ファージゲノムの少なくとも一端からの、または(ゲノムが環状である場合は)ゲノム中の少なくとも一点に沿った、少なくとも1つのヌクレオチドの付加または欠失である。
本明細書において使用される場合、「ファージ宿主細胞」または「宿主細胞」などは、特定のタイプのファージゲノムDNAからファージを形成することができる細胞である。いくつかの態様では、ファージゲノムDNAは、ファージが細胞に感染することによって細胞に導入される。ファージは、宿主細胞の外側の受容体分子に結合し、そのゲノムDNAを宿主細胞に注入する。いくつかの態様では、ファージゲノムDNAは形質転換または任意の他の適切な技法を使用して細胞に導入される。いくつかの態様では、ファージゲノムDNAは、細胞に導入される場合、実質的に純粋である。ファージゲノムDNAは、細胞に導入される場合、ベクター中に存在していてもよい。非限定的な例として、ファージゲノムDNAは、形質転換または同等の技法によってファージ宿主細胞中に導入される酵母人工染色体(YAC)中に存在する。次いで、ファージゲノムDNAはコピーされ、ファージ宿主細胞の溶解の後にファージ粒子中にパッケージングされる。
本明細書において使用される場合、「外表面配列」は、遺伝子パッケージの「外表面タンパク質」をコードするヌクレオチド配列を指す。これらのタンパク質は、遺伝子パッケージのゲノムを被包するタンパク質性コートを形成する。典型的には、外表面タンパク質は、遺伝子パッケージ、例えば、ファージまたは細菌の外表面上に提示されるポリペプチドをアセンブリするようにパッケージングを誘導する。
「遺伝子-3マイナーコートタンパク質(P3)」(ファージ外表面タンパク質)は、宿主の膜においてアセンブリされた繊維状バクテリオファージからの放出、およびその後の新しい宿主の認識および感染に必要とされる。P3は、宿主認識および感染を媒介する2つのN末端ドメイン、ならびにファージのアセンブリ後の宿主細胞からの放出に必要とされ、ファージ粒子の構造安定性に寄与するC末端ドメイン(P3-C)の、少なくとも3つの別個のドメインを含む。
本明細書において使用される場合、用語「ファージミド」は、f1ファージ由来のf1複製開始点(ori)を含むプラスミドを指す(Analysis of Genes and Genomes, John Wiley & Sons, S. 140 (2004)を参照されたい)。ファージミドは、繊維状ファージM13と組み合わせて、クローニングベクターの1種として使用することができ、プラスミドとして複製することができ、さらにまた、一本鎖DNAとしてウイルス粒子中にパッケージングされ得る。ファージミドは、二本鎖複製のためのori、および一本鎖複製とファージ粒子中へのパッケージングとを可能にするためのf1 oriを含むことができる。
「ファージミドシステム」は、ファージ外表面配列(例えば、コート配列)の少なくとも一部への外来性核酸配列の融合を必要とする。この方法では、適切な宿主細胞に感染させた後、ファージの表面上で外来性配列を発現させることができる。典型的には、最も一般に使用されるファージ外表面配列はM13バクテリオファージの遺伝子IIIおよびVIII内にあるが、遺伝子VI、VIIおよびIXの融合体も使用することができる。
本明細書において使用される場合、「ヘルパーファージ」は、ファージのパッケージングに必要なタンパク質のコード配列を含むベクターを指す。
二重提示システム
本明細書において、ファージ(すなわち、繊維状バクテリオファージ)の表面上における2種の異なるリガンド結合ポリペプチド(例えば、抗体または抗体断片)の確固たる提示を可能にする提示システムが提供される。適切な宿主細胞中で発現した場合、2つのポリペプチドは、インタクトな免疫グロブリン分子の2つの抗原結合部位のものと似た幾何形状および/または分子分離距離を有する。これらのシステムは、選択された標的分子に特異的に結合することができる二重特異性抗体を特定する方法で使用することができる。
本明細書において記載される提示システムは、3つの別々の成分を含む:(1)第1の二量体化ドメインとファージの外表面タンパク質とにインフレームで融合している第1のリガンド結合ポリペプチドをコードするファージミド、(2)第2の二量体化ドメインにインフレームで融合している第2のリガンド結合ポリペプチドをコードするプラスミド、ならびに(3)ファージをパッケージングするのに必要なタンパク質のすべてをコードするヘルパーファージ。これらのシステムでは、第1のリガンド結合ポリペプチドと第2のリガンド結合ポリペプチドは異なり、かつ異なる標的リガンドにそれぞれ結合する。
これらのシステムは、優先的に互いにヘテロ二量体化し、(たとえあるとしても)低親和性でしかホモ二量体化しないロイシンジッパーの同種の対を利用する。そのようなロイシンジッパーの非限定的な例としては、BZIP1およびBZIP2の操作されたVBPドメイン(Moll et al., Protein Science 10: 646-655 (2001)を参照されたい)、ならびに天然に存在するGABAB受容体1ドメインおよびGABAB受容体2ドメイン(Wang et al., PLOS ONE 6(4): e19023 (2011)を参照されたい)が挙げられる。これらのロイシンジッパーの配列を以下に提供する。
Figure 0006854342
適切な宿主細胞において発現すると、2種のリガンド結合ポリペプチド融合体は、それらの各々の二量体化ドメインを介して結合し、それによって、ファージの表面上での2種のリガンド結合ポリペプチドの同時提示が生じる。第1および第2のリガンド結合ドメインをロイシンジッパーの同種の対のうちの1つへとインフレームで融合させることによって、適切な宿主細胞における発現の際に、1コピーの各リガンド結合ポリペプチドをファージの表面上で発現させることが確実になる。
これらのシステムは、(例えば、当技術分野において一般に用いられる任意の方法を使用して)、提示システムを適切な宿主細胞中で転写および翻訳させることによって、2種の異なるリガンド結合ポリペプチドをファージの表面上に提示するのに使用することもできる。
1種または複数種の試験作用物質とファージの表面上に提示された2種のリガンド結合ポリペプチドとの間で同時に起こる特異的相互作用を検出するための方法も提供される。そのような方法では、リガンド結合ポリペプチドと1種または複数種の試験作用物質との間で安定な複合体を生成するのに適した条件下で、ファージを試験作用物質と接触させる。様々な態様では、1種または複数種の試験作用物質は抗原またはリガンド(例えば、タンパク質、多糖、および/または脂質)である。
したがって、これらの提示システムは、使用者が定めた2種の異なる標的に同時結合することができるリガンドの対の特定に適用される可能性があり、次にこれが、新規二重特異性抗体の発見を容易にすると考えられる。
ロイシンジッパーヘテロ二量体化ドメインに基づく二重レプリコンシステムの構築
ファージ表面で近接した2種の異なるscFvを提示するために、静電反発力によってホモ二量体化を阻害し、静電引力によってヘテロ二量体化を支持する相補的荷電残基を特色とする、1対のロイシンジッパードメインに基づくシステム(Moll et al., Protein Sci 10:649-655 (2001)を参照されたい)が使用される(図1A、Z1、Z2を参照されたい)。
このシステムでは、レスキュー中に遺伝子とその産物の両方がファージ粒子中に組み込まれるように、1つのロイシンジッパードメインが、ファージミドベクター(pNDS-DD)上で、第1のscFv断片とファージpIIIマイナーコートタンパク質との間に挿入される(以降、「ファージ成分」と称する)(図8)。他のロイシンジッパードメインは、相補的発現ベクター(pCDF-1b-DD)上で、可溶性周辺タンパク質としての発現のためにコードされる第2のscFv断片に付加される(以降、「可溶性成分」と称する)(図9A、9B、10Aおよび10B)。
ファージのアセンブリおよび放出の間、可溶性成分は、細菌ペリプラズム中のファージ成分と安定なロイシンジッパー媒介性複合体を形成し、その結果、2種の異なる抗体断片(パッケージングされたファージミドベクターにコードされるファージ成分scFv+ファージレスキューを行う細菌宿主が保有するプラスミドにコードされる可溶性成分scFv)を提示するファージ粒子がもたらされる(図1Bを参照されたい)。
ファージのアセンブリの間の可溶性成分抗体の結合はロイシンジッパーのヘテロ二量体化に依存しており(図2を参照されたい)、これは、可溶性成分抗体の標的に対する数ラウンドのパニングを介して、まれな(すなわち、最初の集団において105個に1個存在する)ヘテロ二量体化の能力があるファージクローンの選択を推進する(図3および表1を参照されたい)。
(表1)可溶性成分抗体の二重提示ファージによる獲得は、数ラウンドのパニングおよび増幅にわたる選択を推進するのに十分である。
Figure 0006854342
二重提示ファージの特徴づけ
二重提示の実行可能性を試験するために、特異性が公知の以下の3つの抗体断片を使用した:抗CXCL10(Fagete et al., 1: 288-296 (2009)を参照されたい)、抗インターフェロンγ(抗IFNγ)(Ravn, et al., 2010を参照されたい)、および抗CD3ペプチド(WO2011/121110を参照されたい)。第1の実験では、ファージ成分の発現のために、抗IFNγ-Z1、抗IFNγ-Z2、抗CXCL10-Z1、または抗CXCL10-Z2をコードする、4つのpNDS-DDファージミドコンストラクトを使用した。これらのファージミドは、可溶性成分として抗CD3-Z1または抗CD3-Z2のいずれかをコードするpCDF-1b-DDプラスミドを保有する大腸菌中でレスキューした。8つの異なるファージレスキュー混合物を、固定化されたCD3ペプチド-Fc融合タンパク質に結合するそれらの能力について、ELISAによって評価した(図2を参照されたい)。
重要なことに、可溶性成分のロイシンジッパードメインがファージ成分のロイシンジッパードメインに相補的である(すなわち、ファージ成分のZ1、可溶性成分のZ2、またはその逆;図2を参照されたい)場合のみ、陽性のELISAシグナルが得られ、これは、二重提示のための可溶性抗体断片の組み込みが相補的ロイシンジッパードメインのヘテロ二量体化によって推進されることを確証するものである。
2つの異なる抗体特異性を提示することができるまれなクローン(105個中1個)を、使用者が定めた2種の標的に同時結合するそれらの能力に基づいて、数ラウンドの選択を通して単離することができ(図4および表2を参照されたい)、それによって、二重提示システムの概念の重要な最初の実証が提供される。
(表2)二重提示選択は、2種の異なる同種抗体を提示することができるまれなファージクローンを濃縮する。
Figure 0006854342
可溶性成分抗体の組み込みはファージ選択を推進するのに十分である
ファージのアセンブリの間の可溶性成分scFvのロイシンジッパー媒介性獲得が、その標的に対するパニングのサイクル中にファージ選択を推進するのに十分に頑強であるかどうかを決定するため、ファージ成分として抗IFNγ-Z1または抗IFNγ-Z2のいずれかをコードするpNDS-DDファージミドを、抗CD3-Z1可溶性成分をコードするpCDF-1b-DDを保有する大腸菌中でレスキューした。この方法では、ロイシンジッパーのヘテロ二量体化を介して、抗IFNγ-Z2ファージのみが抗CD3 scFvを獲得することができると考えられる(図3Aを参照されたい)。抗CD3を提示する抗IFNγ-Z2ファージを抗CD3陰性の抗IFNγ-Z1ファージのバックグラウンドから濃縮することができる程度を決定するために、ファージのこの混合物を、固定化されたCD3ペプチド-Fc融合タンパク質に対する選択パニングのラウンドに供した。抗IFNγ-Z1ファージと抗IFNγ-Z2ファージとの間の起こり得る増殖優位性の差が原因で生じる任意の濃縮についての対照実験として、CD3ペプチドのパニング工程なしで感染および増幅のラウンドを行う並行選択実験を行った。
各選択ラウンドの後、各ファージ集団に対する個々のコロニーをシークエンスして、抗IFNγ-Z1ファージに対する抗IFNγ-Z2ファージの比率を決定し(表1を参照されたい)、固定化されたCD3ペプチド-Fc融合タンパク質への結合についてELISAによって評価した(図3Bおよび3Cを参照されたい)。IFNγ-Z2をコードするファージを、IFNγ-Z1をコードするファージと示される比で混合し、図3Aに示すように、この混合物を選択ラウンドに供した。個々のファージクローンに対応するコロニーを各選択ラウンドの後に無作為に選び、シークエンスして、それらがIFNγ-Z1またはIFNγ-Z2に対応しているかどうかを決定した。ロイシンジッパーのヘテロ二量体化を介して抗CD3-Z1可溶性成分抗体を獲得することができる抗IFNγ-Z2ファージが、固定化されたCD3ペプチドに対するパニングの間に効率的に濃縮された(表1を参照されたい)。予想通り、濃縮は抗CD3ファージのELISAシグナルの増大を伴った(図3Bを参照されたい)。ファージをパニングのない選択ラウンドに供した場合、Z2ロイシンジッパーの優勢度または抗CD3ペプチドのELISAシグナルのいずれにおいても増大は認められなかった(図3Cを参照されたい)。したがって、二重提示システムにおける可溶性成分抗体の結合は、数ラウンドのパニングを通して選択を推進するのに十分に頑強である。
2種の標的と2種の提示抗体との同時結合によって推進される選択
二重提示ファージの選択は、2種の異なる標的エピトープへの同時結合によって推進され得る。例えば、細胞表面レセプターCCR5を、その細胞外N末端ドメインに付加されたCD3ε(1〜15位)ペプチドとともに安定して発現する、クローン細胞株(CHO-CD3-CCR5)を生成した(図4Aおよび図6Aを参照されたい)。この細胞株は、十分に特徴づけられている抗CCR5抗体(PRO-140)(Trkola et al., J. Virol. 75:579-588 (2001)を参照されたい)をscFv断片として再編成したので、抗CCR5-Z1、抗CCR5-Z2、抗IFNγ-Z1、および抗IFNγ-Z2の4種の異なるファージ成分をコードするファージクローンを含む選択実験で使用した。
4種のファージクローンのそれぞれは、抗CD3-Z1可溶性成分を発現する大腸菌中でレスキューした後に、以下の抗体の異なる組み合わせを提示することが予想される:抗CCR5抗体と抗CD3抗体の両方を有する抗CCR5-Z2ファージ、抗CCR5のみを有する抗CCR5-Z1ファージ、抗CD3のみを有する抗IFNγ-Z2ファージ、およびいずれの同種抗体も有さない抗IFNγ-Z1ファージ(図4Aを参照されたい)。同種のファージクローン(抗CCR5-Z2、抗CCR5-Z1、および抗IFNγ-Z2)をそれぞれ、非同種のクローン(抗IFNγ-Z1)に対して1万倍希釈し、CHO-CD3-CCR5細胞に対するパニングのラウンドに供した(図4Bを参照されたい)。
選択ラウンド3および4の後に無作為に選んだコロニーをシークエンスすることによって、濃縮の解析を行った(表2を参照されたい)。示される出発比率をもたらすように、同種抗体の異なる組み合わせを提示することができる4種の異なるファージクローン(図4Aを参照されたい)を混合した。選択のラウンド3およびラウンド4の後に、個々のファージクローンに対応するコロニーを無作為に選び、シークエンスした。各ファージクローンに対応するとして特定されたコロニーの数が示される。予想通り、1万倍過剰で最初に存在した非同種のファージクローン(抗IFNγ-Z1)はその間に次第に排除された。重要なことに、1種または複数種の同種抗体を提示するファージクローンの中で、抗CD3および抗CCR5の両方を提示するクローン(抗CCR5-Z2)のみが選択の間に濃縮され、抗CCR5-Z2は、ラウンド4の後に検出することができた、4種の出発クローンのうちの唯一のものであった。したがって、二重提示は、2種の異なる標的構造体に対して抗体を提示することができるまれなファージ(すなわち、最初の集団において105個に1個存在する)を特異的に濃縮するのに使用することができる。
ライブラリーに基づく選択のために、二重提示を適合させる
本明細書において記載される二重レプリコン戦略は、二重提示システムを、ライブラリーに基づく選択に容易に適用できるように設計された。「単一ポット」二重提示ナイーブ抗体ライブラリーは、pNDS-DDファージミドにクローニングすることができ、次いで、使用者が定めた様々な可溶性成分抗体とともに使用することができる。これは、生成される選択された可溶性成分抗体断片を保有し、二重提示ナイーブ抗体ライブラリーによる感染を受け、次いで、ヘルパーファージによるレスキューに供される、新しい細菌系統を必要とする。
機能的リガンド対の同時選択を可能にする
1つの標的抗体特異性(可溶性成分)が、各選択実験より前に使用者によって固定されなければならない一態様では、適合性抗体の新規な対を探索するコンビナトリアルスクリーニングは不可能である。しかし、このシステムは、抗体の機能的な対の直接的な選択を可能にするように適合させることができ、そのために、LoxP/Creコンビナトリアル感染/インビボ組換えシステムを使用する(Waterhouse et al., Nucleic Acids Res. 21:2265-2266 (1993)を参照されたい)。このプロセスでは、細菌をドナープラスミドライブラリーで形質転換し、次いで、組換えによってドナープラスミドから配列を獲得することができるファージに感染させる。可溶性抗体とファージ成分抗体の両方をコードするコンビナトリアル二重提示ファージミドライブラリーは、pNDS-DDおよびpCDF-1b-DDベクターを適切な隣接組換え部位を含むように適合させることによって、生成することができる。
したがって、標的細胞特異性を増大させるべく(例えば、腫瘍細胞上の)2種の異なる細胞表面マーカーに同時結合することができる抗体の対を直接単離するために、本明細書において記載されるシステムおよび方法のいずれかを使用することができる。さらに(または代わりに)、2種の異なる標的細胞受容体のヘテロ二量体化を誘導することができる抗体の対を使用して、細胞シグナル伝達活性の調節を微調整することができる。
実施例1:抗体二重提示
二重特異性抗体の発見を合理化する方法
プラスミド、ファージミド、ヘルパーファージおよび細菌系統
プラスミドpCDNA3.1およびpCDF-1bは、それぞれInvitrogenおよびNovagenから購入した。ファージミドベクターpNDSは以前に記載されている(Venet et al., PLoS One 7: e43471 (2012)を参照されたい)。ヘルパーファージM13K07(Vieira et al., Methods Enzymol. 153: 3-11 (1987)を参照されたい)および大腸菌TG1(K-12 supE thi-1Δ(lac-proAB)Δ(mcrB-hsdSM)5,(rk- mk-)F’[traD36 proAB+ lacIq lacZΔM15])は施設内で生成した。大腸菌XLl-Blue(recA1 endA1 gyrA96 thi-1 hsdRl7 supE44 relA1 lac)はAgilent Technologiesから購入した。
抗体、細胞株、および材料
抗体
抗ヒトCXCL10抗体(Fagete et al., 1: 288-296(2009)を参照されたい)および抗ヒトIFNγ(Ravn et al., Nucleic Acids Res. 38: e193(2010)を参照されたい)抗体は、標準的なファージ提示選択およびスクリーニング手順を使用して、ナイーブscFvファージ提示ライブラリーから単離した。ヒトCCR5に対する以前に記載された抗体のVHおよびVLドメイン(Trkola et at., J. Virol. 75: 579-588 (2001)を参照されたい)、およびヒトCD3εサブユニットの成熟型の残基1〜15位(WO2011/121110を参照されたい)をコードする遺伝子を合成し(Eurofins)、scFv断片としてアセンブリした。
CHO-CD3-CCR5細胞
ヒトプロラクチンリーダー配列およびヒトCD3εサブユニットの成熟型の1〜15位の後にヒトCCR5をコードする融合コンストラクトを、哺乳動物細胞発現ベクターpCDNA3.1にクローニングした。得られたプラスミドを使用してチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞にトランスフェクトし、次いで、これを選択抗生物質G418(Invitrogen、1.2mg/mL)の存在下で増幅させた。細胞選別によって個々のクローンを単離し、それに続いてさらに増殖させ、単一クローンを、CCR5とCD3εサブユニットペプチドエピトープの両方の表面発現についてのフローサイトメトリー解析に基づいて選択した。
発現ベクターの構築
成熟タンパク質ヒトCCR5(NCBI参照NM_000579)をコードする遺伝子は、(i)ウシプロラクチン前駆体リーダー配列(NCBI参照NM_173953)、(ii)成熟ヒトCD3εサブユニット(NCBI参照NM_000733.3)の残基1〜15位をN末端に付加するように、PCR伸長によってアセンブリした(添付の図5を参照されたい)。得られた断片を、XbaIおよびNotI制限部位を使用して哺乳動物細胞発現ベクターpcDNA3.1(Invitrogen)にクローニングした。
ビオチン化CD3ペプチド-Fc
PCR伸長を使用して、ヒトCD3εの残基1〜15位をコードする配列をヒトγ1Fc領域のN末端に融合し、C末端のAviTag(商標)配列(Avidity)を組み込んだ。この断片を、HindIIIおよびEcoRI部位を使用してPeak8哺乳動物発現ベクター(Edge Biosystems)にクローニングし、以前に記載されているように融合タンパク質を発現させた(Magistrelli et al., Protein Expr. Purif. 72:209-216 (2010)を参照されたい)。CELLineバイオリアクター(Integra)中での10日間の生成後、AKTA Primeクロマトグラフィーシステム(Amersham Pharmacia Biotech)を使用して、収集したタンパク質をプロテインGセファロースカラム(GE healthcare)で精製した。精製したタンパク質を、製造者の指示書に従ってBirA酵素(Avidity)を使用してインビトロでビオチン化し、PD10カラム(GE healthcare)を使用して脱塩し、SDS-PAGEによって純度および完全性について確認した。
二重レプリコンシステム分子クローニング
二重提示ファージミド(pNDS-DD)
ファージ遺伝子3コード配列とインフレームでSpeIおよびPacI部位を導入し、アンバーコドンを除去するように、QuikChangeクローニング戦略(Agilent Technologies)を使用してファージミドpNDSを改変した。次いで、SpeIおよびPacI部位を使用して、Z1およびZ2ロイシンジッパードメイン(Moll et al., Protein Sci 10: 649-655 (2001)を参照されたい)に対応し、グリシン/セリンリッチスペーサーに隣接する、大腸菌コドンに最適されたコード配列に対応する断片を挿入した。次いで、ファージミド骨格の標準的なSfiIおよびNotI部位を使用して、抗体scFv断片を二重提示ファージミドにクローニングした。
安定的にトランスフェクトされたクローン細胞株の生成および特徴づけ
得られたプラスミドを、製造者の指示書に従ってLipofectamine(商標)(ThermoFisher)を使用してチャイニーズハムスター卵巣細胞にトランスフェクトした。1.2mg/mLのジェネテシン(ThermoFisher)の存在下で培養することによって、安定的にトランスフェクトされた細胞を選択し、個々のクローンを細胞選別によって単離した。抗CCR5抗体(Alexa Fluor 488に直接的にコンジュゲートされたHEK/1/85a mAb、BioLegend)およびフィコエリトリンコンジュゲートマウス抗ヒトFc二次抗体(Clone H2、Southern Biotech)とともに使用される抗CD3ペプチド抗体(Pande et al., 28:849-858 (2010)を参照されたい)(インタクトなヒト免疫グロブリンとしての発現のためにアセンブリされた)を使用して、フローサイトメトリーによって、クローン細胞株を評価した。
可溶性成分発現のためのプラスミド(pCDF-1b-DD)
QuikChang突然変異誘発(Agilent Technologies)を使用して、pCDF-1bのマルチクローニングサイトの上流にSphI制限部位を挿入した。この部位を、プラスミド骨格のPacI部位とともに使用して、コードscFv-ロイシンジッパー融合タンパク質に対応する、ドナーファージミドベクター由来のSphI-PacI断片を挿入した。最終的なファージミドpNDS-DDを作製するために出発ファージミドpNDSを改変するのに用いられる工程を図7Aおよび7Bに示す。
ファージレスキュー
pCDF-1b-DDプラスミドを保有する大腸菌TG1に導入されたpNDS-DDファージミドを、アンピシリン(100μg/mL)およびカナマイシン(50μg/mL)に加えて、pCDF-1b-DDプラスミドに対する選択抗生物質であるスペクチノマイシン(30μg/mL)を使用したことを除いては、標準的な手順(Hoogenboom et al., Nucleic Acids Res. (1991) 19, 4133-4137を参照されたい)に従って、M13KO7ヘルパーファージを使用してレスキューした。レスキュー上清を、レスキュー上清の体積の30%に相当する体積のポリエチレングリコール8000(20%(w/v)、Acros Organics)/2.5M NaCl溶液とともに4℃で2時間インキュベートすることによって、レスキューしたファージを2回沈殿させた。次いで、1mM EDTAを補充した10mM Tris-HCL緩衝液(pH8.0)(Tris-EDTA緩衝液)中に沈殿物を再懸濁した。
ファージのELISA
Maxisorpプレート(Nunc)を1μg/mLのストレプトアビジン(Roche)で(4℃で一晩)コーティングし、次いで、0.05% Tween20を補充したPBS(PBS-Tween 0.05%)で洗浄し、3%(w/v)粉ミルク(Sigma)を補充したPBS(PBS-ミルク)でブロッキングした。次いで、プレートをビオチン化CD3ペプチド-Fc(1μg/mL)とともに周囲温度で1時間インキュベートし、次いで、PBS-Tween 0.05%で洗浄し、PBS-ミルク中に懸濁したレスキューしたファージとともに(周囲温度で1時間)インキュベートした。PBS-Tween 0.05%で洗浄後、プレートを西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗M13抗体(1:5000、Amersham)とともに周囲温度で1時間インキュベートした。プレートをPBS-Tween 0.05%で再び洗浄し、TMB基質(Sigma-Aldrich)を使用して発色させ、20分後に1M H2SO4で反応を停止して、450nmで吸光度を測定した。
固定化されたCD3ペプチドに対するパニング選択
ファージ混合物(1012cfu)を1mLのPBS-ミルクに懸濁し、ストレプトアビジン磁気ビーズ(Dynal M-280)に(周囲温度で1時間)事前に吸着させた。ストレプトアビジン磁気ビーズの別々のバッチ(100μL)を周囲温度で1時間PBS-ミルクでブロッキングし、ビオチン化CD3ペプチド-Fcでコーティングした(100nM、周囲温度、1時間)。次いで、ビーズを、最初に0.1% Tween20を補充した1mLのPBS(PBS-Tween 0.1%)で、次いで1mLのPBSで、最後に1mLのPBS-ミルクで洗浄してから、事前に吸着させたファージとともに(周囲温度で2時間)インキュベートした。次いで、ビーズをPBS-Tween 0.1%(5回)、続いてPBS(2回)で洗浄し、次いで、指数関数的に増殖する大腸菌TG1とともに37℃で1時間インキュベートした。次いで、細菌培養物を、アンピシリンおよびグルコースを補充した2×TY寒天を含むプレート上に播いた。
同時結合選択
この手順を概略的に表し、図4Bに示す。
ファージのブロッキング
ファージ混合物(第1ラウンドについて約1011cfu、次いで、その後のラウンドについて109〜1010cfu)を、ウシ血清アルブミン(3%(w/v)Sigma)を補充した300μLのPBSによって、回転式振盪機(20rpm)の上で、周囲温度で1時間ブロッキングした。
トランスフェクトされていないCHO細胞における事前吸着
ブロッキングしたファージ混合物を使用して、107個のトランスフェクトされていないCHO細胞を再懸濁し、得られた懸濁液を氷上で1時間維持した。次いで、懸濁液を300g(4℃、3分)で遠心分離し、無細胞ファージを含む上清を回収した。
CHO-CD3-CCR5細胞とのインキュベーション
回収した上清を使用して107個のCHO CCR5-CD3細胞を再懸濁し、得られた懸濁液を回転式振盪機(10rpm)の上で、4℃で2時間インキュベートし、次いで、1mLの氷冷PBS-Tween 0.05%(4回)、続いて1mLの氷冷PBS(2回)で洗浄した。
低pH溶出
細胞懸濁液を300g(4℃、3分)で遠心分離し、次いで、500μLのグリシンHCl緩衝液(0.2M、pH2.2)に再懸濁し、氷上に10分間放置してから、Tris-EDTA緩衝液で中和した。これを再び遠心分離し(300g、4℃、3分)、酸溶出されたファージを含む上清と細胞ペレットの両方を別々に回収した。
細胞溶解溶出および大腸菌の感染
ペレットにした細胞を500μLのTris-EDTAに再懸濁し、3回の急速凍結融解サイクルを使用して溶解した。酸溶出物と組み合わされるか(選択ラウンド2〜4)、単独で使用されるか(ラウンド1)のいずれかの可溶化液を10mLの指数関数的に増殖する大腸菌TG1細胞に加え、37℃で1時間インキュベートした。得られた細菌培養物を、アンピシリンおよびグルコースを補充した2×TY寒天を含むプレート上に播いた。
個々のファージコロニーのシークエンシング
各選択ラウンドの後に、個々のファージクローンを保有するユニークな大腸菌TG1のコロニーを選び、アンピシリンおよびグルコースを補充したLBブロス中で一晩培養した。プラスミドのミニプレップを調製し、インサートのシークエンシング(Microsynth)に使用した。得られた配列の解析を使用して、各ファージミドクローンにコードされるscFvとロイシンジッパードメインの両方を決定した。
均等物
本発明の1つまたは複数の態様の詳細は、上記の付随する説明に記載されている。本明細書において記載されるものに類似のまたは均等な任意の方法および材料を本発明の実施または試験で使用することができるが、好ましい方法および材料は本明細書に記載されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本説明および特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈において別段明記しない限り、複数の指示物を含む。別段定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書で引用されるすべての特許および刊行物は参照により組み入れられる。
前述の説明は例示の目的のためのみに提供され、本発明を開示される正確な形態に限定することを意図するものではなく、本発明は、本明細書に添付の特許請求の範囲によって限定される。

Claims (18)

  1. 2種のリガンド結合ポリペプチドをファージの表面上に同時に提示するための提示システムであって、該提示システムは、
    a.第1の二量体化ドメインとファージの外表面タンパク質とにインフレームで融合している第1のリガンド結合ポリペプチドのコード配列を含むファージミド;
    b.第2の二量体化ドメインにインフレームで融合している第2のリガンド結合ポリペプチドのコード配列を含むプラスミド;および
    c.ファージをパッケージングするのに必要なすべてのタンパク質のコード配列を含むヘルパーファージ
    を含み、
    第1のリガンド結合ポリペプチドと第2のリガンド結合ポリペプチドは異なる単鎖可変断片(scFv)であり、かつ異なる標的リガンドにそれぞれ結合するものであり、第1のリガンド結合ポリペプチドの融合体および第2のリガンド結合ポリペプチドの融合体およびすべてのファージタンパク質が適切な宿主細胞中で発現した場合、2種のリガンド結合ポリペプチド融合体がそれらの各々の二量体化ドメインを介して結合し、その結果、ファージの表面上に2種のリガンド結合ポリペプチドが同時に提示され
    前記第1のリガンド結合ポリペプチドおよび二量体化ドメインが、繊維状バクテリオファージのマイナーコートタンパク質3に融合しており、
    前記第1の二量体化ドメインおよび前記第2の二量体化ドメインがロイシンジッパーである、
    前記提示システム。
  2. 前記第1の二量体化ドメインが前記第2の二量体化ドメインと高親和性でヘテロ二量体化する、請求項1に記載の提示システム。
  3. 前記第1の二量体化ドメインがSEQ ID NO:1の核酸配列によってコードされ、かつ前記第2の二量体化ドメインがSEQ ID NO:3の核酸によってコードされている、請求項2に記載の提示システム。
  4. 前記第1の二量体化ドメインがSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含み、かつ前記第2の二量体化ドメインがSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の提示システム。
  5. 前記第1の二量体化ドメインがSEQ ID NO:5の核酸配列によってコードされ、かつ前記第2の二量体化ドメインがSEQ ID NO:7の核酸によってコードされている、請求項2に記載の提示システム。
  6. 前記第1の二量体化ドメインがSEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含み、かつ前記第2の二量体化ドメインがSEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の提示システム。
  7. 前記第1および第2のリガンド結合ポリペプチドが抗原結合ポリペプチドである、請求項1に記載の提示パッケージ。
  8. 前記第1および第2のリガンド結合ポリペプチドが非免疫グロブリン結合ドメインである、請求項7に記載の提示システム。
  9. 前記第1および第2のリガンド結合ポリペプチドがペプチドである、請求項7に記載の提示システム。
  10. 前記宿主細胞中で発現した場合、前記ファージの表面上に提示される2種のリガンド結合ポリペプチドが、IgG分子のものに匹敵する幾何形状を有する、請求項1に記載の提示システム。
  11. 前記宿主細胞中で発現した場合、前記ファージの表面上に提示される2種のリガンド結合ポリペプチドが、IgG分子のものに匹敵する分子分離距離を有する、請求項1に記載の提示システム。
  12. 前記宿主細胞中で発現した場合、前記ファージの表面上に提示される2種のリガンド結合ポリペプチドが、IgG分子のものに匹敵する幾何形状と分子分離距離の両方を有する、請求項1に記載の提示システム。
  13. 適切な包装中に請求項1に記載の提示システムを含む、キット。
  14. 使用のための指示書をさらに含む、請求項13に記載のキット。
  15. 請求項1に記載の提示システムを適切な宿主細胞中で転写および翻訳させる工程を含む、2種のリガンドポリペプチドをファージの表面上に提示するための方法。
  16. 1種または複数種の試験作用物質とファージの表面上に提示された2種のリガンド結合ポリペプチドとの間で同時に起こる特異的相互作用を検出する方法であって、以下の工程を含む方法:
    a.請求項15に記載の方法に従って調製される、2種のリガンド結合ポリペプチドを提示するファージを提供する工程;
    b.2種のリガンド結合ペプチドと1種または複数種の試験作用物質との間で安定な複合体を生成するのに適した条件下で、該ファージを該作用物質と接触させる工程;および
    c.安定な複合体の形成を検出する工程。
  17. 前記1種または複数種の試験作用物質が、タンパク質、多糖、脂質、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記1種または複数種の試験作用物質が抗原またはリガンドである、請求項17に記載の方法。
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