JP6853022B2 - アキシャルギャップ型回転電機および圧縮機 - Google Patents

アキシャルギャップ型回転電機および圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、アキシャルギャップ型回転電機および圧縮機に関する。
産業機械の動力源として用いられる回転電機として、アキシャルギャップ型回転電機はモータ部分の薄型化や高イナーシャ化、高効率化などの特徴があるため、各種の用途に用いられている。アキシャルギャップ型回転電機は、一般的なラジアル型回転電機に比べて、比較的大きな径を持つディスク状の回転子を有する構造となっている。このため、決められた径の中にモータを構成しようとするとき、ディスクの径を大きくできるので、ラジアル型モータに比べて大きなトルクが得られるといった特徴を持っている。
さらに大きなトルクを期待する場合、一つの固定子に対して、軸方向に2つの回転子を有する構造のアキシャルギャップ型回転電機を構成することができる。この構成は、ディスク上に多くの界磁源である永久磁石を配置できるため、トルク発生に寄与する磁束量を増加させることが可能となる。
永久磁石の配置に関しては、特許文献1に、永久磁石を遠心力方向に対して保持するために、円盤状の支持部材に永久磁石を配置する穴を構成し、その穴に永久磁石を接着剤で固定する構造が開示されている(例えば段落0019)。
特開2015−165750号公報
特許文献1に開示された構造を用いれば、永久磁石を配置することは可能である。しかしながら、回転電機の出力を向上させるために回転速度を高くすると、永久磁石に加わる遠心力が大きくなり、発熱量も高くなるので、接着剤による接着強度では十分に固定できない。
また、永久磁石となる焼結磁石は焼き物であるので、寸法精度が悪い。量産時に寸法公差で指定された範囲内でのばらつきが発生する。このため、特許文献3に開示された構造の穴は、公差の最大値を許容するように大き目の穴とする必要があり、接着面積が十分に確保できない場合や、指示部材と接触する永久磁石の一部に遠心力の応力が集中する場合もある。
そこで、本発明は、アキシャルギャップ型回転電機において、回転数を上げることが可能なように、回転子の磁石を保持することを目的とする。
本発明に係る代表的なアキシャルギャップ型回転電機は、例えば、回転子と固定子を備えるアキシャルギャップ型回転電機であって、回転の内周と外周を有する前記回転子は、前記内周と前記外周で機械的に締結された磁石を含むことを特徴とする。
本発明によれば、アキシャルギャップ型回転電機において、回転数を上げることが可能なように、回転子の磁石を保持することができる。上述した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
アキシャルギャップ型回転電機の回転子の例を示す正面図と横断面図である。 永久磁石の例を示す図である。 永久磁石とその外周部に配置される寸法吸収部材の例を示す図である。 永久磁石と寸法吸収部材の例を示す斜視図である。 寸法吸収部材を射出成型する前の例を示す図である。 寸法吸収部材を射出成型している例を示す図である。 寸法吸収部材を射出成型した後の例を示す図である。 永久磁石を配置する前の回転子の例を示す図である。 永久磁石を配置した後の回転子の例を示す図である。 外周部リングを配置した後の回転子の例を示す図である。 外周部リングを配置した後の回転子の例を示す横断面図である。 永久磁石の3辺に寸法吸収部材を配置した例を示す図である。 寸法吸収部材に溝を有する例を示す図である。 永久磁石が略扇形の例を示す図である。 寸法吸収部材をシート状にした例を示す図である。 円盤状の永久磁石の一部に寸法吸収部材を配置した例を示す図である。 外周部リングを焼き嵌めによって嵌合する例を示す図である。 外周部リングを巻回する例を示す図である。 回転電機の例を示す図である。 スクリュー型空気圧縮機の例を示す図である。 スクロール圧縮機の例を示す図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の具体例を示すものであり、本発明はこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、以下の説明で使用する図において、同一のものを指し示す場合は、同一の符号を付け、その繰り返しの説明を省略する場合がある。
図1は、一実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の回転子の例を示す正面図と横断面図である。図1に示す回転子は、円盤状となっており、図示を省略したシャフトが円盤の中心に配置される穴がキー溝付で構成されるものとなっている。図1に示す回転子は、アキシャルギャップ型回転電機のなかでも、図示を省略したひとつの固定子の軸方向両面に回転子が配置される、1ステータ2ロータ型と呼ばれるものの回転子である。
このタイプのアキシャルギャップ型回転電機の回転子では、永久磁石1が軸方向表面に配置されるが、永久磁石1のもう一方の面には、磁気回路を構成するための継鉄(バックヨークコア4)が存在する。図1の例では、バックヨークコア4は薄手の電磁鋼板(珪素鋼板)を巻いて製作した巻き鉄心で構成されており、構造部材でできた回転子構造体ヨーク5のなかに同心円状に配置されている。
さらに、回転子構造体ヨーク5と巻き鉄心(バックヨークコア4)とは、回転子構造体ヨーク5の背面に配置された溶接用穴、または溝14の部分で溶接固定されている。そして、巻き鉄心(バックヨークコア4)の表面に永久磁石1が配置される構造となっている。
永久磁石1は、回転子円盤状の周方向に複数枚が配置される構造となっており、それらは均等配置される構造となっている。小容量のアキシャルギャップ型回転電機では、円盤状のリング磁石を配置することもできるが、フェライト磁石などの焼結磁石は、大型のものが製造困難であるために、磁石ひとつのピースを小さく構成したものを複数配置する構造が必要となるのである。
図1の例では、周方向に16個の略台形形状の永久磁石1を配置する例を示す。図1の正面図に示すように、一つの永久磁石1の角度を22.5度として、周方向に16枚の永久磁石1が配置される。回転電機としての回転子極数は、8極の例であり、隣り合わせに同一極の永久磁石1が配置される構造となっている。
磁石の着磁(磁石が磁力を持つ状態にすること)は、回転子として組みあがってから着磁ヨークを用いて行うため、その磁極数は、回転電機に合わせて調整可能である。図1の例で永久磁石1の形状を略台形形状としている理由は、永久磁石1そのものの量産性を高めるためである。なお、永久磁石1は台形形状であってもよい。
例えば、永久磁石1を略台形形状ではなく扇形とすることにより、リング状の磁石として、周方向に均一な磁束を発生させる回転子が構成できる一方、永久磁石1が出来上がった時の寸法管理が困難となる。外径側のR寸法などの正確な測定が必要となったり、R寸法の中心位置のばらつきが発生したりするなど、管理が困難となる。
したがって、図1では、略台形の形状とする例を示している。もちろん、フェライト焼結磁石でも、乾式成形や焼結工程後の加工方法などにより寸法精度が確保できる場合もありうるので、本実施例が図1に示した形状だけとどまるものではない。
永久磁石1の形状を略台形とすることによって、外径側(台形の長辺側)が直線となるので、磁石の有効断面積が少なくなるため、ひとつあたりの磁石角度を小さくすることが望ましい。このため、1極分の磁石を2枚の永久磁石1で構成している。回転子磁極数が、4極の場合には、4枚で1極分を構成してもよい。
略台形の永久磁石1は、回転子内径側に配置される16角形内周部リング8に、略台形の短辺側を接触させて配置されている。16角形内周部リング8は、回転子構造体ヨーク5と同心円状に配置され、軸方向には、16角形内周部リング取り付けボルト9を用いて締結される。
また、16角形内周部リング8の軸方向の永久磁石1側には、永久磁石1の短辺部につけられたテーパ部分をオーバーハングして軸方向に抑えるように配置される軸方向押さえ6が配置されている。この軸方向押さえ6も、16角形内周部リング8と同様に、軸方向押さえ用取り付けボルト7で軸方向に固定されている。
永久磁石1の内周側の短辺部が16角形内周部リング8に接触した状態で、永久磁石1の外周側には、FRP(繊維強化プラスチック:Fiber−Reinforced Plastics)製の外周部リング3が配置されている。この外周部リング3は、焼き嵌めや、巻き付けなどによって、永久磁石1が内径側に向かう方向に応力を付与するような状態となっている。図1の例では、外周部リング3が掛かるように回転子構造体ヨーク5の一部分が段付構造となっており、回転子構造体ヨーク5の一部にも内径方向の応力が付与される構造となっている。
永久磁石1の長辺部と外周部リング3との間には、寸法吸収部材2が配置される構造となっている。これは、略台形の永久磁石1の角部に応力が集中することを防止することと、複数の永久磁石1それぞれの寸法ばらつきに対応することが目的である。外周部リング3によって内径側に付与する応力に対して、短期的、長期的に圧縮やクリープの強度に耐えることができる材質を使用する。
図1に示す構造によって、回転子に使用されている各部品は、回転方向、径方向、軸方向のそれぞれの方向に対して機械的に締結して保持される構造となる。寸法吸収部材2と一体化した永久磁石1は、回転方向に対しては、16角形内周部リング8と永久磁石1の短辺部との摩擦力によって保持され、径方向は、外周部リング3によって保持され、軸方向は軸方向押さえ6と、外周部リング3との摩擦力で保持されている。
これにより、これまでは接着剤による固定が主流であった回転子の磁石保持が、機械的な締結とできることで、回転子強度を格段に向上できる。このため、アキシャルギャップ型回転電機の回転速度を向上させ、回転電機の出力密度を向上することが可能となる。
次いで、図2以降を用いて、アキシャルギャップ型回転電機の構造をさらに説明する。図2A、2Bは、図1に示した回転子に配置される永久磁石1とその外周部に配置される寸法吸収部材2との関係の例を示す図である。略台形のフェライト焼結の永久磁石1は、図2Aに示すような形状であり、その縦方向(台形の高さ方向)寸法は、85.5±1.5mmと寸法巾で3mmのばらつきをもっている。
このように寸法がばらつく永久磁石1を、図1のような周方向に配置する場合には、外周部リング3を外周側に配置しても、その寸法差によって凹凸が生じて応力を付与できないことがある。そこで、図2Bに示すように、永久磁石1の外周部に寸法吸収部材2をそれぞれ配置して縦方向寸法を90mmに合わせこむ。
図2Bの例では、縦方向寸法が84mmの永久磁石1と縦方向寸法が87mmの永久磁石1の例を並べて示している。そのどちらにも、寸法吸収部材2が配置されており、縦方向寸法84mmの永久磁石1には、寸法吸収部材2が多く(大きく)、縦方向寸法87mmの永久磁石1には、寸法吸収部材2が少なく(小さく)している。
図3は、図1、2に示した永久磁石1の例を示す斜視図である。永久磁石1は、図1、2に示した略台形の形状であり、内径側短辺部の一辺には、磁石内径側短辺部テーパ11(面取り)が設けられている。図3に示すように磁石内径側短辺部テーパ11は、永久磁石1の軸方向の面に対して斜めとなり、型枠により斜めに凝固されてもよいし、斜めに削り取られてもよい。
また、この永久磁石1の外形側となる長辺部に、寸法吸収部材2を配置され、この例では、長辺部の角部に設けられた角R部をも包含するような形で寸法吸収部材2が付着されている。
図4A〜4Cは、図1〜3に示した寸法吸収部材2を永久磁石1の外周部に配置する一実施形態として、射出成型を用いて有機材料を配置する例を示す図である。図4Aは、射出成型用の金型と射出部分の例を示す図である。射出成型金型43は、図2Bに示した永久磁石1と寸法吸収部材2の入る空間を有し、空間の縦方向寸法は90mmである。略台形形状の永久磁石1は、永久磁石1の内径側すなわち短辺部が、金型内の空間の底面部分に接触するように配置される。
射出成型金型43には、有機材料である射出成型樹脂42の射出されるゲート44が構成され、ゲート44から射出するために用いられるシリンダ40が接続されて、シリンダ40内を移動可能にプランジャ41が配置されている。
図4Bは、射出成型樹脂42が、成型用のプランジャ41によって押し出された状態の例を示す図である。射出成型樹脂42が、加温された状態のシリンダ40にある状態から、プランジャ41の下降によってある圧力をもって押し出さ、射出成型金型43と永久磁石1の隙間に充填される。
その後、射出成型樹脂42の形状が安定したところで、図4Cに示すようにプランジャ41を上昇させ、射出成型金型43を開くと、寸法吸収部材2となる射出成型樹脂42と、永久磁石1が一体となって取り出せる。ここで使用する有機材料の射出成型樹脂42は、外周部リング3によって内径側に付与する応力に対して、短期的、長期的に圧縮やクリープの強度に耐えることができる材質を使用する必要がある。
このため、本実施例では、PPS(Poly Phenylene Sulfide)Resinや、PEEK(Poly Ether Ether Ketone)、LCP(液晶ポリマ;Liquid Crystal Polymer)などのエンジニアリングプラスチックを使用する。また、これらの樹脂材質に加え、ガラス繊維の配合を20%〜45%と高くすることでも強度を確保してもよく、ナイロンやポリエステルといった比較的強度の低い樹脂にガラス繊維の配合を高くして強度を向上させたものを使用してもよい。
図5A〜5Dは、図1に示した回転子の組立ての例を示す図である。図5Aは、回転子構造体ヨーク5に電磁鋼板を巻き付けて製作されたバックヨークコア4(巻き鉄心)の斜視図である。回転子構造体ヨーク5の内周側、外周側ともバックヨークコア4の軸方向厚みと同一の高さの壁が存在し、これらの壁により、いったん巻き付けると径方向にバラけない構造である。
巻き付けた後、回転子構造体ヨーク5とバックヨークコア4は、前述したとおり、回転子構造体ヨーク5の裏側で溶接されて固定される。なお、別の保持構造として、接着剤により固定してもよい。バックヨークコア4と回転子構造体ヨーク5の隙間部分に接着剤や樹脂などを流し込み、固めることでも保持してもよい。より強固な保持のため、接着剤、樹脂を流し込む時に真空状態にして、微小な隙間にも樹脂を入り込こませてもよい。
図5Bは、16角形内周部リング8と16枚の永久磁石1を配置した状態の斜視図である。永久磁石1には寸法吸収部材2が配置されているため、永久磁石1と寸法吸収部材2の長手方向(縦方向)寸法は設計値(90mm)にそろえられており、この設計値は16角形内周部リング8と回転子構造体ヨーク5の外周側までの寸法となっているため、永久磁石1の台形の短辺直線部が内周側に接し、一意に周方向の位置が決まることになる。
図5Cは、さらに外周部リング3と軸方向押さえ6を配置した状態の斜視図である。軸方向押さえ6は、永久磁石1の磁石内径側短辺部テーパ11に掛かるように配置され、外周部リング3は、永久磁石1と一体化した寸法吸収部材2の外側と、回転子構造体ヨーク5の外側の一部にかかるように配置される。図5Dは、図5Cに示した状態の断面を示す斜視図であり、図1に示した横断面図に対応する。
図6A〜6Dは、寸法吸収部材2の配置の例を示す図である。図6Aは、永久磁石1の外周部すなわち略台形の長辺直線部の寸法吸収部材2に加え、略台形の横方向2面にも寸法吸収部材2を配置する例を示す図である。当然ながら永久磁石1の寸法ばらつきは、縦方向だけでなく横方向にも発生するため、横方向の寸法をそろえる場合に、この例に示すような構造が有効である。
ただし、永久磁石1は縦方向で機械的に締結されるので、横方向の寸法吸収部材2は必ずしも必要ではない。ちなみに横方向の寸法吸収部材2がないと、永久磁石1それぞれの間には隙間ができる。これに対して、横方向にも寸法吸収部材2があると、横方向に物理的に接触するので、熱伝導の向上や、空気との摩擦損(風損)の低減などの効果がある。
図6Bは、寸法吸収部材2の外径側(外周部リング3と接する面)に溝35を有する例を示す図である。この溝35は、張力を付与しながら外周部リング3を外周側に巻き付ける場合に、ガラス繊維や炭素繊維の糸、または、織布などがはみ出ないように保持しながら巻けるようにするためのものである。
また、図6Bに示すように永久磁石1の内周部は、磁石内径側短辺部テーパ11ではなく段付構造12となっていてもよい。軸方向に押さえるための面積を確保したい場合に、このような段付構造12の方が有利な場合もある。永久磁石1の内周部が段付構造12の場合、軸方向押さえ6も段付構造12と嵌合する形状であってもよい。
図6Cは、永久磁石1の形状が略扇形の例を示す図である。外径側のR寸法の管理が難しいことを前述したが、永久磁石1が小さめに作られること、すなわち寸法吸収部材2で補うことを前提とすれば、略扇形としても管理が難しくなりにくい。そして、略扇形の永久磁石1の外径側に寸法吸収部材2を設けることによって、機械的な締結が可能となる点は略台形の場合と同様である。なお、略扇型は扇型であってもよい。
図6Dは、寸法吸収部材2をシート状にした例を示す図である。図4に示したように射出成型により1つの寸法吸収部材2を1つの永久磁石1の外径側に配置する以外に、寸法(特に厚さ)が管理された複数枚のシート状の寸法吸収部材2a、2bを外径部に配置してもよい。例えば、厚さが同じシート状の寸法吸収部材2を配置する枚数により、縦方向寸法の90mmに合わせこんでもよい。
寸法吸収部材2はシート状でなくともよく、ブロック状であってもよい。ブロック状の寸法吸収部材2であっても、厚さの異なる複数種類の寸法吸収部材2を予め用意し、永久磁石1の寸法に応じて複数種類の中から縦方向寸法を90mmに合わせこめる厚さの寸法吸収部材2を選択して、永久磁石1の外径側に配置してもよい。
図6Eは、円盤状の永久磁石13の一部に寸法吸収部材2を配置した例を示す図である。この例のように、円盤状の永久磁石13においても、焼結時の収縮により永久磁石13の寸法はばらつきをもつので、その外径寸法のばらつき(凹凸)を補うために、寸法の足りない部分へ寸法吸収部材2を配置すると、寸法を一意にそろえることが可能である。
図7A、7Bは、外周部リング3とその装着の例を示す図である。図7Aは、外周部リング3が装着前から輪状であり、外周部リング3を焼き嵌めによって嵌合する例を示す図である。炭素繊維やガラス繊維は、線膨張係数が低いため膨張しにくいが、外周部リング3を加温することで外周部リング3の径を大きくして、回転子構造体ヨーク5と寸法吸収部材2(永久磁石1)に嵌める。これにより、加温で膨張した外周部リング3が、室温に戻ることで、内径に向かう方向の応力を発生する。
焼き嵌めは、外周部リング3が金属の場合でも使用できる。外周部リング3の材質として、ジュラルミン、高強度アルミニウム、チタン、インコネルなどは軽量で強度が得られやすい。また、冷やし嵌めによって、回転子側の温度を下げて収縮させ、外周部リング3を嵌めてもよい。内径に向かう方向の応力と軸方向押さえ6により、永久磁石1は保持される。
図7Bは、外周部リング3が装着前に帯状であり、外周部リング3を巻回する例を示す図である。外周部リング3としてガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの高強度部材に矢印で示す方向へ張力を与えながら、回転子構造体ヨーク5と寸法吸収部材2(永久磁石1)に巻き付ける。その付与する張力により、外周部リング3が内径に向かう方向の応力を発生する。内径に向かう方向の応力と軸方向押さえ6により、永久磁石1は保持される。
図8は、以上に示した回転子を実装する回転電機(モータ)の例を示す断面図である。ハウジング16の内部に、アキシャル型回転電機固定子コア21をほぼ軸方向中心にして、その軸方向両側に2つの回転子構造体ヨーク5を有するアキシャルギャップ型回転電機を構成している。固定子は、アキシャル型回転電機固定子コア21とそれに巻かれるアキシャル型回転電機固定子コイル22とで構成され、ハウジング16に固定される。
その固定子の中央部は、貫通穴が構成されており、その貫通穴に対してシャフト17が通る構造となっている。シャフト17は、ハウジング16の軸方向両端にそれぞれ取り付けられたエンドブラケット19に保持されたベアリング15によって回転可能に保持されている。その回転可能なシャフト17に回転子構造体ヨーク5が、2枚のベアリングナット18で固定され、回転子として回転するようになっている。
シャフト17には外扇ファン37が取り付けられ、外扇ファン37は、シャフト17とともに回転し、冷却風を発生させる。外扇ファン37は、ファンカバー38で覆われている。以上の構造により、産業用のモータとして、アキシャルギャップ型回転電機を構成することができ、永久磁石1の保持強度を高めることができるため、回転数を高く設定することが可能となる。
図9は、スクリュー型空気圧縮機への実装例を示す図である。スクリュー型空気圧縮機は、スクリュー46の陰に隠れて図示を省略したスクリューとスクリュー46がかみ合って気体を圧縮するものであり、スクリュー46は、スクリュー圧縮機ケース45に収められ、その軸はシャフト17と接続されて、ベアリング47とスクリュー用ベアリング48で回転可能に支えられる。
回転子構造体ヨーク5、ベアリング15、シャフト17、アキシャル型回転電機固定子コア21、アキシャル型回転電機固定子コイル22のそれぞれは既に説明したとおりであり、特に回転子構造体ヨーク5は図1などを用いて説明したとおりである。
このスクリュー型空気圧縮機は、スクリュー46の回転数が高いほど、スクリュー46およびスクリュー圧縮機ケース45が小形であっても、多くの空気を圧縮することが可能であるが、これまでのアキシャルギャップ型回転電機は、永久磁石を接着で実装するため、永久磁石の保持強度の課題があり、回転数が低く抑えられていた。
これに対して、本実施例の回転子は、スクリュー部の発熱や振動に対しても、永久磁石1の保持強度が十分であるため、高速回転を可能にするとともに、アキシャル型回転電機とスクリュー部の近接実装を可能にした。さらに、スクリュー46の軸とアキシャル型回転電機のシャフト17を一体化できるため、機械としてもコンパクトにできる。
図10は、スクロール圧縮機への実装例を示す図である。スクロール圧縮機は、旋回スクロールの旋回運動に伴い、旋回スクロールと固定スクロールとの間に生じる圧縮室により気体を圧縮するものであり、スクロール圧縮機構51は旋回スクロールと固定スクロールおよび旋回スクロールに旋回運動を発生させるようにシャフト17と接続する機構である。
回転子構造体ヨーク5、シャフト17、アキシャル型回転電機固定子コア21、アキシャル型回転電機固定子コイル22のそれぞれは既に説明したとおりであり、特に回転子構造体ヨーク5は図1などを用いて説明したとおりである。
これまで、スクロール圧縮機では、圧縮のための機械部品と回転電機(モータ)を一体化して実装する構造として、回転電機が圧縮容器の中に実装され、冷媒中で動作する回転電機となっていたために、永久磁石を保持する接着剤が冷媒に触れるアキシャルギャップ型回転電機の実装は困難であった。これに対して、本実施例の回転子は、永久磁石1を機械的な締結により保持するため、圧縮容器50内の冷媒中に実装されるスクロール圧縮器へも実装が可能となる。
1 永久磁石
2 寸法吸収部材
3 外周部リング
4 バックヨークコア
5 回転子構造体ヨーク
6 軸方向押さえ
8 16角形内周部リング

Claims (11)

  1. 回転子と固定子を備えるアキシャルギャップ型回転電機において、
    回転の内周と外周を有する前記回転子は、
    前記内周と前記外周で機械的に締結された磁石を含み、
    前記回転子は、
    前記外周に外周部リングを含み、
    前記外周部リングは、
    前記外周から前記内周に向けて、前記磁石へ応力を付与し、
    前記回転子は、
    前記外周部リングと前記磁石の間に有機物を含有する寸法吸収部材を含み、
    前記外周部リングは、
    前記寸法吸収部材を介して前記磁石へ応力を付与し、
    前記外周部リングは、
    FRP(繊維強化プラスチック)の帯が巻かれた状態であり、
    前記寸法吸収部材は、
    前記磁石の外形側となる長辺部に配置され、前記長辺部の角部に設けられた角R部をも包含する形で付着され、
    前記寸法吸収部材は、
    前記外周部リングとの接触面に、巻かれた前記FRPの帯の長辺方向の溝を有することを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  2. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記寸法吸収部材は、
    ガラス繊維を含む樹脂であり、
    前記磁石の外周方向の面の凹凸を補うことを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  3. 請求項2に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記寸法吸収部材は、
    PPS(Poly Phenylene Sulfide)Resin、PEEK(Poly Ether Ether Ketone)、あるいはLCP(Liquid Crystal Polymer)を含むことを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  4. 請求項2に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記磁石は、
    放射状の複数の磁石から成り、
    前記寸法吸収部材は、
    複数の寸法吸収部材から成り、
    前記複数の磁石のそれぞれに前記複数の寸法吸収部材のそれぞれが対応することを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  5. 請求項4に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記複数の寸法吸収部材のそれぞれは、
    中央が端より厚い板状の樹脂であることを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  6. 請求項4に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記複数の寸法吸収部材のそれぞれは、
    前記複数の磁石のそれぞれに応じた層数の樹脂から成ることを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  7. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記磁石は、
    放射状の複数の磁石から成り、
    前記回転子は、
    前記複数の磁石における磁石と磁石の間に寸法吸収部材をさらに含むことを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  8. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記外周部リングは、
    前記FRPの継目のないリングであることを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  9. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記磁石は、
    フェライト磁石であり、
    前記内周で機械的に締結するための内周部リングと嵌合する1または複数の面を有することを特徴とするアキシャルギャップ型回転電機。
  10. 気体の圧縮機において、
    気体に加圧するスクリューおよびケースと、
    ハウジングが前記ケースと固定子に接続され、回転子が前記スクリューに接続されたアキシャルギャップ型回転電機とを備え、
    前記回転子は、
    回転の内周と外周を有し、
    前記内周と前記外周で機械的に締結された磁石を含み、
    前記回転子は、
    前記外周に外周部リングを含み、
    前記外周部リングは、
    前記外周から前記内周に向けて、前記磁石へ応力を付与し、
    前記回転子は、
    前記外周部リングと前記磁石の間に有機物を含有する寸法吸収部材を含み、
    前記外周部リングは、
    前記寸法吸収部材を介して前記磁石へ応力を付与し、
    前記外周部リングは、
    FRP(繊維強化プラスチック)の帯が巻かれた状態であり、
    前記寸法吸収部材は、
    前記磁石の外形側となる長辺部に配置され、前記長辺部の角部に設けられた角R部をも包含する形で付着され、
    前記寸法吸収部材は、
    前記外周部リングとの接触面に、巻かれた前記FRPの帯の長辺方向の溝を有することを特徴とする圧縮機。
  11. 気体の圧縮機において、
    気体に加圧する旋回スクロールおよび固定スクロールと、
    前記旋回スクロールと前記固定スクロールと冷媒を内包し、前記固定スクロールと接続された圧縮容器と、
    前記圧縮容器に内包され、固定子が前記圧縮容器に接続され、回転子が前記旋回スクロールに接続されたアキシャルギャップ型回転電機とを備え、
    前記回転子は、
    回転の内周と外周を有し、
    前記内周と前記外周で機械的に締結された磁石を含み、
    前記回転子は、
    前記外周に外周部リングを含み、
    前記外周部リングは、
    前記外周から前記内周に向けて、前記磁石へ応力を付与し、
    前記回転子は、
    前記外周部リングと前記磁石の間に有機物を含有する寸法吸収部材を含み、
    前記外周部リングは、
    前記寸法吸収部材を介して前記磁石へ応力を付与し、
    前記外周部リングは、
    FRP(繊維強化プラスチック)の帯が巻かれた状態であり、
    前記寸法吸収部材は、
    前記磁石の外形側となる長辺部に配置され、前記長辺部の角部に設けられた角R部をも包含する形で付着され、
    前記寸法吸収部材は、
    前記外周部リングとの接触面に、巻かれた前記FRPの帯の長辺方向の溝を有することを特徴とする圧縮機。
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