JP6852731B2 - タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 - Google Patents
タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6852731B2 JP6852731B2 JP2018514586A JP2018514586A JP6852731B2 JP 6852731 B2 JP6852731 B2 JP 6852731B2 JP 2018514586 A JP2018514586 A JP 2018514586A JP 2018514586 A JP2018514586 A JP 2018514586A JP 6852731 B2 JP6852731 B2 JP 6852731B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- unevenness
- optical sheet
- touch panel
- friction coefficient
- condition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/02—Diffusing elements; Afocal elements
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06F—ELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
- G06F3/00—Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
- G06F3/01—Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
- G06F3/03—Arrangements for converting the position or the displacement of a member into a coded form
- G06F3/041—Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Human Computer Interaction (AREA)
- Position Input By Displaying (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Push-Button Switches (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
Description
このようなタッチパネル付きの表示装置は、中型以下(20インチ以下〜15インチのA4タイプ、15インチ未満〜11インチ超のB5タイプ)、特に小型以下(11インチ以下)のサイズであり持ち運びに便利であることから、画面に太陽光が入射する屋外や車内等で使用されることが多い。このため、タッチパネルの表面には、太陽光の映り込みを防止することを目的として、防眩性を付与することが期待される。
防眩性を付与する光学シートとしては、例えば、特許文献1が提案されている。
また、近年のタッチパネルは、指を一方向に動かすのみならず、タッチパネル上で画面を拡大縮小するなどの様々な操作を可能としている。タッチパネルの表面材として、防眩性のレベルが強い光学シートを用いると、前述のようなタッチパネルの操作性が低下しやすいという問題がある。
特許文献1では、屋外防眩性と、タッチパネルの操作性の両立について何ら検討していない。
また、現在市販されている大画面TVや、PCモニタ等の表面に配置されている防眩フィルムは、タッチパネルの操作性のみならず、太陽光に対する防眩性(屋外防眩性)をも考慮していない。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
[2]表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有してなる表示装置であって、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす、表示装置。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
[3]一方の面に凹凸を有する光学シートであって、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす、光学シート。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
[4]一方の面に凹凸を有する光学シートの選別方法であって、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定する、光学シートの選別方法。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
[6]表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、表示装置。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
[7]一方の面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、光学シート。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
[8]一方の面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定する、光学シートの選別方法。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
<実施形態A>
[タッチパネル]
実施形態Aのタッチパネルは、操作者側の表面に凹凸を有するタッチパネルであって、
上記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs10、上記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、該引掻針に垂直荷重100gをかけながら20mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数をμs20とした際に、μs10及びμs20が以下の条件(A1)を満たし、かつ、
上記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が、以下の条件(A2)を満たすものである。
0.70≦μs20/μs10≦1.75 (A1)
0.10μm≦Ra2.5≦0.60μm(A2)
実施形態Aにおいて、「操作者側の表面」とは、操作者がタッチパネルを操作する際に、実際に触れ操作する面のことをいう。
これらタッチパネルは、ガラス基材、プラスチックフィルム基材等の透明基材を有し、該透明基材上には、防眩性を付与するための凹凸が形成される場合がある。実施形態Aのタッチパネルは、このような透明基材上に凹凸を有する部材として、例えば、後述する光学シートを最上部に有するものである。
なお、上記光学シートは、上部透明基板とともに下部透明基板として用いてもよい。
静電容量式タッチパネルの場合、実施形態Aでは、最上部の透明基板として後述する光学シートを用いる。このように、静電容量式タッチパネルの最上部の透明基板に後述する光学シートを用いることにより、光学シートの凹凸形状によって、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができるとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。また、解像性の低下を抑制することができる。
上記のようなタッチパネルは、例えば、表示素子上に設置されるオンセル型タッチパネルとして使用される。
実施形態Aの光学シートは、一方の面に凹凸を有し、かつ、該凹凸が上記の条件(A1)及び(A2)を満たすものである。
タッチパネルは異なった操作速度が要求されることがある。条件(A1)において、μs20/μs10が0.70未満では、画面スクロールの操作感が得られず、及び/又は、拡大/縮小操作を滑らかに行うことができない。1.75を越えると、スクロール操作を滑らかに行うことができず、及び/又は、拡大/縮小の操作感が得られない。
これに対し、実施形態Aの光学シートが条件(A1)を満たす場合、タッチパネルのいかなる操作においても、操作開始時の指の引っかかりの程度を同程度にすることができ、操作性を高めることができる。
条件(A1)は、0.80≦μs20/μs10≦1.60を満たすことが好ましく、0.85≦μs20/μs10≦1.25を満たすことがより好ましく、0.85≦μs20/μs10≦1.15を満たすことが更に好ましい。
なお、実施形態Aにおいて、静摩擦係数は、摩擦力0から測定時間の経過に伴って、動摩擦係数以上となった最初の摩擦力のピークとする。
しかし、操作時の触感、屋外防眩性及び解像性には、粗さ成分(高周波成分)のみならず、うねり成分(低周波成分)も影響を与えるため、カットオフ値(基準長さ)を0.8mmとした場合、粗さ曲線のうねり成分(低周波成分)がカットされる度合いが大きくなり、屋外防眩性及び解像性に比べ、より低周波の影響を受けやすい操作時の触感が評価できないおそれがある。このため、実施形態Aでは、条件(A2)のカットオフ値を2.5mmとしている。
また、算術平均粗さRa2.5が0.10μm以上であると、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができる。リタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラとは、リタデーション値を有する透明基材を通過した光に生じる虹模様の色ムラのことであり、このような色ムラは、例えば、偏光板、所定のリタデーション値を有する透明基材を通過した光を偏光サングラスを通して視認した際に観察される。
なお、上記条件(A2)に加え、後述する条件(A3)〜(A5)を満たすことにより、上述した条件(A1)をより満たしやすくすることができる。特に、Ra2.5が0.25μm以上である場合には、例えば色域が広い表示素子に対して、よりグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。
5.7≦Rz2.5/Ra2.5 (A3)
条件(A3)は、6.0≦Rz2.5/Ra2.5≦10.0を満たすことがより好ましく、6.5≦Rz2.5/Ra2.5≦9.5を満たすことが更に好ましく、7.0≦Rz2.5/Ra2.5≦9.0を満たすことがより更に好ましい。
なお、Rz2.5が2.00μm以上であると透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラ、例えば色域が広い表示素子に対して、より目立ちにくくすることができる。
S2.5≦70μm (A4)
条件(A4)は、S2.5≦65μmを満たすことがより好ましく、20μm≦S2.5≦60μmを満たすことが更に好ましく、30μm≦S2.5≦55μmを満たすことがより更に好ましい。
0.10μm≦Rz2.5−Rz0.8≦1.20μm (A5)
条件(A5)を満たす場合、凹凸を低速で触れた場合と、凹凸を高速で触れた場合とで、静摩擦係数を同程度にしやすくできる。タッチパネルの操作は、主として、画面をスクロールさせる操作と、表示を拡大又は縮小させる操作とに大別できる。前者の操作と後者の操作とでは、前者の操作の方が指を動かすスピードが速い傾向にある。そして、指を動かすスピードによって、うねり成分に対する指の引っかかりやすさは異なる。つまり、条件(A5)を満たす場合、タッチパネルのいかなる操作においても、操作開始時の指の引っかかりの程度(静摩擦係数)を同程度にしやすくできる。また、Rz2.5−Rz0.8を上記範囲内とすることで、ギラツキを抑制しやすくできる。
なお、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくする観点からは、Rz2.5−Rz0.8は0.50μm超であることが好ましく、0.80μm超であることがより好ましい。
Rz2.5/Rz0.8≦1.50
さらに、ギラツキを抑制する観点、及び、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくする観点から、Rz2.5/Rz0.8は1.20以上1.50以下であることがより好ましく、1.25以上1.35以下であることが更に好ましい。
0.60μm≦Ry2.5≦5.0μm
Ry2.5が5.0μm以下であると、操作時の指の引っかかりを防ぎ、触感をより良好にすることができる。また、ギラツキの発生をより防止することができる。Ry2.5が0.60μm以上であると、屋外防眩性を付与することができる。
また、Ry2.5は、後述する条件(A6)及び(A7)を満たしやすくする観点から、1.0μm以上4.7μm以下であることがより好ましく、1.2μm以上4.5μm以下であることが更に好ましい。
Ry2.5/Rz2.5≦1.5 (A6)
Ry2.5/Rz2.5が1.5以下であると、操作時の指の引っかかりを防ぎ、触感をより良好にすることができる。また、ギラツキの発生をより防止することができ、屋外防眩性を付与しやすくできる。
Ry2.5/Rz2.5は、1.10以上1.40以下であることがより好ましく、1.18以上1.38以下であることが更に好ましい。
1.0°≦θa2.5≦5.5°
θa2.5が1.0°以上であると、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができ、また、操作時の触感(滑り感)をより良好にすることができる。θa2.5が5.5°以下であると、コントラストの低下を抑え、屋外防眩性とコントラストの両立を図ることができる。θa2.5は、1.3°≦θa2.5≦4.5°を満たすことがより好ましく、2.0°≦θa2.5≦4.0°を満たすことが更に好ましい。また、θa2.5が1.3°以上であると、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。更に、2.0°以上であると、例えば色域が広い表示素子に対して、グラデーション調の色ムラをより目立ちにくくすることができる。
ここで、「平均傾斜角θa」は、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(商品名:SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に定義されている値であり、図3に示すように、基準長さLに存在する凸部高さの和(h1+h2+h3+・・・+hn)のアークタンジェントθa=tan−1{(h1+h2+h3+・・・+hn)/L}で求めることができる。
[式(A)中、「L」は基準長さを示し、「dy/dx」は、粗さ曲線の各単位区間の傾きを示す。]
なお、「基準長さ」とは「カットオフ値」を意味する。すなわち、カットオフ値が0.8mmの場合は基準長さが0.8mmである。また、単位測定区間とは、カットオフ値をサンプリング数で除した長さの区間である。サンプリング数は1500とする。
0.8≦θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)≦5.0 (A7)
θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)が上記範囲内であると適度なランダム性を有する凹凸となり、防眩性、解像性、操作時の触感(滑り感)、及び透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができることのバランスをよくすることができる。
θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)は、1.0以上4.5以下であることがより好ましく、色域が広い表示素子での場合でもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができるため、2.0以上4.0以下であることが更に好ましい。
Sm2.5≦160μm
Sm2.5が160μm以下であると、光学シート表面への指の接触面積が減り、触感(滑り感)をより良好にすることができる。Sm2.5は、150μm以下であることがより好ましく、145μm以下であることが更に好ましい。また、下限値は30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることが更に好ましい。
なお、Sm2.5が小さいほど、高精細ディスプレイであってもギラツキの発生を抑制することができる。
型に流し込む材料として硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物)を用いる場合、型から取り出す前に硬化性樹脂組成物を硬化することが好ましい。
型による凹凸の形成は、凹凸形状の再現性に優れる点で好ましい。
上記粒子は1種を単独で、又は材質や粒径の異なる2種以上を組み合わせて用いることができる。
粒子の平均粒子径は、以下の(y1)〜(y3)の作業により算出できる。
(y1)透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から観察画面中最大にみえる粒子を選択する。TEM又はSTEMの加速電圧は1〜30kV、倍率は5000倍〜30万倍とすることが好ましい。
(y2)観察画像から最大径に見える粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(y3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を行って、合計20個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均粒子径とする。
なお、凝集粒子の場合は、凝集塊の最大径部分を粒子径とみなす。
また、後述の超微粒子の平均粒子径は、上記(y1)〜(y3)と同様の手法を行うことにより、算出することができる。超微粒子の平均粒子径の算出の際は、TEM又はSTEMの加速電圧は10kv〜30kV、倍率は1万〜30万倍とすることが好ましい。
粒子は、粒子径分布が広いもの(単一粒子で粒子径分布が広いもの、あるいは、粒子径分布が異なる2種類以上の粒子を混合した混合粒子の粒子径分布が広いもの)であってもよいが、ギラツキを抑制する観点から、粒子径分布が狭い方が好ましい。
超微粒子は、平均一次粒子径が1〜25nmであることが好ましく、5〜20nmであることがより好ましい。上記範囲内であると、凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくなる。
反応性基を導入する場合は、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基及びアリル基等のエチレン性不飽和結合並びにエポキシ基等が挙げられる。
また、凹凸層中に、他の粒子を含む場合は、他の粒子と超微粒子との含有量の比(他の粒子の含有量/超微粒子の含有量)は、0.05〜3.0であることが好ましく、0.1〜1.5であることがより好ましく、更には上限が0.7以下であることが好ましい。上記範囲内とすることにより、凹凸層が上述の条件(A1)及び(A2)を満たしやすくすることができる。なお、超微粒子だけを凝集させることによっても、μmオーダーの粒子とし、凹凸を形成することができる。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、α−ヒドロキシケトン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド類、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
上記光重合開始剤の中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンを適宜、1種類または複数種類選択することが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、紫外線硬化性化合物の全量100質量部に対して1〜20質量部の範囲内で使用することが好ましい。複数種類使用する場合も、それぞれを上記範囲内で使用することが好ましい。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
レベリング剤の添加量としては、凹凸層の全固形分に対して0.01〜5.0重量%が好ましい。
防汚処理の手段としては、凹凸層にフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等の離型剤を含有させる手段、光学シートの最表面に上記離型剤により離型層を形成する手段が挙げられる。凹凸層に離型剤を含有させる場合、離型剤の含有量は、凹凸層の全固形分の0.5〜5.0質量%とすることが好ましい。
光学シートに用いられる透明基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。透明基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
また、溶融押出成型法:extrusion molding(インフレーション法、Tダイ法)や溶液流延法:solution casting、カレンダー法:calendaringなどの汎用方法によって製造される上記のプラスチックフィルムの他、離型性を有する基材上に電離放射線硬化型樹脂組成物等の樹脂からなる塗膜を形成し、該基材から該塗膜を剥離して作製したフィルムであってもよい。
透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
透明基材のリタデーション値は、透明基材の面内において屈折率が最も大きい方向である遅相軸方向の屈折率nxと、透明基材の面内において前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率nyと、透明基材の厚みdとにより、下記式によって表わされるものであり、いわゆる「面内リタデーション」と称されるものである。
リタデーション値(Re)=(nx−ny)×d
上記リタデーション値は、例えば、王子計測機器社製の商品名「KOBRA−WR」、「PAM−UHR100」により測定できる。
なお、リタデーション値を小さくしてもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできることは、透明基材の基材厚みを薄くできることにつながる。つまり、リタデーションを生じる透明基材(例えば汎用基材であるポリエステルフィルム)は、通常であれば、基材厚みを厚くする、1軸延伸するなどにより、リタデーション値を大きくすることで、グラデーション調の色ムラが発生することを抑制している。しかし、実施形態Aのタッチパネルで用いる光学シートは、透明基材(例えば汎用基材であるポリエステルフィルム)の基材厚みを薄くしてもグラデーション調の色ムラが目立ちにくくすることができる。
さらに、リタデーション値を小さくしてもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできることは、通常はグラデーション調の色ムラを生じやすいため選択の余地から外れるようなプラスチックフィルム(ポリイミドフィルム、アラミドフィルム)を使用できることにつながる。ポリイミドフィルム、アラミドフィルムは、耐屈曲性に優れる点で好ましい。
近年、表示素子の色域が広がる傾向にある。色域が広い表示素子は、各色(R、G、B)の分光スペクトルがそれぞれシャープな形状を有しており、このような表示素子では、リタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラが特に目立ちやすい傾向にある。実施形態Aのタッチパネルで用いる光学シートは、色域が広い表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる点で好ましい。
なお、凹凸層の上に他の機能層を積層した場合には、最表面の凹凸が本願範囲を満たす。凹凸は、最表面が本願範囲であればよく、単層であっても複数層であってもよい。
したがって、実施形態Aのタッチパネルは、特に、車載用表示装置、及び電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)の表示素子の出射面側に設置されることが好ましい。
実施形態Aの表示装置は、表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有してなる表示装置であって、該凹凸が上述の条件(A1)及び(A2)を満たすものである。
実施形態Aの表示装置は、最表面に凹凸を有する部材として、上述した実施形態Aのタッチパネルに用いる光学シートと同様のものを用いることができる。
インセルタッチパネル液晶素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶素子の内部に、抵抗膜式、静電容量式、光学式等のタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル液晶素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
(a)表示素子/表面保護板/光学シート
(b)表示素子/光学シート
(c)表示素子/光学シートを最上部に有するタッチパネル
(a)及び(b)の場合、光学シートの凹凸が表示素子とは反対側を向くように配置されることで、表示装置に屋外防眩性を付与することができる。また、表示素子の解像度の低下を抑制でき、更には、表面や表示素子に生じた傷を見えづらくすることができる。
(c)の場合、表示装置は、表示素子の出射面側に、光学シートを最上部に有するタッチパネルを備えたタッチパネル付きの表示装置となる。この場合、屋外防眩性、及び高解像性とともに、タッチパネルの操作性に優れた表示装置とすることができる。
したがって、実施形態Aの表示装置は、車載用表示装置、及び電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)として好適である。
実施形態Aの表示装置は、下記式で表されるCIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率が60%以上の表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。
<BT.2020のカバー率を表す式>
[表示素子のCIE−xy色度図の面積のうち、BT.2020のCIE−xy色度図の面積と重複する面積/BT.2020のCIE−xy色度図の面積]×100(%)
色域が広い表示素子としては、三色独立方式の有機EL表示装置(その中でも、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL素子)、バックライトに量子ドットを用いた液晶表示素子、バックライトに三波長方式の白色LED(近紫外線のLEDと、青蛍光体、緑蛍光体、及び赤蛍光体との組み合わせ)を用いた液晶表示素子等が挙げられる。
実施形態Aの光学シートは、一方の面に凹凸を有し、かつ、該凹凸が上述の条件(A1)及び(A2)を満たすものである。なお、実施形態Aの光学シートは、上記凹凸の上に他の機能層を積層した場合には、最表面の凹凸が本願範囲を満たす。凹凸は、最表面が本願範囲であればよく、単層であっても複数層であってもよい。
実施形態Aの光学シートとしては、上述した実施形態Aのタッチパネルに用いる光学シートと同様のものが挙げられる。
実施形態Aの光学シートは、上述の条件(A1)及び(A2)を満たすため、該光学シートをタッチパネルの最上部に設けることにより、タッチパネルに屋外防眩性を付与するとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。
したがって、実施形態Aの光学シートは、車載用表示装置の表面、電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)の表面に好ましく用いることができる。
実施形態Aの光学シートの選別方法は、一方の面に凹凸を有する光学シートであって、該凹凸が、上述の条件(A1)及び(A2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定するものである。
5.7≦Rz2.5/Ra2.5 (A3)
S2.5≦70μm (A4)
0.10μm≦Rz2.5−Rz0.8≦1.50μm (A5)
条件(A3)〜(A5)の判定条件は、上述した実施形態Aの光学シートの好適な数値範囲であることが好ましい。
さらに、その他のパラメータを追加の判定条件とすることが好ましい。
[タッチパネル]
実施形態Bのタッチパネルは、操作者側の表面に凹凸を有し、上記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たすものである。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
実施形態Bにおいて、「操作者側の表面」とは、操作者がタッチパネルを操作する際に、実際に触れ操作する面のことをいう。
なお、上記光学シートは、上部透明基板とともに下部透明基板として用いてもよい。
静電容量式タッチパネルの場合、実施形態Bでは、最上部の透明基板として後述する光学シートを用いる。このように、静電容量式タッチパネルの最上部の透明基板に後述する光学シートを用いることにより、光学シートの凹凸形状によって、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができるとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。また、解像性の低下を抑制することができる。
上記のようなタッチパネルは、例えば、表示素子上に設置されるオンセル型タッチパネルとして使用される。
実施形態Bの光学シートは、一方の面に凹凸を有し、かつ、該凹凸が上記の条件(B1)及び(B2)を満たすものである。
図4は、実施形態Bの光学シートの凹凸において、静摩擦係数μsと動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、垂直荷重Tgを横軸にプロットした際に、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットから最小二乗法により得られた近似一次直線を示すグラフである。図4に示すように、実施形態Bの光学シートでは、上記近似一次直線の傾きは負となり、光学シートの凹凸に加える荷重(垂直荷重)が大きくなるにしたがって、比(μs/μk)は小さくなる。これは、垂直荷重が大きくなる程、光学シートの凹凸が変形しやすくなり、凹凸の影響が小さくなることを表している。
垂直荷重が小さい場合、比(μs/μk)が小さ過ぎると、光学シート上で指が滑りやすく方向転換し難くなる。また、垂直荷重が大きい場合、比(μs/μk)が大き過ぎると、光学シート上で指を方向転換する際に、指に大きな負荷がかかり方向転換し難くなる。
したがって、光学シート上で指を方向転換しやすくするためには、垂直荷重が小さい場合には、指が滑り過ぎず適度な抵抗感が得られ、垂直荷重が大きくなるにしたがって、指に加わる負荷が抑えられことが求められる。
実施形態Bの光学シートでは、上記の条件(B1)を満たすことにより、該光学シート上で指を方向転換するなどの複雑な操作を良好に行うことができる。
なお、荷重が異なる状況としては、例えば、電車内で立って端末を操作する状況(この時の操作荷重は一般的に軽い)、机に端末を置き片方の手で固定した状態で操作する状況(この時の操作加重は一般的に重い)が挙げられる。つまり、条件(B1)を満たすことにより、操作時の姿勢が異なり、操作荷重が異なる状況において、方向転換するなどの複雑な操作を良好に行うことができる。
静摩擦係数μs及び動摩擦係数μkは、摩擦磨耗試験機(新東科学(株)製、HEIDON NHS2000)により測定することができる。
しかし、操作時の触感、屋外防眩性及び解像性には、粗さ成分(高周波成分)のみならず、うねり成分(低周波成分)も影響を与えるため、カットオフ値(基準長さ)を0.8mmとした場合、粗さ曲線のうねり成分(低周波成分)がカットされる度合いが大きくなり、屋外防眩性及び解像性に比べ、より低周波の影響を受けやすい操作時の触感が評価できないおそれがある。このため、実施形態Bでは、条件(B2)のカットオフ値を2.5mmとしている。
また、算術平均粗さRa2.5が0.10μm以上であると、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができる。リタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラとは、リタデーション値を有する透明基材を通過した光に生じる虹模様の色ムラのことであり、このような色ムラは、例えば、偏光板、所定のリタデーション値を有する透明基材を通過した光を偏光サングラスを通して視認した際に観察される。
なお、上記条件(B2)に加え、後述する条件(B3)を満たすことにより、上述した条件(B1)をより満たしやすくすることができる。特に、Ra2.5が好ましくは0.25μm以上、より好ましくは0.30μm以上である場合には、例えば色域が広い表示素子に対して、よりグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。
Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.2 (B3)
なお、凹凸の絶対量を増やしても条件(B1)を満たしやすくなるが、その場合、条件(B2)を満たすことができない。言い換えると、条件(B2)を満たす凹凸の範囲において、条件(B3)を満たすことによって、条件(B1)を満たすようにすることが好ましい。
条件(B3)は、Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.0を満たすことがより好ましく、Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦2.9を満たすことが更に好ましい。Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.0を満たすことは、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラ、例えば色域が広い表示素子に対して、より目立ちにくくすることができることにもつながる。また、Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)の下限値としては1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。
5.7≦Rz2.5/Ra2.5 (B4)
条件(B4)は、6.0≦Rz2.5/Ra2.5≦10.0を満たすことがより好ましく、6.5≦Rz2.5/Ra2.5≦9.5を満たすことが更に好ましく、7.0≦Rz2.5/Ra2.5≦9.0を満たすことがより更に好ましい。
なお、Rz2.5が2.00μm以上であると透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラ、例えば色域が広い表示素子に対して、より目立ちにくくすることができる。
S2.5≦70μm (B5)
条件(B5)は、S2.5≦65μmを満たすことがより好ましく、20μm≦S2.5≦60μmを満たすことが更に好ましく、30μm≦S2.5≦55μmを満たすことがより更に好ましい。
0.60μm≦Ry2.5≦5.0μm
Ry2.5が5.0μm以下であると、操作時の指の引っかかりを防ぎ、操作性をより良好にすることができる。また、ギラツキの発生をより防止することができる。Ry2.5が0.60μm以上であると、屋外防眩性を付与することができる。
また、Ry2.5は、後述する条件(B6)及び(B7)を満たしやすくする観点から、1.0μm以上4.7μm以下であることがより好ましく、1.2μm以上4.5μm以下であることが更に好ましい。
Ry2.5/Rz2.5≦1.5 (B6)
Ry2.5/Rz2.5が1.5以下であると、操作時の指の引っかかりを防ぎ、操作性をより良好にすることができる。また、ギラツキの発生をより防止することができ、屋外防眩性を付与しやすくできる。
Ry2.5/Rz2.5は、1.10以上1.40以下であることがより好ましく、1.18以上1.37以下であることが更に好ましい。
1.0°≦θa2.5≦5.5°
θa2.5が1.0°以上であると、タッチパネルに屋外防眩性を付与することができるとともに、操作性をより良好にすることができる。θaが5.5°以下であると、コントラストの低下を抑え、屋外防眩性とコントラストの両立を図ることができる。θa2.5は、1.3°≦θa2.5≦4.5°を満たすことがより好ましく、2.0°≦θa2.5≦4.0°を満たすことが更に好ましい。また、θa2.5が1.3°以上であると、透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。更に、好ましくは1.5°以上、より好ましくは2.0°以上であると、例えば色域が広い表示素子に対して、グラデーション調の色ムラをより目立ちにくくすることができる。
ここで、「平均傾斜角θa」は、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(商品名:SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に定義されている値であり、図3に示すように、基準長さLに存在する凸部高さの和(h1+h2+h3+・・・+hn)のアークタンジェントθa=tan−1{(h1+h2+h3+・・・+hn)/L}で求めることができる。
[式(A)中、「L」は基準長さを示し、「dy/dx」は、粗さ曲線の各単位区間の傾きを示す。]
なお、「基準長さ」とは「カットオフ値」を意味する。すなわち、カットオフ値が0.8mmの場合は基準長さが0.8mmである。また、単位測定区間とは、カットオフ値をサンプリング数で除した長さの区間である。サンプリング数は1500とする。
0.8≦θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)≦5.0 (B7)
θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)が上記範囲内であると適度なランダム性を有する凹凸となり、防眩性、解像性、操作性、及び透明基材のリタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができることのバランスをよくすることができる。
θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)は、1.0以上4.5以下であることがより好ましく、色域が広い表示素子での場合でもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくすることができるため、1.2以上4.0以下であることが更に好ましい。
Sm2.5≦160μm
Sm2.5が160μm以下であると、光学シート表面への指の接触面積が減り、触感(滑り感)をより良好にすることができる。Sm2.5は、150μm以下であることがより好ましく、145μm以下であることが更に好ましい。また、下限値は30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることが更に好ましい。
なお、Sm2.5が小さいほど、高精細ディスプレイであってもギラツキの発生を抑制することができる。
型に流し込む材料として硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物)を用いる場合、型から取り出す前に硬化性樹脂組成物を硬化することが好ましい。
型による凹凸の形成は、凹凸形状の再現性に優れる点で好ましい。
上記粒子は1種を単独で、又は材質や粒径などが異なる2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、色域が広い表示素子での場合でもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくするには、粒子は可視光線の波長以上の粒子径を有する不定形粒子であることが好ましい。凹凸層が不定形粒子を含有することで、グラデーション調の色ムラを抑制することができる。
(y1)透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から観察画面中最大にみえる粒子を選択する。TEM又はSTEMの加速電圧は1〜30kV、倍率は5000倍〜30万倍とすることが好ましい。
(y2)観察画像から最大径に見える粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(y3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を行って、合計20個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均粒子径とする。
なお、凝集粒子の場合は、凝集塊の最大径部分を粒子径とみなす。
粒子は、粒子径分布が広いもの(単一粒子で粒子径分布が広いもの、あるいは、粒子径分布が異なる2種類以上の粒子を混合した混合粒子の粒子径分布が広いもの)であってもよいが、ギラツキを抑制する観点から、粒子径分布が狭い方が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、α−ヒドロキシケトン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド類、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
上記光重合開始剤の中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンを適宜、1種類または複数種類選択することが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、紫外線硬化性化合物の全量100質量部に対して1〜20質量部の範囲内で使用することが好ましい。複数種類使用する場合も、それぞれを上記範囲内で使用することが好ましい。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
レベリング剤の添加量としては、凹凸層の全固形分に対して0.01〜5.0重量%が好ましい。
防汚処理の手段としては、凹凸層にフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等の離型剤を含有させる手段、光学シートの最表面に上記離型剤により離型層を形成する手段が挙げられる。凹凸層に離型剤を含有させる場合、離型剤の含有量は、凹凸層の全固形分の0.5〜5.0質量%とすることが好ましい。
光学シートに用いられる透明基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。透明基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
また、溶融押出成型法:extrusion molding(インフレーション法、Tダイ法)や溶液流延法:solution casting、カレンダー法:calendaringなどの汎用方法によって製造される上記のプラスチックフィルムの他、離型性を有する基材上に電離放射線硬化型樹脂組成物等の樹脂からなる塗膜を形成し、該基材から該塗膜を剥離して作製したフィルムであってもよい。
透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
透明基材のリタデーション値は、透明基材の面内において屈折率が最も大きい方向である遅相軸方向の屈折率nxと、透明基材の面内において前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率nyと、透明基材の厚みdとにより、下記式によって表わされるものである。
リタデーション値(Re)=(nx−ny)×d
上記リタデーション値は、例えば、王子計測機器社製の商品名「KOBRA−WR」、「PAM−UHR100」により測定できる。
なお、リタデーション値を小さくしてもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできることは、透明基材の基材厚みを薄くできることにつながる。つまり、リタデーションを生じる透明基材(例えば汎用基材であるポリエステルフィルム)は、通常であれば、基材厚みを厚くする、1軸延伸するなどにより、リタデーション値を大きくすることで、グラデーション調の色ムラが発生することを抑制している。しかし、実施形態Bのタッチパネルで用いる光学シートは、透明基材(例えば汎用基材であるポリエステルフィルム)の基材厚みを薄くしてもグラデーション調の色ムラが目立ちにくくすることができる。
さらに、リタデーション値を小さくしてもグラデーション調の色ムラを目立ちにくくできることは、通常はグラデーション調の色ムラを生じやすいため選択の余地から外れるようなプラスチックフィルム(ポリイミドフィルム、アラミドフィルム)を使用できることにつながる。ポリイミドフィルム、アラミドフィルムは、耐屈曲性に優れる点で好ましい。
近年、表示素子の色域が広がる傾向にある。色域が広い表示素子は、各色(R、G、B)の分光スペクトルがそれぞれシャープな形状を有しており、このような表示素子では、リタデーション値に特有のグラデーション調の色ムラが特に目立ちやすい傾向にある。実施形態Bのタッチパネルで用いる光学シートは、色域が広い表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる点で好ましい。
なお、凹凸層の上に他の機能層を積層した場合には、最表面の凹凸が本願範囲を満たす。凹凸は、最表面が本願範囲であればよく、単層であっても複数層であってもよい。
したがって、実施形態Bのタッチパネルは、特に、車載用表示装置、及び電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)の表示素子の出射面側に設置されることが好ましい。
実施形態Bの表示装置は、表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有し、該凹凸が上述の条件(B1)及び(B2)を満たすものである。
実施形態Bの表示装置は、最表面に凹凸を有する部材として、上述した実施形態Bのタッチパネルに用いる光学シートと同様のものを用いることができる。
インセルタッチパネル液晶素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶素子の内部に、抵抗膜式、静電容量式、光学式等のタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル液晶素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
(a)表示素子/表面保護板/光学シート
(b)表示素子/光学シート
(c)表示素子/光学シートを最上部に有するタッチパネル
(a)及び(b)の場合、光学シートの凹凸が表示素子とは反対側を向くように配置されることで、表示装置に屋外防眩性を付与することができる。また、表示素子の解像度の低下を抑制でき、更には、表面や表示素子に生じた傷を見えづらくすることができる。
(c)の場合、表示装置は、表示素子の出射面側に、光学シートを最上部に有するタッチパネルを備えたタッチパネル付きの表示装置となる。この場合、屋外防眩性、及び高解像性とともに、タッチパネルの操作性に優れた表示装置とすることができる。
したがって、実施形態Bの表示装置は、車載用表示装置、及び電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)として好適である。
実施形態Bの表示装置は、下記式で表されるCIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率が60%以上の表示素子に対しても、グラデーション調の色ムラを目立ちにくくできる。
<BT.2020のカバー率を表す式>
[表示素子のCIE−xy色度図の面積のうち、BT.2020のCIE−xy色度図の面積と重複する面積/BT.2020のCIE−xy色度図の面積]×100(%)
色域が広い表示素子としては、三色独立方式の有機EL表示装置(その中でも、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL素子)、バックライトに量子ドットを用いた液晶表示素子、バックライトに三波長方式の白色LED(近紫外線のLEDと、青蛍光体、緑蛍光体、及び赤蛍光体との組み合わせ)を用いた液晶表示素子等が挙げられる。
実施形態Bの光学シートは、一方の面に凹凸を有し、かつ、該凹凸が上述の条件(B1)及び(B2)を満たすものである。なお、実施形態Bの光学シートは、上記凹凸の上に他の機能層を積層した場合には、最表面の凹凸が本願範囲を満たす。凹凸は、最表面が本願範囲であればよく、単層であっても複数層であってもよい。
実施形態Bの光学シートとしては、上述した実施形態Bのタッチパネルに用いる光学シートと同様のものが挙げられる。
実施形態Bの光学シートは、上述の条件(B1)及び(B2)を満たすため、該光学シートをタッチパネルの最上部に設けることにより、タッチパネルに屋外防眩性を付与するとともに、タッチパネルの操作性を優れたものとすることができる。
したがって、実施形態Bの光学シートは、車載用表示装置の表面、電車など移動時に持ち運ぶスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)の表面に好ましく用いることができる。
実施形態Bの光学シートの選別方法は、一方の面に凹凸を有し、該凹凸が、上述の条件(B1)及び(B2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定するものである。
Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.2 (B3)
条件(B3)の判定条件は、上述した実施形態Bの光学シートの好適な数値範囲であることが好ましい。
さらに、その他のパラメータを追加の判定条件とすることが好ましい。
A1.測定及び評価
実施例及び比較例で作製した光学シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
新東科学(株)製のHEIDON HHS2000を用い、一定荷重往復摩擦測定モードで以下の手法により静摩擦係数を測定した。
光学シートの凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、引掻針に垂直荷重100gをかけながら10mm/秒の走査速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる静摩擦係数(μs10)を測定した。また、走査速度を20mm/秒とした時の静摩擦係数(μs20)を測定した。
なお、測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度50%±10%の雰囲気に10分以上放置した。
実施例及び比較例の光学シートを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した表面部材を東レ社製の光学透明粘着シート(屈折率:1.47、厚み100μm)を介して、縦10cm×横10cmの大きさの黒色板(クラレ社製、商品名:コモグラス 品番 :DFA502K、厚み2.0mm)を貼り合わせたサンプルをそれぞれ20個準備した。
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所社製)を用いて、計測ステージにサンプルが固定かつ密着した状態となるようにセットしたのち、下記の測定条件により、光学シートの凹凸面の、JIS B0601:1994のRa、Rz、S、及びSmを測定した。θaの算出は、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。20個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例のRa、Rz、S、Sm及びθaとした。測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度50%±10%の雰囲気に10分以上放置した。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:用いない(測定面に接触なし)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所社製)を用いて、下記の測定条件により、上記20個のサンプルの凹凸面のJIS B0601:1994のRzを測定した。20個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例のRzとした。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:用いない(測定面に接触なし)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
得られた光学シートの基材側に、黒色アクリル板を、透明粘着剤を介して貼り合わせ、評価用サンプルを作製した。次いで、照度が7000〜13000ルクスの環境(晴天の窓際の環境)において、各評価用サンプルを高さ1m程度の水平台上に水平に設置し、約50cm上方から様々な角度で20人が目視にて評価を行い、以下の基準に従って評価し、最も多数の評価を結果として用いた。
A:サンプル表面に太陽光の眩しさを感じない。
B:角度によってはサンプル表面に太陽光の眩しさを若干感じるが、許容範囲内。
C:サンプル表面に太陽光の眩しさを強く感じる。
得られた光学シートの基材側を、市販モバイル(7.9インチ LCD)の最表面の硝子に透明粘着剤を介して貼り合わせ、照度が7000〜13000ルクス(晴天の窓際)環境において、各表示装置を高さ1m程度の水平台上に水平に設置し、約30cm上方から様々な角度で20人が目視にて各表示装置の初期画面のアイコン、文字を確認した。アイコン、文字を良好に認識できるものを2点、アイコン、文字が操作に支障ない範囲で認識できるものを1点、アイコン、文字が認識しにくく、操作に支障があるものを0点として評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.2点以上1.6点未満のものをB、1.2点未満のものをCとした。
得られた光学シートの基材側に、10cm角のアクリル板を貼り合わせた。次いで、タッチパネルで操作すると考えられる下記の2種類の操作を行った。
20人が該操作を行い、触感が極めて良好を2点、触感が良好を1点、触感が悪いものを0点として評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.2点以上1.6点未満のものをB、1.2点未満のものをCとした。
<操作1(スクロール操作)>
人差し指の腹で操作する。利き手で板を押さえ、利き手ではない指の腹で光学シート凹凸表面を約5cmの距離を1秒くらいで左右方向に動かす操作をした。これを、5往復繰り返した。
<操作2(拡大縮小操作)>
利き手で板を押さえ、利き手ではない人差し指と親指の横側を光学シート凹凸表面のおよそ中心部に設置させ、人差し指および親指をそれぞれ1秒くらいで2〜3cm同時に移動させ、拡大時の操作をした。その後、ただちに元の中心部への縮小時の操作をした。これを、5往復繰り返した。
上記(A1−6)と同様のサンプルを作製し、上記1及び上記2の操作を20人が行った。操作1及び操作2において、指の引っかかり度合いが同等なものを2点、指の引っかかり度合いが若干異なるものを1点、指の引っかかり度合いが異なるものを0点として評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.2点以上1.6点未満のものをB、1.2点未満のものをCとした。
[実施例A1]
プラスチックフィルム(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(TAC)、富士フイルム社製、TD80UL)上に、下記処方の凹凸層塗布液A1を塗布し、70℃、風速5m/sで30秒間乾燥した後、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して、凹凸層を形成し、光学シートを得た。凹凸層の膜厚は7μmであった。
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 55部
(SARTOMER社製、SR355)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.25部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 10部
(平均粒子径6μm、屈折率1.52)
・コロイダルシリカ微粒子(反応性の疎水処理) 100部
(日産化学工業(株)製、溶剤MIBK、固形分30%)(平均粒子径10〜15nm)
・溶剤 (MIBK) 110部
実施例A1の凹凸層塗布液A1を下記処方の凹凸層塗布液A2に変更し、膜厚を6μmとした以外は、実施例A1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液A2>
・多官能アクリレートオリゴマー 60部
(日本合成化学工業(株)製、UV7640B 官能基数6〜7)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン 0.2部
(BYK−CHEMIE社製、BYK370)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 16部
(平均粒子径3.5μm、屈折率1.52)
・フュームドシリカ微粒子(疎水処理:オクチルシラン処理) 6部
(日本アエロジル(株)製、平均粒子径10〜15nm)
・溶剤1(トルエン) 135部
実施例A1の凹凸層塗布液A1を下記処方の凹凸層塗布液A3に変更し、凹凸層の膜厚を2.5μmとした以外は、実施例A1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液A3>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・無機粒子 14部
(富士シリシア化学(株)製、不定形シリカ)
(疎水処理、シランカップリング剤、平均凝集粒子径2μm)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・離型剤 2部
(ダイキン工業(株)製、オプツールDAC)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
実施例A1の凹凸層塗布液A1を下記処方の凹凸層塗布液A4に変更し、凹凸層の膜厚を4μmとした以外は、実施例A1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液A4>
・脂肪族ポリエステル骨格6官能ウレタンアクリレート 100部
(SARTOMER社製、CN968)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 3部
(平均粒子径2.5μm、屈折率1.52)
・フュームドシリカ微粒子(疎水処理:メチル) 3部
(日本アエロジル(株)製、平均粒子径10〜15nm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、KF6004)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
実施例A1の凹凸層塗布液A1を下記処方の凹凸層塗布液A5に変更し、凹凸層の膜厚を3μmとした以外は、実施例A1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液A5>
・脂肪族ポリエステル骨格6官能ウレタンアクリレート 100部
(SARTOMER社製、CN968)
・不定形シリカ微粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 15部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径2.5μm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、X-22-2516)
・溶剤(トルエン) 150部
実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の光学シートの透明基材側に、厚み20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、上部電極板とした。次いで、厚み1mmの強化ガラス板の一方の面に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、下部電極板とした。次いで、下部電極板の導電性膜を有する面に、スペーサー用塗布液として電離放射線硬化型樹脂(Dot Cure TR5903:太陽インキ社)をスクリーン印刷法によりドット状に印刷した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、直径50μm、高さ8μmのスペーサーを1mmの間隔で配列させた。
次いで、上部電極板と下部電極板とを、導電性膜どうしを対向するように配置させ、厚み30μm、幅3mmの両面接着テープで縁を接着し、実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の抵抗膜式タッチパネルを作製した。
実施例A1〜A3の抵抗膜式タッチパネルは、屋外防眩性を有するとともに、解像性及び操作性が良好であった。一方、比較例A1の抵抗膜式タッチパネルは、屋外防眩性が不足のため眩しく、かつ操作性が低下していた。また、比較例A2の抵抗膜式タッチパネルは、屋外防眩性が過剰であるため表示画面の映像、文字情報を認識できなかった。
実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の光学シートと、市販の超高精細液晶表示装置(4.7インチ、画素密度約320ppi)の表面ガラス板とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の表示装置(1)を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
得られた表示装置(1)のギラツキの有無を目視で評価したところ、実施例A1〜A3の表示装置(1)についてはギラツキが抑制され、外光の移り込みも少なく、視認性が良好であった。また、実施例A1〜A3の表示装置(1)は超高精細の映像の解像度が損なわれることもなかった。
実施例A1〜A3及び比較例A1、A2の光学シートの基材を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リタデーション値2,500nm)に変更した以外は、実施例A1〜A3及び比較例A1、A2と同様にして、実施例A4〜A6及び比較例A3、A4の光学シートを作製した。実施例A4〜A6及び比較例A3、A4の光学シートの表1の各物性値は、実施例A1〜A3及び比較例A1、A2と略同様である。
実施例A4〜A6及び比較例A3、A4の光学シートと、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL表示素子上に偏光子を有する市販の有機EL表示装置(CIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率:77%)の表面ガラス板とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例A4〜A6及び比較例A3、A4の表示装置(2)を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
<グラデーション調の色ムラ>
表示装置(2)の画面を白表示もしくは略白表示にした。偏光サングラスを介して様々な角度から画面を目視観察し、グラデーション調の色ムラが視認できるかどうかを以下の基準に従って20人が評価し、最も多い数の評価を結果とした。結果を表2に示す。
A:グラデーション調の色ムラが視認できない。
B:グラデーション調の色ムラがごく僅かに視認できるが、画像品質に支障なし。
C:グラデーション調の色ムラがはっきりと視認され、画像品質に大いに支障がある。
B1.測定及び評価
実施例及び比較例で作製した光学シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表3に示す。
新東科学(株)製の商品名HEIDON NHS2000を用い、一定荷重往復摩擦測定モードで以下の手法により静摩擦係数μs及び動摩擦係数μkを測定し、比(μs/μk)を算出した。
光学シートの凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、引掻針に垂直荷重100gをかけながら5mm/秒の走査速度で片道10mmの長さを1往復した際の該引掻針にかかる動摩擦係数μkを測定した。また、同様の操作により引掻針にかける垂直荷重が500g、及び1000gにおける動摩擦係数μkを測定した。さらに、上記操作と同様にして引掻針にかける垂直荷重が100g、500g及び1000gにおける、静摩擦係数μsを測定した。
なお、測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度50%±10%の雰囲気に10分以上放置した。
表3中に示す実施例B1、B2、及び比較例B4の数式は、いずれも最小二乗法により算出した近似一次直線である。
実施例及び比較例の光学シートを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した表面部材を東レ社製の光学透明粘着シート(屈折率:1.47、厚み100μm)を介して、縦10cm×横10cmの大きさの黒色板(クラレ社製、商品名:コモグラス 品番 :DFA502K、厚み2.0mm)を貼り合わせたサンプルをそれぞれ20個準備した。
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所社製)を用いて、計測ステージにサンプルが固定かつ密着した状態となるようにセットしたのち、下記の測定条件により、光学シートの凹凸面の、JIS B0601:1994のRa、Rz、S、及びSmを測定した。θaの算出は、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。20個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例のRa、Rz、S、Sm及びθaとした。測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度50%±10%の雰囲気に10分以上放置した。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:用いない(測定面に接触なし)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所社製)を用いて、下記の測定条件により、上記20個のサンプルの凹凸面のJIS B0601:1994のRzを測定した。20個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例のRzとした。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
・スキッド:用いない(測定面に接触なし)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
得られた光学シートの基材側に、黒色アクリル板を、透明粘着剤を介して貼り合わせ、評価用サンプルを作製した。次いで、照度が7000〜13000ルクス(晴天の窓際)環境において、各評価用サンプルを高さ1m程度の水平台上に水平に設置し、約50cm上方から様々な角度で20人が目視にて評価を行い、以下の基準に従って評価し、最も多数の評価を結果として用いた。
A:サンプル表面に太陽光の眩しさを感じない。
B:角度によってはサンプル表面に太陽光の眩しさを若干感じるが、許容範囲内。
C:サンプル表面に太陽光の眩しさを強く感じる。
得られた光学シートの基材側を、市販モバイル(7.9インチ LCD)の最表面の硝子に透明粘着剤を介して貼り合わせ、照度が7000〜13000ルクス(晴天の窓際)環境において、各表示装置を高さ1m程度の水平台上に水平に設置し、約30cm上方から様々な角度で20人が目視にて各表示装置の初期画面のアイコン、文字を確認した。アイコン、文字を良好に認識できるものを2点、アイコン、文字が操作に支障ない範囲で認識できるものを1点、アイコン、文字が認識しにくく、操作に支障があるものを0点として評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.2点以上1.6点未満のものをB、1.2点未満のものをCとした。
得られた光学シートの基材側に、10cm角のアクリル板を貼り合わせたサンプルを作製した。次いで、サンプルの光学シートの凹凸面上で指を動かし方向転換させる操作を行った。操作は、各人が、軽めの荷重(立ち上がった状態で、利き手とは反対側の手でサンプルを持ち、利き手で操作した時の荷重)、重めの荷重(机にサンプルを置き、利き手と反対側の手でサンプルを固定し、利き手で操作した時の荷重)の2通りの荷重で行った。何れの荷重の操作でも、方向転換が容易にでき、操作性が良好と感じたものを2点、少なくとも何れかの荷重の操作において、方向転換時に指が若干滑るか、方向転換時に指が若干重く感じられ、操作性に若干の不都合を感じたものを1点、少なくとも何れかの荷重の操作において、方向転換時に指が滑るか、方向転換時に指が重く感じられ、操作性に著しく不都合を感じたものを0点として、20人が評価を行った。20人の平均点が1.6点以上のものをA、1.0点以上1.6点未満のものをB、0.5点以上1.0点未満のものをC、0.5点未満のものをDとした。
[実施例B1]
プラスチックフィルム(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(TAC)、富士フイルム社製、TD80UL)上に、下記処方の凹凸層塗布液B1を塗布し、70℃、風速5m/sで30秒間乾燥した後、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して、凹凸層を形成し、光学シートを得た。凹凸層の膜厚は2.5μmであった。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・無機粒子 14部
(富士シリシア化学(株)製、不定形シリカ)
(疎水処理、シランカップリング剤、平均凝集粒子径2μm)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・離型剤 2部
(ダイキン工業(株)製、オプツールDAC)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B2に変更し、凹凸層の膜厚を4μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B2>
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100部
(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPE−4)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 3部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径3μm)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 3部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径1.5μm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、KF6004)
・溶剤(トルエン) 150部
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B3に変更し、凹凸層の膜厚を7μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B3>
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 55部
(SARTOMER社製、SR355)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.25部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 10部
(平均粒子径6μm、屈折率1.52)
・コロイダルシリカ微粒子(反応性の疎水処理) 100部
(日産化学工業(株)製、溶剤MIBK、固形分30%)(平均粒子径10〜15nm)
・溶剤 (MIBK) 110部
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B4に変更し、凹凸層の膜厚を7μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B4>
・多官能アクリレートオリゴマー 60部
(日本合成化学工業(株)製、UV7640B 官能基数6〜7)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン 0.2部
(BYK−CHEMIE社製、BYK370)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 16部
(平均粒子径3.5μm、屈折率1.52)
・フュームドシリカ微粒子(疎水処理:オクチルシラン処理) 6部
(日本アエロジル(株)製、平均粒子径10〜15nm)
・溶剤1(トルエン) 135部
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B5に変更し、凹凸層の膜厚を4μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B5>
・脂肪族ポリエステル骨格6官能ウレタンアクリレート 100部
(SARTOMER社製、CN968)
・球状ポリアクリル−スチレン共重合体粒子 3部
(平均粒子径2.5μm、屈折率1.52)
・フュームドシリカ微粒子(疎水処理:メチル) 3部
(日本アエロジル(株)製、平均粒子径10〜15nm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、KF6004)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B6に変更し、凹凸層の膜厚を3.8μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B6>
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100部
(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPE−4A)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 10部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径3.5μm)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 8部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径2μm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.3部
(信越シリコーン(株)製、KF6004)
・溶剤(トルエン) 150部
実施例B1の凹凸層塗布液B1を下記処方の凹凸層塗布液B7に変更し、凹凸層の膜厚を4μmとした以外は、実施例B1と同様にして、光学シートを得た。
<凹凸層塗布液B7>
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100部
(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPE−4A)
・不定形シリカ粒子(疎水処理:シランカップリング剤) 2部
(富士シリシア化学(株)製、平均凝集粒子径3μm)
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤:ポリエーテル変性ポリシロキサン 0.2部
(信越シリコーン(株)製、X-22-2516)
・溶剤(トルエン) 150部
実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の光学シートの透明基材側に、厚み20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、上部電極板とした。次いで、厚み1mmの強化ガラス板の一方の面に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、下部電極板とした。次いで、下部電極板の導電性膜を有する面に、スペーサー用塗布液として電離放射線硬化型樹脂(Dot Cure TR5903:太陽インキ社)をスクリーン印刷法によりドット状に印刷した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、直径50μm、高さ8μmのスペーサーを1mmの間隔で配列させた。
次いで、上部電極板と下部電極板とを、導電性膜どうしを対向するように配置させ、厚み30μm、幅3mmの両面接着テープで縁を接着し、実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の抵抗膜式タッチパネルを作製した。
実施例B1及びB2の抵抗膜式タッチパネルは、屋外防眩性を有するとともに、操作性及び解像性が良好であった。
実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の光学シートと、市販の超高精細液晶表示装置(4.7インチ、画素密度約320ppi)の表面ガラス板とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の表示装置(1)を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
得られた表示装置(1)のギラツキの有無を目視で評価したところ、実施例B1及びB2の表示装置(1)についてはギラツキが抑制され、外光の移り込みも少なく、視認性が良好であった。また、実施例B1の表示装置(1)は超高精細の映像の解像度が損なわれることもなかった。
実施例B1、B2及び比較例B1〜B5の光学シートの基材を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リタデーション値2,500nm)に変更した以外は、実施例B1、B2及び比較例B1〜B5と同様にして、実施例B3、B4及び比較例B6〜B10の光学シートを作製した。実施例B3、B4及び比較例B6〜B10の光学シートの表3の各物性値は、実施例B1、B2及び比較例B1〜B5と略同様である。
実施例B3、B4及び比較例B6〜B10の光学シートと、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL表示素子上に偏光子を有する市販の有機EL表示装置(CIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率:77%)の表面ガラス板とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例B3、B4及び比較例B6〜B10の表示装置(2)を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
<グラデーション調の色ムラ>
表示装置(2)の画面を白表示もしくは略白表示にした。偏光サングラスを介して様々な角度から画面を目視観察し、グラデーション調の色ムラが視認できるかどうかを評価した。グラデーション調の色ムラが視認できないものを2点、グラデーション調の色ムラがごく僅かに視認できるが、画像品質に支障がないものを1点、グラデーション調の色ムラがはっきりと視認され、画像品質に大いに支障があるものを0点という評価基準で20人が評価した。20人の平均点が1.7点以上のものをA、1.4点以上1.7点未満のものをB、1.0点以上1.4点未満のものをB、1.0点未満のものをDとした。結果を表4に示す。
2:静電容量式タッチパネル、21:透明基板、22:透明導電膜(X軸電極)、23:透明導電膜(Y軸電極)、24:接着剤層
Claims (9)
- 操作者側の表面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、タッチパネル。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。 - 前記凹凸は、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz0.8)と、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz2.5)とが、以下の条件(B3)を満たす、請求項1に記載のタッチパネル。
Rz0.8/(Rz2.5−Rz0.8)≦3.2 (B3) - 前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の最大高さ(Ry2.5)と、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の十点平均粗さ(Rz2.5)とが、以下の条件(B6)を満たす、請求項1又は2に記載のタッチパネル。
Ry2.5/Rz2.5≦1.5 (B6) - 前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際の凹凸の平均傾斜角(θa2.5)と、前記Ry2.5/Rz2.5とが、以下の条件(B7)を満たす、請求項3に記載のタッチパネル。
0.8≦θa2.5/(Ry2.5/Rz2.5)≦5.0 (B7) - 前記凹凸が、光学シートの一方の面に設けられるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチパネル。
- 前記光学シートが、リタデーション値が0nm超3,000nm未満である透明基材を備える、請求項5に記載のタッチパネル。
- 表示素子の出射面側の最表面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、表示装置。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。 - 一方の面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす、光学シート。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。 - 一方の面に凹凸を有し、前記凹凸が、以下の条件(B1)及び(B2)を満たす光学シートを、タッチパネルの最上部に位置する光学シートとして選定する、光学シートの選別方法。
条件(B1):前記凹凸に、先端半径0.3mmのサファイア製の引掻針を垂直に接触させ、前記引掻針に垂直荷重Tgをかけながら5mm/秒の速度で片道10mmの長さを1往復した際の前記引掻針にかかる静摩擦係数μs、及び動摩擦係数μkを測定する。前記静摩擦係数μsと前記動摩擦係数μkとの比(μs/μk)を縦軸に、前記垂直荷重Tgを横軸にプロットしたグラフにおいて、垂直荷重100〜1000gの範囲にあるプロットを最小二乗法により一次直線で近似したときに、前記一次直線の傾きが負である。
条件(B2):前記凹凸は、カットオフ値を2.5mmとした際のJIS B0601:1994の算術平均粗さ(Ra2.5)が0.10μm以上0.60μm以下である。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016087397 | 2016-04-25 | ||
JP2016087400 | 2016-04-25 | ||
JP2016087400 | 2016-04-25 | ||
JP2016087397 | 2016-04-25 | ||
PCT/JP2017/016219 WO2017188186A1 (ja) | 2016-04-25 | 2017-04-24 | タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021009501A Division JP6996644B2 (ja) | 2016-04-25 | 2021-01-25 | タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2017188186A1 JPWO2017188186A1 (ja) | 2019-02-28 |
JP6852731B2 true JP6852731B2 (ja) | 2021-03-31 |
Family
ID=60161561
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018514586A Active JP6852731B2 (ja) | 2016-04-25 | 2017-04-24 | タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 |
JP2021009501A Active JP6996644B2 (ja) | 2016-04-25 | 2021-01-25 | タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021009501A Active JP6996644B2 (ja) | 2016-04-25 | 2021-01-25 | タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP6852731B2 (ja) |
TW (2) | TWI768722B (ja) |
WO (1) | WO2017188186A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7393875B2 (ja) * | 2019-04-10 | 2023-12-07 | 日東電工株式会社 | 防眩性フィルム、防眩性フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置 |
JP2021124616A (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-30 | 日東電工株式会社 | 防眩性ハードコートフィルム、防眩性ハードコートフィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置 |
US11740388B2 (en) * | 2020-02-13 | 2023-08-29 | Benq Materials Corporation | Anti-glare film and polarizer with the same |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07103881A (ja) * | 1993-10-05 | 1995-04-21 | Sony Corp | 摩擦測定装置 |
JP3035692B2 (ja) * | 1994-10-12 | 2000-04-24 | グンゼ株式会社 | 摺動部材の抑え具 |
JPH1010401A (ja) * | 1996-06-25 | 1998-01-16 | Konica Corp | レンズ駆動機構 |
JP4665782B2 (ja) * | 2006-02-03 | 2011-04-06 | 日油株式会社 | ペン入力装置用表面材 |
JP5033740B2 (ja) * | 2007-10-26 | 2012-09-26 | 帝人株式会社 | 透明導電性積層体およびタッチパネル |
JP2010266297A (ja) * | 2009-05-14 | 2010-11-25 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 摩擦係数測定機 |
JP5832101B2 (ja) * | 2010-03-11 | 2015-12-16 | 住友化学株式会社 | 防眩性偏光板およびそれを用いた画像表示装置 |
JP5774954B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-09-09 | 東レフィルム加工株式会社 | タッチパネル用シート部材、タッチパネルおよび表示装置 |
JP2013117584A (ja) * | 2011-12-01 | 2013-06-13 | Keiwa Inc | ハードコートフィルム、透明導電性積層体及びタッチパネル |
WO2015001966A1 (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-08 | 大日本印刷株式会社 | 防眩フィルム、偏光板、液晶パネル、および画像表示装置 |
JP2015015009A (ja) * | 2013-07-08 | 2015-01-22 | 信越ポリマー株式会社 | 静電容量センサーシートの製造方法 |
WO2015027371A1 (en) * | 2013-08-26 | 2015-03-05 | Logitech Europe S.A. | Touch surface for an electronic device and method for manufacturing the same |
JP6156647B2 (ja) * | 2013-12-05 | 2017-07-05 | コニカミノルタ株式会社 | ペン入力装置用フィルム |
JP6484847B2 (ja) * | 2014-03-11 | 2019-03-20 | 大日本印刷株式会社 | タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 |
JP6349126B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2018-06-27 | 株式会社ダイセル | ペン入力デバイス用透明積層フィルム及びその製造方法 |
JP2016035575A (ja) * | 2014-08-01 | 2016-03-17 | 日東電工株式会社 | 防眩フィルムおよび画像表示装置 |
-
2017
- 2017-04-24 JP JP2018514586A patent/JP6852731B2/ja active Active
- 2017-04-24 WO PCT/JP2017/016219 patent/WO2017188186A1/ja active Application Filing
- 2017-04-25 TW TW110105980A patent/TWI768722B/zh active
- 2017-04-25 TW TW106113692A patent/TWI740932B/zh active
-
2021
- 2021-01-25 JP JP2021009501A patent/JP6996644B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW202127219A (zh) | 2021-07-16 |
JP6996644B2 (ja) | 2022-01-17 |
JPWO2017188186A1 (ja) | 2019-02-28 |
TW201741844A (zh) | 2017-12-01 |
JP2021073593A (ja) | 2021-05-13 |
TWI768722B (zh) | 2022-06-21 |
WO2017188186A1 (ja) | 2017-11-02 |
TWI740932B (zh) | 2021-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10908711B2 (en) | Writing sheet for touch panel pen, touch panel, touch panel system, display device, and method for selecting writing sheet for touch panel pen | |
JP6996644B2 (ja) | タッチパネル、表示装置、光学シート及び光学シートの選別方法 | |
JP6717317B2 (ja) | 光学シート、偏光板、光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法、並びに表示装置 | |
KR102262757B1 (ko) | 터치 패널, 표시 장치 및 광학 시트, 광학 시트의 선별 방법 및 광학 시트의 제조 방법 | |
JP7095761B2 (ja) | タッチパネルペン用筆記シート、タッチパネル、タッチパネルシステム及び表示装置、並びにタッチパネルペン用筆記シートの選別方法 | |
JP6790524B2 (ja) | タッチパネルペン用筆記シート、タッチパネル、表示装置、及びタッチパネルペン用筆記シートの選別方法 | |
US11175768B2 (en) | Method for selecting touch panel pen writing member, touch panel system, touch panel pen writing member, touch panel, and display device | |
JP6819446B2 (ja) | タッチパネル用表面部材、タッチパネル、表示装置、及びタッチパネル用表面部材の選別方法 | |
JP2015172641A (ja) | タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 | |
JP6565096B2 (ja) | タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 | |
JP2018129045A (ja) | タッチパネルペン用筆記性部材の選別方法、タッチパネルシステム、タッチパネルペン用筆記性部材、タッチパネル及び表示装置 | |
JP2004351744A (ja) | 凹凸を有する硬化樹脂層付き高分子基板 | |
JP6484846B2 (ja) | タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 | |
JP6565095B2 (ja) | タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 | |
JP7305931B2 (ja) | タッチパネルペン用筆記性部材の選別方法 | |
JP2018125002A (ja) | タッチパネルペン用筆記性部材の選別方法、タッチパネルシステム、タッチパネルペン用筆記性部材、タッチパネル及び表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191223 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20200827 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210222 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6852731 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |