JP6851885B2 - 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、画像における被写体の領域を判定するために用いて好適なものである。
従来から、デフォーカス量を用いることにより、画像から得られる輝度情報や色情報では難しい被写体の追尾を行う手法が提案されている。特許文献1には、撮像レンズの射出瞳のうち、互いに異なる瞳領域を通過した一対の光束により形成される一対の被写体像の相対的なずれ量から、撮像レンズのデフォーカス量を検出する焦点検出装置が開示されている。このようにしてデフォーカス量を求める方式を、瞳分割型位相差検出方式という。
特開2016−156934号公報
しかしながら、撮影状況によっては、撮像装置で撮影する際に、必ずしも被写体に合焦していないことがある。このような場合、特許文献1に記載の瞳分割型位相差検出方式で得られるデフォーカス量は精度が出ない。従って、実際には撮像装置からの距離が同じ被写体を撮像する場合であっても、デフォーカス量がばらつくことがある。よって、画像における被写体の領域を正しく判定することができないことがある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、画像における被写体の領域を正しく判定できるようにすることを目的とする。
本発明の情報処理装置は、処理対象の画像よりも過去の画像において被写体の領域として想定される領域である第1の領域を特定する特定手段と、前記第1の領域のデフォーカス量を用いて、被写体に対応するデフォーカス量の範囲を設定する設定手段と、前記処理対象の画像におけるデフォーカス量と、前記被写体に対応するデフォーカス量の範囲とを用いて、前記処理対象の画像における被写体の領域を決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、画像における被写体の領域を正しく判定することができる。
撮像装置の構成を示す図である。 被写体決定処理の全体の流れの第1の例を示すフローチャートである。 デフォーカスマップを示す図である。 デフォーカスマップ判定処理の第1の例を示すフローチャートである。 Dを決定する方法を説明する図である。 特徴マップを示す図である。 被写体領域決定処理を示すフローチャートである。 内外相違度向けの評価領域を選定する方法を説明する図である。 評価領域に対する背景領域を決定する方法を説明する図である。 色相値の階調化を説明する図である。 被写体追尾向けの評価領域を選定する方法を説明する図である。 被写体決定処理の全体の流れの第2の例を示すフローチャートである。 Lを決定する方法を説明する図である。 Tを決定する方法を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態を説明する。
(撮像システム)
図1を参照して、撮像装置の構成の一例について説明する。図1は、撮像装置100の構成の一例を示すブロック図である。撮像装置100は、情報処理装置の一例である。
撮像装置100は、被写体を撮影して、動画像や静止画像のデータを、各種の記録メディアに記録可能なデジタルスチルカメラやビデオカメラ等である。しかしながら、撮像装置100は、これらに限定されるものではない。例えば、撮像装置100は、スマートフォンやタブレット等の各種の携帯機器に含まれるものであってもよい。その他、撮像装置100は、工業用カメラ、車載用カメラ、または医療用カメラに適用されるものであってもよい。尚、記録メディアとしては、例えば、テープ、固体メモリ、光ディスク、および磁気ディスク等が挙げられる。撮像装置100内の各ユニットは、バス160を介して相互に接続される。また、撮像装置100内の各ユニットは、CPU151(中央演算処理装置)により制御される。
レンズユニット101は、固定1群レンズ102、ズームレンズ111、絞り103、固定3群レンズ121、およびフォーカスレンズ131を有する。絞り制御部105は、CPU151の指令に従い、絞りモータ104(AM)を介して絞り103を駆動することにより、絞り103の開口径を調整して撮影時の光量調節を行う。ズーム制御部113は、ズームモータ112(ZM)を介してズームレンズ111を駆動することにより、焦点距離を変更する。フォーカス制御部133は、レンズユニット101のピント方向のずれ量に基づいてフォーカスモータ132(FM)を駆動する駆動量を決定する。加えてフォーカス制御部133は、フォーカスモータ132を介してフォーカスレンズ131を駆動することにより、焦点調節状態を制御する。フォーカスレンズ131は、焦点調節用レンズである。図1では、フォーカスレンズ131を単レンズとして簡略的に示す。しかしながら、フォーカスレンズ131は、通常、複数のレンズで構成される。
レンズユニット101を介して撮像素子141上に結像する被写体像は、撮像素子141により電気信号に変換される。撮像素子141は、横方向にm画素、縦方向にn画素の受光素子を有する。それぞれの受光素子に、一つのマイクロレンズと、二つの光電変換素子(受光領域)とが配置される。光電変換素子は、被写体像(光学像)を電気信号に変換する(即ち、光電変換を行う)。撮像信号処理部142は、撮像素子141上に結像されて光電変換された画像を処理して画像信号(画像データ)を生成する。撮像信号処理部142は、二つの光電変換素子の出力を加算することで、撮像面の画像を取得することができる。また、撮像信号処理部142は、二つの光電変換素子の出力を各々扱うことにより視差の異なる2つの画像(視差画像)を取得することができる。以下の説明では、二つの光電変換素子の出力を加算したものを、必要に応じてA+B像と称し、二つの光電変換素子の出力を各々扱ったものを、必要に応じてA像、B像と称する。
撮像信号処理部142から出力される画像データは、撮像制御部143に送られ、一時的にRAM154(ランダム・アクセス・メモリ)に蓄積される。RAM154に蓄積された画像データは、画像圧縮解凍部153にて圧縮された後、画像記録媒体157に記録される。これと並行して、RAM154に蓄積された画像データは、画像処理部152に送られる。
画像処理部152は、画像データを処理する。例えば、画像処理部152は、画像データに対して最適なサイズへの縮小・拡大処理を行う。画像処理部152は、最適なサイズに処理された画像データを、適宜モニタディスプレイ150に送る。モニタディスプレイ150が画像データを表示することでプレビュー画像表示やスルー画像表示を行うことができる。また、画像処理部152は、撮像素子141から得られたA像およびB像を基に、デフォーカスマップや信頼度マップを生成することができる。デフォーカスマップは、画素毎にデフォーカス量を備えるマップである。デフォーカス量はFδの単位で表される。信頼度マップは、画素毎にデフォーカス量を信頼できる度合を表す信頼度を備えるマップである。画像における各座標(各画素の位置)と、デフォーカスマップにおける各座標(各画素の位置)と、信頼度マップにおける各座標(各画素の位置)は、相互に対応する。また、信頼度は、例えば、8諧調で表される。デフォーカスマップおよび信頼度マップを生成する方法としては、例えば、特許文献1に開示されている方法を用いることができる。
操作スイッチ156は、タッチパネルやボタン等を含む入力インターフェイスである。ユーザは、モニタディスプレイ150に表示される種々の機能アイコンを選択操作すること等により、様々な操作が行える。
CPU151は、撮像装置100内の各ユニットを制御する。CPU151は、撮像素子141の蓄積時間や、撮像素子141から撮像信号処理部142へ出力を行う際のゲインの設定値を決定する。この決定は、例えば、操作スイッチ156から入力されたユーザの指示、或いは、一時的にRAM154に蓄積された画像データの画素信号の大きさに基づいて行われる。撮像制御部143は、CPU151から、撮像素子141の蓄積時間や、撮像素子141から撮像信号処理部142へ出力を行う際のゲインの設定値の指示を受け取り、撮像素子141を制御する。
RAM154には、撮影画像(A+B像)や、視差画像(A像、B像)や、視差画像(A像、B像)から生成されたデフォーカスマップおよび信頼度マップ等が蓄積される。RAM154に記憶された情報は、バス160を介して撮像装置100内の各ユニットで利用される。
モニタディスプレイ150は、撮像装置100で追跡している被写体を含む被写体領域を矩形等で表示する他、タッチパネルとして利用される。
フラッシュメモリ155は、撮像装置100の動作に必要な制御プログラムを記憶する。ユーザによる操作スイッチ156の操作により撮像装置100が起動すると(撮像装置100の電源がOFFの状態からONの状態へ移行すると)、フラッシュメモリ155に格納された制御プログラムがRAM154の一部に読み込まれる(ロードされる)。CPU151は、RAM154にロードされた制御プログラムに従って撮像装置100の動作を制御する。
画像記録媒体157は、各種データを記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリ等から構成される。画像記録媒体157に記録される各種データには、撮影画像(A+B像)や、視差画像(A像、B像)や、視差画像(A像、B像)から生成されたデフォーカスマップおよび信頼度マップや、各データにおける座標の対応関係を示す情報等が記録される。
電源管理部158は、電池検出回路と、DC−DCコンバータと、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路とを有する。電源管理部158は、電池の装着の有無、電池の種類、および電池の残量の検出を行う。また、電源管理部158は、その検出の結果と、CPU151の指示とに基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、撮像装置100内の各ブロックへ供給する。
バッテリ159は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
初期領域推定部161は、モニタディスプレイ150に対するユーザの操作により指定された画像平面上の座標周辺の画像信号を用いて、大きさと中心位置とが異なる複数の評価領域と、当該評価領域の評価値とを導出する。
被写体追尾部162は、モニタディスプレイ150に対するユーザの操作により指定された画像の領域をテンプレートとして登録する。被写体追尾部162は、テンプレートと、逐次供給される画像の評価領域(部分領域)とのマッチングを行う。そして、被写体追尾部162は、各評価領域の評価値を導出する。マッチングの方式は、多種多様に存在するが、例えば、被写体追尾部162は、ヒストグラム類似度に基づいてテンプレートと評価領域とのマッチングを行うことができる。
デフォーカスマップ判定部163は、デフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量の代表値に基づいて被写体とみなすデフォーカス量の範囲を決定する。デフォーカスマップ判定部163は、逐次供給されるデフォーカスマップに対してデフォーカス量が代表値に近い領域を被写体らしさが高い領域としてマッピングすることにより特徴マップを作成する。
被写体領域決定部164は、バス160を介して供給される初期領域推定部161、被写体追尾部162およびデフォーカスマップ判定部163それぞれの結果を用いて、最終的な被写体の領域を決定する。
(全体処理)
図2および図3を参照して、本実施形態における被写体決定処理の全体の流れの一例について説明する。図2は、被写体決定処理の全体の流れの一例を説明するフローチャートである。尚、以下の説明において、処理対象のフレームを必要に応じて現フレームと称し、現フレームの1つ前のフレームを必要に応じて前フレームと称する。
まず、S200において、CPU151は、ユーザからの操作スイッチ156の操作を受け付け、画像記録媒体157に記録されている画像群から、時系列的に連続している複数の画像を、被写体領域を推定する対象の画像として選択する。
次に、S201において、CPU151は、S200で選択した時系列的に連続している複数の画像のうち、このS201の処理で未選択の画像を1つ、処理対象のフレームとして選択する。本実施形態では、CPU151は、時系列的に早い画像から順に画像を選択する。CPU151は、選択した画像と、選択した画像に対応するデフォーカスマップおよび信頼度マップとを、画像記録媒体157からバス160を介して撮像装置100内の各ユニットに供給する。
このように図2のフローチャートでは、CPU151は、既に撮像された画像に対して処理を行う。よって、図2のフローチャートを実行する場合、レンズユニット101、ズーム制御部113、絞り制御部105、フォーカス制御部133、撮像素子141、撮像信号処理部142、および撮像制御部143は、必ずしも必要ない。このような構成の場合、CPU151は、外部装置から、画像を受信し、画像記録媒体157に記録する。
次に、S202において、CPU151は、S201で選択した画像が初期フレームであるか否かを判定する。この判定の結果、S201で選択した画像が初期フレームであればS203に進み、そうでなければS205に進む。
S203において、ユーザは、モニタディスプレイ150を操作して、画像平面における被写体の位置を指定する。CPU151は、画像とデフォーカスマップとの対応関係に基づき、画像平面に対してユーザにより指定された位置から、デフォーカスマップにおける当該位置に対応する位置を算出する。
次に、S204において、CPU151は、S203で初期フレームに対してユーザにより指定された位置を基に特定領域を決定する。特定領域は、例えば、S203で指定された位置の座標を中心とする、所定画素数の長方形または正方形の領域である。所定画素数は、特定領域のサイズが入力画像のサイズに対して十分に小さくなるようにしていれば良い。特定領域は、処理対象の画像において被写体の領域として想定される領域である第1の領域の一例である。また、S204の処理は、ユーザによる指定に基づいて、第1の領域を特定する処理の一例である。
S205において、CPU151は、前フレームの処理において被写体領域決定部164が決定した被写体領域を基に特定領域を決定する。特定領域は、前フレームの処理においてS210で決定された被写体領域と中心座標が同じ領域であって、当該被写体領域よりも小さい領域とする。図3は、前フレームと現フレームのデフォーカスマップの一例を示す図である。図3(a)は、前フレームのデフォーカスマップ300を示し、図3(b)は、現フレームのデフォーカスマップ301を示す。
S205において、CPU151は、前フレームにおいて、S210で決定された被写体領域302を狭めた特定領域303を設定する。被写体領域302よりも狭めた領域を特定領域303として設定することで、被写体領域302に含まれる背景領域の影響を抑制することができる。前述したように特定領域は、処理対象の画像において被写体の領域として想定される領域である第1の領域の一例である。また、S205の処理は、処理対象の画像よりも過去の画像に対して決定された被写体の領域に基づいて、第1の領域を特定する処理の一例である。
次に、S206において、CPU151は、S204またはS205で決定した特定領域からデフォーカス量の平均値を導出する。被写体が動いてしまうと、S205で決定した特定領域の位置と、現フレームにおける被写体の位置とにズレが生じるため、ここでは、前フレームの特定領域からデフォーカス量の平均値を導出することが望ましい。ただし、S204にて初期フレームから特定領域を決定する場合には、前フレームで決定された特定領域が存在するため、現フレームで決定した特定領域からデフォーカス量の平均値を導出する。
次に、S207において、デフォーカスマップ判定部163は、現フレームのデフォーカスマップの判定を行い、当該判定の結果に基づいて特徴マップを作成する。S207のデフォーカスマップ判定処理の詳細については後述する。
次に、S208において、被写体領域決定部164は、デフォーカスマップの利用率を導出する。被写体領域決定部164は、S206で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値に基づいて、デフォーカスマップの利用率を導出する。被写体領域決定部164は、S206で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値が小さければ、デフォーカスマップの利用率を高くする。一方、S206で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値が大きければ、被写体領域決定部164は、デフォーカスマップの利用率を低くする。例えば、S206で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値が1Fδ未満である場合、被写体領域決定部164は、デフォーカスマップの利用率を1.0とする。また、例えば、S206で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値が1Fδ以上3Fδ未満、5Fδ以上である場合、被写体領域決定部164は、デフォーカスマップの利用率をそれぞれ0.5、0とする。
次に、S209において、被写体領域決定部164は、複数の被写体領域の候補から現フレームにおける被写体領域を決定する。被写体領域の決定には、画像およびデフォーカスマップが用いられる。S209の被写体領域決定処理の詳細については後述する。
次に、S210において、モニタディスプレイ150は、入力画像を表示すると共に、S209で決定した被写体領域を矩形の領域として入力画像に重畳表示する。
次に、S211において、CPU151は、S200で選択した全ての画像に対する処理を完了したか否かを判定する。この判定の結果、S200で選択した全ての画像に対する処理が完了していれば、図2のフローチャートによる処理は終了する。一方、S200で選択した全ての画像に対する処理が完了していなければ、処理はS201に戻る。そして、未処理の画像に対してS201〜S210の処理が行われる。
(デフォーカスマップ判定処理)
図4、図5および図6を用いて、S207におけるデフォーカスマップ判定処理の一例について説明する。図4は、デフォーカスマップ判定処理の一例を説明するフローチャートである。図4の各ステップにおける処理はデフォーカスマップ判定部163により行われる。
まずS400において、デフォーカスマップ判定部163は、S206で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値を用いて、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲を以下の(1)式および(2)式で決定する。
AVE−R<D<DAVE+R ・・・(1)
R=CD|DAVE|+Rbase ・・・(2)
AVEは、S206で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値である。Rbaseは、被写体に合焦している場合に被写体とみなすデフォーカス量の範囲である。CDは、被写体が合焦面から離れている程度に応じて、デフォーカス量Dの範囲を広げる幅を定める係数である。
図5は、デフォーカス量Dの範囲(係数CD)を決定する方法の一例を説明する図である。図5(a)は、Rbaseを定めるためのサンプルデータの一例を示す図である。図5(a)は、平面の被写体が画角全体に映っており、DAVEが0となる距離で撮影して得られるデフォーカスマップの分散の一例を示す。横軸はデフォーカス量を表し、縦軸は横軸で表されるデフォーカス量を備える画素の数を表す。Rbaseは、図5(a)に示すサンプルデータにおいて、(1)式および(2)式を満たす画素の数が所定割合以上になるように決定される。
図5(b)は、CDを定めるためのサンプルデータの一例を示す図である。図5(b)は、平面の被写体が画角全体に映っており、DAVEが0Fδでない距離で撮影して得られるデフォーカスマップの分散の一例である。横軸はデフォーカス量を表し、縦軸は横軸で表されるデフォーカス量を備える画素の数を表す。また、図5(c)は、DAVEの絶対値とRとの関係の一例を示す図である。図5(c)に示すグラフは、DAVEが異なる複数のサンプリングデータを用いて、(1)式および(2)式を満たす画素の数が所定割合以上になるRを導出することにより得られる。デフォーカスマップ判定部163は、図5(c)から得られたデータと、以下の(3)式とに基づいてCDを定める。
D=R/|DAVE| ・・・(3)
S400の処理は、処理対象の画像における第1の領域のデフォーカス量を用いて、被写体に対応するデフォーカス量の範囲を導出する処理の一例である。
次に、S401において、デフォーカスマップ判定部163は、現フレームのデフォーカスマップから着目画素を選択する。着目画素は、デフォーカスマップの全画素からラスタ処理で順次選択される。
次に、S402において、デフォーカスマップ判定部163は、S401で選択した着目画素に対応する信頼度マップの信頼度が所定値よりも高いか否かを判定する。この判定の結果、S401で選択した着目画素に対応する信頼度マップの信頼度が所定値よりも高ければS403に進み、そうでなければS405に進む。
S403において、デフォーカスマップ判定部163は、着目画素のデフォーカス量が、S400で決定した範囲内であるか否かを判定する。この判定の結果、着目画素のデフォーカス量が、S400で決定した範囲内であればS404に進み、そうでなければS405に進む。
S404において、デフォーカスマップ判定部163は、特徴マップにおいて着目画素に対応する座標に白画素を記録する。
また、S405において、デフォーカスマップ判定部163は、特徴マップにおいて着目画素に対応する座標に黒画素を記録する。
図6は、特徴マップ600の一例を示す図である。特徴マップ600の各座標(各画素の位置)は、デフォーカスマップの各座標(各画素の位置)と対応している。
次に、S406において、デフォーカスマップ判定部163は、デフォーカスマップの全ての画素が着目画素として選択されたか否かを判定する。この判定の結果、全ての画素が選択されていれば、図4のフローチャートによる処理は終了する。一方、全ての画素が選択されていなければS401に戻る。そして、未選択の画素についてS401〜S405の処理が行われる。
(被写体領域決定処理)
図7、図8、図9、図10および図11を用いて、S209における被写体領域決定処理の一例について説明する。図7は、被写体領域決定処理の一例を説明するフローチャートである。図7のフローチャートによる処理は、処理対象のフレームにおけるデフォーカス量と、被写体に対応するデフォーカス量の範囲と、処理対象のフレームにおける画像とを用いて、処理対象の画像における被写体の領域を決定する処理の一例である。
まずS700において、CPU151は、S201で選択した画像が初期フレームであるか否かを判定する。この判定の結果、S201で選択した画像が初期フレームであればS701に進み、そうでなければS704に進む。
次に、S701において、初期領域推定部161は、内外相違度向けの評価領域を選定する。図8は、内外相違度向けの評価領域を選定する方法の一例を説明する図である。初期領域推定部161は、入力画像800に対して、複数の評価領域802a〜802oを選定する。初期領域推定部161は、S203で指定された位置801を含むように評価領域802a〜802oを選定する。図8に示すように、それぞれの評価領域802a〜802oは、各々、中心位置およびサイズの少なくとも何れか一方が異なる。
初期領域推定部161は、所定値をn倍した値を、評価領域802a〜802oのサイズとして導出する。初期領域推定部161は、例えば、入力画像の水平方向のサイズまたは垂直方向のサイズに対する割合に基づいて所定値を決定する。例えば、入力画像のサイズが640×480であれば、初期領域推定部161は、水平方向のサイズに対する割合である1/40と、水平方向のサイズである640とから所定値を16とする。そして、初期領域推定部161は、所定値を1倍、2倍、3倍した値である16、32、64を評価領域802a〜802oのサイズとして決定する。
初期領域推定部161は、S203で指定された位置801を基準として画像の上下左右に所定値ずらした位置を評価領域802a〜802oの中心位置として決定する。初期領域推定部161は、S203で指定された位置801に対してずらす量を、評価領域802a〜802oのサイズに対する割合に基づいて決定する。例えば、初期領域推定部161は、S203で指定された位置801に対してずらす量を、評価領域802a〜802oのサイズの1/4とする。尚、評価領域の中心位置が入力画像からはみ出す場合、初期領域推定部161は、当該評価領域を評価領域として決定しない。また、評価領域が入力画像からはみ出す場合、初期領域推定部161は、入力画像に収まるようにクリップ処理を行い、評価領域を選定する。
次に、S702において、初期領域推定部161は、評価領域に対する背景領域を決定する。図9は、評価領域に対する背景領域を決定する方法の一例を説明する図である。
図9において、入力画像900に対して、S203で位置901が指定され、S701で評価領域902が選定されたとする。図9に示すように、背景領域903の中心位置は、評価領域902の中心位置と同一である。背景領域903の外径サイズ(水平方向のサイズおよび垂直方向のサイズ)は、評価領域902の外径サイズに所定値を加算した値である。背景領域903は、長方形または正方形であり、背景領域903の外径サイズの長方形または正方形から、評価領域902を除いた領域とする。初期領域推定部161は、例えば、入力画像900の水平方向のサイズまたは垂直方向のサイズに対する割合に基づいて所定値を決定する。例えば、入力画像900のサイズが640×480であれば、初期領域推定部161は、水平方向のサイズに対する割合である1/40と、水平方向のサイズである640とから所定値を16とする。背景領域が入力画像900からはみ出す場合、初期領域推定部161は、背景領域が入力画像900に収まるようにクリップ処理を行う。内外相違度向けの評価領域は、処理対象の画像の一部の領域である第2の領域の一例である。
次に、S703において、初期領域推定部161は、内外相違度による画像評価値EI_1を以下の(4)式〜(7)式で導出する。内外相違度による画像評価値EI_1は、第2の評価値の一例である。
Figure 0006851885
Hは、評価領域902および背景領域903の色相値から算出される相違度である。pHiは、評価領域902の色相値が階調iに属する画素の数を表す。qHiは、背景領域903の内、色相値が階調iに属する画素の数を表す。dS、pSi、qSiは、彩度値に関する同様の値であり、dV、pVi、qViは、輝度値に関する同様の値である。また、mは、色相値、彩度値、輝度値における階調の最大値である。
ここで、図10は、色相値の階調化の一例を説明する図である。図10(a)は、評価領域902や背景領域903から得られる色相値の分散の一例を示す図である。図10(b)は、所定の範囲の色相値を1つの階調として階調化した色相値の分散の一例を示す図である。所定の範囲は、例えば、入力画像900における色相値の値域を8等分した範囲である。ここでは色相値の階調化について説明したが、彩度値および輝度値の階調化も、色相値の階調化と同様にして行われる。
また、S704において、被写体追尾部162は、被写体追尾向けの評価領域を選定する。被写体追尾向けの評価領域は、処理対象の画像の一部の領域である第2の領域の一例である。図11は、被写体追尾向けの評価領域を選定する方法の一例を説明する図である。被写体追尾部162は、現フレームの入力画像1101に対して、複数の評価領域(サーチウィンドウ領域1104)を選定する。テンプレート領域1102は、前フレームの入力画像1100に対して被写体領域決定部164が被写体領域と決定した領域である。サーチ領域1103の中心位置は、テンプレート領域1102の中心位置と同じである。サーチ領域1103の面積は、テンプレート領域1102の面積を所定倍した面積である。所定倍は1倍よりも大きければよく、例えば4倍とする。サーチ領域が入力画像1101からはみ出す場合、被写体追尾部162は、サーチ領域が入力画像1101に収まるようにクリップ処理を行う。サーチウィンドウ領域1104のサイズは、テンプレート領域1102のサイズと同じである。被写体追尾部162は、サーチ領域1103からはみ出さない範囲で、サーチ領域1103の左上から右下に、中心位置をずらしながらサーチウィンドウ領域1104を複数設定する。サーチウィンドウ領域1104のずらし量は、サーチウィンドウ領域1104のサイズに対して十分小さければよい。例えば、サーチウィンドウ領域1104の一辺の長さの1/4倍の長さを、サーチウィンドウ領域1104のずらし量とする。
次に、S705において、被写体追尾部162は、ヒストグラム類似度による画像評価値EI_nを、以下の(8)式〜(11)式で導出する。ヒストグラム類似度による画像評価値EI_nは、第2の評価値の一例である。
Figure 0006851885
Hは、テンプレート領域1102およびサーチウィンドウ領域1104の色相値から算出される類似度である。tHiは、テンプレート領域1102の内、色相値が階調iに属する画素の数を表す。sHiは、サーチウィンドウ領域1104の内、色相値が階調iに属する画素数を表す。bS、tSi、sSiは、彩度値に関する同様の値であり、bV、tVi、sViは、輝度値に関する同様の値である。また、mは、色相値、彩度値、輝度値における階調の最大値である。また、(8)式〜(11)式における階調化は、(4)式〜(6)式における階調化と同様のため、その詳細な説明を省略する。
次に、S706において、デフォーカスマップ判定部163は、S207で作成した特徴マップ600を用いてデフォーカス評価値Edを以下の(12)式で導出する。デフォーカス評価値Edは、第1の評価値の一例である。(12)式の右辺は、第2の領域における画素のうち、デフォーカス量が、被写体に対応するデフォーカス量の範囲に含まれている画素であって、信頼度が、予め設定された値よりも高い画素の数の、第2の領域における全ての画素の数に対する割合の一例である。
d=Nwhite/NAll ・・・(12)
Allは、特徴マップ600における評価領域の全ての画素の数である。Nwhiteは、特徴マップ600における評価領域に含まれる白画素の数である。ここでの評価領域は、S701またはS704で選択した入力画像800、1101上の評価領域に対応する特徴マップ600上の評価領域である。
次に、S707において、被写体領域決定部164は、S701またはS704で選定した評価領域802a〜802o、1104に対し、被写体評価値E(n)を、以下の(13)式で導出する。
Figure 0006851885
E(n)は、nフレーム目の画像における被写体評価値である。n=1は、初期フレームであることを表す。ωI_0、ωI_nはそれぞれ、画像評価値EI_0、EI_nを正規化するための係数である。また、ωdは、デフォーカス評価値Edを正規化するための係数である。αは、図2のS208で導出したデフォーカスマップの利用率である。αは、第1の評価値に乗算する係数の一例である。
次に、S708において、CPU151は、全ての評価領域の処理が完了したか否かを判定する。この判定の結果、全ての評価領域の処理が完了していればS709に進み、そうでなければS700に戻る。
次に、S709において、被写体領域決定部164は、全ての評価領域から最も被写体評価値E(n)が大きい領域を被写体領域として決定する。
以上のように本実施形態では、CPU151は、前フレームにおいて決定された被写体領域等に基づいて特定領域を定め、前フレームのデフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量の平均値を導出する。デフォーカスマップ判定部163は、前フレームのデフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量の平均値に基づいて、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲を決定する。具体的には、前フレームの特定領域におけるデフォーカス量が大きくなるほど、現フレームにおけるデフォーカス量のばらつきが大きくなるため、被写体がいる可能性が高いと判断するためのデフォーカス量Dの範囲を広くする。デフォーカスマップ判定部163は、現フレームのデフォーカスマップの着目画素の信頼度が高く、且つ、当該着目画素のデフォーカス量が、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲である場合、特徴マップの当該着目画素に対応する画素を白画素とする。一方、そうでない場合、デフォーカスマップ判定部163は、特徴マップの当該着目画素に対応する画素を黒画素とする。被写体追尾部162は、入力画像の評価領域における白画素の割合に基づいて、デフォーカス評価値Edを導出する。また、被写体追尾部162は、入力画像の評価領域と前フレームにおいて決定された被写体領域との類似度に基づいて画像評価値EI_nを導出する。被写体追尾部162は、デフォーカス評価値Edと、画像評価値EI_nとに基づいて、評価領域の被写体評価値E(n)を導出する。被写体領域決定部164は、被写体評価値E(n)が最も大きい評価領域を被写体領域として決定する。従って、被写体に合焦していない場合でも、デフォーカス量のばらつきの影響を抑制しながら、被写体領域を推定することができる。よって、被写体領域を正しく判定することができる。
尚、本実施形態では、前フレームのデフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量の平均値に基づいて、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲を決定する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前フレームのデフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量を用いて、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲を決定していれば、必ずしも前フレームのデフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量の平均値を用いる必要はない。例えば、前フレームのデフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量の、平均値以外の代表値を用いてもよい。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、前フレームのデフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量を考慮して、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲を決定する場合を例に挙げて説明した。本実施形態では、撮影条件をさらに考慮して、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲を決定する。このように本実施形態と第1の実施形態とは、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲を決定する処理が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図11に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
(撮像システム)
本実施形態の撮像システムは、第1の実施形態で説明した撮像装置100で実現することができるので、その詳細な説明を省略する。
(全体処理)
図12を参照して、本実施形態における被写体決定処理の全体の流れの一例について説明する。図12は、被写体決定処理の全体の流れの一例を説明するフローチャートである。尚、図12のフローチャートを実行する場合、レンズユニット101、ズーム制御部113、絞り制御部105、フォーカス制御部133、撮像素子141、撮像信号処理部142、および撮像制御部143が必要になる。
まず、S1200において、CPU151は、ユーザからの操作スイッチ156の操作を受け付け、撮像装置100の動作モードを設定する。動作モードは連続撮影モード(静止画像を連続して撮影するモード)や、動画撮影モード等である。
次に、S1201において、CPU151は、ユーザからの操作スイッチ156の操作を受け付け、撮像装置100の動作開始指示があるか否かを判定する。この判定の結果、動作開始指示があればS1202に進み、動作開始指示がなければS1201に戻る。
次に、S1202において、CPU151は、初期フレームであるか否かを判定する。この判定の結果、初期フレームであればS1205へ進み、初期フレームでなければS1203に進む。
S1203において、フォーカス制御部133は、前フレームにおいて生成されたデフォーカスマップおよび信頼度マップを用いて、前フレームにおいて決定された被写体領域に合焦するための目標レンズ駆動量を導出する。目標レンズ駆動量は、RAM154に記録される。
次に、S1204において、フォーカス制御部133は、フォーカスモータ132を駆動させ、レンズユニット101の合焦制御を行う。ここでの合焦制御は、レンズ駆動量がS1203で決定した目標レンズ駆動量に達するという条件と、前フレームの撮像開始時刻から所定時間が経過するという条件との何れかの条件が成立するまで行われる。S1200で設定された動作モードが連続撮影モードである場合、フォーカス制御部133は、連続撮影速度に基づいて、所定時間を決定する。また、S1200で設定された動作モードが動画撮影モードである場合、フォーカス制御部133は、フレームレートに基づいて、所定時間を決定する。例えば、連続撮影モードの連続撮影速度が10コマ/秒であれば所定時間は100msであり、動画撮影モードのフレームレートが30fpsであれば所定時間は33msである。また、レンズ駆動量および合焦時刻がRAM154に記録される。
次に、S1205において、撮像信号処理部142は、撮像素子141から得られた画像信号を処理し、撮影画像(A+B像)や視差画像(A像、B像)を生成する。また、撮像時刻がRAM154に記録される。
次に、S1206において、画像処理部152は、S1205で得られた視差画像(A像、B像)に基づいてデフォーカスマップを生成する。
次に、S1207において、画像処理部152は、S1205で得られた視差画像(A像、B像)に基づいて信頼度マップを生成する。
S1208からS1212の処理は、第1の実施形態で説明した図2のS202から206の処理と同一であるため、これらの処理の詳細な説明を省略する。
次に、S1213において、デフォーカスマップ判定部163は、現フレームのデフォーカスマップの判定を行い、当該判定の結果に基づいて特徴マップを作成する。S1213のデフォーカスマップ判定処理の詳細については後述する。
次に、S1214において、被写体領域決定部164は、デフォーカスマップの利用率αを、以下の(14)式で導出する。αは、第1の評価値に乗算する係数の一例である。
α=αAVEαLENαCAP ・・・(14)
αAVEは、S1212で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値に基づいて決定される。被写体領域決定部164は、S1212で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値が小さければ、αAVEを高くする。一方、S1212で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値が大きければ、被写体領域決定部164は、αAVEを低くする。例えば、S1212で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値が1Fδ未満である場合、被写体領域決定部164は、αAVEを1.0とする。また、例えば、S1212で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値の絶対値が1Fδ以上3Fδ未満、5Fδ以上である場合、被写体領域決定部164は、αAVEをそれぞれ0.5、0とする。
αLENは、S1203で記録された目標レンズ駆動量と、S1204で記録されたレンズ駆動量とに基づいて決定される。被写体領域決定部164は、目標レンズ駆動量とレンズ駆動量とが一致するほどαLENを高くする(目標レンズ駆動量とレンズ駆動量とが一致しないほどαLENを低くする)。例えば、被写体領域決定部164は、レンズ駆動量を目標レンズ駆動量で除算した値をαLENとする。
αCAPは、S1204で記録された合焦時刻と、S1205で記録された撮像時刻とに基づいて決定される。被写体領域決定部164は、両時刻の差分が小さいほどαCAPを高くする(両時刻の差分が大きいほどαCAPを低くする)。例えば、被写体領域決定部164は、両時刻の差分が500ms未満であればαCAPを1.0とし、500ms以上1000ms未満であればαCAPを0.5とし、1000ms以上であればαCAPを0とする。
S1215およびS1216における処理は、第1の実施形態におけるS209およびS210の処理と同一であるため、これらの処理の詳細な説明を省略する。
次に、S1217において、CPU151は、ユーザからの操作スイッチ156の操作を受け付け、撮影の終了指示が行われたか否かを判定する。この判定の結果、撮影の終了指示が行われていれば、図12のフローチャートによる処理は終了する。一方、撮影の終了指示が行われていれば、行われていなければS1202に戻る。そして、次のフレームに対して、S1202〜S1216の処理が行われる。
(デフォーカスマップ判定処理)
図4、図13および図14を用いて、S1213におけるデフォーカスマップ判定処理の一例について説明する。図4の各ステップにおける処理はデフォーカスマップ判定部163により行われる。
まずS400において、デフォーカスマップ判定部163は、S1212で導出された特定領域のデフォーカス量の平均値を用いて、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲を以下の(15)式および(16)式で決定する。
AVE−R<D<DAVE+R ・・・(15)
R=CL|LTAR−LDON|+CT|TCAP−TLEN|+CD|DAVE|+Rbase ・・・(16)
AVE、Rbase、CDについては、第1の実施形態で説明した(1)式および(2)式におけるものと同一であるため、これらの詳細な説明を省略する。
TARは、S1203で記録された目標レンズ駆動量である。LDONは、S1204で記録されたレンズ駆動量である。TLENは、S1204で記録された合焦時刻である。TCAPは、S1205で記録された撮像時刻である。CLは、目標レンズ駆動量とレンズ駆動量との差分の大きさに応じて、デフォーカス量Dの範囲を広げる幅を定める係数である。CTは、撮像時刻と合焦時刻との差分の大きさに応じて、デフォーカス量Dの範囲を広げる幅を定める係数である。
図13は、デフォーカス量Dの範囲(係数CL)を決定する方法の一例を説明する図である。図13(a)は、CLを定めるためのサンプルデータの一例を示す図である。図13(a)は、撮像装置100から等速直線運動で遠ざかっている平面の被写体を撮影して得られるデフォーカスマップにおけるデフォーカス量のうち、被写体領域に属するデフォーカス量の分散の一例を示す。この撮影は、|LTAR−LDON|が0でなく|TCAP−TLEN|が0である条件下で行われる。また、図13(b)は、|LTAR−LDON|とRとの関係の一例を示す図である。図13(b)に示すグラフは、|LTAR−LDON|が異なる複数のサンプリングデータを用いて、(15)式および(16)式を満たす画素の数が所定割合以上になるRを導出することにより得られる。デフォーカスマップ判定部163は、図13(b)から得られたデータと、以下の(17)式とに基づいてCLを定める。
L=R/|LTAR−LDON| ・・・(17)
図14は、デフォーカス量Dの範囲(係数CT)を決定する方法の一例を説明する図である。図14(a)は、CTを定めるためのサンプルデータの一例を示す図である。図14(a)に示す。図14(a)は、撮像装置100から等速直線運動で遠ざかっている平面の被写体を撮影して得られるデフォーカスマップにおけるデフォーカス量のうち、被写体領域に属するデフォーカス量の分散の一例を示す。この撮影は、|LTAR−LDON|が0であり、|TCAP−TLEN|が0でない条件下で行われる。また、図14(b)は、|TCAP−TLEN|とRとの関係の一例を示す図である。図14(b)に示すグラフは、|TCAP−TLEN|が異なる複数のサンプリングデータを用いて、(15)式および(16)式を満たす画素の数が所定割合以上になるRを導出することにより得られる。デフォーカスマップ判定部163は、図14(b)から得られたデータと、以下の(18)式とに基づいてCLを定める。
T=R/|TCAP−TLEN| ・・・(18)
S400の処理は、処理対象のフレームにおける第1の領域のデフォーカス量と、処理対象の画像を撮影した際の撮影条件とを用いて、被写体に対応するデフォーカス量の範囲を導出する処理の一例である。|LTAR−LDON|は、処理対象の画像を撮影した際に合焦したタイミングと、処理対象の画像を撮影したタイミングとの差の一例である。|TCAP−TLEN|は、処理対象の画像を撮影した際のレンズの目標駆動量と実際の駆動量との差の一例である。
S401からS406の処理は、第1の実施形態で説明した通りであるので、これらの処理の詳細な説明を省略する。
以上のように本実施形態では、被写体とみなすデフォーカス量Dの範囲は、現フレームのデフォーカスマップの特定領域におけるデフォーカス量の平均値と、目標レンズ駆動量とレンズ駆動量との差分と、合焦時刻と撮像時刻との差分とに基づいて決定される。従って、被写体に合焦していない場合や撮影条件が好適でない場合でも、デフォーカス量のばらつきの影響を抑制しながら、被写体領域を推定することができる。よって、被写体領域を正しく判定することができる。
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(その他の実施例)
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:撮像装置、161:初期領域推定部、162:被写体追尾部、163:デフォーカスマップ判定部、164:被写体領域決定部

Claims (14)

  1. 処理対象の画像よりも過去の画像において被写体の領域として想定される領域である第1の領域を特定する特定手段と、
    前記第1の領域のデフォーカス量を用いて、被写体に対応するデフォーカス量の範囲を設定する設定手段と、
    前記処理対象の画像におけるデフォーカス量と、前記被写体に対応するデフォーカス量の範囲とを用いて、前記処理対象の画像における被写体の領域を決定する決定手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記決定手段は、前記処理対象の画像の色および輝度の少なくとも1つに関する値をさらに用いて、前記処理対象の画像における被写体の領域を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記設定手段は、前記処理対象の画像よりも過去の画像における前記第1の領域のデフォーカス量を用いて、被写体に対応するデフォーカス量の範囲を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記特定手段は、ユーザによる指定に基づいて、前記第1の領域を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  5. 前記決定手段は、前記処理対象の画像の一部の領域である第2の領域におけるデフォーカス量と、前記被写体に対応するデフォーカス量の範囲とを用いて、当該第2の領域に対する第1の評価値を導出することを、複数の前記第2の領域について行い、前記複数の第2の領域に対する前記第1の評価値を用いて、前記複数の第2の領域の中から、前記処理対象の画像における被写体の領域を決定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記決定手段は、前記処理対象の画像の一部の領域である第2の領域におけるデフォーカス量と、前記被写体に対応するデフォーカス量の範囲と、前記第2の領域におけるデフォーカス量の信頼度とを用いて、当該第2の領域に対する第1の評価値を導出することを、複数の前記第2の領域について行い、前記複数の第2の領域に対する前記第1の評価値を用いて、前記複数の第2の領域の中から、前記処理対象の画像における被写体の領域を決定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記第1の評価値は、前記第2の領域における画素のうち、デフォーカス量が、前記被写体に対応するデフォーカス量の範囲に含まれている画素であって、信頼度が、予め設定された値よりも高い画素の数の、前記第2の領域における全ての画素の数に対する割合に基づいて定められることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記決定手段は、前記第1の領域におけるデフォーカス量を用いて、前記第2の領域に対する前記第1の評価値に乗算する係数を導出し、前記係数が乗算された前記第1の評価値を用いて、前記複数の第2の領域の中から、前記処理対象の画像における被写体の領域を決定することを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の情報処理装置。
  9. 前記決定手段は、前記処理対象の画像の一部の領域である第2の領域の画像を用いて、当該第2の領域に対する第2の評価値を導出することを、複数の前記第2の領域について行い、前記複数の第2の領域に対する前記第2の評価値を用いて、前記複数の第2の領域の中から、前記処理対象の画像における被写体の領域を決定することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の情報処理装置。
  10. 前記設定手段は、前記処理対象の画像を撮影した際の撮影条件をさらに用いて、被写体に対応するデフォーカス量の範囲を設定することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の情報処理装置。
  11. 前記撮影条件は、前記処理対象の画像を撮影した際に合焦したタイミングと、前記処理対象の画像を撮影したタイミングとの差を含むことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記撮影条件は、前記処理対象の画像を撮影した際のレンズの目標駆動量と実際の駆動量との差を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理装置。
  13. 処理対象の画像よりも過去の画像において被写体の領域として想定される領域である第1の領域を特定する特定工程と、
    第1の領域のデフォーカス量を用いて、被写体に対応するデフォーカス量の範囲を導出する導出工程と、
    前記処理対象の画像におけるデフォーカス量と、前記被写体に対応するデフォーカス量の範囲とを用いて、前記処理対象の画像における被写体の領域を決定する決定工程と、を有することを特徴とする情報処理方法。
  14. 請求項1〜12の何れか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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