JP6849070B2 - 反射制御層を有する移動体 - Google Patents

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Description

本発明は、その表面に反射制御層が形成された移動体に関する。
従来から、太陽熱による車室内の温度上昇を防ぐため、自動車表面に塗装する塗料の粒径を調整することで、350nm〜2100nmの波長域にある光に対する自動車表面の反射率を20〜60%以上にすることが知られている(特許文献1参照)。
特許第3230838号公報
一方、本発明の発明者は、移動体の空気抵抗を低減するために、移動体の近傍の空気の流速が遅くなる領域(境界層)の外側の領域(主流)の空気の温度を上げることが有効であるという知見を得た。
しかし、特許文献1に記載された方法によれば、可視光域(380nm〜750nm)にある波長の光に対して高反射化されてしまうため、当該塗装を施した自動車が歩行者の目に眩しく映るという問題がある。
また、上述のような問題を避けるために、可視光域にある波長の光に対して反射率が低くなるような塗装を自動車に施したとしても、太陽光のスペクトルのうち大部分は可視光域にあるため、入射する太陽光によって、自動車表面、特に自動車天板の温度上昇を招く。温度上昇に従って自動車天板の表面に存在する境界層の空気の粘性係数が大きくなるため、自動車天板において圧力抵抗よりも支配的な、境界層の空気から受ける粘性摩擦抵抗が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動体の周囲の主流の空気の温度を上げて移動体の空気抵抗を低減させることである。
本発明に係る移動体には反射制御層が表面に形成されており、移動体の表面のうち、移動体の進行方向から走行風を受ける面を移動体前面とし、進行方向と略平行になる面を移動体上面とした場合に、移動体前面における反射制御層の反射率が、移動体上面における反射制御層の反射率と異なる。
本発明によれば、移動体が歩行者の目に眩しく映ることを防止しつつ、移動体の表面で反射された光によって主流の空気を加熱し、加熱された空気の密度の低下によって移動体に対する空気抵抗を低減することができる。
図1は、本実施形態に係る自動車の周りに生じる空気の流れの模式図である。 図2は、本実施形態に係る自動車の表面近傍の、自動車の進行方向に沿った一部断面図である。 図3は、本実施形態に係る自動車の表面の構造を示す拡大断面図である。 図4は、反射光による主流の温度上昇の検証結果を示すグラフ図である。 図5Aは、本実施形態に係る自動車を進行方向に対して前方から見た正面図である。 図5Bは、本実施形態に係る自動車を進行方向に対して上方から見た上面図である。 図5Cは、本実施形態に係る自動車を進行方向に対して側方から見た側面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付し説明を省略する。以下では、移動体が自動車である場合を挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係る自動車の、走行中に生じる空気の流れの模式図である。また、図2は、本実施形態に係る自動車の表面近傍の、自動車の進行方向に沿った拡大断面図である。図3は、本実施形態に係る自動車の表面の構造を示す拡大断面図である。
図3に示すように、自動車1の表面には車体塗装層20が形成され、さらに車体塗装層20の上に反射制御層21が形成されている。
反射制御層21は、太陽光の波長域(0.3μm〜100μm)にある光を反射する。なお、反射制御層21の種類や厚みは、自動車の表面の位置に応じて変更されうるものである。
太陽光の波長域は、近紫外線の波長域(0.3μm〜0.38μm)、可視光域(0.38μm〜0.75μm)、赤外放射の波長域(0.75μm〜100μm)からなる。また、赤外放射の波長域は、近赤外線の波長域(0.75μm〜3μm)及び中赤外線および遠赤外線の波長域(3μm〜100μm)からなる。
近赤外線の波長域のうち、0.75μm〜0.78μmの波長域は、空気中の酸素分子の熱吸収帯(酸素Aバンド)である。
<走行中の自動車の周りの空気の流れ>
図1に示すように、自動車1の静止系で見たとき、走行中の自動車1の周りには自動車1の表面に沿った空気の流れが発生する。図2に示すように、自動車1の表面近傍では、空気と自動車の表面との間に生じる粘性摩擦によって空気の流れは遅くなっており、境界層41が形成されている。境界層41では、自動車1の表面から離れるほど空気の速度は大きくなり、空気の速度は、空気に対する自動車の相対速度に近づいていく。
自動車1の表面から離れて境界42よりも外側の外部領域43では、もはや空気と自動車の表面との間に生じる粘性摩擦の影響はなくなっており、空気の速度は、空気に対する自動車の相対速度にほぼ等しくなっている。外部領域43における空気の流れを主流2と呼ぶ。
<空気抵抗低減のメカニズム>
次に、所定の波長域にある光を反射する反射制御層21を自動車1が有することによって、自動車1の空気抵抗が低減されるメカニズムを説明する。
一般に、走行中の自動車1が空気から受ける力は、自動車1の前後、左右、上下の各軸方向の力と各軸周りのモーメントで表され、総称して空力六分力と呼ばれる。通常、走行中の自動車1が空気から受ける力は無次元化して表され、特に前後方向の力である空気抵抗Fは、次の数式1によって表される空気抵抗係数Cによって表される。ここで、ρは、外部領域43の空気の密度、Aは、自動車1の進行方向に対する前面投影面積、Vは、主流に対する自動車1の相対速度である。
Figure 0006849070
空気抵抗係数Cは、空気の動圧「ρV/2」と前面投影面積Aの積によって、空気抵抗Fを除した値である。空気抵抗係数Cは、自動車1の形状に依存して決まる量であり、走行時の燃費、最高速度、加速性能などに影響を及ぼす。自動車1のような物体の空気抵抗Fは、自動車1全体でみたときには圧力抵抗が支配的であり、航空機で問題となる摩擦抵抗は自動車1では小さい。そのため、自動車1において空気抵抗Fを低減するためには、圧力抵抗を小さくすることに着目するのが効果的である。
上記着目に基づいて数式1を見直すと、通常の自動車の設計において、前面投影面積Aは、圧力抵抗を小さくするために車両の設計で対応可能なパラメータとしてみなされる。一方、主流の空気密度ρ、および、速度Vについては、自動車の走行環境に応じて変動しうるものであるため、車両の設計で対応可能なパラメータとしてみなされない。
しかしながら、上記の既存概念の枠にとらわれることなく、本発明の発明者は、主流の空気密度ρは、圧力抵抗を小さくするために車両の設計で対応可能なパラメータとなりうると考えた。そして、空気抵抗Fの大部分を占める圧力抵抗が主流の空気密度ρに比例することに着目し、主流の空気を加熱することで主流の空気密度ρを下げ、その結果、空気抵抗Fを低減することが可能であるとの知見を得た。
主流の空気は、自動車1の表面から離れた場所にあるため、直接に加熱することはできない。しかしながら、所定の波長域にある光を反射する反射制御層21を自動車1の表面に設けることにより、太陽、雲、空気中の水蒸気などから照射される光や、路面から放射される赤外線などの光が、反射制御層21によって反射され、反射された光によって主流の空気を加熱することができる。
以上の理由により、反射制御層を移動体が有することによって、移動体の空気抵抗が低減される。
<反射光による主流の温度上昇>
上述したメカニズムで実際に主流の空気を加熱可能であることを検証するため、発明者は自動車の走行環境を模すため、風洞内に自動車のフェンダーを配置し、空気が流れる状態でフェンダー部分に疑似太陽光を照射した。そして、疑似太陽光が照射された部位を流れる空気が、当該部位を通過する前後でどの程度、温度上昇するかを測定した。ここで、同一形状のフェンダーであって、塗装を変えた3種類のフェンダーを用意し、検証を行った。フェンダー上に形成される塗装層が、本実施形態における反射制御層21に相当する。
図4は、反射光による主流の温度上昇の検証結果を示すグラフ図である。図4には、検証を行った実験例1〜3に係る評価結果が示されており、符号81は、「スーパーブラック」と呼ばれる標準的な黒色塗装を施した実験例1、符号82は、「ホワイトパール」と呼ばれる標準的な白色塗装を施した実験例2、符号83は、「銀メッキ」による銀色塗装を施した実験例3に対応する。実験例1,2,3の順に、紫外線波長から遠赤外線波長までの波長域における平均反射率が大きくなる。
ここで、「平均反射率」とは、指定された波長域における分光反射率(単色光に対する反射率)の平均値である。すなわち、指定された波長域において、波長の関数である分光反射率を測定し、指定された波長域にわたって測定された分光反射率を平均化して得られる値を「平均反射率」として定義している。
検証では、自動車のフェンダーの表面から表面に対して垂直方向に距離dだけ離れた位置であって、空気の流れに沿って、疑似太陽光が照射される部位の上流に熱電対31aを配置し、疑似太陽光が照射される部位の下流に熱電対31bを配置した。ここで、フェンダーの表面の境界層よりも外側の主流の中に熱電対が配置されるよう、距離dは18mmに設定された。熱電対31aと熱電対31bとは、空気の流れに沿って200mmの間隔を空けて配置されており、熱電対31aと熱電対31bで挟まれる区間に対して、疑似太陽光を照射した。また、フェンダーに対する主流の空気の速度は、風速40km/hとした。
なお、検証の正確さを期すため、熱電対31aと熱電対31bに対して、疑似太陽光が直接照射されることがないよう、注意を払った。熱電対31aによって測定される空気の温度は、フェンダーによって反射される疑似太陽光によって暖められる直前の空気の温度であり、熱電対31bによって測定される空気の温度は、フェンダーによって反射される疑似太陽光によって暖められた直後の空気の温度である。
図4に示すように、熱電対31aで測定した温度よりも熱電対31bで測定した温度の方が高いことが分かった。さらに、実験例1,2,3の順に、温度上昇ΔTが大きくなることが分かった。すなわち、自動車の表面の塗装の平均反射率が大きいほど、温度上昇ΔTが大きくなることが分かった。
実際の自動車の全長が4400mmであるとした場合、自動車の全長にわたっての温度上昇は、図4に示される温度上昇ΔTの22倍となる。そのため、実際の自動車であれば、実験例1,2,3の順に、約2K、約4K、約6.6Kの温度上昇が生じることになる。
以上のように、自動車の表面に設けた反射制御層によって光を反射することにより、実際に主流の空気を加熱可能であることが分かった。
理想気体の状態方程式に当てはめた場合、6.6Kの温度上昇によって300Kの空気が306.6Kになったと仮定すると、約2%の密度低下をもたらす。これは、約2%の空気抵抗Fの低減に相当する。
<反射制御層の構成>
本実施形態では、自動車の表面の種類(自動車前面110、自動車上面112、自動車側面114)によって異なる種類の反射制御層21を自動車1の表面に設けている。その態様について次に説明する。
図5Aは、本実施形態に係る自動車を進行方向に対して前方から見た正面図である。図5Bは、本実施形態に係る自動車を進行方向に対して上方から見た上面図である。図5Cは、本実施形態に係る自動車を進行方向に対して側方から見た側面図である。
自動車1の表面は、場所に応じて走行風あるいは進行方向に対してなす角度が異なるため、場所に応じて走行風から受ける力の種類が異なる。
自動車1の表面のうち、走行風に対して90度に近い角度をなす面ほど、走行風の動きを妨げる能力はより大きくなるため、「走行風を受けやすい」といえる。このような面では、圧力抵抗に比べて粘性抵抗は無視できるほどに小さいとみなせる。
一方、自動車1の表面のうち、走行風に対して0度に近い角度をなす面ほど、走行風の動きを妨げる能力はより小さくなるため、「走行風を受けにくい」といえる。このような面では、圧力抵抗に比べて粘性抵抗は無視できない。
図5Aに示すように、自動車1の表面のうち、フロントガラス、フロントバンパー、エンジンフードなど、自動車1の進行方向の前方から見える面は、走行時に自動車1の進行方向から走行風を受けやすい。
そこで、自動車1(移動体)の表面のうち、走行時に自動車1(移動体)の進行方向から走行風を受ける面を自動車前面110(移動体前面)として定義する。もしくは、自動車1の進行方向の前方から見える面を、自動車前面110(移動体前面)として定義してもよい。
本実施形態では、0.75μmから100μmまでの波長域における平均反射率が4%以上である反射制御層21Aを、自動車前面110に形成している。
また、図5Bに示すように、自動車1の表面のうち、ルーフ(天板)は、走行時に自動車1の進行方向から走行風を受けにくい。
そこで、自動車1(移動体)の表面のうち、自動車1の上方から見える面であって、走行風を受けにくい面を自動車上面112(移動体上面)として定義する。もしくは、走行時に自動車1(移動体)の進行方向と略平行(平行あるいは平行に近い位置関係)になる面を、自動車上面112(移動体上面)として定義してもよい。
自動車上面112は走行風に対して略平行となるため、走行時に自動車1の進行方向から走行風を受けにくい。
本実施形態では、0.3μmから100μmまでの波長域における平均反射率が4%以上である反射制御層21Bを、自動車上面112に形成している。
また、図5Cに示すように、自動車1の表面のうち、サイドドア、フェンダー、タイヤホイールなど、自動車1の進行方向の側方から見える面は、自動車1が直進している場合(直進時)には、自動車1の進行方向から走行風を受けにくい。
一方で、自動車1の表面のうち、サイドドア、フェンダー、タイヤホイールなど、自動車1の進行方向の側方から見える面は、自動車1がカーブして走行している場合(カーブ時)には、自動車1の進行方向から走行風を受けやすい。
そこで、自動車1(移動体)の表面のうち、カーブ時に自動車1(移動体)の進行方向から走行風を受ける面を自動車側面114(移動体側面)として定義する。もしくは、自動車1の進行方向の側方から見える面を、自動車側面114(移動体側面)として定義してもよい。
自動車側面114は、直進時において走行風に対して略平行となるため、進行方向から走行風を受けにくい。一方、カーブ時には、自動車側面114は、走行風と自動車側面114のなす角度で進行方向から走行風を受けやすい。
本実施形態では、0.75μmから100μmまでの波長域における平均反射率が4%以上である反射制御層21Cを、自動車側面114に形成してあってもよい。
なお、上述において、自動車1の進行方向に対して自動車1の後方から見える面を、自動車後面118(移動体後面)として定義した上で、自動車1(移動体)の表面のうち、自動車1の上方から見える面であって、自動車前面110、自動車側面114、自動車後面118を除く面を自動車上面112として定義してもよい。
本実施形態では、0.75μmから100μmまでの波長域における平均反射率が4%以上である反射制御層21Dを、自動車後面118に形成してあってもよい。
つまり、本実施形態では、自動車上面112に、0.3μmから100μmまでの波長域における平均反射率が4%以上である反射制御層21Bを形成しており、自動車1の表面のうち、自動車上面112を除く部分に、0.75μmから100μmまでの波長域における平均反射率が4%以上である反射制御層21A,21C,21Dを形成している。
なお、本実施形態では、反射制御層21A,21B,21C,21Dの平均反射率が、互いに異なる値であってもよい。すなわち、反射制御層21A,21B,21C,21Dの平均反射率が等しい値でなくてもよい。
なお、自動車上面112は走行風に対して略平行であることから、自動車1の進行方向に対して略平行である。そのため、自動車上面112に形成された反射制御層21Bは、自動車1の上方から入射した光を自動車1の上方に反射しやすい。
一方、自動車前面110、自動車側面114、自動車後面118は、走行風に対して略平行ではないため、自動車1の進行方向に対して略平行ではない。そのため、反射制御層21Bとは異なり、反射制御層21A,21C,21Dは、自動車1の上方から入射した光を自動車1の前方、側方、後方に反射しやすい。すなわち、反射制御層21A,21C,21Dは、自動車1の上方から入射した光を、自動車1の前方、側方、後方の位置にいる歩行者に向けて反射しやすいといえる。
なお、自動車1の表面は、自動車1の上方からの直接光や、上方からの直接光が自動車1の周囲の物体によって反射されることで生じる間接光を反射する。自動車前面110、自動車上面112、自動車後面118は、間接光よりも直接光を反射する割合が大きい。これに対し、自動車側面114は、直接光よりも間接光を反射する割合が大きい。そのため、自動車側面114よりも、自動車前面110、自動車上面112、自動車後面118は、歩行者にとって明るく見えやすい。
<反射制御層を設けたことによる効果>
上述した態様によれば、自動車1の表面に入射した光が反射制御層21によって反射される。そのため、自動車1の表面で反射された光によって、走行中の自動車1の周りに存在する主流2が加熱される。加熱により主流2の密度が低下するため、自動車1の空気抵抗Fを低減することができる。
特に、自動車前面110に反射制御層21Aを形成しているため、走行時において、自動車1の進行方向の前方から受ける走行風に起因する圧力抵抗を低減することができる。
また、反射制御層21によって反射される光には、太陽光の波長域、赤外放射の波長域にある光が含まれるため、反射光によって自動車1の空気抵抗Fを低減することができる。
さらに、自動車1の上方から入射した光を、自動車1の前方、側方、後方の位置にいる歩行者に向けて反射しやすい反射制御層21A,21C,21Dについて、その平均反射率は、自動車上面112に形成した反射制御層21Bの平均反射率とは異なっている。そのため、反射制御層21による反射光が歩行者の目に眩しく映ることを防止できる。
より具体的には、反射制御層21A,21C,21Dは、0.75μmから100μmまでの波長域における平均反射率が4%以上であり、可視光域における平均反射率は小さく抑えられている。そのため、反射制御層21A,21C,21Dによる反射光が歩行者の目に眩しく映ることを防止しつつも、反射制御層21A,21C,21Dによって反射される光には赤外放射や酸素吸収域にある光が含まれるため、反射光によって自動車1の空気抵抗Fを低減することができる。
できる限り自動車1の表面からの反射光が歩行者の目に眩しく映ることを防止するためには、自動車上面112に形成された反射制御層21Bについても、可視光域における平均反射率を小さくすべきとも考えられるが、本実施形態では、そのような構成を採用していない。
その理由は、第一に、反射制御層21Bは、自動車1の上方から入射した光を自動車1の上方に反射しやすく、自動車上面112からの反射光が歩行者の目に眩しく映る可能性は小さいためである。
また、第二に、自動車上面112では、圧力抵抗に比べて境界層41から受ける粘性摩擦は無視できない大きさであり、空気の粘性摩擦は、自動車上面112の温度上昇と共に増大するという性質がある。よって、自動車上面112の温度上昇を抑えて粘性摩擦による抵抗を低減するため、赤外放射よりもエネルギーの高い可視光域や近紫外線の波長域にある光についても反射すべきだからである。
つまり、自動車上面112に形成した反射制御層21Bについて、可視光域や近紫外線の波長域を含む0.3μmから100μmまでの波長域における平均反射率を4%以上とすることにより、自動車上面112に生じる粘性抵抗を抑えつつ、反射光によって自動車1の空気抵抗Fを低減することができる。
また、上述した態様によれば、自動車側面114に反射制御層21Cを形成している。そのため、カーブ時において、自動車1の側面から受ける走行風に起因する圧力抵抗を低減することができる。
また、上述した態様によれば、直接光と間接光の反射の割合が、自動車前面110、自動車上面112、自動車側面114、自動車後面118の各部に応じて異なるため、反射制御層21A,21B,21C,21Dの平均反射率を互いに異なる値にすることにより、歩行者の目に眩しく映る可能性は小さくしつつ、自動車1の意匠性を向上させることができる。
特に、自動車上面112を、自動車前面110、自動車側面114、自動車後面118とは異なる色、あるいは、反射制御層21Bを、反射制御層21A,21C,21Dとは異なる平均反射率にすることで、歩行者の目に眩しく映る可能性を小さくしつつ、自動車1の各部の明度や彩度を介して自動車1の意匠性を向上させることができる。
さらに、反射制御層21A,21B,21C,21Dの平均反射率を介して、自動車前面110および自動車後面118の明度と自動車側面114の明度との間の差を大きくすることができる。同様に、自動車前面110および自動車後面118の彩度と自動車側面114の彩度との間の差を大きくすることができる。明度の差及び彩度の差を同時に大きくすることもできる。その結果、自動車前面110および自動車後面118と自動車側面114の色の差を大きくすることができ、歩行者の目に眩しく映る可能性を小さくしつつ、自動車1の意匠性を向上させることができる。
また、反射制御層21A,21B,21C,21Dの平均反射率を介して、自動車前面110および自動車後面118の明度と自動車側面114の明度との間の差を小さくすることもできる。同様に、自動車前面110および自動車後面118の彩度と自動車側面114の彩度との間の差を小さくすることもできる。明度の差及び彩度の差を同時に小さくすることもできる。その結果、自動車前面110および自動車後面118と自動車側面114の色の差を小さくすることができ、歩行者の目に眩しく映る可能性を小さくしつつ、自動車1の意匠性を向上させることができる。
上述の実施形態では、移動体が自動車である場合を挙げて説明したが、自動車の他にも、空気中を運動する移動体に対して本発明は適用可能である。移動体の例としては、自動車の他に、二輪車、鉄道、航空機、ロケットなどが挙げられる。
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。この開示の一部をなす論述および図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 自動車(移動体)
2 主流
20 車体塗装層
21,21A,21B,21C,21D 反射制御層
41 境界層
42 境界
43 外部領域
110 自動車前面(移動体前面)
112 自動車上面(移動体上面)
114 自動車側面(移動体側面)

Claims (5)

  1. 太陽光の波長域又は赤外放射の波長域にある光を反射する反射制御層が表面に形成された移動体であって、
    前記移動体の表面のうち、前記移動体の進行方向から走行風を受ける面を移動体前面とし、前記進行方向と略平行になる面を移動体上面として、
    前記移動体前面における前記反射制御層の平均反射率が、前記移動体上面における前記反射制御層の平均反射率と異なり、
    0.75μmから100μmまでの波長における前記移動体前面の前記反射制御層の平均反射率が、4%以上であること
    を特徴とする移動体。
  2. 請求項1に記載された移動体であって、
    前記移動体上面における前記反射制御層の平均反射率が、前記移動体上面を除く前記移動体の表面における前記反射制御層の平均反射率よりも大きいこと
    を特徴とする移動体。
  3. 請求項1又は2に記載された移動体であって、
    0.3μmから100μmまでの波長における前記移動体上面における前記反射制御層の平均反射率が、4%以上であること
    を特徴とする移動体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載された移動体であって、
    前記移動体の表面のうち、カーブ時において前記移動体の進行方向から走行風を受ける面を移動体側面として、
    前記移動体側面における前記反射制御層の平均反射率が、前記移動体上面における前記反射制御層の平均反射率と異なること
    を特徴とする移動体。
  5. 移動体の表面のうち、前記移動体の進行方向から走行風を受ける面を移動体前面とし、前記進行方向と略平行になる面を移動体上面として、
    前記移動体前面に形成された太陽光の波長域又は赤外放射の波長域にある光を反射する反射制御層の平均反射率が、前記移動体上面に形成された反射制御層の平均反射率と異なる移動体用空気抵抗低減塗装。
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