JP6847823B2 - 回転機器のシール間隙評価方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、回転機器のシール間隙評価方法に関する。
火力発電所や原子力発電所に備えられる蒸気タービンにおいては、定期的にメンテナンスが実施される。従来のメンテナンスにおいて、分解時及び組立時にタービン内部の間隙計測が行われる。
ここで、従来におけるタービン内部のシール間隙計測について説明する。図16は、代表的な蒸気タービンの分解斜視図である。
図16に示すように、蒸気タービン400は、ケーシング410と、タービンロータ420と、ノズル部430とを備える。蒸気タービン400は、ケーシング410と、タービンロータ420と、ノズル部430とを組み立てることによって構成される。
ケーシング410は、例えば、外部ケーシング411と、この外部ケーシング411の内側に収容される内部ケーシング412とからなる二重構造で構成される。外部ケーシング411および内部ケーシング412は、上半部と下半部とに2分割されている。
具体的には、外部ケーシング411は、下半外部ケーシング413と、この下半外部ケーシング413の上方に配置される上半外部ケーシング414とを備える。内部ケーシング412は、下半内部ケーシング415と、この下半内部ケーシング415の上方に配置される上半内部ケーシング416とを備える。
ノズル部430は、環状のダイアフラム外輪431と、このダイアフラム外輪431の内側に配置される環状のダイアフラム内輪432と、ダイアフラム外輪431とダイアフラム内輪432との間に周方向に配置される静翼(ノズル)とを備える。ノズル部430は、タービンロータ420の軸方向に複数段設けられている。なお、図16には、静翼は図示していない。
ダイアフラム外輪431およびダイアフラム内輪432は、上半部と下半部とに2分割されている。具体的には、ダイアフラム外輪431は、下半外輪433と、この下半外輪433の上方に配置される上半外輪434とを備える。ダイアフラム内輪432は、下半内輪435と、この下半内輪435の上方に配置される上半内輪436とを備える。
ここで、ノズル部430は、下半ノズル部430Aと上半ノズル部430Bとで構成される。下半ノズル部430Aは、下半外輪433と、下半内輪435と、下半外輪433と下半内輪435との間に周方向に配置される静翼とによって構成される。上半ノズル部430Bは、上半外輪434と、上半内輪436と、上半外輪434と上半内輪436との間に周方向に配置される静翼とによって構成される。
タービンロータ420は、ケーシング410内を貫通して設けられている。そして、タービンロータ420の両端は、軸受(図示しない)によって回転可能に支持されている。また、軸受は、軸受ケーシング内に備えられる。軸受ケーシング内の潤滑油が外部に漏れるのを防ぐため、軸受ケーシングのタービンロータ420が貫通する部分には、油切り部(図示しない)が備えられている。この油切り部は、下半油切りが取付けられた下半オイルボアと、上半油切りが取付けられた上半オイルボアとを備える。
また、タービンロータ420の一端側および他端側において、油切り部よりもノズル部430側には、ケーシング410内の蒸気がケーシング410の外部に漏れるのを防止するグランドシール部480が備えられている。
図16に示すように、グランドシール部480は、下半グランドシールボア481と、この下半グランドシールボア481の上方に配置される上半グランドシールボア482とを備える。なお、図示しないが、下半グランドシールボア481および上半グランドシールボア482の内周側には、例えば、これらの内周面とタービンロータ420との間の間隙をシールするグランドシールセグメントが備えられている。このグランドシールセグメントは、例えば、タービンロータ420側にシールフィンを有する。
また、タービンロータ420には、周方向に動翼(図示しない)が植設されている。この動翼翼列は、タービンロータ420の軸方向に複数段設けられている。
そして、各ノズル部430の直下流側にそれぞれ一つの動翼翼列が位置するように動翼翼列を構成して、複数のタービン段落を形成している。
ここで、図17は、一つのタービン段落の縦断面の一部を模式的に示した図である。なお、図17には、静翼437および動翼421も示している。
図17に示すように、例えば、下半内輪435および上半内輪436の内周側には、タービンロータ420とノズル部430との間の間隙をシールするシール部440が設けられる。このシール部440は、シールフィン441を有するシールセグメント442を備える。
なお、シールセグメント442の嵌合部443は、下半内輪435および上半内輪436の内周側に形成された嵌合溝438に嵌合される。そして、シールセグメント442は、嵌合溝438における外周面に設けられたバネ部材444によってタービンロータ420側に押されている。
シール部440において、タービンロータ420とシールフィン441との間のシール間隙を狭小化することで、このシール間隙を下流側に流れるリーク蒸気量が低減される。これによって、タービン性能を確保している。
シール間隙は、1mm以下に設計されている。シール間隙の設計値は、例えば、0.35〜1.0mmである。そして、タービン組立状態において、シール間隙を設計値とすることが求められている。シール間隙が設計値よりも広い場合には、リーク蒸気の増加により段落の性能が低下する。一方、シール間隙が設計値よりも狭い場合には、タービンロータ420とシール部440の接触によってタービンロータ420の振動が増加し、タービンの運転に支障をきたす。
ここで、図18は、図17のS−S断面を示す図である。図18に示すように、周方向におけるシール間隙は、上半と下半の境界における水平方向のシール間隙CLl、CLrおよび鉛直方向におけるシール間隙CLb、CLtの4か所の間隙で管理されている。
蒸気タービンの定期検査では、分解工程、部品検査/手入れ工程、組立工程の3つの工程を経る。ここで、従来の蒸気タービンの組立工程において、水平方向のシール間隙CLl、CLrは、タービンロータ420が下半外部ケーシング413および下半内部ケーシング415内に仮組された状態で計測される。
シール間隙CLl、CLrは、タービンロータ420とシールフィン441との間の間隙に隙間ゲージを挿入して計測される。この際、例えば、シール間隙CLl、CLrが設計値よりも狭い場合には、例えば、シールセグメント442を取り外して歯先削正加工を施してシール間隙CLl、CLrを広くする。
鉛直方向のシール間隙CLb、CLtについては、上半側の構造物を取り外した状態において、シール間隙CLb、CLtを直接計測することはできない。
図19は、軟鋼材450を使用してシール間隙を計測する方法を説明するための、下半側のシール部440の断面を模式的に示した図である。
鉛直下方側のシール間隙CLbを計測する際、図19に示すように、シールフィン441上に鉛線からなる軟鋼材450を配置する。
ここで、タービンロータ420を仮組した際、軟鋼材450がつぶれるときの反力によりシールセグメント442が外周側(下半内輪435側)に移動することを防止する必要がある。そこで、例えば、嵌合溝438内において、嵌合部443と嵌合溝438における外周面438aとの間に、移動防止用の楔451が配置される。これによって、シールセグメント442がタービンロータ420側に最も突出した状態が維持される。
そして、軟鋼材450および楔451を配置後、タービンロータ420を仮組する。仮組後、タービンロータ420を取り外して軟鋼材450の潰れ残り量を計測する。この潰れ残り量から鉛直下方側のシール間隙CLbを計測する。
なお、鉛直上方側のシール間隙CLtも、鉛直下方側のシール間隙CLbを計測する方法と同様の方法で計測される。鉛直上方側のシール間隙CLtを計測する場合、タービンロータ420を設置した状態で、軟鋼材450が取り付けられたシールフィン441を備える上半ノズル部430Bを仮組する。仮組後、上半ノズル部430Bを取り外して軟鋼材450の潰れ残り量を計測する。この潰れ残り量から鉛直上方側のシール間隙CLtを計測する。
特許第5449976号公報
上記した従来のシール間隙の計測方法では、組立工程において、鉛直下方側のシール間隙CLbを計測する際、軟鋼材450を潰すために、重量物であるタービンロータ420を仮組し、軟鋼材450の潰れ残り量を計測するために、タービンロータ420を取り外す。
また、鉛直上方側のシール間隙CLtを計測する際、軟鋼材450を潰すために、上半ノズル部430Bを仮組し、軟鋼材450の潰れ残り量を計測するために、上半ノズル部430Bを取り外す。
このように、従来のシール間隙の計測方法では、クレーンを使用して重量物を吊り込みまたは吊り出すという仮組作業が必要となる。仮組のためにクレーンを占有することで、その他のクレーン必要作業を中断しなければならない。
また、軟鋼材450を用いたシール間隙の計測では、計測スキルを要し、作業員による測定結果にばらつきが生じやすい。さらに、シールセグメント442の移動防止用の楔451を配置する作業においても時間を要する。
このようなことから、従来のシール間隙の計測方法を利用する場合、組立工期の短縮を図ることは困難である。さらに、狭隘部への部品の吊り込み作業や狭隘部からの部品の吊り出し作業の増加によって、部品の衝突による破損などのリスクが高まる。
本発明が解決しようとする課題は、分解工程において、水平方向のシール間隙および鉛直方向におけるシール間隙を的確に評価でき、メンテナンスなどの工期の短縮を図ることができる回転機器のシール間隙評価方法を提供することにある。
実施形態のシール間隙評価方法における回転機器は、下半ケーシングと前記下半ケーシング上に設置される上半ケーシングとを有するケーシングと、下半水平継手面、内周面および前記下半水平継手面と前記内周面との境に下半ノズルエッジを有する下半ノズル部と、上半水平継手面を有し、前記上半水平継手面と前記下半水平継手面とを当接させて前記下半ノズル部上に取り付けられる上半ノズル部とを備え、前記ケーシング内に設けられるノズル部と、前記ノズル部の内部を貫通して設けられるロータと、前記ノズル部の内周側に設けられ、前記ノズル部と前記ロータとの間の間隙をシールするシールセグメントを有するシール部とを備える。
さらに、回転機器は、下半油切り、下半オイルボア水平継手面、内周面、および前記下半オイルボア水平継手面と前記内周面との境に下半オイルボアエッジを有する下半オイルボアと、上半油切り、上半オイルボア水平継手面を有し、前記上半オイルボア水平継手面と前記下半オイルボア水平継手面とを当接させて前記下半オイルボア上に取り付けられる上半オイルボアとを備え、前記ロータの一端側および他端側に設けられた油切り部を備える。また、回転機器は、前記ノズル部を前記ロータの軸方向に複数段備える。
そして、シール間隙評価方法は、
(1)前記回転機器の分解工程における前記上半油切り、前記下半油切りおよび前記上半オイルボアを取り外した状態において、
(M1)
一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジと前記ロータとの水平方向の間隙を計測する工程と、
一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジ間の中心から鉛直下方向の前記下半オイルボアの内周面と、前記ロータとの間隙を計測する工程と、
(2)前記回転機器の分解工程における、前記上半ケーシング、前記上半ノズル部、前記ロータおよび前記シールセグメントを取り外した状態において、
(M2)
各前記下半ノズル部において、各前記下半ノズルエッジの位置座標を得る工程と、
各前記下半ノズル部における、前記下半ノズル部の内周面の最低部における位置座標を計測する工程と、
(M3)
一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、各前記下半オイルボアエッジの位置座標を得る工程と、
一端側および他端側の前記下半オイルボアの内周面の最低部における位置座標を計測する工程と、
(M4)
水平方向位置に配置される前記シールセグメントおよび鉛直方向位置に配置される前記シールセグメントの、前記ノズル部の内周面から前記ロータ側への突出長さを計測する工程と、
(M5)
前記上半ノズル部の前記上半水平継手面と同一平面から前記上半ノズル部の内周面の最高部までの高さを計測する工程と、
(C1)
各前記下半ノズル部において、各前記下半ノズルエッジの位置座標に基づいて、前記下半ノズルエッジ間の距離を算出する工程と、
各前記下半ノズル部において、各前記下半ノズルエッジの位置座標および前記下半ノズル部の内周面の最低部における位置座標に基づいて、前記下半ノズル部の内周面の半径を算出する工程と、
(C2)
一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジと前記ロータとの水平方向の間隙、前記下半オイルボアエッジの位置座標、前記下半オイルボアの内周面の最低部における位置座標、前記下半オイルボアの内周面の最低部と前記ロータとの間隙に基づいて、前記下半オイルボアにおける前記ロータの中心の水平方向および鉛直方向の偏芯量を算出する工程と、
一端側における前記ロータの中心の偏芯量、他端側における前記ロータの中心の偏芯量、および前記ロータの中心軸方向における撓み量に基づいて、各前記ノズル部における前記ロータの中心の偏芯量を算出する工程と、
(C3)
各前記ノズル部において、前記下半ノズルエッジ間の距離、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記シールセグメントと前記ロータとの水平方向の間隙を算出する工程と、
(C4)
各前記ノズル部において、前記下半ノズル部の内周面の半径、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記下半ノズル部の内周面の最低部と前記ロータとの鉛直方向の間隙を算出する工程と、
(C5)
各前記ノズル部において、前記上半ノズル部の内周面の最高部までの高さ、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記上半ノズル部の内周面の最高部と前記ロータとの鉛直方向の間隙を算出する工程とを備える。
第1の実施の形態においてシール間隙やその他の間隙などを定義するための図であり、下半ノズル部、シール部およびタービンロータにおけるタービンロータ軸方向に垂直な断面を模式的に示した図である。 第1の実施の形態においてシール間隙やその他の間隙などを定義するための図であり、上半ノズル部、シール部およびタービンロータにおけるタービンロータ軸方向に垂直な断面を模式的に示した図である。 第1の実施の形態において、分解工程における一端側の油切り部を模式的に示した図である。 第1の実施の形態において、分解工程における一端側の下半グランドシールボアと他端側の下半グランドシールボアを模式的に示した斜視図である。 第1の実施の形態において、一端側の下半グランドシールボアにおける計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半シールボアエッジを拡大した平面図である。 第1の実施の形態において、分解工程における一端側の下半ノズル部と他端側の下半ノズル部を模式的に示した斜視図である。 第1の実施の形態において、一端側の下半ノズル部における計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半ノズルエッジを拡大した平面図である。 第1の実施の形態において、一端側の下半ノズル部における計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半ノズル部の内周面の最低部(最下部)を拡大した平面図である。 第1の実施の形態における一端側の下半ノズル部において、下半ノズル部の内周面の最低部からずれた位置にリフレクタが配置したときの平面図である。 第1の実施の形態において、リフレクタのY軸方向のずれ量と、Z軸方向の修正量との関係を示す図である。 第1の実施の形態において、一端側の下半オイルボアにおける計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半オイルボアエッジを拡大した平面図である。 第1の実施の形態において、一端側の下半オイルボアにおける計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半オイルボアの内周面の最低部(最下部)を拡大した平面図である。 第1の実施の形態において、シールセグメントの突出長さを計測するゲージの断面を模式的に示す図である。 第1の実施の形態において、上半ノズル部の内周面の最高部(最上部)までの高さの計測方法を説明するための図であり、上半ノズル部の縦断面を模式的に示した図である。 第1の実施の形態において、分解工程における一端側の下半オイルボアと他端側の下半オイルボアを模式的に示した斜視図である。 第2の実施の形態において、下半ノズル部の内周面の最低部(最下部)までの高さの計測方法を説明するための図であり、下半ノズル部の縦断面を模式的に示した図である。 代表的な蒸気タービンの分解斜視図である。 一つのタービン段落の縦断面の一部を模式的に示した図である。 図17のS−S断面を示す図である。 軟鋼材を使用してシール間隙を計測する方法を説明するための、下半側のシール部の断面を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態のシール間隙評価方法について説明する。なお、ここでは、回転機器として蒸気タービンを例示して説明する。また、ここで示す蒸気タービンの構造は、図16〜図18に示した蒸気タービンの構造と同じである。
なお、蒸気タービンにおける構成部の説明において、図16〜図18を参照するとともに、図16〜図18において使用した符号を用いる。
図1Aは、第1の実施の形態においてシール間隙やその他の間隙などを定義するための図であり、下半ノズル部430A、シール部440およびタービンロータ420におけるタービンロータ軸方向に垂直な断面を模式的に示した図である。図1Bは、第1の実施の形態においてシール間隙やその他の間隙などを定義するための図であり、上半ノズル部430B、シール部440およびタービンロータ420におけるタービンロータ軸方向に垂直な断面を模式的に示した図である。図1Aおよび図1Bでは、断面をタービンロータ軸方向から見ている。
なお、図1Aの上部には、シールセグメント442のタービンロータ420側への突出状態を明確にするため、下半ノズル部430A、シール部440およびタービンロータ420を上方から見たときの平面図も付加している。また、図1Bには、シール部440の最高部(最上部)におけるシールセグメント442のタービンロータ420側への突出状態を示す平面図も付加している。
また、図1Aおよび図1Bにおいて、下半ノズル部430Aは、下半外輪433と、下半内輪435と、静翼437とによって構成されるが、ここでは、便宜上、一体的に示されている。同様に、上半ノズル部430Bは、上半外輪434と、上半内輪436と、静翼437とによって構成されるが、ここでは、便宜上、一体的に示されている。
ここで、シール間隙とは、タービンロータ420とシール部440との間の間隙である。具体的には、ここで評価するシール間隙は、図1Aおよび図1Bに示すように、水平方向のシール間隙(左側のシール間隙CLl、右側のシール間隙CLr)、および鉛直方向のシール間隙(鉛直下方側のシール間隙CLb、鉛直上方側のシール間隙CLt)である。なお、タービンロータ420は、ロータとして機能する。
水平方向のシール間隙は、左右のそれぞれの、タービンロータ420とシール部440との水平方向の間隙である。すなわち、シール間隙CLlは、図1Aにおいて、左側のシール部440におけるシールフィン441の先端と、タービンロータ420との水平方向の間隙である。シール間隙CLrは、図1Aにおいて、右側のシール部440におけるシールフィン441の先端と、タービンロータ420との水平方向の間隙である。
鉛直方向のシール間隙は、タービンロータ420とシール部440との鉛直上方および鉛直下方の間隙である。シール間隙CLbは、図1Aにおいて、シール部440の最低部(最下部)におけるシールフィン441の先端と、タービンロータ420との鉛直方向の間隙である。シール間隙CLtは、図1Bにおいて、シール部440の最高部(最上部)におけるシールフィン441の先端と、タービンロータ420との鉛直方向の間隙である。
すなわち、シール間隙は、上記した、水平方向2か所、鉛直方向2か所の計4か所のシール間隙で評価される。
ここで、上記4か所のシール間隙において、ノズル部430の内周面からタービンロータ420側へのシールセグメント442(シール部440)の突出長さは、図1Aおよび図1Bに示すように、それぞれTHl、THr、THb、THtで示されている。
ロータ径がRDのタービンロータ420の中心をOtとし、半円環状の下半ノズル部430Aの中心をOnとする。ここで、タービンロータ420の中心Otと下半ノズル部430Aの中心Onとのズレがある場合、中心Onに対する中心Otの鉛直方向の偏芯量をEv、中心Onに対する中心Otの水平方向の偏芯量をEhとする。
下半ノズル部430Aにおいて、左側の下半水平継手面460と下半ノズル部430Aの内周面461との境に下半ノズルエッジ462が形成される。右側の下半水平継手面463と下半ノズル部430Aの内周面461との境に下半ノズルエッジ464が形成される。
下半ノズルエッジ462と下半ノズルエッジ464との間の間隙をPBDhとする。すなわち、間隙PBDhは、ノズル部430の水平方向の直径でもある。
下半ノズル部430Aの下半水平継手面460、463と同一平面から下半ノズル部430Aの内周面の最低部(最下部)までの高さをPBRvとする。換言すると、PBRvは、下半ノズル部430Aの中心Onから鉛直下方の下半ノズル部430Aの内周面までの距離である。すなわち、PBRvは、下半ノズル部430Aの鉛直下方向の半径である。
半円環状の上半ノズル部430Bの上半水平継手面470、471と同一平面から上半ノズル部430Bの内周面の最高部(最上部)までの高さをPBUvとする。すなわち、PBUvは、上半ノズル部430Bの鉛直上方向の半径である。
ここで、図2は、第1の実施の形態において、分解工程における一端側の油切り部300を模式的に示した図である。図2には、タービンロータ軸方向から油切り部300を見たときの平面図が示されている。なお、油切り部300は、軸受ケーシングにおけるタービンロータ420の貫通部に設けられる。
油切り部300は、下半油切りが取付けられた下半オイルボア301と、上半油切りが取付けられた上半オイルボアとを備える。なお、図2では、下半油切りおよび上半オイルボアが取り外された状態が示されている。また、油切り部300は、タービンロータ420の一端側および他端側に設けられる。
また、下半油切りおよび上半油切りが取り付けられたオイルボアの端部よりもタービンロータ軸方向の外側には、軸受350が設けられている。なお、図2では、軸受350の下半側が示されている。軸受350は、オイルボアを備える軸受ケーシング内に備えられている。
ここで、図2では、下半油切り、上半オイルボアおよび上半油切りは図示されていない。
上半オイルボアは、下半オイルボア301上に備えられる。上半オイルボアは、図2に示す下半オイルボア301と同様に、半円環状の部材で構成される。
下半油切りは、下半オイルボア301のグランドシール部480側の端部に取り付けられる。上半油切りは、上半オイルボアのグランドシール部480側の端部に取り付けられる。下半油切りおよび上半油切りは、タービンロータ420が貫通できるように、半円環状の部材で構成されている。そして、下半油切りおよび上半油切りを取り付けることで、中央にタービンロータ420が貫通する円開口を有する円環状の部材を構成する。
このように下半油切りおよび上半油切りをオイルボアの端部に取り付けることで、オイルボア内の潤滑油がグランドシール部480側へ漏れるのを防止している。
図2に示すように、下半オイルボア301は、左右に下半オイルボア水平継手面302、303を有する。下半オイルボア301において、左側の下半オイルボア水平継手面302と下半オイルボア301の内周面304との境に下半オイルボアエッジ305が形成される。右側の下半オイルボア水平継手面303と下半オイルボア301の内周面304との境に下半オイルボアエッジ306が形成される。
なお、図示しない上半オイルボアにおいても、左右に上半オイルボア水平継手面を有する。上半オイルボアは、上半オイルボア水平継手面が下半オイルボア水平継手面302、303に当接されて下半オイルボア301上に取り付けられる。
左側の下半オイルボアエッジ305とタービンロータ420との水平方向の間隙をOCLlとする。右側の下半オイルボアエッジ306とタービンロータ420との水平方向の間隙をOCLrとする。
左側の下半オイルボアエッジ305と右側の下半オイルボアエッジ306との間の中心から鉛直下方向の下半オイルボア301の内周面と、タービンロータ420との鉛直方向の間隙をOCLbとする。すなわち、間隙OCLbは、下半オイルボア301の内周面の最低部(最下部)とタービンロータ420との鉛直方向の間隙である。
上記したシール間隙やその他の間隙などの定義に基づいて、第1の実施の形態のシール間隙評価方法について説明する。なお、以下の説明では、定義されたシール間隙やその他の間隙などの記号などを用いて説明する。
第1の実施の形態のシール間隙評価方法では、(M0)下半グランドシールボア481の所定4か所の位置座標計測、(M1)下半オイルボア301とタービンロータ420との間隙計測、(M2)下半ノズル部430Aの所定5か所の位置座標計測、(M3)下半オイルボア301の所定5か所の位置座標計測、(M4)シールセグメント442の突出長さ計測、(M5)上半ノズル部430Bの内周面の最高部(最上部)までの高さPBUvの計測を行う。
そして、これらの計測値に基づいて、(C1)間隙PBDhおよび高さPBRvの算出、(C2)タービンロータ420の中心Otの偏芯量の算出、(C3)シール間隙CLl、CLrの算出、(C4)シール間隙CLbの算出、(C5)シール間隙CLtの算出を行う。
まず、上記した(M0)−(M5)の計測について説明する。
ここで、(M0)−(M5)の計測は、例えば、蒸気タービン400のメンテナンスの際の分解工程において行われる。なお、ここでは、(M1)、(M0)、(M2)、(M3)、(M4)、(M5)の順に計測方法を説明するが、計測される順番はこれに限られない。
(M1)下半オイルボア301とタービンロータ420との間隙計測
この計測は、蒸気タービン400の分解工程において、上半油切り、下半油切りおよび上半オイルボアを取り外した状態において行われる。
ここでは、図2に示す、左側の下半オイルボアエッジ305とタービンロータ420との水平方向の間隙OCLl、右側の下半オイルボアエッジ306とタービンロータ420との水平方向の間隙OCLr、および下半オイルボア301の内周面の最低部(最下部)とタービンロータ420との鉛直方向の間隙OCLbを計測する。
また、上記した計測と同じ計測を他端側の下半オイルボア301においても行う。
これらの間隙は、例えば、インサイドマイクロゲージを使用して実測される。
これらの間隙を計測することで、一端側および他端側のオイルボアにおける水平方向および鉛直方向のロータポジションを把握することができる。ここで、ロータポジションは、オイルボアの中心Ooに対するタービンロータ420の中心Otの偏芯量で表される。図2に示す平面図において、オイルボアの中心Ooは、オイルボアの内周の中心であり、タービンロータ420の中心Otは、タービンロータ420の中心軸である。
(M0)下半グランドシールボア481の所定4か所の位置座標計測
この計測は、蒸気タービン400の分解工程において、上半外部ケーシング414、上半内部ケーシング416、上半ノズル部430B、上半グランドシールボア482、タービンロータ420およびシールセグメント442を取り外した状態において行われる。
なお、図示しないが、下半グランドシールボア481に取り外し可能なグランドシールセグメントが備えられている場合には、そのグランドシールセグメントも取り外される。また、(M2)−(M5)の計測も、(M0)の計測と同じ状態で行われる。
図3は、第1の実施の形態において、分解工程における一端側の下半グランドシールボア481と他端側の下半グランドシールボア481を模式的に示した斜視図である。図4は、第1の実施の形態において、一端側の下半グランドシールボア481における計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半シールボアエッジ492、494を拡大した平面図である。
なお、図3では、一端側の下半グランドシールボア481と他端側の下半グランドシールボア481との間の構造物の図示は省略している。
ここで、位置座標は、例えば、レーザトラッカを使用して3次元計測される。レーザトラッカを使用した計測では、レーザトラッカ本体から出射されたレーザービームを測定対象物に接触されたリフレクタ(ターゲット)に照射する。そして、レーザトラッカ本体がリフレクタから反射されたレーザービームを受けることで、リフレクタの中心位置座標(x,y,z)を計測することができる。
図3および図4に示すように、左右のそれぞれの下半水平継手面490、493上には、リフレクタRa、Rdが設置されている。リフレクタRa、Rdは、例えば、下半水平継手面490、493のタービンロータ軸方向の幅の中央に設置される。ここで、以下において、タービンロータ軸方向の幅の中央を幅方向中央位置という。
これによって、左右のそれぞれの下半水平継手面490、493上の一点における位置座標が計測できる。なお、下半水平継手面490、493は、下半グランドシールボア水平継手面として機能する。
下半グランドシールボア481において、下半水平継手面490、493と内周面491との境には、下半シールボアエッジ492、494が形成される。そして、左右のそれぞれの下半シールボアエッジ492、494の近傍の下半グランドシールボア481の内周面461上には、リフレクタRb、Rcが設置されている。リフレクタRb、Rcは、例えば、内周面491の幅方向中央位置に設置される。これによって、左右のそれぞれの、下半シールボアエッジ492、494の近傍の内周面491上の一点における位置座標が計測できる。
ここで、リフレクタRa、Rbは、できる限り下半シールボアエッジ492に近い位置に配置されることが好ましい。また、リフレクタRc、Rdは、できる限り下半シールボアエッジ494に近い位置に配置されることが好ましい。例えば、リフレクタRa、Rb、Rc、Rdは、下半シールボアエッジ492、494から5mm以内の範囲の近傍に配置される。
そして、レーザトラッカ本体から各リフレクタRa−Rdにレーザービームを照射して3次元計測を行う。
ここで、図4に示すように、リフレクタRa、Rdの中心位置からそれぞれ鉛直下方に引いた直線と下半水平継手面490、493とが交わる点を点Ag、点Dgとする。
また、リフレクタRb、Rcの中心位置からそれぞれ水平方向に引いた直線と内周面491とが交わる点を点Bg、点Cgとする。
各リフレクタRa−Rdのサイズは既知であるため、各リフレクタRa−Rdの中心位置座標の計測値に基づいて、上記した点Ag−点Dgそれぞれの位置座標を得ることができる。
ここで、図3および図4において、タービンロータ軸方向にX軸、下半シールボアエッジ492と下半シールボアエッジ492とを結ぶ方向にY軸、Y軸に直交する方向にZ軸を設置する。まず、これらの基準座標軸の設定について説明する。
図3および図4において、レーザトラッカによる計測で得られた点Ag−点DgにおけるY−Z座標を、点Ag(y11,z11)、点Bg(y12,z12)、点Cg(y13,z13)、点Dg(y14,z14)と示す。
ここで、リフレクタRbは、下半シールボアエッジ492の近傍に設置されることから、下半シールボアエッジ492のY座標を点Bgのy座標と同じy12と近似できる。また、リフレクタRaは、下半シールボアエッジ492の近傍に設置されることから、下半シールボアエッジ492のZ座標を点AgのZ座標と同じz11と近似できる。これによって、下半シールボアエッジ492のY−Z座標は、(y12,z11)と表せる。
同様に、リフレクタRc、Rdは、下半シールボアエッジ494の近傍に設置されることから、下半シールボアエッジ494のY−Z座標は、(y13,z14)と表せる。
このようにリフレクタRa−Rdを使用して点Ag−点Dgの座標を、他端側の上半グランドシールボア482においても求める。
ここで、図3に示すように、一端側の下半グランドシールボア481における下半シールボアエッジ492と下半シールボアエッジ494との間の中心と、他端側の下半グランドシールボア481における下半シールボアエッジ492と下半シールボアエッジ494との間の中心とを結ぶラインをX軸とする。
なお、一端側における下半シールボアエッジ492と下半シールボアエッジ494との間の中心は、例えば、下半シールボアエッジ492の幅方向中央位置と下半シールボアエッジ494の幅方向中央位置との間の中心である。他端側においても、これと同じである。
そして、一端側の下半グランドシールボア481における下半シールボアエッジ492と下半シールボアエッジ494との間の中心をX座標原点とする。
X座標原点を通過しX軸に直交する軸をY軸とする。そして、Y軸のX座標原点と交わる点をY座標原点とする。
一端側の左右の下半シールボアエッジ492、494、および例えば、他端側の右側の下半シールボアエッジ494の3点を含む平面をZ座標が0(ゼロ)となるようにZ軸を定義する。なお、上記した3点とは、例えば、一端側の下半シールボアエッジ492、494の幅方向中央位置、および他端側の右側の下半シールボアエッジ494の幅方向中央位置である。そして、Z軸のX座標原点およびY座標原点と交わる点をZ座標原点とする。
なお、Z座標が0(ゼロ)となる平面PLzを定義する際、他端側の左側の下半シールボアエッジ492を用いて定義してもよい。
ここで、図4に示す一端側の下半グランドシールボア481において、下半シールボアエッジ492と下半シールボアエッジ494との間の中心は、一端側のグランドシール部480の内径の中心(ボア中心)Ogである。このグランドシール部480のボア中心OgのY−Z座標は、((y12+y13)/2,(z11+z14)/2)と表せる。
このように基準座標軸が設定されとともに、下半シールボアエッジ492、494の位置座標、グランドシール部480のボア中心Ogの位置座標を得ることができる。
(M2)下半ノズル部430Aの所定5か所の位置座標計測
図5は、第1の実施の形態において、分解工程における一端側のタービン段落の下半ノズル部430Aと他端側のタービン段落の下半ノズル部430Aを模式的に示した斜視図である。図6は、第1の実施の形態において、一端側のタービン段落の下半ノズル部430Aにおける計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半ノズルエッジ462、464を拡大した平面図である。図7は、第1の実施の形態において、一端側のタービン段落の下半ノズル部430Aにおける計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部(最下部)を拡大した平面図である。
なお、下半ノズル部430Aは、一端側のタービン段落の下半ノズル部430Aと他端側のタービン段落の下半ノズル部430Aとの間に複数段設けられているが、ここでは図示していない。
ここで、位置座標は、前述したレーザトラッカを使用して3次元計測される。なお、位置座標計測は、各タービン段落の下半ノズル部430Aのそれぞれについて行われるが、ここでは主に、一端側の下半ノズル部430Aと他端側の下半ノズル部430Aにおける計測について説明する。
なお、位置座標は、前述した(M0)下半グランドシールボア481の位置座標計測において設定された基準座標軸に基づいて計測される。
図5および図6に示すように、左右のそれぞれの下半水平継手面460、463上には、リフレクタR1、R5が設置されている。これによって、左右のそれぞれの下半水平継手面460、463上の一点における位置座標が計測できる。
また、左右のそれぞれの下半ノズルエッジ462、464の近傍の下半ノズル部430Aの内周面461上には、リフレクタR2、R4が設置されている。これによって、左右のそれぞれの、下半ノズルエッジ462、464の近傍の下半ノズル部430Aの内周面461上の一点における位置座標が計測できる。
さらに、図5および図7に示すように、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部(最下部)には、リフレクタR3が設置されている。
なお、リフレクタR1、R5は、例えば、下半水平継手面460、463の幅方向中央位置に設置される。リフレクタR2、R4は、例えば、内周面461の幅方向中央位置に設置される。リフレクタR3は、例えば、内周面461の幅方向中央位置に設置される。すなわち、リフレクタR1−R5は、それぞれ同じX座標位置に配置される。
ここで、リフレクタR1、R2は、できる限り下半ノズルエッジ462に近い位置に配置されることが好ましい。また、リフレクタR4、R5は、できる限り下半ノズルエッジ464に近い位置に配置されることが好ましい。例えば、リフレクタR1、R2、R4、R5は、下半ノズルエッジ462、464から5mm以内の範囲の近傍に配置される。
そして、レーザトラッカ本体から各リフレクタR1−R5にレーザービームを照射して3次元計測を行う。
ここで、図6および図7に示すように、リフレクタR1、R5の中心位置からそれぞれ鉛直下方に引いた直線と下半水平継手面460、463とが交わる点を点A、点Eとする。リフレクタR3の中心位置からそれぞれ鉛直下方に引いた直線と内周面461とが交わる点を点Cとする。
また、リフレクタR2、R4の中心位置からそれぞれ水平方向に引いた直線と内周面461とが交わる点を点B、点Dとする。
各リフレクタR1−R5のサイズは既知であるため、各リフレクタR1−R5の中心位置座標の計測値に基づいて、上記した点A−点Eそれぞれの位置座標を得ることができる。
ここで、図6および図7において、タービンロータ軸方向にX軸、下半ノズルエッジ462と下半ノズルエッジ464とを結ぶ方向にY軸、Y軸に直交する方向にZ軸を設置する。まず、これらの基準座標軸の設定について説明する。
図6および図7において、レーザトラッカによる計測で得られた点A−点EにおけるY−Z座標を、点A(y1,z1)、点B(y2,z2)、点C(y3,z3)、点D(y4,z4)、点E(y5,z5)と示す。
ここで、リフレクタR2は、下半ノズルエッジ462の近傍に設置されることから、下半ノズルエッジ462のY座標を点Bのy座標と同じy2と近似できる。また、リフレクタR1は、下半ノズルエッジ462の近傍に設置されることから、下半ノズルエッジ462のZ座標を点AのZ座標と同じz1と近似できる。これによって、下半ノズルエッジ462のY−Z座標は、(y2,z1)と表せる。
同様に、リフレクタR4、R5は、下半ノズルエッジ464の近傍に設置されることから、下半ノズルエッジ464のY−Z座標は、(y4,z5)と表せる。
このようにリフレクタR1−R5を使用して点A−点Eの座標を、各タービン段落の下半ノズル部430Aにおいて求める。
ここで、図6に示す一端側の下半ノズル部430Aにおいて、下半ノズルエッジ462と下半ノズルエッジ464との間の中心は、一端側のノズル部430の内径の中心(ボア中心)Onである。このノズル部430のボア中心OnのY−Z座標は、((y2+y4)/2,(z1+z5)/2)と表せる。
なお、下半ノズルエッジ462と下半ノズルエッジ464との間の中心は、例えば、下半ノズルエッジ462の幅方向中央位置と下半ノズルエッジ464の幅方向中央位置との間の中心である。
このように下半ノズルエッジ462、464や下半ノズル部430Aの内周面461の最低部の位置座標、ノズル部430のボア中心Onの位置座標を得ることができる。
ここで、図8は、第1の実施の形態における一端側の下半ノズル部430Aにおいて、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部からずれた位置にリフレクタR3が配置したときの平面図である。なお、図8は、タービンロータ軸方向から見たときの図である。図9は、第1の実施の形態において、リフレクタR3のY軸方向のずれ量と、Z軸方向の修正量との関係を示す図である。なお、図9は、予め数値解析によって得られるデータである。
リフレクタR3は、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部(最下部)に配置されることが好ましいが、図8に示すように、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部からずれた位置に配置されることもある。なお、図8において、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部の位置を点Fで示している。
この場合、計測された点CのY−Z座標を(y3,z3)は、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部の位置座標ではない。この場合、図9のテーブルを用いて、ノズル部430のボア中心OnからY軸方向のずれ量ΔyのときのZ軸方向の修正量Zcorrを得る。
これによって、点FのY−Z座標を((y2+y4)/2,z3−Zcorr)と表すことができる。このように、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部からずれた位置にリフレクタR3が配置された場合でも、Z座標値を修正して最低部(点F)の位置座標を得ることができる。
(M3)下半オイルボア301の所定5か所の位置座標計測
図10は、第1の実施の形態において、一端側の下半オイルボア301における計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半オイルボアエッジ305、306を拡大した平面図である。図11は、第1の実施の形態において、一端側の下半オイルボア301における計測点の説明をするための図であり、タービンロータ軸方向から見たときの、下半オイルボア301の内周面304の最低部(最下部)を拡大した平面図である。
位置座標は、前述したレーザトラッカを使用して3次元計測される。なお、位置座標は、前述した(M0)下半グランドシールボア481の位置座標計測において設定された基準座標軸に基づいて計測される。
図10に示すように、左右のそれぞれの下半オイルボア水平継手面302、303上には、リフレクタR6、R10が設置されている。これによって、左右のそれぞれの下半オイルボア水平継手面302、303上の一点における位置座標が計測できる。
また、左右のそれぞれの下半オイルボアエッジ305、306の近傍の下半オイルボア301の内周面304上には、リフレクタR7、R9が設置されている。これによって、左右のそれぞれの、下半オイルボアエッジ305、306の近傍の下半オイルボア301の内周面304上の一点における位置座標が計測できる。
さらに、図11に示すように、下半オイルボア301の内周面304の最低部(最下部)には、リフレクタR8が設置されている。
なお、リフレクタR6、R10は、例えば、下半オイルボア水平継手面302、303の幅方向中央位置に設置される。リフレクタR7、R9は、例えば、内周面304の幅方向中央位置に設置される。リフレクタR8は、例えば、内周面304の幅方向中央位置に設置される。すなわち、リフレクタR6−R10は、それぞれ同じX座標位置に配置される。
ここで、リフレクタR6、R7は、できる限り下半オイルボアエッジ305に近い位置に配置されることが好ましい。また、リフレクタR9、R10は、できる限り下半オイルボアエッジ306に近い位置に配置されることが好ましい。例えば、リフレクタR6、R7、R9、R10は、下半オイルボアエッジ305、306から5mm以内の範囲の近傍に配置される。
レーザトラッカ本体から各リフレクタR6−R10にレーザービームを照射して3次元計測を行う。
ここで、図10に示すように、リフレクタR6、R10の中心位置からそれぞれ鉛直下方に引いた直線と下半オイルボア水平継手面302、303とが交わる点を点G、点Kとする。図11に示すように、リフレクタR8の中心位置からそれぞれ鉛直下方に引いた直線と内周面304とが交わる点を点Iとする。
また、リフレクタR7、R9の中心位置からそれぞれ水平方向に引いた直線と内周面304とが交わる点を点H、点Jとする。
図10および図11において、レーザトラッカによる計測で得られた点G−点KにおけるY−Z座標を、点G(y6,z6)、点H(y7,z7)、点I(y8,z8)、点J(y9,z9)、点K(y10,z10)と示す。
(M2)における位置座標の計測方法と同じ方法で位置座標の計測することで、上記した点G−点Kそれぞれの位置座標を得ることができる。
ここで、リフレクタR7は、下半オイルボアエッジ305の近傍に設置されることから、下半オイルボアエッジ305のY座標を点Hのy座標と同じy7と近似できる。また、リフレクタR6は、下半オイルボアエッジ305の近傍に設置されることから、下半オイルボアエッジ305のZ座標を点GのZ座標と同じz6と近似できる。これによって、下半オイルボアエッジ305のY−Z座標は、(y7,z6)と表せる。
同様に、下半オイルボアエッジ306のY−Z座標は、(y9,z10)と表せる。
ここで、下半オイルボアエッジ305と下半オイルボアエッジ306との間の中心は、一端側のオイルボアの内径の中心(ボア中心)Ooである。このオイルボアのボア中心OoのY−Z座標は、((y7+y9)/2,(z6+z10)/2)と表せる。
なお、下半オイルボアエッジ305と下半オイルボアエッジ306との間の中心は、例えば、下半オイルボアエッジ305の幅方向中央位置と下半オイルボアエッジ306の幅方向中央位置との間の中心である。
このように基準座標軸が設定されとともに、下半オイルボアエッジ305、306や下半オイルボア301の内周面304の最低部の位置座標、オイルボアのボア中心Ooの位置座標を得ることができる。
このようにリフレクタR6−R10を使用して点G−点Kの座標を、他端側の下半オイルボア301においても求める。
なお、下半オイルボア301の内周面304の最低部からずれた位置にリフレクタR8が配置された場合には、図8および図9を参照して説明した修正方法と同様な方法によって、最低部の適正な位置座標を得ることができる。
(M4)シールセグメント442の突出長さ計測
図12は、第1の実施の形態において、シールセグメント442の突出長さを計測するゲージ10の断面を模式的に示す図である。
図12に示すように、ゲージ10は、シールセグメント442の嵌合部443を挿入する空間11を有する筒体からなる本体部12を備える。図12に示すように、本体部12のシールセグメント442を挿入する方向に垂直な断面形状は、矩形である。そして、本体部12のシールセグメント442を挿入する方向の両端は、開口されている。
本体部12の一方の壁部には、ダイアフラム内輪432の内周に形成される嵌合フックを模擬したフック部13が形成されている。このフック部13によって形成される開口13cは、嵌合部443が通過できない寸法に形成されている。フック部13の厚さは、ダイアフラム内輪432の内周の嵌合フックの厚さと同じ厚さである。なお、フック部13の上面13aは、ダイアフラム内輪432の内周面に相当する。
ここで、ゲージ10にシールセグメント442を設置した際、図12に示すように、シールセグメント442は、嵌合部443の下方側から押しボルト30によって上方に押し付けられている。すなわち、シールセグメント442は、上方に最も突出した状態である。なお、フック部13側の壁部に対向する壁部には、押しボルト30と螺合するネジ穴12aが貫通して形成されている。
フック部13上には、フック部13を介して突出したシールセグメント442の長さを計測する計測器20を配置するための計測器配置台14を備える。計測器配置台14は、例えば、平板15と2つの脚部16で構成される。平板15は、フック部13を構成する本体部12の壁部と平行になるように構成されている。
平板15上には、計測器20の本体21が支持される。また、平板15には、測定子22を計測器配置台14の内部に挿入するための開口17が形成されている。
ゲージ10において、平板15の上面15aからフック部13の上面13aまでの距離Cyは、既知である。
計測器20として、例えは、デップスゲージなどが使用される。計測の際、計測器20の測定子22をシール部440のシールフィン441の先端に接触するまで伸ばす。そして、平板15の上面15aからシールフィン441の先端までの距離Cdを計測する。
この計測結果に基づいてシールセグメント442の突出長さを算出する。シールセグメント442の突出長さは、距離Cyから距離Cdを減算することで得られる。
このようにして、水平方向位置に配置されるシールセグメント442および鉛直方向位置に配置される各シールセグメント442の、ノズル部430の内周面からタービンロータ420側への突出長さ(THl、THr、THb、THt)を計測する。
(M5)上半ノズル部430Bの内周面の最高部(最上部)までの高さPBUvの計測
図13は、第1の実施の形態において、上半ノズル部430Bの内周面の最高部(最上部)までの高さPBUvの計測方法を説明するための図であり、上半ノズル部430Bの縦断面を模式的に示した図である。
図13に示すように、上半ノズル部430Bは、平らな基準平板40上に配置されている。
そして、上半ノズル部430Bの内周面の最高部から鉛直下方の基準平板40の上面40aまでの距離を実測する。この距離が高さPBUvである。この測定は、ストレッチ、インサイドマイクロゲージなどを用いて行う。
次に、上記した(M1)−(M5)の計測結果に基づいて、(C1)間隙PBDhおよび高さPBRvの算出、(C2)タービンロータ420の中心Otの偏芯量の算出、(C3)シール間隙CLl、CLrの算出、(C4)シール間隙CLbの算出、(C5)シール間隙CLtの算出を行う。
(C1)間隙PBDhおよび高さPBRvの算出
下半ノズルエッジ間の距離である間隙PBDhは、(M2)において計測された左右の下半ノズルエッジ462、464の位置座標に基づいて算出される。具体的には、間隙PBDhは、式(1)によって算出される。
PBDh = ((y2−y4)+(z1−z5)1/2 …式(1)
高さPBRvは、(M2)において計測された左右の下半ノズルエッジ462、464の位置座標および下半ノズル部430Aの内周面461の最低部における位置座標に基づいて算出される。具体的には、高さPBRvは、式(2)によって算出される。
PBRv = (z1+z5)/2−z3 …式(2)
なお、間隙PBDhおよび高さPBRvは、各タービン段落の下半ノズル部430Aごとに算出される。
ここで、式(3)によってノズル部430の真円度を求めることができる。
真円度 = PBRv−PBDh/2 …式(3)
(C2)タービンロータ420の中心Otの偏芯量の算出
図14は、第1の実施の形態において、分解工程における一端側の下半オイルボア301と他端側の下半オイルボア301を模式的に示した斜視図である。
まず、一端側の下半オイルボアエッジ305、306とタービンロータ420との水平方向の間隙、一端側の下半オイルボアエッジ305、306の位置座標、一端側の下半オイルボア301の内周面304の最低部における位置座標、一端側の下半オイルボア301の内周面304の最低部とタービンロータ420との間隙に基づいて(図14参照)、一端側の下半オイルボア301におけるタービンロータ420の中心Otの水平方向および鉛直方向の偏芯量を算出する。
(M3)において計測された、一端側の下半オイルボアエッジ305、306の位置座標および一端側の下半オイルボア301の内周面304の最低部における位置座標から、オイルボアのボア中心OoのY−Z座標は、((y7+y9)/2,(z6+z10)/2)と表せる。
また、(M1)において計測された、左側の下半オイルボアエッジ305とタービンロータ420との水平方向の間隙をOCLl、右側の下半オイルボアエッジ306とタービンロータ420との水平方向の間隙をOCLr、下半オイルボア301の内周面の最低部(最下部)とタービンロータ420との鉛直方向の間隙OCLbから、下半オイルボア301におけるタービンロータ420の中心Otの水平方向および鉛直方向の偏芯量を算出する。
具体的には、タービンロータ420の中心Otの水平方向の偏芯量は、間隙OCLlと間隙OCLrとの差に基づいて算出される。
また、下半オイルボアエッジ305と下半オイルボアエッジ306との間の距離、間隙OCLl、間隙OCLrによって、オイルボアにおけるロータ径RDが算出できる。
(M3)の計測によって下半オイルボア301の内周面304の最低部における位置座標が得られるため、下半オイルボア301の鉛直下方向の半径が得られる。そして、タービンロータ420の中心Otの鉛直方向の偏芯量は、間隙OCLb、下半オイルボア301の鉛直下方向の半径、ロータ径RDに基づいて算出される。
また、タービンロータ420の中心Otの水平方向および鉛直方向の偏芯量、オイルボアのボア中心座標に基づいて、偏芯したタービンロータ420の中心Otの位置座標が得られる。
なお、他端側においても、一端側と同様に、下半オイルボア301におけるタービンロータ420の中心Otの水平方向および鉛直方向の偏芯量、偏芯したタービンロータ420の中心Otの位置座標を算出する。
ここで、タービンロータ420の両端は、軸受によって支持されている。そのため、タービンロータ420の自重によって、タービンロータ420は鉛直下方に撓む。タービンロータ420のタービンロータ軸方向における撓み量は、予め数値解析によって得られる。図14には、タービンロータ420が撓んでいない状態の中心軸を破線Pで示し、タービンロータ420が撓んだ状態の中心軸を実線Qで示している。
上記した、下半オイルボア301におけるタービンロータ420の中心Otの偏芯量、偏芯したタービンロータ420の中心Otの位置座標、タービンロータ420のタービンロータ軸方向における撓み量に基づいて、各タービン段落におけるタービンロータ420の中心Otの位置座標が得られる。
これによって、各タービン段落において、(M2)の計測によって得られたノズル部430のボア中心Onと、このノズル部430を貫通するタービンロータ420の中心Otの位置関係が得られる。すなわち、ノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの偏芯量が得られる。具体的には、ノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの水平方向の偏芯量Eh、およびノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの鉛直方向の偏芯量Evが得られる。
(C3)シール間隙CLl、CLrの算出
シール間隙CLl、CLrは、(C1)において得られた間隙PBDh、(M4)で計測されたシールセグメント442の突出長さ、(C2)において得られたノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの水平方向の偏芯量Eh、ノズル部430を貫通するタービンロータ420のロータ径RDに基づいて、式(4)、式(5)によって算出される。
なお、ここでは、ノズル部430を貫通するタービンロータ420のロータ径RDは既知とする。
シール間隙CLl=(PBDh−(THl+THr)−RD)/2+Eh …式(4)
シール間隙CLr=(PBDh−(THl+THr)−RD)/2−Eh …式(5)
(C4)シール間隙CLbの算出
シール間隙CLbは、(C1)において得られた高さPBRv、(M4)で計測されたシールセグメント442の突出長さ、(C2)において得られたノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの鉛直方向の偏芯量Ev、ノズル部430を貫通するタービンロータ420のロータ径RDに基づいて、式(6)によって算出される。
シール間隙CLb = PBRv−THb−RD/2+Ev …式(6)
(C5)シール間隙CLtの算出
シール間隙CLtは、(M5)において得られたPBUv、(M4)で計測されたシールセグメント442の突出長さ、(C2)において得られたノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの偏芯量、ノズル部430を貫通するタービンロータ420のロータ径RDに基づいて、式(7)によって算出される。
シール間隙CLt = PBUv−THt−RD/2−Ev …式(7)
上記したように、第1の実施の形態のシール間隙評価方法では、メンテナンスの分解工程において前述した(M0)−(M5)の計測をすることで、水平方向2か所および鉛直方向2か所における計4か所のシール間隙を的確に評価することができる。
そして、得られた4か所のシール間隙が設計値から逸脱する場合には、組立工程の開始前の部品点検・手入れ期間に、シール間隙が設計値の範囲内になるように調整する。
例えば、シール間隙CLbとシール間隙CLtとを合計した値に関して、設計値よりも計測値が小さい場合、シールセグメント442のシールフィン441の先端を削正して、間隙を調整する。
一方、シール間隙CLbとシール間隙CLtとを合計した値に関して、設計値よりも計測値が大きい場合、例えば、各タービン段落に設けられたシムを調整してノズル部430の位置を調整する。これによって、シールフィン441の先端の削正をすることなく、シール間隙を調整できる。このシムの調整は、部品点検・手入れ期間に実施することができる。また、シールフィン441の先端を削正しないので、シール間隙が広がることなく、タービン性能を維持することができる。
このように、シール間隙の調整を組立工程の開始前に完了することができる。
また、第1の実施の形態のシール間隙評価方法では、従来のメンテナンスの組立工程の際に行われていた、軟鋼材450の潰れ残り量に基づく鉛直方向のシール間隙の計測を行う必要がない。これによって、タービンロータ420の仮組などの工程も不要となる。また、仮組のためのクレーンによる吊り込み作業や吊り出し作業を省略することができる。そのため、メンテナンスなどの工期の大幅な短縮を図ることができる。
また、仮組にためのクレーンによる狭隘部への部品の吊り込み作業や狭隘部からの部品の吊り出し作業が省略されることによって、部品の衝突による破損などのリスクが回避できる。さらに、タービンロータ420の吊り込み時において、作業員がタービンロータ420に挟まれたり、作業員がタービンロータ420と衝突したりする災害も回避できる。
組立工程において、タービンロータ420を分解する前の位置に配置することで、適正なシール間隙を維持した状態に組み立てることができる。この際、オイルボアにおいて、(C2)において得られた偏芯したタービンロータ420の中心の位置座標に、タービンロータ420の一端側および他端側のそれぞれを配置する。これによって、分解する前の位置にタービンロータ420は配置される。
(第1の実施の形態の他の例)
上記した第1の実施の形態では、各ノズル部430におけるタービンロータ420のロータ径RDが既知の場合について説明した。このロータ径RDが未知の場合においても、分解工程における計測に基づいて、水平方向および鉛直方向における4か所のシール間隙を的確に評価することができる。
ロータ径RDが未知の場合、蒸気タービン400の分解工程において、上半外部ケーシング414、上半内部ケーシング416、上半ノズル部430Bを取り外した状態において、(N1)シール間隙CLl、CLrの計測を行う。
この(N1)の計測は、タービンロータ420およびシールセグメント442を取り外す前、すなわち、(M0)、(M2)−(M5)の計測の前に行われる。
(N1)シール間隙CLl、CLrの計測
ここでは、各タービン段落のノズル部430において、シール間隙CLlおよびシール間隙CLrを実測する。これらの間隙は、例えば、インサイドマイクロゲージを使用して実測される。
なお、ここで計測されたシール間隙CLlおよびシール間隙CLrは、ノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの水平方向の偏芯量Ehを含んでいる。
(C6)タービンロータ420のロータ径RDの算出
ロータ径RDは、(C1)において得られた間隙PBDh、(M4)で計測されたシールセグメント442の突出長さ、(N1)で計測されたシール間隙CLl、CLrに基づいて、式(8)によって算出される。
ロータ径RD = PBDh−(THl+THr)−(CLl+CLr) …式(8)
なお、ここでは、(N1)の計測で、シール間隙CLl、CLrは、実測されるため、(C3)におけるシール間隙CLl、CLrの算出は、不要である。また、シール間隙CLbは、(C4)で記載したように式(6)によって算出される。シール間隙CLtは、(C5)で記載したように式(7)によって算出される。
この第1の実施の形態の他の例においても、メンテナンスの分解工程において、(N1)、(M0)−(M5)の計測をすることで、水平方向および鉛直方向における4か所のシール間隙を的確に評価することができる。そのため、タービンロータ420のロータ径RDが既知の場合と同様の効果が得られる。すなわち、第1の実施の形態の他の例においても、タービン性能を維持しつつ、メンテナンスなどの工期の大幅な短縮を図ることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態のシール間隙評価方法について説明する。
なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態の構成と同一の構成部分には、同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。また、以下の実施の形態において、第1の実施の形態のシール間隙評価方法と同一のシール間隙評価方法については、重複する説明を省略または簡略する。
第2の実施の形態のシール間隙評価方法では、次の点が第1の実施の形態のシール間隙評価方法と異なる。
第1の実施の形態では、(M2)において下半ノズル部430Aの所定5か所の位置座標を計測するのに対し、第2の実施の形態では、(M2A)下半ノズル部430Aの所定4か所の位置座標を計測する。
さらに、第1の実施の形態では、(M2)の計測結果に基づいて高さPBRvを算出するのに対して、第2の実施の形態では、(M6)高さPBRvを実測する。
ここでは、この異なる構成について主に説明する。
第2の実施の形態のシール間隙評価方法では、(M0)下半グランドシールボア481の所定4か所の位置座標計測、(M1)下半オイルボア301とタービンロータ420との間隙計測、(M2A)下半ノズル部430Aの所定4か所の位置座標計測、(M3)下半オイルボア301の所定5か所の位置座標計測、(M4)シールセグメント442の突出長さ計測、(M5)上半ノズル部430Bの内周面の最高部(最上部)までの高さPBUvの計測、(M6)下半ノズル部430Aの内周面の最低部(最下部)までの高さPBRvの計測を行う。
そして、これらの計測値に基づいて、(C1A)間隙PBDhの算出、(C2)タービンロータ420の中心Otの偏芯量の算出、(C3)シール間隙CLl、CLrの算出、(C4A)シール間隙CLbの算出、(C5)シール間隙CLtの算出を行う。
ここでは、第1の実施の形態とは異なる(M2A)および(M6)の計測、(C1A)および(C4A)の算出について説明する。
(M2A)下半ノズル部430Aの所定4か所の位置座標計測
この計測は、蒸気タービン400の分解工程において、上半外部ケーシング414、上半内部ケーシング416、上半ノズル部430B、上半グランドシールボア482、タービンロータ420およびシールセグメント442を取り外した状態において行われる。
ここでは、図5および図6を参照して説明する。
なお、位置座標計測は、各タービン段落の下半ノズル部430Aのそれぞれについて行われるが、ここでは主に、一端側の下半ノズル部430Aと他端側の下半ノズル部430Aにおける計測について説明する。
図5および図6に示すように、左右のそれぞれの下半水平継手面460、463上には、リフレクタR1、R5が設置されている。これによって、左右のそれぞれの下半水平継手面460、463上の一点における位置座標が計測できる。
また、左右のそれぞれの下半ノズルエッジ462、464の近傍の下半ノズル部430Aの内周面461上には、リフレクタR2、R4が設置されている。これによって、左右のそれぞれの、下半ノズルエッジ462、464の近傍の下半ノズル部430Aの内周面461上の一点における位置座標が計測できる。
ここで、(M2A)においては、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部(最下部)の位置座標の計測は行わない。そのため、(M2A)においては、図5に示したリフレクタR3は設置されない。
リフレクタR1、R2、R4、R5を用いた計測方法は、第1の実施の形態における計測方法と同じである。なお、位置座標は、前述した(M0)下半グランドシールボア481の位置座標計測において設定された基準座標軸に基づいて計測される。
これらの4か所を計測することで、第1の実施の形態において説明したとおり、下半ノズルエッジ462、464の位置座標、ノズル部430のボア中心Onの位置座標を得ることができる。例えば、ノズル部430のボア中心OnのY−Z座標は、((y2+y4)/2,(z1+z5)/2)と表せる。
(M6)下半ノズル部430Aの内周面の最低部(最下部)までの高さPBRvの計測
図15は、第2の実施の形態において、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部(最下部)までの高さPBRvの計測方法を説明するための図であり、下半ノズル部430Aの縦断面を模式的に示した図である。
図15に示すように、下半ノズル部430A上には、平らな基準平板40が配置されている。
そして、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部から鉛直上方の基準平板40の下面40bまでの距離を実測する。この距離が高さPBRvである。この測定は、ストレッチ、インサイドマイクロゲージなどを用いて行う。
ここで、下半ノズル部430Aの内周面の最低部のY−Z座標は、((y2+y4)/2,(z1+z5)/2−PBRv)と表せる。
次に、上記した(C1A)、(C4A)における算出について説明する。なお、ここでは、ノズル部430を貫通するタービンロータ420のロータ径RDは既知とする。
(C1A)間隙PBDhの算出
間隙PBDhの算出方法は、前述した(C1)における間隙PBDhの算出方法と同じである。なお、ここでは、高さPBRvは、(M6)において実測されているので、高さPBRvの算出は行わない。
(C4A)シール間隙CLbの算出
シール間隙CLbは、(M6)において計測された高さPBRv、(M4)で計測されたシールセグメント442の突出長さ、(C2)において得られたノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの偏芯量、ノズル部430を貫通するタービンロータ420のロータ径RDに基づいて、前述した式(6)によって算出される。
上記したように、第2の実施の形態のシール間隙評価方法においても、メンテナンスの分解工程において、(M0)、(M1)、(M2A)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)の計測をすることで、水平方向および鉛直方向における4か所のシール間隙を的確に評価することができる。すなわち、第2の実施の形態のシール間隙評価方法においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られ、タービン性能を維持しつつ、メンテナンスなどの工期の大幅な短縮を図ることができる。
(第2の実施の形態の他の例)
上記した第2の実施の形態では、各ノズル部430におけるタービンロータ420のロータ径RDが既知の場合について説明した。このロータ径RDが未知の場合においても、分解工程における計測に基づいて、水平方向および鉛直方向における4か所のシール間隙を的確に評価することができる。
ロータ径RDが未知の場合、第1の実施の形態の他の例で説明したとおり、シール間隙CLl、CLrの計測((N1)参照))を行うことで、タービンロータ420のロータ径RDを算出できる((C6)参照)。
そして、シール間隙CLbは、(C4)で記載したように式(6)によって算出される。シール間隙CLtは、(C5)で記載したように式(7)によって算出される。
この第2の実施の形態の他の例においても、メンテナンスの分解工程において、(N1)、(M0)、(M1)、(M2A)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)の計測をすることで、水平方向および鉛直方向における4か所のシール間隙を的確に評価することができる。そのため、タービンロータ420のロータ径RDが既知の場合と同様の効果が得られる。すなわち、第2の実施の形態の他の例においても、タービン性能を維持しつつ、メンテナンスなどの工期の大幅な短縮を図ることができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態のシール間隙評価方法について説明する。
第3の実施の形態のシール間隙評価方法では、次の点が第1の実施の形態のシール間隙評価方法と異なる。
第3の実施の形態では、蒸気タービン400の分解工程において、上半外部ケーシング414、上半内部ケーシング416、上半ノズル部430Bを取り外した状態において、(N2)シール間隙CLl、CLrを実測する。
この(N2)の計測は、タービンロータ420およびシールセグメント442を取り外す前、すなわち、(M0A)、(M2B)、(M3)−(M7)の計測の前に行われる。
第1の実施の形態では、(M0)において下半ノズル部430Aの所定4か所の位置座標を計測するのに対し、第3の実施の形態では、(M0A)下半ノズル部430Aの所定2か所の位置座標を計測する。
また、第1の実施の形態では、(M2)において下半ノズル部430Aの所定5か所の位置座標を計測するのに対し、第3の実施の形態では、(M2B)下半ノズル部430Aの所定2か所の位置座標を計測する。
また、第1の実施の形態では、(M2)の計測結果に基づいて間隙PBDhを算出するのに対して、第3の実施の形態では、(M7)間隙PBDhを実測する。
さらに、第1の実施の形態では、(M2)の計測結果に基づいて高さPBRvを算出するのに対して、第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に(M6)高さPBRvを実測する。
ここでは、この異なる構成について主に説明する。
第3の実施の形態のシール間隙評価方法では、(N2)シール間隙CLl、CLrの計測、(M0A)下半グランドシールボア481の所定2か所の位置座標計測、(M1)下半オイルボア301とタービンロータ420との間隙計測、(M2B)下半ノズル部430Aの所定2か所の位置座標計測、(M3)下半オイルボア301の所定5か所の位置座標計測、(M4)シールセグメント442の突出長さ計測、(M5)上半ノズル部430Bの内周面の最高部(最上部)までの高さPBUvの計測、(M6)下半ノズル部430Aの内周面の最低部(最下部)までの高さPBRvの計測、(M7)下半ノズルエッジ462と下半ノズルエッジ464との間の間隙PBDhの計測を行う。
そして、これらの計測値に基づいて、(C2)タービンロータ420の中心Otの偏芯量の算出、(C4A)シール間隙CLbの算出、(C5)シール間隙CLtの算出を行う。
ここでは、第1の実施の形態とは異なる、(N2)、(M0A)、(M2B)、(M6)および(M7)の計測、(C4A)の算出について説明する。
(N2)シール間隙CLl、CLrの計測
上半外部ケーシング414、上半内部ケーシング416、上半ノズル部430Bを取り外した状態において、各タービン段落のノズル部430のシール間隙CLlおよびシール間隙CLrを実測する。これらの間隙は、例えば、インサイドマイクロゲージを使用して実測される。
なお、ここで計測されたシール間隙CLlおよびシール間隙CLrは、ノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの水平方向の偏芯量Ehを含んでいる。
(M0A)下半グランドシールボア481の所定2か所の位置座標計測
この計測は、蒸気タービン400の分解工程において、上半外部ケーシング414、上半内部ケーシング416、上半ノズル部430B、上半グランドシールボア482、タービンロータ420およびシールセグメント442を取り外した状態において行われる。
なお、図示しないが、下半グランドシールボア481に取り外し可能なグランドシールセグメントが備えられている場合には、そのグランドシールセグメントも取り外される。また、(M2B)の計測も、(M0)の計測と同じ状態で行われる。
ここでは、図3および図4を参照して説明する。
図3および図4に示すように、左右のそれぞれの下半水平継手面490、493上には、リフレクタRa、Rdが設置されている。これによって、左右のそれぞれの下半水平継手面490、493上の一点における位置座標が計測できる。
ここで、(M0A)においては、左右のそれぞれの下半シールボアエッジ492、494の近傍の下半グランドシールボア481の内周面491上の位置座標の計測は行わない。そのため、(M0A)においては、図3、図4に示したリフレクタRb、Rcは設置されない。
リフレクタRa、Rdを用いた計測方法は、第1の実施の形態における計測方法と同じである。
図4において、レーザトラッカによる計測で得られた点Ag、点DgにおけるY−Z座標を、点Ag(y11,z11)、点Dg(y14,z14)と示す。
ここで、リフレクタRaは、下半シールボアエッジ492の近傍に設置されるとともに、点Agは、下半シールボアエッジ492と同一平面上にある。そのため、下半シールボアエッジ492のZ座標は、z11と表せる。
リフレクタRdは、下半シールボアエッジ494の近傍に設置されるとともに、点Dgは、下半シールボアエッジ494と同一平面上にある。そのため、下半シールボアエッジ494のZ座標は、z14と表せる。
このようにリフレクタRa、Rdを使用して点Ag、点Dgの座標を、他端側の下半グランドシールボア481においても求める。
ここで、一端側の左右の下半シールボアエッジ492、494 、および例えば、他端側の右側の下半シールボアエッジ494の3点を含む平面をZ座標が0(ゼロ)となるようにZ軸を定義する。なお、上記した3点は、前述した(M0)の計測で説明したとおりである。また、Z座標が0(ゼロ)となる平面を定義する際、他端側の左側の下半ノズルエッジ462を用いて定義してもよい。
ここで、図4に示す一端側の下半グランドシールボア481において、下半シールボアエッジ492と下半シールボアエッジ494との間の中心は、一端側のグランドシール部480の内径の中心(ボア中心Og)である。このグランドシール部480のボア中心OgのZ座標は、((z11+z14)/2)と表せる。
このようにZ座標の基準座標軸が設定されとともに、下半シールボアエッジ492、494のZ座標、グランドシール部480のボア中心OnのZ座標を得ることができる。なお、Z座標は、鉛直方向の座標軸となる。
(M2B)下半ノズル部430Aの所定2か所の位置座標計測
ここでは、図5および図6を参照して説明する。
なお、位置座標計測は、各タービン段落の下半ノズル部430Aのそれぞれについて行われるが、ここでは主に、一端側の下半ノズル部430Aと他端側の下半ノズル部430Aにおける計測について説明する。
図5および図6に示すように、左右のそれぞれの下半水平継手面460、463上には、リフレクタR1、R5が設置されている。これによって、左右のそれぞれの下半水平継手面460、463上の一点における位置座標が計測できる。
ここで、(M2B)においては、左右のそれぞれの下半ノズルエッジ462、464の近傍の下半ノズル部430Aの内周面461上の位置座標の計測は行わない。さらに、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部(最下部)の位置座標の計測は行わない。そのため、(M2B)においては、図5、図6に示したリフレクタR2、R3、R4は設置されない。
リフレクタR1、R5を用いた計測方法は、第1の実施の形態における計測方法と同じである。なお、位置座標は、前述した(M0A)下半グランドシールボア481の位置座標計測において設定されたZ座標の基準座標軸に基づいて計測される。
図6において、レーザトラッカによる計測で得られた点A、点EにおけるY−Z座標を、点A(y1,z1)、点E(y5,z5)と示す。
ここで、リフレクタR1は、下半ノズルエッジ462の近傍に設置されるとともに、点Aは、下半ノズルエッジ462と同一平面上にある。そのため、下半ノズルエッジ462のZ座標は、z1と表せる。
リフレクタR5は、下半ノズルエッジ464の近傍に設置されるとともに、点Eは、下半ノズルエッジ464と同一平面上にある。そのため、下半ノズルエッジ464のZ座標は、z5と表せる。
このようにリフレクタR1、R5を使用して点A、点Eの座標を、各タービン段落の下半ノズル部430Aにおいて求める。
ここで、図6に示す一端側の下半ノズル部430Aにおいて、下半ノズルエッジ462と下半ノズルエッジ464との間の中心は、一端側のノズル部430の内径の中心(ボア中心On)である。このノズル部430のボア中心OnのZ座標は、((z1+z5)/2)と表せる。
このようにZ座標の基準座標軸が設定されとともに、下半ノズルエッジ462、464のZ座標、ノズル部430のボア中心OnのZ座標を得ることができる。なお、Z座標は、鉛直方向の座標軸となる。
(M6)下半ノズル部430Aの内周面461の最低部(最下部)までの高さPBRvの計測
ここでの測定は、第2の実施の形態の(M6)で説明したとおりである。なお、下半ノズル部430Aの内周面461の最低部のZ座標は、((z1+z5)/2−PBRv)と表せる。
(M7)下半ノズルエッジ462と下半ノズルエッジ464との間の間隙PBDhの計測
下半ノズルエッジ462と下半ノズルエッジ464との間の間隙PBDhは、実測される。この測定は、ストレッチ、インサイドマイクロゲージなどを用いて行う。
次に、上記した(C4A)における算出について説明する。なお、ここでは、ノズル部430を貫通するタービンロータ420のロータ径RDは既知とする。
(C4A)シール間隙CLbの算出
シール間隙CLbは、(M6)において計測された高さPBRv、(M4)で計測されたシールセグメント442の突出長さ、(C2)において得られたノズル部430のボア中心Onに対するタービンロータ420の中心Otの鉛直方向の偏芯量Ev、ノズル部430を貫通するタービンロータ420のロータ径RDに基づいて、前述した式(6)によって算出される。
上記したように、第3の実施の形態のシール間隙評価方法においても、メンテナンスの分解工程において、(N2)、(M0A)、(M1)、(M2B)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)、(M7)の計測をすることで、水平方向および鉛直方向における4か所のシール間隙を的確に評価することができる。すなわち、第3の実施の形態のシール間隙評価方法においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られ、タービン性能を維持しつつ、メンテナンスなどの工期の大幅な短縮を図ることができる。
(第3の実施の形態の他の例)
上記した第3の実施の形態では、各ノズル部430におけるタービンロータ420のロータ径RDが既知の場合について説明した。このロータ径RDが未知の場合においても、分解工程における計測に基づいて、水平方向および鉛直方向における4か所のシール間隙を的確に評価することができる。
第3の実施の形態では、シール間隙CLl、CLrの計測((N2)参照))および間隙PBDhの計測((M7)参照))が行われる。そのため、ロータ径RDが未知の場合においても、第1の実施の形態の他の例の(C6)の式(8)を用いて、タービンロータ420のロータ径RDを算出できる。
そして、シール間隙CLbは、(C4)で記載したように式(6)によって算出される。シール間隙CLtは、(C5)で記載したように式(7)によって算出される。
この第3の実施の形態の他の例においても、メンテナンスの分解工程において、(N2)、(M0A)、(M1)、(M2B)、(M3)、(M4)、(M5)、(M6)、(M7)の計測をすることで、水平方向および鉛直方向における4か所のシール間隙を的確に評価することができる。そのため、タービンロータ420のロータ径RDが既知の場合と同様の効果が得られる。すなわち、第3の実施の形態の他の例においても、タービン性能を維持しつつ、メンテナンスなどの工期の大幅な短縮を図ることができる。
なお、ここでは回転機器として、蒸気タービンを例示して説明したが、本実施の形態のシール間隙評価方法は、ガスタービンや圧縮機などの回転機器にも適用可能である。
以上説明した実施形態によれば、分解工程において、水平方向のシール間隙および鉛直方向におけるシール間隙を的確に評価でき、メンテナンスなどの工期の短縮を図ることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…ゲージ、11…空間、12…本体部、13…フック部、13a、15a、40a…上面、13c、17…開口、14…計測器配置台、15…平板、16…脚部、20…計測器、21…本体、22…測定子、30…ボルト、40…基準平板、40b…下面、300…油切り部、301…下半オイルボア、302、303…下半オイルボア水平継手面、304、461、491…内周面、305、306…下半オイルボアエッジ、350…軸受、400…蒸気タービン、410…ケーシング、411…外部ケーシング、412…内部ケーシング、413…下半外部ケーシング、414…上半外部ケーシング、415…下半内部ケーシング、416…上半内部ケーシング、420…タービンロータ、421…動翼、430…ノズル部、430A…下半ノズル部、430B…上半ノズル部、431…ダイアフラム外輪、432…ダイアフラム内輪、433…下半外輪、434…上半外輪、435…下半内輪、436…上半内輪、437…静翼、438…嵌合溝、440…シール部、440a、440b、460、463、490、493…下半水平継手面、441…シールフィン、442…シールセグメント、443…嵌合部、444…バネ部材、450…軟鋼材、451…楔、462、464…下半ノズルエッジ、470、471…上半水平継手面、480…グランドシール部、481…下半グランドシールボア、482…上半グランドシールボア、492…下半シールボアエッジ、494…下半シールボアエッジ。

Claims (9)

  1. 下半ケーシングと前記下半ケーシング上に設置される上半ケーシングとを有するケーシングと、
    下半水平継手面、内周面および前記下半水平継手面と前記内周面との境に下半ノズルエッジを有する下半ノズル部と、上半水平継手面を有し、前記上半水平継手面と前記下半水平継手面とを当接させて前記下半ノズル部上に取り付けられる上半ノズル部とを備え、前記ケーシング内に設けられるノズル部と、
    前記ノズル部の内部を貫通して設けられるロータと、
    前記ノズル部の内周側に設けられ、前記ノズル部と前記ロータとの間の間隙をシールするシールセグメントを有するシール部と、
    下半油切り、下半オイルボア水平継手面、内周面、および前記下半オイルボア水平継手面と前記内周面との境に下半オイルボアエッジを有する下半オイルボアと、上半油切り、上半オイルボア水平継手面を有し、前記上半オイルボア水平継手面と前記下半オイルボア水平継手面とを当接させて前記下半オイルボア上に取り付けられる上半オイルボアとを備え、前記ロータの一端側および他端側に設けられた油切り部と
    を備え、
    前記ノズル部を前記ロータの軸方向に複数段備える回転機器のシール間隙評価方法であって、
    (1)前記回転機器の分解工程における前記上半油切り、前記下半油切りおよび前記上半オイルボアを取り外した状態において、
    (M1)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジと前記ロータとの水平方向の間隙を計測する工程と、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジ間の中心から鉛直下方向の前記下半オイルボアの内周面と、前記ロータとの間隙を計測する工程と、
    (2)前記回転機器の分解工程における、前記上半ケーシング、前記上半ノズル部、前記ロータおよび前記シールセグメントを取り外した状態において、
    (M2)
    各前記下半ノズル部において、各前記下半ノズルエッジの位置座標を得る工程と、
    各前記下半ノズル部における、前記下半ノズル部の内周面の最低部における位置座標を計測する工程と、
    (M3)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、各前記下半オイルボアエッジの位置座標を得る工程と、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアの内周面の最低部における位置座標を計測する工程と、
    (M4)
    水平方向位置に配置される前記シールセグメントおよび鉛直方向位置に配置される前記シールセグメントの、前記ノズル部の内周面から前記ロータ側への突出長さを計測する工程と、
    (M5)
    前記上半ノズル部の前記上半水平継手面と同一平面から前記上半ノズル部の内周面の最高部までの高さを計測する工程と、
    (C1)
    各前記下半ノズル部において、各前記下半ノズルエッジの位置座標に基づいて、前記下半ノズルエッジ間の距離を算出する工程と、
    各前記下半ノズル部において、各前記下半ノズルエッジの位置座標および前記下半ノズル部の内周面の最低部における位置座標に基づいて、前記下半ノズル部の内周面の半径を算出する工程と、
    (C2)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジと前記ロータとの水平方向の間隙、前記下半オイルボアエッジの位置座標、前記下半オイルボアの内周面の最低部における位置座標、前記下半オイルボアの内周面の最低部と前記ロータとの間隙に基づいて、前記下半オイルボアにおける前記ロータの中心の水平方向および鉛直方向の偏芯量を算出する工程と、
    一端側における前記ロータの中心の偏芯量、他端側における前記ロータの中心の偏芯量、および前記ロータの中心軸方向における撓み量に基づいて、各前記ノズル部における前記ロータの中心の偏芯量を算出する工程と、
    (C3)
    各前記ノズル部において、前記下半ノズルエッジ間の距離、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記シールセグメントと前記ロータとの水平方向の間隙を算出する工程と、
    (C4)
    各前記ノズル部において、前記下半ノズル部の内周面の半径、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記下半ノズル部の内周面の最低部と前記ロータとの鉛直方向の間隙を算出する工程と、
    (C5)
    各前記ノズル部において、前記上半ノズル部の内周面の最高部までの高さ、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記上半ノズル部の内周面の最高部と前記ロータとの鉛直方向の間隙を算出する工程と
    を備えることを特徴とする回転機器のシール間隙評価方法。
  2. 各前記下半ノズル部における、前記下半ノズル部の内周面の最低部における位置座標を計測する際、
    最低部とは異なる位置での位置座標を計測した場合、前記ロータの軸方向から前記下半ノズルを見たときの前記異なる位置の水平方向のずれ量に基づいて、鉛直方向の位置座標を最低部における位置座標に修正する工程を備えることを特徴とする請求項1記載の回転機器のシール間隙評価方法。
  3. 下半ケーシングと前記下半ケーシング上に設置される上半ケーシングとを有するケーシングと、
    下半水平継手面、内周面および前記下半水平継手面と前記内周面との境に下半ノズルエッジを有する下半ノズル部と、上半水平継手面を有し、前記上半水平継手面と前記下半水平継手面とを当接させて前記下半ノズル部上に取り付けられる上半ノズル部とを備え、前記ケーシング内に設けられるノズル部と、
    前記ノズル部の内部を貫通して設けられるロータと、
    前記ノズル部の内周側に設けられ、前記ノズル部と前記ロータとの間の間隙をシールするシールセグメントを有するシール部と、
    下半油切り、下半オイルボア水平継手面、内周面、および前記下半オイルボア水平継手面と前記内周面との境に下半オイルボアエッジを有する下半オイルボアと、上半油切り、上半オイルボア水平継手面を有し、前記上半オイルボア水平継手面と前記下半オイルボア水平継手面とを当接させて前記下半オイルボア上に取り付けられる上半オイルボアとを備え、前記ロータの一端側および他端側に設けられた油切り部と
    を備え、
    前記ノズル部を前記ロータの軸方向に複数段備える回転機器のシール間隙評価方法であって、
    (1)前記回転機器の分解工程における前記上半油切り、前記下半油切りおよび前記上半オイルボアを取り外した状態において、
    (M1)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジと前記ロータとの水平方向の間隙を計測する工程と、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジ間の中心から鉛直下方向の前記下半オイルボアの内周面と、前記ロータとの間隙を計測する工程と、
    (2)前記回転機器の分解工程における、前記上半ケーシング、前記上半ノズル部、前記ロータおよび前記シールセグメントを取り外した状態において、
    (M2A)
    各前記下半ノズル部において、各前記下半ノズルエッジの位置座標を得る工程と、
    (M6)
    前記下半ノズル部の前記下半水平継手面と同一平面から前記下半ノズル部の内周面の最低部までの高さを計測する工程と、
    (M3)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、各前記下半オイルボアエッジの位置座標を得る工程と、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアの内周面の最低部における位置座標を計測する工程と、
    (M4)
    水平方向位置に配置される前記シールセグメントおよび鉛直方向位置に配置される前記シールセグメントの、前記ノズル部の内周面から前記ロータ側への突出長さを計測する工程と、
    (M5)
    前記上半ノズル部の前記上半水平継手面と同一平面から前記上半ノズル部の内周面の最高部までの高さを計測する工程と、
    (C1A)
    各前記下半ノズル部において、各前記下半ノズルエッジの位置座標に基づいて、前記下半ノズルエッジ間の距離を算出する工程と、
    (C2)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジと前記ロータとの水平方向の間隙、前記下半オイルボアエッジの位置座標、前記下半オイルボアの内周面の最低部における位置座標、前記下半オイルボアの内周面の最低部と前記ロータとの間隙に基づいて、前記下半オイルボアにおける前記ロータの中心の水平方向および鉛直方向の偏芯量を算出する工程と、
    一端側における前記ロータの中心の偏芯量、他端側における前記ロータの中心の偏芯量、および前記ロータの中心軸方向における撓み量に基づいて、各前記ノズル部における前記ロータの中心の偏芯量を算出する工程と、
    (C3)
    各前記ノズル部において、前記下半ノズルエッジ間の距離、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記シールセグメントと前記ロータとの水平方向の間隙を算出する工程と、
    (C4A)
    各前記ノズル部において、前記下半ノズル部の内周面の最低部までの高さ、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記下半ノズル部の内周面の最低部と前記ロータとの鉛直方向の間隙を算出する工程と、
    (C5)
    各前記ノズル部において、前記上半ノズル部の内周面の最高部までの高さ、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記上半ノズル部の内周面の最高部と前記ロータとの鉛直方向の間隙を算出する工程と
    を備えることを特徴とする回転機器のシール間隙評価方法。
  4. 前記ロータの軸方向から前記下半ノズル部を見たときに、
    左右の前記下半ノズルエッジの位置座標を得る工程が、
    各前記下半ノズル部において、左右のそれぞれの前記下半水平継手面上の一点における位置座標を計測する工程と、
    各前記下半ノズル部において、左右のそれぞれの、前記下半ノズルエッジの近傍の前記下半ノズル部の内周面上の一点における位置座標を計測する工程と、
    前記下半水平継手面上の位置座標および前記下半ノズル部の内周面上の位置座標に基づいて、左右の前記下半ノズルエッジの位置座標を算出する工程と
    を備え、
    前記ロータの軸方向から前記下半オイルボアを見たときに、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、左右のそれぞれの前記下半オイルボアエッジの位置座標を得る工程が、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、左右のそれぞれの、前記下半オイルボア水平継手面上の一点における位置座標を計測する工程と、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、左右のそれぞれの、前記下半オイルボアエッジの近傍の前記下半オイルボアの内周面上の一点における位置座標を計測する工程と、
    前記下半オイルボア水平継手面上の位置座標および前記下半オイルボアの内周面上の位置座標に基づいて、一端側の前記下半オイルボアにおける左右の前記下半オイルボアエッジの位置座標および他端側の前記下半オイルボアにおける左右の前記下半オイルボアエッジの位置座標を算出する工程と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の回転機器のシール間隙評価方法。
  5. 下半ケーシングと前記下半ケーシング上に設置される上半ケーシングとを有するケーシングと、
    下半水平継手面、内周面および前記下半水平継手面と前記内周面との境に下半ノズルエッジを有する下半ノズル部と、上半水平継手面を有し、前記上半水平継手面と前記下半水平継手面とを当接させて前記下半ノズル部上に取り付けられる上半ノズル部とを備え、前記ケーシング内に設けられるノズル部と、
    前記ノズル部の内部を貫通して設けられるロータと、
    前記ノズル部の内周側に設けられ、前記ノズル部と前記ロータとの間の間隙をシールするシールセグメントを有するシール部と、
    下半油切り、下半オイルボア水平継手面、内周面、および前記下半オイルボア水平継手面と前記内周面との境に下半オイルボアエッジを有する下半オイルボアと、上半油切り、上半オイルボア水平継手面を有し、前記上半オイルボア水平継手面と前記下半オイルボア水平継手面とを当接させて前記下半オイルボア上に取り付けられる上半オイルボアとを備え、前記ロータの一端側および他端側に設けられた油切り部と
    を備え、
    前記ノズル部を前記ロータの軸方向に複数段備える回転機器のシール間隙評価方法であって、
    (1)前記回転機器の分解工程における前記上半油切り、前記下半油切りおよび前記上半オイルボアを取り外した状態において、
    (M1)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジと前記ロータとの水平方向の間隙を計測する工程と、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジ間の中心から鉛直下方向の前記下半オイルボアの内周面と、前記ロータとの間隙を計測する工程と、
    (2)前記回転機器の分解工程における、前記上半ケーシング、前記上半ノズル部を取り外した状態において、
    (N2)
    前記ロータの軸方向から前記下半ノズル部を見たときに、各前記下半ノズル部において、前記シールセグメントと前記ロータとの水平方向の間隙を計測する工程と、
    (3)前記回転機器の分解工程における、前記上半ケーシング、前記上半ノズル部、前記ロータおよび前記シールセグメントを取り外した状態において、
    (M2B)
    各前記下半ノズル部において、左右のそれぞれの前記下半水平継手面上の一点における位置座標を計測する工程と、
    (M6)
    前記下半ノズル部の前記下半水平継手面と同一平面から前記下半ノズル部の内周面の最低部までの高さを計測する工程と、
    (M7)
    各前記下半ノズル部において、前記下半ノズルエッジ間の間隙を計測する工程と、
    (M3)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、各前記下半オイルボアエッジの位置座標を得る工程と、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアの内周面の最低部における位置座標を計測する工程と、
    (M4)
    水平方向位置に配置される前記シールセグメントおよび鉛直方向位置に配置される前記シールセグメントの、前記ノズル部の内周面から前記ロータ側への突出長さを計測する工程と、
    (M5)
    前記上半ノズル部の前記上半水平継手面と同一平面から前記上半ノズル部の内周面の最高部までの高さを計測する工程と、
    (C2)
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、前記下半オイルボアエッジと前記ロータとの水平方向の間隙、前記下半オイルボアエッジの位置座標、前記下半オイルボアの内周面の最低部における位置座標、前記下半オイルボアの内周面の最低部と前記ロータとの間隙に基づいて、前記下半オイルボアにおける前記ロータの中心の水平方向および鉛直方向の偏芯量を算出する工程と、
    一端側における前記ロータの中心の偏芯量、他端側における前記ロータの中心の偏芯量、および前記ロータの中心軸方向における撓み量に基づいて、各前記ノズル部における前記ロータの中心の偏芯量を算出する工程と、
    (C4A)
    各前記ノズル部において、前記下半ノズル部の内周面の最低部までの高さ、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記下半ノズル部の内周面の最低部と前記ロータとの鉛直方向の間隙を算出する工程と、
    (C5)
    各前記ノズル部において、前記上半ノズル部の内周面の最高部までの高さ、前記シールセグメントの突出長さ、前記ロータのロータ径および前記ロータの中心の偏芯量に基づいて、前記上半ノズル部の内周面の最高部と前記ロータとの鉛直方向の間隙を算出する工程と
    を備えることを特徴とする回転機器のシール間隙評価方法。
  6. 前記ロータの軸方向から前記下半オイルボアを見たときに、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、左右のそれぞれの前記下半オイルボアエッジの位置座標を得る工程が、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、左右のそれぞれの、前記下半オイルボア水平継手面上の一点における位置座標を計測する工程と、
    一端側および他端側の前記下半オイルボアにおいて、左右のそれぞれの、前記下半オイルボアエッジの近傍の前記下半オイルボアの内周面上の一点における位置座標を計測する工程と、
    前記下半オイルボア水平継手面上の位置座標および前記下半オイルボアの内周面上の位置座標に基づいて、一端側の前記下半オイルボアにおける左右の前記下半オイルボアエッジの位置座標および他端側の前記下半オイルボアにおける左右の前記下半オイルボアエッジの位置座標を算出する工程と
    を備えることを特徴とする請求項5記載の回転機器のシール間隙評価方法。
  7. 各前記ノズル部における前記ロータのロータ径が既知であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の回転機器のシール間隙評価方法。
  8. 各前記ノズル部における前記ロータのロータ径が未知である場合、
    前記回転機器の分解工程における、前記上半ケーシングおよび前記上半ノズル部を取り外した状態において、
    (N1)
    各前記下半ノズル部において、前記シールセグメントと前記ロータとの水平方向の間隙を計測する工程と、
    (C6)
    前記下半ノズルエッジ間の距離、前記シールセグメントの突出長さ、水平方向における前記シールセグメントと前記ロータとの間隙に基づいて、前記ロータのロータ径を算出する工程とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の回転機器のシール間隙評価方法。
  9. 各前記ノズル部における前記ロータのロータ径が未知である場合、
    前記下半ノズルエッジ間の距離、前記シールセグメントの突出長さ、水平方向における前記シールセグメントと前記ロータとの間隙に基づいて、前記ロータのロータ径を算出する工程をさらに備えることを特徴とする請求項5または6記載の回転機器のシール間隙評価方法。
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