JP6845074B2 - ベーカリー用油脂組成物 - Google Patents
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Description
ここでコク味を有するベーカリー製品を得るためには乳脂や豚脂、牛脂などの動物油脂が主に利用されていた。
しかし、これらの動物油脂はまた特定の風味を有していること、更には酸化劣化が早く、その最初期においてもどり臭である「獣臭」を生成する問題があった。そのため、ベーカリー製品に特定の風味がある場合など、単にベーカリー製品にコク味を付与又は増強する場合にはその動物油脂由来の風味や獣臭は邪魔である。
そのため、パーム油などの風味が淡泊である植物油脂を使用したマーガリンやショートニングを使用することとなるが、当然、ベーカリー製品は淡泊な風味に仕上がることが多い。そのため、コク味の不足がよく指摘されることとなる。
そのため、風味が良好でコク味のあるベーカリー製品、特に焼菓子について、各種のコク味付与方法が提案されてきた。
また、これらの方法によっては、ベーカリー製品に対し一定のコク味を付与することはできるが、ベーカリー製品、特に油脂の使用量の多い焼菓子において、アーモンドプードルを使用したときのような良好なナッツ様のコク味と甘味は得られなかった。
ここで、胡麻油は「焙煎油」、すなわち胡麻種子を焙煎してから圧搾あるいは抽出して得られる、色が濃く、濃厚な胡麻風味を有する油脂と、「太白油」、すなわち通常の植物油脂と同様に胡麻種子を焙煎することなく搾油し、脱ガム、脱酸、漂白及び脱臭して得られる、透明で無風味の油脂に分類される。
ここで、前者の焙煎油は脱臭するとその特徴が焼失することから、脱臭工程を経ることなくそのままで各種飲食品、特に中華料理や和風料理を中心に胡麻風味を積極的に付与する用途に利用されている。(特許文献9)
焙煎胡麻油を利用した油脂組成物に関する発明としては、臭気を有する油脂に50ppm程度のごく少量の焙煎胡麻油を添加して臭気と焙煎油の風味の両方を抑制した油脂組成物(特許文献10)、精製油脂に50%以上となるように焙煎胡麻油を添加した香味を有する精製油脂(特許文献11)がある。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明は、脱臭焙煎胡麻油を1〜15質量%含有するベーカリー用油脂組成物を提供するものである。また本発明は、該ベーカリー用油脂組成物を使用したベーカリー製品を提供するものである。
まず本発明で使用する脱臭焙煎胡麻油について説明する。
本発明で使用する脱臭焙煎胡麻油とは、色が濃く、濃厚な胡麻風味を有する焙煎油とも、透明で無風味の太白油とも異なる油脂である、胡麻種子を焙煎してから圧搾あるいは抽出し、その後脱臭して得られる油脂である。
脱臭の方法は特に限定されないが、油脂の精製に通常用いられる減圧水蒸気蒸留にて脱臭することが好ましい。
なお、脱臭時間については減圧下、10〜300分の範囲で適宜選択可能であるが、好ましくは30〜150分、より好ましくは60〜150分である。減圧の程度は、油脂の劣化抑制及び風味維持の観点から絶対圧で1500Pa以下とすることが好ましく、900Pa以下とすることがより好ましく、また水蒸気蒸留における水蒸気吹き込み量は、油脂の劣化抑制及び風味維持の観点から、油脂に対して1重量%以上8重量%以下とすることが好ましく、2重量%以上6重量%以下とすることがより好ましい。
なお、圧搾あるいは抽出の方法は特に限定されず公知の方法を用いることができる。
また、焙煎後、脱色については行っても行わなくてもよいが、風味維持の点で未脱色の方が良い。
本発明では上記脱臭焙煎胡麻油以外のその他の油脂を使用することができる。
上記その他の油脂としては、食用油脂であれば特に制限なく使用することができ、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油などの植物油脂や、牛脂、豚脂、カカオ脂、シア脂、乳脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂を使用することができる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできるが、特に植物油脂を使用することが好ましい。
乳清ミネラルとは、乳又はホエー(乳清)から、可能な限り蛋白質や乳糖を除去したものであり、高濃度に乳の灰分を含有するという特徴を有する。そのため、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエー中のミネラル組成に近い比率となる。
牛乳から通常の製法で製造された乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が5質量%以上である。上記カルシウム含量が2質量%未満の乳清ミネラルは、乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換、更には冷却により、乳糖及び蛋白質を除去して乳清ミネラルを得る際に、あらかじめカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエーを用いる方法、あるいは、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にカルシウムを除去する工程を挿入することで得ることができるが、工業的に実施する上での効率やコストの点で、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入することで得る方法を採ることが好ましい。ここで使用する脱カルシウムの方法としては、特に限定されず、調温保持による沈殿法等の公知の方法を採ることができる。
上記乳酸発酵風味素材とは、乳酸菌が資化可能な基質を乳酸発酵して得られた風味素材であるが、その基質としてはより自然なコク味が付与できる点で乳原料を使用することが好ましい。該乳原料としては、牛乳、濃縮乳、練乳、ホエイ、クリーム、バタークリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の水中油型の乳や乳製品をはじめ、脱脂粉乳、全粉乳、ホエイパウダーなどの粉乳類や、脱脂乳などの乳糖を含有する乳製品も使用可能である。
また、本発明では、上記乳酸発酵風味素材は、基質や発酵条件の異なる2種以上の乳酸発酵風味素材を用いてもよい。
以下、上記乳酸発酵風味素材の製造方法について、乳酸菌が資化可能な基質として乳原料を使用した場合の好ましい実施態様について詳述する。
具体的には、牛乳、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の水中油型の乳や乳製品、あるいは水に、乳蛋白質、乳糖等の水溶性の乳原料を添加し、水分含量が好ましくは20〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%となるように調整して乳原料を含有するミックス液とする。また、該乳原料を含有するミックス液は、食用油脂を添加した水中油型乳化物としてもよいが、良好な風味バランスの乳酸発酵風味素材を得るため、本発明では、食用油脂は使用しないことが好ましく、より好ましくは、ミックス液は油脂含量を5質量%以下とする。
次に、必要に応じて、この乳原料を含有するミックス液を加熱する。加熱する温度は、好ましくは35〜75℃である。更に、必要に応じて均質化を行なう。均質化を行なうための均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられ、好ましくは1〜200MPaの均質化圧力にて均質化を行なう。
上記乳酸菌としては、特に制限されるものではないが、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis var. diacetylactis、Lactobacillus casei subsp. casei、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis、Lactobacillus jugurti、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus kefyr、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris 、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium breve等が挙げられ、これらを単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、これらの乳酸菌は、乳酸菌を含む発酵乳の形態で使用することも可能である。また、更に、乳酸発酵風味素材の風味を向上させる目的で、Candida kefyr、Kluyveromycesmarxianus var. marxianus、Saccharomyces unisporus、Saccharomyces florentinus等の酵母を含むスターターを使用してもよい。
乳酸発酵時間は基質濃度や乳酸菌の添加量等に応じ適宜選択可能であるが、好ましくは、乳酸発酵後のpHの値が4〜6、より好ましくは4.0〜5.5、更に好ましくは4.2〜5.2、最も好ましくは4.3〜4.8となる時間とする。
なお、上記乳酸発酵時は静置状態であってもよいが、好ましくは攪拌をおこなう。好ましい攪拌条件は、1分間に5〜50回転、より好ましくは10〜30回転である。
例えば、まず、マーガリン、ショートニング又は液状油等の既存の油脂組成物に添加し、混合する方法が挙げられる。
また、マーガリン、ショートニング又は液状油等の油脂組成物の製造の際に、その原料油脂の一部又は全部として上記脱臭焙煎胡麻油を使用する方法によっても得ることができる。
例えばショートニングやマーガリン、ファットスプレッド等の可塑性油脂組成物の場合は、上記脱臭焙煎胡麻油を含有する油相を溶解し、必要により水相を乳化混合後、冷却し、結晶化させることにより製造することができる。
また、可塑性油脂組成物の別の製造方法として、冷却し、結晶化させる際に、まだ固化する前の流動性を有する状態のうちに上記脱臭焙煎胡麻油を添加し、混合する方法によっても製造することができる。
また、本発明のベーカリー用油脂組成物を製造する際の何れかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
急冷可塑化工程後は必要に応じてシート状、ブロック状、円柱状等の形状に成形することも可能である。
本発明のベーカリー生地は上述のように本発明のベーカリー用油脂組成物を使用するものであり、使用方法としては練り込み用、ロールイン用、フィリング用、サンド用、トッピング用、スプレッド用、スプレー用、コーティング用などが挙げられるが、好ましくはベーカリー生地は、ベーカリー用油脂組成物を含有するものであり、特に好ましくは、ベーカリー生地製造時に練り込み及び/又はロールインしたものである。上記のベーカリー生地としては、例えば、クッキー生地、サブレ生地、ガレット生地、タルト生地、練りパイ生地、折パイ生地、シュー生地、サブレ生地、スポンジケーキ生地、バターケーキ生地、ケーキドーナツ生地等の焼菓子生地や、食パン生地、フランスパン生地、バラエティブレッド生地、ブリオッシュ生地、デニッシュ生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地、マフィン生地、ピザ生地、スコーン生地、蒸しパン生地、ワッフル生地、イングリッシュマフィン生地、バンズ生地等のパン生地が挙げられるが、本発明では、油脂配合量が多いため、よりナッツ様のコク味と甘味を呈する点で焼菓子生地であることが好ましく、とりわけ、クッキー生地、サブレ生地、ガレット生地、タルト生地、練りパイ生地のうちのいずれかであることが特に好ましい。
上記のベーカリー生地における本発明のベーカリー用油脂組成物の使用量は、ベーカリー生地の種類により異なるが、練り込み使用する場合で、焼菓子生地の場合は焼菓子生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは5〜120質量部、より好ましくは30〜100質量部であり、パン生地の場合はパン生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは2〜80質量部、より好ましくは4〜30質量部である。
なお、ロールイン使用する場合は、ベーカリー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは10〜150質量部、より好ましくは20〜100質量部である。
本発明のベーカリー製品は、上記の本発明のベーカリー生地の焼成品であり、詳しくは上記の本発明のベーカリー生地を、適宜、分割、成形し、必要に応じホイロ、リタード、レストをとった後、焼成することにより得ることができる。
上記成形は、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
また、得られた本発明のベーカリー製品を、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
本発明のベーカリー製品のコク味強化方法は、ベーカリー製品の製造時に上記本発明のベーカリー用油脂組成物を用いるものであり、その添加量、使用方法は上述のとおりである。
<脱臭焙煎胡麻油の製造又は未脱臭焙煎胡麻油の製造>
〔実施例1〕パームオレインのランダムエステル交換油60質量%、パーム核油とパーム極度硬化油を75:25の質量比で混合した配合油脂のランダムエステル交換油20質量%、菜種液状油20質量%からなる混合油脂76質量部にグリセリンモノステアリン酸エステル0.5質量部及びレシチン0.5質量部を添加し、溶解させた油相を用意した。この油相を65℃に調温し、ここに、水18質量部からなる水相を添加して油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分)にかけ、流動状のうちに、製造例1で得られた脱臭焙煎胡麻油A5質量部を添加し、十分に混合し、本発明のベーカリー用油脂組成物Aを得た。
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%であった。
脱脂粉乳10質量部、ホエイパウダー2質量部及び水82.99質量部を混合し、55℃に加熱し、ケミコロイド社製シャーロットコロイドミルにてクリアランス0.2mm、回転数3500rpmにて均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂乳固形分含量が12.0質量%であるミックス液を調製した。第1乳酸発酵工程として、この乳原料を含有するミックス液に、Lactococcus lactis subsp. lactis var. diacetylactis及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの2種から成る乳酸菌スターター0.01質量部を加え、30℃で15回転/分で攪拌しながら5時間発酵した。ここで、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物5質量部を添加し、更に第2乳酸発酵工程として、30℃で10回転/分で攪拌しながら7時間発酵し、pHが4.71である乳酸発酵風味素材A(固形分13.5質量%)を得た。
〔実施例8〜16及び比較例4〜6〕
上記実施例及び比較例で得られたベーカリー用油脂組成物A〜Jを用いて、次の配合及び製法によりクッキー生地A〜J、更に型抜きクッキーA〜Jを製造した。
薄力粉100質量部、砂糖40質量部、食塩0.7質量部、重炭安1質量部、重曹1質量部、水5質量部、ベーカリー用油脂組成物60質量部
卓上ミキサー(ケンウッドミキサー)にベーカリー用油脂組成物及び砂糖を投入し、軽く混合した後、中速で2分クリーミングした。次いで、あらかじめ水、食塩及び重炭安を混合した水相を少しずつ加えて攪拌し、混合した(比重:0.9)。更に薄力粉及び重曹を加えた後、低速で1分混合してクッキー生地を得た。得られたクッキー生地を、厚さ4ミリ、直径4センチの丸型で抜き、オーブン(フジサワ社製)で180℃にて10分焼成し、型抜きクッキーを得た。
得られた本発明のベーカリー製品(焼菓子)である型抜きクッキーA〜Gと、比較のための焼菓子である型抜きクッキーH〜Jは、10人のパネラーにより下記[評価基準]に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を〔表1〕に示した。
44〜50点:◎++、37〜43点:◎+、30〜36点:◎、23〜29点:○、16〜22点:△、15点以下:×
5点…優れたナッツ様のコク味と甘味を感じる。
3点…良好なコク味と甘味を感じる。
1点…コク味を感じるがナッツ様の風味ではない。
0点…コク味が弱い。または苦味を感じる
〔実施例15〜16及び比較例7〜8〕
上記実施例及び比較例で得られたベーカリー用油脂組成物B、F、I、Jを用いて、次の配合及び製法によりバターケーキ生地B,F,I、J、更に型抜きクッキーB,F,I、Jを製造した。
(配合)
薄力粉100質量部、砂糖85質量部、ベーキングパウダー1質量部、全卵(正味)90質量部、ベーカリー用油脂組成物85質量部
卓上ミキサー(ケンウッドミキサー)にベーカリー用油脂組成物及び砂糖を投入し、軽く混合した後、中速で3分クリーミングした。次いで、全卵を少しずつ加えて攪拌して混合した。更に薄力粉及びベーキングパウダーを加えた後、低速で1分混合してバターケーキ生地を得た。得られたバターケーキ生地を、紙を敷いたパウンド型に400g流し入れ、オーブン(フジサワ社製)で160℃にて40分焼成し、バターケーキを得た。
得られた本発明のベーカリー製品(焼菓子)であるバターケーキB、Fと、比較のための焼菓子であるバターケーキI、Jは、10人のパネラーにより下記[評価基準]に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を〔表2〕に示した。
44〜50点:◎++、37〜43点:◎+、30〜36点:◎、23〜29点:○、16〜22点:△、15点以下:×
5点…優れたナッツ様のコク味と甘味を感じる。
3点…良好なコク味と甘味を感じる。
1点…コク味を感じるがナッツ様の風味ではない。
0点…コク味が弱い。または苦味を感じる
〔実施例17〜18及び比較例9〜10〕
上記実施例及び比較例で得られたベーカリー用油脂組成物B、F、I、Jを用いて、次の配合及び製法によりパイ生地B,F,I、J、更にパイB,F,I、Jを製造した。
なお、ベーカリー用油脂組成物(ロールイン用油脂)についてはあらかじめ厚さ10mmの板状に成形したものを用いた。
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、砂糖2質量部、脱脂粉乳3質量部、食塩1.3質量部、ベーカリー用油脂組成物(練込油脂)5質量部、水54質量部、ベーカリー用油脂組成物(ロールイン用油脂)80質量部
ロールイン用油脂以外の原料をたて型ミキサーにて低速2分及び中速3分ミキシングした後、5℃の冷蔵庫内で生地を一晩リタードした。この生地にロールイン用油脂をのせ、定法によりロールイン(4つ折4回)、成型(縦100mm×横100mm×厚さ3mm)し、ピケローラーでピケをうった後、オーブン(フジサワ社製)で200℃にて15分焼成し、パイを得た。
焼成した。
得られた本発明のベーカリー製品(焼菓子)であるパイB、Fと、比較のための焼菓子であるパイI、Jは、10人のパネラーにより下記[評価基準]に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を〔表3〕に示した。
44〜50点:◎++、37〜43点:◎+、30〜36点:◎、23〜29点:○、16〜22点:△、15点以下:×
5点…優れたナッツ様のコク味と甘味を感じる。
3点…良好なコク味と甘味を感じる。
1点…コク味を感じるがナッツ様の風味ではない。
0点…コク味が弱い。または苦味を感じる
Claims (8)
- 脱臭焙煎胡麻油を2〜15質量%含有するベーカリー用油脂組成物。
- 脱臭焙煎胡麻油の脱臭温度が200℃未満である請求項1記載のベーカリー用油脂組成物。
- 脱臭焙煎胡麻油の焙煎温度が250℃以下である請求項1又は2記載のベーカリー用油脂組成物。
- 乳清ミネラルを固形分として0.001〜10質量%含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のベーカリー用油脂組成物。
- 油脂組成物に対し、脱臭焙煎胡麻油を2〜15質量%となる量で含有させるベーカリー用油脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のベーカリー用油脂組成物を使用したベーカリー生地。
- 請求項6記載のベーカリー生地の焼成品であるベーカリー製品。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のベーカリー用油脂組成物を用いるベーカリー製品のコク味強化方法。
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