JP6845073B2 - ゴルフクラブヘッドの製造方法 - Google Patents

ゴルフクラブヘッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6845073B2
JP6845073B2 JP2017086096A JP2017086096A JP6845073B2 JP 6845073 B2 JP6845073 B2 JP 6845073B2 JP 2017086096 A JP2017086096 A JP 2017086096A JP 2017086096 A JP2017086096 A JP 2017086096A JP 6845073 B2 JP6845073 B2 JP 6845073B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
club head
golf club
prepreg
preform
cut
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017086096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018183333A (ja
Inventor
藤田 雄三
雄三 藤田
足立 健太郎
健太郎 足立
黒木 基弘
基弘 黒木
順久 大井
順久 大井
大輔 斎藤
大輔 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honma Golf Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Honma Golf Co Ltd
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honma Golf Co Ltd, Toray Industries Inc filed Critical Honma Golf Co Ltd
Priority to JP2017086096A priority Critical patent/JP6845073B2/ja
Publication of JP2018183333A publication Critical patent/JP2018183333A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6845073B2 publication Critical patent/JP6845073B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Golf Clubs (AREA)

Description

本発明は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を用いて軽量化したゴルフクラブヘッドの製造方法に関する。
ゴルフクラブヘッドは重心位置によってインパクト時の感触が異なるため、ウェイトなどによって重心位置をコントロールする自由度の高さが求められており、そのためには本体をできるだけ軽量化することが重要である。ゴルフクラブヘッド本体を軽量化する方法として、比剛性の高い繊維強化プラスチック、特に炭素繊維を強化繊維としたCFRPの利用が拡大している。
例えば特許文献1では成形性の良いBMC(Bulk Molding Compound)を用いることで、繊維強化プラスチックを含むゴルフクラブヘッドの製造を容易にしている。特許文献2では繊維強化プラスチックを適宜使用することで、軽量化しつつ余剰重量を周辺部分に用いることにより慣性モーメントを向上させている。特許文献3でも繊維強化プラスチックのクラウン、ソールを用いることで軽量化したゴルフクラブヘッドを製造している。特許文献4では繊維強化プラスチックのクラウンを用いることで軽量化し、金属製ヘッドとの接着性の高いゴルフクラブヘッドを提供している。
特開2013-255587号公報 特開2014−8141号公報 特開2005−296609号公報 特開2010−51825号公報
しかしながら、ゴルフクラブヘッドに用いられるCFRPの量を多くすることで、さらなる軽量化を達成できる余地はある。そのためには、接合部を極力減らすことができ、かつ高い力学特性を有するCFRPを製造可能な中間基材を用いて薄肉化する必要がある。
本発明の課題は、このような点に着目し、とくに接合部を極力減らしたCFRP部分を作製可能で、本体のさらなる軽量化を可能にするとともに、余剰重量による重心調節の自由度の高く、かつ高い力学特性を有するゴルフクラブヘッドの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るゴルフクラブヘッドの製造方法は、炭素繊維と熱硬化性樹脂とからなるCFRPを20〜150g使用したゴルフクラブヘッドの製造方法であって、下記一体部を含み略ゴルフクラブヘッド形状を有するプリフォームを作製するプリフォーム工程と、作製されたプリフォームを型にセットし加熱加圧することでCFRPとする成形工程と、成形されたCFRPに金属製のフェースを取り付けるフェース取付け工程と、を含むことを特徴とする方法からなる。
(一体部)
一方向に配向した炭素繊維と樹脂とからなるプリプレグに複数の切込を挿入し、少なくとも一部の炭素繊維を繊維長が5〜50mmとなるように分断した切込プリプレグまたは切込プリプレグを複数枚積層した切込プリプレグ積層体を、雄型に押し当ててソール部とクラウン部が一体化した形状へ賦形した賦形体
本発明によれば、ソール部とクラウン部との間の接合部のないCFRPを用いて、本体が軽量で余剰重量による重心調節の自由度の高く、かつ高い力学特性を有するゴルフクラブヘッドの製造方法を提供することができる。
本発明におけるゴルフクラブヘッドの一例を示す概念図である。 本発明における一体部の賦形の様子の一例を示す概念図である。 本発明におけるプリフォームの概略断面の一例を示す概念図である。 本発明における成形工程の例を示す概念図である。 実施例で製造したゴルフクラブヘッドの概略部分断面図である。
本発明者らは、ソール・クラウン間の接合部がなく、軽量なCFRP製のゴルフヘッドを提供するために、鋭意検討し、炭素繊維と熱硬化性樹脂とからなるプリプレグを含む略ゴルフクラブヘッド形状のプリフォームを製造するプリフォーム工程と、プリフォームを型にセットし加熱加圧することでCFRPとする成形工程と、金属製のフェースを取り付けるフェース取付け工程とを含む、ゴルフクラブヘッドの製造方法において、プリフォームに一体部を含むことで、かかる課題を解決したものである。CFRPの重量は重心バランスを調整するために、20〜150gが好ましく、さらに好ましくは30〜80gである。
図1は、本発明におけるゴルフクラブヘッドの構成の一例を示している。本発明のゴルフクラブヘッド20はクラウン部1、ソール部2、ネック部3、フェース部4、ウェイト部5で構成される。本発明において、クラウン部、ソール部とは、ゴルフクラブヘッドをネック部が上になるように水平面に置いた際に、真上から表面が見える領域で、フェース部以外の部位をクラウン部、フェース部とクラウン部を除いた領域をソール部と定義する。以降、特に指定のない場合、クラウン部の面積はゴルフクラブヘッドをネック部が上になるように水平面に置いた際に、真上から見える領域の面積、ソール部の面積は真下から見える領域の面積とする。
フェース部は、ボールの当たるインパクト面と、インパクト面とソール部・クラウン部を接合する領域を含んでいてもよい。フェース部は耐久性の観点から金属製が好ましく、特にチタン製が好ましい。ゴルフクラブヘッドとシャフトを連結するネック部は、上記の定義によりソール部・クラウン部のいずれか、もしくは両方に含まれる。ウェイト部は、ゴルフクラブヘッドの重量バランスを調節する部品で必要に応じてクラウン部、ソール部に接合され、CFRP製であっても金属製であってもよい。ウェイト部は、板状であっても、ネジ状であってもよく、それらを組み合わせてゴルフクラブヘッドのユーザーが重量バランスを微調整できる構造であってもよい。ゴルフクラブヘッドは意匠性を追及するため、塗装や装飾を追加する場合があり、本発明ではそれらの総称を装飾部という。ソール部、クラウン部、ウェイト部、フェース部は塗装部を含んでいてもよいが、特に指定のない場合、本発明のゴルフクラブヘッドは装飾部を含まない。
略ゴルフクラブヘッド形状のプリフォームとは、該プリフォームを固化した際に、それ以上の基材の追加なく、フェース部、ウェイト部、装飾部以外のゴルフクラブヘッドの部位を成形でき、所定の形状に賦形されたプリプレグのことを指す(以下、特別な指定がない場合、単にプリフォームとは略ゴルフクラブヘッド形状のプリフォームを指す)。ただし、プリフォームを固化しただけでは、加熱加圧時に基材の流動により生じたバリなどが発生する場合やウェイトを取り付けるために穴あけ加工をする必要性があるため、プリフォームをCFRP化した際に、そのような削り代は生じてもよい。本発明において、特別な指定がない場合、プリプレグとは一方向に配向した炭素繊維に樹脂が含浸した基材であり、後述の切込プリプレグも含み、単層の場合もプリプレグを複数枚積層した積層体も含む。
プリプレグを構成する強化繊維として、本発明では、比強度、比剛性に優れる炭素繊維を使用する。炭素繊維の種類に特に限定はなく、用途に応じてPAN系、ピッチ系を任意に選択すればよい。樹脂は特に限定はないが、熱硬化性樹脂が賦形性の観点で好ましいことから、本発明では熱硬化性樹脂を使用することとし、熱硬化性樹脂としては、特にエポキシ樹脂が炭素繊維との接着性の観点から好ましい。
プリプレグにおける、炭素繊維の体積含有率は、力学特性の観点から40%以上が好ましいが、炭素繊維の含有率が多すぎると成形工程にて十分な流動性が得られず、一般に密度が樹脂よりも大きく重量が増加するため、65%以下が好ましい。
本発明における一体部とは、プリプレグに複数の切込を挿入し、少なくとも一部の炭素繊維を繊維長が5〜50mmとなるように分断した切込プリプレグまたは切込プリプレグを複数枚積層した切込プリプレグ積層体1枚を、雄型に押し当ててソール部とクラウン部が一体化した形状へ賦形した賦形体である。一体化しているとは、ソール部とクラウン部のつなぎ目の60%以上が接着部や溶接部など不連続な接合部を有さずに連続的であることを指す。ソール部とクラウン部のつなぎ目の80%以上が接合部を有さずに連続的であることがより好ましい。
図2は複数の切込6aを有する切込プリプレグ6を雄型7に押し付け、一体部8を賦形する様子の一例を示した概念図を示している。一体部は、雄型に押し付けた切込プリプレグの余剰分をトリミングしたものであってもよい。切込プリプレグを用いることで、ソール部とクラウン部が接合部なく一体化した形状を賦形することができる。接合部がないため、ソール部とクラウン部が剥がれることはなく、軽量であっても高い剛性を保つことができる。
また、一体部のクラウン部は、ゴルフクラブヘッドにおけるクラウン部の面積の80%以上、一体部のソール部はゴルフクラブヘッドにおけるソール部の面積の80%以上を有することが好ましい。一体部の体積を増やすことで、本発明のゴルフクラブヘッドの剛性を確保する。一体部は、成形工程後にトリミングする場合もあるため、クラウン部およびソール部の面積の100%以上となってもよいが、歩留まりの向上や雌型への噛み込みを考慮すると150%以下が好ましい。
切込プリプレグは、強化繊維が全て切込によって分断されていることが好ましい。切込によって分断された強化繊維の長さが長すぎると賦形性が低下し一体部を賦形することが困難となり、短すぎると一体部へと賦形する際に切込プリプレグが割けてしまう可能性があるため、分断された強化繊維の長さとしては5〜50mmが好ましい。さらに好ましくは10〜30mmである。
切込プリプレグに挿入する切込の長さは、短すぎると賦形性が低下し一体部を賦形することが困難となり、長すぎると一体部へと賦形する際に切込プリプレグが割けてしまう可能性があるため0.5〜5mmが好ましい。さらに好ましくは1〜3mmである。
切込プリプレグに挿入する切込と、切込プリプレグの強化繊維の配向方向(以下、繊維方向という)とがなす角度(以下、切込角という)は、大きいと一体部へと賦形する際に切込が開口し、凹凸が表面へ残る可能性があるが、小さすぎると安定して切込を挿入することが困難となる。したがって、切込角は6〜30°が好ましい。切込プリプレグ内に、切込角の正負の異なる切込が混在する場合、切込開口がより抑制されるため好ましい。
図3はネック部3を含む一体部8の断面を示している。一体部はネック部まで含まれていても、含まれていなくてもよいが、ネック部の強度を向上させるためにネック部を含んだクラウン部を有する一体部を有することが好ましい。図示例の如く複数の一体部8、8をプリフォームの中に含ませる場合はネック部を含まない一体部が含まれていてもよい。
雄型は、金属製でも樹脂製でもよいが、十分な加熱・加圧に耐えられるよう、金属製が好ましい。硬化後のCFRPを効率よく取り出すために、分割可能な雄型であってもよい。
プリフォームは雄型にセットしたまま、雌型で挟み込む。図4は雄型7にセットしたプリフォーム21を雌型11で挟み込んだ概念図を示している。雌型11はゴルフクラブヘッドの形状に応じて、適宜脱型しやすいように、図示の如く2つ以上の雌型で挟み込むことが好ましい。雌型同士の間には、基材の噛み込みにより、雌型を押し切れなくすることを防止するための噛み込み防止用の溝15が設けられていてもよい。雌型も、十分な圧力を与えることができ、耐熱性のある金属製が好ましい。
成形工程では、雄型と雌型に挟まれたプリフォームを加熱・加圧する。予め加熱した雌型にプリフォームをセットし、そのまま加圧しても、常温の雌型にプリフォームをセットし、加圧しながら徐々に加熱してもよい。
成形工程において、クラウン部やソール部にCFRP製のリブを生成してもよい。特許文献1のように、クラウン部またはソール部をCFRPに置換する際に、切込プリプレグを用いることで、リブのあるCFRPパーツとすることができるが、本発明では例えば図4(b)に示すように、リブ成形用の溝14を設けておくことで、成形工程にて強化繊維が流動して流れ込み、クラウン部またはソール部にリブを生成することができる。リブをCFRP製とすることで、薄いクラウン部、ソール部であっても軽量性を保ちつつ剛性を向上させることができる。リブの個数や形状に限定はなく、必要に応じて複数のリブや十字型のリブなどを設けてもよい。
フェース取り付け工程では、金属製のフェース部を成形工程によって得たCFRPに取り付ける。取り付け方法は、接着剤であっても、ネジ止めであってもよいが、重量の観点から接着剤を使用することが好ましい。フェース部とCFRPの接着部は、CFRPが表面にきてもよいし、フェース部が表面にきてもよい。
本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法では、プリフォーム工程、成形工程、フェース取り付け工程が含まれていれば他の工程が含まれていてもよく、成形工程で生じたバリなどをトリミングする工程や、塗装工程、ウェイトを取り付ける工程を必要に応じて追加してもよい。
本発明において、一体部への賦形方法は、プレス機を用いても、手作業で行ってもよいが、より精度よく複雑形状を有する一体部へと賦形するためには、手作業で雄型に切込プリプレグまたは切込プリプレグ積層体を手作業で雄型に押し付けて賦形し一体部とすることが好ましい。切込プリプレグ積層体を手作業で雄型に押し付ける際、ドライヤーなどを用いて、適宜基材を加熱することで、切込プリプレグ積層体を伸張させやすくなる。伸張して型に収まりきらなくなった切込プリプレグは適宜切断し、型に収まるようにしてもよい。型に収まりさえすれば、プリフォームにシワが残っていたとしても、成形工程にて切込プリプレグが流動し、シワを消すことができる。
一体部を賦形する際、切込プリプレグは単層であっても積層体であってもよいが、繊維方向が直角に交わるように切込プリプレグを積層したクロスプライ積層体が特に賦形性が良く、好ましい。クロスプライ積層体とすることで繊維方向に対して±45°方向へ切込プリプレグが伸張しやすくなり、手作業で雄型へ賦形する際に、特に好ましい。クロスプライ積層体は、繊維方向が直角に交わる切込プリプレグで構成されていれば、3枚以上の切込プリプレグで構成されていてもよい。
本発明のさらに好ましい態様としては、プリフォームに、一体部が2つ以上含まれており、少なくとも一つはゴルフクラブヘッドの略表面形状、少なくとももう一つはゴルフクラブヘッドの略内面形状を有する態様が挙げられる。ゴルフクラブヘッドの略表面形状を有する一体部とは、図4に示すように、雌型11に沿った一体部9を指し、ゴルフクラブヘッドの略内面形状を有する一体部とは、雄型7に沿った一体部10を指す。ネック部はインパクト時の衝撃に耐えるため厚肉構造が好ましいため、図4(a)に示すようにネックの形状を有する部品(以下、ネックパーツという)12の厚肉部を挟み込むような一体部とすることで、ネック部を強固な厚肉部とすることができる。ネックパーツは、予め硬化もしくは半硬化した形状の部品を一体部と接着剤もしくは、成形工程時に一体部と同時に硬化してもよく、例えば図4(b)に示すように成形工程にて切込プリプレグを流動させて形成してもよい。前者の場合、ネックパーツはCFRP製であることが、軽量化の観点から好ましく、その製造方法は射出成形やSMC、BMC、切込プリプレグによるプレス成形もしくは鋳造成形の中から選択してもよい。ネック部はプリプレグとの接触面積を大きくすることで、ネックパーツがゴルフクラブヘッドに強固に接着される。
本発明では、プリフォームが、ソール部とクラウン部が一体化されていないプリプレグ13を含んでいてもよい。以下、一体化されていないプリプレグを追加積層プリプレグという。例えば図4に示したように追加積層プリプレグ13を含むことで、成形時にクラウン部またはソール部に凹凸のデザインを設けたり、ゴルフクラブヘッドの剛性を高めることができる。単に剛性を高めることが目的であれば、追加積層プリプレグは切込の入っていないプリプレグでもよいが、凹凸形状を設ける目的であれば、追加積層プリプレグは切込プリプレグであることが好ましい。追加積層の切込プリプレグは、切込によって分断された炭素繊維の繊維長が15mm以下であることが流動性の観点から好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例に記載の発明に限定されるものではない。本実施例では、“トレカ”(登録商標)プリプレグシートP3252S−15(以下、単にプリプレグと称する場合、このプリプレグシートを意味する)を用いて、ゴルフクラブヘッドを製造した。
(実施例1)
<切込プリプレグのクロスプライ積層体準備>
プリプレグに切込を挿入し、切込プリプレグを作製した。切込の長さは1mm、切込角度は+14°と−14°の切込が交互に存在し、切込によって全ての炭素繊維が分断される切込パターンとした。切込によって分断される炭素繊維の長さが異なる2種の切込プリプレグを準備し、炭素繊維が25mmに分断されている切込プリプレグを切込プリプレグA、12.5mmに分断されている切込プリプレグを切込プリプレグBとした。
切込プリプレグAを繊維方向が直角に交差するように2枚積層し、350mm×350mmのクロスプライ積層体Aを作製した。切込プリプレグBについても繊維方向が直角に交差するように2枚積層し、ソール部の面積の60%を有するクロスプライ積層体Bと、クラウン部の面積の60%を有するクロスプライ積層体Cを作製した。
<プリフォーム工程>
雄型に、クロスプライ積層体を押し付け、ゴルフクラブヘッドの略内面形状の一体部を賦形した。一体部賦形時には、クロスプライ積層体をドライヤーで適宜加熱しながら、±45°方向に伸ばしながら雄型の形状に追従させた。
続いて、略内面形状の一体部の上から1枚切込プリプレグBのクロスプライ積層体を追加積層した。追加積層プリプレグは、ソール部、クラウン部に積層し、それぞれソール部、クラウン部の面積の80%とした。
続いて、ネックパーツを略内面形状の一体部の上にはめこんだ。ネックパーツは予め専用の型に、繊維長20mmの炭素繊維とエポキシ樹脂とからなり、繊維の体積含有率が40%BMCを流し込み、型を閉じて硬化させることで製造した。
再び、350mm×350mmのクロスプライ積層体を準備し、略内面形状の一体部、ネックパーツの上から、さらにゴルフクラブヘッドの略表面形状を有する一体部を賦形した。
<成形工程>
プリフォームを雄型にセットしたまま、常温の雌型にセットした。雌型は、図5(a)に賦形後のプリフォーム22の概略断面構造を示すように、クラウン部、ソール部ともに凹凸のない表面形状に賦形できる雌型とした。プレス機を用いて、クラウン部およびソール部に、1MPaの圧力が与えられるように加圧しながら、加熱した。プレス機の盤面は150℃に設定し、加圧開始から1時間後にCFRPとなったプリフォームを取り出した。雌型は分割型となっており、雌型を分割しながら雄型からCFRPを脱型した。
<重量測定>
成形工程を経たCFRPから、所定の形状のCFRPを得るためにバリなどの不要部分をトリミングした。得られたCFRPの重量を電子天秤で測定したところ、35gであった。
<ゴルフドライバー完成>
型から取り外したCFRPに チタン製のフェースおよびソール を、接着剤を用いて取り付けた。接着剤は3M製DP420を使い、80℃×20分 の条件で硬化させた。そして、ウェイトとして、20gの部品を装着 し、CFRPをゴルフクラブヘッドとした。続いて、ネック部にCFRP製シャフト(品番:HONMA VIZARD EX−Z65)を接着剤(品番:ハードロック)で固定した。
<打撃音>
平均スコア80〜90 の試打者5人が試打を行い、打撃音を評価したところ、金属音に近い打撃音であることが確認できた。
<耐久性>
試打回数が合計3000打の時点で、異常はみられなかった。
(実施例2)
雌型を、図5(b)に賦形後のプリフォーム23の概略断面構造を示すように、ソール部に凹凸のある表面形状に賦形できる雌型とし、プリフォームの追加積層プリプレグの量を3倍に増やしたこと以外は、実施例1と同様にしてゴルフクラブヘッドを製造し、ゴルフドライバーを完成させた。ソール部の凹凸にもCFRPが充填しており、意匠性のよいゴルフクラブヘッドとなった。CFRPの重量は43gであった。打撃音は実施例1と同様に金属音に近い音、耐久性も3000打の時点で異常はみられなかった。
(比較例1)
切込プリプレグAの代わりに切込の入っていないプリプレグを用いた以外、実施例1と同様に賦形を試みた。しかし、一体部を賦形する際に、クロスプライ積層体Aを伸ばしきることができず、シワが発生し、一体部を賦形することができなかった。
(比較例2)
一体部を賦形せず、代わりに、ソール部、クラウン部の形状を有する積層体をクロスプライ積層体Aから切り出し、それぞれ雄型のソール部、クラウン部に相当する箇所に貼り付け、プレス機にセットした以外は、実施例1と同じ条件でゴルフクラブヘッドを製造し、ゴルフドライバーを完成させた。CFRPの重量は35gであった。
打撃音を評価したところ、実施例1、2に比べると若干乾いた音がした。耐久性を確認したところ、50打でソール部とクラウン部の間にヒビが入り、割れてしまった。
1:クラウン部
2:ソール部
3:ネック部
4:フェース部
5:ウェイト部
6:切込プリプレグ
6a:切込
7:雄型
8:一体部
9:略表面形状の一体部
10:略内面形状の一体部
11:雌型
12:ネックパーツ
13:追加積層プリプレグ
14:リブ成形用の溝
15:噛み込み防止用の溝
20:ゴルフクラブヘッド
21:プリフォーム
22、23:賦形後のプリフォーム

Claims (5)

  1. 炭素繊維と熱硬化性樹脂とからなるCFRPを20〜150g使用したゴルフクラブヘッドの製造方法であって、
    下記一体部を含み略ゴルフクラブヘッド形状を有するプリフォームを作製するプリフォーム工程と、
    作製されたプリフォームを型にセットし加熱加圧することでCFRPとする成形工程と、
    成形されたCFRPに金属製のフェースを取り付けるフェース取付け工程と、
    を含むことを特徴とする、ゴルフクラブヘッドの製造方法。
    (一体部)
    一方向に配向した炭素繊維と熱硬化性樹脂とからなるプリプレグに複数の切込を挿入し、少なくとも一部の炭素繊維を繊維長が5〜50mmとなるように分断した切込プリプレグまたは切込プリプレグを複数枚積層した切込プリプレグ積層体を、雄型に押し当ててソール部とクラウン部が一体化した形状へ賦形した賦形体
  2. 切込プリプレグまたは切込プリプレグ積層体を雄型に押し付けて賦形し一体部とする、請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  3. 複数枚の切込プリプレグを繊維方向が交差するように積層した切込プリプレグ積層体を雄型に押し付けて賦形し一体部とする、請求項2に記載のゴルフヘッドの製造方法。
  4. プリフォームに、一体部が2つ以上含まれており、少なくとも一つはゴルフクラブヘッドの略表面形状、少なくとももう一つはゴルフクラブヘッドの略内面形状を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  5. プリフォームが、さらに、ソール部とクラウン部が一体化されていないプリプレグを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
JP2017086096A 2017-04-25 2017-04-25 ゴルフクラブヘッドの製造方法 Active JP6845073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017086096A JP6845073B2 (ja) 2017-04-25 2017-04-25 ゴルフクラブヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017086096A JP6845073B2 (ja) 2017-04-25 2017-04-25 ゴルフクラブヘッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018183333A JP2018183333A (ja) 2018-11-22
JP6845073B2 true JP6845073B2 (ja) 2021-03-17

Family

ID=64356383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017086096A Active JP6845073B2 (ja) 2017-04-25 2017-04-25 ゴルフクラブヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6845073B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04156866A (ja) * 1990-10-18 1992-05-29 Mitsubishi Kasei Corp 炭素繊維強化熱可塑性樹脂製ゴルフクラブヘッド
JP4222118B2 (ja) * 2003-06-18 2009-02-12 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフクラブヘッド
JP4714293B2 (ja) * 2003-07-31 2011-06-29 Sriスポーツ株式会社 ゴルフクラブヘッドの製造方法
JP2005296043A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法
US7651414B2 (en) * 2004-10-13 2010-01-26 Roger Cleveland Golf Company, Inc. Golf club head having a displaced crown portion
JP5886595B2 (ja) * 2011-10-28 2016-03-16 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフクラブヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018183333A (ja) 2018-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI688424B (zh) 混合材料高爾夫球桿頭
US9283449B1 (en) Golf club head with composite face
US10232233B2 (en) Golf club head
JP4639749B2 (ja) ゴルフクラブヘッドの製造方法
CN100462117C (zh) 高尔夫球杆头
JP4287769B2 (ja) ゴルフクラブヘッド及びその製造方法
US8101262B2 (en) Fiber-reinforced plastic and process for production thereof
JP4922912B2 (ja) ゴルフクラブおよびそのクラブ・ヘッドに使用される複合材フェース・プレートの加工方法
US20180147458A1 (en) Golf Club Head With Composite Face
US20090042665A1 (en) Composite Golf Club Hosels and Methods of Use Thereof
JP2006130065A (ja) ゴルフクラブヘッド
CN110652711A (zh) 复合材料高尔夫球杆头及其制造方法
JP6845073B2 (ja) ゴルフクラブヘッドの製造方法
CN102343676A (zh) 具有复合层状结构的高尔夫杆头构件及其制造方法
JP4714293B2 (ja) ゴルフクラブヘッドの製造方法
JP4680554B2 (ja) ゴルフクラブヘッドの製造方法
JP2005296609A5 (ja)
US20120073739A1 (en) Advanced unidirectional material compression-molded face component
JP2010005177A (ja) ゴルフクラブヘッドの製造装置およびゴルフクラブヘッドの製造方法
JP4550452B2 (ja) ゴルフクラブヘッドの製造方法
JP2004000531A (ja) ゴルフクラブヘッド
JP2011004940A (ja) ゴルフクラブヘッド成形用金型およびゴルフクラブヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6845073

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250