JP6844110B2 - 一方向性電磁鋼板の製造方法及び一方向性電磁鋼板用原板の製造方法 - Google Patents

一方向性電磁鋼板の製造方法及び一方向性電磁鋼板用原板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、皮膜密着性及び耐錆性を改善した一方向性電磁鋼板を得るための製造方法に関する。
通常、一方向性電磁鋼板の表面には2層の皮膜を形成し、鋼板に張力を付与することで単板としての磁気特性を改善するとともに積層して磁気部材を構成する際の鋼板間の絶縁性を高めて部材の磁気効率を高めている。皮膜の内、母鋼板側のいわば下地皮膜となるグラス皮膜はフォルステライトを主体とする酸化物であり、これ自身が張力付与や絶縁性に寄与するが、上層の絶縁皮膜の密着性を確保するという重要な役割を持つ。このグラス皮膜に関しては、特に凹凸、根、皮膜厚さといったグラス皮膜の形成状態の構造が密着性と密接に関係していることが知られている。
また、製品が海外の需要家へ納入される場合、温度や湿度など鋼板にとって過酷な輸送環境下に長期間保管されることが多い。そのため錆などが発生し、需要家から外観のみならず製品磁性への影響が懸念されることがしばしば存在する。これは皮膜の密着性が低く、製品板の取り扱いにおいて皮膜に発生するわずかなクラックなどが問題となる他、皮膜の緻密さや均一性など、水分の透過に対する湿潤環境からの保護膜としての機能が重要となる。
グラス皮膜に関する既存技術としては、例えば特許文献1(特開昭62−156226号公報)では、高温焼成したMgOの最表層のみを気相中で処理することにより水和層を形成して、MgOの反応性を高め、含有水分を減少させることで、絶縁性を向上させるという技術開示がなされている。また耐錆性を改善する手段として、特許文献2(特開平9−256164号公報)では、鋼表面に、ほう酸アルミニウムを主体とする皮膜を形成するにあたり、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物のうち一種または二種と、希土類金属化合物およびジルコニウム、ハフニウムのうち一種または二種以上の混合物とを添加する技術が開示されている。
しかし、これらの従来技術では、張力(磁気特性)、密着性、耐錆性の両立において改善の余地がある。
特開昭62−156226号公報 特開平9−256164号公報
本発明は、グラス皮膜の構造を制御し、付与張力、密着性と耐錆性を両立した一方向性電磁鋼板の製造方法及び一方向性電磁鋼板用原板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は製造プロセスと皮膜特性の関連を検討したところ、脱炭焼鈍の前処理として熱処理を行うと密着性と耐錆性が向上する場合があることを知見した。さらにその前処理の条件を詳細に検討すると、特に高露点で短時間の熱処理とすると皮膜に関する特性が向上することがわかった。そして、この効果は特に脱炭焼鈍中の酸化初期の酸化挙動を変えると脱炭焼鈍全体で形成される酸化層の形態が変化し、それがその後の仕上げ焼鈍で形成されるグラス皮膜の形態に影響を及ぼすことに起因していると考えられた。この熱処理を工業的に実施する手段を検討し、脱炭焼鈍の昇温を高露点、急速加熱し、さらに脱炭初期を低露点、短時間だけ高温で実施すると同等の効果が得られることを確認し、本発明を完成した。具体的には以下のものである。

絶縁皮膜と母鋼板の間に平均粒径が0.6μm以上、2.0μm以下のフォルステライトを主体とする皮膜を有し、前記フォルステライトを主体とする皮膜のフォルステライトの粒径分布の標準偏差が0.6μm以下である一方向性電磁鋼板の製造方法であって、
鋼スラブを熱延し、必要により熱延板を焼鈍し、最終製品厚まで冷延し、脱炭焼鈍し、必要により窒化焼鈍し、最終仕上げ焼鈍し、絶縁皮膜処理して製造される一方向性電磁鋼板の製造プロセスにおいて、脱炭焼鈍での昇温を、雰囲気のPH2 O/PH2 :0.65〜3.0、加熱速度≧100℃/s以上、加熱温度≧800℃以上で実施し、750℃以上での滞在時間≦5秒として引き続き、脱炭を、雰囲気のP(H2 O)/P(H2 ):0.25〜0.6、最高到達温度Y:700〜900℃、Y−30℃超での滞在時間≦4秒、最高温度到達後のY−30℃〜Y−85℃での滞留時間≧10秒 で実施とすることを特徴とする一方向性電磁鋼板の製造方法。

母鋼板の表面に平均粒径が0.6μm以上、2.0μm以下のフォルステライトを主体とする皮膜を有し、前記フォルステライトを主体とする皮膜のフォルステライトの粒径分布の標準偏差が0.6μm以下である一方向性電磁鋼板用原板の製造方法であって、
鋼スラブを熱延し、必要により熱延板を焼鈍し、最終製品厚まで冷延し、脱炭焼鈍し、必要により窒化焼鈍し、最終仕上げ焼鈍して製造される一方向性電磁鋼板用原板の製造プロセスにおいて、脱炭焼鈍での昇温を、雰囲気のP(H2 O)/P(H2 ):0.65〜3.0、加熱速度≧100℃/s以上、加熱温度≧800℃以上で実施し、750℃以上での滞在時間≦5秒として引き続き、脱炭を、雰囲気のP(H2 O)/P(H2 ):0.25〜0.6、最高到達温度Y:700〜810℃、Y−30℃超での滞在時間≦4秒、最高温度到達後のY−30℃〜Y−85℃での滞留時間≧10秒 で実施とすることを特徴とする一方向性電磁鋼板用原板の製造方法。
本発明によれば、緻密で均一なグラス皮膜を有する、付与張力、密着性と耐錆性を両立した一方向性電磁鋼板、一方向性電磁鋼板用原板、及びそれらの製造方法が得られる。
グラス皮膜組織を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(製品の特徴)
本発明鋼の観察事例として、従来鋼と発明鋼における鋼板表面組織の観察例を図1(右図が従来鋼、左図が発明鋼)に示す。図1は、脱炭焼鈍の昇温を露点80℃または0℃の雰囲気にて、加熱速度180℃/sまたは50℃/sで実施した脱炭板に焼鈍分離剤を塗布し、仕上げ焼鈍を実施した後の鋼板の表面組織である。鋼板表面は、脱炭焼鈍で形成されていたSiO2主体の酸化物と、塗布した焼鈍分離剤中に含有されていたMgOが反応して形成されたグラス皮膜で覆われている。
詳細は不明であるが、このようなグラス皮膜の変化は脱炭時の酸化により脱炭板の表層に形成するSiOなどの酸化物の形態変化が起因になっていると考えられる。脱炭板については、露点や加熱速度に関わらず、ガス分析による酸素量は1000ppm程度と大きな変化が見られない。しかし高露点、高加熱速度とした脱炭板の方がSiOなどの酸化物が存在する酸化層が厚く、酸化物の形態も複雑になる傾向が見られる。このような変化は、急速な高温中での熱処理では、高温状態において鋼板表面への酸素の導入が進み易くなり、結果として酸化挙動が変化したため生じたものと思われる。このような脱炭板における酸化膜の変化が、結果として仕上げ焼鈍で形成されるグラス皮膜の緻密で均一な構造形成に寄与するものと考えている。グラス被膜の緻密さや均一さが密着性に影響する原因は必ずしも明らかではないが、グラス被膜の粒径が小さくなり緻密かつ均一なフォルステライトで形成されると、グラス皮膜と母鋼板との界面のミクロな凹凸も微細かつ均一になり、接触面積が増加するとともに鋼板変形時の応力集中も小さくなり耐剥離性が向上することが期待される。緻密さは、従来から知られ制御されているグラス皮膜と母鋼板との界面のマクロな凹凸の深さや皮膜自体の厚みなどに加え、皮膜特性を制御するための重要な要因であると考えられる。
そして、このようなグラス皮膜であれば、付与張力も大きく磁気特性向上に寄与するばかりでなく、グラス皮膜の母鋼板への密着性が高く、その上に塗布される絶縁皮膜の密着性も向上するため高い張力を発生させる絶縁皮膜の塗布が可能となり、さらに皮膜のクラックなどの欠陥発生を回避するとともに、水分の透過を抑制することで耐錆性も良好なものとなるのである。
本発明では、製品板(一方向性電磁鋼板)としては絶縁皮膜と母鋼板の間に粒径が2.0μm以下のフォルステライトを主体とする皮膜を有することを、中間製品(一方向性電磁鋼板用原板)としては、母鋼板の表面に粒径が2.0μm以下のフォルステライトを主体とする皮膜を有することを特徴とする。
ここで「フォルステライトを主体とする皮膜」は一般的には「グラス皮膜」と呼ばれているものであり、本発明では単に「グラス皮膜」として記述する場合もある。グラス皮膜は、例えば、フォルステライト(MgSiO)、スピネル(MgAl)、または、コーディエライト(MgAlSi16)などの複合酸化物によって構成されている。詳細は後述するが、グラス皮膜は、一方向性電磁鋼板の製造プロセスの1つである仕上げ焼鈍工程において、鋼板に焼き付きが発生することを防止するために形成された皮膜である。
本発明ではこれらの不可避的に形成される複合酸化物などを含めて、「フォルステライトを主体とする皮膜」とし、その皮膜の観察において、粒径として観察されるものを「フォルステライトの粒径」とする。
本発明において、「フォルステライトを主体とする」とは、皮膜中におけるフォルステライトの比率が50%以上であることを意味する。フォルステライトの比率の確認方法は、皮膜の粒径観察面をSEM−EDSによりMg、Mn、Si、Al、Oについてマッピングした際、Mg、Si、Oが同時に検出される(Al、Mnも検出されても良い)領域を「フォルステライト」と判断し、この領域の面積率が50%以上である場合に、「フォルステライトを主体とする」と判断する。なお、フォルステライトと判断されないスピネル、コーディエライトなどの含有量、形態などについては特に規定はない。
製品においてはこのグラス皮膜がさらに上層に形成される絶縁皮膜と母鋼板の間に存在する形態となる。この構成自体は特に本発明で新たに規定されるものではなく一般的な構成である。
絶縁皮膜は、例えば、コロイダルシリカ及びリン酸塩を含有し、電気的絶縁性だけでなく、張力、耐食性及び耐熱性等を鋼板に与える役割を担っている。これも本発明で特に限定するものでなく公知の絶縁皮膜であればよい。
本発明で特に重要となるのはグラス皮膜の形態である。本発明ではグラス皮膜の平均粒径を2.0μm以下とする。好ましくは0.01〜1.5μm、さらに好ましくは0.05〜1.0μmである。これは通常のグラス皮膜粒子が5μm前後であるのに対して小さい。本発明ではグラス皮膜の緻密さ、均一さを高めることで張力、密着性、耐錆性が向上していると考えれらるため、細かいほど好ましい。一方で実用的な雰囲気制御や加熱速度制御が困難となるため、下限を0.01μmまたは0.05μmと設定する。
粒径分布の標準偏差は、0.6μm以下とする。これはグラス皮膜をより緻密な構造とし、鋼板製造後の雰囲気からの水分透過を抑制し、母鋼板からの発錆を抑えるためである。好ましくは0.4μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下である。
ここで、グラス皮膜組織は、一方向性電磁鋼板(製品板)については表面の絶縁皮膜を剥離した鋼板について、一方向性電磁鋼板用原板(中間製品板)については仕上げ焼鈍直後の鋼板について、表面のグラス皮膜をSEMにて観察する。
なお、絶縁皮膜は、例えば、絶縁皮膜を有する方向性電磁鋼板を、NaOH:10質量%+HO:90質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、80℃で15分間、浸漬して洗浄する。最後に、温風のブロアーで1分間弱、乾燥させる方法によって除去することができる。このように絶縁被膜を剥離した後の鋼板で観察するグラス皮膜表面は、本発明で規定する特徴に関しては、絶縁被膜を形成する前のグラス皮膜の状態がほぼそのまま観察される。つまり、本発明において製品板で得られるグラス皮膜の状態は、絶縁被膜形成前の中間製品である仕上げ焼鈍後の鋼板において達成されているものである。
粒径は、一般的な線分法もしくは、SEM画像で粒界をトレースする画像処理により円相当径として求める。また、標準偏差の計算は、分散の平方根を求める一般的な計算方法により得る。
(母鋼板について)
本発明の一方向性電磁鋼板は、冷間圧延処理と焼鈍処理との組み合わせによって、結晶粒の磁化容易軸と圧延方向とが一致するように結晶方位が制御された母鋼板(地鉄)と、母鋼板の表面に形成されたグラス皮膜と、グラス皮膜の表面に形成された絶縁皮膜とを備えている。
母鋼板は、化学成分として、例えば質量分率で、C:0%超〜0.003%、Si:2.5%〜4.0%、酸可溶性Al:0%〜0.065%、N:0%〜0.003%、Mn:0%〜3.0%、Cr:0%〜0.3%、Cu:0%〜0.4%、P:0%〜0.5%、Sn:0%〜0.30%、Ni:0%〜1%、S:0%〜0.030%、を含有し、残部がFe及び不純物からなる。
上記の化学成分は、結晶方位を{110}<001>方位に集積させたGoss集合組織に制御するために好ましい化学成分である。上記元素のうち、Si及びCが基本元素であり、酸可溶性Al、N、Mn、Cr、Cu、P、Sn、NiおよびSが選択元素である。上記の選択元素は、その目的に応じて含有させればよいので下限値を制限する必要がなく、下限値が0%でもよい。その他、選択元素として、公知技術として知られている元素を含有しても、また、これらの選択元素が不純物として含有されても、本実施形態の効果は損なわれない。上記の母鋼板は、上記の基本元素および選択元素の残部がFe及び不純物からなってもよい。なお、不純物とは、母鋼板を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境等から不可避的に混入する元素を意味する。
Cは、磁気時効を引き起こし磁気特性を劣化させるので、0.003%以下にする必要がある。存在してなくても本発明効果は失われるものではないが、低減コストの観点から下限を0.0001%とすることが好ましい。
Siは、添加量を多くして固有抵抗を高めて鉄損特性を改善するため2.5%以上とする。しかし、昜酸化元素であり、本発明の特徴である脱炭焼鈍初期の酸化挙動を適度に制御するため4.0%以下にすることが好ましい。
酸可溶性Alは、不純物として微量に含まれてしまう元素であるため、完全にゼロにすることは困難である。実用的には0.003%以上である。0.065%以上含有すると、グラス皮膜密着性が低下する。
Nは、不純物として微量に含まれてしまう元素であるため、完全にゼロにすることは困難である。実用的には0.0030%以下である。0.030%を超えて含有すると、緻密で均一なグラス皮膜を得にくくなる。
Mnは固有抵抗を高め、鉄損特性を改善する。全く含有しなくてもよいが、実用の析出物として機能する含有量が0.01%以上、3.0%未満とする。3.0%を超えると仕上げ焼鈍時にγ変態が生じ良好な二次再結晶を阻害する。
Crは、脱炭焼鈍の酸化膜を改善し、グラス皮膜形成に有効な元素であり、0.3%以下の範囲で添加する。0.3%を超えると皮膜の密着性に悪影響をきたす。
Cuは、固有抵抗を高めて鉄損を低減させることに有効な元素である。添加量が0.4%を超えると鉄損低減効果が飽和するとともに、熱延時に「カッパーヘゲ」なる表面疵の原因になる。
Pは、添加量が0.5%を超えると圧延性に問題を生じる。
Snに関して、仕上げ焼鈍の条件によっては焼鈍分離剤から放出される水分によりAlが酸化されてインヒビター強度が変化する。そのため磁気特性がコイル位置の違いにより変動する場合がある。この対策の一つとして、粒界偏析を生じやすい元素を添加することにより、酸化を防止する方法がある。そのためにSnは0.30%以下の範囲で添加できる。一方0.30%を超えると脱炭焼鈍時に酸化されにくく、グラス皮膜の形成が不十分となると共に、脱炭性を著しく阻害する。
Niは固有抵抗を高めて鉄損を低減させることに有効な元素で、熱延板の金属組織を制御して磁気特性を向上させる上で有効な元素である。しかしながら、添加量が1%を超えると二次再結晶が不安定になる。
Sは、全く含有しなくてもよいが、0.0030%以上0.030%以下の含有とすることが好ましい。本発明の特徴でもある緻密かつ均一なグラス皮膜が得られなくなる。全く含有しなくても良いが、不純物として微量に含まれてしまう元素であるため、完全にゼロにすることは困難であり、実用的には0.0001%以上である。
また、電磁鋼板では二次再結晶時に純化焼鈍を経ることが一般的である。純化焼鈍においてはインヒビター形成元素の系外への排出が起きる。特にN、Sについては濃度の低下が顕著で、50ppm以下になる。通常の純化焼鈍条件であれば、9ppm以下、さらには6ppm以下、純化焼鈍を十分に行えば、一般的な分析では検出できない程度(1ppm以下)にまで達する。
上記母鋼板の化学成分は、鋼の一般的な分析方法によって測定すればよい。例えば、母鋼板の化学成分は、ICP−AES(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry)を用いて測定すればよい。具体的には、皮膜除去後の鋼板2の中央の位置から35mm角の試験片を、島津製作所製ICPS-8100等(測定装置)により、予め作成した検量線に基づいた条件で測定することにより特定できる。なお、CおよびSは燃焼−赤外線吸収法を用い、Nは不活性ガス融解−熱伝導度法を用いて測定すればよい。
(製法について)
次に本実施形態に係る一方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。また本発明鋼板は、以下の製造方法で得られた鋼板に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明鋼は、一般的に知られている一方向性電磁鋼板の製造法である、溶解、熱延、熱延板焼鈍、酸洗、冷延、脱炭焼鈍、必要に応じた窒化焼鈍、焼鈍分離剤塗布、仕上げ焼鈍の工程により製造できる。以下にまず一般的な一方向性電磁鋼板の製造法を示す。
最初の鋳造工程では、質量分率で、C:0%超〜0.10%、Si:2.5%〜7%、酸可溶性Al:0%〜0.065%、N:0%〜0.012%、Mn:0%〜3.0%、Cr:0%〜0.3%、Cu:0%〜0.4%、P:0%〜0.5%、Sn:0%〜0.30%、Ni:0%〜1%、S:0%〜0.050%、を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学成分を有する溶鋼が連続鋳造機に供給されて、スラブが連続的に製出される。
続いて、熱間圧延工程では、鋳造工程から得られたスラブが所定の温度(例えば1150〜1400℃)に加熱された後、そのスラブに対して熱間圧延が実施される。これにより、例えば、1.8〜3.5mmの厚さを有する熱延鋼板が得られる。
続いて、熱延板焼鈍を行う場合、熱間圧延工程から得られた熱延鋼板に対して、所定の温度条件(例えば750〜1200℃で30秒〜10分間加熱する条件)の下で焼鈍処理が実施される。続いて、冷間圧延工程では、酸洗処理が実施された後、熱延鋼板に対して冷間圧延が実施される。これにより、例えば、0.15〜0.35mmの厚さを有する冷延鋼板が得られる。
続いて、脱炭焼鈍工程では、冷間圧延工程から得られた冷延鋼板に対して、所定の温度条件(例えば700〜900℃で1〜3分間加熱する条件)の下で熱処理(すなわち、脱炭焼鈍処理)が実施される。このような脱炭焼鈍処理が実施されると、冷延鋼板において、炭素が所定量以下に低減され、一次再結晶組織が形成される。また、脱炭焼鈍工程では、冷延鋼板の表面に、シリカ(SiO)を主成分として含有する酸化物層が形成される。
続いて、焼鈍分離剤塗布工程では、マグネシア(MgO)を主成分として含有する焼鈍分離剤が、冷延鋼板の表面(酸化物層の表面)に塗布される。続いて、仕上げ焼鈍工程では、焼鈍分離剤が塗布された冷延鋼板に対して、所定の温度条件(例えば1100〜1300℃で20〜24時間加熱する条件)の下で熱処理(すなわち、仕上げ焼鈍処理)が実施される。このような仕上げ焼鈍処理が実施されると、二次再結晶が冷延鋼板に生じるとともに、冷延鋼板が純化される。その結果、上述の母鋼板の化学組成を有し、結晶粒の磁化容易軸と圧延方向とが一致するように結晶方位が制御された一方向性電磁鋼板の母材が得られる。
また、上記のような仕上げ焼鈍処理が実施されると、シリカを主成分として含有する酸化物層が、マグネシアを主成分として含有する焼鈍分離剤と反応して、鋼板の表面にフォルステライト(MgSiO)等の複合酸化物を含むグラス皮膜が形成される。仕上げ焼鈍工程では、鋼板がコイル状に巻かれた状態で仕上げ焼鈍処理が実施される。仕上げ焼鈍処理中に鋼板の表面にグラス皮膜が形成されることにより、コイル状に巻かれた鋼板に焼き付きが発生することを防止することができる。
最後の絶縁皮膜成形工程では、上記のグラス皮膜が形成された鋼板表面に対して、例えばコロイダルシリカ及びリン酸塩を含有する絶縁コーティング液が、グラス皮膜の上から塗布される。その後、所定の温度条件(例えば840〜920℃)の下で熱処理が実施されることにより、最終的に、グラス皮膜及び絶縁皮膜とを備える一方向性電磁鋼板が得られる。
上記のように製造された一方向性電磁鋼板の母鋼板は、化学成分として、質量分率で、Si:2.5%〜7%、C:0%超〜0.10%、酸可溶性Al:0%〜0.065%、N:0%〜0.012%、Mn:0%〜3%、Cr:0%〜0.3%、Cu:0%〜0.4%、P:0%〜0.5%、Sn:0%〜0.3%、Ni:0%〜1%、S:0%〜0.050%、を含有し、残部がFe及び不純物からなる。
(製法の特徴)
本発明では、グラス皮膜形成までの母鋼材表面での酸化挙動を制御することで良好なグラス皮膜を形成させる。この酸化挙動を制御するのに脱炭焼鈍は重要な工程であり、特に酸化の初期過程となる昇温を、高露点かつ急速加熱で実施し、脱炭初期を短時間だけ高温で実施することが効果的である。本発明では、脱炭焼鈍の昇温の雰囲気中の「H2 Oの分圧」/「H2の分圧」であるP(H2 O)/P(H2 )を0.65〜3.0、好ましくは1.0〜2.5、加熱速度≧100℃/s、好ましくは200℃/s以上、さらに好ましくは400℃/s以上、加熱温度≧800℃以上、750℃以上での滞在時間≦5秒とする。また同時に、引き続きの脱炭を雰囲気のP(H2 O)/P(H2
):0.25〜0.6、好ましくは0.30〜0.5、最高到達温度Y:700〜900℃、好ましくは810〜890℃、Y−30℃超での滞在時間≦4秒、好ましくは3秒以下、最高温度到達後のY−30℃〜Y−85℃での滞留時間≧10秒、好ましくは20秒以上 とすることで発明効果を十分に得ることができる。
上記の熱処理が有効である理由は明確ではないが、上記のような熱履歴と雰囲気で酸化を行うと、脱炭板の特に表面近傍での優先的な酸化が起きやすくなり、最終的なグラス皮膜と母鋼板の界面構造が複雑な様相を呈するようになり密着性を向上させる。そしてその後の仕上げ焼鈍で形成されるグラス皮膜のフォルステライトの粒径が微細かつ均一となり緻密性が向上する。
また、脱炭焼鈍後の時点での酸素量は、本発明効果の一つの指標となる。本発明では脱炭焼鈍板の酸素量が9〜12g/m2の場合に発明効果が現れやすい。
以下、本発明の実施例を説明する。実施例で採用した条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するための一例であり、これに限定されるものではない。本発明を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例) C:0.004%、Si:3.8%、S:0.002%、Al:0.003%、N:0.0080%、Mn:0.4%、残りはFeの溶鋼を2.6mm厚の熱延板とする。
1000℃x30秒の熱延板焼鈍を行い、その後0.23mmまで冷間圧延を施す。脱炭焼鈍工程を、加熱速度125℃/s、最高到達温度720〜911℃、5s以内保持が665〜825℃となるように、また脱炭工程で665〜825℃x80〜100秒、さらに5〜20秒の焼鈍を実施する。MgOを主とした焼鈍分離剤を塗布した材料に、窒化可能なガスを吹き込みながら、除加熱で1200℃x20時間の焼鈍を施す。さらにコロイダルシリカ及びリン酸塩を含有する絶縁コーティング液を塗布し、880℃の焼付により、リン酸塩系絶縁被膜を形成した。グラス皮膜の特徴は絶縁被膜を剥離後に測定した結果である。
皮膜外観…塗膜の平滑性、ワレ、ツヤ感を肉眼にて観察し下記基準にて評価した。
○:塗膜に異常がなく、良好、
△:平滑性またはツヤ感がやや劣るが、ワレは認められない、
×:ワレが認められる、又は平滑性もしくはツヤ感が著しく劣る。
皮膜の耐錆性は、皮膜を形成した鋼板をそのまま100mlの沸騰水中に10分間浸漬し、その前後の重量変化によって評価する。結果は、いずれも50cm2 の鋼板あたり5mg未満の重量変化となる。また耐錆性は表1に示すように温度80℃、湿度98%の雰囲気において48時間以上の耐錆性を示し、非常に良好な結果となる。表1に、実施例で採用した製造条件と特性を示す。
平均粒径が2.0μm以下、粒径分布の標準偏差が0.6μm以下である本発明鋼は、皮膜の耐錆性に優れ、鉄損も低くなった。製品板で得られるグラス皮膜の状態は、絶縁被膜形成前の中間製品である仕上げ焼鈍後の鋼板において達成されている。

Claims (2)

  1. 絶縁皮膜と母鋼板の間に平均粒径が0.6μm以上、2.0μm以下のフォルステライトを主体とする皮膜を有し、前記フォルステライトを主体とする皮膜のフォルステライトの粒径分布の標準偏差が0.6μm以下である一方向性電磁鋼板の製造方法であって、
    鋼スラブを熱延し、必要により熱延板を焼鈍し、最終製品厚まで冷延し、脱炭焼鈍し、必要により窒化焼鈍し、最終仕上げ焼鈍し、絶縁皮膜処理して製造される前記一方向性電磁鋼板の製造プロセスにおいて、脱炭焼鈍での昇温を、雰囲気のPH2 O/PH2 :0.65〜3.0、加熱速度≧100℃/s以上、加熱温度≧800℃以上で実施し、750℃以上での滞在時間≦5秒として、引き続き、脱炭を、雰囲気のP(H2 O)/P(H2 ):0.25〜0.6、最高到達温度Y:700〜810℃、Y−30℃超での滞在時間≦4秒、最高温度到達後のY−30℃〜Y−85℃での滞留時間≧10秒 で実施とすることを特徴とする一方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 母鋼板の表面に平均粒径が0.6μm以上、2.0μm以下のフォルステライトを主体とする皮膜を有し、前記フォルステライトを主体とする皮膜のフォルステライトの粒径分布の標準偏差が0.6μm以下である一方向性電磁鋼板用原板の製造方法であって、
    鋼スラブを熱延し、必要により熱延板を焼鈍し、最終製品厚まで冷延し、脱炭焼鈍し、必要により窒化焼鈍し、最終仕上げ焼鈍して製造される前記一方向性電磁鋼板用原板の製造プロセスにおいて、脱炭焼鈍での昇温を、雰囲気のP(H2 O)/P(H2 ):0.65〜3.0、加熱速度≧100℃/s以上、加熱温度≧800℃以上で実施し、750℃以上での滞在時間≦5秒として、引き続き、脱炭を、雰囲気のP(H2 O)/P(H2 ):0.25〜0.6、最高到達温度Y:700〜810℃、Y−30℃超での滞在時間≦4秒、最高温度到達後のY−30℃〜Y−85℃での滞留時間≧10秒 で実施とすることを特徴とする一方向性電磁鋼板用原板の製造方法。
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