JP6842818B2 - 冷凍・冷蔵システム - Google Patents

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Description

本発明は、ユニットクーラーを利用する冷凍システム又は冷蔵システム(以下「冷凍・冷蔵システム」と総称する)に関し、具体的には、ユニットクーラーにおける冷却コイルの複数の回路に冷媒を分流する冷蔵・冷凍システムの改良に関する。
予め所定の温度まで冷却された冷媒を熱交換器へ送液する二次冷却系統(Secondary Refrigeration System)や、液ポンプ方式の冷凍システムでは、従来マニホールド(液ヘッダー)を使用して、ユニットクーラーの冷却コイルの各回路に冷媒を流入させることで、冷却コイル内部で冷媒を蒸発させ、その気化熱を利用して、冷却コイルの外側空気と冷媒との熱交換を行っている。
ところで、多回路で構成されているユニットクーラー冷却コイルに冷媒が流入すると、同時に発生する蒸発作用(気化)によって回路毎の圧力損失が発生する。マニホールドを用いた場合、圧力損失が回路毎に異なるようになり、各回路に均一な量の冷媒を流入させることが困難となって、有効な伝熱面に対する伝熱作用が低下してしまう。
具体的には、冷却コイルの各回路のうち、ある回路では出口に冷媒液が流れ、ある回路では出口に過熱したガスが通過するといった、不均等な流れが生ずるようになる。この結果、伝熱面における伝熱作用を有効に利用することができず、冷凍システムの運転効率が著しく低下してしまうという不具合が生ずる。
また、ユニットクーラーがレシーバータンクより下部(冷媒の下流側)に配置されている場合、冷媒流量の適正な制御を行わないと、未蒸発の冷媒液がサクション配管に滞留してしまう危険がある。サクション配管に滞留した液冷媒は蒸発させることが困難であり、ユニットクーラー内部で連続的に蒸発する冷媒ガスに対して抵抗となり、冷媒の冷却コイル通過を困難にする。これにより、ユニットクーラー内部の圧力上昇、すなわち冷媒温度の上昇を招き、温度差の減少による冷凍能力の低下を招いてしまう。
なお、前記不都合を回避するため、多回路中で数本の回路から未蒸発のまま冷媒が流入する回路を基準として、ニードル弁などにより冷媒流量を調整するといった方法がある。しかしながら、ニードル弁や手動膨張弁による流量調整は、冷却コイル出口の乾き度を検知して適正な流量を確保する手段ではない。すなわち、冷却コイルで熱交換を行う際に通過する空気との温度差で熱通過率が変化することで、冷却コイルの管長に対して適正な過熱域を担保することではなく、あらゆる運転条件で冷却コイルの出口で未蒸発冷媒液を戻さないための流量調整でしかない。
ユニットクーラーの冷却コイルの各回路に冷媒を流入させる際に、ディストリビュータ(冷媒分流器)を使用することができれば、冷媒回路に均等に冷媒を分配し、冷媒側伝熱面を有効に利用することができ、システムの効率を大幅に改善することができる。このようなディストリビュータを使用する背景技術としては、例えば下記特許文献1記載の冷凍システムがある。これは、複数個の冷却コイル系における冷媒流通路を、温度分布を考慮した配置とすることにより、出口空気の温度ムラを無くすとともに、冷凍機の能力低下を抑え、かつ、省エネ運転を可能にすることを目的としたもので、各冷却コイル系の冷媒流通路の入口側に、冷媒を各冷媒流通路に対してディストリビュータが接続された構成となっている。
特開2012-172919号公報
ところで、ディストリビュータの使用に当たっては、圧力降下型の場合、冷媒の熱力学特性にもよるが、例えば、ノズルで50kPa程度,チューブにおいても20kPa程度の圧力降下が得られないと、冷媒の均等な分流ができないという制約がある。また、ベンチュリー型のディストリビュータを使用する場合、ストリームライン通過後に圧力の復元効果が得られるものの、その構造上、分配可能範囲は20回路程度が限界といわれているため、小型のユニットクーラーに限定される。実際、様々なサイズのベンチュリータイプの性能試験を行った結果、求める精度の均等な分流を行うことはできなかった。
加えて、液ポンプ方式の冷凍システムでは、そもそも液ポンプで送液される液冷媒の圧力が、その冷媒自体の飽和圧力に対し吐出圧力は150kPaから250kPa程度加圧されるだけで低圧であり、供給される液冷媒の温度が熱交換器で蒸発する冷媒の蒸発温度に近い値となっている。このため、自動的に流量調整を行う膨張弁や、ディストリビュータを通過する冷媒は、ポンプの吐出圧力分と液柱による圧力を足し加えるか、あるいはポンプの吐出圧力から揚程を減じた圧力のみの減圧域しかないため、状態変化のない液相のまま、それぞれ膨張弁と分流器を通過することになる。
このとき、膨張弁では絞り膨張が起こらないし、ディストリビュータではノズルの手前で生じる乾き度によるガス化が期待できず、ノズル通過時のジェット流の発生にともなう乱流も起こらない。このため、現在までの知見による設計手法での対応は不可能であった。
本発明は、以上のような点に着目したもので、その目的は、ユニットクーラーにおける冷却コイルの複数の回路に均等に冷媒を分流することである。他の目的は、これにより、ユニットクーラーにおける伝熱面を最大限活用し、伝熱作用を有効に行い、冷凍・冷蔵システムの運転効率の向上を図ることである。
本発明は、液ポンプ式の冷凍・冷蔵システムで複数の回路で構成される冷却コイルを有するユニットクーラーを利用して冷凍ないし冷蔵を行う冷凍・冷蔵システムであって、前記ユニットクーラーに対して冷媒を送るポンプ手段,このポンプ手段から前記ユニットクーラーに送られる冷媒の流量を調整する流量調整手段,この流量調整手段によって流量が調整された冷媒を、前記ユニットクーラーの冷却コイルの各回路に分流させるディストリビュータ,を備えており、前記流量調整手段は、前記ポンプ手段から前記ユニットクーラーに送られる冷媒の流量を調整するオリフィスを備えた膨張弁と、前記ユニットクーラーの冷媒出口側における冷媒の過熱度に基づいて、前記膨張弁のオリフィスによる冷媒流量の制御を行う過熱度コントローラとを備えており、前記ディストリビュータは、ノズルと、前記ユニットクーラーの複数の回路で構成される冷却コイルを同じ長さで前記ノズルに接続する複数のチューブとを備えており、実測から得た、前記ディストリビュータのノズル及びチューブの圧力降下量と前記ユニットクーラーの冷凍能力との関係と、この関係における均等な分流可能域及び均等な分流不可能域の関係とから、使用するユニットクーラーの冷凍能力であって、かつ、分流可能域となる前記ノズルの内径及び前記チューブの長さ並びにその内径を有するディストリビュータを選択し、前記膨張弁のオリフィスのノズル径を、前記ユニットクーラーの冷凍・冷蔵能力及び冷媒の種類に基づいてDD.Will式から求めた断面積に相当するノズル径よりも大きなノズル径であって、流量調整可能なノズル径としたことを特徴とする。


主要な形態の一つによれば、前記冷凍・冷蔵システムは、一次冷却系と二次冷却系を備えており、前記ポンプ手段,膨張弁,及びディストリビュータを、前記二次冷却系に設けたことを特徴とする。他の形態の一つは、前記ユニットクーラーに対して、前記冷媒を供給するレシーバが下側に位置しているときは、前記膨張弁と前記ディストリビュータによる降下圧力量前記ユニットクーラーと前記レシーバーとの高低差に対応する圧力を加えた加圧能力となるように、前記ポンプ手段における冷媒の加圧能力を設定し、前記ユニットクーラーに対して、前記冷媒を供給するレシーバが上側に位置しているときは、前記膨張弁と前記ディストリビュータによる降下圧力量から、前記ユニットクーラーと前記レシーバーとの高低差に対応する圧力を差し引いた加圧能力となるように、前記ポンプ手段における冷媒の加圧能力を設定したことを特徴とする。
更に他の形態によれば、前記ユニットクーラーの冷媒出口側における冷媒の過熱度を、該ユニットクーラーの冷媒出口側に設けた温度センサ及び圧力センサの検知結果から検出することを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、ディストリビュータの適切な設計によりユニットクーラーの冷却コイルの各回路への冷媒の均等分流を行うとともに、膨張弁による過熱度制御を組み合わせることで、冷凍・冷蔵システムの効率の向上を図ることができる。
本発明の実施例1の構成を示す図である。(A)は全体図、(B)は主要部を示す図である。 前記実施例におけるディストリビュータを示す図である。(A)は構成を示す図、(B)及び(C)は冷凍能力と圧力降下量との関係を示すグラフである。 図3は冷却コイルの各回路における冷媒の様子を示す図である。(A)は本実施例の場合、(B)はノズルなしの場合、(C)は従来技術の場合をそれぞれ示す。 レシーバー110とユニットクーラー150の高低位置とポンプ圧力との関係を示す図である。 本発明の実施例2の構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2を参照しながら、本発明の実施例1について説明する。この実施例は、液ポンプ方式の冷凍システムに本発明を適用した例である。図1(A)には、本実施例の冷凍システム100の全体が示されている。同図において、ローレシーバー110の中のガス化した冷媒の送出側には、冷凍機(圧縮機)114→コンデンサ(凝縮器)116→レシーバー118→流量調整弁(ニードル弁)120がその順番に接続されており、ガス化した冷媒が液化されてローレシーバー110に戻るような循環回路が構成されている。
一方、ローレシーバー110内の液化した冷媒の送出側には、送液ポンプ130→膨張弁132→ディストリビュータ140→ユニットクーラー150→合流マニホールド152がその順番に管によって接続されており、ガス化した冷媒が再びローレシーバー110に還流するようになっている。
ユニットクーラー150の冷媒出口側には、温度センサ154と圧力センサ156が取り付けられており、これらは過熱度コントローラ158に接続されている。そして、この過熱度コントローラ158の制御出力側が膨張弁132に接続されている。過熱度コントローラ158は、圧力センサ156による冷媒圧力相当温度の検知結果に基づいて、温度センサ154による実測値との差,すなわち過熱度を検知し、その結果に基づいて膨張弁132の開度が制御されるようになっている。
以上のように構成された冷凍システムの概略の動作を説明すると、ローレシーバー110の中のガス化した冷媒は、冷凍機114によって圧縮された後、コンデンサ116で凝縮され、これによって液化した冷媒はレシーバー118に送られる。レシーバー118に溜められた冷媒は、流量調整弁120による絞り膨張が行われて、ローレシーバー110に還流される。
ローレシーバー110内の液化した冷媒は、送液ポンプ130により、膨張弁132を介してディストリビュータ140に送られ、これによって冷媒が分流されてユニットクーラー150の各冷却コイルに送られる。ユニットクーラー150を通過した冷媒はガス化し、合流マニホールド152によって合流した後、再びローレシーバー110に還流する。ユニットクーラー150の冷媒出口側には、温度センサ154と圧力センサ156が設けられており、それらの検知結果が過熱度コントローラ158に入力される。過熱度コントローラ158では、温度センサ154で読み取った実測値を、圧力センサ156の検知結果から換算した圧力相当飽和温度から減じて過熱度を検出する。そして、この検出した過熱度に応じて、膨張弁132による冷媒の流量制御が行われ、更にはユニットクーラー150における過熱度が制御される。
図1(B)には、ディストリビュータ140とユニットクーラー150の接続部分が拡大して示されており、ディストリビュータ140には、ノズル142とチューブ144が設けられた構成となっている。ディストリビュータ140と、ユニットクーラー150の各冷却コイルは、同じ長さのチューブ144によって接続されている。図示の例では、ユニットクーラー150には、5つの冷却コイルが設けられており、従ってチューブ144も5本となっている。
本件発明者は、ローレシーバー110内で予め冷却された冷媒を送液するための送液ポンプ130の圧力に着目し、ユニットクーラー150の冷媒入口側の圧力が冷媒の飽和圧力に対して100kPa以上となるように液圧力を確保することで、圧力降下型のディストリビュータ140による冷媒分配を良好に行うようにした冷媒分配方法を提案しており、冷媒として「R-404A」を用いたときのディストリビュータ140における圧力降下量が65kPaでも、均等な分流が可能であると報告している(例えば、日本冷凍空調学会「冷凍」2007年10月号,第82巻第960号,P817〜P824,「環境にやさしいコールドチェーンを支える冷凍システムとは」参照)。一般的には、ディストリビュータ140で冷媒を各冷却コイルに均等に分流するためには、ノズル142側及びチューブ144側で一定以上の圧力降下がそれぞれ必要である。
ディストリビュータ140における圧力降下は、図2(A)に示すように、ノズル142の径(内径)Dnと、チューブ144の長さLt及び径(内径)Dtが主として関係している。同図(B)は、ノズル142の圧力降下量と冷凍能力ないし冷却能力(冷蔵の場合も含む。)との関係の一例が示されている。このグラフは、内径Dn=4.5mmの場合の例で、圧力降下量が35kPa以下では、冷凍能力の如何にかかわらず、冷媒の均等な分流は不可能である。同図(C)はチューブ144の圧力降下量と冷凍能力との関係の一例が示されている。このグラフは、内径Dt=3.25mm(外径が3/16インチ),長さLt=1500mmの場合の例で、圧力降下量が15kPa以下では、冷凍能力の如何にかかわらず、冷媒の均等な分流は不可能である。
次に、具体例に基づいて、設計手法を説明する。例えば、冷媒として二酸化炭素(R‐744)を使用し、ユニットクーラー150として、以下の表1のような仕様のものを使用すると仮定する。この例の場合、矢印で示すように、TD(蒸発器内冷媒蒸発温度と庫内温度との差)=10℃で、およそ30kwの冷凍能力を得ることができ、通過する空気の温度差はおよそ4℃である。
Figure 0006842818
次に、膨張弁132のオリフィスの計算例を示すと、以下の表2及び表3のようになる。表2は諸条件及びD.D.WILL式を示し、表3(A)は膨張弁132のオリフィスのノズル径,断面積,質量流量の関係を示す。また、表3(B)は、ノズル径と能力の関係を示す。なお、表2のD.D.WILL式の係数「5020」は、発明者の中山が実験から得た数値である。一般的には、冷媒がアンモニアの場合「3880」,R22の場合「5470」,メチルクロライドの場合「4660」となる。これらの表において、例えば上述した冷凍能力30kwの場合を見ると、表3(B)からオリフィスのノズル径3mmとなる。これを中心に流量を調整することから、余裕をみると、オリフィスのノズル径は,4〜4.5mmのものを使用すればよいことになる。この膨張弁132における入口側圧力P1と出口側圧力P2の差は125kPaである。このように、一般的な膨張弁を使用しても、D.D.WILL式からオリフィスの径を導くことで、100kPa程度の非常に小さい差圧でも、必要な冷媒の質量流量を担保可能である。この条件下では、液相・気相の状態変化ないし乾き度の変化がない状態で、冷媒液が膨張弁132を通過する。
Figure 0006842818
Figure 0006842818
次に、ディストリビュータ140として図2に示したものを使用する場合を想定すると、冷凍能力が30kwでは、ノズル142の圧力降下量は49kPaとなり(図2(B)参照)、チューブ144の圧力降下量は26kPaとなる(図2(C)参照)。いずれも、分流不可能域を超えた分流可能域となっており、良好な冷媒の均等分流を行うことができる。別言すれば、冷凍能力において分流可能域の圧力降下量となるようなノズル径Dn,チューブ径Dt,チューブ長さLtのディストリビュータを選択する。この条件下では、冷媒液がディストリビュータ140のノズル142とチューブ144を通過する際、冷媒の乾き度によるガスのない飽和液でも、適正な圧力降下が得られる。
図3には、その様子が示されている。同図(A)は、本実施例の場合であり、上述した条件の膨張弁132やディストリビュータ140を使用している。これによれば、ディストリビュータ140に−30℃で供給された冷媒は、ユニットクーラー150の各冷却コイルに均等に分流するとともに、各冷却コイルの出口付近でガス化し、その温度は−29℃前後となっている。ユニットクーラー150の入口側の空気の温度が−20.3℃であるのに対し、出口側の温度は−24.6℃となっており、温度差は4.3℃となっている。表1に示したユニットクーラー150は、30kwの冷凍能力で空気の温度差がおよそ4℃であることからすると、本実施例のように設計を行うことで、ユニットクーラー150の能力をほぼ達成しており、非常に高効率の運転が行われている。
図3(B)のディストリビュータ141は、ノズル142がない場合の例を示すもので、ユニットクーラー150の各冷却コイルでは冷媒の不均等な流れによってのコイルにおける回路内で過不及が生じている。このため、各冷却コイルの出口側の温度にばらつきがある。また、気化した冷媒は空気を冷却する能力がないため、ユニットクーラー150の伝熱面の無効領域が生じて全体として空気の冷却能力が低下し、−20.3℃の空気は、−22.9℃までしか冷却されない。
図3(C)は、従来のマニホールド方式の場合の例で、マニホールド151では、上記図3(B)の場合と同様に冷媒は均等に分流していない。この例では、−20.3℃の空気が−23.3℃にしか冷却されず、ユニットクーラー150の各冷却コイルの性能が十分に活用されていない。
以上のように、本実施例によれば、ユニットクーラー150の各冷却コイルに冷媒が均等に分流するようにディストリビュータ140を設計することで、ユニットクーラー150における熱交換(伝熱作用)が有効に行われるようになり、冷凍システムの運転効率の向上を図ることができる。
また、膨張弁132によって、過熱度による流量制御を精度よく行うことで、あたかも直接膨張方式の標準的で簡素な制御システムで、液ポンプ方式におけるユニットクーラーの冷凍能力を十分に発揮し、冷凍システムのシステム効率を現在より格段に改善することができる。また、液ポンプ方式の自動運転を行うため、過熱度制御を行いながらユニットクーラー150の複数の回路で構成される冷却コイルで最適な乾き度で運転を行うことができる。
更に、ディストリビュータ140によるユニットクーラー150の各冷却コイルへの冷媒の均等分流と、膨張弁132による過熱度制御を組み合わせて構成することとしたので、不均等な流れによる伝熱面の無効領域が解消され、全体として高効率で適切な冷凍システムを提供することができる。すなわち、図3(A)に示すように、ユニットクーラー150の冷却コイルの各回路のほぼ全長において冷媒は気液二相状態となっているため、熱交換がユニットクーラー150の全体で行われるようになり、効率的な運転が行われるようになる。
なお、ローレシーバー110とユニットクーラー150との配置に高低差があるような場合は、それを考慮して送液ポンプ130の能力を決定する必要がある。図4(A)の例では、ローレシーバー110がユニットクーラー150よりもが下側に位置しており、その高低差はhaとなっている。従って、送液ポンプ130は、膨張弁132及びディストリビュータ140による圧力降下量に加えて、高低差haに相当する加圧能力が要求される。例えば、ユニットクーラー150の膨張弁手前の冷媒圧力が200kPaであるとすると、これに高低差ha分を加えた200+ha相当の加圧能力が最低限必要となる。図4(B)の例では、ローレシーバー110がユニットクーラー150よりも上側に位置しており、その高低差はhbとなっている。この場合は、送液ポンプ130の吐出圧力に液柱の圧力が加わるので、送液ポンプ130の吐出圧力から液柱の圧力を差し引き、ユニットクーラー150の膨張弁手前の冷媒圧力が200kPaとなればよい。
次に、図5を参照しながら、本発明の実施例2について説明する。なお、実施例1と同様ないし共通する構成要素には、同一の符号を用いている。この実施例2の冷凍システム200は、一次冷却系202と二次冷却系204を備えており、両者の間には熱交換器210が設けられた構成となっている。一次冷却系202は、冷凍機114,コンデンサ116,レシーバー118,膨張弁232,温度センサ254,圧力センサ256,過熱度コントローラ258,熱交換器210の一次側によって構成されている。二次冷却系204は、二次冷媒レシーバー111,送液ポンプ130,膨張弁132,ディストリビュータ140,ユニットクーラー150,合流マニホールド152,温度センサ154,圧力センサ156,過熱度コントローラ158,熱交換器210の二次側によって構成されている。
二次冷却系204の二次冷媒レシーバー111内のガス化した二次冷媒は、熱交換器210において、一次冷却系202のレシーバー118から供給される一次の冷凍システムによって冷却され、液化した二次冷媒が二次冷媒レシーバー110に戻る。一方、熱交換器210でガス化した一次冷媒は、冷凍機114,コンデンサ116で再び液化されてレシーバー118に戻る。なお、一次冷却系202における膨張弁232,温度センサ254,圧力センサ256及び過熱度コントローラ258の作用は、二次冷却系204における膨張弁132,温度センサ154,圧力センサ156及び過熱度コントローラ158の作用と同様であり、熱交換器210の一次側出口における温度センサ254と圧力センサ256による検知結果が過熱度コントローラ158に入力され、過熱度が検出される。そして、この検出した過熱度に応じて、膨張弁232による冷媒の流量制御が行われる。一次冷媒としては、例えばアンモニアやR410Aなどの冷媒が使用される。二次冷媒としては、例えば、二酸化炭素やアンモニアなどの冷媒が用いられる。

このような二次冷却システムにおいても、二次冷却系204の膨張弁132やディストリビュータ140について前記実施例と同様の設計を行うことで、同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例は、本発明を主として冷凍システムに適用した例であるが、冷蔵システムや凍結システムに対しても同様に適用可能である。例えば、複数のプレートに分流器を利用するプレート式製氷機など、多回路に冷媒を均等に分配することが必要となる各種のシステムに適用可能である。
(2)前記実施例で示したシステム構成は一例であり、公知の各種の構成に本発明は適用可能である。例えば、前記実施例では、ユニットクーラーが1台の場合を示したが、設置台数は必要に応じて増減してよい。ディストリビュータの分配冷却コイル数も同様である。
(3)前記実施例で示した数値も一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。
本発明によれば、ディストリビュータの適切な設計によりユニットクーラーの冷却コイルの各回路への冷媒の均等分流を行うとともに、膨張弁による過熱度制御を組み合わせることとしたので、冷却コイルの多回路に冷媒を均等に分配する冷凍・冷蔵システムに好適である。
100:冷凍システム
110:ローレシーバー
111:二次冷媒レシーバー
114:冷凍機
116:コンデンサ
118:レシーバー
120:流量調整弁
130:送液ポンプ
132:膨張弁
140,141:ディストリビュータ
142:ノズル
144:チューブ
150:ユニットクーラー
151:マニホールド
152:合流マニホールド
156:圧力センサ
154:温度センサ
158:過熱度コントローラ
200:冷凍システム
202:一次冷却系
204:二次冷却系
210:熱交換器
Dn:ノズルの内径
Dt:チューブの内径
Lt:チューブの長さ

Claims (4)

  1. 液ポンプ式の冷凍・冷蔵システムで複数の回路で構成される冷却コイルを有するユニットクーラーを利用して冷凍ないし冷蔵を行う冷凍・冷蔵システムであって、
    前記ユニットクーラーに対して冷媒を送るポンプ手段,
    このポンプ手段から前記ユニットクーラーに送られる冷媒の流量を調整する流量調整手段,
    この流量調整手段によって流量が調整された冷媒を、前記ユニットクーラーの冷却コイルの各回路に分流させるディストリビュータ,
    を備えており、
    前記流量調整手段は、前記ポンプ手段から前記ユニットクーラーに送られる冷媒の流量を調整するオリフィスを備えた膨張弁と、前記ユニットクーラーの冷媒出口側における冷媒の過熱度に基づいて、前記膨張弁のオリフィスによる冷媒流量の制御を行う過熱度コントローラとを備えており、
    前記ディストリビュータは、ノズルと、前記ユニットクーラーの複数の回路で構成される冷却コイルを同じ長さで前記ノズルに接続する複数のチューブとを備えており、
    実測から得た、前記ディストリビュータのノズル及びチューブの圧力降下量と前記ユニットクーラーの冷凍能力との関係と、この関係における均等な分流可能域及び均等な分流不可能域の関係とから、使用するユニットクーラーの冷凍能力であって、かつ、分流可能域となる前記ノズルの内径及び前記チューブの長さ並びにその内径を有するディストリビュータを選択し、
    前記膨張弁のオリフィスのノズル径を、前記ユニットクーラーの冷凍・冷蔵能力及び冷媒の種類に基づいてDD.Will式から求めた断面積に相当するノズル径よりも大きなノズル径であって、流量調整可能なノズル径としたことを特徴とする冷凍・冷蔵システム。
  2. 前記冷凍・冷蔵システムは、一次冷却系と二次冷却系を備えており、
    前記ポンプ手段,膨張弁,及びディストリビュータを、前記二次冷却系に設けたことを特徴とする請求項1記載の冷凍・冷蔵システム。
  3. 前記ユニットクーラーに対して、前記冷媒を供給するレシーバが下側に位置しているときは、前記膨張弁と前記ディストリビュータによる降下圧力量に、前記ユニットクーラーと前記レシーバーとの高低差に対応する圧力を加えた加圧能力となるように、前記ポンプ手段における冷媒の加圧能力を設定し、
    前記ユニットクーラーに対して、前記冷媒を供給するレシーバが上側に位置しているときは、前記膨張弁と前記ディストリビュータによる降下圧力量から、前記ユニットクーラーと前記レシーバーとの高低差に対応する圧力を差し引いた加圧能力となるように、前記ポンプ手段における冷媒の加圧能力を設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍・冷蔵システム。
  4. 前記ユニットクーラーの冷媒出口側における冷媒の過熱度を、該ユニットクーラーの冷媒出口側に設けた温度センサ及び圧力センサの検知結果から検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍・冷蔵システム。
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