JP6840666B2 - 新規なアントラニル酸誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な式1のアントラニル酸誘導体、およびPET画像化、およびABC(ATP結合カセット)輸送体の阻害により抑制または標準化できる1つ以上の症状のターゲット化放射性核種療法のためのABC輸送体基質および放射性トレーサーとしての使用に関するものである。本発明はさらに、式1の化合物、および式1の化合物の製造における式2の中間体の製造方法を提供するものである。
背景技術の説明は、本発明の理解に有用な情報を含んでいる。ここに提供する情報のいずれも、先行技術である、あるいは本発明に請求されている発明と関連している、あるいは特別にあるいは暗示的に参照したいずれの出版物も先行技術であることを認めるものではない。
ATP結合カセット輸送体(ABC輸送体)は、原核生物からヒトまでの現存する全ての門で代表する最大かつ最も古いファミリーの1つであるタンパク質スーパーファミリーのメンバーである。ABC輸送体は、アデノシン三リン酸(ATP)が結合および加水分解するエネルギーを利用して、膜を通して種々の基質の輸送や、RNAの翻訳およびDNA修復などの非輸送関連プロセスを含むある種の生物学的プロセスを行う膜貫通タンパク質である。それらは、細胞外および細胞内の膜を通して、代謝産物、脂質およびステロールおよび薬物を含む広い範囲の基質を輸送している。
タンパク質は、ATP結合カセット(ABC)ドメインの配列および編成に基づいてABC輸送体として分類される。ABC輸送体は、腫瘍耐性、嚢胞性線維症、および多くの薬物に対して原核生物及び真核生物(ヒトを含む)の耐性を作るその他ヒト遺伝性疾患に係っている。
ABC輸送体は、ATPが結合及び加水分解するエネルギーを利用して、細胞膜を通して種々の基質を輸送する。それらは、第1に細胞内に栄養分の取り込みを介在する移入体として、第2に細胞から毒素および薬物を排出するポンプとして機能するときには移出体すなわち排出体として異なった方法で機能する。そして、最後には輸送体としての機能でなく、翻訳およびDNA修復プロセスに関与する。
P−糖タンパク質(P−gp)は、ABC(ATP結合カセット)スーパーファミリーの重要なタンパク質の1つである。このタンパク質は、ATPが加水分解するエネルギーによって力を得て、哺乳類細胞から驚くほど多様な両親媒性薬物、天然産物、およびペプチドを出すことができる。
非侵襲的な核画像化技術を用いて、実験動物、正常なヒトおよび患者を含む生物被験体の生理学および生化学に関する基本的および診断的情報を得ることができる。これらの技術は、生物被験体に投与された放射性トレーサーから放出された放射線を検出できる画像化機器の使用に依存している。得られた情報は、時間の関数として放射性トレーサーの分布および/または濃度を明らかにする平面および断層画像を提供するように再構築することができる。
核医学の診断技術は、ガンマー線を放射する放射性トレーサーを使用する。これらのトレーサーは、一般的に、特定の生理学的プロセスの調査を容易にする化学物質に結合した短命の同位体である。それらは、注射、吸入または経口で投与できる。
第1のタイプは、種々の角度から臓器を見ることができるガンマーカメラによって単一光子を検出するものである。カメラは、放射線が放出される点から画像を構築し、この画像をコンピュータによって増幅し、医師がモニター上で異常状態の徴候を見る。
極く最近の開発で、サイクロトロンで生成された同位体を用いてのより精密で洗練された技術である陽電子放射断層撮影(PET)がある。陽電子放射性核種は、通常は注射によって導入され、ターゲット組織に蓄積する。陽電子放射性核種が崩壊して陽電子を放出すると、その陽電子は直ぐに近くにある電子と結合し、2つの識別可能なガンマー線を反対方向に同時に放出する。これらをPETカメラによって検出し、その発生源を非常に正確に示す。
PETの最も重要な臨床的役割は、腫瘍学、中枢神経系疾患などにある。最も一般的に使用される陽電子放射性核種は、15O、13N、11Cおよび18Fであり、これらは、通常加速器で生成され、半減期はそれぞれ2分、10分、20分、および110分である。最も広く使用されているガンマー線放射性核種は、18F、99mTc、201TI、123Iである。
放射性同位体としてフッ素−18を有する多くの製剤および化合物は、殆どの癌を検出および評価する最も正確で非侵襲的方法であることが判明しているので、従来技術で知られている。ガンマー線画像化は、体内の放射性同位体の位置および濃度を視るに使用されている。同位体が、臓器に部分的に取り込まれる(コールドスポット)、あるいは過剰に取り込まれる(ホットスポット)と、その臓器に機能不全があることがわかる。ある期間にわたって一連の画像を撮影されたとき、同位体の動きの異常なパターンまたは速度は、臓器の機能不全を示している可能性がある。
診断技術においては大幅な改善がなされているが、ある時間が経過すると、多くの/ある種の薬物は効果がなくなり、その効力を失う傾向があることも観察されている。これは、多剤耐性(MDR)に起因すると考えられ、乳癌、卵巣癌、肺癌および胃腸管癌のような種々の血液癌および固形腫瘍を含む種々の疾患をもつ患者に影響を及ぼしている。 P−gp、BCRPおよびMRP1などのATP輸送体が介在する薬物排出に関連した薬物耐性は、哺乳動物細胞に報告されている。
P−gp、BCRPおよびMRP1は、体内で広く発現し、多剤耐性(MDR)において重大な役割を果たす重要なATP結合カセット輸送体である。P−糖タンパク質は,最も研究された排出ポンプであり、細菌ポンプのメカニズムの考察に重要である。これらの理由から、P−gpは、耐薬物性腫瘍のモニタリングおよび診断に有用な新しい潜在的マーカーである。過去10年間に、異なるメカニズムでポンプと相互作用できる化合物を探索するいくつかの努力がなされてきた。これらの化合物は、11Cおよび18Fで放射性標識され、PET技術によるP−gpトレーサーとして使用できる。MDR1/P−gpが介在する耐性による化学療法の失敗は、乳癌病理における攻撃的で悪性表現型の非常に特徴のあるバイオマーカーである。現在、患者の多剤耐性の原因を評価または検出する方法または試験はない。
米国特許第7989630号は、P−糖タンパク質に、乳癌など癌の陽電子放射断層撮影(PET)放射性トレーサーとして、18F(CH{[18F]フルオロエチル}を有する基質を使用する方法を開示している。
カズノリ・カワムラ(Kazunori Kawamura)らの“薬物排出輸送体の機能を評価する陽電子放出断層撮影プローブとしての18F−フルオロエチルF120918およびXR9576の合成およびインビボ評価”〔Bioorganic&Medicinal Chemistry、19(2)、pp861−870(2011)〕は、[18F]−タリキダール(Tariquidar)を薬物排出輸送体の基質とする可能性について言及している。タリキダールは、P−糖タンパク質輸送体に非競合的に結合し、それによって抗癌剤の膜貫通排出を阻害する目下臨床試験中のP−gp阻害剤である。
トーマス・ワネック(Thomas Wanek)らの“P−糖タンパク質発現マウス乳癌を検出する[11C]タリキダール(Tariquidar)、[11C]エラクリダール(elacridar)、および(R)−[11C]ベラパミル(verapamil)の小動物PET比較評価”〔European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging、39(1)、pp149−159(2012)〕は、P−糖タンパク質発現ネズミ乳癌を検出する陽電子放射断層撮影(PET)評価における放射性標識[11C]タリキダールの使用方法を開示している。
組織中のP−gpの存在を実証すべく多くのPETおよびSPECT(単光子放出断層撮影法)トレーサーが開発されてきたが、これらのトレーサーのいずれも薬物開発に適用されておらず、あるいは現在は通常の臨床診断ツールとして使用されている。これらの画像化ツールは有用性、感度はあるが、研究目的の範囲が限られている。想定される100%阻害の用量で、P−gp発現組織(脳/腫瘍)にせいぜい2〜3倍の取込み増が観察される程度である。これは例えば腫瘍療法における共治療において、P−gp機能の僅かな変化(例えば、<20%)で充分であったとしても、現在の画像化ツールは、十分な信頼性でP−gp機能の変化をみるに足る程敏感ではなく、したがって、P−gp阻害剤または競合基質の必要量を決めるに適していない。P−gp輸送システムは、インビボのヒトでは複雑であまり理解されておらず、インビボで使用できる高感度放射性トレーサーは、薬物および毒素の耐性、免疫、アポトーシスまたは細胞分化におけるP−gpの役割を解明するのに特に有益であろう。
P−gp〔ベパミル(vepamil)、タリキダール(tariquidar)、エラクリダール(elacridar)、N−デスメチルオペラミド(N−desmethyloperamide)〕を画像化すべく、いくつかのリガンドが開発され、標識化されたが、今日では[11C]ベラパミル(verapamil)が臨床研究で使用される唯一のものである。タリキダールは、現在臨床試験中のP−gp阻害剤である。
放射性トレーサーは、低い取込み量と選択性及び放射性代謝産物の存在により、インビボの挙動が、予め行ったインビトロでの研究とは異なるので臨床応用が制限されている。
従って、従来技術には、PET画像化における放射性トレーサーとして、ならびにP−gp、BCRPおよびMRP1から選ばれるATP輸送体の阻害により抑制または標準化される1つ以上の状態でのターゲット化放射性核種療法の放射性トレーサーとして使用できる新規なアントラニル酸誘導体を開発する必要性がある。さらに、ATP輸送体のインビトロおよびインビボでの過剰発現およびMDRの診断を研究するのに、この新規な化合物をこれらABC輸送体の基質として使用することができればさらに有益であろう。
本発明は、上記の必要性を満たし、先行技術で一般的に見られる欠点を克服するものである。
米国特許第7989630号明細書
カズノリ・カワムラ(Kazunori Kawamura)ら、"薬物排出輸送体の機能を評価する陽電子放出断層撮影プローブとしての18F−フルオロエチルF120918およびXR9576の合成およびインビボ評価"、Bioorganic&Medicinal Chemistry、19(2)、pp861−870(2011). トーマス・ワネック(Thomas Wanek)ら、"P−糖タンパク質発現マウス乳癌を検出する[11C]タリキダール(Tariquidar)、[11C]エラクリダール(elacridar)、および(R)−[11C]ベラパミル(verapamil)の小動物PET比較評価"、European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging、39(1)、pp149−159(2012).
本発明の目的は、P−gp、MRP1またはBCRPから選ばれる少なくとも1つのABC輸送体基質として使用することができる新規な式1の化合物を提供することにある。
本発明の別の目的は、PET画像の放射性トレーサーとして、およびP−gp、MRP1またはBCRPなどのABC輸送体を阻害することで抑制または標準化できる1つ以上の状態のターゲット化放射性核種療法の放射性トレーサーとして使用することができる新規な式1の化合物を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、P−gpのターゲット検出と定量的画像化をする放射性トレーサーとして使用することができる新規な式1の化合物を提供すること、及び化学療法の失敗に起因する疾患の進行または障害を示す患者での薬物耐性の原因としてMDR病理を検出し、MDR1/P−gpを特定する非侵襲的方法/手段を提供することにある。
本発明の目的は、P−糖タンパク質のターゲット検出と定量的画像化をする放射性トレーサーとして使用することができる新規な式1の化合物を提供すること、及び化学療法の失敗に起因する疾患の進行または障害を示す癌患者での薬物耐性の原因としてMDR1/を特定する非侵襲的方法/手段を提供して、患者に対してバイオマーカー特異的治療計画を設計し、不必要な毒性を特定する治療応答と指針に基づいて層別化し、患者の長い生存を可能にし、全体的な生活の質的向上を図ることにある。
本発明の目的は、P−gp、MRP1またはBCRPから選ばれる少なくとも1つのABC輸送体に結合する親和性の高い新規な式1の化合物を提供することにある。
本発明は、新規な式1の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、さらに、P−gp、MRP1またはBCRPから選ばれる少なくとも1つのABC輸送体の基質として使用することができる新規な式1の化合物を提供する。
1つの態様で、本発明は、PET画像化、およびABC輸送体の阻害により抑制または標準化できる1つ以上の状態のターゲット化放射性核種療法の放射性トレーサーとして使用することができる新規な式1の化合物を提供する。
本発明はまた、式1の化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む診断用組成物を提供する。
本発明はさらに、ターゲット化局在組織部位を検出/画像化する方法で、式1の放射性標識化合物を検出可能な量で患者に導入するを方法を提供することにある。ターゲット化局在組織は、例えば、腫瘍、または何らかの増殖/拡散がある。
本発明はさらに、ATP輸送体機能を阻害する方法を提供することにあり、この方法は、式1の化合物あるいはその薬学的に許容される塩を、ATP輸送体を阻害する量で哺乳動物に投与することにある。
本発明の1つの態様で、ABC輸送体は、好ましくは、P−gp、BCRPまたはMRP1から選ばれる。
ある実施形態で、本発明は、MDR1/P−gpが介在する耐性を検出する方法を提供するであり、この方法は、腫瘍/悪性増殖がある被験体に、式1の放射性標識化合物またはその薬学的に許容できる塩を検出可能な量で与えることからなっている。
本発明のある実施形態で、式1の化合物またはその薬学的に許容される塩は、15O、13N、11C、18F、68Ga、89Zrおよび94Tcなどの陽電子放射性核種であり、およびガンマー線放射性核種は、18F、99mTc、201TI、123Iである。
本発明のさらなる態様は、式1の化合物の製造方法を指向している。本発明は、また、式1の化合物の製造に有用な新規の式2の中間体を提供する。
本発明のさらなる態様は、式1の化合物の製造方法を指向している。本発明は、また、式1の化合物の製造に有用な式2の新規な中間体を提供する。
ここに示す実施形態は、以下の図面を付した詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
式1aの化合物のHPLCクロマトグラムを示している。 解離定数(kD)の推定を示している。ここで、kD=[式1aの遊離化合物][遊離タンパク質]/[タンパク質に結合した式1aの化合物]である。 タリキダールのHPLCクロマトグラムである。 解離定数(kD)推定を示している。ここで、kD=[遊離タリキダール][遊離タンパク質]/[タンパク質に結合したタリキダール]である。 NADPH再生系なしでミクロソーム画分のみとインキュベートした式1aの化合物のクロマトグラムを示している。ここで、489.88mAUsは、インキュベーション後のリガンド濃度Ccontrol−を表している。 式1aの化合物の、ミクロソームとNADPH再生系の存在下でインキュベートした式1aの化合物のクロマトグラムを示している。ここで、429.56mAUsは、リガンド濃度Cparent−を表している。 式1bの化合物を野生型マウスに投与した後でのマイクロPET動的データから式1bの化合物の脳取込み(1200〜3000秒)を示している。 野生型マウスにおけるタリキダールおよび式1bの化合物を投与(共注射)した後のマイクロPET動的データから式1bの化合物の脳取込み(1200〜3000秒)を示している。 P−gpノックアウトマウス(MDR1a/b−/−)におけるタリキダールおよび式1bの化合物を投与(同時注射)した後のマイクロPET動的データから式1bの化合物の脳取込み(1200〜3000秒)を示している。 野生型における式1bの化合物の投与(赤線);式1bの化合物と3.7g/kgのタリキダールの共投与(緑線);MDR1a/b−/−ノックアウト被験動物における式1bの化合物の投与(青線);後のマイクロPET動的データから式1bの化合物の脳薬物動態を示す図である。
特に断りのない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、用語“有する”や“有している”などの“有す”およびその変形は、“含んでいるが、限定するものではない”というオープンな包括的な意味で解釈される。
本明細書を通して、“1つの実施形態”または“実施形態”は、その実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの実施形態にあることを意味している。したがって、本明細書全体を通して種々の場所に出てくる“1つの実施形態で”または“実施形態で”という表現があるのは、必ずしも全て同じ実施形態を指しているものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する不定冠詞及び定冠詞は、その内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含んでいる。内容が明確に指示しない限り、用語“または”は、他に明確に断っていない限り一般的に「および/または」を含む意味に用いていることにも留意されたい。
ある実施形態で、本発明の実施形態を記載および請求するに使用した成分の量や、濃度、反応条件などの特性を表す数字は、ある場合には“約”とすべきものと理解される。従って、ある実施形態で、記載された説明での数値パラメータは、特定の実施形態によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似のものである。ある実施形態で、数値パラメータは、報告された有効数字の数と、通常の概数をとる手法に鑑みて解釈されるべきものである。本発明のある実施形態での広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値ではあるが、特定の実施例に示した数値は、可能な限り正確に報告している。
本明細書における数値範囲の列挙は、その範囲内に入るそれぞれの値を独立に参照する簡略な方法として役立つことを意図するのみである。本明細書中で他に示していない限り、個々の数値は、本明細書中に個々に列挙されているように明細書に組み込まれる。本明細書中に記載した全ての方法は、本明細書中で他に示していない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得るものである。本明細書の特定の実施形態に関して提供される任意のおよび全ての例または例示的な用語(例えば、“など”)の使用は、本発明をよりよく示すことを意図しているのみであり、他に請求した本発明の技術的範囲に制限を加えるものではない。明細書にある如何なる用語も、本発明の実施に不可欠な請求項にない要素を示していると解釈すべきではない。
本明細書で提供される本発明の見出しおよび要約は便宜上のものに過ぎず、実施形態の範囲または意味を説明するものではない。
以下の議論では、本発明の主題の多くの例となる実施形態を提供する。それぞれの実施形態は、本発明の要素の一つの組み合わせを表しているが、本発明の主題は、開示された要素の全ての可能な組み合わせを含むものと考えられる。従って、第1の実施形態では要素A、B、およびCを含み、第2の実施形態で要素BとDを含む場合、本発明の主題は、特段の開示がなくても、A、B、CまたはDの他の残りの組み合わせも含むと考えられる。
本発明は、式1の新規化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
Figure 0006840666
式中、Rは、メトキシであり;Rは、−(CHX〔式中、Xがハロゲンまたは放射性同位体〕であり;Rは、Hまたは−C1〜C6アルキルから選ばれ;Rは、H、−O−C1〜C6アルキル、または−C1〜C6アルキルから選ばれ;Rは、H、−C1〜C6アルキル、または−C1〜C6アルコキシから選ばれ;Qは、直接結合、O、S、−S−(CH−、または−O−(CH−〔式中、mが1,2,3,4,5または6から選ばれる整数〕の群から選ばれ;“−−”は、単結合または二重結合のいずれかであり;Rは、アリール、5〜10員ヘテロアリールおよび3〜14員ヘテロシクリル環からなる群から選ばれ;RおよびRは、同じかまたは異なり、H、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、フェニル、−NHOH、ニトロ、上記で定義したN(R1011)基またはSR11〔式中、R10およびR11は、独立して、HまたはC1〜C6アルキル〕基であり;またはRおよびRは、隣接する炭素原子に結合する場合、それらが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環またはメチレンジオキシ置換基を形成し;nは、0または1,2,3,4,5または6から選ばれる整数であり;そしてpは、0または1,2または3から選ばれる整数である。
本明細書で単独でまたは別の基の一部として使用される用語“アルキル”は、1から6の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素鎖を指している。アルキルの例は、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、i−ブチルなどがある。アルキル基は、任意に、ハロゲン、−OH、C1〜C6アルコキシまたはハロアルキルから選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で単独または別の基の一部として使用される用語“アルコキシ”は、アルキルが上記で定義したものと同じであるO−アルキルを指している。アルコキシ基は、任意に、ハロゲン、−OH、C1〜C6アルキルまたはハロアルキルから選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で使用される用語“アリール”は、例えばフェニルまたはナフチル環などの6から10員単環芳香族基であり、任意に、H、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲンまたは−OHから選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい。アリール基は、任意に、1つまたは2つのシクロアルキル基または他のアリール基と縮合して多環となっていてもよい。この縮合基は、任意に、H、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルまたは−OHから選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で使用する用語“ヘテロシクリル”は、独立にN、O、SまたはPから選ばれる1〜5個のヘテロ原子を有し、完全にまたは部分的に不飽和の非芳香族3〜14員単環シクロアルキル基を指している。“ヘテロシクリル”は、また、限定するものではないが、独立にアリール環、シクロアルキル環、ヘテロアリール環またはヘテロシクリル環からなる群から選ばれる1または2の環に縮合された二環または三環も含んでいる。
ヘテロシクリル基の例は、限定するものではないが、モルホリニル、オキサゾリジニル、テトラヒドロウラニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロベンゾフリル、アザビシクロヘキシル、ジヒドロインドニル、ピペリジニルまたはピペラジニルがある。
ヘテロシクリル基は、任意に、可能な位置でH、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルまたは−OHから選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい。ヘテロシクリル基が別の基に結合する場所は、炭素またはヘテロ原子を介していてよい。
本明細書で使用する用語“ヘテロアリール”は、N、O、SまたはPから独立して選ばれる1〜5のヘテロ原子を含む5〜10員芳香族単環構造を指している。“ヘテロアリール”は、限定するものではないが、上記に定義したヘテロアリール環が、アリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクリル環および別の単環ヘテロアリール環からなる群から独立に選ばれる1つまたは2つの環に縮合した二環または三環をも含んでいる。
ヘテロアリール基の例は、限定するものではないが、オキサゾリル、イミダゾリル、ピロリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、チエニル、イソオキサゾリル、トリアジニル、フラニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジン、イミダゾ[1,2−a]ピラジン、テトラヒドロキノリンなどがある。
ヘテロアリール基は、任意に、利用可能な位置で、H、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルまたは−OHから選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリール基の別の基への結合場所は、炭素またはヘテロ原子を介していてよい。
自身にあるいは別の基の一部として使用される用語“ハロゲン”または“ハロ”は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素およびそれらの同位体を指している。用語“放射性ハロゲン”は、特に放射活性ハロゲン同位体を指す。
本明細書で使用する用語“ハロアルキル”は、上で定義したアルキル基に、上記した1つ以上のハロゲンが置換したものを指しており、例えば、クロロメチル、ヨードメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2−クロロエチルがある。
本発明の1つの例を示す実施形態で、Rは以下でなる群から選ばれる。
Figure 0006840666
一実施形態で、Rは、以下のものであるのが特に好ましい。
Figure 0006840666
例に挙げる別の実施形態で、nの値は1〜4である。最も好ましくはnの値が1〜3であり、特に最も好ましくはnが1である。
例に挙げる1つの実施形態で、pの値は0と1から選ばれ、特に好ましくはpが1である。
例に挙げる別の実施形態で、RとRは、同一または異なるもので、−OMeまたは−OEtから独立に選ばれる。特に好ましくは、RとRのそれぞれが−OMeである。
式1の好ましい化合物は、“Q”が直接結合である化合物である。
1つの実施形態で、好ましくは、“X”が15O,13N、11C、18F、68Ga、89Zrおよび94Tcなどの陽電子放射性核種から選ばれる放射性同位体であり、およびガンマー線放出核種が18F、99mTc、201TI、および123Iである。また、別の実施形態で、“X”が68Ga(半減期が68分)であり、診断用途での陽電子放射断層撮影(PET)画像化における放射性トレーサーとして使用することができる。
さらに別の好ましい実施形態で、“X”は、94Tc(半減期が4.883時間)で、診断適用での陽電子放射断層撮影(PET)画像化における放射性トレーサーとして使用できる。
さらに別の好ましい実施形態で、“X”は、89Zr(半減期が78.41時間)であり、診断用途での陽電子放射断層撮影(PET)画像化における放射性トレーサーとして使用できる。
また別の好ましい実施形態で、“X”は“99mTc(半減期:6.01時間)”であり、診断用途における陽電子放射断層撮影(PET)画像化およびSPECT(単一光子放射断層撮影)における放射性トレーサーとして使用することができる。
一実施形態で、特に好ましくは、「X」が、フッ素およびその放射性同位体である。好ましい放射性同位体は18Fである。18Fは長の半減期が109.771分であり、陽電子の重要な供給源として商業的に利用でき、診断用途における陽電子放射断層撮影(PET)画像化の放射性トレーサーとして主に使用されている理由である。
例に挙げた実施形態で、式1の化合物は式1aで表される。
Figure 0006840666
本発明の化合物は、また、放射性標識として炭素の放射性同位体を含んでもよい。これは、1つ以上の放射性炭素原子、好ましくは11Cで、その原子のバックグラウンドレベルよりも高いの比放射能を有している。この点に関して、天然に存在する元素は種々の同位体の形態で存在し、そのいくつかは放射性同位体であることはよく知られている。天然に存在する元素の放射能は、これら同位体の自然の分布または量の結果であり、一般にバックグラウンドレベルと呼ばれる。
本発明の炭素標識化合物は、天然に存在する量よりも高い比放射能を有していて、従って、バックグラウンドレベルよりも高い比放射能を有している。本発明の炭素標識化合物を含む本発明が請求する組成物は、トレース、画像化、放射線療法などに使用できる量の化合物を有している。
式1および式1aの化合物は、溶媒和されていてもよく、特に水和されていてもよい。水和は、化合物または化合物を含む組成物を製造しているときに生じるか、あるいは化合物の吸湿性により経時的に行われることがある。さらに、本発明の化合物は、溶媒和されていない形態、および水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在することができる。
一般に、溶媒和された形態は、本発明の目的にとっては非溶媒和の形態と等価であると考えられる。
本発明の別の態様は、式1の化合物を製造する方法に関するものである。
1つの実施形態において、本発明は、式1の化合物を製造するに際しての新規な式2の中間体を提供する。
Figure 0006840666
本発明は、また、式2の中間体の製造方法を提供する。
例に示す実施形態で、式2の中間体は式2aによって表される。
Figure 0006840666
例に示す1つの実施形態は、一般的にスキーム1に示すように、以下のステップからなる新規な式2a中間体の合成を提供する。
(1)化合物1をO−ベンジル化して、3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンズアルデヒド(化合物2)を得る。
(2)3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンズアルデヒドをニトロメタンと縮合させて、(E)−2−(ベンジルオキシ)−1−メトキシ−4−(2−ニトロビニル)ベンゼン(化合物3)を得る。
(3)(E)−2−(ベンジルオキシ)−1−メトキシ−4−(2−ニトロビニル)ベンゼンを還元して、2−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)エタンアミン(化合物4)を得る。
(4)2−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)エタンアミンをパラホルムアルデヒドとギ酸で環化し、化合物5を得る。
(5)化合物5を1−(2−ブロモエチル)−4−ニトロベンゼンでN−アルキル化して、7−(ベンジルオキシ)−6−メトキシ−2−(4−ニトロフェネチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(化合物6)を得る。
(6)化合物6を還元して、2−(4−アミノフェネチル)−6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−オール(化合物7)を得る。
(7)化合物7を3,4−ジメトキシベンゾイルクロライドでアミド化して、N−(4−(2−(6−ヒドロキシ−7−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)フェニル)−4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンズアミド(化合物8)を得る。
(8)化合物8を還元して、2−アミノ−N−(4−(2−(6−ヒドロキシ−7−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)フェニル)−4,5−ジメトキシベンズアミド(化合物9)を得る。
(9)化合物9を化合物10でアミド化して、式2aの中間体を得る。
Figure 0006840666
化合物1のO−ベンジル化は、限定するものではないが、炭酸カリウム、NaOH、KOH、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウムなどから選ばれる1つ以上の塩基の存在下、限定するものではないが、メタノール、DMF、DMSOなどから選ばれる1つ以上の溶媒の存在下で行うことができる。
化合物2の縮合は、酢酸および酢酸アンモニウムの存在下、及び限定するものではないが、DMF、DMSO、アセトアミドなどから選ばれる1つ以上の溶媒の存在下で行うことができる。
化合物3の還元は、限定するものではないが、リチウムアルミニウムハイドライド、リチウムセレクトライドなどから選ばれる還元剤の存在下、及び限定するものではないが、メタノール、THF、ジオキサンなどから選ばれる1つ以上の溶媒の存在下で行うことができる。
化合物4の環化は、限定するものではないが、DMF、DMSO、アセトアミドなどから選ばれる1つ以上の適切な塩基の存在下で行うことができる。
化合物5のN−アルキル化は、限定するものではないが、NaOH、KOH、CsCO、水酸化カルシウム、トリエチルアミン(TEA)、ピリジン(PY)、コリジンから選ばれる1種以上の塩基の存在下、及び1つ以上の適切なヒドロキシル溶媒の存在下で行うことができる。
化合物6および8の還元は、限定するものではないが、10%Pd/C、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム、RaNiなどから選ばれる1つ以上の還元剤の存在下で行うことができる。
化合物7および9のアミド化は、限定するものではないが、DCM、ピリジンなどから選ばれる1つ以上の溶媒の存在下で行うことができる。
本発明のさらなる実施形態は、式2aの中間体を炭酸セシウムおよびDMFの存在下でヨードフルオロエタンと反応させるステップからなる新規の1a化合物製造を提供する。
式1の新規な放射性標識化合物において、Xは、好ましくはFであり、より好ましくは式1の放射性標識化合物が、以下に示す式1bの化合物として表される。
Figure 0006840666
本発明は、また、式1の放射性標識化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤からなる診断用組成物を提供する。
18F−フッ化物は、当技術分野で公知の種々の技術で製造することができ、例えば本発明の実施形態の1つで、18F−フッ化物は、サイクロトロン中プロトン照射によって最初にフッ化物アニオンとして生成することができる。このフッ化物アニオンは、次いで、X−CH−CH2−L(式中、Xはハロゲンまたはトシル)に化学的に導入されて、18F−CHCH−Lを形成する。ここで、Lは、化学反応における求核攻撃で離脱するとされる離脱基を表す。
挿入反応では、式1aの化合物のイソキノリン部分にある6−ヒドロキシ基は、18F−CHCH−Lを攻撃してLを置換し、式1bの標識化合物を形成する。本発明で例示した1つの実施形態で、「L」はトシル基である。
ある実施形態で、本発明は、被験体が式1の化合物と接したときの臨床的有効性または代謝行動を決定する方法を指向している。その方法は、次のステップからなっている。
(a)式1の放射性標識化合物の第1の量を被験体に投与する;
(b)式1の放射性標識化合物によって被検体内の対象領域内に放出された放射線に対応する信号を、イン サイチュウ(in situ)センサーから検出する;
(c)信号を被検体の外部に中継する;
(d)検出と中継ステップを、周期的にまたは異なる時間間隔、一般的に少なくとも約0.25〜24時間の間隔で繰り返す;
(e)信号を経時的にモニターする。
ある実施形態で、モニタリングステップを使用して、被験体の代謝および/または生体力学的応答を決定し、これにより、式1の化合物を投与する前に式1の化合物の治療用量に対するインビボ臨床効力または局所組織感受性を予測または評価することができる。
投与ステップは、インビボで実施することができ、式1の放射性標識化合物を(注射などにより)局所的に対象領域に送達させるか、または式1の放射性標識化合物を(注射器または静脈内カテーテルにより)全身に送達させる。式1の放射性標識化合物は、式1の対応する非放射性標識化合物の治療量より少ない第1の量で与えてもよい。
本発明の別の実施形態は、内部投与された式1の放射性標識化合物から放出された放射線を検出する検出システムに関するものである。このシステムは、インビボで作用するように構成された少なくとも1つの放射線センサーを有している。このセンサーは、式1の放射性標識化合物またはその生化学的成分から放出されたガンマー線を、体内のターゲット化局所組織内またはその近傍で検出するように構成されている。センサーは、約0.25〜24時間に及ぶ時間に亘って、少なくとも間欠的に放出されたガンマー線を検出するように構成されている(評価期間は、それぞれ時間的に別々に投与する複数の計画された治療処置の時間に近づけ、あるいは少なくともその時間の前とする。)。
システムは、また、放射線センサ(それぞれ)に動作可能に関連付けられたプロセッサーを有している。このプロセッサーは、センサーで検出された放射線と関係する信号データを受信するように構成される。プロセッサーは、時間依存測定プロファイルおよび/またはターゲット化局在組織中での式1の放射性標識化合物の取込みおよび/または保持と関連する選択されたインビボパラメータをモニターするコンピュータプログラムコードを有している。
本発明の一実施形態は、P−糖タンパク質のターゲット検出と定量的画像化の放射性トレーサーとして、放射性標識された式1の新規化合物を提供する。
ある実施形態で、本発明は、及び化学的治療の失敗による疾患の進行または悪化がみられる癌患者における薬物耐性の原因としてMDR病理を検出し、MDR1/P−gpを特定するために、P−糖タンパク質のターゲット検出と定量的画像化する方法を提供する。これにより、患者に対してバイオマーカー特異的治療計画を設計し、不必要な毒性を特定する治療応答と指針に基づいて層別化し、患者の長い生存を可能にし、全体的な生活の質的向上を図ることにある。このように、本発明は、インビトロおよびインビボでP−gp機能を画像化するための式1の放射性標識化合物を使用に関するものであり、脳癌、乳癌、骨癌などの癌、その他の固形腫瘍でのMDR障害、及びパーキンソン病、アルツハイマー病など中枢神経系の神経学的障害の診断への支援を提供する。
本発明の1つの実施形態で、新規な式1の化合物は、P−gp、MRP1またはBCRPから選ばれる少なくとも1つのABC輸送体の基質として使用することができ、ABC輸送体の阻害剤としての活性を有し、MDR癌の治療におけるMDRのモジュレーターとして使用できる。
本発明の一実施形態で、式1の化合物を使用して、化学療法の用途におけるP−gp、MRP1またはBCRPから選ばれる少なくとも1つのABC輸送体の輸送体活性および基質特異性を調節することができる。
本明細書中に示した式1の化合物は、ABC輸送体が介在するMDRを示す疾患を治療する方法に使用することができ、この方法は、必要とする被験体に本発明の化合物を治療有効量で投与することからなっている。
本発明の別の実施形態で、式1の化合物は、細胞または組織をABC輸送体に起因する排出を促進または阻害する化学治療剤と接触させることによって、細胞または組織中にあるP−gp、MRP1またはBCRPから選ばれる少なくとも1つのABC輸送体の排出性を調節することができ、遺伝子発現によるABC輸送体の活性は影響を受けない。
本発明の別の実施形態で、式1の化合物は、腫瘍を有するヒトまたは動物の患者に対し、化学療法剤と一緒に投与し、治療のための化学療法剤の細胞毒性を強めている。このような化学療法剤には、ビンカアルカロイド(vinca alkaloids)、アントラサイクリン(anthracyclines)、エピポドフィロトキシン(epipodophyllotoxins)、タキサン(taxanes)、アクチノマイシン(actinomycins)、コルチシン(colchicine)、ピューロマイシン(puromycin)、毒性ペプチド(例えばバリノマイシン(valinomycin))、トポテカン(topotecan)、エチジウムブロマイド(ethidium bromide)などの多くの抗癌剤および細胞毒性剤がある。〔Pastan and Gottesman,1987,New England J.Med.316(22):1388−1393参照〕。
本明細書に示した式1の化合物は、細胞または組織中の治療薬と接触して、ABC輸送体の遺伝子発現活性に影響を及ぼすことなくABC輸送体の排出性を活性化または阻害して治療薬の活性を強めることができる。
式1の化合物は、ABC輸送体の排出性を選択的に阻害し、細胞内の化学療法薬または抗生物質薬などの治療薬を保持するに使用することができるが、他の化合物に対しての通常の排出性は維持している。
式1の化合物は、化学療法薬のような治療薬を除く全ての化合物に対するABC輸送体の正常な排出性を選択的に維持するために使用することができる。
本発明の1つの実施形態で、式1の化合物は、細胞または組織を式1の化合物に接触させることによって、細胞または組織の解毒を促進する方法を提供するために使用されるが、ABC輸送体が遺伝子発現する活性は影響を受けない。特に、ABC輸送体の排出性は、所定の毒素、例えば発癌物質を排除することに関しては選択的に増加させているが、細胞中の他の化合物に対しては正常な排出性を維持している。
本発明の別の実施形態で、式1の化合物は、血液−脳関門または胎盤関門の効率を調節する方法を提供するために使用することができる。この方法は、それを必要とする個体に、ABC輸送体の活性を調節することができるが、ABC輸送体が遺伝子発現する活性には影響を受けない治療有効量で式1の化合物を投与するものである。
本発明の別の実施形態で、式1の化合物は、血液脳関門または胎盤障壁の効率を低下させるに使用できる。この実施形態で、所定の化合物、例えば治療薬に対してこの障壁効率を選択的に低下させるが、他の化合物に対しては正常な障壁効率を維持している。
別の実施形態で、血液−脳または胎盤障壁の効率を上げている。この実施形態では、所定の化合物、例えば急性または慢性毒素に対して障壁効率を選択的に増加させるが、他の化合物に対しては正常な排出効力を維持している。
本明細書で使用する用語“薬学的に許容される担体または希釈剤”は、以下の1つ以上である。
(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;(2)トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、および置換または非置換β−シクロデキストリンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバターおよび座薬ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、大豆油などの油類;(10)プロピレングリコールなどのグリコール類;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなどのエステル類;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどのバッファー剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸バッファー液;(21)医薬製剤に用いられるその他非毒性適合物質。
特定の実施形態で、本発明の診断用組成物は、非発熱性、すなわち患者に投与したときに有意な温度上昇を起こさない。
本明細書で使用される用語“薬学的に許容される塩”は、最終的な単離および精製の間にその場で製造される塩、あるいは遊離の塩基型にある純粋の化合物を適切な有機または無機酸と別々に反応させて形成された塩を単離した塩である。
代表的な薬学的に許容される塩は、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、ジメシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、およびアミノ酸塩などがある。
本発明の1つの実施形態で、式1の化合物は、1つ以上の酸性官能基を有し、したがって、薬学的に許容される塩基とで薬学的に許容される塩を形成することができる。
本発明の別の実施形態で、式1の化合物を、湿潤剤、乳化剤、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどのおよび潤滑剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、フレーバー、香料、防腐剤および抗酸化剤と一緒に投与できる。
本発明のある実施形態で、式1の化合物を、経口で、またはターゲット領域に注射器または移植で静脈内に投与することができる。
本発明のある実施形態で、式1の化合物を、診断および画像化の目的に使用される用量の少なくとも約1.5〜2倍となる治療用量で被験体に投与することができる。別の実施形態で、式1の化合物を、被験体に被験体が許容し得る最大投与量で投与することができる。別の実施形態で、式1の化合物を、体重50kgあたり約30〜100mCiの投与量で投与することができる。
本発明の別の実施形態で、式1の化合物を、被験体の治療の任意の段階で、被験体に免疫療法、外科手術、放射線療法、またはその他の化学療法の任意の組み合わせと関連させて投与できる。
本発明の一実施形態で、式1の放射性標識化合物を、診断および画像化の目的に使用されるものよりも有意に高投薬量での放射性標識化合物投与により疾患の治療に使用することができる。
本発明を、以下の実施例で詳細に説明するが、これらは、説明を目的にしたものであり、それ故に、本発明の技術的範囲を限定するものではない。全ての出発物質は、市販されているか、または有機化学の通常の当業者に周知の手順によって製造することができる。溶剤は、必要により使用前に標準的な方法〔Perrin,D.D.;Armarego,W.L.F.Purification of Laboratory Chemicals,Pergamon Press:Oxford,1988〕で乾燥する。
実施例1〜11で製造した化合物は、H−NMRと質量分析技術によって同定した。H−NMRスペクトルは、CDClまたはDMSO中,バリアン(Varian)400MHz分光計で得た。化学シフトは、内部標準としてのTMSと比較して、百万分率(ppm)でδ値として報告する。AUカップリング定数(J)値は、Hzで与えられる。質量スペクトル(MS)は、シマズ(shimadzu)装置LC2010で記録した。
本発明を以下の実施例で詳細に説明する。しかし、これらの実施例は説明のためのみであり、したがって本発明の技術的範囲を限定するものではないと理解すべきである。開示した実施形態に種々の変更、修正ができることは、当業者に明白である。このような変更、修正は、本発明の技術的範囲を逸脱することなくできる。
[実施例1: 3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンズアルデヒド(化合物2)の製造]
化合物1(250g、1.645mmol、1当量)のメタノール(3L)溶液を室温で撹拌し、炭酸カリウム(340.4g、2.467mmol、1.5当量)およびヨウ化ナトリウム(24.7g、0.164mmol、0.1当量)および塩化ベンジル(246mL、2.138mmol、1.3当量)を加えた。反応混合物を20分間撹拌し、還流(内部温度:60〜65℃)に加熱し、16時間還流し続けた。反応の進行をTLCでモニターし、化合物1が完全になくなるまで続けた。次いで、反応混合物を室温に迄冷却し、氷水(7L)でクエンチし、ガム状液体を形成させた。水層をデカントした。その後、水(2L)を反応混合物に加え、2時間撹拌し、濾過した。この化合物をメタノール(500mL)および石油エーテル(2×500mL)で洗浄した。得られた化合物を乾燥した。得られた最終化合物は、白色固体(TLCシステム:50%CHCl/石油エーテル、Rf:0.8)の化合物2であった(1125g、94.8%)。
H−NMR(400MHz、CDCl):9.8(s、1H)、7.49〜7.42(m、4H)、7.40(t、J=7.2Hz、3H)、7.22(d、J=7.6Hz、1H)、6.98(d、J=8.4Hz、1H)、5.19(m、2H)、3.96(s、3H)。
[実施例2: (E)−2−(ベンジルオキシ)−1−メトキシ−4−(2−ニトロビニル)ベンゼン(化合物3)の製造]
化合物2(385g、1.591mmol、1当量)の酢酸(2.5L、10v)溶液を、室温で酢酸アンモニウム(306.5g、3.977mmol、2.5当量)に加え、15分間撹拌した。この溶液に室温でニトロメタン(255.5mL、4.773mmol、3当量)を、色が無色から淡黄色に変化する迄滴下して加えた。ニトロメタンの添加が完了した後、反応混合物を室温で30分間撹拌し、還流(内部温度:105〜115℃)まで加熱した。反応混合物を4時間還流し、濾過した。固体を、メタノール中で30分間撹拌し続けて洗浄し、濾過した。化合物を脱水石油エーテル(2×1L)で洗浄した。得られた最終化合物は、白色固体(TLCシステム:50%CHCl/DCM、Rf:0.8)の化合物3であった(405g、89.3%)。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):8.2(d、J=13.6Hz、1H)、8.07(d、J=13.6Hz、1H)、7.64(d、J=1.6Hz、1H)、7.47〜7.34(m、6H)、7.09(d、J=8.8Hz、1H)、5.33(s、2H)、3.83(s、3H)。LCMS純度:214nmで99.43%、および254nmで99.9%〔ゾディアック(Zodiac)C−18(150×4.6)mm、3.5ミクロン、移動相:A=0.001M−NHOAc水溶液、B=CHCN;勾配(T/%B):0/10,10/90,15/90,15.1/10;流速:0.8ml/分、Rt=10.89分;希釈剤:CHCN〕;質量分析(m/z)=284.1(APCI、−veモード)。
[実施例3: 2−(3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル)−エタンアミン(化合物4)の製造]
化合物3(400g、1.403mmol、1当量)の脱水THF(1L)溶液を、水素化リチウムアルミニウム(80g、2.10mmol、1.5当量)のTHF中懸濁液に、反応の内部温度が−10℃を超えないようにしながら−30℃〜−10℃で滴下した。出発物質の添加が終わった後、反応混合物をゆっくりと室温に温め、室温で20時間撹拌した。化合物3が完全になくなる迄反応の進行をTLCでモニターした。反応混合物を−30℃に冷却した。次いで、内部温度を−10℃に保ちながら、水(80mL)、15%NaOH水溶液(80mL)そして水(240mL)を滴下した。その後、反応混合物を室温まで温め、3時間撹拌して過剰のLiAlHを確実にクエンチした。反応混合物をセライトで濾過した。固体をTHF(5L)で洗浄した。有機層を合わせて濃縮した。得られた最終化合物は、褐色ガム状液体(TLCシステム:10%MeOH/CHCl、Rf:02)の化合物4であった(405g、89.3%)。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):7.44〜7.33(m、5H)、6.89(br.d、J=8.8Hz、1H)、6.76(dd、J=8.4,2.0Hz、1H)、5.04(s、2H)、3.72(s、3H)、2.73(t、J=6.8Hz、2H)、2.53(t、J=6.8Hz、2H);LCMS純度:214nmで67.7%、および254nmで50.32%〔ゾディアックC−18(150×4.6)mm、3.5ミクロン、移動相:A=0.01M−NHOAc水溶液、B=CHCN;勾配(T/%B):0/10,10/90,15/90,15.1/10;流速:0.8ml/分、Rt=6.89分;希釈剤:CHCN+MeOH〕;質量分析(m/z)=258.1(APCI、+veモード)。
[実施例4:6−ベンジルオキシ−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(化合物5)の製造]
化合物4(575g、2.237mmol、1当量)のギ酸(2.3L)溶液を撹拌し、パラホルムアルデヒドに加えた。反応混合物の温度はゆっくりと40〜45℃に上昇した。反応混合物を4時間撹拌し、化合物4が完全に消費される迄進行をTLCでモニターした。反応混合物を氷水(15L)でクエンチし、固体NaHCOでpH=7〜8の塩基性にした。水層を酢酸エチル(5×1L)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物に、酢酸エチル(1L)を加え2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、酢酸エチル(2×100mL)で洗浄し、乾燥した。得られた最終化合物は、白色固体(TLCシステム:10%MeOH/CHCl、Rf:0.21)の化合物5であった(78g、13%)。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):7.44〜7.29(m、5H)、6.75(br.s、1H)、6.67(s、1H)、5.01(s、2H)、3.69(s、3H)、3.56(s、2H)、2.70(br.s、4H);質量分析(m/z)=270.1(APCI、+veモード)。
[実施例5: 7−(ベンジルオキシ)−6−メトキシ−2−(4−ニトロフェネチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(化合物6)の製造]
化合物5(78g、0.29mmol、1当量)のメタノール(1.6L、20v)溶液を、室温で撹拌し、炭酸カリウム(60g、0.43mmol、1当量)、ヨウ化ナトリウム(43.4g、0.29mmol、1当量)に加え、15分間撹拌した。1−(2−ブロモエチル)−4−ニトロベンゼンを室温で加えた。次いで、この反応混合物を65℃〜70℃に加熱し、20時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷水(10L)中に注いだ。水層を酢酸エチル(3×1L)で抽出した。有機層を合わせ、塩水(1L)で洗浄し、乾燥した(NaSO)。得られた混合物を濾過および濃縮して、褐色のガム状の液体を得た。これにエタノール(100mL)を加え、30分間超音波処理し、室温に20時間保持した。生成した化合物を濾過し、メタノール(10mL)で洗浄し、乾燥した。得られた最終化合物は、白色固体(TLCシステム:10%MeOH/CHCl、Rf:0.6)の化合物6(75g、61.9%)であった。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):8.19(br.d、J=8.4Hz、2H)、7.56(br.d、J=8.4Hz、2H)、7.49〜7.06(m、5H)、6.75(s、1H)、6.64(s、1H)、5.04(s、2H)、3.72(s、3H)、3.53(s、2H)、2.92(t、J=6.8Hz、2H)、2.73(t、J=6.8Hz、2H)、2.67(s、2H);LCMS純度:214nmで95.5%、および254nmで98.28%(ゾディアックC−18(150×4.6)mm、3.5ミクロン、移動相:A=0.01M−NHOAc水溶液、B=CHCN;勾配(T/%B):0/10,10/90,15/90,15.1/10;流量:0.8ml/分、希釈剤:CHCN);Rt=8.3分、質量分析(m/z)=419.1(APCI、+veモード)および417.1(APCI、−veモード)。
[実施例6: 2−(4−アミノフェネチル)−6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−オール(化合物7)の製造]
化合物6(45g、0.108mmol、1L)のメタノール(150mL)とTHF(625mL)溶液(アルゴンを1時間パージ)を、室温で、容器としてパールシェーカー中の10%Pd/C(湿潤)(15g、33%w/w)に加えた。反応混合物を、90PSIのH圧力下、室温で20時間水素化した。次いで、反応混合物を、セライト床で濾過し、TLCで所望の化合物が完全になくなる迄THFとメタノール1:1混合液(200mL×6)で洗浄した。有機層を合わせて濃縮し、得られた粗製品をメタノール(100mL)中で30分間撹拌し、濾過し、乾燥した。得られた最終化合物は、白色固体(TLCシステム:10%MeOH/CHCl、Rf:0.3)の化合物7であった(24.7g、77%)。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):8.66(s、1H)、6.89(d、J=8.4Hz、2H)、6.58(s、1H)、6.48(重なりd、J=8.4Hz、2H)、6.47(s、1H)、4.80(br、こぶ(hump)、2H)、3.69(s、3H)、3.47(s、2H)、2.62(br.s、6H)、2.56(s、2H);LCMS純度:214nmで98.6%、254nmで99.1%(ゾディアックC−18(150×4.6)mm、3.5ミクロン、移動相:A=0.01M−NHOAc水溶液、B=CHCN;勾配(T/%B):0/10,10/90,15/90,15.1/10;流量;0.8ml/分、希釈剤:CHCN);Rt=5.69分;質量分析(m/z)=299.1(APCI、+veモード)。
[実施例7: N−(4−(2−(6−ヒドロキシ−7−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)フェニル)−4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンズアミド(化合物8)の製造]
化合物7(40g、0.134mmol、1当量)のトルエン(500mL)溶液に、室温で塩化チオニルに滴下して加え、30分間撹拌し、ゆっくりと100℃に加熱した。反応混合物に触媒量のDMFを滴下して加え、100℃で2時間撹拌した。反応混合物は、透明な溶液となった。透明な溶液を得た後、反応から少量のアリコートをメタノール中にクエンチし、反応の進行を、酸塩化物が完全に生成する迄TLCでモニターした。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。この酸塩化物をDCM(300mL)に溶解し、これに化合物7とピリジンのDCM溶液を0℃で滴下して加えた。添加が終わった後、反応混合物を室温までゆっくりと加温し、2時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NaHCO水溶液(1L)でクエンチし、濃縮した。得られた固体を濾過し、水(250mL×2)で洗浄した。この固体をDCM(5L)に溶解し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗化合物を酢酸エチル中10%のアセトン(2×250mL)で粉砕し、濾過し、乾燥した。得られた最終化合物は、黄色固体(TLCシステム:10%MeOH/CHCl、Rf:0.41)の化合物8(40g、59%)であった。
H−NMR(400MHz、主要化合物について報告されたCDC1データ、ジアシル化化合物m/z719(+veモード)の不純物が観測される):10.44(s、1H)、8.67(s、1H)、7.57(s、1H)、7.55(d、J=8.0Hz、2H)、7.22(重なりd、J=8.4Hz、2H)、6.56(s、1H)、6.51(s、1H)、4.02(d、J=8.0Hz、1H)、3.96(d、J=8.0Hz、1H)、3.91(s、3H)、3.89(s、3H)、3.69(s、3H)、2.76〜2.56(一連m、8H);LCMS純度:214nmで62.8%、254nmで67.7%(ジェミニC−18(50×4.6)mm、3.5ミクロン、移動相:A=0.01M−NHOAc水溶液、B=CHCN;勾配(T/%B):0/40,5/80,8/90,12/90,12.1/40;流量:0.7ml/分、希釈剤:CHCN);Rt=3.1分;質量分析(m/z)=508.1(APCI、+veモード)。
[実施例8: 2−アミノ−N−(4−(2−(6−ヒドロキシ−7−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)フェニル)−4,5−ジメトキシベンズアミド(化合物9)の製造]
化合物8(40g、78.864mmol、1当量)のTHF−メタノール1:1混合液中溶液(アルゴンで1時間パージ)に、パールシェーカー容器中、室温で10%Pd/C(湿潤)(20g、50%(w/w))を加えた。反応混合物を90PSIのH圧下で24時間水素化した。反応混合物をセライト床で濾過し、メタノール−THF1:1混合液(3×500mL)、及びメタノール(5×250mL)で洗浄した。有機層を合わせて濃縮し、酢酸エチル(100mL)、メタノール(1×100mL)で、再び酢酸エチル(100mL)で濾過し、乾燥した。得られた最終化合物は、灰色がかった白色固体(TLCシステム:10%MeOH/CHCl、Rf:0.41)の化合物9(30g、79%)であった。
H−NMR(400MHz、主要化合物について報告されたDMSO−dデータ):δ9.66(s、1H)、8.67(s、1H)、7.57(d、J=8.0Hz、2H)、7.22(重なりd、J=8.4Hz、2H)、7.21(s、1H)、6.58(s、1H)、6.48(s、1H)、6.36(s、1H)、6.29(br.s、2H)、3.88〜3.80(m、2H)、3.73(s、3H)、3.72(s、3H)、3.70(s、3H)、3.51(s、3H)、2.76〜2.57(一連m、8H);LCMS純度:214nmで88.16%および254nmで89.06%(ジェミニC−18(50×4.6)mm、3.5ミクロン、移動相:A=0.01M−NHOAc水溶液、B=CHCN;勾配(T/%B):0/30,4/80,8/80,8.1/30;流速;0.6ml/分、希釈剤:CHCN);Rt=2.99分;質量分析(m/z)=508.1(APCI、+veモード)。
[実施例9: N−(2−((4−(2−(6−ヒドロキシ−7−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)フェニル)カルバモイル)−4,5−ジメトキシフェニル)キノリン−3−カルボキサミド(式2a)の製造]
化合物10(30g、0.063mmol、1当量)の溶液を、0℃で化合物9(30g、0.063mmol)とピリジン(25.3mL、0.314mmol)の脱水DCM(1.2L)溶液に滴下して加えた。反応混合物を、室温で20時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NaHCO溶液(500mL)でクエンチした。層に分離した。水層をDCM(3×1L)で抽出した。有機層を合わせて塩水(500mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。得られた化合物を熱メタノール(5×100mL)で粉砕し、濾過し、乾燥した。得られた最終化合物は、黄色固体(TLCシステム:10%MeOH/CHCl、Rf:0.4)の式2aの化合物であった(15g、37.7%)。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ10.43(s、1H)、9.33(d、J=2.4Hz、1H)、9.10(br.s、1H)、8.88(d、J=2.4Hz、1H)、8.22(s、1H)、8.15(d、J=8.0Hz、1H)、8.13(d、J=8.4Hz、1H)、7.92(t、J=8.4Hz、1H)、7.72、J=8.4Hz、1H)、7.62(重なりd、J=8.4Hz、2H)、7.54(s、1H)、7.29(d、J=8.4Hz、2H)、6.69(s、1H)、6.59(s、1H)、6.36(s、1H)、6.29(br.s、2H)、4.10(br.こぶ、2H)、3.89(s、3H)、3.88(s、3H)、3.72(s、3H)、3.20〜2.86(一連m、8H);LCMS純度:214nmで96.15%および254nmで96.05%(ジェミニC−18(50×4.6)mm、3.5ミクロン、移動相:A=0.01M−NHOAc水溶液、B=CHCN;勾配(T/%B):0/30,4/80,8/80,8.1/30;流速;0.6ml/分、希釈剤:CHCN);Rt=4.39分;質量分析(m/z)=633.2(APCI、+veモード)。
[実施例10:N−(2−((4−(2−(6−(2−フルオロエトキシ)−7−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)フェニル)カルバモイル)−4,5−ジメトキシフェニル)キノリン−3−カルボキサミド(式1a)の製造]
式2a化合物(9.9g、15.66mmol、1当量)の脱水DMF溶液を、室温で炭酸セシウム(10.1g、31.329mmol、2当量)に加え、10分間撹拌した。次いで、ヨードフルオロエタン(817g、4.7mmol、0.3当量)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物を60℃〜65℃に加熱した。式2a化合物が完全に消費される迄反応の進行をTLCでモニターした。反応混合物を氷水(700mL)中にクエンチし、30分間撹拌した。反応混合物を濾過し、水(100mL)で洗浄し、乾燥した。この固体を酢酸エチル(500mL)に溶解し、乾燥(NaSO)し、濾過し、濃縮した。得られた化合物を、メタノール(200mL)で粉砕し、濾過し、メタノール(50mL)で洗浄し、乾燥した。この化合物を、再び酢酸エチル(200mL)で粉砕し、濾過し、乾燥した。得られた最終化合物は、淡黄色固体(TLCシステム:10%MeOH/CHCl、Rf:0.5)の式1aの化合物であった(8.4g、79.2%)。
HNMR(400MHz、DMSO−d):10.31(s、1H)、9.34(d、J=2.4Hz、1H)、8.87(s、1H)、8.26(s、1H)、8.15(d、J=8.4Hz、1H)、7.92(t、J=8.4Hz、1H)、7.72(t、J=8.4Hz、1H)、7.61(d、J=8.4Hz、1H)、7.52(s、1H)、7.29(d、J=8.4Hz、2H)、6.68(s、1H)、6.66(s、1H)、4.77〜4.63(m、2H)、4.19〜4.09(m、2H)、3.88(s、3H)、3.87(s、3H)、3.72(s、3H)、3.52(s、2H)、2.80〜2.61(一連のm、8H);LCMS純度:214nmで98.49%および254nmで98.57%(ジェミニC−18(50×4.6)mm、3.5ミクロン、移動相:A=0.01M−NHOAc水溶液、B=CHCN;勾配(T/%B):0/30,4/80,9/80,9.1/30;流速;0.6ml/分、希釈剤:CHCN);Rt=5.14分;質量分析(m/z)=679.2(APCI、+veモード)および677.1(APCI、−veモード)。
[実施例11: 式1bの化合物の製造および精製]
サイクロトロン:
18F−フッ化物は、PETトレースサイクロトロン〔GEヘルスケアー(GE Healthcare)、アメリカ合衆国〕で、ニオブターゲット中、2.1mLの18O−水(富化>98%)のプロトン照射(Ep 16.7MeV、50mAで30分)で生成した。
放射性標識化合物の製造ユニット:
装置:トレーサーラボ(TracerLab)Fx−FDG〔GEヘルスケアー(GE Healthcare)、アメリカ合衆国〕。
構成:シリカプレ−精製カチオンカートリッジを備えた標準配管(IBD_3_2015_I−01を参照)。標準的な洗浄手順。
HPLC:
放射性−HPLCは、ガビ・スター(Gabi Star)フロースルーガンマー検出器〔レイテスト(Raytest)、ドイツ〕を996フォトダイオードアレイ(Photo Diode Array)(PDA)UVディテクターと直列に結合して装備したデルタ(Delta)600ポンプシステム〔ウォータース(Waters)アメリカ合衆国〕を用いて行った。
放射性TLC:
放射性TLCは、サイクロンプラス(Cyclone PLUS)〔パーキンエルマー(Perkin−Elmer)アメリカ合衆国〕を使用して読み取った。シリカゲルプレート(アルミニウム)を、溶離剤混合物で現像し、乾燥してからSR蛍光画像化プレートに暴露した。化学および放射化学的純度は、注射前の各製剤の放射性HPLCによってコントロールした。式1bの放射性標識化合物(10%エタノール/生理食塩水)とトレーサー/タリキダール混合物(10%グルコース酸中10%DMSO)の投与に適切な製剤を開発した。
式1aの化合物の[18F]フルオロエチル化は、2段階の反応の後にマイクロ流体化学プラットフォーム〔アドビオン・ナノテック(Advion Nanotek)〕で行った。第1段階では、エチルジトシレート前駆体を、アセトニトリル中で18F−フッ化物/クリプトフィックス付加物を使用して標識して18F−フルオロエチルトシレートを得た。第2段階では、この標識中間体を式1aの化合物と反応させて、式1bの標識化合物を得た。この放射化学的方法を、マイクロ流体プラットフォームから、昔からある容器放射合成モジュール〔GE トラセルラボ(GE TracerLab)Fx−FDC〕に移した。式1bの化合物を、崩壊補正なしで収率4%(崩壊補正して12%)および放射化学純度>95%で得た。
[実施例12: P−gpおよび他の“シスタープロテイン”、すなわちBCRP、MRP1に対する活性と選択性を決定するためのMDCK細胞における式1aの化合物の評価]
[A]MDCK−P−gp(蛍光プローブ・カルセイン(Calcein)−AM)、MDCK−BCRP(蛍光プローブ・ローダミン)およびMDCK−MRP1(蛍光プローブ・カルセイン−AM)の3種類の異なる細胞株を用いた。これらの細胞は、ヒトP−gpまたはBCRPまたはMRP1を安定に過剰発現する。
1)式1aの化合物のEC50
P−gp EC50=8.0±0.2nM
BCRP EC50>500nM
MRP1 EC50>500nM
2)比較のタリキダールのEC50
P−gp EC50=4.0±0.2nM
BCRP EC50>80nM
MRP1 EC50>500nM
上記の結果は、式1aの化合物は、強力なP−gpリガンドであるが、BCRPおよびMRP1に対して不活性であることを示している。
式1aの化合物の最大有効濃度(EC50)アッセイは、この化合物が8nMの濃度で活性であることを示しており、カズノリ・カワムラ(Kazunori Kawamura)らに報告された24nMの濃度を必要とするタリキダールより3倍活性で、効果が大きい。EC50アッセイは、所定暴露時間後でのベースラインと最大値の間の中間応答値となる薬物、すなわち抗体または毒性物質の濃度を指す薬理学的効果試験であり、薬物の効果の尺度として一般に使用されている。
Caco−2細胞における式1aの化合物の固有の機構を確立するために、ATPをなくすることができるかを定義した。ATPをなくせる化合物は、P−gp基質とみなせるが、ATPをなくすることができないリガンドは、P−gp阻害剤とみなせる。
MDCK−MDR1細胞を、96ウェルマイクロプレートに、100μLの完全培地中、2×10細胞/ウェルの密度で播種した。プレートを、37℃で5%COの加湿雰囲気中で一晩インキュベートした。培地を除き、式1aの化合物を異なる濃度の存在下または非存在下で、100μLの完全培地を添加した。プレートを37℃で5%COの加湿雰囲気中で2時間インキュベートした。全てのウェルに50マイクロリットルの哺乳動物細胞溶解溶液を添加し、プレートをオービタルシェーカーで5分間振盪した。50マイクロリットルの基質溶液を全てのウェルに加え、プレートをオービタルシェーカーで5分間振盪した。プレートを10分間暗順応させ、発光を測定した。
式1aの化合物の結果:
ATP−ase細胞枯渇=1μMで20%
比較のタリキダールの結果:
ATP−ase細胞枯渇=1μMで30%
この結果は、式1aの化合物がP−gp基質より幾分弱い基質であることを示している。
[B]Caco−2細胞における見かけの透過性は、化合物のP−gp内因性活性を確認するものである。BA/AB>2を示すリガンドは輸送されるが、BA/AB<2を有するリガンドはP−gpによって輸送されない。
Caco−2細胞を、ミリセル(Millicell)アッセイシステム〔ミリポア(Millipore)〕に播種し、細胞単層がフィルター細胞とレシーバープレートとの間に10,000細胞/ウェルの密度とした。培養培地を48時間毎に交換し、細胞を21日間培養し続けた。単層の経上皮電気抵抗(TEER)を、上皮電圧計〔ミリセル−ERS〕を用いて実験の前後で毎日測定した。一般に、TEER値が21日間の培養で1000倍より大きいのが最適と考えられる。Caco−2細胞を21日間増殖させた後、培地を、新しいHBSSバッファー〔インビトロジェン(Invitrogen)〕で満たしたフィルターウェルとレシーバープレートから取り出した。この手順を2回繰り返し、プレートを37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション時間の後、HBSS緩衝液を除き、薬物溶液を種々の濃度(1〜100μM)でフィルターウェルに加え、新しいHBSSをレシーバープレートに添加した。プレートを37℃で120分間インキュベートした。その後、単層の頂端部(フィルターウェル)および側底部(レシーバープレート)からサンプルを採取し、透過性を測定した。見掛け透磁率(Papp)をnm/s単位で計算した。
式1aの化合物の見掛け透過率(B→A/A→B)は、16±0.7であった。比較で、タリキダールの透過性(B→A/A→B)は、>30である。
この結果では、見掛け透過性は、P−gp基質活性と一致することを示した。結論として、これらのアッセイを考慮すると、式1aの化合物は、強力なP−gp基質である。
[実施例13: 式1aの化合物のHPLC分析]
カラム:C−18キネテックス−フェノメネックス(Kinetex−Phenomenex)
移動相:CHCN/10mM−NaHPO=70/30、pH=3.5
流量:0.5mL/分
式1aの化合物のHPCLクロマトグラムを図1に示す。
[実施例14: 式1aの化合物のタンパク質血漿結合(PPB)アッセイ]
Figure 0006840666
血漿タンパク質結合を、解離定数KDで測定する。:KD=[式1aの化合物][P]/[式1aの化合物−P];式中、[式1aの化合物−P]はタンパク質Pに結合した式1aの化合物の濃度であり、[式1aの化合物]は式1aの化合物の遊離濃度を表し、[P]はタンパク質の遊離濃度を表している。
図2に示すように、式1aの化合物は、kD=7.17e−4Mで、血漿タンパク質結合度(46.1%±3.95%)が低いことを示した。これは、ターゲットタンパク質と結合して検出できる遊離の非結合放射性トレーサーが多いことを意味している。
fbは、ヒト血清アルブミンおよびヒトオチ酸糖タンパク質に基づく血漿タンパク質に結合した画分の推定値を表す。リポタンパク質、トランスコルチン、および性ホルモン結合タンパク質などの他の低濃度の血漿タンパク質への結合は考えていない。
トランシル品質指数(TRANSIL Quality Index)(TQI)は、データ解析から得られた独立した5つの測定値に基づいている。それぞれの測定で、0と10の間の数字で部分品質スコアを推定している。0は最低品質を、10は最高品質を表す。最終品質指数は、部分品質スコアの加重平均である。
試験データを式に入れて得た相関係数r2も、部分品質スコア(下の表2)となる。このスコアは、TQIで3の重みを持っている。
Figure 0006840666
[実施例15: 比較のタリキダールのHPLC分析]
カラム:C−18キネテックス−フェノメネックス(C−18 Kinetex−Phenomenex)
移動相:CHCN/10mM−NaHPO=70/30、pH:3.5
流量:0.5mL/分
タリキダールのHPLクロマトグラムを図3に示す。
[実施例16: 比較のタリキダールのタンパク質血漿結合(PPB)アッセイ]
血漿タンパク質結合を、解離定数KDで測定する。
KD=[TQD][P]/[TQD−P]
式中、[TQD−P]はタンパク質Pに結合した薬物タリキダールの濃度、[TQD]はタリキダールの遊離濃度、[P]はタンパク質の遊離濃度を表している。タリキダールは、図4に示すように、kD=6.47×10−5Mで、血漿タンパク質結合度(90.5%±1.06%)が高いことを示した。
fbは、ヒト血清アルブミンおよびヒトオチ酸糖タンパク質に基づく血漿タンパク質に結合した画分の推定値を表す。リポタンパク質、トランスコルチン、および性ホルモン結合タンパク質などの他の低濃度の血漿タンパク質への結合は考えていない。
トランシル品質指数(TQI)は、データ解析から得られた独立した5つの測定値に基づいている。それぞれの測定で、0と10の間の数字で部分品質スコアを推定している。0は最低品質を、10は最高品質を表す。最終品質指数は、部分品質スコアの加重平均である。
試験データを式に当てはめて得られた相関係数r2も、部分品質スコア(下の表2)に基づいている。このスコアは、TQIで3の重みを持っている。
Figure 0006840666
この結果は、式1aの化合物はKD=7.17×10−4であり、タリキダールはKD=6.47×10−5であった。
式1aの化合物は血漿タンパク質に殆ど結合しないが、TQDはこれらのタンパク質に強く結合するので、式1aの化合物はTQDよりも高いKDを示した。このパラメータは、インビボPET研究の生物学的利用能と崩壊の両方を考える上で重要である。
[実施例17: ラット肝ミクロソームによる式1aの化合物の代謝安定性]
式1aの化合物の代謝安定性は、試験化合物をラット肝ミクロソームと一緒にインキュベートし、30分間以内での親消失(parent disappearance)をHPLCでモニターすることによって評価した。
Figure 0006840666
カラム:キネテックス−C18
カラム温度:40℃
移動相:勾配;Aは水中0.1%ギ酸、BはMeCNで、A:Bを10分かけて95:5から30:70に、5分かけて20:80とした。
流速:0.5ml/分
注入量:50μL
図5は、NADPH再生系なしでマイクロソーム画分のみでインキュベートした式1のクロマトグラムを示しており、489.88mAUsは、インキュベーション後のリガンド濃度Ccontrol−を表している。
図6は、ミクロソームとNADPH再生系の存在下でインキュベートした式1aの化合物のクロマトグラムを示しており、429.56mAUsは、リガンド濃度Cparent−を表している。このように、上記の結果は、式1aの化合物は、30分で88%が変化しないで残っているので、良好な代謝安定性を示したことを示した。
代謝物(ヒトミクロソーム)
変化しない形(%)
30分後:91%
60分後:85%.
式1aの化合物は、30分で91%が変化しないで残り、60分後で85%が変化しなかったので、良好な代謝安定性を示した。
[実施例18: 式1aの化合物の細胞傷害性]
細胞増殖の測定を、MTTアッセイを用いて、24時間および48時間で行った。1日目に、30,000細胞/ウェルを96ウェルプレートに100μLの容量で播種した。2日目に、種々の薬物濃度(0.1〜100μM)で添加した。全ての実験において、種々の薬物−溶媒(エタノール、DMSO)をそれぞれのコントロールに添加して、溶媒細胞傷害性の可能性を評価した。
式1aの化合物と所定時間インキュベーションした後、各ウェルにMTT(0.5mg/mL)を添加し、37℃で3時間インキュベートした後に上清を除いた。ホルマザン結晶を100μLのDMSOを用いて溶解し、570nmと630nmでの吸光度をパーキンエルマー・ライフ・サイエンセス(PerkinElmer Life Sciences)のマイクロプレート・リーダー・ビクター(Victor)−3で測定した。
結果:100μMで、DCK−MDR1において24時間に5%、48時間に15%。
比較のタリキダールの結果:100μMで、MDCK−MDR1において24時間に8%、48時間に19%。
式1aの化合物を、裏返した腸管の漿膜側区画に入れ、120分間試験した:
1)粘膜側区画における濃度。
2)漿膜側区画/粘膜側区画における安定性。
この結果は、式1aの化合物は粘膜側区画に通過できないことを示していて、これはP−gp基質に予想され、典型的である。さらに、漿膜側区画で120分での安定性は、ラットミクロソームで報告された安定性と同じで、60分後に83%;120分後に75%であった。
上の結果は、式1aの化合物が強力なP−gp基質であり、良好な安定性を有し、血漿タンパク質に結合していることを示している。
裏返した腸管では、式1aの化合物はBBBを通過できないようであり、従って、末梢腫瘍におけるP−gpを画像化するためのPET放射性トレーサーとして興味深い候補となる。
[実施例19: インビボマイクロPET/CT研究を用いた式1bの化合物のインビボ生体分布評価]
1組の野生型マウス対象体に、式1bの化合物(すなわち、[18F]−標識した式1aの化合物)を注射した。トレーサー化合物を注入して直ぐに、マイクロPET/CTシステムを使用して被験体をスキャニングンした。この研究は、深麻酔(酸素/イソフルラン1.5−2W/O薬物−誘導)で行い、動物は、承認を得た後、規制、倫理、および動物愛護ガイドラインに準拠して処理した。
図7に示すように、野生型被験体は、脳レベルで式1bの放射性標識化合物の結合を示した。抽出は、研究期間中は一定で、脳構造に可能性のある選択的結合を示していた。図1に示すようにマイクロPETとマイクロCT画像を融合させて、脳の視覚化を良くするためにした。
図8は、野生型マウスにタリキダールと式1bの化合物を投与(共注射)した後のマイクロPET動的データからの式1bの化合物の脳取込み(1200〜3000秒)を示す図である。図8に示すように、この放射性トレーサー(すなわち、式1bの化合物)を、P−gp作用を選択的に阻害できるタリキダールのような競合する化合物の存在下で投与したとき、同じ野生型被験体における脳レベルでのインビボ取込みが大きく減少している。図8において、上の図面はマイクロPETを、下の図面は研究で得られたマイクロCT画像を表している。
図9は、P−gpノックアウトマウス(MDR1a/b−/−)におけるタリキダールと式1bの化合物の投与(共注射)後のマイクロPET動的データからの式1bの化合物の脳取込み(1200−3000秒)を説明している。
図3に示すように、同じ脳レベルでの取込み減少は、P−gp部位のない被験体(すなわち、遺伝子的に改変したノックアウトマウス:MDR1a/b−/−)に観察された。
図10は、それぞれ、野生型に式1bの化合物を投与(赤線):野生型に式1bの化合物と3.7g/kgのタリキダールの同時注射(緑線);MDR1a/b−/−ノックアウト被験体に式1bの化合物を投与(青線)した後のマイクロPET動的データからの式1bの化合物の脳薬物動態を示す図である。
〔発明の利点]
本発明は、P−gp、MRP1またはBCRPから選ばれる少なくとも1つのABC輸送体の基質として使用することができる新規な式1の化合物を提供する。
本発明は、さらに、PET画像化、およびP−gp、BCRPおよびMRP1などのABC輸送体の阻害により抑制または標準化できる1つ以上の状態のターゲット化放射性核種療法の放射性トレーサーとして使用することができる式1の新規化合物を提供する。
本発明は、固形腫瘍、種々のタイプの癌、中枢神経系疾患、パーキンソン病などにおいてMDR1/P−gp検出を特異的にターゲットする“ファースト・イン・クラス”PET造影剤としての式1の新規化合物を提供する。
本発明は、ターゲット検出およびP−糖タンパク質の定量的画像化のための放射性トレーサーとして使用することができる新規な式1の化合物を提供し、化学的治療の失敗による疾患の進行または悪化がみられる癌患者における薬物耐性の原因としてMDR病理を検出し、MDR1/P−gpを特定する非侵襲的方法/手段を提供する。
本発明は、P−糖タンパク質のターゲット検出と定量的画像化するための放射性トレーサーとして使用できる新規な式1の化合物、及び化学的治療の失敗による疾患の進行または悪化がみられる癌患者における薬物耐性の原因としてMDR病理を検出し、MDR1/P−gpを特定し、これにより、患者に対してバイオマーカー特異的治療計画を設計し、不必要な毒性を特定する治療応答と指針に基づいて層別化し、患者の長い生存を可能にし、全体的な生活の質的向上を図る非侵襲的方法/手段を提供する。
インビトロおよびインビボでP−gp機能を画像化する式1の放射性標識化合物の使用に関する本発明は、MDRの脳癌、乳癌、骨髄癌などの癌及び個体腫瘍、パーキンソン病、アルツハイマー病などの中枢神経系神経疾患などのMDR障害の診断を補助するものである。

Claims (4)

  1. 以下の式1aで表されることを特徴とする化合物。
    Figure 0006840666
  2. 以下の式1bで表されることを特徴とする化合物。
    Figure 0006840666
  3. 哺乳動物に、請求項2に記載の式1bの放射性標識化合物またはその薬学的に許容される塩を検出可能な量で導入することを特徴とするターゲット化局在化組織の部位を検出または画像化するための方法。
  4. 前記ターゲット化局在化組織が、腫瘍または細胞増殖であることを特徴とする請求項に記載のターゲット化局在化組織の部位を検出または画像化するための方法。

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