JP6840596B2 - 産業機械 - Google Patents

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Description

本発明による実施形態は、産業機械に関する。
射出成形機等の産業機械は、モータ等の制御系を備えている。制御系はフィードバック制御されており、特定の周波数帯域において共振現象が起こることがある。共振現象は、モータを振動させる場合がある。このような共振現象を抑制するためには、制御系の周波数特性を把握しフィルタを設定する必要がある。通常、周波数特性を把握するためには、制御系への指令にホワイトノイズを入力し、出力された波形とホワイトノイズとの比較から、各周波数成分の伝達特性を並べたボード線図を取得する方法が用いられる。このとき、制御系の周波数特性は、モータ軸(即ち、ロータ)の回転角(以下、単に、角度ともいう)によって変化することはないと考えられていた。
しかし、現実には、モータ軸の角度によって、共振点のゲインおよび共振周波数(中心周波数)が変化することがある。例えば、モータ軸の或る角度で確認された共振点がモータ軸の別の角度では全く確認されないことがある。また、モータ軸のどの角度でも共振現象はあるものの、その中心周波数が角度によって異なる場合がある。従って、モータ軸の或る角度において取得したボード線図を基に共振を抑制するフィルタを適用しても、モータ軸の他の角度における共振点は抑制されないままとなるという問題が生じていた。
特開2015−097462号公報
上記問題に対処するために、ユーザ自身がモータ軸を回転させながら、モータ軸の複数の角度のそれぞれについてボード線図を取得することが考えられる。
しかし、モータの設置場所やモータのサイズによっては、ユーザ自身がモータ軸を所望の角度に位置付けることは難しい場合がある。さらに、ユーザ自身がモータ軸の角度を設定すると、ボード線図を取得するための工程が非常に煩雑になり、ボード線図を取得するために長時間を要してしまう。
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するためになされたもので、任意の回転角におけるモータ軸のボード線図を容易に取得することができる産業機械を提供する。
本実施形態による産業機械は、動作対象を動作させるモータと、モータを制御するサーボ制御部と、モータの軸の回転角を所定の角度に設定するようにサーボ制御部を制御する主制御部と、軸の複数の回転角について、サーボ制御部の周波数特性およびボード線図を取得する周波数特性測定部と、サーボ制御部のゲインのうち一部の周波数帯のゲインを抑制させるフィルタ処理部と、を備え、主制御部は、ボード線図のゲインにおいて軸の角度の変化により中心周波数または高さが所定値以上に変化するピークを検出し、検出されたピークのゲインの一部を抑制するようにフィルタ処理部を動作させる
当該産業機械は、軸の複数の回転角について、ボード線図を表示する表示部をさらに備えてもよい。
主制御部は、軸を360°回転させたときの動作対象の動作範囲を演算し、動作範囲が動作対象の動作可能域を超える場合に、周波数特性およびボード線図の取得を停止してもよい。
フィルタ処理部は、ノッチフィルタを備え、主制御部は、検出されたピークの周波数に基づいてノッチフィルタのカットオフ周波数を設定してもよい。
フィルタ処理部は、ローパスフィルタを備え、主制御部は、検出されたピークにおいて最も低い周波数をローパスフィルタのカットオフ周波数としてもよい。
所定の角度は、360°を複数に等分割した角度であってもよい。
第1実施形態による産業機械100の構成の一例を示すブロック図。 第1本実施形態による産業機械100の動作の一例を示すフロー図。 モータ軸の各分割角度におけるボード線図の測定結果を示すグラフ。 フィルタ設定後に再取得したモータ軸の各分割角度におけるボード線図の測定結果を示すグラフ。 変形例による産業機械100の動作の一例を示すフロー図。 第2実施形態による産業機械100の構成の一例を示すブロック図。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による産業機械100の構成の一例を示すブロック図である。産業機械100は、例えば、工作機械、射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機等の電動機械である。産業機械100は、主制御部10と、位置制御部20と、速度制御系30と、電流制御部40と、モータ50と、エンコーダ60と、入力部70と、ディスプレイ80と、周波数特性測定部90と、減算器(演算器)15、32とを備えている。尚、位置制御部20と、速度制御系30と、電流制御部40とをまとめて“サーボ制御部”とも言う。
主制御部10は、制御対象としてのモータ50の目標位置を示す位置指令を出力する。また、主制御部10は、360°を複数に分割した分割角度を位置指令に換算し、その位置指令をサーボ制御部(位置制御部20)に出力する。
ここで、分割角度とは、モータ50の軸(即ち、ロータ)の回転角であり、0°から360°までの間において、任意の角度で複数に分割した角度である。例えば、分割角度は、0°、90°、180°、270°、360°のように、0°から360°までの間を90°ずつ4つに分割した角度であってもよい。あるいは、分割角度は、0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°、360°のように、0°から360°までの間を45°ずつ8つに分割した角度であってもよい。このように、分割角度は、360°を等分割した角度であることが好ましい。しかし、分割角度は、360°を任意の角度で分割した角度であってもよい。例えば、分割角度は、0°、45°、90°、180°、225°、270°、360°のように任意に分割してもよい。分割角度は、モータ50の軸の或る位置を0°(基準)とした軸の回転角であり、主制御部10からの位置指令で指定することができる。主制御部10が所定の分割角度に対応した位置指令をサーボ制御部へ出力することによって、サーボ制御部は、モータ50の軸をその分割角度に対応した位置に回転させるようにモータ50を制御する。
減算器15は、位置指令と実際に検出された位置測定値との差を算出し、その差を位置誤差として出力する。
位置制御部20は、減算器15からの位置誤差に基づいてモータ50の目標速度を示す速度指令を出力する。速度指令は、速度制御系30においてトルク指令に変換されて電流制御部40へ出力される。
速度制御系30は、減算器32と、速度制御部34と、速度測定値演算部38とを備えている。これにより、速度制御系30は、速度指令を入力して、適切に処理されたトルク指令を出力することができる。
速度測定値演算部38は、複数の位置測定値の変化率に基づいて速度測定値を演算する。あるいは、速度測定値演算部38は、位置測定値を微分することにより、位置測定値から速度測定値へと変換してもよい。減算器32は、速度指令と速度測定値演算部38からの速度測定値との差を算出し、その差を速度誤差として出力する。
速度制御部34は、減算器32からの速度誤差に基づいてモータ50を駆動させるためのトルク指令(電流指令)を出力する。
電流制御部40は、速度制御系30からトルク指令を受け取ると、そのトルク指令に従った電流をモータ50へ供給する。
モータ50は、上記位置指令で示された位置まで上記速度指令で示された速度で動作(回転)する。モータ50の回転は、ボールねじ等によって直線系機構の動作に変換される。これにより、モータ50は、動作対象を動作させる。
サーボ制御部は、以上のように、モータ50の速度測定値やトルクを速度指令やトルク指令に追従させるようにモータ50を制御する。また、サーボ制御部は、主制御部10で設定された分割角度に対応する位置指令に従って、モータ50の軸を各分割角度に位置付けるように、該モータ50の軸を回転させるトルク指令または電流指令を出力する。尚、主制御部10はサーボ制御部の一部であってもよく、あるいは、サーボ制御部は主制御部10の一部であってもよい。
エンコーダ60は、モータ50の実際の位置(回転角)を検出する。エンコーダ60によって検出された位置測定値は、主制御部10、減算器15および速度測定値演算部38へ送信される。
入力部70は、ユーザが主制御部10に分割角度を入力することができるように構成されている。また、入力部70は、各分割角度についてサーボ制御部のボード線図の取得を開始する指令(測定開始命令)をユーザが入力することができる。例えば、入力部70は、キーボードやマウス等でもよい。表示部としてのディスプレイ80は、周波数特性測定部90により取得された、各分割角度についてボード線図を表示することができるように構成されている。ディスプレイ80は、産業機械100内に組み込んでもよく、あるいは、産業機械100の外部のPC(Personal Computer)のディスプレイを用いてもよい。入力部70およびディスプレイ80は、タッチパネル式ディスプレイとして一体に構成されたマンマシンインタフェースでもよい。
周波数特性測定部90は、サーボ制御部へホワイトノイズを入力し、サーボ制御部の周波数特性の測定およびボード線図を取得する。周波数特性の測定方法については後で説明する。周波数特性測定部90は、産業機械100内に設けられたCPU(Central Processor Unit)等の演算部であってもよく、あるいは、外部に設けられたコンピュータ等であってもよい。また、周波数特性測定部90は、プログラムを用いてホワイトノイズを発生する。ホワイトノイズは、周波数特性測定部90で生成されてもよいが、周波数特性測定部90とは別の演算部で生成されてもよい。
ここで、主制御部10およびサーボ制御部は、所定の分割角度に位置するようにモータ軸を回転させることができる。これにより、周波数特性測定部90は、図2を参照して説明するように、複数の分割角度のそれぞれについて、ホワイトノイズを入力したときのサーボ制御部の周波数特性を測定し、並びに、ボード線図を取得することができる。尚、産業機械100は、複数の分割角度についてのボード線図を記憶する記憶部92をさらに備え、取得されたボード線図は記憶部92に記憶される。
次に、図2を参照して、本実施形態による産業機械100の動作を説明する。
図2は、本実施形態による産業機械100の動作の一例を示すフロー図である。
まず、ユーザは、測定開始命令および分割角度を入力部70に入力する(S10)。例えば、ユーザは、分割角度として、0°、90°、180°、270°を入力する。分割角度が360°を一定角度で等分割した角度である場合、ユーザは、その一定角度(例えば、90°)または分割数(例えば、4)を入力してもよい。測定開始命令の入力を受け、主制御部10は、そのときのモータ50の軸の位置を0°(基準)とする。0°とする位置は、予め設定された位置でもよい。予め設定された位置を0°とする場合、主制御部10は、モータ軸の角度がその設定された位置になるように位置指令を位置制御部20へ出力する。これにより、サーボ制御部は、モータ軸を回転させ、その設定された位置で停止させる。主制御部10は、モータ軸が停止した位置を0°とする。
次に、周波数特性測定部90は、0°の位置においてボード線図の取得をする(S20)。例えば、主制御部10は、モータ軸の角度を0°の位置に維持させるように、位置制御部20から速度ゼロの速度指令を出力させる。周波数特性測定部90は、位置制御部20から出力された速度指令に全周波数に亘ってホワイトノイズの速度指令を加算する。ホワイトノイズが加算された速度指令は、減算器32に送信される。このとき、周波数特性測定部90は、ホワイトノイズが加算された速度指令を取得する。ホワイトノイズが加算された速度指令は、減算器32から速度制御部34に入力され、トルク指令に変換されて出力される。トルク指令は電流制御部40に入力され、トルク指令に従った電流がモータ50に供給される。これにより、モータ軸は、0°の位置を中心としてホワイトノイズに従った振動動作を行う。
エンコーダ60は、この振動動作におけるモータ50の軸の位置を測定し、その位置測定値を速度測定値演算部38へ送信する。速度測定値演算部38は、位置測定値から速度測定値を演算し、減算器32へ送信する。このとき、周波数特性測定部90は、速度測定値を取得する。
周波数特性測定部90は、取得した速度指令および速度測定値からFFT(Fast Fourier Transform)解析によってボード線図を取得する。ボード線図取得後、周波数特性測定部90は、ホワイトノイズの速度指令の印加を止める。以上のように取得されたボード線図は、「0°の特性」として、記憶部92により記憶される。
次に、主制御部10は、全ての分割角度のボード線図を取得したかを判断する(S30)。まだ全ての分割角度のボード線図を取得していない場合(S30のNO)、主制御部10は、次の分割角度をサーボ制御部(位置制御部20)に設定することにより、モータ軸をボード線図取得済みの分割角度から次の分割角度に回転させる(S40)。例えば、主制御部10は、モータ軸の角度を0°から90°の位置になるように位置指令を位置制御部20へ出力する。これにより、モータ軸は0°の位置から回転し、90°の位置で停止する。
次に、周波数特性測定部90は、ボード線図の取得をする(S50)。周波数特性測定部90は、0°の位置の場合と同様の方法により、90°の位置におけるボード線図の取得をする。この取得されたボード線図は、「90°の特性」として、記憶部92により記憶される。
産業機械100は、さらに「180°の特性」および「270°の特性」のボード線図を取得するまで、ステップS40およびS50を繰り返す。全ての分割角度のボード線図を取得した場合(S30のYES)、主制御部10およびサーボ制御部は、モータ50に対する指令を全て停止する。さらに、ディスプレイ80は、測定完了通知を表示し、入力された各分割角度の値と伴に、記憶部92に格納された全ての分割角度におけるボード線図を一覧として表示する(S60)。尚、ディスプレイ80は、各分割角度のボード線図を取得するごとにそのボード線図を表示させてもよい。ボード線図の具体例については、図3(A)〜図3(D)を参照して説明する。
このように、本実施形態による産業機械100は、モータ軸を所定の分割角度に位置するように回転させ、複数の分割角度のそれぞれについてボード線図の取得をする。モータ軸の回転およびボード線図の取得を自動で行っているため、産業機械100は、モータ軸の角度ごとのボード線図を容易に取得することができる。また、フィルタ等を適用した後においても、産業機械100は、ボード線図を容易に再取得することができるため、時間的および労力的なロスが少ない。
さらに、本実施形態による産業機械100は、複数の分割角度についてそれぞれのボード線図を表示する。これにより、ユーザは、各分割角度のボード線図を一覧で考察することができる。さらに、ユーザは、気づかなかった共振点の移動に気づきやすくなる。これらにより、ユーザは、複数の分割角度のボード線図を見ながら最適な共振対策を練ることができる。
図3(A)〜図3(D)は、モータ軸の各分割角度におけるボード線図の測定結果を示すグラフである。L1およびL2は、ゲイン特性(振幅(dB))および位相特性(速度指令に対する速度測定値の位相遅れ)をそれぞれ示している。縦軸はゲイン特性および位相特性を示し、横軸は周波数を示している。図3(A)はモータ軸の角度が0°のときのボード線図「0°の特性」、図3(B)はモータ軸の角度が90°のときのボード線図「90°の特性」、図3(C)はモータ軸の角度が180°のときのボード線図「180°の特性」、並びに、図3(D)はモータ軸の角度が270°のときのボード線図「270°の特性」である。
図3(A)および図3(B)に示す「0°の特性」および「90°の特性」は、700Hz〜800Hzに共振点が存在することを示す。一方、図3(C)および図3(D)に示す「180°の特性」および「270°の特性」には、700Hz〜800Hzに共振点が確認されない。ユーザは、或る分割角度において共振点が確認されない場合であっても、各分割角度のボード線図を見ることにより、この共振点の存在に気づくことができる。これにより、ユーザは、共振点に対してフィルタを設定することにより共振対策をすることができる。例えば、もし、図3(C)または図3(D)だけを参照した場合、ユーザはフィルタを設定する必要がないと判断してしまう。しかし、本実施形態のように、図3(C)および図3(D)だけで無く、図3(A)および図3(B)を参照することによって、ユーザは、700Hz〜800Hzにノッチフィルタを設定することができる。このように、ユーザは、任意の分割角度(回転角)におけるモータ軸の共振点を容易に把握し、その共振点に対応する周波数に対してフィルタを設定することができる。その結果、産業機械100は、広範な周波数帯域において安定したサーボ制御を行うことができる。尚、図3(A)〜図3(D)および図4(A)〜図4(D)に示すゲイン特性は200Hz以下において0dBを超えているが、200Hz以下において共振は起こらない。これは、位相特性が反転する300Hz〜400Hzの周波数以下において、共振は起こらないためである。
図4(A)〜図4(D)は、フィルタ設定後に再取得したモータ軸の各分割角度におけるボード線図の測定結果を示すグラフである。産業機械100は、速度制御系30においてフィルタ処理を行う。ユーザは、フィルタ処理部を動作させてもよい。フィルタ処理後、産業機械100は、複数の分割角度のそれぞれについてボード線図を再取得する。図4(A)および図4(B)は、図3(A)および図3(B)において確認された700Hz〜800Hzの共振点のピークが、ゲイン特性の任意の値(例えば、−10dB)を超えないようにフィルタ処理により抑制されたことを示す。このように、産業機械100は容易にボード線図を再取得することができるため、ユーザは、フィルタ処理後のボード線図を確認することができ、さらに、フィルタの設定とボード線図の確認とを繰り返すことによって、ユーザは、より適切なフィルタ処理の条件を検討することもできる。
(変形例)
本変形例による産業機械100は、モータ50の安全装置(インターロック機能)を備える点で、第1実施形態による産業機械100と異なる。主制御部10は、ボード線図を取得するために、モータ軸を各分割角度に位置するように回転させている。もし、モータ軸の回転によりモータ50の動作対象が動作可能域を超えてしまうと、動作対象が固定された他の部材と衝突してしまう可能性がある。これにより、動作対象の損傷や、モータ50への過剰な負荷等が発生する可能性がある。そこで、産業機械100は、動作対象の動作範囲を演算し、動作範囲が動作対象の動作可能域を超える場合に、モータ50の動作を阻止するインターロック機能を有する。
本変形例による産業機械100の基本的な構成は、第1実施形態による産業機械100の構成と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
図5は、本変形例による産業機械100の動作の一例を示すフロー図である。
図2と同様のステップS10の後、エンコーダ60は、動作対象の実際の位置を測定し、動作対象の位置測定値を主制御部10へ送信する。これにより、主制御部10は、測定開始命令を受けたときの動作対象の位置測定値を取得する(S11)。次に、主制御部10は、モータ軸が所定の分割角度に位置するように回転したときに、動作対象が移動する範囲を演算する(S12)。このとき、主制御部10は、少なくとも、最大の分割角度だけ回転させたときの動作範囲を演算する。例えば、入力された分割角度が0°、90°、180°、270°の場合、モータ軸は、ボード線図の取得のために270°回転することになる。この場合、主制御部10は、モータ軸が0°から270°回転するときの、動作対象の動作範囲を演算する。勿論、主制御部10は、モータ軸が0°から360°回転(一回転)するときの、動作対象の動作範囲を演算してもよい。
次に、主制御部10は、演算した動作範囲が動作対象の動作可能域を超えるかを判断する(S13)。動作範囲が動作可能域を超える場合(S13のYES)、主制御部10は、インターロック機能により、ステップS20における周波数特性およびボード線図の取得を停止し、モータ50の動作を阻止する(S14)。さらに、ディスプレイ80は、エラーを表示し、ユーザにその動作範囲が動作可能域を超える旨を表示する(S14)。この場合、ユーザは、インターロックを解除し、動作可能域を超えないように動作対象を移動させる(S15)。例えば、ユーザは、動作範囲が動作可能域を超えない位置を確認し、その位置まで動作対象を移動させる。ユーザは、モータ軸が或る分割角度から次の分割角度に回転する方向とは逆の方向に、モータ軸を手動で回転させる。あるいは、ユーザは、動作範囲に示される動作方向とは逆の方向に動作対象が移動するように、主制御部10から位置指令を出力させてもよい。その後、ステップS10からS13までを実行する。ステップS13において動作範囲が動作可能域を超えない場合(S13のNO)、ステップS20〜S60を実行する。尚、ステップS20以降の動作は、第1実施形態による産業機械100と同様である。
このように、本変形例による産業機械100は、モータ軸が所定の分割角度に位置するように回転したときに動作対象が移動する範囲を演算し、その動作範囲が動作対象の動作可能域を超える場合に、モータ50の動作を阻止する。これにより、産業機械100は、動作対象が動作可能域を超えて他の部材と衝突することを抑制ことができる。従って、産業機械100は、動作対象の損傷、モータ50への過剰な負荷等を抑制ことができる。また、本変形例による産業機械100は、第1実施形態による産業機械100と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態による産業機械100においては、ユーザがフィルタ等の共振対策を行うのに対して、第2実施形態による産業機械100においては、ユーザによらずに産業機械100が自動でフィルタ処理を行う。
図6は、第2実施形態による産業機械100の構成の一例を示すブロック図である。産業機械100は、フィルタ処理部95をさらに備える。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
フィルタ処理部95は、速度制御部34により出力されるトルク指令にフィルタ処理を行う。これにより、フィルタ処理部95は、サーボ制御部のゲイン特性の一部を抑制させるように動作する。フィルタ処理部95が備えるフィルタは、例えば、ノッチフィルタまたはローパスフィルタである。尚、フィルタ処理部95は、主制御部10またはサーボ制御部の一部であっても良い。
次に、フィルタ処理の動作について説明する。
まず、主制御部10は、全ての分割角度のボード線図を取得した後(図2のS30のYES)、周波数特性測定部90から全ての分割角度のボード線図を受け取る。主制御部10は、全ての分割角度のボード線図において、ゲイン特性(高さ)が所定値以上の共振点のピークを検出する。
主制御部10は、ピークの無いゲイン特性の理想波形をデータとして予め保持し、「0°の特性」〜「270°の特性」のそれぞれのゲイン特性に対して、理想波形のゲイン特性との差の絶対値を算出する。主制御部10は、このゲイン特性の差の絶対値が所定値以上となる周波数帯域を検出し、この周波数帯域内におけるピークを共振点と判断し、フィルタを設定する周波数帯域として検出する。
例えば、図3(A)に示すように、所定値を10dBとして、「0°の特性」のピーク検出について説明する。まず、主制御部10は、「0°の特性」のゲイン特性と理想波形のゲイン特性との差を算出する。このとき、差の絶対値が、所定値として、例えば、10dBを超える周波数帯域は、700Hz〜800Hzである。従って、「0°の特性」では頂点が約−5dBとなるピークが検出される。尚、700Hz以下および800Hz以上のゲイン特性は、理想波形とほぼ同様であるため、700Hz以下および800Hz以上においてフィルタを設定するピークは検出されない。一方、図3(C)に示す「180°の特性」において、400Hz〜500Hzのゲイン特性と理想波形のゲイン特性との差の絶対値は10dBを超えない。さらに、400Hz以下および500Hz以上のゲイン特性は、理想波形とほぼ同様である。そのため、「180°の特性」では、フィルタを設定するピークは検出されない。主制御部10は、この差の絶対値の算出を、「0°の特性」〜「270°の特性」の全ての分割角度の組み合わせにおいて行う。これにより、主制御部10は、図3(A)に示す「0°の特性」および図3(B)に示す「90°の特性」において、700Hz〜800Hzにピークを検出する。
尚、上記はゲイン特性の差に基づいたピークの検出の例を示しているが、これに限定されず、複数の検出方法を用いてもよく、さらに組み合わせて用いてもよい。
主制御部10は、検出されたピークの情報(例えば、ピークの高さ、半値幅等)をフィルタ処理部95へ出力する。これにより、主制御部10は、検出されたピークのゲイン特性の一部を抑制するようにフィルタ処理部95を動作させる。
次に、主制御部10によるフィルタの設定方法の詳細について、説明する。
フィルタ処理部95がノッチフィルタを備える場合、主制御部10は、フィルタ処理部95に特定の中心周波数(カットオフ周波数)を設定する。フィルタ処理部95が複数のノッチフィルタを設定することができる場合、主制御部10は、複数のピークに対応する周波数をノッチフィルタのカットオフ周波数として、それらの周波数のそれぞれにフィルタ処理部95を動作させる。
例えば、主制御部10は、図3(A)に示す「0°の特性」の700Hz〜800Hzの一つのピークの中心周波数をノッチフィルタのカットオフ周波数としてフィルタ処理部95を動作させる。さらに、主制御部10は、図3(B)に示す「90°の特性」の700Hz〜800Hzの一つのピークの中心周波数をノッチフィルタのカットオフ周波数としてフィルタ処理部95を動作させる。この場合、主制御部10は、合計2つの周波数についてフィルタ処理部95を動作させる。
フィルタ処理部95が一つのノッチフィルタしか設定できない場合、主制御部10は、検出されたピークにおいて最も高い周波数および最も低い周波数の平均値をノッチフィルタのカットオフ周波数としてフィルタ処理部95を動作させてもよい。
例えば、主制御部10は、図3(A)に示す「0°の特性」の700Hz〜800Hzの間のピークの中心周波数と、図3(B)に示す「90°の特性」の700Hz〜800Hzのピークの中心周波数との平均値(例えば、750Hz)を算出する。主制御部10は、算出した平均値の周波数(例えば、750Hz)をノッチフィルタのカットオフ周波数としてフィルタ処理部95を動作させる。このとき、主制御部10は、検出したピークのすべてが予め定めたゲイン特性の値(例えば、−10dB)以下になるように、ノッチフィルタの帯域幅を設定してもよい。
また、フィルタ処理部95が一つのノッチフィルタしか設定できない場合、主制御部10は、検出したピークにおいて最も高いピークの周波数をノッチフィルタのカットオフ周波数としてフィルタ処理部95を動作させてもよい。
例えば、主制御部10は、図3(A)に示す「0°の特性」および図3(B)に示す「90°の特性」の中心周波数のピークの高さを比較し、最も高いピークの中心周波数をノッチフィルタのカットオフ周波数としてフィルタ処理部95を動作させる。
一方、フィルタ処理部95がローパスフィルタを備える場合、主制御部10は、フィルタ処理部95にカットオフ周波数を設定する。主制御部10は、検出されたピークにおいて最も低い中心周波数をカットオフ周波数としてフィルタ処理部95を動作させる。
例えば、主制御部10は、図3(A)に示す「0°の特性」および図3(B)に示す「90°の特性」の中心周波数を比較し、より低い中心周波数をローパスフィルタのカットオフ周波数としてフィルタ処理部95を動作させる。
このように、第2実施形態による産業機械100は、サーボ制御部のゲイン特性の一部を抑制させるフィルタ処理部95を備える。また、産業機械100は、ボード線図のゲイン特性においてモータ軸の回転角の変化により中心周波数または高さが変化するピークを検出する。さらに、産業機械100は、検出されたピークのゲイン特性の一部を抑制するようにフィルタ処理部95を動作させる。これにより、産業機械100は、モータ軸の回転角により変化するゲイン特性を検出してフィルタの処理を自動で行うことができる。その結果、ユーザの手間を省くことができる。
また、第2実施形態による産業機械100は、第1実施形態による産業機械100と同様の効果を得ることができる。さらに、第2実施形態による産業機械100に、第1実施形態の変形例を適用してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 産業機械、10 主制御部、20 位置制御部、30 速度制御系、40電流制御部、50 モータ、60 エンコーダ、70 入力部、80 ディスプレイ、90 周波数特性測定部、92 記憶部、95 フィルタ処理部

Claims (6)

  1. 動作対象を動作させるモータと、
    前記モータを制御するサーボ制御部と、
    前記モータの軸の回転角を所定の角度に設定するように前記サーボ制御部を制御する主制御部と、
    前記軸の複数の回転角について、前記サーボ制御部の周波数特性およびボード線図を取得する周波数特性測定部と、
    前記サーボ制御部のゲインのうち一部の周波数帯のゲインを抑制させるフィルタ処理部と、を備え
    前記主制御部は、前記ボード線図のゲインにおいて前記軸の角度の変化により中心周波数または高さが所定値以上に変化するピークを検出し、検出された前記ピークのゲインの一部を抑制するように前記フィルタ処理部を動作させる、産業機械。
  2. 前記軸の複数の回転角について、前記ボード線図を表示する表示部をさらに備える、請求項1に記載の産業機械。
  3. 前記主制御部は、前記軸を360°回転させたときの前記動作対象の動作範囲を演算し、前記動作範囲が前記動作対象の動作可能域を超える場合に、前記周波数特性および前記ボード線図の取得を停止する、請求項1または請求項2に記載の産業機械。
  4. 前記フィルタ処理部は、ノッチフィルタを備え、
    前記主制御部は、検出された前記ピークの周波数に基づいて前記ノッチフィルタのカットオフ周波数を設定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の産業機械。
  5. 前記フィルタ処理部は、ローパスフィルタを備え、
    前記主制御部は、検出された前記ピークにおいて最も低い周波数を前記ローパスフィルタのカットオフ周波数とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の産業機械。
  6. 前記所定の角度は、360°を複数に等分割した角度である、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の産業機械。
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