JP6838826B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子は、優れた安定性及び導電性を有することから、各種帯電防止剤、固体電解コンデンサ用電解質、防食塗料、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、メッキプライマー等への応用が期待されている。
これらの導電性高分子は一般に、溶媒に不溶あるいは難溶、かつ、不融であるため成形、加工が困難であるという問題があった。
このため、導電性高分子を微粒子あるいはフィラー状に微粉砕して水や有機溶剤等の分散媒に分散させることにより、成形性や加工性を向上させる技術が知られている。
固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を形成してなるものが一般的である。
導電性高分子を含有する固体電解質層の形成方法としては、化学酸化重合法や電解重合法がある。化学酸化重合法では、例えば、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属上に、酸化剤を付着させ、次いでモノマー化合物を含む溶液に接触させることで、モノマー化合物を化学酸化重合させることにより、前記弁作用金属上に導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させることができる。
しかしこの化学酸化重合法では、化学酸化重合時に使用する酸化剤による誘電体酸化皮膜へのダメージがあるため、固体電解コンデンサの耐電圧が低下してしまうという問題があった。
特許文献1には、固体電解質としてPEDOT/PSSを含むコンデンサにおける電気的パラメータをポリアルキレングリコールによって改善する方法が開示されている。
該文献によれば、低温でのキャパシタンスの低下を抑制すると同時に高い破壊電圧を有するコンデンサを製造することができると記載されている。
しかし、該固体電解コンデンサは、耐久性、信頼性という観点から不十分であった。
以上より、高耐久性と高信頼性を有する固体電解コンデンサを提供できる製造方法が求められていた。
特表2013−539227号公報
本発明の目的は、高耐久性と高信頼性を有する固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
本発明者らは、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属の表面に、導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
前記工程が、以下の(A)〜(D)
(A)導電性高分子
(B)コロイダルシリカ
(C)シラノール基との反応性を有する化合物
(D)分散媒
を少なくとも含有する導電性高分子分散液を前記誘電体酸化皮膜上に接触させた後、前記(D)を少なくとも部分的に除去して、前記誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する工程であることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属の表面に、導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
該工程が、以下の(A)〜(D)
(A)導電性高分子
(B)コロイダルシリカ
(C)シラノール基との反応性を有する化合物
(D)分散媒
を少なくとも含有する導電性高分子分散液を前記誘電体酸化皮膜上に接触させた後、
前記(D)を少なくとも部分的に除去して、
前記誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する工程であることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
第二の発明は、
前記(C)シラノール基との反応性を有する化合物が、
末端に、水酸基、アミノ基、イソシアネート基及びグリシジル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの官能基を有し、かつ、数平均分子量が100〜10000である直鎖状及び/又は分岐鎖状化合物であることを特徴とする第一の発明に記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
第三の発明は、前記(C)シラノール基との反応性を有する化合物が、ポリアルキレングリコールであることを特徴とする第一又は第二の発明に記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
第四の発明は、前記(C)シラノール基との反応性を有する化合物の含有量が、前記導電性高分子分散液に対して、0.01〜30重量%であることを特徴とする第一から第三の発明のいずれか一つに記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
第五の発明は、前記導電性高分子が、下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物の重合体とドーパントとを有する導電性高分子であることを特徴とする第一から第四の発明のいずれか一つに記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
上式(1)中、Raは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。
第六の発明は、前記ドーパントが、ポリスチレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸及びキシレンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第五の発明に記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
本発明によれば、高耐久性と高信頼性を有する固体電解コンデンサを与える固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
すなわち、特に静電容量とESRの耐熱試験における経時変化が極めて少なく高耐久性の固体電解コンデンサを製造することができる。
まず、本発明について説明する。
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、
誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属の表面に、
導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
前記工程が、以下の(A)〜(D)
(A)導電性高分子
(B)コロイダルシリカ
(C)シラノール基との反応性を有する化合物
(D)分散媒
を少なくとも含有する導電性高分子分散液を前記誘電体酸化皮膜上に接触させた後、前記(D)を少なくとも部分的に除去して、前記誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する工程であることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
[(A)導電性高分子]
本発明に用いる導電性高分子は、好ましくはドーパントをドープした重合体である。重合体を製造するのに用いるモノマー化合物としては、特に制限されるものではなく、例えば、ピロール類、チオフェン類、アニリン類等を用いることができるが、導電性に優れることから、下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物であることがより好ましい。
上記一般式(1)中、Raは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。
上記一般式(1)で表されるチオフェン化合物として、具体的には、3,4−エチレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、プロピル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、プロピル−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジチアチオフェン、メチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、エチル−3,4−エチレンジチアチオフェン、プロピル−3,4−エチレンジチアチオフェン、3,4−プロピレンジチアチオフェン、メチル−3,4−プロピレンジチアチオフェン、エチル−3,4−プロピレンジチアチオフェン、プロピル−3,4−プロピレンジチアチオフェン等が挙げられる。
これらの中でも特に固体電解コンデンサにおける電気特性に優れる点より、3,4−エチレンジオキシチオフェン、メチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチル−3,4−エチレンジオキシチオフェンが特に好ましく挙げられる。
本発明に用いる導電性高分子は、上記一般式(1)で表されるチオフェン化合物等のモノマー化合物を、上記ドーパントの存在下で化学酸化重合することによって得ることができる。化学酸化重合のための酸化剤は例えば特開2010−31160号公報記載の公知の酸化剤を用いることができる。
該ドーパントとしては、高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基を有していればよく、硫酸エステル基、リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基等が好ましく挙げられる。これらの中でも、ドープ効果の点より、硫酸エステル基、カルボキシル基、スルホ基がより好ましく挙げられ、スルホ基が特に好ましく挙げられる。
ドーパントとして、例えば、ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲンイオン、ヘキサフルオロリン、ヘキサフルオロヒ素、ヘキサフルオロアンチモン、テトラフルオロホウ素、過塩素酸等のハロゲン化物イオン、又はメタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等のアルキル置換有機スルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオン等の環状スルホン酸イオン、又はベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のベンゼンモノもしくはジスルホン酸イオン、2−ナフタレンスルホン酸、1,7−ナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸基を1〜4個置換したナフタレンスルホン酸のアルキル置換もしくは無置換イオン、アントラセンスルホン酸イオン、アントラキノンスルホン酸イオン、アルキルビフェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のビフェニルスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体等の高分子スルホン酸イオン等、またはモリブドリン酸、タングストリン酸、タングストモリブドリン酸等のヘテロポリ酸イオン、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸が挙げられる。これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種がより好ましく挙げられ、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましく挙げられる。
[(B)コロイダルシリカ]
次に、(B)コロイダルシリカについて説明する。
コロイダルシリカとは、SiO又はその水和物のコロイドで、粒径が1〜300nmである不定形構造物である。コロイダルシリカは、典型的には、ケイ酸塩に希塩酸を作用させた後に、透析で得ることができる。コロイダルシリカの粒径は、10〜200nmが好ましく挙げられ、より好ましくは10〜100nmが挙げられる。該粒径のコロイダルシリカは、導電性高分子分散液中で長期間安定して存在することができる。
導電性高分子分散液におけるコロイダルシリカの含有量が0.01〜20重量%であることが好ましく、0.01〜15重量%であることがより好ましく、0.01〜10重量%であることが特に好ましく挙げられる。該範囲にすることで、優れた耐電圧を有する固体電解コンデンサを製造することができ、さらにシラノール基との反応性を有する化合物を併用することで、酸化皮膜上に形成されるコロイダルシリカおよび導電性高分子の層がより強固な皮膜となるため、耐久性と信頼性を特に向上させることができる。
[(C)シラノール基との反応性を有する化合物]
次に、(C)シラノール基との反応性を有する化合物について説明する。本発明でいうシラノール基との反応性を有する化合物は、(B)コロイダルシリカ表面のシラノール基との反応性を有する官能基を持つ化合物であることを言う。
具体的には、末端に、水酸基、アミノ基、イソシアネート基及びグリシジル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの官能基を有し、かつ、数平均分子量が100〜10000の範囲である直鎖状及び/又は分岐鎖状化合物であることが好ましい。
そのような化合物として、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、水溶性ポリエステル樹脂、フェノールノボラック樹脂、ブロックイソシアネート型水系ウレタン樹脂、エマルジョン型水系エポキシ樹脂を例示することができる。
これらの中でも、特に好ましいものはポリアルキレングリコールである。
ポリアルキレングリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール及びプロピレングリコールの統計的コポリマーに基づくポリアルキレングリコール類が挙げられる。
(C)シラノール基との反応性を有する化合物の数平均分子量は、100〜10000が好ましく、100〜1000がより好ましく、さらにコンデンサの静電容量およびESRに優れる点で100〜300がより好ましく挙げられる。
前記(C)シラノール基との反応性を有する化合物の含有量は、導電性高分子分散液に対して、0.01〜30重量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、5〜20重量%が特に好ましく挙げられる。
0.01重量%未満の場合、含有量が少なく特性を十分に引き出せず、30重量%超の場合、形成される導電性高分子層の密度が低くなり、特性が引き出せない場合がある。
また、必要に応じて反応触媒をさらに添加しても良い。
[(D)分散媒]
好ましい分散媒は、水、又はアルコール、例えば、メタノール、エタノール、i−プロパノールおよびブタノールなどの他のプロトン性溶媒、ならびに水とこれらのアルコールの混合物であり、特に好ましい分散媒は水である。
[固体電解コンデンサ]
弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群より選ばれる1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。
用いる弁作用金属の種類、形状により、チップ型又は巻回型のいずれとすることができる。
誘電体酸化皮膜は、弁作用金属に公知の化成処理を施すことによって弁作用金属表面に誘電体酸化皮膜を形成することができる。
次いで、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属を、前記導電性高分子分散液に接触させ、加熱等の処理によって乾燥し、(D)分散媒を少なくとも部分的に除去して前記誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する。
[導電性高分子分散液のみ使用する例]
この形成工程は複数回繰り返しても良い。また、乾燥温度は特に制限が無いが、好ましくは室温〜120℃の範囲で行う。
[導電性高分子分散液をプレコートとして使用する例]
導電性高分子層を形成した後に、モノマー液と酸化剤溶液を用い、その場重合によって導電性高分子層を形成しても良い。
すなわち、本発明の導電性高分子層を形成した後、ドーパントを含有する酸化剤溶液を、塗布あるいは含浸して保持させた弁作用金属に、モノマー化合物を含有するモノマー液を塗布あるいは浸漬し、接触させ導電性高分子を有する固体電解質層を形成させる方法、が挙げられる。
また、上記化学酸化重合を行なう場合、所定温度で所定時間保持することにより、導電性高分子を有する固体電解質層を形成させることができる。
ここで、所定温度とは、0〜250℃の範囲で任意に選択することができ、所定時間とは1分から24時間の範囲で任意に選択することができる。
[ハイブリットとする例:導電性高分子分散液+電解液]
導電性高分子層を形成した後に、コンデンサ用電解液を含浸させることで電解コンデンサを作製することもできる。この場合の電解液として公知の電解液を使用することができる。具体的には、特開2016−9770に記載されている電解コンデンサ用電解液を用いることができる。
以下、本発明の固体電解コンデンサの製造方法について、アルミ巻回型コンデンサを作製する方法を具体例に挙げ説明する。
まず、エッチング処理により粗面化されたアルミニウム箔陽極に陽極リードを接続し、ついでアジピン酸二アンモニウム等の水溶液中で化成処理して、誘電体酸化皮膜を形成させる。
別途、陰極リードを接続した対向陰極アルミニウム箔と、上記陽極アルミニウム箔との間に、マニラ紙等のセパレータを挟み込み、円筒状に巻き取り、ついで熱処理によりセパレータを炭化させて、巻回型のコンデンサ素子を準備する。
次に、上記コンデンサ素子の誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属上に、導電性高分子を含有する固体電解質層を形成させる。該固体電解質層を形成させる方法としては、上述の通りである。
ついで、コンデンサケースに素子を封口し、電圧を印加してエージングを行い、本発明の固体電解コンデンサを完成させる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明は本実施例によりなんら限定されない。実施例中の「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
(導電性高分子分散液の製造)
14.2部の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、42.6部のポリスチレンスルホン酸(重量平均分子量:75,000)を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合して混合溶液を得た。
得られた混合溶液を20℃に保ち、撹拌しながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.6部の過硫酸アンモニウムと8.0部の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、3時間撹拌して反応させた。
反応後、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱樹脂社製PK−216)を添加し、アンモニウム塩を除去した後、イオン交換樹脂を取り除いた。ついに、強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱樹脂社製PA−418)を添加して硫酸塩を除去した後、イオン交換樹脂を取り除いて1.5%ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水分散液を得た。
比較例1)
1.5%ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水分散液100部に、コロイダルシリカ(日産化学工業製スノーテックスST−OXS)0.2部、PEG200(第一工業製薬製PEG200)0.1部を含有させて、固体電解コンデンサ製造用導電性高分子分散液を得た。
(固体電解コンデンサの製造)
陽極に用いる弁作用金属として、表面をエッチングし、粗面化処理を施したエッチドアルミニウム箔を用い、該アルミニウム箔にアジピン酸アンモニウム水溶液中、電圧90Vで化成処理を行って誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、またアルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付陽極と陰極とをセパレータを介して対向させることにより、コンデンサ素子を作製した。
次に、上記で得られた導電性高分子分散液に、上記コンデンサ素子を5分浸漬し、150℃で5分乾燥させる工程を3回繰り返した後、さらに150℃で1時間熱処理を行ってコロイダルシリカのシラノール基と反応末端との反応を完結させ、コンデンサ素子とした。
(実施例1,2、比較例2
PEG200の含有量を表1に記載した含有量に代えた以外は、比較例1と同様にしてコンデンサ素子を作製した。
比較
表1に対応するポリエチレングリコール及び含有量に代えた以外は、比較例1と同様にしてコンデンサ素子を作製した。
(比較例
比較例1に記載のPEG200を用いなかった以外は、比較例1と同様にしてコンデンサ素子を作製した。
(比較例
比較例1に記載のコロイダルシリカを用いなかった以外は、比較例1と同様にしてコンデンサ素子を作製した。
(比較例10
比較例1に記載のPEG200の代わりにPEG20,000(和光純薬社製、平均分子15,000〜25,000)に代えた以外は、比較例1と同様にしてコンデンサ素子を作製した。
(コンデンサ素子の耐電圧および耐熱性評価)
実施例1,2、比較例1〜10の測定結果を表1に示す。
表1中の略語は以下の通りである。
PEG200:ポリエチレングリコール200(和光純薬社製、平均分子量180〜220)
PEG300:ポリエチレングリコール300(和光純薬社製、平均分子量260〜340)
PEG400:ポリエチレングリコール400(和光純薬社製、平均分子量360〜440)
PEG1,000:ポリエチレングリコール1,000(和光純薬社製、平均分子量900〜1,100)
PEG2,000:ポリエチレングリコール2,000(和光純薬社製、平均分子量1,800〜2,200)
PEG4,000:ポリエチレングリコール4,000(和光純薬社製、平均分子量2,700〜3,300)
PEG20,000:ポリエチレングリコール20,000(和光純薬社製、平均分子量15,000〜25,000)
本発明の固体電解コンデンサは信頼性、耐久性に優れるため、高周波数のデジタル機器等に適用できる。

Claims (3)

  1. 誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属の表面に、導電性高分子層を形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記工程が、
    以下の(A)〜(D)
    (A)導電性高分子
    (B)コロイダルシリカ
    (C)シラノール基との反応性を有する化合物
    (D)分散媒
    を少なくとも含有する導電性高分子分散液を前記誘電体酸化皮膜上に接触させた後、
    前記(D)を少なくとも部分的に除去して、
    前記誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する工程であって、
    前記(C)シラノール基との反応性を有する化合物が、数平均分子量が100〜300のポリアルキレングリコールであり、
    前記(C)ポリアルキレングリコールの含有量が、前記導電性高分子分散液に対して、5〜20重量%であることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記導電性高分子が、下記一般式(1)


    (式(1)中、Raは水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基を示し、Xはそれぞれ同一でも異なっていても良い酸素原子又は硫黄原子を示す。)
    で表されるチオフェン化合物の重合体とドーパントとを有する導電性高分子であることを特徴とする請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記ドーパントが、ポリスチレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸及びキシレンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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