JP6837668B2 - 光学素子及びそれを用いた映像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一方の面側にある被観察物の実像を他方の面側の空間に結像させる光学素子及びそれを用いた映像表示装置に関する。
ある空間を仕切る平面体の一方の面側に被投影物を配置し、他方の一面側の空間において面対称となる位置に、被投影物の鏡映像を結像させる光学素子が発案されている。この種のものとして、μmオーダー幅の反射帯(スリットミラー)が複数列に並べられた2枚のパネルを、互いの垂直面が直交するように配置した光学素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1は、透明平板の内部に、スリットミラーの一方側の面に垂直に多数かつ帯状の平面光反射部を一定のピッチで並べて形成した第1及び第2の光制御パネルを用い、これら第1及び第2の光制御パネルのそれぞれの一面側を、スリットミラーが互いに直交するように向かい合わせている。この光学素子では、素子面の一方の面側に配置した被観察物から発せられた光は、光学素子を通過する際に第1制御パネル及び第2制御パネルの各スリットミラーで2回反射されて屈曲し、被観察物がない他方の一面側の空間に実像として結像する。これにより、被観察物が、光学素子の素子面に対して対称位置に存在するように、その実像が結像される。
特開2012−14194号公報
上記特許文献1に記載の光学素子では、透明平板に断面が直角三角形の溝を設け、その垂直面を反射面としている。このような構成では、素子に入射した光の一部は、反射面に入射せずに、溝側に導波される。また、被観察物から発せられた光のうち、臨界角よりも入射角の小さい角度で垂直面に入射した光は、全反射されることなく溝側に導波される。このような溝側に導波された光は、実鏡映像の結像に寄与しない迷光となり、立体映像のコントラストを低下させる。また、上記溝はμmオーダーと微細なので、外部の照明光といった環境光が上記溝に入射すると、溝で光が乱反射して、白ボケを生じさせる原因となる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、実鏡映像の結像に寄与しない迷光を抑制して立体映像のコントラストを向上させると共に、スリットミラー間における光の乱反射を抑制して、白ボケを低減することができる光学素子及びそれを用いた映像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、一方の面側にある被観察物の実像を他方の面側の空間に結像させる光学素子であって、透明材料により形成されて一平面を成す基盤に対して垂直な帯状の垂直面を複数、定間隔で配列させたスリットミラーアレイを有する第1光学パネル及び第2光学パネルを備え、前記第1光学パネル及び前記第2光学パネルは、夫々の前記スリットミラーアレイの配列方向が直交するように互いに向かい合わせて配置され、前記第1光学パネル及び前記第2光学パネルは、前記基盤とは反対側の面を成し前記基盤と平行な出射面と、前記垂直面に対して傾斜するように設けられた傾斜面と、を更に有し、前記垂直面及び前記傾斜面により形成される溝部には、該溝部に導波した光を吸収する光吸収部と、前記第1光学パネル及び前記第2光学パネルを成す透明材料の屈折率よりも屈折率の低い媒質から成る低屈折率部と、が設けられ、前記低屈折率部は、前記垂直面と接するように配置された薄膜であることを特徴とする。
上記光学素子において、前記光吸収部は、前記傾斜面と接していることが好ましい。
上記光学素子において、前記光吸収部は、直径1μm以上の粒子から構成されることが好ましい。
上記光学素子において、前記低屈折率部は、前記垂直面の表面から1μm以上の厚みを成していることが好ましい。
上記光学素子は、映像表示装置に用いられることが好ましい。
本発明によれば、光学素子は、垂直面及び傾斜面により形成される溝部に光吸収部が配置されているので、溝部に導波された光をカットし、実鏡映像の結像に寄与しない迷光が生じることを抑制し、実鏡映像のコントラストを向上させることができる。更に、光吸収部は、外部の照明光といった環境光をカットするので、微細な突条間で光が乱反射することもなく、白ボケの発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る光学素子の構成例を概念的に示す概略斜視図。 上記光学素子による結像様式を模式的に示す図。 上記光学素子の一部を拡大した斜視図。 上記光学素子の側面図。 (a)乃至(c)は上記光学素子の作製方法を説明するための側面図。 上記光学素子の作用を説明するための側面図。 上記光学素子の第1の変形例に係る構成を説明するための側面図。 (a)は上記光学素子の第2の変形例に係る構成を説明するための側面図、(b)は(a)の一点鎖線領域の拡大図。 上記光学素子の第3の変形例に係る構成を説明するための側面図。 上記光学素子の第4の変形例に係る構成を説明するための側面図。 上記光学素子を備えた映像表示装置の構成例を概念的に示す斜視図。
本発明の一実施形態に係る光学素子について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の光学素子1は、透明材料により形成された第1光学パネル1A及び第2光学パネル1Bを備える。第1光学パネル1A及び第2光学パネル1Bは、一平面を成す基盤2A、2Bに対して垂直な帯状の垂直面31、32を複数、定間隔で配列させたスリットミラーアレイ30A、30Bを夫々有する。
光学素子1は、その一方の面側に被観察物Oが配置されたとき、被観察物Oの実像(実鏡映像P)を光学素子1の素子面1Sの他方の面側の空間に結像させる。すなわち、光学素子1は、その素子面1Sを対称面とする面対称位置に、被観察物Oの実鏡映像Pを結像させる。ここで、素子面1Sとは、スリットミラーアレイ30A、30Bを構成する2つの垂直面31、32(図3も参照)と直交する仮想的な平面を言う。なお、光学素子1の全体の大きさがcm又はmオーダーであるのに比べて、スリットミラーアレイ30A、30Bの幅はμmオーダーと微細であり、図1では、スリットミラーアレイ30A、30Bを実線及び点線で概念的に示している。
スリットミラーアレイ30A、30Bによる結像様式について、図2を参照して説明する。光源oから発せられた光(実線矢印)は、光学素子1を通過する際に、一方のスリットミラーアレイ30Aを構成する垂直面31で反射して、他方のスリットミラーアレイ30Bを構成する垂直面32で反射した後、光学素子1の出射面を透過する。このようにして光学素子1から出射された光(一点鎖線矢印)は、素子面1Sに対して点光源oの面対称位置pを通過して広がっていく。すなわち、点光源oの素子面1Sに対する面対称位置pに、光学素子1の透過光が集束し、実鏡映像P(図1参照)として結像する。
図3及び図4に示すように、基盤2A、2Bは、いずれも透明材料により形成されて一平面を成している。第1光学パネル1A及び第2光学パネル1Bは、基盤2A、2Bから突出するように形成された複数の突条3A、3Bを有する。複数の突条3A、3Bは、基盤2A、2Bと同じ透明材料によって基盤2A、2Bと一体的に形成されている。なお、図3では、光学素子1の構造を説明するために、第1光学パネル1Aと第2光学パネル1Bとが離れた状態で示しているが、実際には、それらは接している、又はスリットミラーアレイのピッチ幅と同程度、離れていてもよい。また、図4では、第1光学パネル1Aのみを図示しているが、第2光学パネル1Bは同形状であり、以下、第1光学パネル1Aに基づいて説明する。
第1光学パネル1Aの突条3Aは、基盤2Aに対して角度を持つ2面を有する。本実施形態の突条3Aは、断面が台形形状であり、基盤2Aに対して垂直な垂直面31と、基盤2Aに対して傾斜した傾斜面33と、基盤2Aと平行な面を成す頭頂面35と、を有する。同様に、第2光学パネル1Bの突条3Bも、基盤2Bに対して垂直な垂直面32と、基盤2Bに対して傾斜した傾斜面34と、基盤2Bと平行な面を成す頭頂面36と、を有する。第1光学パネル1A及び第2光学パネル1Bは、夫々のスリットミラーアレイ30A、30Bの配列方向が直交するように互いに向かい合わせて配置されている。第1光学パネル1Aの基盤2Aから突条3Aに入射した光(図4の実線矢印)は、垂直面31の内壁面で全反射され、突条3Aの頭頂面35から出射する。第1光学パネル1Aを出射した光は、第2光学パネル1Bの垂直面32の内壁面で再び全反射され、基盤2Bの底面22から出射する。
頭頂面35は、垂直面31及び傾斜面33の各稜線によって画定され、上面視(不図示)で帯長形状である。第1光学パネル1Aの表面には、上記形状の突条3Aが、複数、定間隔で整列配置されている。隣り合う突条3Aは、一方の垂直面31と他方の傾斜面33とが対峙している。言い換えると、複数の突条3Aは、対峙する垂直面31及び傾斜面33の夫々の間に、一方向に伸びる溝部21が形成されている。
また、第1光学パネル1Aは、複数の突条3A間の溝部21に、突条3Aを成す透明材料の屈折率よりも屈折率の低い媒質から成る低屈折率部4と、溝部21に導波した光を吸収する光吸収部5と、が配置されている。低屈折率部4は、少なくともスリットミラー30を成す垂直面31と接している。
第1光学パネル1Aを構成する基盤2A及び突条3Aの媒質には、光透過率80%以上、屈折率1.3以上で、熱や湿度による変質の少ない透明材料が用いられる。このような透明材料としては、例えば、アクリル樹脂やガラスが挙げられる。本実施形態の光学素子1では、特に、低吸水性・非晶質で脂環構造を持つ炭化水素系ポリマーであるシクロオレフィンポリマー(COP)を用いることが好ましい。シクロオレフィンポリマーとしては、例えば、日本ゼオン社製の商品名:ZEONOR(登録商標)(グレード:1020R、光透過率92%、屈折率1.53)が挙げられる。また、低屈折率部4は、垂直面31、32における臨界角を小さくして全反射を生じやすくするために、その媒質の屈折率は1.4以下であることが望ましく、本実施形態では、低屈折率部4の媒質を空気としている。
第1光学パネル1Aの作製に際しては、まず、低屈折率部4及び光吸収部5を除く部分、すなわち基盤2A及び複数の突条3Aから成るスリットミラーアレイ30Aが作製される。スリットミラーアレイ30Aの作製方法としては、例えば、スタンパ等の金型を用いて、透光性樹脂を射出成形する方法、ナノインプリント又は熱プレス成形方法が挙げられる。金型は、例えば、ナノ加工により金属製マスター板に上述した突条3A及び溝部21の形状に対応した形状を作製した後、電珠反転する方法により作製される。また、例えば、X線リソグラフィ法を用いることにより、透明材料から成る基盤2Aに直接的に突条3A及び溝部21を作製することができる。
第1光学パネル1Aでは、突条3Aの一側面が傾斜面33である。すなわち、突条3Aは側断面視で台形状とされている。このような形状によれば、μmオーダーの微細な構造体である突条3Aに、いわゆる「抜きテーパ」を付けることができ、金型成形でスリットミラーアレイ30Aを作成した際に、スリットミラーアレイ30Aをスタンパ等の金型からの取り外しを容易にすることができる。
溝部21を含む突条3Aの1ピッチの頭頂面視における短手辺の幅Wは、例えば、100〜700μmとされる(図4(b)参照)。なお、ピッチ幅Wは、実鏡映像Pの飛び出し距離(図1参照)に応じて設定される。例えば、飛び出し距離が10cmである場合には、ピッチ幅Wは約280μmとされる。基盤2A及び突条3Aを含む第1光学パネル1Aの板厚は、一般的には1〜3mmである。基盤2Aから突条3Aの高さH(溝部21の深さ)は、ピッチ幅Wと同等か、それよりも大きく設定される。
傾斜面33の基盤2Aの法線に対する傾斜角θは、5〜25°であることが好ましい(図4(a)参照)。傾斜角θを5°以上とすることで、必要な抜きテーパを確保し、スリットミラーアレイ30Aの作製時に金型からの取り外しを容易にすることができる。また、傾斜角θを25°以下とすることで、突条3Aの高さHにも依るが、光の出射面となる頭頂面35のサイズ(幅L)を確保し、実鏡映像Pが暗くなることを抑制することができる。なお、ここで示す数値は、本実施形態の一例として示す代表値であり、本発明は、これらの数値に限定されない。
第1光学パネル1Aは、上記にようにして作製されたスリットミラーアレイ30Aに、更に、低屈折率部4及び光吸収部5が形成されたものである。光吸収部5には、例えば、黒色インクや粒子状の顔料が用いられる。また、低屈折率部4は、垂直面31の表面から1μm以上の厚みを成していることが好ましい。なお、低屈折率部4は、垂直面31、32の表面から1μm以上の厚みを有する部分が、垂直面31の全面積の50%以上となるように形成されていればよい。垂直面31、32で光を全反射させる際に、垂直面31の外側に、光の波長程度の間隔を置いて屈折率の高い媒質があると、エバネッセント波を介して光が透過してしまい、垂直面31の内壁面での全反射が抑制されることがある。そこで、垂直面31の外側において、少なくともエバネッセント波がしみ出し得る領域に、1μm以上の厚さの低屈折率部4を、垂直面31の全面積の50%以上に配置することで、全反射効率の低下を抑制し、実鏡映像Pの輝度低下を防ぐことができる。
次に、第1光学パネル1Aの作製方法について説明する。ここでは、低屈折率部4が空気ではない媒質である構成の作製方法を、図5を参照して説明する。図5(a)に示すように、基盤2A及び複数の突条3Aから成るスリットミラーアレイ30Aが、例えば、スタンパ等の金型Mを用いて、透光性樹脂を射出成形することにより作製される。次に、作製されたスリットミラーアレイ30Aに、低屈折率部4が形成される。低屈折率部4は、突条3Aの垂直面31と接するように形成される。
低屈折率部4の形成方法としては、例えば、図5(b)に示すように、フッ素コート剤といった低屈折率材料の溶液40に、スリットミラーアレイ30Aを浸漬するディップコート法が用いられる。反射面31が上方に向く配置で2面コーナーリフレクタアレイ30Sを溶液40に浸漬し、その後、溶液40に浸漬したスリットミラーアレイ30Aを上方に引き抜けば、主に垂直面31に溶液40が付着する。この垂直面31に付着した溶液40を硬化させることで、低屈折率部4を形成することができる。なお、ディップコート法では、垂直面31以外の他の面にも溶液40が付着するので、外面については溶液40が硬化する前に拭き取る等により除去される。また、溶液40に比較的粘性の低いものを使用すれば、傾斜面33に付着する溶液40の厚みを、実質的に無視できる程度に薄くすることができる。
次に、図5(c)に示すように、光吸収剤を含有する樹脂材料50を、突条3A上に塗布して、スキージングにより溝21に樹脂材料50を充填する。そして、樹脂材料50を硬化させることで、図5(d)に示すように、光吸収部5が形成される。また、光吸収部5の形成方法としては、例えば、マイクロインクジェット印刷により、傾斜面33と溝部21に向けて、光吸収材料を含有するインクを塗布する方法が挙げられる。このように、傾斜面33と溝部21に塗布されたインクが光吸収部5となる。なお、実用上問題ない程度であれば、傾斜面33や溝部21に塗りムラがあってもよく、垂直面31に多少のインクが付着していてもよい。
このようにして作製された第1光学パネル1Aでは、図6に示すように、垂直面31で全反射した光のうち、頭頂面35から出射した光R1は、第2光学パネル1Bの垂直面32(図3参照)で再び反射されて、実鏡映像を結像する。第1光学パネル1Aでは、低屈折率部4がスリットミラーを成す垂直面31と接しているので、第1光学パネル1Aを構成する媒体との屈折率差が大きくなる。そのため、垂直面31における臨界角が小さくなり、低屈折率部4が無い場合には全反射されないような入射角αの小さい光(図中の実線矢印)も全反射させることができ、全反射効率が向上する。第1光学パネル1Aから出射された光は、第2光学パネル1B(図3参照)に入射し、第2光学パネル1Bの垂直面32で、上記と同様に効率的に全反射され、光学素子1外へ出射される。その結果、実鏡映像Pを明るくすることができる。
また、突条3A間には、光吸収部5が設けられているので、基盤2Aに入射した光のうち、突条3Aに入射せずに、底面22から溝部21側に導波される光(図中の破線矢印)を光吸収部5でカットする。また、垂直面32に対して臨界角よりも入射角の小さい角度で入射して溝部21側に透過した光(図中の1点鎖線矢印)もカットする。更に、第2光学パネル1Bにも光吸収部5が設けられているので、第1光学パネル1Aから第2光学パネル1Bに光が入射する際に、第2光学パネル1Bの溝部に向かう光もカットされる。このように、溝部21側に導波された光を光吸収部5でカットするので、実鏡映像Pの結像に寄与しない迷光が生じることを抑制することができ、実鏡映像Pのコントラストを向上させることができる。
また、溝部21はμmオーダーと微細であるが、これらの間の外部の照明光といった環境光(図中の2点鎖線矢印)が溝部21に入射しても、光吸収部5がそれをカットするので、微細な溝部21で光が乱反射することもなく、白ボケの発生を抑制することができる。
光吸収部5は、傾斜面33と接していることが好ましい。基盤2Aから突条3Aに入射する光の一部は、垂直面31ではなく、傾斜面33に入射することが有り得る。この光もまた、実鏡映像Pの結像には寄与せず、溝部21側に導波されると、実鏡映像Pのコントラストを低下させる迷光となる。そこで、光吸収部5を傾斜面33と接するように配置することで、溝部21側に導波される光をカットすることができる。
低屈折率部4及び光吸収部5の構成、及びその形成方法は、上記で説明したものに限られない。第1の変形例としては、図7に示すように、低屈折率部4を空気層としたものである。本変形例は、例えば、垂直面31に除去可能なシール材料(不図示)を1μm厚で予め成膜しておき、溝部21を光吸収材料で充填し、充填された光吸収材料を硬化させて、光吸収部5を成形した後、シール材料を除去する形成方法が挙げられる。そうすれば、シール材料が成膜されていた空間に、垂直面31から厚さ1μm程度の隙間が設けられ、この隙間が低屈折率部4となる。
本変形例においても、低屈折率部4がスリットミラーを成す垂直面31と接しているので、全反射効率が向上し、実鏡映像Pを明るくすることができる。また、突条3A間には、光吸収部5が設けられているので、迷光を抑制し、実鏡映像Pのコントラストを向上させることができる。
第2の変形例として、図8(a)に示すように、複数の突条3A間の溝部21に、略球状の光吸収粒子5sを充填する方法が挙げられる。光吸収粒子5sには、例えば、樹脂やカーボン等が用いられ、架橋ポリマー微粒子にカーボンブラックを内包させた粒子が特に好ましい。光吸収粒子5sの粒径(直径)は、その下限が1μm以上、好ましくは2μm以上である。光吸収粒子5sの粒径の上限は、少なくとも溝部21の最大幅より小さければよく、溝部21への充填性を考慮して、10μm以下であることが好ましい。
本変形例では、光吸収粒子5sの一部は、垂直面31にも付着する。しかしながら、図8(b)に示すように、光吸収粒子5sは略球状なので、光吸収粒子5sと垂直面31とが接する箇所は僅かであり、光吸収粒子5sと垂直面31との間には、多数の隙間(空気)が存在する。従って、この隙間が、低屈折率部4として機能する。なお、低屈折率部4は、上述したように、垂直面31の表面から1μm以上の厚みを有する部分が、垂直面31の全面積の50%以上となるように形成されていればよく、低屈折率部4の厚みが部分的に1μm以下となる場合があってもよい。本変形例によれば、複数の突条3A間の溝部21に、略球状の光吸収粒子5sを充填するという簡易な方法により、低屈折率部4及び光吸収部5を形成することができる。また、上記構成例と同様に、実鏡映像Pの結像に寄与しない迷光を抑制して立体映像のコントラストを向上させる共に、スリットミラー間における光の乱反射を抑制して、白ボケを低減することができる。
第3の変形例として、図9に示すように、複数の突条3Aを一括して覆う透明パネル6を更に有し、光吸収部5を、透明パネル6のうち、複数の突条3A間の溝部21と対向する領域に形成する方法が挙げられる。透明パネル6には、ガラスやアクリル樹脂やガラスと透明材料が用いられる。
この形成方法では、例えば、複数の突条3A間の溝部21のパターンをスキャンし、同一のパターンを透明パネル6上に光吸収材料(インク)で印刷したものを、複数の突条3A間の溝部21と精密に位置合わせをした上で張り合わせる。なお、実用上問題ない程度であれば、印刷パターンが実際の溝パターンと多少異なっていてもよく、張り合わせに際して多少の位置ズレがあってもよい。例えば、印刷した溝パターンの幅について、実際の溝部21の幅と比べて±20μm程度の誤差があってもよく、張り合わせの際の位置ズレが±20μm程度あってもよい。
本変形例では、複数の突条3A間の溝部21と透明パネル6に形成された光吸収部5とで囲われた空間が、低屈折率部4となる。本変形例でも、上記構成例と同様に、また、上記構成例と同様に、実鏡映像Pの結像に寄与しない迷光を抑制して立体映像のコントラストを向上させる共に、複数の垂直面31(32)間における光の乱反射を抑制して、白ボケを低減することができる。
また、上述した各構成例では、溝部21内に3次元的に光吸収部5を形成する必要があったのに対して、一方、本変形例によれば、光吸収部5を平面状の透明パネル6上に印刷するので、実質的に2次元的に光吸収部5を形成することができ、低屈折率部4及び光吸収部5を簡易に形成することができる。
第4の変形例は、上記第3の変形例の更なる変形例である。本変形例は、図10に示すように、光吸収部5が、透明パネル6ではなく、第1光学パネル1Aの頭頂面35上に載置された第2光学パネル1Bに設けられたものである。光吸収部5は、第2光学パネル1Bの頭頂面36のうち、複数の突条3A間の溝部21と対向する領域に形成されている。この構成においても、第1光学パネル1Aの傾斜面33から出射され、実鏡映像Pの結像に寄与しない光が、光吸収部5により第2光学パネル1Bに入射することを防止できるので、上記実施形態及び変形例と同様に、立体映像のコントラストを向上させることができる。また、光吸収部5は、第1光学パネル1Aの頭頂面35のうち、第2光学パネル1Bの突条3B間の溝部と対向する領域に形成されていてもよい(不図示)。
次に、本発明の一実施形態に係る映像表示装置について、図11を参照して説明する。映像表示装置10は、上述した光学素子1を具体的に適用したものであり、上面に開口部11を有する箱体12と、箱体12の内側面に設けられた映像表示部13と、を備える。光学素子1は、箱体12の開口部11に取り付けられている。図例では、映像表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ装置が用いられ、図例では、文字「A」を上下反転させた倒立姿勢で表示している。映像表示部13から出射された光は、光学素子1により屈曲反射され、文字「A」の実鏡映像を結像させる。観察者は、映像表示装置10の斜め上方位置に視点Epを置いて光学素子1を覗き込んだ際に、文字「A」の実鏡映像を空中映像として視認することができる。
本発明は、上記実施形態及び各種変形例に限られず、種々変形が可能である。例えば、光吸収部5は、垂直面31(32)との間に低屈折率部4が形成されるように、複数の突条3間に存在していれば、必ずしも上述した構成例に限られない。また、低屈折率部4は、屈折率の低い空気を主たる媒体とすることが最も好ましいが、突条3A自体の屈折率よりも低屈折率の透光性樹脂、中空シリカ粒子、又はメソポーラスシリカ粒子等が適宜に適用されてもよい。また、垂直面31(32)には、低屈折率部4ではなく、金属反射膜が設けられていてもよい。
1 光学素子
1A 第1光学パネル
1B 第2光学パネル
10 映像表示装置
2A、2B 基盤
3A、3B 突条
30A スリットミラーアレイ
30B スリットミラーアレイ
31、32 垂直面(側面)
33、34 傾斜面(側面)
4 低屈折率部
5 光吸収部
5s 光吸収粒子(粒子)

Claims (5)

  1. 一方の面側にある被観察物の実像を他方の面側の空間に結像させる光学素子であって、
    透明材料により形成されて一平面を成す基盤に対して垂直な帯状の垂直面を複数、定間隔で配列させたスリットミラーアレイを有する第1光学パネル及び第2光学パネルを備え、
    前記第1光学パネル及び前記第2光学パネルは、夫々の前記スリットミラーアレイの配列方向が直交するように互いに向かい合わせて配置され、
    前記第1光学パネル及び前記第2光学パネルは、前記基盤とは反対側の面を成し前記基盤と平行な出射面と、前記垂直面に対して傾斜するように設けられた傾斜面と、を更に有し、
    前記垂直面及び前記傾斜面により形成される溝部には、該溝部に導波した光を吸収する光吸収部と、前記第1光学パネル及び前記第2光学パネルを成す透明材料の屈折率よりも屈折率の低い媒質から成る低屈折率部と、が設けられ、
    前記低屈折率部は、前記垂直面と接するように配置された薄膜であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記光吸収部は、前記傾斜面と接していることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記光吸収部は、直径1μm以上の粒子から構成されることを特徴する請求項1又は請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記低屈折率部は、前記垂直面の表面から1μm以上の厚みを成していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された光学素子を用いた映像表示装置。
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