JP6835226B2 - 特定装置、特定方法、及び、特定プログラム - Google Patents

特定装置、特定方法、及び、特定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6835226B2
JP6835226B2 JP2019529351A JP2019529351A JP6835226B2 JP 6835226 B2 JP6835226 B2 JP 6835226B2 JP 2019529351 A JP2019529351 A JP 2019529351A JP 2019529351 A JP2019529351 A JP 2019529351A JP 6835226 B2 JP6835226 B2 JP 6835226B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
time difference
wave
pulse wave
identification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019529351A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019012598A1 (ja
Inventor
哲理 有山
哲理 有山
旭美 梅松
旭美 梅松
友嗣 大野
友嗣 大野
勝巳 阿部
勝巳 阿部
峰斗 佐藤
峰斗 佐藤
武志 赤川
武志 赤川
久保 雅洋
雅洋 久保
たん 東
たん 東
藤山 健一郎
健一郎 藤山
壮一郎 荒木
壮一郎 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Publication of JPWO2019012598A1 publication Critical patent/JPWO2019012598A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6835226B2 publication Critical patent/JP6835226B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/021Measuring pressure in heart or blood vessels
    • A61B5/02108Measuring pressure in heart or blood vessels from analysis of pulse wave characteristics
    • A61B5/02116Measuring pressure in heart or blood vessels from analysis of pulse wave characteristics of pulse wave amplitude
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/021Measuring pressure in heart or blood vessels
    • A61B5/02108Measuring pressure in heart or blood vessels from analysis of pulse wave characteristics
    • A61B5/02125Measuring pressure in heart or blood vessels from analysis of pulse wave characteristics of pulse wave propagation time
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/026Measuring blood flow
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/117Identification of persons
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F21/00Security arrangements for protecting computers, components thereof, programs or data against unauthorised activity
    • G06F21/30Authentication, i.e. establishing the identity or authorisation of security principals
    • G06F21/31User authentication
    • G06F21/32User authentication using biometric data, e.g. fingerprints, iris scans or voiceprints

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Computer Security & Cryptography (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

本発明は、生体に関する情報に基づき、生体を識別する装置等に関する。
生体の脈波に関する情報は、たとえば、特許文献1乃至特許文献3に記載されている技術において用いられている。
特許文献1には、操作者の指紋と、該操作者の脈波とに基づき、該操作者を判定する照合装置が開示されている。該照合装置は、該指紋に基づき操作者が本人であるか否かを判定する。操作者が本人であると判定された場合に、該照合装置は、脈波に基づき該操作者が生存しているか否かを判定し、生存していると判定した場合に該操作者が真正であると判定する。
特許文献2には、血管の状態を推定する推定装置が開示されている。該推定装置は、光センサを用いて脈波を検出し、検出した脈波に対して微分処理を実行し、算出された結果に基づき該脈波に関する特徴点を算出する。該推定装置は、特徴点が出現するタイミングの差異に基づき、血管の状態を推定する。
特許文献3には、脈波情報に基づき生体を識別する識別装置が開示されている。該識別装置は、生体にて測定された脈波が変動する際の加速度を表す加速度脈波を作成し、作成した加速度脈波における振幅に基づき生体を識別する。
また、特許文献4には、コロトコフ音の波形データに基づき個人認証する識別装置が開示されている。特許文献5には、自装置が適正に使用されているか否かを判定する血圧計が開示されている。該血圧計は、測定対象の血圧を開始する操作が実施されたときに、該測定対象の顔と、該測定対象に装着されたカフとを撮像し、撮像された画像に基づき、該カフの位置、該顔の位置、該カフの向き、及び、該顔との向きを算出する。該血圧計は、該顔が該カフよりも高い位置にあり、かつ、該顔と該カフとが同じ向きである場合に、血圧の測定を開始する。
特開2004−089675号公報 特開2011−072674号公報 特開2006−218033号公報 特開2010−110380号公報 特開2009−247733号公報
生体にて測定される脈波は、生体ごとに異なっている。しかし、特許文献1、及び、特許文献2に開示されたいずれの装置を用いたとしても、生体を識別することはできない。この理由は、これらの装置が、いずれも、生体にて測定される脈波に基づき、生体を識別する機能を有していないからである。また、特許文献3に開示された識別装置を用いたとしても、生体を正しく識別できるとは限らない。この理由は、該識別装置において用いられている加速度脈波が、脈波に含まれているノイズの影響を受けやすいからである。また、特許文献4に開示された識別装置を用いたとしても、生体を正しく識別できるとは限らない。
そこで、本発明の目的の1つは、識別対象を正しく識別することが可能な特定装置等を提供することである。
本発明の1つの態様として、特定装置は、
識別対象の脈波を表す脈波情報のうち、心臓の拍動に応じて生じる駆出波と、該心臓から拍出された血液が血管の分岐を通過するのに応じて生じる反射波とを特定する波特定手段と、
特定された前記駆出波と、特定された前記反射波との間の時間差を表す時間差情報を算出する時間差算出手段と、
前記識別対象となりうる生体を表す識別情報と、該生体の脈波に関する前記時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報の中から、前記時間差算出手段が算出した前記時間差情報に関して所定の判定基準を満たしているあるリスト情報を特定し、特定した前記あるリスト情報における前記識別情報を特定する情報特定手段と
を備える。
また、本発明の他の態様として、特定方法は、
情報処理装置によって、識別対象の脈波を表す脈波情報のうち、心臓の拍動に応じて生じる駆出波と、該心臓から拍出された血液が血管の分岐を通過するのに応じて生じる反射波とを特定し、特定された前記駆出波と、特定された前記反射波との間の時間差を表す時間差情報を算出し、生体を表す識別情報と、該生体の脈波に関する前記時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報の中から、算出された前記時間差情報に関して所定の判定基準を満たしているあるリスト情報を特定し、特定した前記あるリスト情報における前記識別情報を特定する。
また、本発明の他の態様として、特定プログラムは、
識別対象の脈波を表す脈波情報のうち、心臓の拍動に応じて生じる駆出波と、該心臓から拍出された血液が血管の分岐を通過するのに応じて生じる反射波とを特定する波特定機能と、
特定された前記駆出波と、特定された前記反射波との間の時間差を表す時間差情報を算出する時間差算出機能と、
前記識別対象となりうる生体を表す識別情報と、該生体の脈波に関する前記時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報の中から、前記時間差算出機能によって算出された前記時間差情報に関して所定の判定基準を満たしているあるリスト情報を特定し、特定した前記あるリスト情報における前記識別情報を特定する情報特定機能と
をコンピュータに実現させる。
さらに、同目的は、係るプログラムを記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体によっても実現される。
本発明に係る特定装置等によれば、識別対象を正しく識別することができる。
本発明の第1の実施形態に係る特定装置が有する構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る特定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 脈波情報の一例を概念的に表す図である。 リスト情報記憶部に格納されているリスト情報の一例を概念的に表す図である。 バネマスダンパモデルの一例を概念的に表す図である。 要因情報の一例を概念的に表す図である。 本発明の第2の実施形態に係る特定装置が有する構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る特定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 生体情報の一例を概念的に表す図である。 図10は、本発明の第3の実施形態に係る特定装置が有する構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る特定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 生体における血管、及び、心臓等が概念的に示された模式図である。 生体(または、識別対象)の脈波の一例を概念的に表す図である。 本発明の第4の実施形態に係る特定装置が有する構成を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る特定装置における動作を示すフローチャートである。 本発明の各実施形態に係る特定装置を実現可能な計算処理装置のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。
次に、本発明を実施する実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る特定装置101が有する構成について詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る特定装置101が有する構成を示すブロック図である。
第1の実施形態に係る特定装置101は、作成部102と、情報特定部103とを有する。
特定装置101は、リスト情報記憶部150に通信可能に接続されているとする。特定装置101は、リスト情報記憶部150を有してもよい。
リスト情報記憶部150(図4に例示)には、作成部102によって生体に関して作成された要因情報(要因情報151、要因情報152、及び、要因情報153等)と、該生体を一意に識別可能な識別子を表す識別情報とが関連付けされたリスト情報が格納されている。図4は、リスト情報記憶部150に格納されているリスト情報の一例を概念的に表す図である。要因情報を作成する方法については、式1乃至式3等を参照しながら後述する。
図4に例示されたリスト情報においては、たとえば、識別情報「A」と、要因情報151とが関連付けされている。これは、識別情報「A」が表す生体にて測定された脈波情報に基づき算出された要因情報が、要因情報151であることを表す。リスト情報は、さらに、異なる情報を含んでいてもよく、上述した例に限定されない。ここで、作成部102によって算出される要因情報について説明する。
要因情報は、生体の脈波を表す脈波情報に基づき、図2を参照しながら後述する処理に従い作成される情報を表す。該要因情報は、たとえば、該生体における血管の状態の変化、該血管における血液の状態の変化、血流量の変化、または、血流の状態の変化を表す情報である。要因情報は、これらの変化が推定された推定情報であってもよい。また、図4に例示されたリスト情報において、要因情報は、連続的に変化している情報として表されているが、離散的に表される情報であってもよい。要因情報が離散的に表される情報である場合に、該要因情報は、少なくとも1つのタイミングにおける状態(または、状態の変化等)を表す値である。
要因情報は、たとえば、血管における血流を阻害する程度を表す血管抵抗である。血管抵抗は、たとえば、毛細血管や、末梢血管等にて生じる。要因情報は、たとえば、血管を流れる血流量である。血流は、心臓から血液が拍出されること等によって生じる。要因情報は、たとえば、血液の粘性(以降、「血液粘性」と表す)である。血液粘性は、血液に含まれている赤血球量、血球の形状、及び、血漿の粘度等に応じて変化する。要因情報は、たとえば、血管の弾性を表す情報であってもよいし、心臓から拍出される血液量を表す心拍出量であってもよい。要因情報は、血管、または、血液に関する変化を表す情報であればよく、上述した例に限定されない。
次に、脈波情報について説明する。
脈波情報は、識別対象(または、生体)の脈波を表す情報である。脈波情報は、たとえば、腕や手首等の該識別対象の一部に圧力が加えられている期間に測定される脈波を表す情報(図3(A)に例示)であってもよいし、外部から該識別対象に圧力が加えられていない期間に測定される脈波を表す情報(図3(B)に例示)であってもよい。あるいは、脈波情報は、生体の一部に圧力が加えられている期間に測定される脈波と、生体に圧力が加えられていない期間に測定される脈波とを、ともに、含んでいてもよい。
図3(A)は、生体の一部に圧力が加えられている期間に測定される脈波情報の一例を概念的に表す図である。及び、図3(B)は、外部から該圧力が加えられていない期間に測定される脈波情報の一例を概念的に表す図である。図3(A)、及び、図3(B)の横軸は、時間を表し、右側であるほど時間が経過することを表す。図3(A)、及び、図3(B)の縦軸は、脈波の大きさを表し、原点から上下に離れるほど脈波が大きいことを表す。図3(A)に示されたタイミング31乃至タイミング37、及び、図3(B)に示されたタイミング41乃至タイミング43に関しては、第4の実施形態にて後述する。
識別対象(または、生体)に加えられる圧力(外圧)は、必ずしも、一定でなくともよく、たとえば、時間が経過するにつれ増えてもよいし、時間が経過するにつれ減少してもよい。あるいは、該圧力は、多くの血圧計に見られるように、最高血圧を測定するまでの期間にて増加し、該最高血圧を測定された後に減少してもよい。圧力は、所定の圧力制御手順に従い制御されればよく、上述した例に限定されない。
次に、図2を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る特定装置101における処理について詳細に説明する。図2は、第1の実施形態に係る特定装置101における処理の流れを示すフローチャートである。
作成部102は、識別対象の脈波を表す脈波情報(図3に例示)を受け取る。該脈波情報は、たとえば、ある期間における、該識別対象の脈波を表す情報である。作成部102は、複数タイミングにおける、識別対象(または、生体)の状態間の関連性がパラメタを用いて表された生体モデル情報(式1及び式2を参照しながら後述する)に従い、該脈波情報に適合しているパラメタを表す要因情報を作成する(ステップS101)。
情報特定部103は、リスト情報記憶部150に格納されているリスト情報(図4に例示)のうち、リスト情報における要因情報と、作成部102が作成した要因情報とが所定の判定基準(後述する)を満たしているリスト情報を特定する(ステップS102)。情報特定部103は、特定したリスト情報(図4に例示)に含まれている識別子を表す識別情報を特定する(ステップS103)。
式1、及び、式2等を参照しながら生体モデル情報について説明する。生体モデル情報は、複数のタイミングにおける生体(または、識別対象)の状態間の関連性を表すモデルである。生体モデル情報は、たとえば、第1タイミングにおける生体の状態と、第2タイミングにおける該生体の状態との間の関連性を表す情報である。状態は、たとえば、生体における血管内の圧力の大きさを表す血管内圧である。第1タイミングと、第2タイミングとは異なっていてもよい。以降においては、説明の便宜上、状態は、血管内圧を表すと仮定する。しかし、状態は、血管内圧に限定されず、たとえば、脈波の大きさを表す情報であってもよい。
生体モデル情報は、たとえば、式1、及び、式2に例示するようなモデル情報である。
=(x,θt)=g(xt−1,θt)+v・・・(式1)、
=h(x)+w・・・(式2)。
ただし、tは、タイミングを表す。xは、タイミングtにおける生体の状態(たとえば、血管内圧)を表す。yは、生体に関して測定される測定情報(たとえば、脈波の大きさ)を表す。該測定情報は、脈圧であってもよい。測定情報は、たとえば、圧力センサ、光電センサ、光センサ、超音波センサ、音波センサ、電界センサ、磁界センサ、撮像装置、または、振動センサ等を用いて測定される。パラメタθは、タイミング(t−1)における状態から、タイミングtにおける状態を算出する処理において用いられるパラメタの値を表す。vは、処理gに関する誤差を表す。wは、hに関する誤差を表す。
式1に例示された処理gは、たとえば、式3に例示された微分方程式を、変数xに関して解く処理を、概念的に表す。
Figure 0006835226
ただし、mは、血流量を表す。kは、血管抵抗を表す。cは、血液粘性を表す。Fは、血管に対して加えられる力を表す。力Fは、たとえば、心臓が拍動することによって生じる力を表している。心臓が拍動するのに応じて血液が心臓から拍出され、脈波が拍出された血液によって力Fの要因が生じる。心臓が拍動する力がインパルス入力であると仮定した場合に、脈波が該インパルス入力に応じたインパルス応答を表していると考えることもできる。xは、血管内圧を表し、式1における状態x(たとえば、x、xt−1等)に対応している。
また、式3に例示された微分方程式は、図5に例示されているバネマスダンパモデルにおける物体mの動きを表していると考えることもできる。図5は、バネマスダンパモデルの一例を概念的に表す図である。
バネマスダンパモデルは、物体mに対する抵抗力を表すダンパ部cと、物体mが振動する動きを生み出すバネ部kと、該物体mに対して外から加えられる力Fを表す外力部とを含んでいる。たとえば、バネマスダンパモデルにて表されている物体mに対して外力Fが上向きに加えられるのに応じて、該物体mは、上向きに移動する。該物体mが上向きに移動した場合に、バネ部kの長さは自然長よりも短くなる。この結果、物体mには、バネ部kによって下向きの力が働く。また、物体mには、ダンパ部cによって物体mが移動する向きとは反対向きの抵抗力が生じる。物体mは、バネ部kによって加えられる下向きの力によって、やがて、下向きに移動を開始する。物体mが下向きに移動するにつれ、バネ部kの長さは自然長よりも長くなる。この場合に、バネ部kは、物体mに、上向きの力を加える。物体mは、やがて、該上向きの力によって、上向きに移動を開始する。物体mに継続的に外力Fが加えられなければ、物体mは、バネ部kによって縦方向に振動する。しかし、物体mには、ダンパ部cによって物体mが移動する方向とは逆方向に抵抗力が加えられる。したがって、物体mは、縦方向に振動する幅を減らしながら、縦方向に振動する。
式3に例示された微分方程式を、時間に関して離散化することにより、複数のタイミングにおける血管内圧(状態の一例)の関連性を表す情報(式1に例示)が得られる。離散化は、たとえば、時間を一定時間ごとに区切ることによって実施される。式1に例示された処理gは、当該関連性に従い、第1タイミングにおける血管内圧(状態の一例)から、第2タイミングにおける血管内圧(状態の一例)を求める処理を表し、たとえば、陽解法、または、陰解法等の処理手順に従い、式3に例示された微分方程式を解く処理を概念的に表す情報である。この場合に、式1におけるパラメタθは、式3における血流量m、血液抵抗k、及び、血液粘性cである。
また、式2に例示された処理hは、微分方程式(式3)の解(たとえば、タイミングtにおける血管内圧)と、測定情報(たとえば、脈波の大きさ)との関連性を表す情報である。
図2に示されたステップS101において、作成部102は、たとえば、式1、及び、式2に示す処理に従い算出された情報(y)と、実際に測定された測定情報との誤差を小さくするよう、データ同化処理等の手法に従いパラメタθの値を、各タイミングに関して求めるモデル推定処理に従い算出する。要因情報は、たとえば、当該モデル推定処理に従い算出されたパラメタのうち、少なくともいずれか1つのパラメタである。または、作成部102は、最小二乗法等の手法に従い、パラメタθの値を推定してもよい。したがって、作成部102が当該パラメタθの値を推定する処理は、脈波情報が表す脈波に関する要因情報を作成する処理であるということもできる。図4に例示されたリスト情報における要因情報は、たとえば、パラメタθの1つに関して、各タイミングにて算出された値を連続的に接続することによって作成される。
上述したような処理に従い、作成部102は、たとえば、図6に例示されている要因情報を作成する。図6は、要因情報の一例を概念的に表す図である。図6の横軸は、時間を表し、右側であるほど時間が経過することを表す。図6の縦軸は、要因情報が表す値を表し、上側であるほど要因情報の値が大きいことを表す。
図6には、要因情報として、血流量を表す血流量情報(曲線162)、血管抵抗を表す血管抵抗情報(曲線160)、及び、血液粘性を表す血液粘性情報(曲線161)が例示されている。血流量情報、血管抵抗情報、及び、血液粘性情報は、脈波情報に基づき、式1、及び、式2に示された処理に従い算出されるパラメタθの大きさを表す情報である。脈波情報(図3に例示)が表す脈波が、時間が経過するのに応じて変化した場合に、要因情報(図6に例示)の値も変化している。
また、血管内圧を表すモデル情報は、式3に記載された微分方程式に限定されない。たとえば、脈波情報(図3に例示)において、駆出波に応じた反射波が複数測定されている場合に、モデル情報は、図5に例示されているバネマスダンパモデルが直列に接続されているモデルが表された微分方程式であってもよい。
次に、所定の判定基準について説明する。所定の判定基準は、少なくとも1つ以上のタイミングに関して算出される要因情報(図6に例示)に関する基準であればよい。所定の判定基準は、2つの情報が類似しているか(または、一致しているか)否かを判定する基準を表す情報であり、たとえば、該2つの情報に関する類似度が所定の閾値(ただし、閾値は正の値である)よりも大きいという条件である。2つの情報が類似している程度が大きいほど、該類似度は、大きいとする。また、2つの情報が類似している程度が小さいほど、該類似度は0に近付くとする。情報の間の類似度を算出する方法は、様々な方法が知られているので、類似度を算出する方法に関する説明を省略する。
所定の判定基準は、たとえば、2つの情報間の距離に基づく基準であってもよい。2つの情報が類似している程度が大きいほど、該距離は0に近付くとする。2つの情報が類似している程度が小さいほど、該距離は大きいとする。この場合に、所定の判定基準は、たとえば、該2つの環境情報に関する距離が閾値よりも小さいという基準である。所定の判定基準は、上述した例に限定されない。
生体モデル情報(式1、式2に例示)は、上述した例に限定されず、たとえば、多項式、指数関数、対数関数等の所定の関数であってもよい。
次に、本発明の第1の実施形態に係る特定装置101に関する効果について説明する。
第1の実施形態に係る特定装置101によれば、識別対象を正しく識別することができる。この理由は、特定装置101が、生体モデル情報に基づき、脈波が生じる要因を解析するからである。
また、第4の実施形態にて後述するように、所定の圧力制御手順に従い制御されている圧力が加えられている期間において測定される脈波を用いることによって、識別対象を、さらに、正しく識別することができる。この理由は、血管の弾性、及び、血管径が生体ごとに異なっており、圧力が加えられている期間における識別対象(生体)の脈波を用いることによって、該弾性、または、血管径等の影響を含む脈波が測定されるからである。また、第1の実施形態に係る特定装置101によれば、生体に関する、さらに多くの情報に基づき生体を識別するので、一層頑強な認証システムを構築することができる。尚、所定の圧力制御手順に従い制御された圧力の場合には、第4の実施形態にて後述するように、脈波情報そのものを要因情報として用いてもよい。
<第2の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする本発明の第2の実施形態について説明する。
図7を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る特定装置201が有する構成について詳細に説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る特定装置201が有する構成を示すブロック図である。
第2の実施形態に係る特定装置201は、作成部102と、情報特定部203と、フィルタ処理部202とを有する。
特定装置201は、表示部213に接続されていてもよい。特定装置201は、脈波測定部211、環境情報取得部212、リスト情報記憶部150、及び、生体情報記憶部214と通信可能に接続されている。または、特定装置201は、脈波測定部211、環境情報取得部212、リスト情報記憶部150、及び、生体情報記憶部214を有してもよい。
脈波測定部211は、生体(または、識別対象)の脈波を測定し、測定した脈波を表す脈波情報を作成する。脈波測定部211は、たとえば、加速度センサ、圧力センサ、光電センサ、光学式センサ、または、RGB(Red、Green、Blue)カメラ等を用いて実現される。
リスト情報記憶部150は、図4を参照しながら上述したようなリスト情報が格納されている。
生体情報記憶部214には、たとえば、図9に例示された生体情報が格納されている。図9は、生体情報の一例を概念的に表す図である。
生体情報は、生体の脈波に関する情報を表す。図9に例示された生体情報においては、識別子を表す識別情報と、測定日時と、水分情報と、加圧の有無を表す加圧情報と、心拍数と、最高血圧と、最低血圧と、服薬情報等とが関連付けされている。識別情報は、該生体を識別可能な識別子を表す情報である。測定日時は、該生体の脈波が測定された日時である。水分情報は、脈波情報を測定した測定タイミング以前であって、該測定タイミングから所定の時間以内に、生体が摂取した水分量を表す情報である。加圧情報は、該生体の脈波が測定されている期間に、所定の圧力制御手順に従い該生体に圧力を加えられたかを表す情報である。心拍数は、該測定タイミング付近における該生体の心拍数である。最高血圧は、該測定タイミング付近における該生体の最高血圧である。最低血圧は、該測定タイミング付近における該生体の最低血圧である。服薬情報は、脈波情報が測定された測定タイミング以前であって、該測定タイミングから所定の時間以内に、生体が服用した薬の種類を表す情報である。したがって、生体情報は、該生体の脈波に対して影響を及ぼす要因を表す情報を含む情報である。
図9に例示された生体情報は、以下の情報1乃至情報8に示された情報が関連付けされた生体情報を含む。
(情報1)識別情報「B」、
(情報2)測定日時「2017/3/3 10:12」、
(情報3)水分情報「100」、
(情報4)加圧情報「なし」、
(情報5)心拍数「63」、
(情報6)最高血圧「120」、
(情報7)最低血圧「70」、
(情報8)服薬情報「MB」。
該生体情報は、識別情報「B」が表す生体に関して、日時「2017/3/3 10:12」に、該生体に対して圧力が加えられていない期間に脈波が測定されたことを表す。また、該生体情報は、脈波が測定される際に、該生体が、「100」が示す水分量を摂取し、さらに、「MB」が表す薬を服用したことを表す。さらに、該生体情報は、該脈波が測定されたときに、該生体の心拍数が「63」であり、該生体の最高血圧が「120」であり、該生体の最低血圧が「70」であることを表す。
生体情報は、上述した情報1乃至情報8とは異なる情報(たとえば、身長、体重、病歴、または、遺伝子)を含んでいてもよい。生体情報は、たとえば、該生体に関する医師の診断が記載されているカルテ情報、または、該生体が罹患した病気の履歴を表す病歴情報を含んでいてもよい。また、生体情報は、情報1乃至情報8に例示された情報のすべてを、必ずしも含んでいる必要はない。生体情報は、上述した例に限定されない。
脈波測定部211は、識別対象(または、生体)の脈波を測定し、測定した脈波を表す脈波情報を作成する。脈波測定部211は、作成した脈波情報をフィルタ処理部202に入力する。
また、環境情報取得部212は、脈波測定部211が該識別対象の脈波を測定している期間において、該識別対象に関する状態、または、該識別対象周囲における環境を測定する。環境情報取得部212は、たとえば、該識別対象に装着された加速度センサ、該識別周囲(または、該識別対象)に設置されている集音装置、該生体を撮像している撮像装置、または、該識別対象周囲に設置されている気圧センサ(または、温度計)等によって実現することができる。環境情報取得部212は、識別対象に装着されているジャイロセンサであってもよい。環境情報取得部212は、たとえば、集音装置を用いて実現されている場合に、脈波が測定されている識別対象周囲における音声、及び、音等を集音する。環境情報取得部212は、たとえば、加速度センサを用いて実現されている場合に、識別対象の動きに応じて該識別対象に生じる加速度を測定する。環境情報取得部212は、たとえば、気圧センサを用いて実現されている場合に、識別対象周囲における気圧を測定する。
環境情報は、識別対象(または、生体)の脈波に影響を与える可能性がある情報である。たとえば、識別対象が動いている期間に測定される脈波と、該識別対象が静止している期間に測定される脈波とは、同じ波形を有する脈波であるとは限らない。また、識別対象が特定の人(たとえば、医者)と一緒にいる期間に測定される脈波は、識別対象が一人である期間に測定される脈波とは、同じ波形を有する脈波であるとは限らない。
環境情報取得部212は、取得した情報を表す環境情報を作成し、作成した該環境情報を情報特定部203に入力する。または、環境情報取得部212は、脈波測定部211によって作成された脈波情報から、該環境情報による影響を除去する処理を実行してもよい。
図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る特定装置201における処理について詳細に説明する。図8は、第2の実施形態に係る特定装置201における処理の流れを示すフローチャートである。
フィルタ処理部202は、識別対象の脈波を表す脈波情報を受け取る。フィルタ処理部202は、該脈波情報がノイズ(たとえば、該生体の不整脈)を表す情報を含んでいるか否かを判定する(ステップS201)。該脈波情報がノイズを含んでいないとフィルタ処理部202が判定した場合には(ステップS201にてNO)、ステップS202に示された処理は実行されない。この場合には、フィルタ処理部202は、該脈波情報を作成部102に入力する。フィルタ処理部202は、脈波情報がノイズを含んでいると判定した場合に(ステップS201にてYES)、脈波情報からノイズを除去する(ステップS202)。フィルタ処理部202は、さらに、該ノイズを表す情報と、ノイズが検知された識別対象に関する識別子を表す識別情報とが関連付けされた情報を生体情報記憶部214に格納してもよい。あるいは、フィルタ処理部202は、ノイズが検知されたことを表す情報を表示部213に表示してもよい。
作成部102は、該脈波情報を受け取り、図2を参照しながら説明した処理と同様な処理を実行することによって、該脈波情報に関する要因情報(図6に例示)を作成する(ステップS101)。
情報特定部203は、作成部102が作成した要因情報(図6に例示)を受け取る。情報特定部203は、環境情報取得部212によって作成された環境情報、及び、生体情報記憶部214に格納されている生体情報のうち、少なくともいずれかを取得する。
情報特定部203が該環境情報を取得する例を参照しながら、本実施形態に係る特定装置201において実行される処理について説明する。リスト情報記憶部150には、生体を表す識別子に関する識別情報と、該生体に関する脈波情報に基づき算出された要因情報と、該脈波情報が測定された場合における環境情報とが関連付けされているとする。リスト情報記憶部150には、さらに、該識別情報に、該生体に関する生体情報が関連付けされていてもよい。
情報特定部203は、リスト情報記憶部150に格納されているリスト情報のうち、受け取った該要因情報、及び、受け取った該環境情報に関して所定の判定基準を満たしているリスト情報を特定する(ステップS203)。
情報特定部203は、ステップS203に示された処理において、たとえば、受け取った環境情報と、該リスト情報における環境情報とが、所定の判定基準を満たしている環境情報を含むリスト情報を特定する。情報特定部203は、さらに、受け取った要因情報と、特定した該リスト情報における要因情報とが所定の判定基準を満たしているリスト情報(以降、「特定リスト情報」と表す)を特定する(ステップS203)。情報特定部203は、該特定リスト情報に含まれている識別子を表す識別情報を特定する(ステップS204)。
情報特定部203は、生体情報、または、該生体情報、及び、該環境情報に基づき、特定リスト情報を特定する場合であっても、環境情報に関して上述した処理と同様な処理を実行する。情報特定部203は、たとえば、受け取った生体情報と、該リスト情報における生体情報とが、所定の判定基準を満たしている生体情報を含むリスト情報を特定し、さらに、特定した該リスト情報において特定リスト情報を特定する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る特定装置201に関する効果について説明する。
第2の実施形態に係る特定装置201によれば、生体を正しく識別することができる。この理由は、第1の実施形態にて説明した理由と同様である。
さらに、第2の実施形態に係る特定装置201によれば、より正確に個体を特定することができる。この理由は、生体の状態や、該生体周囲における環境等に応じて該生体の脈波が変動する状況であっても、該状況、または、該環境に応じたデータに基づき生体を識別するからである。
上述した例において、情報特定部203は、環境情報取得部212が作成した環境情報に基づき、個体を特定する。環境情報に応じて脈波が変化する程度(利用者が運動している場合に、血流量が増大する程度(または、脈波が変化する程度)等)が、あらかじめ知られている場合に、情報特定部203は、当該環境情報に基づき、脈波測定部211によって測定された脈波を調整してもよい。同様に、測定情報に応じて血流量が増大する程度(たとえば、気圧が変化した場合に、血流量が増大する程度(または、脈波が変化する程度)等)が、あらかじめ知られている場合には、情報特定部203は、当該環境情報に基づき、脈波測定部211によって測定された脈波を調整してもよい。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図10を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る特定装置301が有する構成について詳細に説明する。図10は、本発明の第3の実施形態に係る特定装置301が有する構成を示すブロック図である。
第3の実施形態に係る特定装置301は、波特定部302と、時間差算出部303と、情報特定部304とを有する。
特定装置301は、リスト情報記憶部305に通信可能に接続されている。特定装置301は、リスト情報記憶部305を有してもよい。
リスト情報記憶部305には、生体を表す識別子に関する識別情報と、該生体にて測定された脈波に含まれている複数の波の間の時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報が格納されている。該脈波に含まれている波は、たとえば、駆出波と、該駆出波に応じた反射波である。図12を参照しながら、駆出波と、反射波とについて説明する。図12は、生体における血管、及び、心臓等が概念的に示された模式図である。
心臓351は、生体において拍動している。心臓351内の血液は、心臓351の拍動に応じて、該心臓351に接続している動脈に拍出される。動脈は、分岐(分岐352、分岐353、分岐354等)を繰り返しながら、該生体内の各器官に接続している。心臓351から拍出された血液は、動脈を通りながら、やがて各器官に到達する。血液が動脈における分岐(以降、「血管分岐」と表す)を通過する際等に血管壁にぶつかることによって、血液の流れに乱れが生じる。血管内圧は、心臓351から血液が拍出される、または、血液が血管壁(または、分岐)にぶつかるのに応じて変化している。
血管壁は、通常、やわらかい。したがって、血管内圧が変化するのに応じて、血管(この場合、動脈)壁は、変形する。脈波情報(図3に例示)は、たとえば、生体における血管壁の変形に応じて生じた皮膚表面の振動が測定されることにより作成される。図13を参照しながら脈波について説明する。図13は、生体(または、識別対象)の脈波の一例を概念的に表す図である。図13における横軸は、時間を表し、右側であるほど、時間が経過することを表す。図13における縦軸は、脈波の大きさを表し、原点から離れるほど該大きさが大きいことを表す。曲線361は、心臓351が血液を1回拍出することによって測定される脈波を概念的に表している。
タイミング362からタイミング364までの期間における波は、心臓351から拍出された血液により形成された振動が測定された波である。タイミング362からタイミング364までの期間における波は、「駆出波」と呼ばれている。タイミング364かタイミング366までの期間における波は、たとえば、血管分岐にて血流が乱れることによって生じた血管内圧の変化が測定された波である。タイミング364からタイミング366までの期間における波は、「反射波」と呼ばれている。
血管分岐は、たとえば、腹部大動脈や、総腸骨動脈等に存在している。血管分岐において生じた血管内圧の変化は、血液を介して波として測定部位に到達し、到達した波が反射波として測定される。したがって、駆出波が生じるタイミング(または、駆出波の振幅が最大となるタイミング363等)と、該駆出波に応じて生じた反射波が生じるタイミング(または、該反射波の振幅が最大となるタイミング365等)とは、異なっている。また、脈波において、駆出波に応じて生じる反射波は、1つであるとは限らず、複数である場合もある。したがって、駆出波と反射波との間の時間差は、たとえば、生体における血管の硬さや、心臓351から血管分岐までの距離、複数の血管分岐間の距離等に応じて決定される。血管の硬さや、これらの距離は、一般に、異なる生体間において異なっている。したがって、測定される脈波も、生体ごとに異なっている。
次に、図11を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る特定装置301における処理について詳細に説明する。図11は、第3の実施形態に係る特定装置301における処理の流れを示すフローチャートである。
波特定部302は、識別対象の脈波を表す脈波情報(図13に例示)を受け取る。説明の便宜上、脈波情報は、心臓351が血液を1回拍出することによって測定される脈波であるとする。すなわち、脈波情報は、1つの駆出波と、1つ以上の反射波とを含んでいるとする。脈波情報が、心臓351が血液を複数回拍出することによって測定される脈波を表す場合に、波特定部302は、拍出ごとに測定された脈波に対して、ステップS301乃至ステップS304を参照しながら後述する処理を実行する。
脈波情報は、たとえば、所定の関数(たとえば、フーリエ級数)を用いて表されてもよいし、脈波の大きさの時間的な変化によって表されてもよい。また、脈波情報は、脈波の特徴を表す特徴量を表されていてもよい。特徴量は、たとえば、変曲点が生じるタイミング、該タイミングにおける脈波の大きさ、脈波の変化が最小(または、最大)であるタイミング等である。脈波情報は、上述した例に限定されない。
波特定部302は、受け取った脈波情報(図13に例示)が表す脈波において、駆出波と、反射波とを特定する(ステップS301)。波特定部302は、たとえば、脈波情報が表す脈波が減少し始める(すなわち、脈波が極大である)複数のタイミングを特定する。波特定部302は、各タイミングにおける振幅の大きさを特定し、特定した大きさが最も大きく、かつ最初に現れるタイミング363における波を駆出波として特定する。波特定部302は、特定したタイミングのうち、駆出波として特定したタイミング363とは異なるタイミング365における波を反射波として特定する。
波特定部302は、たとえば、脈波情報(図13に例示)が表す脈波が増え始めるタイミング(タイミング362、タイミング364等)を求めることによって、該複数のタイミングを特定してもよい。または、波特定部302は、脈波の変曲点を求めることによって、該複数のタイミングを特定してもよい。複数のタイミングを特定する処理は、上述した例に限定されない。
以降においては、説明の便宜上、波特定部302は、脈波情報が表す脈波において、駆出波と、1つの反射波とを特定したとする。
時間差算出部303は、特定された該駆出波と、該反射波との間の時間差を算出し(ステップS302)、算出した該時間差を表す時間差情報を作成する。時間差算出部303は、たとえば、波特定部302が特定したタイミング(たとえば、図13におけるタイミング363、及び、タイミング365)の差異を算出することによって、該時間差を算出する。または、時間差算出部303は、波の特徴を表す特徴量に基づき、該差異を算出してもよい。該特徴量は、たとえば、波が最大となるタイミング、該波が増え始めるタイミング、または、該波の変曲点におけるタイミング等である。該特徴量は、上述した例に限定されない。
情報特定部304は、リスト情報(図10に例示)における時間差と、時間差算出部303によって算出された時間差とが所定の判定基準を満たしている時間差を特定する(ステップS303)。情報特定部304は、特定した該時間差を含むリスト情報における識別子を表す識別情報を特定する(ステップS304)。所定の判定基準は、たとえば、該2つの時間差間の差が所定の閾値よりも小さいという条件である。所定の判定基準は、たとえば、該2つの時間差間の比が所定の範囲内(たとえば、0.95から1.05までの範囲であるという条件であってもよい。所定の判定基準は、上述した例に限定されず、当該2つの時間差が同じ(または、類似している)ことを表す条件であればよい。
たとえば、時間差算出部303によって算出された時間差が「1.52」である場合に、情報特定部304は、リスト情報(図10に例示)における時間差と、算出された時間差「1.52」とが所定の判定基準を満たしている時間差「1.52」(図10におけるリスト情報の1行目)を特定する。情報特定部304は、特定した時間差「1.52」に関連付けされた識別情報「A」を特定する。
次に、本発明の第3の実施形態に係る特定装置301に関する効果について説明する。
第3の実施形態に係る特定装置301によれば、生体を正しく識別することができる。この理由は、駆出波と、該駆出波に応じた反射波との間の時間差が、心臓351から血管分岐までの長さ等に応じて決まっており、特定装置301が、当該時間差に基づき識別対象を識別するからである。心臓351から血管分岐までの長さは、一般に、生体ごとに異なっており、偽装することが困難な情報である。特定装置301は、偽装することが困難な情報に基づき生体を識別するので、なりすましに対する抵抗力が強い認証システムを構築する基礎である情報を提供することができる。
上述した例において、特定装置301は、駆出波と、反射波と間の時間差に基づき識別対象を識別したが、複数の反射波の間の時間差に基づき識別対象を識別してもよい。たとえば、脈波が複数の反射波を含んでいる場合に、特定装置301は、振幅の大きさ順に応じて、反射波を識別してもよい。たとえば、脈波情報が表す脈波が、第1反射波乃至第5反射波を含んでいる場合に、特定装置301は、たとえば、第2反射波と、第3反射波との間の時間差に基づき、図11を参照しながら説明した処理と同様な処理を実行することによって、識別対象を識別する。駆出波と、反射波との関係に関して上述したように、複数の反射波の間における時間差は、たとえば、複数の血管分岐間の距離等によって決定する。これらの距離が偽装することが困難な情報であるので、特定装置301によれば、なりすましに対する抵抗力が強い認証システムを構築する基礎である情報を提供することができる。
また、特定装置301が、複数の時間差(たとえば、駆出波及び反射波の間の時間差と、第1反射波及び第2反射波の間の時間差等)に基づき生体を識別することによって、さらに、なりすましに対する抵抗力が強い認証システムを構築する基礎である情報を提供することができる。
<第4の実施形態>
次に、上述した各実施形態を基本とする本発明の第4の実施形態について説明する。
図14を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係る特定装置401が有する構成について詳細に説明する。図14は、本発明の第4の実施形態に係る特定装置401が有する構成を示すブロック図である。
第4の実施形態に係る特定装置401は、脈波測定部410と、カフ411と、情報特定部403とを有する。特定装置401は、作成部402を有してもよい。
特定装置401は、リスト情報記憶部412と通信可能に接続されている。特定装置401は、リスト情報記憶部412を有してもよい。
制御部404は、脈波測定部410と、ポンプ405とを制御している。
カフ411は、内部に、空気等の気体、または、水等の液体を蓄えることができる。カフ411は、ポンプ405に接続される。カフ411は、生体のうち、少なくとも一部の部位に装着される。ポンプ405は、カフ411に気体(または、液体)を注入する、または、カフ411に蓄えられている気体(または、液体)をカフ411から排出する。制御部404は、所定の圧力制御手順に従い、ポンプ405の動作を制御する。
所定の圧力制御手順は、たとえば、カフ411の内圧が所定の圧力になるまでカフ411に気体(または、液体)を注入するようポンプ405を制御し、該内圧が所定の圧力以上になった場合に、カフ411に蓄えられている気体(または、液体)を徐々に排出するようポンプ405を制御する手順である。所定の圧力制御手順は、たとえば、脈波を検知できる圧力(すなわち、生体の最高血圧以下である圧力)範囲にて、カフ411の内圧を制御するような制御手順であってもよい。所定の圧力制御手順は、たとえば、当該圧力範囲にて、周期的(または、非周期的)に、カフ411の内圧を変えるよう、ポンプ405を制御する手順であってもよい。所定の圧力制御手順は、たとえば、所定の圧力範囲にて、周期的(または、非周期的)に、カフ411の内圧を変えるよう、ポンプ405を制御する手順であってもよい。また、所定の圧力範囲は、生体の最高血圧以上の圧力を含んでいてもよいし、生体に圧力を加えない範囲の圧力を含んでいてもよい。所定の圧力制御手順は、一定の圧力を加えるようポンプ405を制御する手順であってもよい。すなわち、所定の圧力制御手順は、上述した例に限定されない。
また、カフ411によって生体の部位に圧力が加えられている期間に測定される脈波は、該圧力の大きさに応じて変化する。たとえば、該圧力が加えられている期間に測定される脈波(図3(A)に例示)は、該圧力が加えられていない期間に測定される脈波(図3(B)に例示)とは異なっている。
図3(A)に例示された脈波は、所定の圧力制御手順において、徐々にカフ411の内圧が高くなるようポンプ405を制御している期間に、脈波測定部410によって測定された脈波である。脈波を参照すると、時間が経過するにつれて、脈波の振幅は、大きくなっていく。これは、カフ411によって部位に加えられる圧力が高くなるのに応じて血管に外圧が加わり、該外圧が加わるのに応じて血管内圧が高くなっていることを表す。図3(B)に例示された脈波を参照すると、脈波の振幅は、一定(または、略一定)であることがわかる。これは、血管に外圧が加わっていないことを表す。
また、図3(A)に例示された脈波を参照すると、脈波の波形は、血管に外圧が加えられるのに応じて(すなわち、時間の経過につれ)、変化していることがわかる。脈波における第1波(タイミング31からタイミング33まで)と、第2波(タイミング33からタイミング37まで)とを比較すると、第1波において、タイミング32からタイミング33までの期間に脈波の大きさは低下しているのに対し、第2波において、タイミング34からタイミング37までの期間に脈波の大きさが増えている期間(タイミング35からタイミング36までの期間)がある。これらの期間は、ともに、心臓が血液を血管に拍出した後から、次に血液を拍出するまでの期間を表す。したがって、該第1波と、該第2波との間の波形の違いは、たとえば、血管の硬さ等に応じて生じた違いであると考えられる。
これに対して、図3(B)に例示された脈波を参照すると、脈波の波形は、第1波(タイミング41からタイミング42まで)であっても、第2波(タイミング42からタイミング43まで)であっても、ほとんど変化していないことがわかる。これは、血管に外圧が加えられていない期間において、脈波は、一定(または、略一定)の波形にて測定されることを表す。
また、リスト情報記憶部412には、個体(または、識別対象)を識別する識別子を表す識別情報と、該個体に関して測定された脈波に関する情報とが関連付けされたリスト情報が格納されている。該脈波に関する情報は、所定の圧力制御手順に従いカフ411の内圧が制御されている期間に、脈波測定部410によって測定された脈波に関する情報である。説明の便宜上、リスト情報における脈波情報は、図15を参照しながら後述するような処理より前に、あらかじめ測定された脈波に関する情報であるとする。ただし、脈波に関する情報に基づき個体が特定されなかった場合に、個体に関する識別子を表す識別情報と、該脈波に関する情報とが関連付けされたリスト情報が、リスト情報記憶部412に格納されてもよい。また、脈波に関する情報は、第1の実施形態にて上述したような要因情報であってもよいし、第3の実施形態にて上述したような、駆出波と、反射波との時間差であってもよいし、環境情報や、生体情報等を含む情報であってもよい。リスト情報は、上述した例に限定されない。
また、特定装置401は、利用者の血圧(最高血圧、及び、最低血圧)を測定する血圧測定部(不図示)を有してもよい。この場合に、特定装置401によれば、1回の処理にて、該利用者の血圧を測定し、さらに、該利用者を特定することができる。
作成部402は、第1の実施形態に係る作成部102(図1)、第2の実施形態に係る作成部102(図7)、または、第3の実施形態に係る波特定部302、及び、時間差算出部303(図10)が有する機能と同様な機能によって実現することができる。情報特定部403は、第1の実施形態に係る情報特定部103(図1)、第2の実施形態に係る情報特定部203(図7)、または、第3の実施形態に係る情報特定部304(図10)が有する機能と同様な機能によって実現することができる。
脈波に関する情報が要因情報である場合に、作成部402は、ステップS402(図15を参照しながら後述する)と、ステップS403との間に、第1の実施形態(または、第2の実施形態)にて上述した処理と同様な処理を実行することによって、要因情報を作成する。ステップS404にて、情報特定部403は、第1の実施形態(または、第2の実施形態)にて上述した処理と同様な処理を実行することによって識別情報を特定する。脈波に関する情報が時間差を表す時間差情報である場合には、第3の実施形態にて上述したような処理(図11)に従い、脈波情報に基づき識別情報が特定される。
以降においては、説明の便宜上、脈波に関する情報は、脈波情報であるとする。
次に、図15を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係る特定装置401における動作について詳細に説明する。図15は、第4の実施形態に係る特定装置401における動作を示すフローチャートである。
制御部404は、生体の脈波の測定と、所定の圧力制御手順に従った圧力の制御とを開始する(ステップS401)。制御部404は、生体(または、識別対象)の脈波を測定するよう脈波測定部410を制御し、さらに、所定の圧力制御手順に従いカフ411の内圧を制御するようポンプ405を制御する。すなわち、制御部404は、所定の圧力制御手順に従いポンプ405を制御している期間中における生体(または、識別対象)の脈波を測定するよう脈波測定部410を制御する。
その後、制御部404は、生体の脈波の測定と、所定の圧力制御手順に従った圧力の制御とを終了する(ステップS402)。
次に、情報特定部403は、リスト情報における脈波情報と、測定された脈波を表す脈波情報とが、所定の判定基準を満たしている脈波情報を、リスト情報記憶部412に格納されているリスト情報から特定する(ステップS403)。情報特定部403は、特定した脈波情報に関するリスト情報に含まれている識別子を表す識別情報を特定する(ステップS404)。
特定装置401は、手首に装着されるウェアラブル型の装置であってもよい。また、特定装置401は、顔画像に基づく認証システムや、指紋に基づく認証システムと組み合わされてもよい。または、特定装置401は、あらかじめ利用者が登録した合言葉に基づく認証システムと組み合わされてもよい。合言葉に基づく認証システムは、たとえば、利用者が答えを知っている質問を、該利用者に対して行い、該答えが正しいか否かに基づき、該利用者を認証するシステムを表す。合言葉は、1つの言葉であってもよいし、複数の言葉であってもよい。特定装置401が、合言葉に基づく認証システムと組み合わせて用いられる場合における処理の一例について具体的に説明する。
利用者は、たとえば、利用者自身が答えを知っている質問を表す情報を、あらかじめ認証システムに登録する。利用者は、認証システムにて認証する場合に、特定装置401における脈波測定部410を、あらかじめ所定の部位に装着し、該認証システムの利用を開始する。脈波測定部410は、図15を参照しながら説明したような処理に従い脈波の測定を開始する。特定装置401が利用者の脈波を測定している期間に、認証システムは、該利用者に対して、自システムに登録されている質問を表示する。利用者は、当該質問に関する答えを認証システムに入力する。認証システムが該答えを受け取った後に、脈波測定部410は、該脈波を測定する動作を終了する。特定装置401において、情報特定部403は、脈波測定部410が測定した脈波を表す脈波情報に基づき、図15等に示された処理に従い、利用者を表す識別子を表す識別情報を特定する。認証システムは、受け取った答えが正しいか否かを判定する。認証システムは、該答えが正しく、かつ、特定装置401が識別情報を特定した場合に、該利用者が真の利用者であると判定する。認証システムは、該答えが誤りであるか、または、認証システムが識別情報を特定できなかった場合に、該利用者が偽の利用者であると判定する。
合言葉に基づく認証システムと、特定装置401とが組み合わされたシステムによれば、より、強固に認証を行うことができる。この理由について説明する。利用者は、合言葉を知っている場合に平常心を保つことができる。この場合には、該利用者の血管は、認証システムからの質問に応じて収縮することがない。したがって、特定装置401が、該利用者の脈波を測定した場合に、システムに登録されている脈波と同様な波形を有する脈波を測定するので、認証システムは、該利用者が真の利用者であると判定する。これに対して、利用者は、合言葉を知らない場合に平常心を保つことができないことが多い。この場合には、該利用者の血管は、認証システムが行う質問に応じて収縮する。したがって、特定装置401が該利用者の脈波を測定した場合に、システムに登録されている脈波と同様な波形を有する脈波が測定される可能性は低い。上述した各実施形態に説明したように、利用者にて測定される脈波は、真の利用者にて測定される脈波と異なっていることに加え、さらに、利用者(この場合に、偽の利用者)自身の脈波とも異なっている。この場合に、特定装置401は、真の利用者の識別子を表す識別情報を特定することもなければ、偽の利用者自身の識別子を表す識別情報を特定することもない。特定装置401が真の利用者の識別情報を特定しないので、認証システムは、該利用者が偽の利用者であると判定する。
また、うそ発見器と、特定装置401とが組み合わされたシステムであってもよい。この場合に、特定装置401は、該うそ発見器が実行する質問ごとの脈波を測定する。該システムは、特定装置401が識別情報を特定しなかった場合に、当該質問に対する答えがうそであると判定する。また、該システムは、特定装置401が識別情報を特定した場合に、当該質問に対する答えが正しいと判定する。
次に、本発明の第4の実施形態に係る特定装置401に関する効果について説明する。
第4の実施形態に係る特定装置401によれば、生体を正しく識別することができる。この理由は、第1の実施形態にて説明した理由、または、第3の実施形態にて説明した理由と同様である。
さらに、第4の実施形態に係る特定装置401によれば、より強固な認証システムを構築する基礎である情報を提供することができる。この理由は、利用者の血管に外圧が加えられている期間に測定される脈波と、該血管に外圧が加えられていない期間に測定される脈波とは、波形が異なっており、特定装置401が、当該2つの脈波に基づき生体を識別するからである。
また、所定の圧力制御手順に従い圧力を制御することによって、より一層、強固な認証システムを構築する基礎である情報を提供することができる。この理由は、該所定の圧力制御手順に従い血管に加えられる外圧の強さが変化するのに応じて、利用者にて測定される脈波の波形も変化するからである。たとえば、該所定の圧力制御手順に従い血管に加える圧力を制御した場合には、該血管の硬さを表す情報が脈波に一層顕著に現れているので、特定装置401によれば、より一層、強固な認証システムを構築する基礎である情報を提供することができる。
(ハードウェア構成例)
上述した本発明の各実施形態に係る特定装置を、1つの計算処理装置(情報処理装置、コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。但し、係る特定装置は、物理的または機能的に少なくとも2つの計算処理装置を用いて実現されてもよい。また、係る特定装置は、専用の装置として実現されてもよい。
図16は、本発明の各実施形態に係る特定装置を実現可能な計算処理装置のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。計算処理装置20は、中央処理演算装置(Central_Processing_Unit、以降「CPU」と表す)21、メモリ22、ディスク23、不揮発性記録媒体24、及び、通信インターフェース(以降、「通信IF」と表す)27を有する。計算処理装置20は、入力装置25、出力装置26に接続可能であってもよい。計算処理装置20は、通信IF27を介して、他の計算処理装置、及び、通信装置と情報を送受信することができる。
不揮発性記録媒体24は、コンピュータが読み取り可能な、たとえば、コンパクトディスク(Compact_Disc)、デジタルバーサタイルディスク(Digital_Versatile_Disc)である。また、不揮発性記録媒体24は、ユニバーサルシリアルバスメモリ(USBメモリ)、ソリッドステートドライブ(Solid_State_Drive)等であってもよい。不揮発性記録媒体24は、電源を供給しなくても係るプログラムを保持し、持ち運びを可能にする。不揮発性記録媒体24は、上述した媒体に限定されない。また、不揮発性記録媒体24の代わりに、通信IF27、及び、通信ネットワークを介して係るプログラムを持ち運びしてもよい。
すなわち、CPU21は、ディスク23に格納されているソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム:以下、単に「プログラム」と称する)を、実行する際にメモリ22にコピーし、演算処理を実行する。CPU21は、プログラム実行に必要なデータをメモリ22から読み取る。表示が必要な場合に、CPU21は、出力装置26に出力結果を表示する。外部からプログラムを入力する場合に、CPU21は、入力装置25からプログラムを読み取る。CPU21は、上述した図1、図7、図10に示す各部が表す機能、または、図14に示す作成部402、情報特定部403、及び、制御部404が表す機能(処理)に対応するところのメモリ22にある特定プログラム(図2、図8、図11、または、図15)を解釈し実行する。CPU21は、上述した本発明の各実施形態において説明した処理を順次実行する。
すなわち、このような場合に、本発明の各実施形態は、係る特定プログラムによっても成し得ると捉えることができる。さらに、係る特定プログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な不揮発性の記録媒体によっても、本発明の各実施形態は成し得ると捉えることができる。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態には限定されない。すなわち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
101 特定装置
102 作成部
103 情報特定部
150 リスト情報記憶部
31 タイミング
32 タイミング
33 タイミング
34 タイミング
35 タイミング
36 タイミング
37 タイミング
41 タイミング
42 タイミング
43 タイミング
151 要因情報
152 要因情報
153 要因情報
160 曲線
161 曲線
162 曲線
201 特定装置
202 フィルタ処理部
203 情報特定部
211 脈波測定部
212 環境情報取得部
213 表示部
214 生体情報記憶部
301 特定装置
302 波特定部
303 時間差算出部
304 情報特定部
305 リスト情報記憶部
351 心臓
352 分岐
353 分岐
354 分岐
361 曲線
362 タイミング
363 タイミング
364 タイミング
365 タイミング
366 タイミング
401 特定装置
402 作成部
403 情報特定部
404 制御部
405 ポンプ
410 脈波測定部
411 カフ
412 リスト情報記憶部
20 計算処理装置
21 CPU
22 メモリ
23 ディスク
24 不揮発性記録媒体
25 入力装置
26 出力装置
27 通信IF

Claims (10)

  1. 識別対象の脈波を表す脈波情報のうち、心臓の拍動に応じて生じる駆出波と、該心臓から拍出された血液が血管の分岐を通過するのに応じて生じる複数の反射波とを特定する波特定手段と、
    特定された前記駆出波と、特定された前記複数の反射波との間の時間差、及び、前記複数の反射波間における時間差を表す時間差情報を算出する時間差算出手段と、
    前記識別対象となりうる生体を表し、該生体に関する前記複数の反射波間における前記時間差情報が関連付けされた識別情報と、該生体の脈波に関する前記時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報の中から、前記時間差算出手段が算出した前記時間差情報に関して所定の判定基準を満たしているあるリスト情報を特定し、特定した前記あるリスト情報における前記識別情報を特定する情報特定手段と
    を備える特定装置。
  2. 前記波特定手段は、心臓が1回拍動するのに応じて生じる脈波を表す前記脈波情報のうち、振幅が最大、または、最初に出現する波を前記駆出波として特定し、前記駆出波と異なる波を前記反射波として特定する
    請求項1に記載の特定装置。
  3. 前記時間差算出手段は、前記駆出波において振幅が最大または略最大であるタイミングと、前記反射波において振幅が最大または略最大であるタイミングとの差異を算出することによって、前記時間差情報を算出する
    請求項1または請求項2に記載の特定装置。
  4. 識別対象の脈波を表す脈波情報のうち、心臓の拍動に応じて生じる駆出波と、該心臓から拍出された血液が血管の分岐を通過するのに応じて生じる反射波とを特定する波特定手段と、
    特定された前記駆出波と、特定された前記反射波との間の時間差を表す時間差情報を算出する時間差算出手段と、
    前記識別対象となりうる生体を表す識別情報と、該生体の脈波に関する前記時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報の中から、前記時間差算出手段が算出した前記時間差情報に関して所定の判定基準を満たしているあるリスト情報を特定し、特定した前記あるリスト情報における前記識別情報を特定する情報特定手段と、を備え、
    前記波特定手段は、前記識別対象に関する前記脈波情報から、複数の反射波を特定し、
    前記時間差算出手段は、前記複数の反射波間の時間差を算出し、
    前記リスト情報は、前記生体を表す識別情報に、さらに、前記生体に関する前記複数の反射波間における前記時間差情報が関連付けされており、
    前記情報特定手段は、さらに、前記時間差算出手段によって算出された前記複数の反射波間における前記時間差に基づき、前記識別情報を特定す
    定装置。
  5. 前記リスト情報において、前記時間差情報は、前記生体に圧力が加えられている期間に測定された前記脈波情報に基づき算出された情報であり、
    前記識別対象に関する前記時間差情報は、前記識別対象に前記圧力が加えられている期間に測定された前記脈波情報である
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の特定装置。
  6. 識別対象の脈波を表す脈波情報のうち、心臓の拍動に応じて生じる駆出波と、該心臓から拍出された血液が血管の分岐を通過するのに応じて生じる反射波とを特定する波特定手段と、
    特定された前記駆出波と、特定された前記反射波との間の時間差を表す時間差情報を算出する時間差算出手段と、
    前記識別対象となりうる生体を表す識別情報と、該生体の脈波に関する前記時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報の中から、前記時間差算出手段が算出した前記時間差情報に関して所定の判定基準を満たしているあるリスト情報を特定し、特定した前記あるリスト情報における前記識別情報を特定する情報特定手段と、を備え、
    前記リスト情報は、前記生体の前記脈波を測定する際に服用された薬の種類を表す情報を含み、
    前記情報特定手段は、前記識別対象によって服用された薬の種類を表す情報、及び、前記時間差算出手段が算出した前記時間差に基づき前記あるリスト情報を特定す
    定装置。
  7. 前記リスト情報は、前記生体の前記脈波を測定する際の前記生体の動きを表す情報を含み、
    前記情報特定手段は、前記識別対象の動きを表す情報、及び、前記時間差算出手段が算出した前記時間差に基づき前記あるリスト情報を特定する
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の特定装置。
  8. 情報処理装置によって、識別対象の脈波を表す脈波情報のうち、心臓の拍動に応じて生じる駆出波と、該心臓から拍出された血液が血管の分岐を通過するのに応じて生じる複数の反射波とを特定し、特定された前記駆出波と、特定された前記複数の反射波との間の時間差、及び、前記複数の反射波間における時間差を表す時間差情報を算出し、前記識別対象の生体を表し、該生体に関する前記複数の反射波間における前記時間差情報が関連付けされた識別情報と、該生体の脈波に関する前記時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報の中から、算出された前記時間差情報に関して所定の判定基準を満たしているあるリスト情報を特定し、特定した前記あるリスト情報における前記識別情報を特定する特定方法。
  9. 識別対象の脈波を表す脈波情報のうち、心臓の拍動に応じて生じる駆出波と、該心臓から拍出された血液が血管の分岐を通過するのに応じて生じる複数の反射波とを特定する波特定機能と、
    特定された前記駆出波と、特定された前記複数の反射波との間の時間差、及び、前記複数の反射波間における時間差を表す時間差情報を算出する時間差算出機能と、
    前記識別対象となりうる生体を表し、該生体に関する前記複数の反射波間における前記時間差情報が関連付けされた識別情報と、該生体の脈波に関する前記時間差を表す時間差情報とが関連付けされたリスト情報の中から、前記時間差算出機能によって算出された前記時間差情報に関して所定の判定基準を満たしているあるリスト情報を特定し、特定した前記あるリスト情報における前記識別情報を特定する情報特定機能と
    をコンピュータに実現させる特定プログラム。
  10. 前記波特定機能において、心臓が1回拍動するのに応じて生じる脈波を表す前記脈波情報のうち、振幅が最大、または、最初に出現する波を前記駆出波として特定し、前記駆出波と異なる波を前記反射波として特定する
    請求項9に記載の特定プログラム。
JP2019529351A 2017-07-11 2017-07-11 特定装置、特定方法、及び、特定プログラム Active JP6835226B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/025217 WO2019012598A1 (ja) 2017-07-11 2017-07-11 特定装置、特定方法、及び、特定プログラムが記録された記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019012598A1 JPWO2019012598A1 (ja) 2020-04-16
JP6835226B2 true JP6835226B2 (ja) 2021-02-24

Family

ID=65001592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019529351A Active JP6835226B2 (ja) 2017-07-11 2017-07-11 特定装置、特定方法、及び、特定プログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20200196879A1 (ja)
JP (1) JP6835226B2 (ja)
WO (1) WO2019012598A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11995166B2 (en) 2020-12-17 2024-05-28 Jvckenwood Corporation Biometric authentication through vascular studies

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8773239B2 (en) * 2011-04-04 2014-07-08 Integrated Monitoring Systems, Llc Biometric identification system using pulse waveform
JP2016214519A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 日本電信電話株式会社 本人確認システム、本人確認方法、ユーザ端末、本人確認機器、及び血圧測定装置
JP2016218756A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 日本電信電話株式会社 バイタル情報真正性証跡生成システム、バイタル情報真正性証跡生成方法、照合サーバ、バイタル情報測定装置、及び認証装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2019012598A1 (ja) 2020-04-16
US20200196879A1 (en) 2020-06-25
WO2019012598A1 (ja) 2019-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chakshu et al. A semi‐active human digital twin model for detecting severity of carotid stenoses from head vibration—A coupled computational mechanics and computer vision method
US20130310691A1 (en) System, method and device for automatic and autonomous determination of hemodynamic and cardiac parameters using ultrasound
EP3145395B1 (en) Continuous calibration of a blood pressure measurement device
US10971271B2 (en) Method and system for personalized blood flow modeling based on wearable sensor networks
CN107920760A (zh) 用于监测对象的血压的监测装置
CN109414222A (zh) 对血压测量设备的动态校准
JP6766710B2 (ja) 血圧測定装置、方法及びプログラム
US20170172429A1 (en) Blood pressure estimation device, blood pressure estimation method, blood pressure measurement device, and recording medium
JP5578515B2 (ja) 生体情報処理プログラム、生体情報処理装置、生体情報処理方法および生体情報処理システム
JP2022187119A (ja) 情報処理装置、血圧推定方法及びプログラム
JP2020528307A (ja) ウェアラブルデバイスを使用した、心室補助デバイス調整のための方法およびシステム
US20180125377A1 (en) Blood pressure measurement device, blood pressure measurement method, and recording medium
JP6835226B2 (ja) 特定装置、特定方法、及び、特定プログラム
JP6806254B2 (ja) 特定装置、特定方法、及び、特定プログラム
JP7180659B2 (ja) 判定システム、判定方法、および判定プログラム
US11850039B2 (en) Apparatus and method for determining a change in left ventricular twist of a subject's heart
EP3138482A1 (en) Method and device for continuous blood pressure monitoring and estimation
Bikia Non-invasive monitoring of key hemodynamical and cardiac parameters using physics-based modelling and artificial intelligence
WO2020012807A1 (ja) 生体情報処理装置及び生体情報処理方法
JP2008168055A (ja) 心拍出量推定装置
EP4285815A1 (en) Arterial pressure estimation device, arterial pressure estimation system, and arterial pressure estimation method
TWI795219B (zh) 基於血流動力學分析且與氣血循環及深層睡眠相關的特定生理綜合症偵測方法及系統
US20230263501A1 (en) Determining heart rate based on a sequence of ultrasound images
EP4289367A1 (en) Reliability assessment of cardiac parameter measurements
CN117500432A (zh) 心室压波形推定装置、心室压波形推定方法、心室压波形推定程序及肺动脉压波形推定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6835226

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150