JP6834889B2

JP6834889B2 - エキゾーストマニホールド

Info

Publication number: JP6834889B2
Application number: JP2017193232A
Authority: JP
Inventors: 幸宏西尾
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 2017-10-03
Filing date: 2017-10-03
Publication date: 2021-02-24
Anticipated expiration: 2037-10-03
Also published as: CN109595061A; CN109595061B; US20190101040A1; US10526948B2; JP2019065790A

Description

本発明は、エキゾーストマニホールドに関する。

内燃機関に用いられるエキゾーストマニホールドは、基端部が互いに合流し先端部が互いに分岐した複数の分岐管を有した本体部と、複数の分岐管の先端部がそれぞれ挿入された複数の開口を有したフランジ部とを備えたものがある。分岐管の先端部とフランジ部の開口周辺も溶接により接合される（例えば特許文献１参照）。

特開２０１６−０４９５６１号公報

本体部は、２つの分割体が重なって構成されたものがある。具体的には、２つの分割体のそれぞれに複数の半筒部が形成されており、半筒部同士が重なって複数の分岐管を画定するように、分割体同士が溶接されている。

分岐管の外面には、半筒部同士を溶接した第１溶接ビードが形成される。この分岐管の外周部とフランジ部の開口の縁部との間には、両者を溶接する第２溶接ビードが形成される。第２溶接ビードは、開口の周辺の周方向に複数並んで形成される。半筒部同士が溶接された後にその分岐管がフランジ部の開口周辺と溶接されるため、第２溶接ビードの少なくとも一つは第１溶接ビードに部分的に重なって形成される。

ここで、隣接する第２溶接ビードの端部同士は重なって形成される。これにより、分岐管の外周部と開口の縁部との隙間をなくして両者が溶接される。このように互いに重なった第２溶接ビードの端部同士が第１溶接ビードにも重なっていると、同一の箇所により多くの熱が加えられていることになり、この箇所での強度が低下する可能性がある。

そこで本発明は、強度の低下が抑制されたエキゾーストマニホールドを提供することを目的とする。

上記目的は、基端部が互いに合流し先端部が互いに分岐した複数の分岐管を有した本体部と、複数の前記分岐管の前記先端部がそれぞれ挿入された複数の開口を有したフランジ部と、を備え、前記本体部は、複数の半筒部を有した第１分割体と、複数の半筒部を有した第２分割体と、を有し、前記第１及び第２分割体のそれぞれの前記半筒部同士が互いに重なって複数の前記分岐管が画定された、エキゾーストマニホールドにおいて、何れかの前記分岐管を画定した前記半筒部同士を外面側から溶接した第１溶接ビードと、前記何れかの前記分岐管の外周部と前記開口の縁部とを溶接した複数の第２溶接ビードと、を備え、複数の前記第２溶接ビードの少なくとも一つは、前記第１溶接ビードに部分的に重なっており、隣接する前記第２溶接ビードの端部同士は、互いに重なっており、且つ前記第１溶接ビードから離間している、エキゾーストマニホールドによって達成できる。

互いに重なった第２溶接ビードの端部同士は、第１溶接ビードから離間しているため、同一箇所に多くの熱が加えられることが抑制され、強度の低下が抑制される。

上記構成において、複数の前記第２溶接ビードのうちの一つの一端と他端は、前記何れかの前記分岐管の前記先端部の軸心の方向から見た場合に、複数の前記分岐管が並んだ方向に直交する線分に対して対称の位置にあってもよい。

本発明によれば、強度の低下が抑制されたエキゾーストマニホールドを提供できる。

図１は、エキゾーストマニホールドの分解斜視図である。図２は、エキゾーストマニホールドの完成後の斜視図である。図３は、完成後のエキゾーストマニホールドのフランジ部を裏面側から見た図である。図４は、分岐管の外周部と開口の縁部との溶接の説明図である。図５は、変形例の溶接の説明図である。

図１は、エキゾーストマニホールド１の分解斜視図である。図２は、エキゾーストマニホールド１の完成後の斜視図である。エキゾーストマニホールド１は、本体部１Ａとフランジ部３０とから構成されている。本体部１Ａは、分割体１０及び２０から構成される。分割体１０及び２０と、フランジ部３０とは、それぞれプレス成形された金属製の部材であり、これらは互いに接合されてエキゾーストマニホールド１が完成する。分割体１０は、半筒部１２ａ〜１２ｄを有している。半筒部１２ａ〜１２ｄの各形状は、円筒をその軸線を通過する平面で分割した一方の形状である。半筒部１２ａ〜１２ｄは、基端部が互いに合流し先端部が互いに分岐している。半筒部１２ａ〜１２ｄが合流した合流部１４には、半円状の切欠１５が形成されている。同様に分割体２０は、半筒部２２ａ〜２２ｄを有している。半筒部２２ａ〜２２ｄは、基端部が互いに合流し先端部が互いに分岐している。半筒部２２ａ〜２２ｄが合流した合流部２４には、半円状の切欠２５が形成されている。尚、合流部１４には、空燃比センサを取り付けるための取付孔１８が形成されている。

半筒部１２ａ〜１２ｄがそれぞれ半筒部２２ａ〜２２ｄに重なるように分割体１０及び２０はアーク溶接される。半筒部１２ａ及び２２ａが重なることにより、分岐管２Ａが画定される。同様に、半筒部１２ｂ及び２２ｂにより分岐管２Ｂが画定され、半筒部１２ｃ及び２２ｃにより分岐管２Ｃが画定され、半筒部１２ｄ及び２２ｄにより分岐管２Ｄが画定される。従って、分岐管２Ａ〜２Ｄは、基端部が互いに合流し先端部が互いに分岐している。また、切欠１５及び２５が重なることにより連通孔１５Ａが画定される。連通孔１５Ａには、触媒コンバータなどが接続される。

フランジ部３０は略平板状であり、４つの開口３２ａ〜３２ｄがフランジ部３０の長手方向に並んで設けられている。フランジ部３０の表面３１ａ側から開口３２ａ〜３２ｄのそれぞれに分岐管２Ａ〜２Ｄの先端部が挿入された状態で、フランジ部３０と分岐管２Ａ〜２Ｄの各先端部とがアーク溶接される。図３は、完成後のエキゾーストマニホールド１のフランジ部３０を、表面３１ａの反対側である裏面３１ｂ側から見た図である。分岐管２Ａ〜２Ｄの先端部は、それぞれ裏面３１ｂから突出しない程度に挿入されて開口３２ａ〜３２ｄの周辺に溶接されている。尚、フランジ部３０の裏面３１ｂは、エンジンに装着される側の面である。

以上のように分割体１０及び２０として個別に成形し、その後に分割体１０及び２０を溶接して本体部１Ａが製造される。このような製造手法は、小型化されたエキゾーストマニホールド１を効率的に製造するために用いられる場合が多い。

図４は、分岐管２Ａの外周部と開口３２ａの縁部との溶接の説明図である。分岐管２Ａを画定する半筒部１２ａ及び２２ａが互いに当接する合わせ面Ｅ１及びＥ２の外側には、それぞれ、半筒部１２ａ及び２２ａ同士を溶接した溶接ビード４１及び４２が形成されている。溶接ビードは、レーザビームによって溶融した溶接部材の一部が溶接対象の部材上で凝固して帯状に盛り上がって形成される。溶接ビード４１及び４２は、半筒部１２ａ及び２２ａが溶接された痕跡を示す。溶接ビード４１及び４２はそれぞれ、合わせ面Ｅ１及びＥ２に沿って分岐管２Ａの外面上に軸方向に延びており、分岐管２Ａの外面から***した形状となっている。

分岐管２Ａの外周部と開口３２ａの縁部とには、溶接ビード５１〜５４が周方向に連続的に形成されている。溶接ビード５１〜５４は、分岐管２Ａの先端部の外周部と、フランジ部３０の裏面３１ｂ側の開口３２ａの縁部とを溶接している。溶接ビード５１〜５４は、それぞれ円弧状に形成されている。

溶接ビード５１は、一端５１１及び他端５１２を有している。同様に、溶接ビード５２は一端５２１及び他端５２２を有し、溶接ビード５３は一端５３１及び他端５３２を有し、溶接ビード５４は一端５４１及び他端５４２を有している。ここで、互いに隣接する溶接ビード５１及び５２において、一端５２１は他端５１２上に重なっている。同様に、一端５３１は他端５２２上に重なっており、一端５４１は他端５３２上に重なっており、他端５４２は一端５１１上に重なっている。このようにして、隣接する溶接ビードの端部同士が重なっており、溶接ビード５１〜５４の全体で分岐管２Ａの外周部と開口３２ａの縁部とが隙間なく溶接されている。このように互いに重なった一端及び他端では、２回にわたり熱が加えられている。

尚、溶接ビードは、一端及び他端が重なっている箇所では、一端及び他端の間の中間部よりも大きく盛り上がっている。また、図４の例では、上述のように一端と他端との重なり方から、溶接ビード５１〜５４の順に溶接されたことを示しているが、この溶接の順序はこれに限定されない。上記の互いに重なった一端及び他端は、互いに重なった端部同士の一例である。本実施例では、一端が溶接の開始位置を示す始端であり、他端が溶接の終了位置を示す終端であるが、これに限定されない。

ここで、本実施例では、溶接ビード４１は溶接ビード５３に部分的に重なっているが、溶接ビード４１の最も近傍にある他端５３２及び一端５４１は溶接ビード４１には重なっておらずに離間している。同様に、溶接ビード４２は溶接ビード５２に部分的に重なっているが、溶接ビード４２の最も近傍にある他端５１２及び一端５２１は、溶接ビード４２とは重なっておらずに離間している。仮に溶接ビード４１と、他端５３２及び一端５４１とが重なっているとすると、同一個所で３回にわたり熱が加えられたことになる。溶接ビード４２と他端５１２及び一端５２１が重なっている場合も同様である。このように同一箇所に多くの熱が加えられると、その箇所での入熱が過多となり、強度が低下する可能性がある。本実施例では、上述のように他端５３２及び一端５４１は溶接ビード４１から離間しており、他端５１２及び一端５２１も溶接ビード４２から離間している。このため、同一箇所に熱が加えられる回数が抑制され、エキゾーストマニホールド１の強度の低下が抑制されている。

上記実施例では４つの溶接ビード５１〜５４を例に示したが、分岐管２Ａの外周部と開口３２ａの縁部とを隙間なく全周に亘って形成されているのであれば、少なくとも２以上の溶接ビードがあればよい。

次に、分岐管２Ａの外周部と開口３２ａの縁部との溶接の変形例について説明する。図５は、分岐管２Ａとフランジ部３０の開口３２ａの周辺との溶接の変形例の説明図である。図５は、図４に対応している。尚、変形例において、類似した構成については類似した符号を付することにより、重複する説明を省略する。溶接ビード５１ａ〜５４ａのそれぞれは、略９０度の等角度間隔毎に形成されている。

図５に示すように、分岐管２Ａの先端部の中心軸線ＣＡから見た場合に、分岐管２Ａ〜２Ｄが並んだ方向Ｄに垂直な線分Ｌに対して、溶接ビード５１ａの一端５１１ａと他端５１２ａとは対称の位置にある。このため、溶接ビード５１ａの一端５１１ａから他端５１２ａまで溶接トーチの動きを線分Ｌに対して略左右対称にできるため、一端５１１ａから他端５１２ａまでレーザの走査性が向上している。同様に、溶接ビード５３ａの一端５３１ａと他端５３２ａとについても線分Ｌに対して対称の位置にあるため、一端５３１ａから他端５３２ａまでのレーザの走査性が向上している。

尚、本変形例においても、溶接ビード５２ａ及び５４ａはそれぞれ溶接ビード４２及び４１に部分的に重なるが、一端５１１ａ、５２１ａ、５３１ａ、及び５４１ａと、他端５１２ａ、５２２ａ、５３２ａ、及び５４２ａとの何れも、溶接ビード４１及び４２から離間している。このため、本変形例でもエキゾーストマニホールドの強度の低下が抑制されている。

以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

本実施例では４つの分岐管２Ａ〜２Ｄとそれに対応した４つの開口３２ａ〜３２ｄを有したエキゾーストマニホールド１を示したが、これに限定されず、分岐管が２以上でありそれに対応する開口も２以上あればよい。

１エキゾーストマニホールド
１Ａ本体部
２Ａ〜２Ｄ分岐管
１０分割体（第１分割体）
２０分割体（第２分割体）
１２ａ〜１２ｄ、２２ａ〜２２ｄ半筒部
３０フランジ部
３２ａ〜３２ｄ開口
４１、４２溶接ビード（第１溶接ビード）
５１〜５４溶接ビード（第２溶接ビード）
５１１、５２１、５３１、５４１一端（端部）
５１２、５２２、５３２、５４２他端（端部）

Claims

基端部が互いに合流し先端部が互いに分岐した複数の分岐管を有した本体部と、
複数の前記分岐管の前記先端部がそれぞれ挿入された複数の開口を有したフランジ部と、を備え、
前記本体部は、複数の半筒部を有した第１分割体と、複数の半筒部を有した第２分割体と、を有し、
前記第１及び第２分割体のそれぞれの前記半筒部同士が互いに重なって複数の前記分岐管が画定された、エキゾーストマニホールドにおいて、
何れかの前記分岐管を画定した前記半筒部同士を外面側から溶接した第１溶接ビードと、
前記何れかの前記分岐管の外周部と前記開口の縁部とを溶接した複数の第２溶接ビードと、を備え、
複数の前記第２溶接ビードの少なくとも一つは、前記第１溶接ビードに部分的に重なっており、
隣接する前記第２溶接ビードの端部同士は、互いに重なっており、且つ前記第１溶接ビードから離間している、エキゾーストマニホールド。
複数の前記第２溶接ビードのうちの一つの一端と他端は、前記何れかの前記分岐管の前記先端部の軸心の方向から見た場合に、複数の前記分岐管が並んだ方向に直交する線分に対して対称の位置にある、請求項１のエキゾーストマニホールド。