JP6832644B2 - 車両用防音体及び車両用サイレンサー - Google Patents

車両用防音体及び車両用サイレンサー Download PDF

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Description

本発明は、騒音を防音するに適した防音体及び車両内への伝播騒音や車両内での騒音等を防音するに適した車両用防音体及び車両用サイレンサーに関する。
従来、この種の車両用防音体においては、下記特許文献1に記載された車両用防音体が提案されている。この防音体は、車両の車室内側に位置する第1吸音材と、エンジンルーム側に位置する第2吸音材と、これら第1及び第2の吸音材の間に介装される非通気材とにより構成されている。
ここで、第1及び第2の吸音材は、多孔質材料で形成されており、一方、非通気材は、非通気材料でもって形成されている。これにより、第1及び第2の吸音材は吸音層としての役割を発揮し、一方、非通気材は、遮音層としての役割を果たす。
これにより、当該防音体が、その第2吸音材にて、車両のエンジンルームと車室との境界部品であるダッシュパネルに沿い配設されると、例えば、エンジンルームから伝搬する騒音がダッシュパネルを介し第2吸音材により吸音され、当該第2吸音材の透過騒音が非通気材でもって遮音され、然る後、非通気材の透過音が第1吸音材により吸音されて車室内に進入する。
特開第2012−192751号公報
ところで、上述の防音体においては、第1吸音材の厚さは、防音体によるエンジンルームからの騒音に対する遮音性能を発揮するとともに当該防音体による車室内の騒音に対する吸音性能をも発揮するように、設定されている。
しかしながら、上述のように構成した防音体の厚さは、当該防音体の全面に亘り同一ではなく、当該防音体の車室内における位置に応じて同一であったり異なったりする。
ここで、第1吸音材は、上述の防音体において、上述のごとく、車室内における騒音に対する吸音性能を発揮する役割を果たすことから、当該防音体の相互に厚さを異にする各部位同士において、第1吸音材の厚さが同一となっていると、当該防音体は、エンジンルームからの騒音に対する遮音性を向上させ得るとしても、車室内への騒音の吸音性能を著しく低下させるという不具合を生ずる。
一方、第1吸音材の厚さが、当該防音体における車室内への騒音に対する吸音性能のみを発揮するように設定されていると、当該防音体によるエンジンルームからの騒音に対する遮音性能を著しく低下させるという不具合を生ずる。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、一側及び他側の各吸音層の間に中側遮音層を介装してなる3層積層構造を有し、当該3層積層構造において互いに厚さを異にする各部位に対する他側吸音層の各対応部位の体積密度を異にして、3層積層構造の全体にわたり、吸音性能及び遮音性能を適切に発揮するようにしてなる車両用防音体及び車両用サイレンサーを提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る車両用防音体は、請求項1の記載によれば、
一側吸音層(40)と、当該一側吸音層に積層される中側遮音層(50)と、当該中側遮音層を介し一側吸音層に対向するように中側遮音層に積層してなる他側吸音層(60)とからなる3層積層構造体でもって、薄肉部位(a)及び厚肉部位(b)を有するように形成してなるものである。
当該車両用防音体において、
一側及び他側の各吸音層は、それぞれ、多孔質材料でもって形成されており、
中側遮音層は、遮音材料でもって形成されており、
他側吸音層の3層積層構造体の上記薄肉部位に対する対応部位は、上記薄肉部位の遮音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
他側吸音層の3層積層構造体の上記厚肉部位に対する対応部位は、上記厚肉部位の吸音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており
他側吸音層の3層積層構造体の上記薄肉部位に対する対応部位が有する体積密度及び他側吸音層の3層積層構造体の上記厚肉部位に対する対応部位が有する体積密度は、それぞれ、0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )からなる所定の体積密度範囲以内の値に設定されており、
層積層構造体の厚さが10(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.30(g/cm3)に対応する厚さに設定され、3層積層構造体の厚さが10(mm)以上で15(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.20(g/cm3)に対応する厚さに設定され、3層積層構造体の厚さが15(mm)以上で40(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.10(g/cm3)に対応する厚さに設定されていることを特徴とする。
これによれば、騒音が車両の車体の板状部材を介し当該車両用防音体にその一側吸音層から入射するように、当該車両用防音体が車体の板状部材に沿い配設される場合、当該騒音が車体の板状部材に入射したとき、当該騒音は、車体の板状部材を通り車両用防音体の一側吸音層に入射する。
すると、当該騒音は、車両用防音体の一側吸音層により吸音されて中側遮音層に入射する。ついで、このように中側遮音層に入射した騒音は、当該中側遮音層により遮音されて他側吸音層に入射する。
これによれば、多孔質材料からなる他側吸音層の3層積層構造体の薄肉部位に対する対応部位は、薄肉部位の遮音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
孔質材料からなる他側吸音層の3層積層構造体の厚肉部位に対する対応部位は、厚肉部位の吸音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
他側吸音層の3層積層構造体の薄肉部位に対する対応部位が有する体積密度及び他側吸音層の3層積層構造体の厚肉部位に対する対応部位が有する体積密度は、それぞれ、所定の体積密度範囲0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )以内の値に設定されている。
このような構成のもと、3層積層構造体の厚さが10(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.30(g/cm3)に対応する厚さに設定され、3層積層構造体の厚さが10(mm)以上で15(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.20(g/cm3)に対応する厚さに設定され、3層積層構造体の厚さが15(mm)以上で40(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.10(g/cm3)に対応する厚さに設定されている
って、共に多孔質材料からなる一側及び他側の両吸音層と当該両吸音層の間に積層される遮音材料からなる中側遮音層との3層積層構造体のもと、上述のように、それぞれ、所定の体積密度範囲0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )以内にある他側吸音層の3層積層構造体の薄肉部位に対する対応部位の体積密度及び他側吸音層の3層積層構造体の厚肉部位に対する対応部位の体積密度と相俟って、当該車両用防音体は、3層積層構造体としての薄肉部位にて、良好な遮音性能を発揮し得るとともに、当該3層積層構造体としての厚肉部位にて、良好な吸音性能を発揮し得る。その結果、当該車両用防音体は、その一側吸音層から入射する騒音に対し良好な防音性能を発揮し得る。
また、本発明に係る車両用サイレンサーは、請求項2の記載によれば、
車両の車体の板状部材(30)に装着される一側吸音層(40)と、当該一側吸音層に積層される中側遮音層(50)と、当該中側遮音層を介し一側吸音層に対向するように中側遮音層に積層してなる他側吸音層(60)とからなる3層積層構造体でもって、薄肉部位(a)及び厚肉部位(b)を有するように形成してなる防音体からなる。
当該防体からなるサイレンサーにおいて、
一側及び他側の各吸音層は、それぞれ、多孔質材料でもって形成されており、
中側遮音層は、遮音材料でもって形成されており、
他側吸音層の3層積層構造体の上記薄肉部位に対する対応部位は、上記薄肉部位の遮音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており
側吸音層の3層積層構造体の上記厚肉部位に対する対応部位は、上記厚肉部位の吸音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
他側吸音層の3層積層構造体の上記薄肉部位に対する対応部位が有する体積密度及び他側吸音層の3層積層構造体の上記厚肉部位に対する対応部位が有する体積密度は、それぞれ、0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )からなる所定の体積密度範囲以内の値に設定されており、
層積層構造体の厚さが10(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.30(g/cm3)に対応する厚さに設定され、3層積層構造体の厚さが10(mm)以上で15(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.20(g/cm3)に対応する厚さに設定され、3層積層構造体の厚さが15(mm)以上で40(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.10(g/cm3)に対応する厚さに設定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、車両用防音体からなるサイレンサーは、上述のごとく、一側吸音層、中側遮音層及び他側吸音層からなる3層積層構造体でもって、構成されている。
従って、騒音が車体の板状部材に入射したとき、当該騒音は、車体の板状部材を通り車両用防音体からなるサイレンサーにその一側層から入射する。すると、当該騒音は、車両用防音体からなるサイレンサーの一側吸音層により吸音されて、中側遮音層に入射する。ついで、このように中側遮音層に入射した騒音は、当該中側遮音層により遮音されて他側吸音層に入射する。
のように構成してなるサイレンサーは、上述のごとく、3層積層構造体でもって、薄肉部位及び厚肉部位を有するように形成されている。
ここで、多孔質材料からなる他側吸音層の3層積層構造体の薄肉部位に対する対応部位は、薄肉部位の遮音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
孔質材料からなる他側吸音層の3層積層構造体の厚肉部位に対する対応部位は、厚肉部位の吸音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
他側吸音層の3層積層構造体の薄肉部位に対する対応部位が有する体積密度及び他側吸音層の3層積層構造体の厚肉部位に対する対応部位が有する体積密度は、それぞれ、所定の体積密度範囲0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )以内の値に設定されている。
このような構成のもと、3層積層構造体の厚さが10(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.30(g/cm3)に対応する厚さに設定され、3層積層構造体の厚さが10(mm)以上で15(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.20(g/cm3)に対応する厚さに設定され、3層積層構造体の厚さが15(mm)以上で40(mm)未満のとき他側吸音層の厚さは体積密度0.10(g/cm3)に対応する厚さに設定されている
って、共に多孔質材料からなる一側及び他側の両吸音層と当該両吸音層の間に積層される遮音材料からなる中側遮音層との3層積層構造体のもと、上述のように、それぞれ、所定の体積密度範囲0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )以内にある他側吸音層の3層積層構造体の薄肉部位に対する対応部位の体積密度及び他側吸音層の3層積層構造体の厚肉部位に対する対応部位の体積密度と相俟って、当該車両用サイレンサーは、3層積層構造体としての薄肉部位にて、良好な遮音性能を発揮し得るとともに、当該3層積層構造体としての厚肉部位にて、良好な吸音性能を発揮し得る。
このことは、当該車両用サイレンサーは、その一側吸音層から入射する騒音に対し良好な防音性能を発揮し得ることを意味する。その結果、当該車両用サイレンサーは、車室内に対する遮音性能及び吸音性能をバランスよく適切に確保し得て、車体の板状部材から入射する騒音に対し良好な防音性能を発揮し得る。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項2に記載の車両用サイレンサーにおいて、
車体の板状部材は、車体のエンジンルームと車室とを区画するダッシュパネル(30)であって、
防音体は、ダッシュサイレンサーとして、一側吸音層にて、ダッシュパネルに車室内側から装着されることを特徴とする。
このような構成によれば、騒音がエンジンルームからダッシュパネルに入射すると、当該騒音は、ダッシュパネルを通りダッシュサイレンサーにその一側層から入射する。すると、当該騒音は、ダッシュサイレンサーとしての3層積層構造体のもと、一側吸音層により吸音されて、中側遮音層に入射する。ついで、このように中側遮音層に入射した騒音は、当該中側遮音層により遮音されて他側吸音層に入射する。
ここで、請求項2に記載の発明と同様に、他側吸音層の3層積層構造体の薄肉部位に対する対応部位は、薄肉部位の遮音性能を高めるような体積密度を有するように形成されるとともに、他側吸音層の3層積層構造体の厚肉部位に対する対応部位は、厚肉部位の吸音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
他側吸音層の3層積層構造体の薄肉部位に対する対応部位が有する体積密度及び他側吸音層の3層積層構造体の厚肉部位に対する対応部位が有する体積密度は、それぞれ、0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )からなる所定の体積密度範囲以内の値に設定されている。その結果、上述のような3層積層構造体の厚さ分布に対する他側吸音層の厚さ分布と相俟って、車両用ダッシュサイレンサーとしてのサイレンサーにおいて、請求項2に記載の発明の作用効果と同様の作用効果が達成され得る。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項3に記載の車両用サイレンサーにおいて、
上記一側吸音層を介しダッシュパネルと中側遮音層とでもって構成される2重遮音壁構造体の遮音性能を高めるようにダッシュパネルと中側遮音層との間の距離が長く設定されており、
ダッシュサイレンサーにおいて、他側吸音層が、その3層積層構造体の上記薄肉部位に対する対応部位にて、2重遮音壁構造体の遮音性能をさらに高めるように薄く形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、ダッシュパネルと中側遮音層との2重遮音壁構造の遮音性能を良好に確保し得て、ダッシュサイレンサーとしての遮音性能及び吸音性能がより一層バランスよく適切に発揮され得る。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明に係る車両用サイレンサーの一例であるダッシュサイレンサーの一実施形態を適用した自動車の模式的部分概略断面図である。 図1のダッシュサイレンサーの拡大正面図である。 図2の3−3線に沿うダッシュパネル及びダッシュサイレンサーの縦断面図である。 上記実施形態におけるダッシュサイレンサーの拡大部分破断断面図である。 上記実施形態における各試料の透過損失特性を騒音の周波数との関係にて表す各グラフを示す図である。 上記実施形態における各試料の吸音率特性を騒音の周波数との関係にて表す各グラフを示す図である。 上記実施形態におけるダッシュサイレンサーにおける厚さの分布、各厚さのダッシュサイレンサーにおいて占める割合、各厚さ及び他側吸音層の形成材料の密度の間の関係を示す図表である。
以下、本発明の一実施形態を図面により説明する。
図1は、本発明が車両のうち自動車に適用される一実施形態を示している。当該自動車は、エンジンルーム10及び車室20を備えており、車室20は、当該自動車において、エンジンルーム10に後続して設けられている。なお、エンジンルーム10内には、エンジンEが配設されている。また、車室20内には、前側座席Sが配設されている。
また、当該自動車は、ダッシュパネル30(ダッシュボード30ともいう)を備えている。このダッシュパネル30は、図3にて示す縦断面湾曲形状を有するように形成されており、当該ダッシュパネル30は、エンジンルーム10と車室20との境界に設けられて、これらエンジンルーム10及び車室20を相互に区画している。なお、本実施形態において、ダッシュパネル30は、厚さ0.8(mm)の鉄板でもって形成されている。また、ダッシュパネル30は、その延出上端部にて、車室20のフロントウインドシールドの下縁部に連結されており、このダッシュパネル30の延出下端部は、車室20の床壁20aの前縁部に連結されている。
また、当該自動車は、ダッシュサイレンサーDSを備えている。このダッシュサイレンサーDSは、図2にて示すような形状を有して、防音体としての役割を果たす。当該ダッシュサイレンサーDSは、図3にて示すごとく、ダッシュパネル30と同様に縦断面湾曲形状に形成されており、当該ダッシュサイレンサーDSは、図1にて示すごとく、当該ダッシュパネル30に沿い車室20側から組み付けられている。なお、本実施形態では、ダッシュサイレンサーDSの外形面形状(図2参照)は、ダッシュパネル30の外形面形状とほぼ同一となっている。
当該ダッシュサイレンサーDSは、図3にて示すごとく、一側吸音層40、中側遮音層50及び他側吸音層60を備えており、これら一側吸音層40、中側遮音層50及び他側吸音層60は、順次、当該自動車の前側(ダッシュパネル30側)から後側(車室内側)にかけて積層して形成されている。
本第1実施形態において、当該ダッシュサイレンサーDSは、その厚さにて、図3にて示すごとく、図示上端部から図示下端部にかけて、部位ごとに、薄く或いは厚くなるように形成されている。例えば、当該ダッシュサイレンサーDSの各部位の厚さ分布及びその分布割合は、それぞれ、図7にて示す図表のごとく、変化している。即ち、当該ダッシュサイレンサーDSにおいて、厚さ10(mm)未満の部位はその分布割合において、19(%)であり、厚さ10(mm)以上で厚さ15(mm)未満の部位は、その分布割合において、30(%)であり、厚さ15(mm)以上で厚さ20(mm)未満の部位は、その分布割合において、23(%)である。また、厚さ20(mm)以上で厚さ25(mm)未満の部位は、その分布割合において、11(%)であり、厚さ25(mm)以上で厚さ30(mm)未満の部位は、その分布割合において、7(%)であり、厚さ30(mm)以上で厚さ35(mm)未満の部位は、その分布割合において、5(%)であり、また、厚さ35(mm)以上で厚さ40(mm)未満の部位は、その分布割合において、5(%)である。
一側吸音層40は、いわゆるソフト層ともいわれるもので、当該一側吸音層40は、所定の多孔質材料により所定の体積密度範囲以内の体積密度ρ、所定の目付量範囲以内の目付量Bw(例えば、1,400(g/m))及び所定の厚さ範囲以内の厚さtでもって、図3にて示す縦断面形状から分かるように、ダッシュパネル30に沿うように形成されている。
本実施形態において、上述した所定の多孔質材料としては、フェルトが採用されている。また、上記所定の目付量範囲は、500(g/m)〜2,000(g/m)と設定されている。
中側遮音層50は、非通気層として、所定の遮音材料により所定の目付量範囲以内の目付量Bw(例えば、4,000(g/m2))及び所定の厚さ範囲以内の厚さt(例えば、3(mm))でもって、図3にて示すごとく、一側吸音層40に沿うように当該一側吸音層40と同様の縦断面湾曲形状に形成されており、当該中側遮音層50は、一側吸音層40と他側吸音層60との間に挟持されている。
本実施形態において、上記所定の遮音材料としては、オレフィン系樹脂が採用されている。当該中側遮音層50の形成材料の所定の目付量範囲は、1,000(g/m)〜6,000(g/m)である。また、当該中側遮音層50の所定の厚さ範囲は、0.8(mm)〜4(mm)である。
他側吸音層60は、いわゆるハード層ともいわれるもので、当該他側吸音層60は、所定の多孔質材料により所定の体積密度範囲以内の体積密度ρ(後述するように、他側吸音層60の部位によって異なる)、所定の目付量範囲以内の目付量Bw(例えば、600(g/m))及び所定の厚さ範囲以内の厚さt(後述するように、他側吸音層60の部位によって異なる)でもって、図3にて示す縦断面形状から分かるように、中側遮音層50を介し一側吸音層40に沿うように積層されている。
本実施形態において、上述した他側吸音層60の形成材料である所定の多孔質材料としては、フェルトが採用されている。また上記所定の体積密度範囲は、0.08(g/cm)〜0.4(g/cm)と設定されている。上記所定の目付量範囲は、300(g/m)〜2,000(g/m)と設定されている。
ここで、このように他側吸音層60の各部位の厚さがダッシュサイレンサーDSの各部位の厚さに対応して変化するように設定されている根拠について説明する。
本明細書の冒頭で述べたことから分かるように、ダッシュサイレンサーDSの各部位が互いに厚さを異にするにもかかわらず、当該ダッシュサイレンサーDSの各部位に対応する他側吸音層60の各部位の厚さが同一であると仮定すると、当該ダッシュサイレンサーDSは、エンジンルーム10からの騒音に対する遮音性を向上させ得るとしても、車室20内における騒音の吸音性能を著しく低下させる。一方、他側吸音層60の厚さが、当該ダッシュサイレンサーDSにおける車室20内の騒音に対する吸音性能のみを発揮するように設定されていると、当該ダッシュサイレンサーDSによるエンジンルーム10からの騒音に対する遮音性能を著しく低下させる。
本実施形態においては、上述のごとく、ダッシュサイレンサーDSは、一側吸音層40、中側遮音層50及び他側吸音層60からなる3層積層構造体で構成されている。ここで、オレフィン系樹脂からなる中側遮音層50は、鉄板からなるダッシュパネル30と共に、2重遮音壁構造体を成しており、当該中側遮音層50及びダッシュパネル30は、共に、フェルトからなる一側吸音層40及びフェルトからなる他側吸音層60に比べて重い。そして、このような2重遮音壁構造体において、中側遮音層50は、質量層(マス層)としての役割をも果たし、また、一側吸音層40は、バネ層としての役割をも果たす。
また、ダッシュサイレンサーDSの各部位のうち厚さが薄い薄肉部位において、上記2重遮音壁構造による遮音性能を適正に確保するためには、ダッシュパネル30と中側遮音層50との間の距離が長いことが重要である。従って、ダッシュパネル30と中側遮音層50との間の距離を長くするためには、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位が、薄くても、当該薄肉部位に対する一側吸音層40の対応部位の厚さを厚くするように、他側吸音層60の厚さを相対的に薄くする必要がある(図4参照)。
換言すれば、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位の厚さの範囲を満たすように、一側吸音層40の対応部位を厚くし、一方、これに対する他側吸音層60の対応部位をできる限り薄くすれば、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する上記2重遮音壁構造の対応部位におけるダッシュパネル30と他側吸音層60との間の距離を長くすることができる。これにより、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する上記2重遮音壁構造の対応部位による遮音性能を適正に確保することができる。
なお、このように他側吸音層60の対応部位をできる限り薄くすることで、一側吸音層40の対応部位の体積密度が相対的に減少する。このため、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する入射騒音による上記2重遮音壁構造の対応部位の共振現象を抑制することができる。
一方、ダッシュサイレンサーDSの各部位のうち厚さが厚い厚肉部位においては、当該厚肉部位に対する一側吸音層40の対応部位も厚い。このため、当該一側吸音層40の対応部位に対する上記2重遮音壁構造におけるダッシュパネル30及び中側遮音層50の各対応部位の間の距離が必然的に長くなる。従って、上記2重遮音壁構造のうちダッシュサイレンサーDSの厚肉部位に対する対応部位の遮音性能を良好に確保することができる。以上が、他側吸音層60の各部位の厚さがダッシュサイレンサーDSの各部位の厚さに対応して変化するように設定されている根拠である。
そこで、ダッシュサイレンサーDSの厚肉部位に対する他側吸音層60の対応部位の厚さをさらに増大させることで、遮音性能を損なうことなく従来以上の吸音性能を確保することができる(図4参照)。
このような観点から、他側吸音層60が、その全体に亘り、当該ダッシュサイレンサーDSの厚さの変化に対応して、当該ダッシュサイレンサーDSの遮音性能を重視する部位及び当該ダッシュサイレンサーDSの吸音性能を重視する部位に分けて構成されている。
ここで、他側吸音層60において、ダッシュサイレンサーDSの遮音性能を重視する部位は、ダッシュサイレンサーDSのうちの薄肉部位に相当する。一方、他側吸音層60において、ダッシュサイレンサーDSの吸音性能を重視する部位は、ダッシュサイレンサーDSのうちの厚肉部位に相当する。
そこで、他側吸音層60の厚さは、図7の図表にて示すごとく、上述したダッシュサイレンサーDSの厚さ分布に対応して変化するように設定されている
即ち、他側吸音層60のうちダッシュサイレンサーDSの厚さ10(mm)以下の各部位に対する各対応部位は、厚さ2(mm)に設定されている。
た、他側吸音層60のうちダッシュサイレンサーDSの厚さ10(mm)以上で15(mm)未満の各部位に対する各対応部位は、厚さ3(mm)に設定されている。さらに、他側吸音層60のうちダッシュサイレンサーDSの厚さ15(mm)以上で40(mm)未満の各部位に対する各対応部位は、厚さ6(mm)に設定されている。
このように他側吸音層60の各部位の厚さを設定することで、他側吸音層60がダッシュサイレンサーDSの遮音性能を重視する部位及びダッシュサイレンサーDSの吸音性能を重視する部位に分けて構成される。これにより、ダッシュサイレンサーDSが、各部位ごとに、その厚さに応じて、遮音性能及び吸音性能をバランスよく設定され、従来のものと同一の質量のもとに、高性能な防音性能(遮音性能及び吸音性能)を発揮し得るダッシュサイレンサーとして提供され得る。
以上のように構成した本実施形態において、エンジンEがその作動に伴いエンジン音を騒音として発生すると、当該騒音は、ダッシュパネル30を介しダッシュサイレンサーDSに入射する。
ここで、ダッシュパネル30は鉄板で形成されていることから、ダッシュパネル30に入射した騒音は、当該ダッシュパネル30によりその非通気性のもとに部分的に遮音されて、ダッシュサイレンサーDSに入射する。
このようにして騒音がダッシュサイレンサーDSに入射すると、当該騒音は、ダッシュパネル30に隣接する一側吸音層40に入射する。ここで、一側吸音層40は、上述のごとく、所定の多孔質材料であるフェルトでもって形成されているため、一側吸音層40に入射した騒音は、当該一側吸音層40によりその通気性のもとに部分的に吸音されて当該一側吸音層40を通り中側遮音層50に入射する。
ここで、当該中側遮音層50は、上述のごとく、遮音材料の一種であるオレフィン系樹脂により、目付量Bw=4,000(g/m)及び厚さt=3(mm)でもって形成されている。
従って、上述のごとく中側遮音層50に入射した騒音は、当該中側遮音層50により部分的に遮音されて他側吸音層60に入射する。
ここで、当該他側吸音層60のダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する対応部位は、上述のごとく、当該薄肉部位の厚さの範囲内において、薄く形成されており、当該他側吸音層60のダッシュサイレンサーDSの厚肉部位に対する対応部位は、上述のごとく、当該厚肉部位の厚さの範囲内において、厚く形成されている(図7の図表参照)。
従って、他側吸音層60のうち上述のごとく薄く形成されている部位は、良好な遮音性能を発揮し得る。一方、他側吸音層60のうち上述のごとく厚く形成されている部位は、良好な吸音性能を発揮し得る。
これにより、他側吸音層60に入射した騒音は、他側吸音層60のうち上述のごとく薄く形成されている部位により良好に遮音され、一方、他側吸音層60のうち上述のごとく厚く形成されている部位により良好に吸音され得る。その結果、エンジンルーム10からの騒音に対するダッシュサイレンサーDSによる防音効果、即ち、遮音効果及び吸音効果が良好に確保され得る。
ここで、エンジンルーム10からの騒音の周波数が250(Hz)から6,300(Hz)に亘っても、当該騒音は、ダッシュサイレンサーDSにより車室20内から良好に防音され得る。
なお、上述のようにダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する他側吸音層60の対応部位をできる限り薄くすることで、一側吸音層40の対応部位の体積密度が相対的に減少する。このため、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する入射騒音による上記2重遮音壁構造の対応部位の共振現象を抑制することができる。
ちなみに、上述のように構成したダッシュサイレンサーDSの透過損失特性を、騒音の周波数(250(Hz)〜6,300(Hz))との関係において、透過損失試験により測定してみた。この測定につき、各試料1〜4を準備した。そして、これら試料1〜4の各透過損失特性を、騒音の周波数との関係において、透過損失試験により測定することで調べてみた。
なお、透過損失特性における透過損失は、入射音と透過音との差であって、当該差が小さいほど、透過音が大きいために透過損失が低くて遮音性能が悪く、上記差が大きい程、透過音が小さいために透過損失が高く遮音性能が良い。
試料1〜試料4は、それぞれ、フェルトからなる一側吸音層部、オレフィン系樹脂からなる遮音層部及びフェルトからなる他側吸音層部を、ダッシュサイレンサーDSと同様に積層して構成されている。
本実施形態において、各試料1及び3は、遮音を重視する試料として構成されており、各試料2及び4は、吸音を重視する試料として構成されている。ここで、試料1の他側吸音層部の体積密度及び当該試料1の厚さは、それぞれ、ρ=0.2(g/cm3)及びt=15(mm)であり、試料2の他側吸音層部の体積密度及び当該試料2の厚さは、それぞれ、ρ=0.1(g/cm3)及びt=15(mm)である。また、試料3の他側吸音層部の体積密度及び当該試料3の厚さは、それぞれ、ρ=0.2(g/cm3)及びt=25(mm)であり、試料4の他側吸音層部の体積密度及び当該試料4の厚さは、それぞれ、ρ=0.1(g/cm3)及びt=25(mm)である。
各試料1〜4の透過損失特性を測定したところ、各グラフ1〜4が、それぞれ、図5にて示すような折れ線グラフとして得られた。グラフ1は、試料1の透過損失特性を表すとともに、グラフ2は、試料2の透過損失特性を表す。また、グラフ3は、試料3の透過損失特性を表すとともに、グラフ4は、試料4の透過損失特性を表す。
各グラフ1〜4を対比すると、騒音の周波数が250(Hz)より高く2,500(Hz)よりも低い範囲において、遮音を重視する両試料1、3にあっては、当該両試料の各他側吸音層部の体積密度はρ=0.2(g/cm 3 )と同一であっても、試料1の厚さt=15(mm)よりも厚い厚さ25(mm)を有する試料3の方が透過損失が大きいことが分かる。一方、吸音を重視する両試料2、4にあっては、当該両試料2、4の各他側吸音層部の体積密度はρ=0.1(g/cm 3 )と同一であっても、試料2の厚さt=15(mm)よりも厚い厚さt=25(m)を有する試料4の方が透過損失が大きいことが分かる。
また、各グラフ1〜4を対比すると、他側吸音層部の体積密度がより大きく試料としての厚さがより厚い試料3の透過損失が、他の試料1、2及び4と比べて、より大きいことが分かる。換言すれば、体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する試3が、その透過損失において、当該試料3と同様に体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )の他側吸音層部を有していても当該試料3よりも薄い厚さを有する試料1の透過損失よりも大きく、かつ、体積密度ρ=0.1(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する両試料2、4の各透過損失よりも大きいことが分かる
従って、試料としての厚さが同一であることを前提に、体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する試料は、その透過損失において、体積密度ρ=0.1(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する試料の透過損失に比べて大きいこと、換言すれば、体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する試料は、その遮音性能において、体積密度ρ=0.1(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する試料の遮音性能よりも良好であることが分かる。
さらに、上述のように構成したダッシュサイレンサーDSの吸音率特性を、騒音の周波数(250(Hz)〜6,300(Hz))との関係において、残響室法吸音率試験により測定してみた。この測定につき、上述の各試料1〜4の各吸音率特性を、騒音の周波数との関係において、残響室法吸音率試験により測定することで行ってみた。
これにより、各グラフ5〜8が、それぞれ、図6にて示す折線グラフとして得られた。ここで、グラフ5は、試料1の吸音率特性を表し、グラフ6は、試料2の吸音率特性を表す。また、グラフ7は、試料3の吸音率特性を表し、グラフ8は、試料4の吸音率特性を表す。
これら各グラフ6〜8を対比してみると、遮音を重視する両試料1、3は、他側吸音層部の体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )のもと、ほぼ同様の吸音率特性を有しており、一方、吸音を重視する両試料2、4は、他側吸音層部の体積密度ρ=0.1(g/cm 3 )のもと、ほぼ同様の吸音率特性を有することが分かる。換言すれば、騒音の周波数315(Hz)以下においては、体積密度ρ=0.1(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する両試料2、4は、その各吸音率において、体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する両試料1、3の各吸音率よりも低いものの、騒音の周波数315(Hz)よりも高い範囲においては、体積密度ρ=0.1(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する両試料2、4は、その各吸音率において、体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する両試料1、3の各吸音率よりも高いこと、換言すれば、騒音の周波数315(Hz)よりも高い範囲であれば、体積密度ρ=0.1(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する両試料2、4は、その吸音性能において、体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する両試料1、3の吸音性能よりも良好であることが分かる。
従って、騒音の周波数のうち少なくとも周波数315(Hz)よりも高い周波数の範囲では、試料としての厚さとはかかわりなく、他側吸音層部の体積密度が小さい試料(体積密度ρ=0.1(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する試料2,4)の方が、他側吸音層部の体積密度が大きい試料(体積密度ρ=0.2(g/cm 3 )の他側吸音層部を有する試料1、3)よりも良好な吸音性能を発揮し得ることが分かる。
以上のことから、騒音のほぼ全周波数(250(Hz)〜6,300(Hz))の範囲において、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する他側吸音層60の対応部位は、遮音性を重視する観点から体積密度を大きくし、一方、ダッシュサイレンサーDSの厚肉部位に対する他側吸音層60の対応部位は、吸音性を重視する観点から体積密度を小さくすることで、上述したダッシュサイレンサーDSの防音効果が良好に確保され得ることが分かる。
ここで、上述のごとく、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する他側吸音層60の対応部位を、上記2重遮音壁構造における遮音性能を良好に確保しつつできる限り薄くすることで、一側吸音層40の対応部位の体積密度が相対的に減少する。このため、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する入射騒音による上記2重遮音壁構造の対応部位の共振現象を抑制することができる。
また、ダッシュサイレンサーDSの厚肉部位に対する他側吸音層60の対応部位を、ダッシュサイレンサーDSの厚肉部位の範囲内においてできる限り厚くすることで、ダッシュサイレンサーDSの吸音性能をより一層向上することができる。
さらに、本発明者等は、各試料1〜4や実施例1のほかにも、他側吸音層の目付量、体積密度や厚さを種々変更することで、複数の追加の試料を準備した。そして、これら各追加の試料について上述と同様の測定を行った。その結果、他側吸音層60の目付量が、上述した所定の目付量範囲300(g/m2)〜2,000(g/m2 )以内にあり、また、上述した薄肉部位及び厚肉部位に対する他側吸音層60の各対応部位の体積密度が、上述した所定の体積密度範囲である0.08(g/cm3)〜0.4(g/cm3)の範囲以内にあれば、ダッシュサイレンサーとしての防音効果(吸音効果及び遮音効果)が良好に得られることが分かった。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、一側吸音層40または他側吸音層60の形成材料は、上記実施形態にて述べたものに限ることなく、PETやウール等の有機繊維、グラスウール等の無機繊維の構造材料或いはウレタンフォーム等の多孔質合成樹脂材料であってもよい。
(2)本発明の実施にあたり、中側遮音層50の形成材料は、上記実施形態にて述べたものに限ることなく、ゴム、エチレンビニールアセタートコポリマー樹脂(EVA樹脂)やポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)であってもよい。
(3)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて説明したダッシュサイレンサーDSにおいては、その厚肉部位に対する他側吸音層60の対応部位の体積密度を上述のごとく小さくすることなく、かつ、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する他側吸音層60の対応部位の厚さを上述のごとく薄くすることなく、体積密度を大きくするようにしてもよい。これによれば、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する他側吸音層60の対応部位においてダッシュサイレンサーとしての遮音性能を向上させ得る。
ここで、ダッシュサイレンサーDSの薄肉部位に対する他側吸音層60の対応部位の厚さを上述のごとく薄くすれば、上述の2重遮音壁構造における遮音性能を良好に確保してダッシュサイレンサーとしての遮音性能をさらに向上させ得る。
さらに、ダッシュサイレンサーDSの厚肉部位に対する他側吸音層60の対応部位の体積密度を上述のごとく小さくすれば、ダッシュサイレンサーDSがその各部位における吸音性能及び遮音性能をバランスよく適切に発揮し得る。
さらに、ダッシュパネル30と中側遮音層50との間の距離を長くすれば、これらダッシュパネル30と中側遮音層50との2重遮音壁構造の遮音性能を良好に確保し得る。その結果、上述したダッシュサイレンサーDSの各部位における吸音性能及び遮音性能がさらにバランスよく適切に発揮され得る。
(4)本発明の実施にあたり、ダッシュサイレンサーやバックパネルサイレンサーに限ることなく、フロアサイレンサー、ピラーサイレンサー、ルーフサイレンサー、ルームパーティションサイレンサー、フードサイレンサー、エンジンアンダカバーサイレンサー、フロアカーペット等に本発明を適用してもよい。
(5)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べたダッシュパネル30は、厚さ0.8(mm)の鉄板に限ることなく、エンジンルーム10及び車室20を相互に区画しかつ、ダッシュサイレンサーDSを支持するに適する金属板であれば、その厚さは、特に、0.8(mm)に限定されない。
DS…ダッシュサイレンサー、30…ダッシュパネル、40…一側吸音層、
50…中側遮音層、60…他側吸音層。

Claims (4)

  1. 一側吸音層と、当該一側吸音層に積層される中側遮音層と、当該中側遮音層を介し前記一側吸音層に対向するように前記中側遮音層に積層してなる他側吸音層とからなる3層積層構造体でもって、薄肉部位及び厚肉部位を有するように形成してなる車両用防音体において
    前記一側及び他側の各吸音層は、それぞれ、多孔質材料でもって形成されており、
    前記中側遮音層は、遮音材料でもって形成されており
    前記他側吸音層の前記3層積層構造体の前記薄肉部位に対する対応部位は、前記薄肉部位の遮音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
    前記他側吸音層の前記3層積層構造体の前記厚肉部位に対する対応部位は、前記厚肉部位の吸音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており
    前記他側吸音層の前記3層積層構造体の前記薄肉部位に対する対応部位が有する体積密度及び前記他側吸音層の前記3層積層構造体の前記厚肉部位に対する対応部位が有する体積密度は、それぞれ、0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )からなる所定の体積密度範囲以内の値に設定されており、
    記3層積層構造体の厚さが10(mm)未満のとき前記他側吸音層の厚さは体積密度0.30(g/cm3)に対応する厚さに設定され、前記3層積層構造体の厚さが10(mm)以上で15(mm)未満のとき前記他側吸音層の厚さは体積密度0.20(g/cm3)に対応する厚さに設定され、前記3層積層構造体の厚さが15(mm)以上で40(mm)未満のとき前記他側吸音層の厚さは体積密度0.10(g/cm3)に対応する厚さに設定されていることを特徴とする車両用防音体。
  2. 車両の車体の板状部材に装着される一側吸音層と、当該一側吸音層に積層される中側遮音層と、当該中側遮音層を介し前記一側吸音層に対向するように前記中側遮音層に積層してなる他側吸音層とからなる3層積層構造体でもって、薄肉部位及び厚肉部位を有するように形成してなる防音体からなるサイレンサーにおいて、
    前記一側及び他側の各吸音層は、それぞれ、多孔質材料でもって形成されており、
    前記中側遮音層は、遮音材料でもって形成されており、
    前記他側吸音層の前記3層積層構造体の前記薄肉部位に対する対応部位は、前記薄肉部位の遮音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており、
    前記他側吸音層の前記3層積層構造体の前記厚肉部位に対する対応部位は、前記厚肉部位の吸音性能を高めるような体積密度を有するように形成されており
    前記他側吸音層の前記3層積層構造体の前記薄肉部位に対する対応部位が有する体積密度及び前記他側吸音層の前記3層積層構造体の前記厚肉部位に対する対応部位が有する体積密度は、それぞれ、0.08(g/cm 3 )〜0.4(g/cm 3 )からなる所定の体積密度範囲以内の値に設定されており、
    記3層積層構造体の厚さが10(mm)未満のとき前記他側吸音層の厚さは体積密度0.30(g/cm3)に対応する厚さに設定され、前記3層積層構造体の厚さが10(mm)以上で15(mm)未満のとき前記他側吸音層の厚さは体積密度0.20(g/cm3)に対応する厚さに設定され、前記3層積層構造体の厚さが15(mm)以上で40(mm)未満のとき前記他側吸音層の厚さは体積密度0.10(g/cm3)に対応する厚さに設定されていることを特徴とする車両用サイレンサー。
  3. 前記車体の前記板状部材は、前記車体のエンジンルームと車室とを区画するダッシュパネルであって、
    前記防音体は、ダッシュサイレンサーとして、前記一側吸音層にて、前記ダッシュパネルに前記車室内側から装着されることを特徴とする請求項2に記載の車両用サイレンサー。
  4. 前記一側吸音層を介し前記ダッシュパネルと前記中側遮音層とでもって構成される2重遮音壁構造体の遮音性能を高めるように前記ダッシュパネルと前記中側遮音層との間の距離が長く設定されており、
    前記ダッシュサイレンサーにおいて、前記他側吸音層が、その前記3層積層構造体の前記薄肉部位に対する対応部位にて、前記2重遮音壁構造体の遮音性能をさらに高めるように薄く形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用サイレンサー。
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