JP6830163B2 - ガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法 - Google Patents

ガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスタービン用の燃焼器に関する。より具体的には、本発明は、ガスタービン用の燃焼器用の燃料ノズルの最適化方法に関する。
典型的なガスタービンは、発電において一般的に使用されているように、高温高圧の燃焼ガスを発生させるために燃焼器を使用して仕事を生み出す。そのようなガスタービンは、典型的には、入口部、圧縮機部、燃焼部、タービン部および排気部を含む。より具体的には、圧縮機部は、圧縮された作動流体を燃焼部に供給する。圧縮された作動流体と燃料は燃焼部内で混合され、高温高圧の燃焼ガスを発生させるために燃焼される。燃焼ガスはタービン部に流れ、そこで膨張して仕事を生み出す。膨張したガスは排気部に放出される。
燃焼部は、一以上の燃焼器を含み、各々が、燃焼ケーシング、端部カバー、キャップ、燃料ノズル(中央予混合ノズルと、中央予混合ノズルを取り囲む複数の外側予混合ノズルを含む)、ライナー、フロースリーブおよびトランジションピースを有する。中央予混合ノズルと外側予混合ノズルは、エンジンの外側の接続部または燃料マニホールド(端部カバー)から直接燃料を取り出してそれを燃焼器に送る。
ノズル要件には、端部カバーによって供給された様々な流体をそれらの所望の噴射口に供給すること、燃焼器が適切に機能するように流れ及び燃料分配を提供すること、必要なメンテナンス期間の間、ノズルに隣接する炎を燃焼器に損傷を与えずに保持すること、及び漏れの無いシールを提供するために適切に通路をシールすることが含まれる。
炎を保持するノズルに関し、大部分の燃焼器は、炎を「保持する」ノズル上の位置を有する。炎を保持するには、流れが一般に遅く滞留時間が比較的長い燃焼器の区域が必要である。この区域は、更に、部分的に燃焼した燃焼生成物を主流領域と交換し、下降させ、それ自身はその区域を高温に保つために燃焼のためのより多くの燃料と空気を与える主流領域によって再チャージされる。
保炎区域では比較的少ない熱放出が起こる。例えば、全燃焼室の熱放出の6%が保炎区域内で発生し得る。しかしながら、これらの区域は、それらが炎の安定性と形状、ひいては燃焼器の成功を定義するため、非常に重要である。
以前の保炎器の概念は、一般に、鈍頭物体または旋回安定化のいずれかであった。鈍頭物体の保炎は、燃焼器の一部がその下流側に低速域を形成する場所であり、ここでは軸方向の流速が、炎がその中に留まることを可能にするほど十分に低く、例えば、米国特許第7,003,961号明細書(Kendrickら)に見られるように、そのような装置の大部分がそれらの中に閉じ込められたかまたは部分的に閉じ込められた渦を発生させる。旋回安定化の保炎は、例えば米国特許第6,438,961号明細書(Tuthillら)に見られるように、旋回器が流れを旋回させ、その後自然に燃え立たせてその中心に再循環を形成する場所である。炎は生成されたトロイダル渦内に安定して存在することができ、バーナー管を通過する流れの内面を点火することができる。幾何学的形状/膨張比に応じて、流れの外側に渦があってもよく、保炎器を形成していてもよい。あるシステムでは、鈍頭物体と旋回安定化の保炎の組み合わせを使用する。
米国特許第7,003,961号明細書 米国特許第6,438,961号明細書
ノズルに対する大部分の設計においては、その下流側先端に炎が固定されることが有利である。先端は、それらが流れ面積を占めるという点において多くの場合、大きくはない。したがって、チップサイズが大きくなるほど、同じ流れ面積を維持するために、バーナー管を大きくする必要がある。あるいは、同じサイズのバーナー管を使用する場合は、流量を増やす必要がある。損失が増加する結果となるからである。可能なかぎり最大の再循環区域を有することは有利であり、典型的にはより安定である。再循環区域は、ノズルによって供給された新鮮な燃料空気混合物と混合するためにノズル中心線に沿って上流の反応区域から高温の生成物をもたらす。
再循環区域のサイズを増大させるための一の方法は、流れを旋回させることである。予混合区域内のブレードが流れを回転させる。この流れは、ノズルの端部まで、またはわずかに超えるまで(先端が凹んでいる場合)、環状のパイプを通過する。旋回流が自由空間内で拘束されなくなると、環状管の壁によって加えられる拘束力がなくなるため、流れは拡大する。この拡大した流れはその内側で空気をせん断する。それは外気を下流へ押しているため、置換される空気と置き換えるために空気が中心線上で上流に来なければならない。したがって、外側でせん断する流れは旋回の方向にも回転するため、この流れはトロイダル渦を形成する。
予混合ノズル設計では、多くの構成において、大部分の空気が、ライナーに入って燃焼する前に燃料と混合されるためにライナーの上流面を通過する。
流れを旋回させることは複数の結果をもたらす。例えば25度に対して45度で流れを旋回させることは、より高い圧力降下をもたらし、それは、例えば70MWのガスタービンにおいて390KWのエネルギーを使い果たし得る。そのエネルギーは熱として放散され、そのうちの一部分は、サイクルを通してそれが膨張するにつれて回収されるが、全体的な電力と効率の低下につながる。明らかに、流れを全く旋回させないことはさらに大きな利益をもたらすであろう。
圧力損失を減らす一の方法は、バーナー管内の流れの速度を下げることであり、それは損失が速度の2乗に比例するためである。より大きなバーナー管が存在すると、膨張に利用可能な空きキャップスペースがさらに少なくなる結果となる。それはまた、流れ流を互いに接近させて配置し、それが予混合器を出ていく流れ間のせん断速度を増加させる。
旋回流の使用は、円形対称性を有しないノズルを設計することを、非常に困難または不可能にする。さらに、流れの回転特性が、ライナーや隣接するノズルなどの物理的特徴に対してその関係を絶えず変化させているため、円周方向に特性を変えることによって炎の形状を設計することは非常に困難である。旋回が手助けとなる一の分野は混合である。旋回流から生じるより長いらせん流路は、混合を生じさせるためのより長い距離を与える結果となる。
外側ノズルは旋回ベースのシステムにおいて固有の利点を有する。設計/概念上、ノズルは円形対称性を有する。炎の形状および特性は変えることができるが、典型的には、変えることができるのは、燃料プロファイル又は旋回等のような半径方向特性だけである。
燃料ノズル内では、燃焼前に空気と燃料が予混合される。燃料と空気とを予混合することにより、全ての燃料を燃焼させるのに必要とされるよりも多くの空気が燃料と混合されるため、空気は事実上は希釈剤であり、燃料が燃焼すると、燃焼生成物と過剰空気の両方を同時に加熱する。汚染物質であるNOx(亜酸化窒素)の生成は温度と強く関係する。したがって、炎温度を最小限に抑えることによって、NOxの生成が最小限に抑えられる。
下流の炎シートの形状の設計を可能にする、強い局所的な炎の保持(保炎)および炎伝播を生じさせる旋回流よりもむしろ軸流を利用したノズル構造を作ることが望ましいであろう。ノズル先端部の任意の部分が独特であり得るため、これは線形流を有することが可能である。本発明の目的のために「軸流」とは、名目上ゼロの正味渦を有する流れ場を意味することを意図している。定義されたように、「軸方向の流れ」は二次運動をし得る。この場合、半径方向速度および円周方向速度を有する流れの特徴を有し得るが、正味の旋回/半径方向速度は本質的にゼロである。直線流は下流炎シートの形状の設計を可能にするため、下流炎シートの形状を最適化する方法を提供することが非常に望ましいであろう。
本明細書に引用された全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法が提供される。予混合燃料ノズルがバーナー管を備え、バーナー管が、内壁と、バーナー管の上流端と下流端との間に延びる長さを有する開放内容積と、長手方向軸と、長手方向軸に垂直な断面積とを備える。方法は、ガスタービンが作動しているときに、強い保炎及び炎伝播を提供するために、バーナー管を通ってノズル先端部の周りを流れる空気と燃料の混合物の軸方向の流れ場と、ノズル先端部上に生成されたトロイダル渦の一部として少なくとも二の異なる半径方向範囲を有する少なくとも二の再循環区域とを提供するためのノズルを提供するステップを含む。
本発明の第2の例示的な実施形態もまた、ガスタービン用の予混合燃料ノズルを最適化する方法を含む。混合燃料ノズルがバーナー管を備え、バーナー管が、内壁と、バーナー管の上流端と下流端との間に延びる長さを有する開放内容積と、長手方向軸と、長手方向軸に垂直な断面積とを備える。方法はノズル先端部を製造するステップを含み、それがバーナー管の下流端に面する外側本体外面を有する外側本体を製造するステップを含み、外側本体外面がバーナー管の断面積よりも小さい断面積を有する。その方法は、外側本体からバーナー管の内壁に向かって半径方向外向きに放射状に広がる一以上のセグメントを製造するステップに続き、セグメントが、高さ、幅、形状およびバーナー管の長手方向軸に対する傾斜を含む物理的寸法のセットを有する。物理的寸法のそれぞれは所望のノズルフレーム形状を提供するように選択されている。ノズル先端部はバーナー管に少なくとも部分的に取り付けられる。
一以上のセグメントを製造するステップが、外側本体の周りに円周方向に等間隔で配置されるセグメントを製造することを含んでもよい。しかしながら、代替的には、一以上のセグメントを製造するステップが、外側本体の周りにおいて非対称となるセグメントを製造することを含むことができる。一以上のセグメントを製造するステップが、外側本体上に高さ、幅、形状、および傾斜の少なくとも一を有し、外側本体上の他のセグメントとは異なる少なくとも一のセグメントを製造することを含んでもよい。一以上のセグメントを製造するステップが、ガスタービンが作動しているときに、強い保炎及び炎伝播を提供するために、バーナー管を通ってノズル先端部の周りを流れる空気と燃料の混合物の軸方向の流れ場と、セグメントによってノズル先端部上に生成された少なくとも二のトロイダル再循環区域とを提供するための一以上のセグメントを製造するステップを含んでもよい。一以上のセグメントを製造するステップが、バーナー管の内壁まで部分的に延びる少なくとも一のセグメントの遠位端を製造することを含んでいてもよい。代替的に又は追加的には、一以上のセグメントを製造するステップが、バーナー管の内壁まで完全に延びる少なくとも一のセグメントの遠位端を製造することを含むことができる。一以上のセグメントを製造するステップが、バーナー管の内壁まで完全に延びる、一以上のセグメントのうちの少なくとも一のセグメントの閉鎖遠位端を、パージ溝を有して製造することを含んでいてもよい。一以上のセグメントを製造するステップが、一以上のセグメントのうちの少なくとも一のセグメントの下流面を平面として製造することを含んでいてもよい。最後に、一以上のセグメントを製造するステップが、バーナー管の長手方向軸に対して105〜165度の範囲内で傾斜するセグメント下流面を有する少なくとも一のセグメントを製造することを含んでもよい。
ノズル先端部上にあるセグメントの数、間隔及び形状は、本発明において生じる最適化の重要な要素であることに留意することが重要である。
本発明は、同一の参照番号が同一の要素を示す以下の図面と併せて説明される。
本発明の例示的な実施形態に係る予混合燃料ノズルを有するガスタービン燃焼器の簡略断面立面図である。 図1の燃焼器の、キャップ前面板、予混合ノズルおよびバーナー管の正面等角図である。 図2のキャップ前面板およびバーナー管の背面等角図であり、明確にするために、外側予混合燃料ノズルなしで示されている。 図2のキャップ前面板およびバーナー管の正面立面図である。 図1の予混合燃料ノズル用のノズル先端部の正面立面図である。 図5のノズル先端部の背面図である。 図5のノズル先端部の正面等角図である。 図2のキャップ前面板、予混合ノズル、およびバーナー管の、実質的に図2の線8−8に沿った等角断面図である。 図6の中央ノズル組立体の、実質的に図2の線9−9に沿った等角断面図である。 図1の予混合燃料ノズル用の代替ノズル先端部の正面等角図である。 図10の予混合燃料ノズル用のノズル先端部の正面立面図である。 図10のノズル先端部の背面図である。 図6の中央ノズル組立体の、実質的に図10の線13−13に沿った等角断面図である。 本発明のバーナー管を通りノズル先端部の周囲を表す単純化した部分的な模擬の流れ場であり、流れ場はノズル先端部のセグメントの周りに示されている。 本発明とは対照的に、バーナー管を通りかつバーナー管の長手方向軸に対して傾斜していないセグメント下流面を有するノズル先端部の周囲を表す単純化した部分的な模擬の流れ場である。 本発明のバーナー管を通りかつノズル先端部の周囲を表す単純化した部分的な模擬の流れ場であり、流れ場はセグメント間に示されている。 本発明とは対照的に、バーナー管を通りかつバーナー管の長手方向軸に対して傾斜していないセグメント下流面を有するノズル先端部の周囲を表す単純化した部分的な模擬の流れ場であり、流れ場はセグメント間に示されている。 本発明の例示な方法に係るタービン作動中のノズル先端部上に起こり得る流れ場の一例の斜視図である。 図16のノズル先端部上の流れ場の正面図である。 図17のノズル先端部上の流れ場の側面立面図である。 図19Aから図19Fは、異なるセグメント形状を有する様々な例示的なノズル先端部を示す斜視図であり、所望のノズルフレーム形状を提供するために、各形状は、高さ、幅、断面形状及びバーナー管の長手方向軸に対する傾斜を含む物理的寸法のセットを含む。
以下の実施形態を参照しながら本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されると見なされるべきではないことを理解されたい。
図面を参照しながら、複数の図面において同様の部品番号には同様の要素を参照しており、図1は、本発明の第1の例示的な実施形態に係る予混合ノズル12、22を有する燃焼器10を示している。燃焼器10の主要な構成要素は、燃焼ケーシング14、端部カバー16、キャップ18、反応区域20、中央予混合燃料ノズル12、及び複数の外側予混合燃料ノズル22を含む。ノズル12、22は、空気と燃料の混合物21を反応区域20に噴射するためである。
図2〜図9に最もよく示されるように、予混合燃料ノズル12、22は、一般に、燃料空気予混合器23、ノズル先端部24、およびバーナー管25を含む。ノズル先端部24に関わる本発明は、中央予混合燃料ノズル12および外側予混合燃料ノズル22のいくつかまたはすべてと共に十分に使用され得ることに留意されたい。本発明の方法に係るノズル先端部24の最適化は、いずれか又はすべてのノズル12、22に達成し得るものである。
ノズル先端部24は、任意の内側プレナム28を囲む外側本体26を含む。バーナー管25は、内壁27、解放内容積29を有し、バーナー管25の上流端33と下流端35との間に延びる長さ31を有する(図8参照)。バーナー管25は、長手方向軸線Bと、バーナー管25に垂直な断面積39(図4ではクロスハッチ領域として示されている)とを有する。
ノズル先端部24の外側本体26は、開放端部30と、閉鎖端部32と、バーナー管25の下流端35に面する閉鎖端部32上の外側本体外面36とを有する。外側本体外面36は、バーナー管25の下流端35に面しており、バーナー管25の断面積39よりも小さい断面積37を有する(図4の斜線部分とクロスハッチ部分とを比較されたい)。外側本体外面36は平面であり得る。
任意の内側プレナム28は冷却空気を受けるようになっている。ノズル先端部24の閉鎖端部32は、内側プレナム28に隣接する内面34を有する。閉鎖端部32は、内面34と外側本体外面36との間で延びる複数のボアホール38を有する。当技術分野で知られているように、これらボアホール38は、バーナー管25の長手方向軸線Bに対して斜めに配置することができる。
図5〜図9に示すように、少なくとも1つのセグメント40が外側本体26からバーナー管25の内壁27に向かって、例えば、図4の中央予混合燃料ノズルに示されるように等間隔の円周間隔であるか、図4の外側予混合燃料ノズルの例に示されるように非対称で離間するかしながら、外向きに放射状に広がっている。各セグメント40は、同じ長さでも異なる長さでもよく、バーナー管の内壁27まで完全に延びるか、またはバーナー管の内壁27まで部分的に延びることができる。不規則な角度40’で異なる長さのセグメントを有するバーナー先端部24’の一例が図10〜13に示されている。バーナー先端部24’は、(後述する)任意のボアホール無しで示されている。特定の炎形状を達成するために、セグメント40の間隔を空けるか、異なる分量を使用するか、および/または物理的属性を変更する技量は、本方法の重要な要素である。
中央予混合ノズル12に関して、最も簡単な使用法は、外側予混合ノズル22の数と同数のセグメント40を有することである。一の置換法は、セグメント40が外側予混合ノズル22と並び、中央予混合ノズル12から外側予混合燃料ノズル22へと炎を運ぶようにすることである。
図9に最もよくわかるように、各セグメント40は、内側プレナム28と流体連通する開放近位端44(図8参照)を有する内部導管42を有することができ、ここで空気は内側プレナム28から内部導管42内へと通過するように構成されている。各セグメント40はまた、閉鎖遠位端46と、外側本体26の外側本体外面36に隣接して配置されたセグメント下流面48(例えば平面)と、任意には、内部導管42およびセグメント下流面48の間の複数のセグメントボアホール50を有する。ボアホール50は、各セグメント40を通って内部導管42から空気が通過するようにするために、内部導管42とセグメント下流面48との間に流体連通を与える。各セグメント40のセグメント下流面48は、バーナー管25の長手方向軸線Bに対して傾斜し、例えば105°から165°傾斜し得る。例えば、図9、角度Cを参照のこと。
各セグメント40の閉鎖遠位端46は、ノズル先端部24を通過する空気と燃料の混合物の流れが常にあるようにするパージ溝54を含むことができる。セグメント40がバーナー管25とほぼ同じ高さであり、かつバーナー管の内壁27まで延びる場合(例えば図4および図8に示すように)、パージ溝54は、2つの部分が接触しているかまたはほぼ接触している場合でも、セグメント40の遠位端46の領域が連続的に流されることを確実にする。そのようなパージ溝54は、図10〜13に示すように、より短い長さのセグメント40’には必要ない。
セグメント40は、様々な図に示されるような形状であり得る(図2および図4〜図12参照)。しかしながら、本明細書で述べるような所望の結果を達成するために適切に機能する実質的に任意の細長い構成のセグメントを含むことが本発明の意図である。図19A〜19Fは、異なる断面形状のセグメントの例を示している。一般に、様々なセグメント40の上流部分は、後縁(すなわちセグメント40のセグメント下流面48の縁)の上流に分離区域が実質的に存在しないことを確実にするために適切な空気力学的形状を有するべきである。しかしながら、様々なセグメントがそのようなクリーンな空気力学的後縁を有することは、実質的にそれほど重要ではない。ノズル先端部24上の様々なセグメント40は、同一の物理的形状を有してもよいが、代替的には、本明細書に記載の所望の結果が達成される限り、強い保炎と強い炎伝播を含み、ノズル先端部24上の1つ以上のセグメント40は全く異なる形状を有してもよい。
本発明は、ガスタービン用の一以上の燃料ノズル12、22の最適化方法に関する。ノズル12、22は、概して本明細書に記載の通りである。この方法は、ガスタービンが作動しているときに、強い保炎及び炎伝播を提供するために、バーナー管を通ってノズル先端部の周りを流れる空気と燃料の混合物の軸方向の流れ場と、ノズル先端部上に生成されたトロイダル渦の一部として少なくとも二の異なる半径方向範囲を有する少なくとも二の再循環区域とを提供するためのノズル又は複数のノズルを提供することに関する。これは、最適化されたセグメント40の形状、数量および外側本体26の周りの配置を有するノズル先端部24を製造することによって達成できる。セグメント形状の影響は、例えば、セグメント40が等間隔に配置され、同一の物理的寸法を有している炎形状の例を有する単一のノズル先端部24を表す図16〜18の例から理解することができる。これらの図面に基づいて、当業者は、セグメント40の数量、間隔および物理的寸法の変化によって異なる炎形状を生み出すことを容易に理解することができる。本発明は、特定の所望の炎形状を得ることに関する。この方法は、寸法(例えば、高さ、幅、形状およびバーナー管25の長手方向軸に対する傾斜を含む)を有する外側本体26上のセグメント40に関する。セグメント40の物理的寸法のセットの各々は、所望のノズル炎形状を提供するように選択される。ノズル先端部24は少なくとも部分的にバーナー管内に配置されている。
例えば、セグメント40は、例えば図4のノズル先端部24の中央予混合燃料ノズルに示されるように、外側本体26の周りに円周方向に等間隔に離間するように設計することができる。しかしながら、セグメント40は、例えば図4の外側予混合燃料ノズル22に示されるように、外側本体26の周りにおいて非対称に配置されるように製造されてもよい。
ノズル先端部24は、全て同一の物理的寸法を有するセグメント40を有していてもよいし、全て異なる物理的寸法のセグメント40を有していてもよいし、混ざっていてもよい。本発明は、外側本体26上のセグメント40の数量、物理的寸法(高さ、幅、形状および傾斜など)および位置を選択することによって最適化することを目的としている。特定のノズル先端部24用のセグメント40のどれでもないか、いくつか、或いはその全ては、その関連バーナー管25の内壁27まで部分的にまたは完全に延びることができる。
このように構成されて、ノズル先端部24は、半径方向の広がりが異なる二以上の再循環領域を形成して、燃料と空気の混合物の不規則なトロイダル再循環領域52を形成して強い保炎と炎伝播を提供する。通常の旋回ノズルは、回転対象図形である単一のトロイダル渦を有することに留意されたい。本発明では、再循環区域は、異なる半径方向範囲の二以上の区域から構成され、不規則なトロイドであり、即ち、回転対象図形ではない。本発明は、異なる特性を有する異なる炎形状を作り出すように調整し得る、異なるサイズの渦を作り出すものである。
セグメント40は、実質的に、軸速度が炎速度よりも低く、バーナー管とセグメント40の遠位端46との間を通過する流れによって回転する下流側に低速の流れ区域を作り出すために、空気と燃料の混合物の流れに穴をあける。
ノズル先端部24のセグメント40は、外側予混合ノズル22と一直線に配置した場合、常に作動している中央予混合ノズル12が炎を共有し、ガスタービン負荷プロセス中にオンまたはオフとなる外側予混合ノズル22を点火し得る装置を提供する。ここでは、流れは中央ノズル先端部の外側から外側ノズルに向かって移動する。
本発明によって解決される問題は、旋回流ではなく直線流を使用するノズル構造の創出にある。本発明は、二以上のサイズのトロイダルフロー機構を有するノズル先端部上に再循環区域を形成する。これは強い局所的な保炎と炎伝播を生み出すが、流れ場の単純さは下流側の炎シートの形状の明示的な設計、即ちその特性(設計の物理的限界内において)を可能にするものである。
本発明の目的の一つは、ノズル先端部の下流側で半径方向が異なる再循環領域を形成することである。旋回設計では、先端部は円形対称性を有し、流れの旋回性のために回転形状を有する。本発明のように、直線流を用いる設計では、それは必要ではない。先端のどの部分も独特であり得る。
本発明の利点は、より大きなノズルの特徴の一部をより小さなノズルにもたらすことにある。例えば、本発明は
・ノズルの下流で再循環する質量流量を増加させてより強固にする。
・キャップ上の流れを照らすために炎をバーナー管の外側半径に運ぶ。
・ノズル先端部に異なる性質を与えることを可能にすることであり、それは他の部分を変更することなく炎の形状に影響を及ぼし得ることであって、
o各セグメントのサイズ(高さ/幅/形状/傾斜)および他のセグメントとの角度の関係は任意であり、これにより大きな柔軟性が与えられる。
・複数の半独立の保炎器の存在が、消え始めている場合には様々な部分が光を横切ることを可能にする。これにより、例外的なリーンブローアウト(LBO)、即ち、ノズルが依然として確実に炎を保持することができる最低の化学両論比がもたらされる。
本発明は、炎の形状/幾何学的特性を直接設計する能力を提供する。過去においては、炎の特性の変化を引き起こすためにノズルの特徴が変えられたが、その変化の正確な性質はよく知られていなかった。燃焼器の比較的単純な幾何学的環境を有していたとしても、旋回流の複雑な相互作用は真の設計を事実上不可能にする場合がある。旋回の効果は、任意の特性の計時が軸方向の距離と共に変化することを意味し、そのため、その変化はある点では有利であり、別の点では不利である可能性がある。
本発明は、各セグメント40が、バーナー管25の下流端に向かってバーナー管の長手方向軸線Bに対して傾斜したセグメント下流面48を有することを必要とすることに留意されたい。下流面48が傾斜しているという事実により、ガスタービンが作動しているとき、空気と燃料の混合物の軸方向の流れ場がバーナー管を通ってノズル先端部の周りを流れ、そして半径方向が異なる2つ以上の再循環領域がノズル先端部上にセグメントによって生成され、強い保炎性と炎伝播性が得られる。
セグメントが存在する場合この結果は生じないが、セグメントの下流面は、バーナー管の長手方向軸に対してバーナー管の下流端に向かって傾斜していない。セグメント40がバーナー管の長手方向軸線Bに対して傾斜した下流面48を有する本発明のバーナー管25を通りノズル先端部24の周りの部分的に簡略化された模擬流れ場を示す図14aと図15aと、セグメント40bがバーナー管25bの長手方向軸線B’に対して傾斜していない(即ち、バーナー管25bの長手方向軸線B’に対して垂直な)下流面48bを有する本発明のバーナー管25bを通りノズル先端部24bの周りの模擬流れ場を示す図14bと図15bとを比較されたい。図14aは、セグメントの高さと同様の大きさの再循環領域を示し、図14bは示していない。
本発明のセグメント化ノズル先端部24の重要な特徴は、セグメント下流面48の下流に異なるサイズの二以上の渦を形成するこの能力である。ノズル先端部24のバーナー管25とセグメント下流面48と外側本体26との間を通過する流れは、セグメント下流面48の下流で空気をせん断する。このせん断運動は流れを下流に運ぶ。したがって、空気と燃料の混合物21の流れは、ノズルの中心線上に移動して、変位した流れを置き換える。非常に急速な後流れがバーナー管25下方へ通過し始めると、ノズル先端部24の下流に渦が増える。ノズル先端部24およびセグメント40の外面は異なる半径方向寸法を有するため、これらの構造に関連する渦も同様に異なるサイズとなる。各セグメント40の下流に、セグメント40間の各領域に一つずつ形成された渦がある。したがって、渦構造の総数は、セグメント40の数の2倍に等しく、単一のセグメント40については最低2つである。
この結果は、例えば米国特許第7,003,961号(Kendrickら)の図4の保炎器(上記の背景技術で論じた)に示されている鈍頭物体システムでは起こらない。より具体的には、中心体および支柱が流れを変位させ、それらの下流に低速な流れの領域を作り出す。中央の保炎剤捕捉キャビティ内の流れは、温度が上昇して密度が大幅に低下するため、燃焼するにつれて膨張する。生成された体積は、中心本体内の被駆動キャビティを通過する高速流を移動させる場合に比べてより低抵抗の経路であるため、支柱の下流の低速区域に部分的に膨張する。この流れは、支柱の両側を通過する流れによって外側に移動しせん断される。このせん断は、設計の詳細に応じて、フォン・カルマン渦放出または一対の安定した渦のどちらかを励起するであろう。
これらの渦の回転軸は、溝の前面に平行であるか、または燃焼器の中心線に対して半径方向にある。これらの特性を有する流れの特徴は、バーナー管25の長手方向軸線Bに対してバーナー管25の下流端に向かって傾斜した下流面48を有するセグメントを有するノズル先端部24の場合と同様に、ノズル/燃焼器の中心線上への流れの再循環を引き起こさない。
本発明は特定の実施態様を参照して詳細に説明してきたたが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
10…燃焼器
12…予混合(燃料)ノズル
14…燃焼ケーシング
16…端部カバー
18…キャップ
20…反応区域
21…混合物
22…予混合(燃料)ノズル
23…燃料空気予混合器
24…ノズル先端部
24’…バーナー先端部
24b…ノズル先端部
25…バーナー管
25b…バーナー管
26…外側本体
27…内壁
28…内側プレナム
29…解放内容積
30…開放端部
32…閉鎖端部
33…上流端
34…内面
35…下流端
36…外側本体外面
37…断面積
38…ボアホール
39…断面積
40…セグメント
42…内部導管
44…開放近位端
46…閉鎖遠位端
48…セグメント下流面
50…ボアホール
52…トロイダル再循環領域
54…パージ溝

Claims (9)

  1. ガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法であって、予混合燃料ノズルがバーナー管を備え、前記バーナー管が、内壁と、前記バーナー管の上流端と下流端との間に延びる長さを有する開放内容積と、長手方向軸と、前記長手方向軸に垂直な断面積とを備え、前記方法が、
    ガスタービンが作動しているときに、強い保炎及び炎伝播を提供するために、前記バーナー管を通って前記ノズル先端部の周りを流れる空気と燃料の混合物の軸方向の流れ場と、ノズル先端部上に生成されたトロイダル渦の一部として少なくとも二の異なる半径方向範囲を有する少なくとも二の再循環区域とを提供するためのノズルを提供するステップを備え
    一以上のセグメントを製造するステップであって、前記バーナー管の前記内壁まで完全に延びる少なくとも一のセグメントの遠位端を製造し、前記バーナー管の前記内壁まで完全に延びる、前記一以上のセグメントのうちの少なくとも一のセグメントの閉鎖遠位端を、パージ溝を有して製造するステップを更に含む、
    ガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
  2. ガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法であって、予混合燃料ノズルがバーナー管を備え、前記バーナー管が、内壁と、前記バーナー管の上流端と下流端との間に延びる長さを有する開放内容積と、長手方向軸と、前記長手方向軸に垂直な断面積とを備え、前記方法が、
    (a)ノズル先端部を製造することであって:
    (i)前記バーナー管の前記下流端に面する外側本体外面を有する外側本体を製造することであって、前記外側本体外面が前記バーナー管の前記断面積よりも小さい断面積を有することと、
    (ii)前記外側本体から前記バーナー管の前記内壁に向かって半径方向外向きに放射状に広がる一以上のセグメントを製造することであって、各セグメントが物理的寸法のセットを有し、前記物理的寸法が高さ、幅、形状および前記バーナー管の長手方向軸に対する傾斜を含み、前記物理的寸法のそれぞれが所望のノズルフレーム形状を提供するように選択されていること
    (b)前記ノズル先端部を前記バーナー管に少なくとも部分的に取り付けること
    を含み、
    前記一以上のセグメントを製造するステップが、前記バーナー管の前記内壁まで完全に延びる少なくとも一のセグメントの遠位端を製造することを含み、
    前記一以上のセグメントを製造するステップが、前記バーナー管の前記内壁まで完全に延びる、前記一以上のセグメントのうちの少なくとも一のセグメントの閉鎖遠位端を、パージ溝を有して製造することを含むガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
  3. 前記一以上のセグメントを製造するステップが、前記外側本体の周りに円周方向に等間隔で配置されるセグメントを製造することを含む請求項2に記載のガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
  4. 前記一以上のセグメントを製造するステップが、前記外側本体の周りにおいて非対称となるセグメントを製造することを含む請求項2に記載のガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
  5. 前記一以上のセグメントを製造するステップが、前記外側本体上に高さ、幅、形状、および傾斜の少なくとも一を有し、前記外側本体上の他のセグメントとは異なる少なくとも一のセグメントを製造することを含む請求項2に記載のガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
  6. 所望のノズルフレーム形状を提供するように前記一以上のセグメントを製造するステップが、ガスタービンが作動しているときに、強い保炎及び炎伝播を提供するために、前記バーナー管を通って前記ノズル先端部の周りを流れる空気と燃料の混合物の軸方向の流れ場と、セグメントによって前記ノズル先端部上に生成された少なくとも二のトロイダル再循環区域とを提供するための前記一以上のセグメントを製造するステップを含む請求項2に記載のガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
  7. 前記一以上のセグメントを製造するステップが、前記バーナー管の前記内壁まで部分的に延びる少なくとも一のセグメントの遠位端を製造することを含む請求項2に記載のガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
  8. 前記一以上のセグメントを製造するステップが、前記一以上のセグメントのうちの少なくとも一のセグメントの下流面を平面として製造することを含む請求項2に記載のガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
  9. 前記一以上のセグメントを製造するステップが、前記バーナー管の長手方向軸に対して105〜165度の範囲内で傾斜する前記セグメント下流面を有する少なくとも一のセグメントを製造することを含む請求項2に記載のガスタービン用の予混合燃料ノズルの最適化方法。
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