JP6826482B2 - 透明スクリーンおよび明室用スクリーン、ならびに、透明スクリーンの製造方法 - Google Patents

透明スクリーンおよび明室用スクリーン、ならびに、透明スクリーンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、反射層を積層した積層体、この積層体を利用する各種のスクリーン、および、この積層体の製造方法に関する。
コレステリック液晶相を固定してなる層は、特定の波長域において右円偏光および左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させる性質を有する層として知られている。そのため、種々の用途へ展開されており、一例として、投影用のスクリーンとしての用途が、各種、提案されている。
例えば、特許文献1には、反射型の投影スクリーンとして、特定の偏光成分を拡散反射する偏光選択反射層を備え、偏光選択反射層は互いに積層された少なくとも2層以上の部分選択反射層を有し、各部分選択反射層の内、偏光選択反射層に最も吸収されやすい色を示す波長域を有する光を拡散反射する第1部分選択反射層を、観察側の最表面に配置した、投影スクリーンが記載されている。
特許文献1に記載されている投影スクリーンでは、部分選択反射層がコレステリック液晶構造(コレステリック液晶相を固定してなる層)を有し、コレステリック液晶構造の構造的な不均一性(欠陥)により、特定の偏光成分の光を拡散反射している。
特開2005−107508号公報
コレステリック液晶相を固定してなる層を用いた投影スクリーンなどの投映像表示用部材には、視野角の拡大が求められる。
より具体的には、通常、コレステリック液晶相を固定してなる層の表面の法線方向から光が入射した際には、右円偏光および左円偏光のいずれか一方が選択的に反射される。その際、反射が法線方向のみならず、斜め方向へもなされると、斜め方向からの視認性の向上に繋がる。つまり、コレステリック液晶相を固定してなる層を反射層とするスクリーン等の用途に用いる場合には、反射層は、入射光が様々な方向に反射する特性(いわゆる、拡散反射性)に優れることが求められる。
また、コレステリック液晶相を固定してなる層を透明スクリーン等に応用する場合には、透明性が高いことも要求される。
しかしながら、例えば特許文献1に記載される投影スクリーンであれば、コレステリック液晶構造に欠陥を導入することで拡散反射性を得ているため、拡散反射性および透明性が近年の要求レベルを満たしていないなど、従来のコレステリック液晶相を固定してなる層を用いる透明スクリーンには、さらなる拡散反射性および透明性の向上が要求されている。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、良好な拡散反射性を有し、しかも、透明性にも優れる透明スクリーン等が得られる積層体、この積層体を利用するスクリーン、透明スクリーンおよび明室用スクリーン、ならびに、この積層体の製造方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の積層体、スクリーン、透明スクリーンおよび明室用スクリーン、ならびに、この積層体の製造方法を提供する。
[1] 基板と、基板に支持される、積層された複数層の反射層と、を有し、
反射層は、コレステリック液晶相を固定化してなるもので、反射層の断面において、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有し、
最も基板に近い反射層は、選択反射中心波長を、400nm以下の波長領域または700nm以上の波長領域に有することを特徴とする積層体。
[2] 最も基板に近い反射層が、選択反射中心波長を700nm以上の波長領域に有する、[1]に記載の積層体。
[3] 反射層の選択反射中心波長が、全ての反射層で互いに異なる、[1]または[2]に記載の積層体。
[4] 反射層が反射する円偏光の方向が、全ての反射層で同一である、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体。
[5] 基板から離間する方向に向かって、反射層の選択反射中心波長が、漸次、短波長になる、[1]〜[4]のいずれかに記載の積層体。
[6] 反射層の数が4層以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の積層体。
[7] 基板が、色味を有さず、かつ、全光線透過率が70%以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の積層体。
[8] 最も基板に近い反射層の選択反射中心波長が700〜1000nmであり、
選択反射中心波長が600nm以上700nm未満の反射層、および、少なくとも1層の選択反射中心波長が420nm以上600nm未満の反射層を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の積層体。
[9] 複数層の反射層の内、最も基板に近い反射層の膜厚が最も厚い、[1]〜[8]のいずれかに記載の積層体。
[10] 基板の反射層の形成面が平坦面である[1]〜[9]のいずれかに記載の積層体。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の積層体を有するスクリーン。
[12] [1]〜[10]のいずれかに記載の積層体を有する透明スクリーン。
[13] [1]〜[10]のいずれかに記載の積層体を有する明室用スクリーン。
[14] コレステリック液晶相を固定化してなる層であって、断面において、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有し、選択反射中心波長が400nm以下または700nm以上である、非可視光反射層を形成する工程、および、
液晶化合物およびキラル剤を含む上層組成物を塗布して、液晶化合物を配向してコレステリック液晶相の状態として、上層反射層を形成する工程、を有し、
非可視光反射層を形成する工程を行った後、非可視光反射層の上に上層反射層を形成する工程を行い、あるいはさらに、形成した上層反射層の上に、上層反射層を形成する工程を、1回以上行う、積層体の製造方法。
[15] 非可視光反射層を形成する工程は、液晶化合物およびキラル剤を含む非可視光反射層組成物を基板上に塗布し、塗布した非可視光反射層組成物を加熱することで、液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とする処理を行い、その後、非可視光反射層組成物を冷却または加熱する処理、を行う、[14]に記載の積層体の製造方法。
[16] 上層反射層を形成する工程では、少なくとも1層の上層反射層の形成の際に、上層組成物を塗布した後、上層組成物を加熱することによって液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とし、その後、上層組成物を冷却または加熱する処理を行う、[14]または[15]に記載の積層体の製造方法。
本発明によれば、高い拡散反射性および透明性を有する透明スクリーン等が得られる積層体、この積層体を用いるスクリーン、透明スクリーンおよび明室用スクリーン、ならびに、この積層体を製造できる製造方法を提供することができる。
本発明の積層体の断面を概念的に示す図である。 コレステリック液晶相による光反射を説明するための概念図である。 コレステリック液晶相による光反射を説明するための概念図である。 本発明の実施例における積層体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例における拡散反射性の評価を説明するための概念図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の両方を表す表記であり、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルの両方を表す表記である。
本明細書において、可視光は、電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、400nm超700nm未満の波長域の光を示す。非可視光は、400nm以下の波長域または700nm以上の波長域の光である。また、これに制限はされないが、可視光のうち、420nm以上500nm未満の波長域の光は青色光(B光)であり、500nm以上600nm未満の波長域の光は緑色光(G光)であり、600nm以上700nm未満の波長域の光は赤色光(R光)である。さらに、これに制限はされないが、非可視光のうち、200〜400nmの波長域の光は紫外光であり、700〜1000nmの波長域の光は赤外光である。
図1に、本発明の積層体の断面を概念的に示す。図1は、例えば、本発明の積層体の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した状態を概念的に示す図である(後述する図2および図3も同様)。
図1に示される積層体10は、基板12と、基板12の一方の表面に形成された、赤外光反射層14と、赤外光反射層14の表面に積層された赤色光反射層16と、赤色光反射層16の表面に積層された緑色光反射層18と、緑色光反射層18の表面に積層された青色光反射層20と、を有する。以下の説明では、積層体10の基板12側を『下』、青色光反射層20側を『上』とも言う。
赤外光反射層14、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20は、いずれも、コレステリック液晶相を固定してなる層である。
以下の説明では、赤外光反射層14、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を区別する必要がない場合には、全反射層をまとめて『反射層』とも言う。
周知のように、コレステリック液晶を固定してなる層は、反射に波長選択性を有し、所定の波長領域の右偏光のみ、または、左偏光のみを反射し、それ以外の光は、透過する。
赤外光反射層14は、赤外光の領域(例えば、750nmまたは850nm)に選択反射中心波長を有する。赤色光反射層16は、赤色光の領域(例えば、650nm)に選択反射中心波長を有する。緑色光反射層18は、緑色光の領域(例えば、550nm)に選択反射中心波長を有する。さらに、青色光反射層20は、青色光の領域(例えば、450nm)に選択反射中心波長を有する。
また、前述のように、赤外光反射層14、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20は、コレステリック液晶相を固定してなる層である。
従って、各反射層は、反射層(積層体10)の断面において、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向(図1中上下方向)に、明部および暗部を交互に積層した縞模様が観察される。
すなわち、赤外光反射層14の断面では、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向に、明部24と暗部26とを交互に積層した縞模様が観察される。赤色光反射層16の断面では、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向に、明部28と暗部30とを交互に積層した縞模様が観察される。緑色光反射層18の断面では、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向に、明部32と暗部34とを交互に積層した縞模様が観察される。さらに、青色光反射層20の断面では、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向に、明部36と暗部38とを交互に積層した縞模様が観察される。
ここで、本発明の積層体10においては、基板12における反射層の形成面は凹凸あるいは波型を有さない平坦面であるが、基板12に形成される赤外光反射層14、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20(積層される反射層)の断面における明部および暗部は、周期的な波状構造を有する。
すなわち、本発明において、反射層は、コレステリック液晶構造を有し、螺旋軸と反射層の表面とのなす角が周期的に変化する構造を有する層である。言い換えれば、反射層は、コレステリック液晶構造を有し、コレステリック液晶構造は走査型電子顕微鏡にて観測される反射層の断面図において明部と暗部との縞模様を与え、暗部がなす線の法線と反射層の表面となす角が周期的に変化する、反射層である。
図2に、一般的なコレステリック液晶相を固定してなる層の断面を概念的に示す。
先にも述べたが、図2に示すように、基板12上に配置されたコレステリック液晶相を固定した層42の断面では、通常、明部Bと暗部Dとの縞模様が観察される。すなわち、コレステリック液晶相を固定した層42の断面では、明部Bと暗部Dとを交互に積層した層状構造が観察される。
図2中の1つの明部Bとその1つの明部Bの上下に配置される2つの暗部Dとで、コレステリック液晶相の螺旋1ピッチ分に相当する。
一般的に、明部Bおよび暗部Dの縞模様(層状構造)は、図2に示すように、平坦面である基板12の表面と平行となるように形成される。このような態様の場合、コレステリック液晶相を固定した層42は、鏡面反射性を示す。すなわち、コレステリック液晶相を固定した層42の法線方向から光が入射される場合、法線方向に光は反射されるが、斜め方向には光は反射されにくく、拡散反射性に劣る(図2中の矢印参照)。
これに対して、図3に断面を概念的に示す層46のように、コレステリック液晶相を固定してなる層46の形成面(基板12)を平坦面として、コレステリック液晶相を固定してなる層46の明部Bおよび暗部Dが波状構造(アンジュレーション構造)を有する場合には、波状構造(凹凸構造)を有する層46に対して、層46の法線方向から光が入射されると、図3に示すように、液晶化合物の螺旋軸が傾いている領域があるため、入射光の一部が斜め方向に反射される(図3中の矢印参照)。
つまり、コレステリック液晶相を固定してなる反射層においては、明部Bと暗部Dとが波状構造を有することにより、拡散反射性の高い反射層が実現できる。また、拡散反射性は、明部Bと暗部Dとの波状構造の凹凸が大きいほど、良好になる。
前述のように、本発明の積層体10の各反射層は、コレステリック液晶相を固定してなる層で、赤色光反射層16の明部28および暗部30(明部28と暗部30の縞模様)、緑色光反射層18の明部32および暗部34(明部32と暗部34の縞模様)、ならびに、青色光反射層20の明部36および暗部38(明部36と暗部38の縞模様)は、いずれも周期的な波状構造を有する。
そのため、本発明の積層体10によれば、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20によって、赤色、緑色および青色の可視光を、好適に拡散反射することができる。その結果、本発明の積層体10は、例えば投影用のスクリーンに利用した場合に、広い視野角での映像の表示が可能になる。
ここで、本発明の積層体10は、基板12の表面に形成される赤外光反射層14の明部24および暗部26(明部24と暗部26の縞模様)も、周期的な波状構造を有する。しかしながら、前述のように、赤外光反射層14は、赤外光の領域に選択反射中心波長を有する。そのため、赤外光反射層14は、可視光の拡散反射には、直接的には寄与しない。
しかしながら、本発明の積層体10は、基板12の表面に(基板に最も近い反射層として)、赤外光反射層14を有することにより、積層体10の透明性を高めると共に、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20の明部および暗部の波状構造を、十分な大きさの凹凸を有する波状構造とすることを可能にしている。
以下の説明では、反射層の『明部および暗部の波状構造』を、単に、『波状構造』とも言う。
後述するが、波状構造を有する反射層は、一例として、液晶化合物とキラル剤とを含む組成物を被形成面に塗布し、組成物を加熱することによって液晶化合物をコレステリック液晶相に配向し、その後、組成物を冷却して紫外線照射等によってコレステリック液晶相を固定することで、形成できる。
反射層の拡散反射性は、反射層の波状構造の凹凸が大きいほど、高くなる。
しかしながら、反射層の波状構造を、高い拡散反射性が得られる十分な大きさの凹凸を有する波状構造とするためには、反射層を、或る程度以上の厚さにする必要がある。
反射層を厚くすると、当然、光透過率は低下し、積層体の透明性は低くなる。すなわち、反射層の波状構造の凹凸の大きさによる光拡散性の高さと、反射層の透明性とは、トレードオフの関係にある。
ここで、本発明者らの検討によれば、波状構造を有する反射層(コレステリック液晶相を固定してなる層)の上に、反射層(コレステリック液晶相を固定してなる層)を形成すると、下層の反射層の波状構造に追従(反射層の波状構造を踏襲)して、上層の反射層も、同様の波状構造となる。
さらに、下層の反射層の波状構造の凹凸が大きいほど、上方の反射層の波状構造の凹凸も大きくなる。なお、反射層の波状構造の凹凸が大きいとは、波の高さが高いこと、および、波のピッチが短いこと、を示す。
本発明は、この知見を得て成されたものであり、基板12の上に、選択反射中心波長を赤外光領域に有する赤外光反射層14を有し、その上に、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を有する。
赤外光反射層14は、赤外光のみを反射し、可視光は全て透過する。すなわち、赤外光反射層14を厚くしても、積層体10の透明性は下がらない。従って、基板12の上に、十分に大きな波状構造の凹凸が得られる厚さの赤外光反射層14を形成し、その上に、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を形成することによって、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20は、薄くても、波状構造の凹凸を、十分に大きなものにできる。
そのため、本発明の積層体10は、高い透明性と、良好な拡散反射性とを両立して得ることができ、例えば、透明スクリーンに利用することにより、透明性が良好で、かつ、視野角が広い透明スクリーンを得ることができる。
積層体10において、基板12の表面(基板12に最も近い)に形成される反射層は、赤外光反射層14である。赤外光反射層14は、選択反射中心波長が700nm以上の反射層(コレステリック液晶相を固定してなる層)である。赤外光反射層14の選択反射中心波長が700nm未満では、赤外光反射層14の透明性が低下して、十分な透明性を有する積層体10を得られない。
赤外光反射層14の選択反射中心波長は、700〜1000nmが好ましく、透明性を良好に出来る点で、750nm以上がより好ましく、800nm以上がさらに好ましい。
赤外光反射層14の厚さには、特に制限はない。赤外光反射層14の厚さは、明部24と暗部26の波状構造の凹凸を大きくできる点で、1〜20μmが好ましく、2〜15μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。
また、特に制限は無いが、波状構造の凹凸を大きくでき、また、透明性も良好にできる等の点で、赤外光反射層14は、反射層の中で最も厚いのが好ましい。なお、この際においては、他に赤外光反射層14と同じ厚さの反射層を有してもよい。
積層体10においては、赤外光反射層14の上に、コレステリック液晶相を固定してなる層である、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を有する。
前述のように、下層となる反射層が波状構造を有する場合には、上層の反射層の波状構造は、基本的に、下層の反射層の波状構造に追従する。
従って、赤色光反射層16の波状構造は、赤外光反射層14の波状構造に追従し、緑色光反射層18の波状構造は、赤色光反射層16の波状構造に追従し、青色光反射層20の波状構造は、緑色光反射層18の波状構造に追従する。従って、隣接する反射層同士では、波状構造の凹凸が一致している場合が多い。
赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20の厚さ、すなわち、基板12に最も近い反射層以外の反射層の厚さにも、特に制限は無い。
透明性の観点から、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜8μmがより好ましく、0.5〜6μmがさらに好ましい。
本発明の積層体10において、各反射層の断面における波状構造は、波のピッチは略均一であるが、波の高さは、変動してもよい。
例えば、波の高さが、反射層の厚さ方向の中央領域が最も高く、厚さ方向の上方(表面側)および基板12側に向かうにしたがって、漸次、低くなる構成でもよい。すなわち、反射層の断面の波状構造の振幅は、厚さ方向の中央領域が最も大きく、表面側および基板12側に向かうにしたがって、漸次、小さくなる構成でもよい。
あるいは、図3に示す層46の波状構造のように、厚さ方向の全域で均一な高さの波を有する構造であってもよい。
図示例の積層体10において、各反射層の表面(上層の反射層または空気との界面)は、平面状であってもよく、凹凸構造を有してもよい。
反射層の上面が凹凸構造を有する場合には、一般的に、この凹凸構造は、周期的(略周期的)であり、また、凹凸の位相が、断面の明部および暗部の波状構造と逆になる。
このような上面に凹凸構造を有する反射層は、後述する本発明の製造方法において、キラル剤および/または配向制御剤の選択、ならびに、加熱処理または冷却処理の条件の選択の、少なくとも一方を行うことにより、形成できる。
表面に凹凸を有する反射層は、反射層の断面における波状構造の波の高さが、表面が平坦な反射層よりも大きい。
そのため、表面に凹凸を有する反射層は、より高い拡散反射性が得られる。
本発明の積層体10において、反射層の断面における波状構造(明部および暗部の波状構造)は、図1の横方向のみならず、例えば、図1の紙面に垂直な方向の断面でも、同様の波状構造が形成される。すなわち、反射層の波状構造は、反射層の面方向において二次元的に形成されており、反射層は、あらゆる方向の断面で、波状構造が認められる。
ただし、本発明は、これに限定はされず、反射層は、断面において、連続的な波が一方向にのみ進行するように形成される波状構造を有するものでもよい。しかしながら、拡散反射性の点では、反射層は、前述のように、あらゆる方向の断面で波状構造が認められるのが好ましい。
この点に関しては、反射層の上面の凹凸に関しても、同様である。
本発明の積層体10において、反射層の断面の明部と暗部の波状構造のピッチ(波の頂部と頂部の間隔)には、特に制限はない。反射層の波状構造のピッチは、0.5〜5μmが好ましく、1〜4μmがより好ましい。
反射層が好適な拡散反射性を発現するためには、波状構造のピッチ(周期・周波数)を小さくして、波の高さ(凹凸の高さすなわち振幅)を高くするのが好ましい。しかしながら、波状構造のピッチと凹凸の高さとは、通常、トレードオフの関係にある。これに対して、反射層の波状構造のピッチを上記範囲とすることにより、ピッチおよび高さのバランスが好適な波状構造を形成でき、高い拡散反射性を有する積層体10を形成できる。
前述のように、赤外光反射層14は、赤外光の領域に選択反射中心波長を有する。赤色光反射層16は、赤色光の領域に選択反射中心波長を有する。緑色光反射層18は、緑色光の領域に選択反射中心波長を有する。さらに、青色光反射層20は、青色光の領域に選択反射中心波長を有する。
本発明の積層体は、基板12の表面に形成される赤外光反射層14を除く反射層の数は、1層であってもよいが、2層以上であるのが好ましく、2層または3層であるのがより好ましい。すなわち、反射層の総数は、4層以下であるのが好ましい。
また、基板12の表面に形成される赤外光反射層14を除く反射層は、全て、可視光領域に選択反射中心波長を有するのが好ましい。加えて、何れの場合であっても、本発明の積層体10は、全ての反射層で、選択反射中心波長が異なるのが好ましい。これにより、例えば本発明の積層体を投影用のスクリーン等に利用した際に、多様な色の画像に対応して、投影像を表示できる。
また、赤外光反射層14を除く反射層の数が3層である場合には、図示例のように、積層体10は、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を有するのが好ましい。すなわち、赤外光反射層14を除く反射層の数が3層である場合には、1層の反射層は選択反射中心波長が600nm以上700nm未満であるのが好ましく、1層の反射層は選択反射中心波長が500nm以上600nm未満であるのが好ましく、1層の反射層は選択反射中心波長が420nm以上500nm未満であるのが好ましい。この点に関しては、赤外光反射層14を除く反射層の数が4層以上の場合でも同様である。
また、赤外光反射層14を除く反射層の数が2層である場合には、本発明の積層体は、緑色光反射層18および青色光反射層20に変えて、緑色光−青色光反射層を有するのが好ましい。言い換えれば、赤外光反射層14を除く反射層が2層である場合には、本発明の積層体は、赤色光反射層16と緑色光−青色光反射層とを有するのが好ましい。すなわち、赤外光反射層14を除く反射層の数が2層である場合には、1層の反射層は選択反射中心波長が600nm以上700nm未満であるのが好ましく、もう1層の反射層は選択反射中心波長が420nm以上600nm未満(例えば、470nm)であるのが好ましい。
これにより、例えば本発明の積層体を投影用のスクリーン等に利用した際に、フルカラーの投影像を表示することが可能になる。
コレステリック液晶層を固定してなる反射層の選択反射中心波長(選択反射の中心波長λ)は、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、反射層(コレステリック液晶相)の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。
ここで、反射層が有する選択反射の中心波長λは、反射層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。上記式から分かるように、螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射の中心波長を調節できる。すなわち、n値とP値を調節して、例えば、青色光に対して右円偏光および左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節し、見かけ上の選択反射の中心波長が420nm以上500nm未満の波長域となるようにすることができる。なお、見かけ上の選択反射の中心波長とは実用の際(投映像表示用部材としての使用時)の観察方向から測定した反射層の円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。コレステリック液晶相のピッチは液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチを得ることができる。
コレステリック液晶相を固定してなる反射層の反射光は、円偏光である。すなわち、本発明の積層体10は、円偏光を反射する。反射光が右円偏光であるか左円偏光であるかは、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向による。コレステリック液晶相による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、反射層を形成する液晶化合物の種類または添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
螺旋の捩れ方向(センス)またはピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および、「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
本発明の積層体10において、反射層が反射する円偏光には、特に制限はなく、右円偏光でも左円偏光でもよい。ただし、本発明の積層体10は、全ての反射層で、同じ方向(旋回方向)の円偏光を反射するのが好ましい。
これにより、例えば、本発明の積層体を投映像表示用のスクリーンとして用いる場合において、プロジェクターの光源が円偏光もしくは楕円偏光である際に、色による反射性能の差が起こりにくい点で好ましい。
なお、本発明においては、これ以外にも、例えば、同じ選択反射中心波長を有する赤色光反射層を2層有し、一方の反射層で赤色の右円偏光を反射し、他方の反射層で赤色の左円偏光を反射するような構成でもよい。
図示例の積層体10は、好ましい態様として、基板12の表面に赤外光反射層14を有し、その上に赤色光反射層16を有し、その上に緑色光反射層18を有し、その上に青色光反射層20を有する。
すなわち、積層体10は、好ましい態様として、積層体10を構成する反射層は、基板12から上(離間する方向)に向かって、漸次、選択反射中心波長が短波長になる。
このような構成を有することにより、すなわち隣接する反射層の選択反射中心波長の差を小さくすることにより、隣接する反射層における螺旋構造のピッチ等、隣接する反射層同士において構造および特性に大きな差が生じることを防止して、欠陥の少ない反射層(コレステリック液晶相を固定してなる層)を形成できる等の点で好ましい。
図1に示す積層体10は、基板12の表面の反射層(基板12に最も近い反射層)として、赤外光の領域に選択反射中心波長を有する赤外光反射層14を有する。
本発明の積層体は、これに限定はされず、基板12の表面の反射層(基板12に最も近い反射層)として、400nm以下の波長領域、好ましくは、紫外光の波長領域に選択反射中心波長を有する反射層を設けてもよい。
基板12の表面に形成する反射層の選択反射中心波長を400nm以下とすることにより、選択反射中心波長を700nm以上の反射層に比して薄い反射層でも、反射層の波状構造(明部と暗部の波状構造)の凹凸が大きい反射層を形成できる。
これに対して、図1に示す積層体10のように、基板12の表面の反射層の選択反射中心波長を700nm以上とすることにより、欠陥の少ない高品質な反射層を形成でき、さらに、反射層を厚くすることで、より大きな凹凸を有する波状構造が得られる。
従って、積層体を薄くして、かつ、大きな拡散反射性を得る必要が有る場合には、基板12の表面の反射層の選択反射中心波長を400nm以下とするのが好ましく、特に積層体を薄くする必要がない場合には、基板12の表面の反射層の選択反射中心波長を700nm以上とするのが好ましい。また、拡散反射性および透明性を総合的に考慮すると、基板12の表面の反射層の選択反射中心波長は、700nm以上とするのが好ましい。
積層体において、基板12の表面の反射層の選択反射中心波長を400nm以下とする場合には、図1に示す積層体10と同様の理由で、隣接する積層体同士で、選択反射中心波長の差を小さくするのが好ましい。すなわち、基板12の表面の反射層の選択反射中心波長を400nm以下とする場合には、基板12から上に向かって、反射層の選択反射中心波長が、漸次、長波長となるのが好ましい。
従って、図1に示す積層体10のように、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を有する場合には、基板12の表面の選択反射中心波長が400nm以下の反射層の上に青色光反射層20を形成し、青色光反射層20の上に緑色光反射層18を形成し、緑色光反射層18の上に赤色光反射層16を形成するのが好ましい。
前述のように、積層体10は、基板12の上に、赤外光反射層14、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を形成したものである。
積層体10において、基板12は、反射層(反射層を形成する組成物)を支持するための板状物である。
基板12は、色味(色彩)を有さず(すなわち無彩色)、かつ、全光線透過率が70%以上であるのが好ましい。すなわち、基板12は、無色透明であるのが好ましい。また、基板12の全光線透過率は、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
本発明において、全光線透過率は、日本電色工業社製のNDH5000またはSH−7000等の市販の測定装置を用いて、JIS K 7361に準拠して測定すればよい。
基板12を構成する材料は特に制限されず、例えば、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、アミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、および、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマーなどの各種の樹脂材料が挙げられる。
基板12には、UV(紫外線)吸収剤、マット剤微粒子、可塑剤、劣化防止剤、および、剥離剤などの各種添加剤が含まれていてもよい。さらに、基板12は、表面に配向層などの層を有してもよい。
なお、基板は、可視光領域で低複屈折性であることが好ましい。例えば、基板の波長550nmにおける位相差は50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。
基板12の厚さは特に制限されないが、薄型化、および、取り扱い性の点から、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
上記厚さは平均厚さを意図し、基板の任意の5点の厚さを測定し、それらを算術平均したものである。
前述のように、本発明の積層体10は、反射層は波状構造を有するが、基板12の反射層の形成面は、凹凸構造または波状構造を有するものではなく、平坦面である。
前述のように、基板12の上には、赤外光反射層14、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20(反射層)が設けられる。
反射層は、いずれも、コレステリック液晶相を固定してなる層である。このような反射層は、一例として、液晶化合物およびキラル剤を含む組成物(非可視光反射層組成物および上層組成物)を調製して、この組成物を塗布および乾燥し、必要に応じて組成物を硬化して、コレステリック液晶相を固定することで、形成できる。
(液晶化合物)
液晶化合物の種類は、特に制限されない。
一般的に、液晶化合物は、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶化合物、円盤状液晶化合物)とに分類できる。さらに、棒状タイプおよび円盤状タイプには、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできる。また、2種以上の液晶化合物を併用してもよい。
液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基がより好ましい。より具体的には、重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基、エポキシ基、または、オキセタン基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
液晶化合物としては、反射層の拡散反射性がより優れる点で、以下の式(I)で表される液晶化合物が好ましい。
なかでも、反射層の拡散反射性がより優れる点で、Aで表される置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基の数をmで割った数をmcとしたとき、mc>0.1を満たす液晶化合物が好ましく、0.4≦mc≦0.8を満たす液晶化合物であるのがより好ましい。
なお、上記mcは、以下の計算式で表される数である。
mc=(Aで表される置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基の数)÷m
式中、
Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を示し、Aのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を示し、
Lは、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
mは3〜12の整数を示し、
Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
1およびQ2は、それぞれ独立に、水素原子、または、以下の式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、ただしQ1およびQ2のいずれか一方は重合性基を示す;
Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基、または、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基である。本明細書において、フェニレン基というとき、1,4−フェニレン基であるのが好ましい。
なお、Aのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基である。
m個のAは、互いに同一でも異なっていてもよい。
mは3〜12の整数を示し、3〜9の整数であるのが好ましく、3〜7の整数であるのがより好ましく、3〜5の整数であるのがさらに好ましい。
式(I)中の、フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基が有していてもよい置換基としては、特に制限されず、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルエーテル基、アミド基、アミノ基、およびハロゲン原子、ならびに、上記の置換基を2つ以上組み合わせて構成される基からなる群から選択される置換基が挙げられる。また、置換基の例としては、後述の−C(=O)−X3−Sp3−Q3で表される置換基が挙げられる。フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基は、置換基を1〜4個有していてもよい。2個以上の置換基を有するとき、2個以上の置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
本明細書において、アルキル基は直鎖および分岐のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、および、ドデシル基などが挙げられる。アルコキシ基中のアルキル基の説明も、上記アルキル基に関する説明と同じである。また、本明細書において、アルキレン基というときのアルキレン基の具体例としては、上記のアルキル基の例それぞれにおいて、任意の水素原子を1つ除いて得られる2価の基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル基の炭素数は、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましく、6以下が特に好ましい。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、および、シクロオクチル基などが挙げられる。
フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X3−Sp3−Q3からなる群から選択される置換基が好ましい。ここで、X3は単結合、−O−、−S−、もしくは−N(Sp4−Q4)−を示すか、または、Q3およびSp3と共に環構造を形成している窒素原子を示す。Sp3およびSp4は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。
3およびQ4はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示す。
シクロアルキル基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基として、具体的には、テトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、および、モルホルニル基などが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラニル基が好ましく、2−テトラヒドロフラニル基がより好ましい。
式(I)において、Lは、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示す。Lは、−C(=O)O−または−OC(=O)−であるのが好ましい。m個のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または、−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。Sp1およびSp2はそれぞれ独立に、両末端にそれぞれ−O−、−OC(=O)−、および、−C(=O)O−からなる群から選択される連結基が結合した炭素数1から10の直鎖のアルキレン基、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、および、炭素数1から10の直鎖のアルキレン基からなる群から選択される基を1または2以上組み合わせて構成される連結基であるのが好ましく、両末端に−O−がそれぞれ結合した炭素数1から10の直鎖のアルキレン基であるのがより好ましい。
1およびQ2はそれぞれ独立に、水素原子、または、以下の式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示す。ただし、Q1およびQ2のいずれか一方は重合性基を示す。
重合性基としては、アクリロイル基(式(Q−1))またはメタクリロイル基(式(Q−2))が好ましい。
上記液晶化合物の具体例としては、以下の式(I−11)で表される液晶化合物、式(I−21)で表される液晶化合物、式(I−31)で表される液晶化合物が挙げられる。上記以外にも、特開2013−112631号公報の式(I)で表される化合物、特開2010−70543号公報の式(I)で表される化合物、特開2008−291218号公報の式(I)で表される化合物、特許第4725516号の式(I)で表される化合物、特開2013−087109号公報の一般式(II)で表される化合物、特開2007−176927号公報の段落[0043]記載の化合物、特開2009−286885号公報の式(1−1)で表される化合物、WO2014/10325号の一般式(I)で表される化合物、特開2016−81035号公報の式(1)で表される化合物、および、特開2016−121339号公報の式(2−1)および式(2−2)で表される化合物、などに記載の公知の化合物が挙げられる。
式(I−11)で表される液晶化合物
式中、R11は水素原子、炭素数1から12の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または、−Z12−Sp12−Q12を示し、
11は単結合、−C(=O)O−、または、−O(C=O)−を示し、
12は−C(=O)O−、−OC(=O)−、または、−CONR2−を示し、
2は、水素原子、または、炭素数1から3のアルキル基を示し、
11およびZ12はそれぞれ独立に、単結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、または、−C(=O)NR12−を示し、
12は水素原子または−Sp12−Q12を示し、
Sp11およびSp12はそれぞれ独立に、単結合、Q11で置換されていてもよい炭素数1から12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、または、Q11で置換されていてもよい炭素数1から12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において、いずれか1つ以上の−CH2−を−O−、−S−、−NH−、−N(Q11)−、または、−C(=O)−に置き換えて得られる連結基を示し、
11は水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、
12は水素原子または式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、
11は0〜2の整数を示し、
11は1または2の整数を示し、
11は1〜3の整数を示し、
複数のR11、複数のL11、複数のL12、複数のl11、複数のZ11、複数のSp11、および、複数のQ11はそれぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
また、式(I−11)で表される液晶化合物は、R11として、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z12−Sp12−Q12を少なくとも1つ含む。
また、式(I−11)で表される液晶化合物は、Z11が−C(=O)O−または−C(=O)NR12−、および、Q11が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z11−Sp11−Q11であるのが好ましい。また、式(I−11)で表される液晶化合物は、R11として、Z12が−C(=O)O−または−C(=O)NR12−、および、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z12−Sp12−Q12であるのが好ましい。
式(I−11)で表される液晶化合物に含まれる1,4−シクロヘキシレン基はいずれもトランス−1,4−シクロヘキレン基である。
式(I−11)で表される液晶化合物の好適態様としては、L11が単結合、l11が1(ジシクロヘキシル基)、かつ、Q11が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である化合物が挙げられる。
式(I−11)で表される液晶化合物の他の好適態様としては、m11が2、l11が0、かつ、2つのR11がいずれも−Z12−Sp12−Q12を表し、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である化合物が挙げられる。
式(I−21)で表される液晶化合物
式中、Z21およびZ22は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、または、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
上記置換基はいずれもそれぞれ独立に、−CO−X21−Sp23−Q23、アルキル基、およびアルコキシ基からなる群から選択される1から4個の置換基であり、
m21は1または2の整数を示し、n21は0または1の整数を示し、
m21が2を示すときn21は0を示し、
m21が2を示すとき2つのZ21は同一であっても異なっていてもよく、
21およびZ22の少なくともいずれか一つは置換基を有していてもよいフェニレン基であり、
21、L22、L23およびL24はそれぞれ独立に、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
21は−O−、−S−、もしくは−N(Sp25−Q25)−を示すか、または、Q23およびSp23と共に環構造を形成する窒素原子を示し、
21は1から4の整数を示し、
Sp21、Sp22、Sp23、およびSp25はそれぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
21およびQ22はそれぞれ独立に、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、
23は水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基、または、X21がQ23およびSp23と共に環構造を形成する窒素原子である場合において単結合を示し、
25は、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、Sp25が単結合のとき、Q25は水素原子ではない。
式(I−21)で表される液晶化合物は、1,4−フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基が交互に存在する構造であることも好ましく、例えば、m21が2であり、n21が0であり、かつ、Z21がQ21側からそれぞれ置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基であるか、または、m21が1であり、n21が1であり、Z21が置換基を有していてもよいアリーレン基であり、かつ、Z22が置換基を有していてもよいアリーレン基である構造が好ましい。
式(I−31)で表される液晶化合物;
式中、R31およびR32はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X31−Sp33−Q33からなる群から選択される基であり、
n31およびn32はそれぞれ独立に、0〜4の整数を示し、
31は単結合、−O−、−S−、もしくは−N(Sp34−Q34)−を示すか、または、Q33およびSp33と共に環構造を形成している窒素原子を示し、
31は、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
32は、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、または、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
上記置換基はいずれもそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X31−Sp33−Q33からなる群から選択される1から4個の置換基であり、
m31は1または2の整数を示し、m32は0〜2の整数を示し、
m31およびm32が2を示すとき2つのZ31、Z32は同一であっても異なっていてもよく、
31およびL32はそれぞれ独立に、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
Sp31、Sp32、Sp33およびSp34はそれぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
31およびQ32はそれぞれ独立に、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、
33およびQ34はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、Q33はX31およびSp33と共に環構造を形成している場合において、単結合を示してもよく、Sp34が単結合のとき、Q34は水素原子ではない。
式(I−31)で表される液晶化合物として、特に好ましい化合物としては、Z32がフェニレン基である化合物およびm32が0である化合物が挙げられる。
式(I)で表される化合物は、以下の式(II)で表される部分構造を有することも好ましい。
式(II)において、黒丸は、式(I)の他の部分との結合位置を示す。式(II)で表される部分構造は式(I)中の下記式(III)で表される部分構造の一部として含まれていればよい。
式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X3−Sp3−Q3で表される基からなる群から選択される基である。ここで、X3は単結合、−O−、−S−、もしくは−N(Sp4−Q4)−を示すか、または、Q3およびSp3と共に環構造を形成している窒素原子を示す。X3は単結合または−O−であることが好ましい。R1およびR2は、−C(=O)−X3−Sp3−Q3であることが好ましい。また、R1およびR2は、互いに同一であることが好ましい。R1およびR2のそれぞれのフェニレン基への結合位置は特に制限されない。
Sp3およびSp4はそれぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。Sp3およびSp4としては、それぞれ独立に、炭素数1から10の直鎖または分岐のアルキレン基が好ましく、炭素数1から5の直鎖のアルキレン基がより好ましく、炭素数1から3の直鎖のアルキレン基がさらに好ましい。
3およびQ4はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示す。
式(I)で表される化合物は、例えば、以下の式(II−2)で表される構造を有することも好ましい。
式中、A1およびA2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキレン基を示し、上記置換基はいずれもそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X3−Sp3−Q3からなる群から選択される1から4個の置換基であり、
1、L2およびL3は単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
n1およびn2はそれぞれ独立に、0から9の整数を示し、かつn1+n2は9以下である。
1、Q2、Sp1、および、Sp2の定義は、上記式(I)中の各基の定義と同義である。X3、Sp3、Q3、R1、および、R2の定義は、上記式(II)中の各基の定義と同義である。
式(I)で表される液晶化合物であって、0.4≦mc≦0.8を満たす液晶化合物としては、例えば、国際公開第2016/047648号の段落[0051]〜[0054]に記載されている化合物が例示される。
なお、液晶化合物は2種以上併用して用いてもよい。例えば、式(I)で表される液晶化合物を2種以上併用してもよい。
なかでも、上記式(I)で表される液晶化合物であって、0.4≦mc≦0.8を満たす液晶化合物と共に、式(I)で表される液晶化合物であって、0.1<mc<0.3を満たす液晶化合物を用いるのが好ましい。
式(I)で表される液晶化合物であって、0.1<mc<0.3を満たす液晶化合物としては、例えば、国際公開第2016/047648号の段落[0055]〜[0058]に記載されている化合物が例示される。
本発明に用いる液晶化合物としては、特開2014−198814号公報に記載される、以下の式(IV)で表される化合物、特に、式(IV)で表される1つの(メタ)アクリレート基を有する重合性液晶化合物も、好適に利用される。
式(IV)
式(IV)中、A1は、炭素数2〜18のアルキレン基を表し、アルキレン基中の1つのCH2または隣接していない2つ以上のCH2は、−O−で置換されていてもよい;
1は、−C(=O)−、−O−C(=O)−または単結合を表し;
2は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
1は、水素原子またはメチル基を表し;
2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、置換基を有していても良いフェニル基、ビニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、アセトキシ基、N−アセチルアミド基、アクリロイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基またはマレイミド基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、アリルオキシカルバモイル基、アルキル基の炭素数が1〜4であるN−アルキルオキシカルバモイル基、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基、N−(2−アクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基または以下の式(IV−2)で表される構造を表し;
1、L2、L3およびL4は各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L1、L2、L3およびL4のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
−Z5−T−Sp−P 式(IV−2)
式(IV−2)中、Pはアクリル基、メタクリル基または水素原子を表し、Z5は単結合、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR1−(R1は水素原子またはメチル基を表す)、−NR1C(=O)−、−C(=O)S−、または、−SC(=O)−を表し、Tは1,4−フェニレンを表し、Spは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族基を表し、脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−OCOO−で置換されていてもよい。)を表す。
上記式(IV)で表される化合物は、以下の式(V)で表される化合物であることが好ましい。
式(V)
式(V)中、n1は3〜6の整数を表し;
11は水素原子またはメチル基を表し;
12は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
12は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または以下の式(IV−3)で表される構造を表す。
−Z51−T−Sp−P 式(IV−3)
式(IV−3)中、Pはアクリル基またはメタクリル基を表し;
51は、−C(=O)O−、または、−OC(=O)−を表し;Tは1,4−フェニレンを表し;
Spは置換基を有していてもよい炭素数2〜6の2価の脂肪族基を表す。この脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−OC(=O)O−で置換されていてもよい。
上記n1は3〜6の整数を表し、3または4であることが好ましい。
上記Z12は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し、−C(=O)−を表すことが好ましい。
上記R12は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または上記式(IV−3)で表される基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、または上記式(IV−3)で表される基を表すことがより好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、または上記式(IV−3)で表される構造を表すことがさらに好ましい。
式(IV)で表される化合物は、例えば、特開2014−198814号公報の段落[0020]〜[0036]に記載されている化合物が例示される。
本発明に用いる液晶化合物としては、同じく特開2014−198814号公報に記載される、以下の式(VI)で表される化合物、特に、以下の式(VI)で表される(メタ)アクリレート基を有さない液晶化合物も好適に利用される。
式(VI)
式(VI)中、Z3は、−C(=O)−または−CH=CH−C(=O)−を表し;
4は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
3およびR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、置換基を有していても良い芳香環、シクロヘキシル基、ビニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、アセトキシ基、アクリロイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、マレイミド基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、アリルオキシカルバモイル基、アルキル基の炭素数が1〜4であるN−アルキルオキシカルバモイル基、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基、N−(2−アクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基または以下の式(VI−2)で表される構造を表し;
5、L6、L7およびL8は各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L5、L6、L7およびL8のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
−Z5−T−Sp−P 式(VI−2)
式(VI−2)中、Pはアクリル基、メタクリル基または水素原子を表し、Z5は−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR1−(R1は水素原子またはメチル基を表す)、−NR1C(=O)−、−C(=O)S−、または−SC(=O)−を表し、Tは1,4−フェニレンを表し、Spは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族基を表す。ただし、この脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−OC(=O)O−で置換されていてもよい。
上記式(VI)で表される化合物は、以下の式(VII)で表される化合物であることが好ましい。
式(VII)
式(VII)中、Z13は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
14は、−C(=O)−または−CH=CH−C(=O)−を表し;
13およびR14は各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または上記式(IV−3)で表される構造を表す。
上記Z13は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し、−C(=O)−を表すことが好ましい。
13およびR14は各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基または上記式(IV−3)で表される構造を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、もしくは上記式(IV−3)で表される構造を表すことが好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基または上記式(IV−3)で表される構造を表すことがさらに好ましい。
式(VI)で表される化合物は、例えば、特開2014−198814号公報の段落[0042]〜[0049]に記載されている化合物が例示される。
本発明に用いる液晶化合物としては、同じく、特開2014−198814号公報に記載される、以下の式(VIII)で表される化合物、特に、以下の式(VIII)で表される2つの(メタ)アクリレート基を有する重合性液晶化合物も好適に利用される。
式(VIII)
式(VIII)中、A2およびA3は各々独立して、炭素数2〜18のアルキレン基を表し、アルキレン基中の1つのCH2または隣接していない2つ以上のCH2は、−O−で置換されていてもよい;
5は、−C(=O)−、−OC(=O)−または単結合を表し;
6は、−C(=O)−、−C(=O)O−または単結合を表し;
5およびR6は各々独立して、水素原子またはメチル基を表し;
9、L10、L11およびL12は各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L9、L10、L11およびL12のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
上記式(VIII)で表される化合物は、下記式(IX)で表される化合物であることが好ましい。
式(IX)
式(IX)中、n2およびn3は各々独立して、3〜6の整数を表し;
15およびR16は各々独立して、水素原子またはメチル基を表す。
式(IX)中、n2およびn3は各々独立して、3〜6の整数を表し、上記n2およびn3が4であることが好ましい。
式(IX)中、R15およびR16は各々独立して、水素原子またはメチル基を表し、上記R15およびR16が水素原子を表すことが好ましい。
式(VIII)で表される化合物は、例えば、特開2014−198814号公報の段落[0056]および[0057]に記載されている化合物が例示される。
これらの液晶化合物は、公知の方法により製造することが可能である。
(キラル剤(キラル化合物))
組成物は、キラル剤を含む。
キラル剤の種類は、特に制限されない。キラル剤は液晶性であっても、非液晶性であってもよい。キラル剤は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含む。ただし、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物を、キラル剤として用いることもできる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。
組成物中、キラル剤の含有量は、液晶化合物全質量に対して、0.5〜30質量%が好ましい。キラル剤の使用量は、より少ないことが液晶性に影響を及ぼさない傾向があるため好まれる。従って、キラル剤としては、少量でも所望の螺旋ピッチの捩れ配向を達成可能なように、強い捩り力のある化合物が好ましい。
このような強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2002−302487号公報、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002―179668号公報、特開2002―179670号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−180051号公報、特開昭62―81354号公報、WO2002/006195号、特開2011−241215号公報、特開2003−287623号公報、特開2002−302487号公報、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、および、特開2014−034581号公報に記載のキラル剤、ならびに、BASF社製のLC−756などが挙げられる。
(任意の成分)
組成物には、液晶化合物およびキラル剤以外の他の成分が含まれていてもよい。
(重合開始剤)
組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。特に、液晶化合物が重合性基を有する場合、組成物が重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)などが挙げられる。
組成物中での重合開始剤の含有量は特に制限されないが、液晶化合物全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましい。
(配向制御剤(配向剤))
組成物は、配向制御剤を含んでいてもよい。組成物に配向制御剤が含まれることにより、安定的または迅速なコレステリック液晶相の形成が可能となる。
配向制御剤としては、例えば、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、WO2011/162291号に記載の一般式(X1)〜(X3)で表される化合物、特開2012−211306号公報の段落[0007]〜[0029]に記載の化合物、特開2013−47204号公報の段落[0020]〜[0031]に記載の化合物、WO2016/009648号の段落[0165]〜[0170]に記載の化合物、WO2016/092844号の段落[0077]〜[0081]、および、特許第4592225号公報に記載の一般式(Cy201)〜(Cy211)等が挙げられる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減または実質的に水平配向させることができる。なお、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20°未満の配向を意味するものとする。
配向制御剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
組成物中での配向制御剤の含有量は特に制限されないが、液晶化合物全質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい。
(溶媒)
組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒としては、水または有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ピリジンなどのヘテロ環化合物;ベンゼン、ヘキサンなどの炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタンなどのアルキルハライド類;酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;1,4−ブタンジオールジアセテート;などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(その他の添加剤)
組成物は、1種または2種以上の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、安定剤、可塑剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、消泡剤、レべリング剤、増粘剤、難燃剤、界面活性物質、分散剤、ならびに、染料および顔料などの色材、などの他の添加剤を含んでいてもよい。
このような本発明の積層体10は、まず、基板12の上に、断面において明部24および暗部26が波状構造を有する赤外光反射層14を形成し、赤外光反射層14の上に、前述のような液晶化合物およびキラル剤を含む組成物(上層組成物)を用いて、塗布法によって、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を、順次、形成することにより、製造できる。
赤外光反射層14の形成においては、まず、前述のような液晶化合物およびキラル剤を含む組成物(非可視光反射層組成物)を調製し、調製した組成物を基板12に塗布する。
塗布方法は特に制限されず、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、および、ダイコーティング法などが挙げられる。
なお、必要に応じて、塗布後に、基板12に塗布した非可視光反射層組成物を乾燥する処理を実施してもよい。乾燥処理を実施することにより、塗布した組成物から溶媒を除去できる。
次に、基板12上に塗布した非可視光反射層組成物(組成物層(塗膜))を加熱して、組成物中の液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とする。
非可視光反射層組成物の液晶相転移温度は、製造適性の面から10〜250℃の範囲内が好ましく、10〜150℃の範囲内がより好ましい。
好ましい加熱条件としては、40〜100℃(好ましくは、60〜100℃)で0.5〜5分間(好ましくは、0.5〜2分間)にわたって組成物を加熱することが好ましい。
非可視光反射層組成物を加熱して、液晶化合物をコレステリック液晶相の状態にしたら、非可視光反射層組成物に含まれるキラル剤の螺旋誘起力を向上するように、組成物を冷却または加熱して、赤外光反射層14を形成する。つまり、基板12上に形成された塗布層(組成物層)を構成する非可視光反射層組成物に含まれるキラル剤の螺旋誘起力(HTP:Helical Twisting Power)が上昇するように、塗布層に冷却処理または加熱処理を施す。
塗布層の冷却処理および加熱処理を施すことにより、キラル剤の螺旋誘起力が上昇して、液晶化合物の捩れが増して、結果として、コレステリック液晶相の配向(螺旋軸の傾き)が変化して、これにより、基板12に平行な明部24および暗部26が変化して、図1(図3)に示すような波状構造(凹凸構造)の明部24および暗部26を有する赤外光反射層14(コレステリック液晶相状態の組成物の層)が形成される。
非可視光反射層組成物を冷却する際には、赤外光反射層14の拡散反射性がより優れる点で、組成物の温度が30℃以上下がるように、組成物を冷却することが好ましい。なかでも、上記効果がより優れる点で、40℃以上下がるように組成物を冷却することが好ましく、50℃以上下がるように組成物を冷却することがより好ましい。上記冷却処理の低減温度幅の上限値は特に制限されないが、通常、70℃程度である。
なお、上記冷却処理は、言い換えると、冷却前のコレステリック液晶相の状態の組成物の温度をT℃とする場合、T−30℃以下となるように、組成物を冷却することを意図する。
上記冷却の方法は特に制限されず、組成物が配置された基板を所定の温度の雰囲気中に静置する方法が挙げられる。
冷却処理における冷却速度には制限は無いが、コレステリック液晶相の明部24および暗部26の波状構造、あるいはさらに、後述する反射層の表面の凹凸を、好適に形成するためには、冷却速度を、ある程度の速さにするのが好ましい。
具体的には、冷却処理における冷却速度は、その最大値が毎秒1℃以上であるのが好ましく、毎秒2℃以上であるのがより好ましい。
液晶化合物が重合性基を有する場合、冷却処理または加熱処理を施した後、基板12上の非可視光反射層組成物に硬化処理を施し、コレステリック液晶相を固定してもよい。この硬化処理は、冷却処理または加熱処理と同時に行ってもよく、あるいは、冷却処理または加熱処理を施した後に行ってもよい。
なお、コレステリック液晶相を「固定化した」状態は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ、好ましい態様である。それだけには制限されず、具体的には、通常0〜50℃、より過酷な条件下では−30〜70℃の温度範囲において、層に流動性が無く、また、外場もしくは外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。本発明では、後述するように、紫外線照射によって進行する硬化反応により、コレステリック液晶相の配向状態を固定することが好ましい。
なお、コレステリック液晶相を固定してなる層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に層中の組成物がもはや液晶性を示す必要はない。
硬化処理の方法は特に制限されず、光硬化処理および熱硬化処理が挙げられる。なかでも、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
紫外線照射には、紫外線ランプなどの光源が利用される。
紫外線の照射エネルギー量は特に制限されないが、一般的には、0.1〜0.8J/cm2程度が好ましい。また、紫外線を照射する時間は特に制限されないが、得られる層の充分な強度および生産性の双方の観点から適宜決定すればよい。
このようにして、波状構造を有する赤外光反射層14を形成したら、赤外光反射層14の上に、塗布法によって、赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を、順次、形成する。
これにより、赤外光反射層14の断面の波状構造に追従して、断面に波状構造(明部および暗部の波状構造)を有する赤色光反射層16、緑色光反射層18および青色光反射層20を形成できる。
赤色光反射層16の形成においては、まず、非可視光反射層組成物と同様、前述のような液晶化合物およびキラル剤を含む、赤色光反射層16を形成するための上層組成物を調製する。
次いで、上層組成物を赤外光反射層14の上(表面)に塗布する。塗布方法は、非可視光反射層組成物と同様の方法が利用される。
次いで、必要に応じて上層組成物を乾燥した後、赤外光反射層14上に形成された組成物層中の液晶化合物を配向させて、コレステリック液晶相の状態として、赤色光反射層16を形成する。なお、液晶化合物が重合性基を有する場合には、さらに、赤外光反射層14と同様に、組成物の硬化処理を行ってもよい。
本発明においては、好ましくは、赤色光反射層16も、赤外光反射層14と同様に形成する。すなわち、赤外光反射層14上に形成された組成物層中の液晶化合物の配向を、上層組成物を加熱することによって行い、液晶化合物を配向した後に、上層組成物の冷却処理または加熱処理を行う。
これにより、赤色光反射層16の波状構造の凹凸を大きくして、拡散反射性が優れる赤色光反射層16を形成できる。
前述のように、下層の反射層が断面において波状構造を有する場合には、上層の反射層も下層の反射層の波状構造に追従して、断面における明部および暗部が波状構造となる。従って、赤外光反射層14上に塗布法によって形成された赤色光反射層16も、断面における明部28および暗部30は波状構造となる。
次いで、同様の液晶化合物およびキラル剤を含む緑色光反射層18を形成するための上層組成物を調製し、同様の方法で緑色光反射層18を形成する。さらに、同様の液晶化合物およびキラル剤を含む青色光反射層20を形成するための上層組成物を調製し、同様の方法で青色光反射層20を形成して、積層体10を作製する。これらの反射層も、赤色光反射層16と同様、下層の反射層の波状構造に追従して、断面における明部および暗部は波状構造となる。
これ以上の数の反射層を形成する場合は、形成する反射層の数に応じて、同様の成膜を繰り返し行えばよい。
このような本発明の積層体10は、投映像表示用のスクリーンおよびハーフミラーとして利用することができる。また、反射帯域を制御することで、カラーフィルターまたはディスプレイの表示光の色純度を向上させるフィルタ(例えば特開2003−294948号公報参照)として利用することもできる。
また、積層体10は、光学素子の構成要素である、偏光素子、反射膜、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、および、配向膜など、種々の用途に利用できる。
本発明の積層体10は、特に、投映像表示用のスクリーンなどの投影像表示用部材として好適に利用される。具体的には、透明スクリーンおよび明室用スクリーンとして好適に利用される。
すなわち、前述のような反射層の機能により、投射光のうち選択反射を示す波長において、いずれか一方のセンスの円偏光を反射させて、投映像を形成することができる。投映像は投映像表示用部材表面で表示され、そのように視認されるものであってもよく、観察者から見て投映像表示用部材の先に浮かび上がって見える虚像であってもよい。
各反射層の選択反射の中心波長を、投映に用いられる光源の発光波長域、および投映像表示用部材の使用態様に応じて調節することにより、光利用効率良く鮮明な投映像を表示することができる。特に反射層の選択反射の中心波長をそれぞれ投映に用いられる光源の発光波長域などに応じてそれぞれ調節することにより、光利用効率良く鮮明なカラー投映像を表示することができる。
また、例えば、上記投映像表示用部材を可視光領域の光に対して透過性を有する構成とすることによりヘッドアップディスプレイのコンバイナとして使用可能なハーフミラーとすることができる。投映像表示用ハーフミラーは、プロジェクターから投映された画像を視認可能に表示することができるとともに、画像が表示されている同じ面側から投映像表示用ハーフミラーを観察したときに、反対の面側にある情報または風景を同時に観察することができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順などは、本発明の主旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[液晶組成物1〜6の調製]
下記の表1に示す成分を混合して、液晶組成物1〜6を調製した。なお、各成分の量は、全て、質量部である。
棒状液晶化合物101
棒状液晶化合物102
棒状液晶化合物201
棒状液晶化合物202
キラル剤
配向制御剤(以下の式中、「33」および「67」は、全繰り返し単位に対する各繰り返し単位の含有量(モル%)を表す。)
[実施例1]
基板12として、ラビング処理を施したPETフィルム(富士フイルム社製)を用意した。
基板12のラビング処理面に、非可視光反射層組成物として、液晶組成物1を室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。液晶組成物1の塗布層を室温にて10秒間乾燥させた後、95℃の雰囲気で1分間加熱して液晶化合物を配向させた。
その後、塗布層に対して30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm2)を用いて、出力80%で8秒間UV光(紫外光)を照射し、基板12上に赤外光反射層14を形成した。上記手順においては、95℃で液晶化合物を配向させた後、30℃まで液晶組成物を冷却した。
形成した赤外光反射層14の一部を剥離し、形状測定レーザマイクロスコープVK−X200(キーエンス社製)にて10倍の対物レンズを用いて、赤外光反射層14の膜厚を測定した。その結果、赤外光反射層14の膜厚は4μmであった。
次いで、赤外光反射層14の上に、上層組成物として液晶組成物3を塗布した。液晶組成物3の塗布は、非可視光反射層組成物と同様に行った。その後、赤外光反射層14と同様に、液晶組成物3の乾燥、加熱(配向)、冷却および硬化を行って、赤外光反射層14の上に赤色光反射層16を形成した。同様にして膜厚を測定したところ、赤色光反射層16の膜厚は2μmであった。
以下、同様に、赤色光反射層16の上に液晶組成物4を用いて緑色光反射層18を形成し、緑色光反射層18の上に液晶組成物5を用いて青色光反射層20を形成して、積層体10を作製した。緑色光反射層18の膜厚は1μm、青色光反射層20の膜厚は1μmであった。
積層体の反射波長を分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)を用いて測定した。その結果、液晶組成物1に由来する選択反射中心波長750nmのピーク、液晶組成物3に由来する選択反射中心波長650nmのピーク、液晶組成物4に由来する選択反射中心波長は550nmのピーク、さらに、液晶組成物5に由来する選択反射中心波長は450nmのピークが観察された。
各反射層の選択反射中心波長を、表1に併記する。
基板12(PETフィルム)の遅相軸が偏光顕微鏡の偏光子の方向と一致するように、積層体10を偏光顕微鏡にセットして、落射によって各反射層を観察したところ、回折格子状の構造(=アンジュレーション構造)の形成をはっきりと確認した。
また、積層体10をウルトラミクロトームによって断面切削し、前処理を行い、断面をSEM(日立ハイテクノロジーズ社製のSU8030型SEM)によって観察したところ、各反射層は、明部および暗部が波状構造になっていることが確認できた。図4に、この断面のSEM写真を示す。
[実施例2〜5、比較例1〜3]
使用する液晶組成物、液晶組成物による反射層の形成順、および、液晶組成物の塗布量(反射層の膜厚)を変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体10を形成した。
なお、実施例1と同様に各積層体の反射波長を測定した。その結果、実施例2〜4では、液晶組成物1に由来する選択反射中心波長750nmのピークに変えて、液晶組成物2に由来する選択反射中心波長850nmのピークが観察された。また、実施例5では、液晶組成物1に由来する選択反射中心波長750nmのピークに変えて、液晶組成物2に由来する選択反射中心波長850nmのピークが観察され、さらに、液晶組成物6に由来する選択反射中心波長470nmのピークが観察された。
[評価]
実施例1〜5、および、比較例1〜3で作製した積層体10について、以下の評価を行った。
<ヘイズおよび全光線透過率>
作製した積層体について、ヘイズおよび全光線透過率を測定した。ヘイズおよび全光線透過率は、共に、日本電色工業社製のSH−4000を用い、ヘイズはJIS K 7136に準拠して、全光線透過率はJIS K 7361に準拠して、それぞれ測定した。
ヘイズは5%以下であれば、全光線透過率は75%以上であれば、共に、良好であると判断できる。
<拡散反射性評価>
村上色彩社製GCMS−3Bのダブルビーム測定モードを用いて、リファレンス(白色板)に対する各反射層の相対反射率を測定した。
具体的には、図5に示すように、光源50からの入射光をサンプル54(積層体あるいは白色板)の表面の法線方向から照射し、サンプル54の表面の法線方向に対して極角θが45°となる位置に配置した検出器52によって反射光を測定し、リファレンスに対する各反射層の相対反射率を測定した。
相対反射率が5以上であれば、拡散反射性は良好であると判断できる。
結果を、表2にまとめて示す。
表2に示すように、本発明の積層体は、いずれも、5%以下の低いヘイズ、75%以上の高い全光線透過率を有し、さらに、5以上の45°相対反射量を有し拡散反射性も良好である。すなわち、本発明の積層体は、良好な透明性と拡散反射性とを両立して有している。
具体的には、実施例と比較例とを比較すると、実施例1、2および5の反射量は比較例2および3の1/3〜1/2程度まで低下してしまうが、一方で、ヘイズは1/5程度まで低減されており、ヘイズに対する反射量の比率が非常に高くなっている。また、実施例1、2および5は、比較例2および3に比して、全光線透過率も高い。
また、1層目〜4層目で、同じ液晶組成物を用いている実施例2および実施例3と実施例4とを比較すると、基板12から上に向かって、反射層の選択反射中心波長が、漸次、短波長になる実施例2は、この条件を満たさない実施例4と比べて、良好なヘイズおよび全光線透過率を有する。さらに、基板12から上に向かって、反射層の選択反射中心波長が、漸次、短波長になる実施例3は、可視光領域の2層目以降の膜厚が厚いにも関わらず、この条件を満たさない実施例4とほぼ同等のヘイズおよび全光線透過率を有し、また、可視光領域の2層目以降の膜厚が厚いため、より高い拡散反射性を有する。
加えて、4層の反射層ではなく、緑色光反射層18である3層目および青色光反射層20である4層目に変えて、3層目に選択反射中心波長が470nmである緑色光反射層18と青色光反射層20との両特性を有する反射層を設けた、反射層が3層の実施例5も、他の実施例と同等のヘイズおよび全光線透過率、ならびに、拡散反射性を有する。
これに比して、1層目(基板12の表面)の反射層の選択反射中心波長が可視光の領域(650nm)である比較例1〜3は、ヘイズおよび全光線透過率を良好にするためには、比較例1のように、1層目を薄くする必要があり、その結果、拡散反射性が悪くなってしまう。他方、比較例2および3のように、1層目、あるいはそれ以降の反射層を厚くすることで、拡散反射性は上がるが、ヘイズおよび全光線透過率が大幅に下がってしまう。すなわち、比較例の積層体は、本発明の積層体のように、良好な透明性と拡散反射性とを両立して得られていない。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 積層体
12 基板
14 赤外光反射層
16 赤色光反射層
18 緑色光反射層
20 青色光反射層
24、28、32、36 明部
26、30、34、38 暗部
42、46 層
50 光源
52 検出器
54 サンプル

Claims (13)

  1. 平坦面を有する基板と、前記基板の平坦面に形成される、積層された複数層の反射層と、を有し、
    前記反射層は、コレステリック液晶相を固定化してなるもので、前記反射層の断面において、前記コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有し、
    最も前記基板に近い前記反射層は、選択反射中心波長を、400nm以下の波長領域または700nm以上の波長領域に有することを特徴とする透明スクリーン。
  2. 前記最も基板に近い反射層が、選択反射中心波長を700nm以上の波長領域に有する、請求項1に記載の透明スクリーン。
  3. 前記基板から離間する方向に向かって、前記反射層の選択反射中心波長が、漸次、短波長になる、請求項2に記載の透明スクリーン。
  4. 前記反射層の選択反射中心波長が、全ての反射層で互いに異なる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  5. 前記反射層が反射する円偏光の方向が、全ての反射層で同一である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  6. 前記反射層の数が4層以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  7. 前記基板が、色味を有さず、かつ、全光線透過率が70%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  8. 前記最も基板に近い反射層の選択反射中心波長が700〜1000nmであり、
    選択反射中心波長が600nm以上700nm未満の前記反射層、および、少なくとも1層の選択反射中心波長が420nm以上600nm未満の前記反射層を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  9. 前記複数層の反射層の内、最も前記基板に近い前記反射層の膜厚が最も厚い、請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明スクリーン。
  10. 平坦面を有する基板と、前記基板の平坦面に形成される、積層された複数層の反射層と、を有し、
    前記反射層は、コレステリック液晶相を固定化してなるもので、前記反射層の断面において、前記コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有し、
    最も前記基板に近い前記反射層は、選択反射中心波長を、400nm以下の波長領域または700nm以上の波長領域に有することを特徴とする明室用スクリーン。
  11. コレステリック液晶相を固定化してなる層であって、断面において、前記コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有し、選択反射中心波長が400nm以下または700nm以上である、非可視光反射層を形成する工程、および、
    液晶化合物およびキラル剤を含む上層組成物を塗布して、前記液晶化合物を配向してコレステリック液晶相の状態として、上層反射層を形成する工程、を有し、
    平坦面を有する基板の前記平坦面に前記非可視光反射層を形成する工程を行った後、前記非可視光反射層の上に前記上層反射層を形成する工程を行い、あるいはさらに、形成した前記上層反射層の上に、前記上層反射層を形成する工程を、1回以上行う、透明スクリーンの製造方法。
  12. 前記非可視光反射層を形成する工程は、
    液晶化合物およびキラル剤を含む非可視光反射層組成物を基板上に塗布し、塗布した前記非可視光反射層組成物を加熱することで、前記液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とする処理を行い、その後、前記非可視光反射層組成物を冷却または加熱する処理、を行う、請求項11に記載の透明スクリーンの製造方法。
  13. 前記上層反射層を形成する工程では、少なくとも1層の前記上層反射層の形成の際に、前記上層組成物を塗布した後、前記上層組成物を加熱することによって前記液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とし、その後、前記上層組成物を冷却または加熱する処理を行う、請求項11または12に記載の透明スクリーンの製造方法。
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