JP6825233B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置、特に、空気と冷媒との間での熱交換が可能な室内熱交換器を備える空気調和装置に関する。
従来の空気調和装置では、冷房運転時において冷房負荷が低い場合には、例えば特許文献1(特開昭59−122864号公報)に記載されているように、圧縮機の運転周波数を下げて、低い冷房負荷に合わせた運転をすることが行なわれることがある。以下の説明においては、圧縮機の運転周波数を下げて室内ユニットの室内熱交換器において通常冷房運転よりも過熱領域を増やすことで低い冷房負荷に対応させて冷房能力を低下させた運転を低能力冷房運転と呼ぶ。
しかしながら、空気調和装置において低能力冷房運転を行なっているときには、室内熱交換器の過熱領域と湿り領域とをそれぞれ通過した空気が混合されることにより室内ファンのロータなど装置内で結露が発生することがある。
本発明の課題は、空気調和装置が低能力冷房運転を行なっているときに、装置内で結露が生じるのを抑制することである。
本発明の第1観点に係る空気調和装置は、空気と冷媒との間での熱交換が可能な室内熱交換器と、室内熱交換器を循環する冷媒を圧縮可能に設置された圧縮機と、室内熱交換器を循環する冷媒を減圧可能に設置された減圧機構と、室内熱交換器に気流を発生可能に設置された室内ファンと、室内熱交換器に設置された2以上の室内熱交換器温度センサとを備え、圧縮機、減圧機構及び室内ファンのうちの少なくとも1つの機器は、通常冷房運転よりも室内熱交換器の過熱領域を増やして過熱領域を通過した空気と湿り領域を通過した空気とを混合した混合空気で冷房する低能力冷房運転において、2以上の室内熱交換器温度センサの検出結果を用いて湿り領域の大きさを判定し、混合空気の温度が混合空気の露点温度を超えることによって室内熱交換器の下流で装置内結露が生じないように制御される。
この空気調和装置によると、混合空気の温度が混合空気の露点温度を超えることによって室内熱交換器の下流で装置内結露が生じないように圧縮機、減圧機構及び室内ファンのうちの少なくとも1つを制御する際に、低能力冷房運転において、2以上の室内熱交換器温度センサの検出結果を用いて湿り領域の大きさを判定して制御するので、混合空気の温度が混合空気の露点温度を超えることによって装置内で結露が生じる状態を回避し易くなる。
本発明の第2観点に係る空気調和装置は、第1観点に係る空気調和装置において、少なくとも1つの機器は、吸込温度、吸込湿度及び蒸発温度並びに2以上の室内熱交換器温度センサの検出結果を用い、混合空気の温度が混合空気の露点温度を超えることによって室内熱交換器の下流で装置内結露が生じないように、湿り領域の大きさの判定結果に基づいた制御を行う、ものである。
この空気調和装置によると、低能力冷房運転において、吸込温度、吸込湿度及び蒸発温度並びに2以上の室内熱交換器温度センサの検出結果を用いて湿り領域の大きさを判定して制御するので、混合空気の温度が混合空気の露点温度を超えることによって装置内で結露が生じる状態を回避し易くなる。
本発明の第3観点に係る空気調和装置は、第1観点又は第2観点に係る空気調和装置において、2以上の室内熱交換器温度センサは、気液二相域の温度になっている箇所と過熱域の温度になっている箇所を検出し、混合空気の露点温度及び混合空気の温度は、2以上の室内熱交換器温度センサの検出結果から判断される過熱領域の範囲を用いて算出される、ものである。
この空気調和装置によると、2以上の室内熱交換器温度センサが、気液二相域の温度になっている湿り領域の箇所と過熱域の温度になっている箇所を検出することから、過熱領域の範囲の特定を容易に行える。
本発明の第4観点に係る空気調和装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る空気調和装置において、少なくとも1つの機器は、圧縮機であり、圧縮機は、低能力冷房運転において、混合空気の温度から混合空気の露点温度を引いた温度差が第1閾値を下回ったときに、運転周波数を下げるように制御される、ものである・
この空気調和装置によると、低能力冷房運転において、混合空気の温度から混合空気の露点温度を引いた温度差が第1閾値を下回ったときに、圧縮機が運転周波数を下げるように制御されることから、冷媒循環量を下げて室内熱交換器の過熱領域を大きくすることができる。
本発明の第5観点に係る空気調和装置は、第1観点から第4観点のいずれかの空気調和装置において、少なくとも1つの機器は、減圧機構であり、減圧機構は、低能力冷房運転において、混合空気の温度から混合空気の露点温度を引いた温度差が第2閾値を下回ったときに、開度を小さくするように制御される、ものである。
この空気調和装置によると、低能力冷房運転において、混合空気の温度から混合空気の露点温度を引いた温度差が第2閾値を下回ったときに、減圧機構が開度を小さくするように制御されることから、冷媒循環量を下げて室内熱交換器の過熱領域を大きくすることができる。
本発明の第6観点に係る空気調和装置は、第1観点から第5観点のいずれかの空気調和装置において、少なくとも1つの機器は、室内ファンであり、室内ファンは、低能力冷房運転において、混合空気の温度から混合空気の露点温度を引いた温度差が第3閾値を下回ったときに、風量を増加させるように制御される、ものである。
この空気調和装置によると、低能力冷房運転において、混合空気の温度から混合空気の露点温度を引いた温度差が第3閾値を下回ったときに、風量を増加させるように室内ファンが制御されることから、風量を増加して冷房能力を上げ、室内熱交換器の過熱領域を大きくすることができる。
本発明の第7観点に係る空気調和装置は、第1観点から第6観点のいずれかの空気調和装置において、低能力冷房運転において、混合空気の温度から混合空気の露点温度を引いた温度差が第4閾値を下回ったときには、低能力冷房運転のモードから通常冷房運転のモードに切り換える、ものである。
この空気調和装置によると、低能力冷房運転において、混合空気の温度から混合空気の露点温度を引いた温度差が第4閾値を下回ったときに、低能力冷房運転のモードから通常冷房運転のモードに切り換えることにより、実質的に室内熱交換器の全体を湿り領域にすることができることから、室内熱交換器の過熱領域を通過する空気を無くすことができる。
本発明の第1観点又は第2観点に係る空気調和装置では、空気調和装置が低能力冷房運転を行なっているときに、装置内で結露が生じるのを抑制することができる。
本発明の第3観点に係る空気調和装置では、混合空気の温度と混合空気の露点温度の関係に基づく制御が容易になる。
本発明の第4観点から第6観点のいずれかに係る空気調和装置では、混合空気の温度の低下を防いで、装置内結露の発生を抑制することができる。
本発明の第7観点に係る空気調和装置では、室内熱交換器の過熱領域を通過する空気を無くして、必要な冷房能力を確保しつつ装置内結露を防止することができる。
本発明の実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す回路図。 図1の空気調和装置の室内機の構成の一例を示す断面図。 図2の室内機の前面パネルなどを取り除いて、室内熱交換器の周辺の構成を表している斜視図。 空気調和装置の通常冷房運転を説明するための室内熱交換器の概念図。 空気調和装置の低能力冷房運転を説明するための室内熱交換器の概念図。 低能力冷房運転時の制御の一例を説明するためのグラフ。 低能力冷房運転時の制御の他の例を説明するためのグラフ。 本発明の変形例1Cに係る空気調和装置の概略構成を示す回路図。 変形例1Cの室外機の外観を示す斜視図。
(1)空気調和装置の全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。空気調和装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。空気調和装置10は、1台の熱源ユニットとしての室外機20と、それに並列に接続された複数台(本実施形態では、3台)の利用ユニットとしての室内機40,50,60と、室外機20と室内機40,50,60とを接続する冷媒連絡管としての液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72とを備えている。
空気調和装置10の冷媒回路11は、室外機20と、室内機40,50,60と、液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72とが接続されることによって構成されている。冷媒回路11は、室内側冷媒回路11a,11b,11c及び室外側冷媒回路11dを含んでいる。冷媒は、冷媒回路11を循環する。
また、空気調和装置10は、空気調和装置10の全体の運転制御を行う運転制御装置80を備えている。室内側制御装置47,57,67と室外側制御装置37とは、伝送線80aとによって接続されて運転制御装置80を構成している。そして、室内機40,50,60の室内側制御装置47,57,67とは、伝送線80aを介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
運転制御装置80は、吸入圧力センサ29、吐出圧力センサ30、吸入温度センサ31、吐出温度センサ32、室外温度センサ36、液側温度センサ44,54,64及びガス側温度センサ45,55,65などの検出信号を受けることができるように接続されている。また、運転制御装置80は、これらの検出信号等に基づいて室外機20及び室内機40,50,60を制御することができるように圧縮機21、四路切換弁22、室外ファン28、室外膨張弁38、室内膨張弁41,51,61及び室内ファン43,53,63などに接続されている。
(2)詳細構成
(2−1)室外機20
室外機20は、冷媒回路11の一部を構成する室外側冷媒回路11dを有している。この室外側冷媒回路11dには、圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、室外膨張弁38と、アキュムレータ24とが接続されている。
圧縮機21は、運転容量を可変することが可能な圧縮機であり、インバータにより回転数が制御されるモータ21mによって駆動される容積式圧縮機である。四路切換弁22は、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。
冷房運転時には、図1の四路切換弁22において、実線で示されている接続状態に切り換えられる。つまり、四路切換弁22によって圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23とが接続されるとともに圧縮機21の吸入側(具体的には、アキュムレータ24)とガス冷媒連絡管72とが接続されることになり、冷房運転時には、圧縮機21によって圧縮される冷媒の放熱器として室外熱交換器23が機能し、室外熱交換器23において熱を奪われた冷媒の蒸発器として室内熱交換器42,52,62が機能する。
暖房運転時には、図1の四路切換弁22において、破線で示されている接続状態に切り換えられる。四路切換弁22によって圧縮機21の吐出側とガス冷媒連絡管72側とが接続されるとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23が接続されることになり、圧縮機21によって圧縮される冷媒の放熱器として室内熱交換器42,52,62が機能し、室内熱交換器42,52,62において熱を奪われた冷媒の蒸発器として室外熱交換器23が機能する。
室外熱交換器23は、例えばクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、空気を熱源とするために空気と冷媒との間の熱交換をさせるための機器である。室外熱交換器23は、そのガス側が四路切換弁22に接続され、その液側が室外膨張弁38に接続されている。
室外膨張弁38は、室外側冷媒回路11d内を流れる冷媒の圧力や流量等の調節を行うために、冷房運転を行う際の冷媒回路11における冷媒の流れ方向において室外熱交換器23の下流側に配置された電動膨張弁である。この室外膨張弁38は、室外熱交換器23の液側に接続されている。
室外機20は、機内に室外空気を吸入して、室外熱交換器23において冷媒と熱交換させた後に、室外に排出するための送風機としての室外ファン28を有している。この室外ファン28は、室外熱交換器23に供給する空気の風量を可変することが可能なファンであり、例えばDCファンモータ等からなるモータ28mによって駆動されるプロペラファン等である。
室外機20には、例えば、圧縮機21の吸入圧力(すなわち、冷房運転時における蒸発圧力Peに対応する冷媒圧力)を検出する吸入圧力センサ29と、圧縮機21の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ30と、圧縮機21の吸入温度を検出する吸入温度センサ31と、圧縮機21の吐出温度を検出する吐出温度センサ32などが設けられる。また、室外機20の室外空気の吸入口には、機内に流入する室外空気の温度を検出する室外温度センサ36が設けられる。
さらに、室外機20を構成する各部の動作を制御するために、室外機20は、室外側制御装置37を有している。この室外側制御装置37は、室外機20の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータ(図示せず)、メモリ(図示せず)及びモータ21mを制御するインバータ回路(図示せず)などを有している。
複数の室内機40,50,60の設定温度、設定湿度、室内温度及び室内湿度などが区々であり、またそれらが変化するため、室外機20に要求される能力は個々の室内機40,50,60の全てに適合するように調整することは難しい。そこで、室外側制御装置37は、例えば、複数の室内機40,50,60のうちの最も要求の高い室内機など、複数の室内機40,50,60のうちの一部の要求に合わせて圧縮機21の運転容量及び/又は室外ファン28の風量を制御することになる。従って、複数の室内機40,50,60のうちの多くのものにとって、圧縮機21の運転容量及び/又は室外ファン28の風量の設定が必要以上に高くなっている場合がある。
(2−2)室内機
(2−2−1)室内機の概要
室内機40,50,60は、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、または、室内の壁面に壁掛け等により例えば会議室などの部屋に設置される。複数の室内機40,50,60は、同じ部屋に配置されることもあり、異なる部屋に別々に配置されることもある。なお、室内機40と室内機50、60とは同様の構成であるため、以下、室内機40の構成のみについて説明する。室内機50、60の構成については、それぞれ、室内機40の各部を示す40番台の符号の代わりに50番台または60番台の符号を付して、室内機50、60の各部の説明を省略する。
室内機40,50,60は、液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72を介して室外機20に接続されている。例えば、室内機40は、冷媒回路11の一部を構成する室内側冷媒回路11a(室内機50では室内側冷媒回路11b、室内機60では室内側冷媒回路11c)を有している。この室内側冷媒回路11aは、減圧機構としての室内膨張弁41と、室内熱交換器42とを有している。なお、本実施形態では、減圧機構として室内機40,50,60それぞれに室内膨張弁41,51,61を設けているが、これに限らずに、室内機40,50,60に対応する複数の減圧機構を室外機20に設けてもよいし、室内機40,50,60や室外機20とは独立した接続ユニットに設けてもよい。
室内膨張弁41は、室内側冷媒回路11a内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、室内熱交換器42の液側に接続された電動膨張弁であり、冷媒の通過を遮断することも可能である。室内膨張弁41は、室内側制御装置47によって制御されており、開度を変更することによって冷媒の流量の調整及び減圧の調整を行うことができるように構成されている。
室内熱交換器42は、空気と冷媒との間の熱交換をさせるための熱交換器であって、例えば伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内熱交換器42は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能して室内空気を加熱する。
室内機40は、機内に室内空気を吸入して、室内熱交換器42において冷媒と熱交換させた後に、熱交換後の室内空気を供給空気として室内に供給するための送風機としての室内ファン43を有している。室内ファン43は、室内熱交換器42に供給する空気の風量を所定風量範囲において可変することが可能なファンであり、例えばDCファンモータ等からなるモータ43mによって駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。図2に示す室内機40においては、室内ファン43として、クロスフローファンが用いられている。
(2−2−2)室内機の詳細構成
図2には、室内機40の断面が示されている。図2に示されている室内機40は、壁掛け型である。図2において、二点鎖線で示された矢印Ar1は、吸込まれる室内空気の流れを表しており、一点鎖線で示された矢印Ar2は吹き出される調和空気の流れを表している。室内機40は、図2に示されているケーシング411、エアフィルタ412、室内熱交換器42、室内ファン43、垂直羽根416及び水平羽根417を備えている。図3は、図2に示されている室内機40の前側熱交換部421及び後側熱交換部422とその周辺の構成を示す斜視図である。
図2に示されている壁掛け型の室内機40には、上方にケーシング411の開口部、すなわち吸込口431がある。吸込口431から吸込まれた室内空気は、吸込空間S1に入る。エアフィルタ412の下流側の空間も吸込空間S1に含まれる。吸込み空気の温度を測る室内温度センサ451及び、吸込み空気の相対湿度を測る室内湿度センサ452は、例えば、この吸込空間S1に設置される。この室内温度センサ451が測定する温度が、室内温度Tr1であり、また吸込温度Tiでもある。
室内熱交換器42の下流であって且つ室内ファン43の上流である場所に位置するのが、中間空間S2である。そして、室内ファン43の下流に位置するのが、吹出空間S3である。ケーシング411の上から吸込まれた室内空気は、吸込空間S1から中間空間S2に流れるまでの間にケーシング411内の室内熱交換器42で温度や湿度が調節される。中間空間S2の空気は、室内ファン43を通過するときに混合されて混合空気となり、混合空気は、吹出空間S3を通って下方の吹出口432から調和空気として吹き出される。
(2−2−3)ケーシング411及びエアフィルタ412
このケーシング411によって室内機40の外郭及びフレームが形づくられている。ケーシング411のリアガイダ433及びスタビライザ434によって吹出口432に続く吹出し流路である吹出空間S3が形成されている。エアフィルタ412は、吸込口431と室内熱交換器42との間に配置されている。室内熱交換器42を通過する前に、室内空気は、エアフィルタ412を通過することにより塵埃が除去される。そのため、エアフィルタ412は、室内熱交換器42を囲むように、ケーシング411に取り付けられる。エアフィルタ412の前後で、空気の温度及び湿度の変化は起こらないので、ここでは、エアフィルタ412の前後の空間をともに吸込空間S1として同じように扱う。従って、室内温度センサ451及び室内湿度センサ452は、エアフィルタ412の上流、下流のいずれに設けられてもよい。
(2−2−4)室内熱交換器42
室内熱交換器42は、前側熱交換部421及び後側熱交換部422からなる。室内熱交換器42は、複数のフィン481と複数の伝熱管482を含んでいる。各フィン481は、薄い金属板からなり、隣接するフィン481に対して平行に且つ室内機40の長手方向に対して垂直になるように配置されている。従って、室内熱交換器42を通過する空気は、互いに隣接するフィン481の間を通過する。複数の伝熱管482は、それぞれ、金属製のパイプであり、フィン481を貫いて室内機40の長手方向に沿って延びており、内部を流れる冷媒とフィン481及び伝熱管482の隙間を通過する空気との間で熱のやり取りを行わせるための部材である。冷媒と空気は、多数のフィン481及び多数の伝熱管482を介して熱交換を行う。また、室内空気の中の水分を結露させてフィン481及び伝熱管482に付着させることによって、室内熱交換器42による除湿が可能になる。前側熱交換部421は、前側下方に向かって傾斜する上部前側熱交換部426と、上部前側熱交換部426の下端部から後側下方に向かって傾斜する下部前側熱交換部427とを含んでいる。後側熱交換部422は、後側下方に向かって傾斜している。
この実施形態では、説明を簡単にするために、室内熱交換器42の伝熱管482が一列である場合について説明する。しかし、本発明を適用できる室内熱交換器42の伝熱管482の配列は1列である場合に限られず、2列以上であってもよい。また、冷房運転時には、下部前側熱交換部427の最下段の伝熱管483から冷媒が入って後側熱交換部422の最下段の伝熱管484から冷媒が出て行くものとして説明する。そして、各段の伝熱管482は、他の段の伝熱管482と接続されるが、例えば、図3に示されているU字管485によって、異なる段の伝熱管482同士が接続される。この室内熱交換器42において、冷媒は、順に隣接する伝熱管482へと流れる。
(2−2−5)室内ファン43
室内ファン43は、前側熱交換部421及び後側熱交換部422と吹出口432との間に位置する。室内ファン43は、室内機40の長手方向に長く延びる円筒状のファンロータ43aと、ファンロータ43aを回転させるモータ43mとを備えている。ファンロータ43aは、円周に沿って並ぶ複数のファン翼からなっており、ファンロータ43aは、図2において、中心点Oの周りを時計回りに回転する。中心点Oを中心に回転することによって、前側熱交換部421及び後側熱交換部422から吹出口432に向かう空気の流れを発生させる。吹出口432に向かう空気の流れは、ファンロータ43aを貫通する。そのため、ファンロータ43aが混合空気(調和空気)の露点温度よりも低い温度になると結露を生じる。言い換えれば、この場合、室内熱交換器42の下流で装置内結露が生じてしまうということである。この室内ファン43は、室内側制御装置47によってその回転が制御されており、室内側制御装置47からの指令に応じて風量を変化させることができる。
(2−2−6)垂直羽根416及び水平羽根417
垂直羽根416は、吹出空間S3である吹出し流路内に配置されている。垂直羽根416は、ステッピングモータ(図示せず)により回動して、室内機40の長手方向の風向を調節する。水平羽根417は、吹出口432に沿って配置されており、ステッピングモータ(図しせず)により回動して、上下方向の風向を調節する。垂直羽根416及び水平羽根417も、混合空気の露点温度より低い温度になると結露を生じる。このような結露も、室内熱交換器42の下流で生じる装置内結露に該当する。
(2−2−7)室内側制御装置47及び各種センサ
室内側制御装置47は、ケーシング411の内部に設置されている電装品箱(図示せず)に収納されている。室内側制御装置47は、例えばメモリ(図示せず)に記憶されている指示及びリモートコントローラ(図示せず)からの指示に従って室内機40の制御を行う。
室内機40には、上述の室内温度センサ451及び室内湿度センサ452以外にも各種のセンサが設けられているが、ここでは、説明にとって重要でないセンサの記載は省略している。室内熱交換器42の液側には、冷媒の温度(冷房運転時における蒸発温度Teに対応する冷媒温度)を検出する液側温度センサ44が設けられている。また、室内熱交換器42のガス側には、冷媒の温度を検出するガス側温度センサ45が設けられている。複数の室内熱交換器温度センサ455は、それぞれ、図3に示されている複数のU字管485に取り付けられる。液側温度センサ44、ガス側温度センサ45、室内温度センサ451及び室内熱交換器温度センサ455には、例えばサーミスタを用いることができる。
(3)空気調和装置の動作
空気調和装置10では、冷房運転及び暖房運転において、利用者がリモートコントローラ等の入力装置により、それぞれの室内機40,50,60に個別に設定している設定温度Ts1、Ts2,Ts3に室内温度Tr1、Tr2,Tr3を近づける室内温度制御を、各室内機40,50,60に対して行っている。この室内温度制御では、室内ファン43,53,63が風量自動モードに設定されている場合には、設定温度Ts1に室内温度Tr1が収束するように室内ファン43の風量及び室内膨張弁41の開度が調整され、設定温度Ts2に室内温度Tr2が収束するように室内ファン53の風量及び室内膨張弁51の開度が調整され、設定温度Ts3に室内温度Tr3が収束するように室内ファン63の風量及び室内膨張弁61の開度が調整される。
本発明にとって重要なのは低能力冷房運転であり、暖房運転は従来と同じ構成としてよいため、以下においては専ら冷房運転について説明する。空気調和装置10は、冷房運転時において、通常冷媒運転モード以外に、低能力冷房運転モードで冷房運転が行なえるように構成されている。通常冷房運転モードは通常冷房運転を行なうモードであり、低能力冷房運転モードは低能力冷房運転を行なうモードである。低能力冷房運転は、通常冷房運転よりも室内熱交換器42の過熱領域を増やして過熱領域を通過した空気と湿り領域を通過した空気とを混合した混合空気で冷房する冷房運転である。
(3−1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁22が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器23のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側がガス冷媒連絡管72を介して室内熱交換器42,52,62のガス側に接続された状態となっている。この場合には冷房運転時に、室外膨張弁38は、全開状態にされている。室内膨張弁41は、室内熱交換器42の出口(すなわち、室内熱交換器42のガス側)における冷媒の過熱度SH1が目標過熱度SHt1になるように開度が調節され、室内膨張弁51は、室内熱交換器52の出口(すなわち、室内熱交換器52のガス側)における冷媒の過熱度SH2が目標過熱度SHt2で一定になるように開度が調節され、室内膨張弁61は、室内熱交換器62の出口(すなわち、室内熱交換器62のガス側)における冷媒の過熱度SH3が目標過熱度SHt3になるように開度が調節されるようになっている。
なお、目標過熱度SHt1,SHt2,SHt3は、所定の過熱度範囲の内で室内温度Tr1,Tr2,Tr3が設定温度Ts1,Ts2,Ts3に収束するために最適な温度値に設定される。各室内熱交換器42,52,62の出口における冷媒の過熱度SH1,SH2,SH3は、例えば、各ガス側温度センサ45,55,65により検出される冷媒温度値から各液側温度センサ44,54,64により検出される冷媒温度値(蒸発温度Teに対応)を差し引くことによってそれぞれ検出される。ただし、各室内熱交換器42,52,62の出口における冷媒の過熱度SH1、SH2,SH3は、上述の方法で検出することに限られない。
この冷媒回路11の状態で、圧縮機21、室外ファン28及び室内ファン43,53,63を運転すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。その後、高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を経由して室外熱交換器23に送られて、室外ファン28によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱して高圧の液冷媒となる。そして、この高圧の液冷媒は、液冷媒連絡管71を経由して、室内機40,50,60に送られる。
この室内機40,50,60に送られた高圧の液冷媒は、室内膨張弁41,51,61によってそれぞれ圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となって室内熱交換器42,52,62に送られ、室内熱交換器42,52,62においてそれぞれ室内空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となる。
この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管72を経由して室外機20に送られ、四路切換弁22を経由して、アキュムレータ24に流入する。そして、アキュムレータ24に流入した低圧のガス冷媒は、再び、圧縮機21に吸入される。このように、空気調和装置10では、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮される冷媒の放熱器として、かつ、室内熱交換器42,52,62を室外熱交換器23において凝縮された後に液冷媒連絡管71及び室内膨張弁41,51,61を通じて送られる冷媒の蒸発器としてそれぞれ機能させる冷房運転を行うことが可能である。なお、空気調和装置10では、室内熱交換器42,52,62のガス側に冷媒の圧力を調整する機構が室内機40,50,60のそれぞれにないため、全ての室内熱交換器42,52,62における蒸発圧力Peが共通の圧力となる。
(3−2)通常冷房運転と低能力冷房運転
通常冷房運転では、図4に示されているように、室内熱交換器42の実質的に全ての部分が湿り領域491(斜線が描かれている領域)となっている。それに対して、低能力冷房運転では、図5に示されているように、冷媒の入口に最も近い下部前側熱交換部427の最下段の伝熱管483から上部前側熱交換部426の下から4段目の伝熱管486までが湿り領域491(斜線が描かれている領域)となっている。しかし、上部前側熱交換部426の下から5段目の伝熱管487から後側熱交換部422の最下段の伝熱管484までが過熱領域492(斜線が描かれていない領域)となっている。この過熱領域492は、以下の説明で乾き領域と呼ぶこともある。なお、通常冷房運転では、高い冷房能力を得るために、ほぼ全体が湿り領域491になるが、過熱制御との関係で、室内熱交換器42の出口に近い部分が過熱領域(乾き領域)になる場合もある。
湿り領域491には、気液二相状態の冷媒が流れており、過熱領域492では、ガス状態の冷媒が流れている。そのため、過熱領域492では、冷媒と空気との間での熱交換がほとんど行われず、過熱領域492を通過した空気の温度は、通過する前の空気の温度と実質的に同じになる。
低能力冷房運転モードが選択されると、運転制御装置80により、室内膨張弁41の開度と室内ファン43の風量が調整され、図5に示されている状態での低能力冷房運転が行なわれる。低能力冷房運転では、室内熱交換器42で結露水が取除かれる通常冷房運転に比べて、室内熱交換器42の下流の装置内で結露が発生し易い。そこで、以下に、低能力冷房運転において空気調和装置10の装置内、特に室内機40の機内で結露が発生するのを回避するための制御について説明する。湿り領域491の占有割合を計算して室内熱交換器42の下流で装置内結露が発生する状況になるのを防止する運転制御装置による制御については、以下に詳述する。
(3−3)低能力冷房運転時の装置内結露の回避制御
(3−3−1)装置内結露の回避制御の概要
図5に示されている複数の矢印は、それぞれ、吸込み空気Ar6、混合空気Ar7、湿り領域通過空気Ar8及び過熱領域通過空気Ar9を概念的に示している。運転制御装置80は、低能力冷房運転時に、2以上の室内熱交換器温度センサ455の検出結果を用いて湿り領域491の大きさを判定し、混合空気Ar7の温度が混合空気Ar7の露点温度を超えることによって室内熱交換器42の下流で装置内結露が発生する状況になるのを防止する制御を行う。さらに詳細には、吸込み空気Ar6の吸込温度と吸込湿度(相対湿度)及び蒸発温度並びに2以上の室内熱交換器温度センサ455の検出結果を用いて湿り領域491の大きさを判定し、湿り領域491の大きさの判定結果に基づいて制御する。湿り領域491の大きさ(湿り領域491の面積)は、例えば、(湿り領域491の面積)÷((湿り領域491の面積)+(過熱領域492の面積))×100(=湿り領域491の占有割合)で定量化される。つまり、湿り領域491の占有割合を計算することによって、湿り領域491の大きさを判定することができる。
(3−3−2)運転制御装置80における計算
以下の説明では、吸込み空気Ar6の吸込温度はTi℃と表され、吸込み空気Ar6の相対湿度はHi%RHと表される。混合空気Ar7の気温はTm℃と表され、混合空気Ar7の絶対湿度はXmkg/kgDAと表される。湿り領域通過空気Ar8の空気温度はTw℃と表され、湿り領域通過空気Ar8の絶対湿度はXwmkg/kgDAと表される。過熱領域通過空気Ar9の空気温度Td℃と表され、過熱領域通過空気Ar9の絶対湿度はXdmkg/kgDAと表される。ただし、過熱領域通過空気Ar9の空気温度Td℃が吸込温度Ti℃と等しいものとして、Tdの代わりにTiを用いて表すことができる。このように置き換えてもほとんど精度が変わらず、このように置き換えることで、過熱領域通過空気Ar9の空気温度Td℃を測定するための温度センサを省くことができる。
運転制御装置80は、複数の室内熱交換器温度センサ455から取り付けられているU字管485の温度を入力する。このU字管485の温度は、U字管485を流れる冷媒の温度である。湿り領域491の伝熱管482の温度は、実質的に気液二相冷媒の温度である蒸発温度Teになる。それに対し、過熱領域492の伝熱管482の温度は、蒸発温度Teよりも高くなる。例えば、伝熱管482が10本であったと仮定すると、11個の室内熱交換器温度センサ455があれば、各伝熱管482の前後に室内熱交換器温度センサ455を配置することができる。例えば、任意の伝熱管482において、その前後で2つの室内熱交換器温度センサ455の検出温度に所定の閾値以上の高低差ができていれば、その伝熱管482までが湿り領域491と判定するように構成することができる。運転制御装置80は、例えば、室内熱交換器42の出口に近い10段目の伝熱管482の出口に近い側の室内熱交換器温度センサ455が蒸発温度Teを検出していれば、湿り領域491の占有割合Rwが100%と判定する。例えば、6段目の伝熱管482の両端の2つの室内熱交換器温度センサ455の検出温度に所定の閾値以上の高低差ができていれば、6段目の伝熱管482までが過熱領域492になっていると判定して、運転制御装置80は、湿り領域491の占有割合Rwが50%という値を取得することができる。
なお、室内熱交換器温度センサ455は、均等に配置してもよいが、一部分に集中して配置してもよい。例えば、図2の室内熱交換器42が上部前側熱交換部426に8本の伝熱管482を有しているので、これら上部前側熱交換部426の8本の伝熱管482の前後に室内熱交換器温度センサ455を配置してもよい。このように配置した場合には、少ないセンサ数で、占有割合Rwが50%の前後を詳細に判定することができるようになる。
運転制御装置80は、湿り領域491を通過した空気温度Tw℃、湿り領域491を通過した空気の絶対湿度Xwkg/kgDA及び過熱領域492を通過した空気の絶対湿度Xdkg/kgDAの値を取得可能に構成されている。運転制御装置80は、例えば、後述の(4)式、(5)式及び(6)式の計算を行うことによって、湿り領域491を通過した空気温度Tw、湿り領域491を通過した空気の絶対湿度Xw及び過熱領域492を通過した空気の絶対湿度Xdの値を取得することができる。
運転制御装置80は、室内熱交換器温度センサ455の検出結果から取得した湿り領域491の占有割合Rwと、取得した湿り領域491を通過した空気の温度Tw、湿り領域491を通過した空気の絶対湿度Xw及び過熱領域492を通過した空気の絶対湿度Xdの値を用いて、次の(1)式により混合空気Ar7の温度Tmを求める。
Tm=Rw×Tw+(1−Rw)×Ti・・・(1)。
また、次の(2)式により混合空気Ar7の絶対湿度Xmを求める。
Xm=Rw×Xw+(1−Rw)×Xd・・・(2)。
そして、(1)式と(2)式により求められた混合空気Ar7の温度Tmと絶対湿度Xmの値を用いて、次の(3)式により前記混合空気の露点温度Tpを求める。ただし、関数fpは、乾球温度と絶対湿度とをパラメータとして露点温度を求める関数である。関数fpは、例えば、空気線図計算表を計算式で近似したものである。
Tp=fp(Tm,Xm)・・・(3)。
運転制御装置80は、(3)式により求められた結果を用いて混合空気Arの露点温度Tpを混合空気Ar7の温度Tmが下回らないようにすることにより、室内熱交換器42の下流で装置内結露が生じないように制御する。
次に、運転制御装置80が混合空気Ar7の温度Tm、湿り領域491を通過した空気の絶対湿度Xw及び過熱領域492を通過した空気の絶対湿度Xdの値を取得する1つの態様について説明する。
運転制御装置80は、例えば内部メモリに、室内熱交換器42のバイパスファクタBFに関する情報を記憶している。バイパスファクタBFは、予め実験又はシミュレーションによって求められ、求められた値が運転制御装置80に入力されている。運転制御装置80は、低能力冷房運転時の装置内結露の回避制御を行う際に、必要なバイパスファクタBFを、例えば内部メモリから読み出して取得することができるように構成されている。
吸込み空気Ar6の吸込温度Tiは、室内温度センサ451により検出される。運転制御装置80は、室内温度センサ451で検出された吸込温度Tiの値を室内温度センサ451から取得する。吸込み空気Ar6の吸込湿度Hiは、室内湿度センサ452により検出される。運転制御装置80は、室内湿度センサ452で検出された吸込湿度Hiの値を室内湿度センサ452から取得する。室内熱交換器42の蒸発温度Te℃は、液側温度センサ44により検出される。運転制御装置80は、液側温度センサ44で検出された蒸発温度Teの値を液側温度センサ44から取得する。
運転制御装置80は、次の(4)式により湿り領域491を通過した空気温度Twを求める。
Tw=(Ti−Te)×BF+Te・・・(4)。
また、運転制御装置80は、次の(5)式により過熱領域492を通過した空気の絶対湿度Xdを求める。ただし、関数fxは、乾球温度と相対湿度をパラメータとして絶対湿度を求める関数である。関数fxは、例えば、空気線図計算表を計算式で近似したものである。
Xd=fx(Ti,Hi)・・・(5)。
(5)式で求められる過熱領域492を通過した空気の絶対湿度Xdを用いて、次の(6)式により前記湿り領域を通過した空気の絶対湿度Xwを求める。
Xw=(Xd−fx(Te,100))×BF+fx(Te,100)・・・(6)。
運転制御装置80は、以上の(4)式、(5)式及び(6)式の計算をすることによって、湿り領域491を通過した空気温度Tw、湿り領域491を通過した空気の絶対湿度Xw及び過熱領域492を通過した空気の絶対湿度Xdの値を取得することができる。
(3−3−3)低能力冷房運転時の装置内結露回避のための機器制御
図6には、蒸発温度と吸込温度と吸込温度から求まる、混合空気の温度についての装置内結露の限界ラインが示されている。図6に示されているグラフは、上述の(1)式から(6)式を用いて求められる関係を図式化したものである。限界ラインLN1、LN2,LN3,LN4は、それぞれ、吸込湿度Hiが85%RHの場合、80%RHの場合、70%RHの場合、60%RHの場合の限界ラインである。これらの限界ラインLN1〜LN4よりも混合空気Ar7の温度Tmが高ければ、結露は生じない。逆に言うと、これらの限界ラインよりも混合空気Ar7の温度Tmが低ければ、結露が生じる。
図6を用いて、例えば、蒸発温度Teが約7℃で、吸込湿度Hiが80%RHであれば、混合空気Ar7の温度Tmを約17℃よりも高くすることで装置内結露を回避することができることが分かる。言い換えると、この限界ラインLN1〜LN4は、各条件における混合空気Ar7の露点温度Tpを表しているということである。
運転制御装置80は、蒸発温度Teが約7℃で、吸込湿度Hiが80%RHで、混合空気Ar7の露点温度Tpが約17℃になるという前述の条件で室内機40が運転されていて、且つ室内機40が図6の運転ポイントOP1で運転されているとする。このような場合には、装置内結露が発生する心配はない。このような場合に、室内機40の運転ポイントOP1の混合空気Ar7の温度Tmが17℃より高いならそのままの運転を続けるという制御を行うことも可能であるが、装置内結露を確実に回避するために、室内機40の運転ポイントOP1の温度Tmが17℃よりも高くても、より装置内結露が生じ難い運転ポイントに運転条件を変更することが考えられる。
運転制御装置80は、例えば、前述の条件で蒸発温度Teが約7℃且つ吸込湿度Hiが80%RHで変化していない場合に、混合空気Ar7の温度Tmと限界ラインLN2(露点温度Tp)の温度差が第1閾値を下回ったときに、圧縮機21の運転周波数を下げる制御を行うように構成されてもよい。例えば、第1閾値の値を6℃としていれば、運転制御装置80は、運転ポイントOP1の混合空気Ar7の温度Tmが22℃になった場合には(Tm−Tp)<6℃と判断して、圧縮機21の運転周波数を下げる制御を行う。運転制御装置80が圧縮機21の運転周波数を下げるように制御すると、冷媒循環量が下がって室内熱交換器42の過熱領域492が大きくなるので、混合空気の温度Tmの低下を防いで、装置内結露の発生を抑制できる。なお、図1に示されているようなマルチ型の空気調和装置10の場合には、室内機40の都合だけで圧縮機21の運転周波数を変更することが難しい場合があるが、室内機40の都合を優先して圧縮機21の運転周波数を変更できる場合もあるので、このような制御も可能である。また、後述する変形例のように、室内機と室外機が1台ずつの空気調和装置にも本発明は適用できるので、その場合には、このような制御はさらに有効に機能する。
また、運転制御装置80は、例えば、前述の条件で蒸発温度Teが約7℃且つ吸込湿度Hiが80%RHで変化していない場合に、混合空気Ar7の温度Tmと限界ラインLN2(露点温度Tp)の温度差が第2閾値を下回ったときに、減圧機構である室内膨張弁41の開度を小さくする制御を行うように構成されてもよい。例えば、第2閾値の値を7℃としていれば、運転制御装置80は、運転ポイントOP1の混合空気Ar7の温度Tmが23℃になった場合には(Tm−Tp)<7℃と判断して、室内膨張弁41の開度を小さくする制御を行う。運転制御装置80が室内膨張弁41の開度を小さくするように制御すると、冷媒循環量が下がって室内熱交換器42の過熱領域492が大きくなるので、混合空気の温度Tmの低下を防いで、装置内結露の発生を抑制できる。
また、運転制御装置80は、例えば、前述の条件で蒸発温度Teが約7℃且つ吸込湿度Hiが80%RHで変化していない場合に、混合空気Ar7の温度Tmと限界ラインLN2(露点温度Tp)の温度差が第3閾値を下回ったときに、室内ファン43の風量を増加させる制御を行うように構成されてもよい。例えば、第3閾値の値を8℃としていれば、運転制御装置80は、運転ポイントOP1の混合空気Ar7の温度Tmが24℃になった場合には(Tm−Tp)<8℃と判断して、室内ファン43の風量を増加させる制御を行う。運転制御装置80が室内ファン43の風量を増加させるように制御すると、風量が増加して冷房能力が上がることによって室内熱交換器42の過熱領域492が大きくなる方向に変化するので、混合空気Ar7の温度Tmの低下を防いで、装置内結露の発生を抑制できる。
また、運転制御装置80は、例えば、前述の条件で蒸発温度Teが約7℃且つ吸込湿度Hiが80%RHで変化していない場合に、混合空気Ar7の温度Tmと限界ラインLN2(露点温度Tp)の温度差が第4閾値を下回ったときに、低能力冷房運転のモードから通常冷房運転のモードに切り換える制御を行うように構成されてもよい。例えば、第4閾値の値を0.5℃としていれば、運転制御装置80は、運転ポイントOP1の混合空気Ar7の温度Tmが17℃になった場合には(Tm−Tp)<0.5℃と判断して、低能力冷房運転のモードから通常冷房運転のモードに切り換える制御を行う。運転制御装置80が低能力冷房運転のモードから通常冷房運転のモードに切り換える制御すると、図5に示されている状態から図4に示されている状態に変化して実質的に室内熱交換器42の全体を湿り領域491にすることができることから、室内熱交換器42の過熱領域492を通過する空気を無くすことができるので、必要な冷房能力を確保しつつ装置内結露を防止することができる。
(4)特徴
(4−1)
以上説明したように、室内熱交換器42の下流で装置内結露が生じないように圧縮機212、室内膨張弁41(減圧機構の例)及び室内ファン43のうちの少なくとも1つの機器を制御する際に、通常冷房運転よりも室内熱交換器42の過熱領域492を増やす低能力冷房運転において、運転制御装置80は、2以上の室内熱交換器温度センサの検出結果を用いて湿り領域の大きさを判定して制御を行っている。そして、湿り領域491の大きさの判定結果に基づいて、混合空気Ar7の温度Tmが混合空気の露点温度Tpを超えることによって室内熱交換器42の下流で装置内結露が生じないように、図5を用いて説明したような装置内結露の回避制御を行っている。その結果、混合空気Ar7の温度Tmが露点温度Tpを超えることによって装置内で結露が生じる状態を回避し易くなり、空気調和装置10が低能力冷房運転を行なっているときに、装置内で結露が生じるのを抑制することができる。具体的には、空気調和装置10内の機器、例えばファンロータ42a、垂直羽根416又は水平羽根417に結露が生じるのを抑制することができる。
(4−2)
また、運転制御装置80は、2以上の室内熱交換器温度センサ455の検出結果以外に、吸込温度Ti、吸込湿度Hi、及び蒸発温度Teの値を取得することによって、上述の(1)式から(6)式を用いて制御するので、混合空気Ar7の温度Tmが露点温度Tpを超えることによって装置内で結露が生じる状態を回避し易くなる。
(4−3)
2以上の室内熱交換器温度センサ455が、気液二相域の温度になっている湿り領域491の箇所と過熱領域492の温度になっている箇所を検出することから、運転制御装置80は、2以上の室内熱交換器温度センサ455を使って、過熱領域492の範囲の特定を容易に行える。その結果、図5及び図6を用いて説明したように、混合空気Ar7の温度Tmと露点温度Tpの関係に基づく制御が容易になる。図5に示したように、混合空気Ar7の温度Tmと露点温度Tpの直接的な関係だけでなく、混合空気Ar7の温度Tmと露点温度Tpの関係を数式の変更によって変換したような図6に示されている関係を用いて制御する場合も同様の効果を奏する。
(4−4)
運転制御装置80は、低能力冷房運転において、混合空気Ar7の温度Tmから混合空気Ar7の露点温度Tpを引いた温度差が第1閾値を下回ったときに、圧縮機21の運転周波数を下げるように制御する。その結果、装置内結露を生じ易い状態になる前に、冷媒循環量が下がって室内熱交換器42の過熱領域492を大きくすることができ、混合空気Ar7の温度Tmの低下を防いで、装置内結露の発生を抑制することができる。
(4−5)
運転制御装置80は、低能力冷房運転において、混合空気Ar7の温度Tmから混合空気Ar7の露点温度Tpを引いた温度差が第2閾値を下回ったときに、室内膨張弁41の開度を小さくするように制御する。その結果、装置内結露を生じ易い状態になる前に、冷媒循環量が下がって室内熱交換器42の過熱領域492を大きくすることができ、混合空気Ar7の温度Tmの低下を防いで、装置内結露の発生を抑制することができる。
(4−6)
運転制御装置80は、低能力冷房運転において、混合空気Ar7の温度Tmから混合空気Ar7の露点温度Tpを引いた温度差が第3閾値を下回ったときに、室内ファン43の風量を増加させるように制御する。その結果、装置内結露を生じ易い状態になる前に、風量が増加して冷房能力が上がることによって室内熱交換器42の過熱領域492が大きくなる方向に変化するので、混合空気Ar7の温度Tmの低下を防いで、装置内結露の発生を抑制することができる。
(4−7)
運転制御装置80は、低能力冷房運転において、混合空気Ar7の温度Tmから混合空気Ar7の露点温度Tpを引いた温度差が第4閾値を下回ったときに、低能力冷房運転のモードから通常冷房運転のモードに切り換えることにより、実質的に室内熱交換器42の全体を湿り領域にすることができる。その結果、室内熱交換器42の過熱領域492を通過する空気を無くすことができ、必要な冷房能力を確保しつつ装置内結露を防止することができる。
(5)変形例
(5−1)変形例1A
上記実施形態では、室内機40について装置内結露の回避制御について説明したが、室内機50,60についても、室内機40と同様の装置内結露の回避制御を運転制御装置80に行わせることができる。その場合、各室内膨張弁51,61が各室内機50,60の減圧機構として機能する。
(5−2)変形例1B
上記実施形態では、1台の室外機20に、複数台の室内機40が繋がるマルチ型の空気調和装置10について説明したが、本発明は、1台の室外機20に1台の室内機が繋がるペア型の空気調和装置10にも適用することができる。
(5−3)変形例1C
上記実施形態では、マルチ型の空気調和装置10として、室内機40,50,60に、それぞれ室内膨張弁41,51,61と液側温度センサ44,54,64とガス側温度センサ45,55,65が取り付けられているものについて説明したが、図8及び図9に示されているように、室外機20にこれらが設けられていてもよい。膨張弁41a,51a,61aは、室外機20に設けられているが、それぞれ室内熱交換器42,52,62に流れる冷媒に対して減圧機構として機能するものである。
(5−3−1)室外機20
図8及び図9に示されている室外機20が図1に示されている室外機20と異なる点は、既に説明したように、室外機20が膨張弁41a,51a,61aと液側温度センサ44,54,64とガス側温度センサ45,55,65とを備えている点である。その他の圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、アキュムレータ24との接続については、図8及び図9に示されている室外機20は、図1に示されている室外機20と同様である。
図8及び図9に示されている室外機20において、室外熱交換器23の液側は、室外機20の中で、液配管271の一端に接続されている。液配管271の他端は、ここでは、3本に分岐して、分岐先の先端がそれぞれ膨張弁41a,51a,61aの一端に接続されている。膨張弁41a,51a,61aの他端は、室外機20の備える3つの液側接続ポート222にそれぞれ接続されている。これら膨張弁41a,51a,61aの他端と3つの液側接続ポート222との間に、それぞれ液側温度センサ44,54,64が取り付けられている。3つの液側接続ポート222が、それぞれ室内機40,50,60の室内熱交換器42,52,62の液側に接続される。
図8及び図9に示されている室外機20は、それぞれ室内機40,50,60の室内熱交換器42,52,62のガス側に接続される3つのガス側接続ポート221を備えている。3つのガス側接続ポート221は、3つに分岐したガス配管272の3つの他端にそれぞれ接続されている。3つの他端を流れる冷媒は、ガス配管272の1つの一端を流れる。ガス配管272の一端は、四路切換弁22に接続されている。ガス配管272の一端は、冷房運転時にはアキュムレータ24に接続され、暖房運転時には圧縮機21の吐出側に接続される。ガス配管272の3つの他端を流れる冷媒の温度を検出するために、3つの他端にはガス側温度センサ45,55,65がそれぞれ取り付けられている。
(5−3−2)室内機40,50,60
図8に示されている室内機40,50,60は、膨張弁41a,51a,61aと液側温度センサ44,54,64とガス側温度センサ45,55,65以外の構成は、図1に示されている室内機40,50,60の構成と同じであるので説明を省略する。
(5−3−3)空気調和装置10の動作
図8及び図9に示されている室外機20では、室外側制御装置37により、膨張弁41a,51a,61aの開度が制御される。また、液側温度センサ44,54,64及びガス側温度センサ45,55,65により検出される温度値は、室外側制御装置37によって取得される。
図1に示されている空気調和装置10では、運転制御装置80が室内側制御装置47,57,67を介して液側温度センサ44,54,64及びガス側温度センサ45,55,65により検出される温度値を取得し、室内側制御装置47,57,67を介して膨張弁41a,51a,61aを制御していたが、図8に示されている空気調和装置10では、運転制御装置80が室外側制御装置37を介して液側温度センサ44,54,64及びガス側温度センサ45,55,65により検出される温度値を取得し、室外側制御装置37を介して膨張弁41a,51a,61aを制御する。しかし、運転制御装置80が液側温度センサ44,54,64及びガス側温度センサ45,55,65により検出される温度値を取得し、介して膨張弁41a,51a,61aを制御するという点に関しては、図1に示されている空気調和装置10と図8に示されている空気調和装置10は同じであり、図8に示されている空気調和装置10は、図1に示されている空気調和装置10と同様に上記実施形態と同様の制御ができる。
また、図8に示されている空気調和装置10では、室外膨張弁38が省かれているが、図1に示されている空気調和装置10においては冷房運転時には室外膨張弁38を全開状態にされて冷房運転の動作には寄与していないので、冷房運転時における室外膨張弁38以外の動作は、図8に示されている空気調和装置10も図1に示されている空気調和装置10と同じに行える。
(5−4)変形例1D
上記実施形態では、通常冷房運転よりも室内熱交換器42の過熱領域492を増やす低能力冷房運転において、吸込温度Ti、吸込湿度Hi、混合空気Ar7の温度Tm及び蒸発温度Teを用い、図6を用いて説明したような装置内結露の回避制御が行われ、混合空気Ar7の温度Tmが混合空気の露点温度Tpを超えることによって室内熱交換器42の下流で装置内結露が生じないように運転制御装置80が制御する場合について説明した。しかし、運転制御装置80は、吸込温度Ti、吸込湿度Hi、混合空気Ar7の温度Tm及び蒸発温度Teを用いる代わりに、吸込温度Ti、吸込湿度Hi、混合空気Ar7の湿度及び蒸発温度Teを用いて装置内結露の回避制御を行い、混合空気Ar7の湿度が混合空気の飽和湿度を超えることによって室内熱交換器42の下流で装置内結露が生じないように制御してもよい。
(5−5)変形例1E
上記実施形態では、図6を用いて説明したように、混合空気Ar7の温度Tmが混合空気Ar7の露点温度Tpを下回らないように制御したが、同様の制御を、湿り領域491の占有割合Rwで制御してもよい。図7には、湿り領域の占有割合Rwを縦軸にとって表したグラフが示されている。
図7に示されているグラフは、上述の(1)式から(6)式を用いて求められる関係を図式化したものである。限界ラインLN11、LN12,LN13,LN14は、それぞれ、吸込湿度Hiが85%RHの場合、80%RHの場合、70%RHの場合、60%RHの場合の限界ラインである。これらの限界ラインLN11〜LN14よりも湿り領域491の占有割合Rwが小さければ、結露は生じない。逆に言うと、これらの限界ラインLN11〜LN14よりも湿り領域491の占有割合Rwが大きければ、結露が生じる。
図7を用いて、例えば、蒸発温度Teが約7℃で、吸込湿度Hiが80%RHであれば、湿り領域491の占有割合Rwを約50%よりも小さくすることで装置内結露を回避することができることが分かる。
運転制御装置80は、蒸発温度Teが約7℃で、吸込湿度Hiが80%RHで、結露が生じる湿り領域491の限界占有割合Rmwが約50℃になるという前述の条件で室内機40が運転されていて、且つ室内機40が図7の運転ポイントOP2で運転されているとする。このような場合には、装置内結露が発生する心配はない。このような場合に、室内機40の運転ポイントOP2の湿り領域491の占有割合Rwが50%より小さいならそのままの運転を続けるという制御を行うことも可能であるが、装置内結露を確実に回避するために、室内機40の運転ポイントOP2の占有割合Rwが50%よりも小さくても、より装置内結露が生じ難い運転ポイントに運転条件を変更することが考えられる。
運転制御装置80は、例えば、前述の条件で蒸発温度Teが約7℃且つ吸込湿度Hiが80%RHで変化していない場合に、湿り領域491の占有割合Rwと限界ラインLN12の差が第5閾値を下回ったときに、圧縮機21の運転周波数を下げる制御を行うように構成されてもよい。例えば、第5閾値の値を15%としていれば、運転制御装置80は、運転ポイントOP2の湿り領域491の占有割合Rwが40%になった場合には(Rmw−Rw)<15%と判断して、圧縮機21の運転周波数を下げる制御を行う。
また、運転制御装置80は、例えば、前述の条件で蒸発温度Teが約7℃且つ吸込湿度Hiが80%RHで変化していない場合に、湿り領域491の占有割合Rwと限界ラインLN12の差が第6閾値を下回ったときに、減圧機構である室内膨張弁41の開度を小さくする制御を行うように構成されてもよい。例えば、第6閾値の値を15%としていれば、運転制御装置80は、運転ポイントOP2の湿り領域491の占有割合Rwが40%になった場合には(Rmw−Rw)<15と判断して、室内膨張弁41の開度を小さくする制御を行う。
また、運転制御装置80は、例えば、前述の条件で蒸発温度Teが約7℃且つ吸込湿度Hiが80%RHで変化していない場合に、湿り領域491の占有割合Rwと限界ラインLN12の差が第7閾値を下回ったときに、室内ファン43の風量を増加させる制御を行うように構成されてもよい。例えば、第7閾値の値を25%としていれば、運転制御装置80は、運転ポイントOP2の湿り領域491の占有割合Rwが30%になった場合には(Rmw−Rw)<25%と判断して、室内ファン43の風量を増加させる制御を行う。
また、運転制御装置80は、例えば、前述の条件で蒸発温度Teが約7℃且つ吸込湿度Hiが80%RHで変化していない場合に、湿り領域491の占有割合Rwと限界ラインLN12の差が第8閾値を下回ったときに、低能力冷房運転のモードから通常冷房運転のモードに切り換える制御を行うように構成されてもよい。例えば、第8閾値の値を1%としていれば、運転制御装置80は、運転ポイントOP2の湿り領域491の占有割合Rwが50%になった場合には(Rmw−Rm)<1%と判断して、低能力冷房運転のモードから通常冷房運転のモードに切り換える制御を行う。
(6)備考
この備考には、本発明に係る空気調和装置の種々の見方を示している。
(6−1)
一見地に係る空気調和装置は、前記吸込温度、前記湿り領域を通過した空気の温度、前記湿り領域を通過した空気の絶対湿度及び前記過熱領域を通過した空気の絶対湿度の値を取得可能に構成され、前記吸込温度がTi℃、前記混合空気の温度がTm℃、前記湿り領域を通過した空気温度がTw℃、前記湿り領域の占有割合がRw%、前記湿り領域を通過した空気の絶対湿度がXwkg/kgDA、前記過熱領域を通過した空気の絶対湿度がXdkg/kgDA、前記混合空気の絶対湿度がXmkg/kgDA、前記混合空気の露点温度がTp℃、そして乾球温度と絶対湿度とをパラメータとして露点温度を求める関数がfpと表される場合において、2以上の前記室内熱交換器温度センサの検出結果から前記湿り領域の占有割合Rwを求め、次の(1)式により前記混合空気の温度Tmを求め、
Tm=Rw×Tw+(1−Rw)×Ti・・・(1)、
次の(2)式により前記混合空気の絶対湿度Xmを求め、
Xm=Rw×Xw+(1−Rw)×Xd・・・(2)、
次の(3)式により前記混合空気の露点温度Tpを求め、
Tp=fp(Tm,Xm)・・・(3)、
前記(3)式により求められた結果を用いて前記混合空気の露点温度を前記混合空気の温度が下回らないようにすることにより、前記室内熱交換器の下流で装置内結露が生じないように前記少なくとも1つの機器を制御する運転制御装置をさらに備える、ものであってもよい。この空気調和装置によると、2以上の室内熱交換器温度センサ455から求められる湿り領域の占有割合Rwを用いて混合空気の温度Tmと絶対湿度Xmが算出され、それら混合空気の温度Tmと絶対湿度Xmを用いて混合空気の露点温度Tpが計算されるので、簡単に精度よく混合空気の露点温度Tpを算出することができる。その結果、混合空気の露点温度Tpを使った制御を簡単に精度良く行うことができる。
(6−2)
備考(6−1)に記載の空気調和装置は、前記運転制御装置は、前記室内熱交換器のバイパスファクタを記憶しており、前記蒸発温度、及び前記吸込湿度の値を取得可能に構成され、前記蒸発温度がTe℃、前記バイパスファクタがBF%、前記吸込湿度がHi%RH、そして乾球温度と相対湿度をパラメータとして絶対湿度を求める関数がfxと表される場合において、次の(4)式により前記湿り領域を通過した空気温度Twを求め、
Tw=(Ti−Te)×BF+Te・・・(4)、
次の(5)式により前記過熱領域を通過した空気の絶対湿度Xdを求め、
Xd=fx(Ti,Hi)・・・(5)、
次の(6)式により前記湿り領域を通過した空気の絶対湿度Xwを求め、
Xw=(Xd−fx(Te,100))×BF+fx(Te,100)・・・(6)、
前記(4)式により求められた前記湿り領域を通過した空気温度Twの値から前記(1)式により前記混合空気の温度を算出し、前記(5)式により求められた前記過熱領域を通過した空気の絶対湿度Xdの値及び前記(6)式により求められた前記湿り領域を通過した空気の絶対湿度Xwの値から(2)式により前記混合空気の絶対湿度Xmを算出する、ものであってもよい。この空気調和装置によると、湿り領域の占有割合Rwが求められている場合において、蒸発温度Te、バイパスファクタBF、吸込湿度Hiの値を得ることで混合空気の露点温度Tpが計算されるので、少ないパラメータで精度良く混合空気の露点温度を算出することができる。
10 空気調和装置
20 室外機
21 圧縮機
40,50,50 室内機
41,51,61 室内膨張弁(減圧機構の例)
41a,51a,61a 膨張弁(減圧機構の例)
42,52,62 室内熱交換器
43,53,63 室内ファン
80 運転制御装置
455 室内熱交換器温度センサ
特開昭59−122864号公報

Claims (7)

  1. 空気と冷媒との間での熱交換が可能な室内熱交換器(42,52,62)と、
    前記室内熱交換器を循環する冷媒を圧縮可能に設置された圧縮機(21)と、
    前記室内熱交換器を循環する冷媒を減圧可能に設置された減圧機構(41,51,61,41a,51a,61a)と、
    前記室内熱交換器に気流を発生可能に設置された室内ファン(43,53,63)と、
    前記室内熱交換器に設置された2以上の室内熱交換器温度センサ(455)と
    を備え、
    前記圧縮機、前記減圧機構及び前記室内ファンのうちの少なくとも1つの機器は、通常冷房運転よりも前記室内熱交換器の過熱領域を増やして前記過熱領域を通過した空気と湿り領域を通過した空気とを混合した混合空気で冷房する低能力冷房運転において、2以上の前記室内熱交換器温度センサの検出結果を用いて湿り領域の大きさを判定し、前記過熱領域を大きくして前記混合空気の温度が前記混合空気の露点温度を超えることによって前記室内熱交換器の下流で装置内結露が生じないように制御される、空気調和装置。
  2. 前記少なくとも1つの機器は、吸込温度、吸込湿度及び蒸発温度並びに2以上の前記室内熱交換器温度センサの検出結果を用い、前記混合空気の温度が前記混合空気の露点温度を超えることによって前記室内熱交換器の下流で装置内結露が生じないように、前記湿り領域の大きさの判定結果に基づいた制御を行う、
    請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 2以上の前記室内熱交換器温度センサは、気液二相域の温度になっている箇所と過熱域の温度になっている箇所を検出し、
    前記混合空気の露点温度及び前記混合空気の温度は、2以上の前記室内熱交換器温度センサの検出結果から判断される前記過熱領域の範囲を用いて算出される、
    請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 前記少なくとも1つの機器は、前記圧縮機であり、
    前記圧縮機は、前記低能力冷房運転において、前記混合空気の温度から前記混合空気の露点温度を引いた温度差が第1閾値を下回ったときに、運転周波数を下げるように制御される、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  5. 前記少なくとも1つの機器は、前記減圧機構であり、
    前記減圧機構は、前記低能力冷房運転において、前記混合空気の温度から前記混合空気の露点温度を引いた温度差が第2閾値を下回ったときに、開度を小さくするように制御される、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  6. 前記少なくとも1つの機器は、前記室内ファンであり、
    前記室内ファンは、前記低能力冷房運転において、前記混合空気の温度から前記混合空気の露点温度を引いた温度差が第3閾値を下回ったときに、風量を増加させるように制御される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和装置。
  7. 前記低能力冷房運転において、前記混合空気の温度から前記混合空気の露点温度を引いた温度差が第4閾値を下回ったときには、前記低能力冷房運転のモードから前記通常冷房運転のモードに切り換える、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の空気調和装置。
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