JP6824827B2 - タッチパネルシステムおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、タッチパネルシステムおよびそれを備えた電子機器に関する。
従来、スマートフォンやタブレット等、指やペンによる入力操作が可能なタッチパネルシステムを備える電子機器が広く普及している。また、タッチパネルの方式としては、タッチ面における静電容量の変化によってタッチを検出する静電容量方式が多く使用されている。
このようなタッチパネルシステムは、通常、表示装置の上部(前面)に、タッチパネルが積層された構造となっている。このため、タッチパネル上に設けられたセンサは、表示装置に発生するクロック等のノイズだけでなく、その他外来のノイズの影響を受けやすい。このようなノイズは、タッチ操作の検出感度の低下につながる。
例えば、特許文献1に記載のタッチパネルシステムは、互いに隣接するセンスラインの信号の差分を算出する減算部を備え、上記ノイズを減算する処理を行っている。このようなノイズキャンセルの方式は、差動読出方式と呼ばれることがある。
また、近年、電子機器の本体サイズを変えることなく表示画面のサイズを大きくするために、表示画面の周囲に存在する額縁面積をできるだけ狭くすることが要望されている。
ここで、一般に、静電容量方式のタッチパネルにおけるタッチセンサは、複数本のセンスラインと、それらに直交する複数本のドライブラインとを備えており、これら複数本のセンスラインおよびドライブラインから配線が引き出される。複数本のセンスラインの配線を全て、タッチセンサの同じ側から引き出す場合、該配線の引き回し面積が広くなる。そのため、額縁面積を狭くすることが難しい。
特開2013−92872号公報(2013年5月16日公開) 特開2012−185751号公報(2012年9月27日公開) 特開2015−118537号公報(2015年6月25日公開) 特開2015−148942号公報(2015年8月20日公開)
特許文献1に記載のタッチパネルシステムでは、配線をどのように引き出すかは想定されておらず、額縁面積を狭くするためにタッチセンサの異なる側から配線を引き出した場合、配線経路(配線の長さ)が大きく異なり得る。そのような配線の影響によってノイズ除去の効果が低減し得るという問題がある。
また、タッチセンサの異なる側から配線を引き出すタッチパネルの例として、特許文献2には、タッチセンサの上半分の複数本のセンスラインの配線をタッチセンサの一方の側から引き出し、下半分の複数本のセンスラインの配線を他方の側から引き出す構造のタッチパネルが記載されている。また、特許文献3および特許文献4には、タッチセンサの左右から配線を交互に引き出す構造のタッチパネルが記載されている。このように配線を引き出す場合、額縁面積を狭くし易い。
しかしながら、特許文献2〜4に記載のタッチパネルは、上述した差動読出方式によるノイズキャンセルを行うことについて想定されておらず、該ノイズキャンセルを行うとしても、特許文献1に記載のタッチパネルシステムと同様の問題を有する。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、額縁面積を狭くした場合にノイズ除去の効果が低減することを抑制し得るタッチパネルシステムおよび電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様におけるタッチパネルシステムは、タッチパネルに配置されたM本の第1センスラインとN本の第2センスラインと(M、Nは複数)L本の両側配線センスライン(Lは1以上の整数)とからの信号の差分を増幅するK個の差動入力増幅回路と(Kは、(M+N+L)=(2K+1)を満足する整数)、前記M本の第1センスラインに対応するM本の第1配線と、前記L本の両側配線センスラインに対応するL本の両側配線と、前記N本の第2センスラインに対応するN本の第2配線とが接続される(M+L+N)個の入力端子と、前記K個の差動入力増幅回路に対応する(2×K)個の出力端子とを有する切替回路とを備え、前記M本の第1配線が1番目からM番目に配置された入力端子に接続され、前記L本の両側配線が(M+1)番目から(M+L)番目に配置された入力端子に接続され、前記N本の第2配線が(M+L+1)番目から(M+L+N)番目に配置された入力端子に接続されることを特徴としている。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様における電子機器は、前記記載のタッチパネルシステムを備えていることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、額縁面積を狭くした場合にノイズ除去の効果が低減することを抑制し得るタッチパネルシステムおよび電子機器を提供することができるという効果を奏する。
(a)は、本発明の実施形態1におけるタッチパネルシステムの基本構成を示す概略図であり、(b)は、タッチパネルからの信号の流れを説明するための模式図である。 (a)は、上記タッチパネルシステムの配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチが(a)とは逆の入力端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。 上記タッチパネルシステムの基本処理であるノイズキャンセル処理を示すフローチャートである。 上記タッチパネルシステムにおける額縁面積の低減について説明するための平面図である。 本発明の実施形態2におけるタッチパネルシステムの配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチが(a)とは逆の入力端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。 本発明の実施形態3におけるタッチパネルシステムの配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチが(a)とは逆の入力端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。 従来の差動読出方式のノイズキャンセル機能を有するタッチパネルシステムの構造を概略的に示す模式図である。 従来のタッチパネルシステムの配線構造の一例を概略的に示す模式図である。 (a)は、従来のタッチパネルシステムにおけるタッチパネルの片側から配線を引き出した場合の配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチが(a)とは逆の端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。 (a)は、従来のタッチパネルシステムにおけるタッチパネルの両側から配線を引き出した場合の配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチが(a)とは逆の端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。 差分信号処理済みの信号を用いて算出された、タッチパネルの中央部の差分マップである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、上下左右の方向について次のように規定して説明する。すなわち、図面の紙面における面内方向において、図番が記載されている側を「上」、その反対側を「下」とし、図面を見るときの左側を「左」、右側を「右」とする。また、紙面に垂直な、読者側の方向を「前方」(または「手前側」)とし、その反対側を「後方」(または「奥側」)とする。つまり、例えば、以下の説明における上方向とは、格別の記載が無い限り、空間的な上(鉛直方向の上)に限定されず、その他の方向についても同様である。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態におけるタッチパネルシステムの理解を容易にするために、始めに、従来のタッチパネルシステムおよびその問題点について、図7〜11を参照して、より詳しく説明する。なお、後述する本実施形態のタッチパネルシステムの説明において、記載を省略することがある基本的な構成については、以下に説明する従来のタッチパネルシステムの説明を適宜参照して理解することも可能である。
<従来のタッチパネルシステム>
図7は、従来の差動読出方式のノイズキャンセル機能を有するタッチパネルシステム100の構造を概略的に示す模式図である。図7に示すように、タッチパネルシステム100は、表示装置110とタッチパネルコントローラ130とを備え、表示装置110が含むタッチパネル120から引き出された複数本の配線がタッチパネルコントローラ130に接続されている。
タッチパネル120は、投影型静電容量方式のセンサ部121を備えている。センサ部121は、複数本のセンスライン123(図7では8本)と、センスライン123に直交する複数本のドライブライン125(図7では5本)とを含む。センスライン123およびドライブライン125は、線状電極により形成されている。センスライン123とドライブライン125とは互いに絶縁され、容量結合されている。ドライブライン125には、タッチパネルシステム100の動作中に、一定周期で電位が印加される。
以下では、8本のセンスライン123からなるセンス配列を、配列(1)〜(8)として区別して説明する。
タッチパネルコントローラ130は、入力側から順にスイッチ131、減算部132、記憶部133a〜133dを備えている。スイッチ131は、複数本のセンスライン123から減算部132に入力される信号を切り替える。より詳細には、スイッチ131は、上下に2つの端子を備えており、一方の端子が選択される。図7は、スイッチ131が下側の端子を選択した状態である。
減算部132は、スイッチ131で選択された配列(1)〜(8)の信号の差分信号処理を行う。すなわち、減算部132は、隣接するセンスライン123間の差分信号処理を行う。例えば、図7のように、スイッチ131により下側の端子が選択されている場合、減算部132は、配列(8)−配列(7)、配列(6)−配列(5)、配列(4)−配列(3)、および配列(2)−配列(1)の各差分信号処理を行う。一方、図示しないが、スイッチ131により上側の端子が選択されている場合、減算部132は、配列(7)−配列(6)、配列(5)−配列(4)、および配列(3)−配列(2)の各差分信号処理を行う。
記憶部133a〜133dは、スイッチ131により一方の端子が選択された場合の減算部132による差分処理された信号(差分処理信号)を記憶する。なお、スイッチ131により他方の端子が選択された場合、差分処理信号は、記憶部133a〜133dを経由せず、直接出力される。
タッチパネルシステム100は、このような差分信号処理を行うことにより、多様な種類のノイズを除去することができる。
ここで、タッチパネルシステム100の実際の配線構造としては、タッチパネル120からタッチパネルコントローラ130へと配線が引き回されている。そのため、この配線の引き回しに起因する問題が生じ得る。この問題について、図面に基づいて以下に説明する。
図8は、従来のタッチパネルシステム100の配線構造の一例を概略的に示す模式図である。図8に示すように、タッチパネルシステム100は、表示装置110の下側にタッチパネルコントローラ130が配置された構造となっている。そして、センスライン123の配線が全て右側から引き出され、該配線は、表示装置110の外縁とタッチパネル120との間の額縁領域A101を引き回されてタッチパネルコントローラ130に接続されている。なお、以下に説明することは、タッチパネル120の奥側にタッチパネルコントローラ130が配置され、配線がフレキシブルケーブル等を介して湾曲して手前側から奥側に延びているような配線の引き回し構造であっても同じことである。
この場合、額縁領域A101における配線の引き回し面積が多く必要であるとともに、タッチパネル120を表示装置110の中央部に配置するために、配線が無い部分の額縁領域A102も設ける必要がある。そのため、額縁領域A101・A102を狭くすることが難しく、タッチパネル120の面積、すなわち表示画面領域A100をさらに大きくすることが困難であるという問題がある。
そこで、この問題を解決するために、例えば、タッチパネル120の左右の2辺からそれぞれ配線を引き出すと、配線を引き回すための領域をタッチパネル120の両側に設けることができ、額縁領域A101・A102を狭くすることができる。
しかしながら、このようにして額縁領域A101・A102を狭くしようとすると、差分信号処理によるノイズ除去の効果が低下し得るという新たな問題が発生することを本発明者らは見出した。この問題について、図9および図10に基づいて説明する。
図9の(a)は、従来のタッチパネルシステム100におけるタッチパネル120の片側(図の右側)から配線を引き出した場合の配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチ131が(a)とは逆の端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。なお、配線の引き回し構造を見やすくするために、タッチパネル120の右下方向にスイッチ131が位置するように図示している。このことは本明細書の以下の説明においても同様である。
図9の(a)に示すように、タッチパネル120は、センスライン123として20本のセンスラインSL0〜SL19を含んでいる。タッチパネル120は、センスラインSL0〜SL19のそれぞれに対応するセンス配線SW0〜SW19によってスイッチ131と接続されている。図9の(a)は、スイッチ131が上側の端子を選択した状態である。
スイッチ131には、上から下へと順番にセンス配線SW0〜SW19が接続されており、さらに、センス配線SW19の下にサブセンス配線SXWが接続されている。このサブセンス配線SXWは、ノイズを検出するための図示しない基準電位を備えるサブセンスラインと接続されている。
また、減算部132は、10個の差動増幅器1321〜1330を備えている。差動増幅器1321は、図9の(a)の状態において、センスラインSL0とセンスラインSL1との間の差分信号処理を行い、図9の(b)の状態において、センスラインSL1とセンスラインSL2との間の差分信号処理を行う。差動増幅器1322〜1329も同様に、隣接するセンスラインの差分信号処理を行う。差動増幅器1330は、図9の(a)の状態において、センスラインSL18とセンスラインSL19との間の差分信号処理を行い、図9の(b)の状態において、センスラインSL19とサブセンスラインとの間の差分信号処理を行う。
このようなタッチパネルシステム100を用いて、多様な種類のノイズを除去することができる。その一方で、このような配線構造の場合、額縁領域A101(図8参照)の面積が広くなってしまう。
そこで、タッチパネル120の左右(両側)から配線が引き出される配線構造とすることが考えられる。図10の(a)は、従来のタッチパネルシステム100におけるタッチパネル120の両側から配線を引き出した場合の配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチ131が(a)とは逆の端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。
タッチパネル120の上半分に配置された10本のセンスラインSL0〜SL9のそれぞれに対応するセンス配線SW0〜SW9は、タッチパネル120の右側から引き出されて、スイッチ131に接続されている。また、タッチパネル120の下半分に配置された10本のセンスラインSL10〜SL19のそれぞれに対応するセンス配線SW10〜SW19は、タッチパネル120の左側から引き出され、引き回されてスイッチ131に接続されている。
このように配線を引き出すことによれば、図9の場合に比べて、額縁領域A101・A102の大きさを半分程度にすることができる。
ここで、タッチパネル120の中央部において隣接する、センスラインSL9およびセンスラインSL10に注目する。センスラインSL9のセンス配線SW9は右側に、センスラインSL10のセンス配線SW10は左側にそれぞれ引き出されている。
図10の(a)の状態において、差動増幅器1325は、センスラインSL8とセンスラインSL9との間の差分信号処理を行い、差動増幅器1326は、センスラインSL10とセンスラインSL11との間の差分信号処理を行う。この場合、センスラインSL8とセンスラインSL9との配線経路の差、およびセンスラインSL10とセンスラインSL11との配線経路の差は小さいため、差分信号処理によるノイズ除去に特に問題は生じない。
これに対して、スイッチ131が下側の端子を選択した、図10の(b)の状態において、差動増幅器1325は、センスラインSL9とセンスラインSL10との間の差分信号処理を行う。ここで、センスラインSL9とセンスラインSL10との配線経路の差が大きくなっている。そのため、そのような配線経路の差(配線の影響)によって、差分信号処理によるノイズ除去の効果が低下し得る。
図11は、差分信号処理済みの信号を用いて算出された、タッチパネル120の中央部の差分マップ(容量分布データ)である。図11に示すように、タッチパネル120の中央部に、配線経路の差に起因するノイズ信号が発生してしまう。つまり、配線の影響によりタッチパネル120の中央部分の減算を正確に行うことができず(ノイズキャンセルの効果が小さくなり)、ノイズが残存してしまう。そのため、タッチ信号の検出に支障をきたす。
以上のように、従来のタッチパネルシステム100には、額縁領域A101・A102を狭くしようとすると、差分信号処理によるノイズ除去の効果が低下し得るという問題がある。
<本実施形態のタッチパネルシステム>
本発明の一実施形態について、図1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施形態では、本発明のタッチパネルシステムの一例としての、静電容量方式のタッチパネルを備えたタッチパネルシステムについて説明する。
なお、本発明のタッチパネルシステムとしては、必ずしもこれに限らない。本発明の一態様は、差分信号処理によるノイズ除去を行うタッチパネルシステムに適用することができ、タッチパネルの動作原理(センサの動作方式)は特に限定されない。例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、超音波方式、または電磁誘導結合方式等の、複数本のタッチ検出ラインを有するタッチパネルを備えたタッチパネルシステムに適用することができる。また、表示装置の種類も限定されるものではない。
本実施形態のタッチパネルシステム1aの構成について、図1に基づいて説明する。図1の(a)は、本実施形態におけるタッチパネルシステム1aの基本構成を示す概略図であり、(b)は、タッチパネル3からの信号の流れを説明するための模式図である。
図1の(a)に示すように、タッチパネルシステム1aは、表示装置2、タッチパネル3、およびタッチパネルコントローラ4を備えており、差分信号処理によるノイズ除去の機能を有する。タッチパネルコントローラ4は、制御部30、ドライブライン駆動部20、および検出回路10を備えている。検出回路10は、フェーズ切替部(切替回路)11、減算部12、信号選択部13、A/D変換部14、復号処理部15、およびタッチ位置検出部16を備えている。また、タッチパネルシステム1aは、ドライブラインDrLを並列駆動するようになっている。この並列駆動については後述する。
(表示装置)
表示装置2は、図示しない表示画面(表示部)を備えている。表示画面には、操作用の各種アイコンや、使用者の操作指示に応じた文字情報等が表示される。表示装置2は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED;field emission display)等から構成される。これらのディスプレイは、日常的な電子機器に多用されており、汎用性の高いタッチパネルシステム1aが構成される。表示装置2は、任意の構成とすればよく、特に限定されない。
(タッチパネル)
タッチパネル3は、使用者が指またはペン等によりタッチパネル3の表面をタッチ(押圧)操作することによって、各種の操作指示を入力する、投影型静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル3は、表示画面を覆うように、表示装置2の前面(上部)に積層されている。
ここで、タッチパネル3の具体的な構成について、図1の(b)を参照して説明する。図1の(b)では、説明の便宜上、タッチパネル3の一部として、タッチパネル3の中央部を拡大して示している。図1の(b)に示すように、タッチパネル3は、センサ部3aを備え、使用者によるタッチ操作を検出する。このタッチ操作には、ダブルクリック操作、スライド操作、シングルクリック操作、ドラッグ操作等が含まれる。
センサ部3aは、複数本のセンスラインSLと、各センスラインSLに交差する複数本のドライブラインDrLと、を備えている。本実施形態では、センスラインSLは20本、ドライブラインDrLは28本となっている。センスラインSLとドライブラインDrLとは、それぞれ互いに絶縁され、かつ、容量結合している。複数本(本実施形態では20本)のセンスラインSLは、それぞれ、互いに並行に、かつ等間隔に設けられている。複数本(本実施形態では28本)のドライブラインDrLも、それぞれ、互いに並行に、かつ等間隔に設けられている。
ここで、本実施形態のセンサ部3aにおける図面の上側の複数本のセンスラインSL(本実施形態では10本)をまとめて第1センスライン群SLG1とし、下側の複数本のセンスラインSL(本実施形態では10本)をまとめて第2センスライン群SLG2とする。センサ部3aは、第1センスライン群SLG1と第2センスライン群SLG2との間において、センスラインSLと並行に設けられた(同一方向に延びている)、1本の両側配線センスラインをさらに備えている。詳しくは後述するが、この両側配線センスラインは、その長手方向の両端の部分がそれぞれ配線と接続されており、より具体的には二経路配線センスライン(Double Routing Sense Line)と称することもできる。記載の簡略化のために、本明細書の説明および図面では、上記両側配線センスラインを両側センスラインDRSLと称して説明する。
なお、両側センスラインDRSLは、複数本設けられていてもよい。
換言すれば、タッチパネル3には、第1センスライン群SLG1を構成する10本の第1センスラインSLFと、少なくとも1本の両側センスラインDRSLと、第2センスライン群SLG2を構成する10本の第2センスラインSLSと、が配置されている。タッチパネル3では、横方向に設けられたセンスラインSLおよび両側センスラインDRSLと、縦方向に設けられたドライブラインDrLとが、二次元マトリクス状に配置されている。
両側センスラインDRSLは、上記20本のセンスラインSLと同一平面上に設けられている。この両側センスラインDRSLは、例えば、センサ部3aが有する複数本のセンスラインSLのうちの1本を両側センスラインDRSLとして利用したものであってよく、センスラインSLと同様の機能を有する。なお、両側センスラインDRSLは、上記20本のセンスラインSLと略同一平面上に設けられていてもよい。両側センスラインDRSLで生じるノイズと、両側センスラインDRSLに隣接するセンスラインSLで生じるノイズとが対応する同様のノイズとなるように、両側センスラインDRSLが配置されていればよい。
センスラインSL、両側センスラインDRSL、およびドライブラインDrLは、それぞれ線状電極からなる。なお、センスラインSL、両側センスラインDRSL、およびドライブラインDrLは、直線状に配列した電極からなっていればよく、その電極形状としては公知の形状であってよい。つまり、電極形状は特に限定されるものではない。
各センスラインSLの一端と、タッチパネルコントローラ4のフェーズ切替部11とは、配線によって互いに接続されている。この配線を、以下ではセンス配線SWと称する。上記第1センスライン群SLG1を構成する複数本の第1センスラインSLFにそれぞれ接続されたセンス配線SWの束を、第1センス配線群SWG1とする。また、第2センスライン群SLG2を構成する複数本の第2センスラインSLSにそれぞれ接続されたセンス配線SWの束を、第2センス配線群SWG2とする。
本実施形態では、第1センス配線群SWG1および第2センス配線群SWG2はそれぞれ10本の配線を含む。つまり、第1センス配線群SWG1は、10本の第1センスラインSLFにそれぞれ対応する10本の第1センス配線(第1配線)SWFから構成され、第2センス配線群SWG2は、10本の第2センスラインSLSにそれぞれ対応する10本の第2センス配線(第2配線)SWSから構成されている。
第1センス配線群SWG1は、第1方向としてのセンサ部3aの右側から引き出されて、フェーズ切替部11へと接続されている。第2センス配線群SWG2は、第1方向とは逆の第2方向としてのセンサ部3aの左側から引き出され、引き回されてフェーズ切替部11へと接続されている。換言すれば、第1センスラインSLFは、上記第1方向に沿ってタッチパネル3から引き出されて第1センス配線SWFと接続されており、第2センスラインSLSは、上記第1方向とは逆の第2方向に沿ってタッチパネル3から引き出されて第2センス配線SWSと接続されている。
また、両側センスラインDRSLは、その両側から配線が引き出され、その2つの配線が合流してタッチパネルコントローラ4のフェーズ切替部11に接続されている。この両側センスラインDRSLの配線(両側配線DRW)について、詳しくは後述する。
なお、各種のセンスラインSLおよび両側センスラインDRSLと、各配線とは、通電可能に接続されていればよく、その接続部の位置等、接続の具体的な態様は特に限定されるものではない。
センサ部3aで検出された信号は、各センス配線SWおよび両側配線DRWを介して、フェーズ切替部11に出力される。つまり、センサ部3aで検出されたタッチ操作に応じた信号が、フェーズ切替部11に出力される。
センスラインSL、ドライブラインDrL、および両側センスラインDRSLは、いずれも、例えば、ITO(Indium Thin Oxide:酸化インジウムスズ)などの透明な配線材料から形成することができる。センスラインSL、ドライブラインDrL、および両側センスラインDRSLは、タッチパネル3におけるセンサ電極であるともいえる。
なお、ドライブラインDrLは、透明基板または透明フィルム(図示せず)上に設けられている。さらに、ドライブラインDrLは、絶縁層(図示せず)により被覆されている。この絶縁層上には、センスラインSLおよび両側センスラインDRSLが設けられている。このように、センスラインSLまたは両側センスラインDRSLと、ドライブラインDrLとは、絶縁層を介して互いに絶縁されると共に、容量結合している。センスラインSLおよび両側センスラインDRSLは、保護層(図示せず)により被覆されている。つまり、タッチパネル3では、保護層が、最も前面側(使用者側)に配置されている。
なお、センスラインSL、両側センスラインDRSL、ドライブラインDrLの本数、長さ、幅、間隔等は、タッチパネルシステム1aの用途またはタッチパネル3のサイズ等により任意に設定することができる。
(タッチパネルコントローラ)
タッチパネルコントローラ4は、ドライブラインDrLを駆動するドライブライン駆動部20と、センサ部3aから入力された信号(データ)を読み取ってタッチ位置を検出する検出回路10と、各部を統括的に制御する制御部30とを備えている。
タッチパネルシステム1aは、静電容量方式のセンサを備えているため、タッチパネルコントローラ4は、タッチパネル3で発生した静電容量を検出する。具体的にはタッチパネルコントローラ4は、センスラインSL−ドライブラインDrL間の静電容量の変化、両側センスラインDRSL−ドライブラインDrL間の静電容量の変化を検出する。
(ドライブライン駆動部)
ドライブライン駆動部20は、制御部30からの信号に基づいてドライブラインDrLを並列駆動する。この並列駆動の具体的構成および検出した静電容量の信号の処理については、公知の方式であるので、説明の便宜上、詳細な説明は省略するが、概略的には、復号処理部15の説明と合わせて後述する。
(検出回路)
検出回路10は、入力側から順に、フェーズ切替部11、減算部12、信号選択部13、A/D変換部14、復号処理部15、およびタッチ位置検出部16を備えている。
{フェーズ切替部}
フェーズ切替部(切替回路)11は、図1の(b)に示すように、入力側から順に、入力端子群11a、スイッチ11b、および出力端子群11cを備えている。入力端子群11aおよび出力端子群11cはそれぞれ、個々の信号の流れに対応した複数の端子を備えている。入力端子群11aは、少なくとも、タッチパネル3が有するセンスラインSLおよび両側センスラインDRSLの合計と同じ数の入力端子Inpを有している。出力端子群11cは、少なくとも、後述する複数の差動増幅器12aに対応する数の出力端子Outを有している。
スイッチ11bは、センスラインSLおよび両側センスラインDRSLから減算部12に入力される信号を切り替える。より詳細には、スイッチ11bは、一端が1つの出力端子Outと接続され、他端がその出力端子Outに対応する隣接する(図の上下に配置された)2つの入力端子Inpのいずれかを選択して接続されるようになっている。
スイッチ11bが上側の入力端子Inpを選択している状態を第1フェーズとし、下側の入力端子Inpを選択している状態を第2フェーズとすると、フェーズ切替部11は、第1フェーズおよび第2フェーズを切替可能となっている。このスイッチ11bによる信号の切り替えについて、詳しくはタッチパネルシステム1aのノイズ処理の説明と合わせて後述する。
フェーズ切替部11の入力端子群11aには、第1センス配線群SWG1、第2センス配線群SWG2、および両側配線DRW(二経路配線)がそれぞれ接続されている。ここで、第1センス配線群SWG1は、タッチパネル3の右側から引き出されて、各第1センス配線SWFが隣接するようにまとまって入力端子群11aに接続されている。また、第2センス配線群SWG2は、タッチパネル3の左側から引き出され、タッチパネル3を回り込むように引き回されて、各第2センス配線SWSが隣接するようにまとまって入力端子群11aに接続されている。
そして、第1センス配線群SWG1および第2センス配線群SWG2の間にて、両側配線DRWが入力端子群11aに接続されている。ここで、両側配線DRWは、両側センスラインDRSLの両端から引き出されて、2つの配線が合流して、入力端子群11aに接続されている。具体的には、両側配線DRWは、(i)両側センスラインDRSLの右側から引き出されて(上記第1方向に沿ってタッチパネル3から引き出されて)、第1センス配線SWFに沿って延びる第1両側配線(第1経路配線)DRW1と、(ii)両側センスラインDRSLの左側から引き出され(上記第2方向に沿ってタッチパネル3から引き出されて)、タッチパネル3を回り込むように引き回されて第2センス配線SWSに沿って延びる第2両側配線(第2経路配線)DRW2と、を含んでいる。
両側配線DRWは、第1両側配線DRW1と第2両側配線DRW2とが途中で合流する配線合流部40を備えている。配線合流部40によって形成された1本の両側配線DRW(第3両側配線DRW3(図2参照))がフェーズ切替部11の入力端子群11aに接続されている。この配線合流部40の具体的な構成は特に限定されない。
以下に減算部12、信号選択部13、A/D変換部14、復号処理部15、およびタッチ位置検出部16について説明するが、これらの各部が行う演算処理については、公知の技術を適用することができるため、説明の便宜上、詳細な説明は省略する。
{減算部}
減算部12は、図1の(b)に示すように、複数個(本実施形態では10個)の差動増幅器(差動入力増幅回路)12aを備えている。ここで、タッチパネル3のセンスラインSLおよび両側センスラインDRSLからの出力信号は、アナログ信号であるとともに、ドライブラインDrLが並列駆動されることによって得られる線形和信号となっている。
差動増幅器12aは、フェーズ切替部11のスイッチ11bにより選択された、互いに隣接するセンスラインSLから出力される、または隣接するセンスラインSLと両側センスラインDRSLとから出力されるアナログの線形和信号の差分を増幅するオペアンプである。
つまり、減算部12は、センサ部3aからの信号を受信し、ノイズの相関性がより高い、互いに隣接するライン間の差分信号値を算出する。減算部12で減算処理された信号は、信号選択部13に出力される。
なお、差動増幅器12aは、レールトゥレール(rail to rail)動作可能な全差動増幅器であってもよい。この場合、全差動増幅器は、電源電圧(Vdd)からGNDまでの電圧範囲で動作可能であり、減算部12からの出力信号に、出力飽和の問題が生じない。
{信号選択部}
信号選択部13は、図1の(b)に示すように、複数の記憶部13aを備えている。記憶部13aは、スイッチ11bにより一方の端子が選択された場合の、減算部12による差分処理された信号(差分処理信号)を記憶する。記憶部13aに記憶された差分処理信号は、A/D変換部14に出力される。スイッチ11bにより他方の端子が選択された場合、差分処理信号は、記憶部13aを経由しない。
信号選択部13は、いわゆるサンプルホールド回路としての機能およびマルチプレクサとしての機能を有しており、減算部12から受信した各信号を、適切なタイミングでA/D変換部14に送信するようになっている。
{A/D変換部}
A/D変換部14は、減算部12にて減算処理され、信号選択部13を介して受信したアナログ信号を、デジタル信号に変換する。
{復号処理部}
復号処理部15は、減算部12で算出された静電容量の差分値をA/D変換部14によって変換して得られたデジタル信号を復号化する。タッチパネルシステム1aにおけるドライブラインDrLの並列駆動および復号処理部15における復号化については、公知の構成を適用することができる。概略的には、以下のとおりである。なお、以下では、説明の便宜上、センスラインSLと両側センスラインDRSLとを区別せずに説明を行う。
復号処理部15は、ドライブラインDLを並列駆動する符号系列と、センスラインSL方向の容量値の差分分布との内積を演算する。復号処理部15では、復号後の内積値の主成分として、センスラインSL方向の容量値の差分分布がN倍され算出される。Nは、上記符号系列の符号長である。
したがって、内積値 を、センスラインSL方向の容量値の差分分布の推定値とすることにより、その容量値の信号強度をN倍(符号長倍)にした読み出しが可能になる。これにより、ドライブラインDrLの駆動時間が、ドライブラインDrLを逐次駆動する駆動方式の場合の1/Nに短縮される。つまり、ドライブラインDrLの駆動回数を減らすことができる。そのため、タッチパネルシステム1aの省電力化が可能となる。
{タッチ位置検出部}
タッチ位置検出部16が実行する処理は、公知のタッチパネルコントローラが行う処理と同様であってよい。タッチ位置検出部16は、ノイズ信号が除去された互いに隣接するセンスラインSLの信号の差分に基づいて、各センスラインSLの信号の差分分布を示す差分マップを作成する。この差分マップに基づいて、タッチ情報(タッチの大きさ、位置など)を認識することにより、タッチ操作の有無に加えて、タッチ情報を認識することができる。
(制御部)
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)若しくは専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等のメモリ部品(いずれも図示せず)等により構成されており、上記メモリ部品に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行する。制御部30は、ドライブライン駆動部20および検出回路10の各部を、統括的に制御する。
(本実施形態のタッチパネルシステムの配線構造)
ここで、図2の(a)、(b)を参照して、タッチパネルシステム1aの配線構造についてより詳細に説明する。図2の(a)は、タッチパネルシステム1aの配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチ11bが(a)とは逆の端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。
図2の(a)に示すように、タッチパネル3は、10本の第1センスラインSLFと、10本の第2センスラインSLSと、10本の第1センスラインSLFからなる第1センスライン群SLG1と10本の第2センスラインSLSからなる第2センスライン群SLG2との間に配置された1本の両側センスラインDRSLと、を有している。
10本の第1センスラインSLFをそれぞれ、タッチパネル3の上から順にセンスラインSL0〜センスラインSL9とし、10本の第2センスラインSLSをそれぞれ、タッチパネル3の上から順にセンスラインSL10〜センスラインSL19とする。センスラインSL9とセンスラインSL10との間に両側センスラインDRSLは配置されている。
センスラインSL0〜センスラインSL9がそれぞれ、タッチパネル3の右側から(第1方向に沿って)引き出されて10本の第1センス配線SWFと接続されている。センスラインSL0〜センスラインSL9のそれぞれに対応する、10本の第1センス配線SWFをそれぞれ、センス配線SW0〜SW9とする。
また、センスラインSL10〜センスラインSL19がそれぞれ、タッチパネル3の左側から(第1方向とは逆の第2方向に沿って)引き出されて10本の第2センス配線SWSと接続されている。センスラインSL10〜センスラインSL19のそれぞれに対応する、10本の第2センス配線SWSをそれぞれ、センス配線SW10〜SW19とする。
センス配線SW0〜SW9は、タッチパネル3の右側の経路を通って入力端子群11aに接続している。センス配線SW10〜SW19は、タッチパネル3の左側から引き出され、センス配線SW0〜SW9よりも長い経路を通って入力端子群11aに接続している。つまり、タッチパネルシステム1aは、センス配線SW0〜SW9とセンス配線SW10〜SW19とで、タッチパネル3からタッチパネルコントローラ4までの配線経路(配線の長さ)が異なる構成となっている。
両側センスラインDRSLは、タッチパネル3の右側から引き出されて第1両側配線DRW1と接続されているとともに、タッチパネル3の左側から引き出されて第2両側配線DRW2と接続されている。第1両側配線DRW1は、センス配線SW0〜SW9に沿った経路にて延びており、第2両側配線DRW2は、センス配線SW10〜SW19に沿った経路にて延びている。
そして、第1両側配線DRW1および第2両側配線DRW2は、配線合流部40にて合流し、合流後の1つの第3両側配線DRW3が入力端子Inpに接続している。つまり、両側配線DRWは、第1両側配線DRW1と、第2両側配線DRW2と、第3両側配線DRW3とからなっている。
センス配線SW0〜SW9と、第3両側配線DRW3と、センス配線SW10〜SW19とが接続する入力端子Inpをそれぞれ、図の上から順に入力端子Inp1、Inp2、・・・、Inp21とする。センス配線SW0〜SW9はそれぞれ、入力端子Inp1〜Inp10と接続し、第3両側配線DRW3は入力端子Inp11と接続し、センス配線SW10〜SW19はそれぞれ、入力端子Inp12〜Inp21と接続している。
また、スイッチ11bを介して入力端子Inpと接続される複数の出力端子Outをそれぞれ、図の上から順に出力端子Out1、Out2、・・・、Out20とする。そして、各出力端子Outからの信号を受信する差動増幅器12aをそれぞれ、図の上から順に差動増幅器12a1、差動増幅器12a2、・・・、差動増幅器12a10とする。
スイッチ11bが上側の入力端子を選択している図2の(a)の状態を第1フェーズと称し、スイッチ11bが下側の入力端子を選択している図2の(b)の状態を第2フェーズと称することとする。
図2の(a)に示す第1フェーズでは、入力端子群11a、スイッチ11b、出力端子群11cを介して、差動増幅器12a1〜12a5に入力される信号の組合せはそれぞれ、(SL0、SL1)、(SL2、SL3)、(SL4、SL5)、(SL6、SL7)、(SL8、SL9)であり、差動増幅器12a6〜12a10に入力される信号の組合せはそれぞれ、(DRSL、SL10)、(SL11、SL12)、(SL13、SL14)、(SL15、SL16)、(SL17、SL18)となる。
一方、図2の(b)に示す第2フェーズでは、入力端子群11a、スイッチ11b、出力端子群11cを介して、差動増幅器12a1〜12a5に入力される信号の組合せはそれぞれ、(SL1、SL2)、(SL3、SL4)、(SL5、SL6)、(SL7、SL8)、(SL9、DRSL)であり、差動増幅器12a6〜12a10に入力される信号の組合せはそれぞれ、(SL10、SL11)、(SL12、SL13)、(SL14、SL15)、(SL16、SL17)、(SL18、SL19)となる。
このように、本実施形態のタッチパネルシステム1aでは、第1フェーズと第2フェーズとの両方において、第1センスライン群SLG1の第1センスラインSLFと第2センスライン群SLG2の第2センスラインSLSとが同じ差動増幅器12aに入力されることが無い。
ここで、両側センスラインDRSLは、タッチパネル3上のセンスラインSLと同様の構成であり、かつ、両側配線DRWが第1センス配線群SWG1と第2センス配線群SWG2との双方の配線経路成分を含むように構成されているので、センスラインSLが外来のノイズの影響を受けた場合に、以下のことがいえる。すなわち、両側配線DRWが接続する入力端子Inp11に入力される信号は、隣接する入力端子Inp10に入力される信号(センス配線SW9を通じて入力されるセンスラインSL9からの信号)および入力端子Inp12に入力される信号(センス配線SW10を通じて入力されるセンスラインSL10からの信号)と同様のノイズ成分を含む。
このため、両側センスラインDRSLと、センスラインSL9またはセンスラインSL10との差動を取ることにより、外来のノイズを除去することができる。
なお、以上の点からすれば、両側センスラインDRSLは、差分信号の演算において、第1センスラインSLFおよび第2センスラインSLSによって共用される共用センスライン(シェアセンスライン)と称することもできる。
<本実施形態のタッチパネルシステムのノイズ処理>
図3に基づいて、タッチパネルシステム1aのノイズキャンセル処理について説明する。図3は、本実施形態のタッチパネルシステム1aの基本処理であるノイズキャンセル処理を示すフローチャートである。
タッチパネルシステム1aを起動すると、ドライブライン駆動部20はドライブラインDrLを並列駆動する。使用者がタッチパネル3にタッチ操作を行うと、タッチ位置に対応する特定のセンスラインSLの容量が増加する。つまり、そのセンスラインSLからの出力信号値が増加する。
タッチパネルシステム1aは、各ドライブラインDrLを駆動しつつ、センスラインSLおよび両側センスラインDRSLからの出力信号を、タッチパネルコントローラ4に出力する(ステップ1:以下S1のように略記する)。このように、タッチパネルシステム1aは、ドライブラインDrLを駆動しつつ、センスラインSLおよび両側センスラインDRSLの容量変化を検出し、タッチ操作の有無およびタッチ位置を検出する。
より詳細には、表示装置2が発生するクロック等のノイズ、および、その他外来からのノイズは、タッチパネル3に反映される。このため、センスラインSLおよび両側センスラインDRSLからの出力信号には、タッチ操作本来の信号に、ノイズ信号(ノイズ成分)が加算されている。
次に、フェーズ切替部11のスイッチ11bにおいて、上側の入力端子Inpを選択する(S2)。
そして、減算部12において、下記(i)〜(iii)を算出する(S3)。
(i)第1センスライン群SLG1の隣接するセンスラインSL間の差分を算出する。具体的には、センスラインSL0−センスラインSL1、センスラインSL2−センスラインSL3、センスラインSL4−センスラインSL5、センスラインSL6−センスラインSL7、およびセンスラインSL8−センスラインSL9の各差分信号処理をそれぞれ、差動増幅器12a1〜差動増幅器12a5が行う。
(ii)両側センスラインDRSLと、第2センスライン群SLG2の両側センスラインDRSLと隣接するセンスラインSL10との差分を算出する。具体的には、差動増幅器12a6が、両側センスラインDRSL−センスラインSL10の差分信号処理を行う。
(iii)第2センスライン群SLG2の残りのセンスラインSL11〜センスラインSL19の隣接するセンスラインSL間の差分を算出する。具体的には、センスラインSL11−センスラインSL12、センスラインSL13−センスラインSL14、センスラインSL15−センスラインSL16、およびセンスラインSL17−センスラインSL18の各差分信号処理をそれぞれ、差動増幅器12a7〜差動増幅器12a10が行う。
上記S3にて減算部12で算出された差分信号は、記憶部13aに記憶される(S4)。
次に、上側の入力端子Inpが選択されているスイッチ11bを、下側の端子を選択するように切り替える(S5)。そして、減算部12において、S3と同様に処理する。すなわち、減算部12において、下記(i)〜(iii)を算出する(S6)。
(i)第1センスライン群SLG1における、両側センスラインDRSLと隣接するセンスラインSL9以外のセンスラインSL1〜センスラインSL8の、隣接するセンスラインSL間の差分を算出する。具体的には、センスラインSL1−センスラインSL2、センスラインSL3−センスラインSL4、センスラインSL5−センスラインSL6、およびセンスラインSL7−センスラインSL8の各差分信号処理をそれぞれ、差動増幅器12a1〜差動増幅器12a4が行う。
(ii)第1センスライン群SLG1における両側センスラインDRSLと隣接するセンスラインSL9と、両側センスラインDRSLとの差分を算出する。具体的には、差動増幅器12a5が、センスラインSL9−両側センスラインDRSLの差分信号処理を行う。
(iii)第2センスライン群SLG2の隣接するセンスラインSL間の差分を算出する。具体的には、センスラインSL10−センスラインSL11、センスラインSL12−センスラインSL13、センスラインSL14−センスラインSL15、センスラインSL16−センスラインSL17、およびセンスラインSL18−センスラインSL19の各差分信号処理をそれぞれ、差動増幅器12a6〜差動増幅器12a10が行う。
次に、信号選択部13は、S6において減算部12で算出された差分信号と、S3において減算部12で算出されて記憶部13aに記憶された差分信号とを、A/D変換部14に送信して、各信号をデジタル信号に変換する。そして、復号処理部15は、A/D変換された信号に対して、復号化を行い、センスラインSL方向の容量値の差分分布の推定値を求める(S7)。
復号処理部15は、処理後のデータをタッチ位置検出部16に送信する(S8)。タッチ位置検出部16は、受信したデータに基づいて、各センスラインSLの信号の差分分布を示す差分マップを作成する。この差分マップに基づいて、タッチ情報(タッチの大きさ、位置など)を認識することができる。
<本実施形態のタッチパネルシステムの有利な点>
図4を参照して、本実施形態のタッチパネルシステム1aの有利な点について、以下に説明する。図4は、タッチパネルシステム1aにおける額縁面積の低減について説明するための平面図である。
図4に示すように、タッチパネル3は、表示装置2の前面に積層されているとともに、タッチパネル3の左右の額縁領域A2が均等になるように配置されている。タッチパネル3の右側から、第1センスライン群SLG1と接続された第1センス配線群SWG1が引き出されているとともに、両側センスラインDRSLと接続された第1両側配線DRW1が引き出されている。また、タッチパネル3の左側から、第2センスライン群SLG2と接続された第2センス配線群SWG2が引き出されているとともに、両側センスラインDRSLと接続された第2両側配線DRW2が引き出されている。
このように、タッチパネルシステム1aでは、タッチパネル3の左右から配線を引き出すことから、配線を引き回すために必要な領域を狭くすることができる。そのため、タッチパネル3の左右の額縁領域A2を狭くして、タッチパネル3の表示画面領域A1を大きくし得る。
また、タッチパネルシステム1aでは、額縁領域A2での配線経路において、第1両側配線DRW1が第1センス配線群SWG1よりもタッチパネル3に近い側を通り、かつ、第2両側配線DRW2が第2センス配線群SWG2よりもタッチパネル3から遠い側を通るようになっている。これにより、タッチパネル3から引き出した複数の配線がそれぞれ交差することなく整列して額縁領域A2を通過することができる。
ここで、隣接するセンスラインSLからの信号の差分を算出することにより、タッチパネル3に反映された多様な種類のノイズを除去(キャンセル)することができる。しかしながら、配線経路が大きく異なるような場合、配線の影響によってノイズ除去の効果が低減し得る。
そこで、タッチパネルシステム1aでは、両側センスラインDRSLからの配線は、第1両側配線DRW1および第2両側配線DRW2が、配線の途中の配線合流部40で合流して入力端子群11aに接続されている(図2の(a)参照)。そのため、両側配線DRWは、第1センス配線群SWG1と第2センス配線群SWG2との双方の配線経路成分を含むように構成されている。
それゆえ、両側センスラインDRSLからの信号と、両側センスラインDRSLに隣接する第1センスラインSLFおよび第2センスラインSLSからの信号との差分をそれぞれ算出した場合に、配線経路の差によってタッチパネル3の中央部のノイズ除去の効果が低減するという現象が生じることを抑制することができる。
したがって、タッチパネルシステム1aは、額縁領域A2(額縁面積)を狭くしつつ、ノイズ除去の効果が低減することを抑制することができる。
本実施形態のタッチパネルシステム1aは、タッチパネル式の各種電子機器に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビ、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、携帯ゲーム機、電子フォトフレーム、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、電子ブック、家電製品(電子レンジ,洗濯機等)、券売機、ATM(Automated Teller Machine)、カーナビゲーション等を挙げることができる。これにより、額縁面積を狭くした場合に、ノイズ除去の効果が低減することを抑制し得る電子機器を提供することができる。
<その他の構成>
以上に説明した構成について、より一般化して表現すると以下のとおりである。
タッチパネル3は、M本の第1センスラインSLFと、N本の第2センスラインSLSと(M、Nは複数)、L本の両側センスラインDRSL(Lは1以上の整数)とを有している。減算部12が備える差動増幅器12aの数をK個とする。ここで、Kは、(M+N+L)=(2K+1)を満足する整数となっている。
M本の第1センスラインSLFのそれぞれに対応するM本の第1センス配線SWFが、フェーズ切替部11に配置された1番目からM番目の入力端子Inp(入力端子Inp1〜InpM)に接続される。L本の両側センスラインDRSLのそれぞれに対応するL本の両側配線DRWが、フェーズ切替部11に配置されたM+1番目からM+L番目の入力端子Inp(入力端子Inp(M+1)〜Inp(M+L))に接続される。そして、N本の第2センスラインSLSのそれぞれに対応するN本の第2センス配線SWSが、フェーズ切替部11に配置されたM+L+1番目からM+L+N番目の入力端子Inp(入力端子Inp(M+L+1)〜Inp(M+L+N))に接続される。
フェーズ切替部11は、上記K個の差動増幅器12aに対応する(2×K)個の出力端子Outを備えている。フェーズ切替部11のスイッチ11bによって、出力端子Outと接続される入力端子Inpを切り替える。これにより、減算部12は、タッチパネル3の隣接するセンスラインSLおよび両側センスラインDRSLの信号の差分を算出する。
L本の両側センスラインDRSLからは、それぞれ、第1センス配線SWFの経路に沿って延びる第1両側配線DRW1と、第2センス配線SWSの経路に沿って延びる第2両側配線DRW2とが引き出されている。それぞれの両側センスラインDRSLの第1両側配線DRW1と第2両側配線DRW2とは、配線経路の途中の配線合流部40にて合流した後、入力端子Inp(入力端子Inp(M+1)〜Inp(M+L))に接続される。
(変形例)
(a)第1両側配線DRW1および第2両側配線DRW2は、合流することなく別々の配線としてそのまま入力端子群11aに接続される構成であってもよい。この場合、例えば、図2の(a)における入力端子Inp11は、第1両側配線DRW1に対応する第1入力端子と、第2両側配線DRW2に対応する第2入力端子とを有する。第1フェーズにおいて上記第2入力端子と差動増幅器12a6とが接続し、第2フェーズにおいて上記第1入力端子と差動増幅器12a5とが接続するようになっていればよい。このような構成についても本発明の範疇に入ることは、明らかである。
(b)図2の(a)に示した配線構造は一例であって、例えば、タッチパネル3における第2センスライン群SLG2としてのセンスラインSL10〜センスラインSL19がそれぞれ、入力端子群11aに逆の順番で接続されてもよい。具体的には、センスラインSL19〜センスラインSL10が、この順番にて、入力端子Inp12〜入力端子Inp21にそれぞれ接続されるように配線が引き回されていてもよい。
(c)ドライブライン駆動部20は、複数本のドライブラインDrLを並列駆動するのではなく、順次駆動するようになっていてもよい。この場合、検出回路10は復号処理部15を備えていなくてよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記実施形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
前記実施形態1のタッチパネルシステム1aは、タッチパネル3における第1センスライン群SLG1と第2センスライン群SLG2との間に両側センスラインDRSLが配置されていた。これに対して、本実施形態のタッチパネルシステム1bでは、第2センスライン群SLG2の下側、すなわちセンスラインSL19に隣接する位置に両側センスラインDRSLが配置されている点が異なっている。
本実施形態のタッチパネルシステム1bの配線構造について、図5の(a)および(b)に基づいて説明する。図5の(a)は、タッチパネルシステム1bの配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチ11bが(a)とは逆の端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。
タッチパネルシステム1bのタッチパネル3は、10本の第1センスラインSLFと、10本の第2センスラインSLSと、10本の第2センスラインSLSからなる第2センスライン群SLG2に隣接して配置された1本の両側センスラインDRSLと、を有している。
つまり、タッチパネル3には、図面における上から順に、センスラインSL0〜センスラインSL9(第1センスライン群SLG1)、センスラインSL10〜センスラインSL19(第2センスライン群SLG2)、および両側センスラインDRSLが配置されている。
この場合においても、両側センスラインDRSLは、タッチパネル3の右側から引き出されて第1両側配線DRW1と接続されているとともに、タッチパネル3の左側から引き出されて第2両側配線DRW2と接続されている。第1両側配線DRW1は、センス配線SW0〜SW9に沿った経路にて延びており、第2両側配線DRW2は、センス配線SW10〜SW19に沿った経路にて延びている。
そして、第1両側配線DRW1および第2両側配線DRW2は、配線合流部40にて合流し、合流後の1つの第3両側配線DRW3が入力端子群11aに接続している。
複数の入力端子Inpをそれぞれ、図の上から順に入力端子Inp1、Inp2、・・・、Inp21とする。センス配線SW0〜SW9はそれぞれ、入力端子Inp1〜Inp10と接続し、第3両側配線DRW3は入力端子Inp11と接続し、センス配線SW10〜SW19はそれぞれ、入力端子Inp12〜Inp21と接続している。
両側配線DRWは、第1センス配線群SWG1(センス配線SW0〜SW9)と第2センス配線群SWG2(センス配線SW10〜SW19)との双方の配線経路成分を含むように構成されている。
そのため、減算部12において差分信号処理を実行するにあたって、両側センスラインDRSLからの信号と両側センスラインDRSLに隣接する第2センスラインSLS(センスラインSL19)からの信号との差分、および、両側センスラインDRSLからの信号と第1センスラインSLS(センスラインSL9)からの信号との差分、をそれぞれ算出した場合に、配線経路の差によってノイズ除去の効果が低減するという現象が生じることを抑制することができる。
したがって、額縁面積を狭くしつつ、ノイズ除去の効果が低減することを抑制することができる。
また、両側センスラインDRSLがタッチパネル3の端に設けられていることにより、タッチ有効面積をさらに広げることができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1および実施形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記実施形態1および実施形態2の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
前記実施形態2のタッチパネルシステム1bは、タッチパネル3に配置された複数本のセンスラインSLのうち、上半分を第1センスライン群SLG1とし、下半分を第2センスライン群SLG2としていた。これに対して、本実施形態のタッチパネルシステム1cでは、タッチパネル3に配置された複数本のセンスラインSLのうち、上から数えて偶数番号のセンスラインSLの組を第1センスライン群SLG1とし、奇数番号のセンスラインSLの組を第2センスライン群SLG2としている点が異なっている。
本実施形態のタッチパネルシステム1cの配線構造について、図6の(a)および(b)に基づいて説明する。図6の(a)は、タッチパネルシステム1cの配線構造を模式的に示す図であり、(b)は、スイッチ11bが(a)とは逆の端子を選択するように切り替わった状態における要部拡大図である。
タッチパネルシステム1cのタッチパネル3は、10本の第1センスラインSLFと、10本の第2センスラインSLSと、1本の両側センスラインDRSLと、を有している。この10本の第1センスラインSLFからなる第1センスライン群SLG1は、タッチパネル3の上から偶数番号のセンスラインSLの組であり、具体的にはセンスラインSL0、センスラインSL2、・・・、センスラインSL18を含む。また、10本の第2センスラインSLSからなる第2センスライン群SLG2は、タッチパネル3の上から奇数番号のセンスラインSLの組であり、具体的にはセンスラインSL1、センスラインSL3、・・・、センスラインSL19を含む。センスラインSL19に隣接して両側センスラインDRSLが配置されている。
第1センスライン群SLG1に対応する10本の第1センス配線SWFからなる第1センス配線群SWG1がタッチパネル3の右側から引き出されている。具体的には、10本の第1センス配線SWFをそれぞれ、センス配線SW0、センス配線SW2、・・・、センス配線SW18とする。また、第2センスライン群SLG2に対応する10本の第2センス配線SWSからなる第2センス配線群SWG2がタッチパネル3の左側から引き出されている。具体的には、10本の第2センス配線SWSをそれぞれ、センス配線SW1、センス配線SW3、・・・、センス配線SW19とする。
両側センスラインDRSLは、タッチパネル3の右側から引き出されて第1両側配線DRW1と接続されているとともに、タッチパネル3の左側から引き出されて第2両側配線DRW2と接続されている。第1両側配線DRW1は、第1センス配線群SWG1に沿った経路にて延びており、第2両側配線DRW2は、第2センス配線群SWG2に沿った経路にて延びている。そして、第1両側配線DRW1および第2両側配線DRW2は、配線合流部40にて合流し、合流後の1つの第3両側配線DRW3が入力端子群11aに接続している。
複数の入力端子Inpをそれぞれ、図の上から順に入力端子Inp1、Inp2、・・・、Inp21とする。第1センス配線群SWG1は、数字の小さい方から順にそれぞれ入力端子Inp1〜Inp10と接続し、第3両側配線DRW3は入力端子Inp11と接続し、第2センス配線群SWG2は、数字の小さい方から順にそれぞれ入力端子Inp12〜Inp21と接続している。
スイッチ11bが上側の入力端子を選択している図6の(a)の状態を第1フェーズと称し、スイッチ11bが下側の入力端子を選択している図6の(b)の状態を第2フェーズと称することとする。
図6の(a)に示す第1フェーズでは、入力端子群11a、スイッチ11b、出力端子群11cを介して、差動増幅器12a1〜12a5に入力される信号の組合せはそれぞれ、(SL0、SL2)、(SL4、SL6)、(SL8、SL10)、(SL12、SL14)、(SL16、SL18)であり、差動増幅器12a6〜12a10に入力される信号の組合せはそれぞれ、(DRSL、SL1)、(SL3、SL5)、(SL7、SL9)、(SL11、SL13)、(SL15、SL17)となる。
一方、図6の(b)に示す第2フェーズでは、入力端子群11a、スイッチ11b、出力端子群11cを介して、差動増幅器12a1〜12a5に入力される信号の組合せはそれぞれ、(SL2、SL4)、(SL6、SL8)、(SL10、SL12)、(SL14、SL16)、(SL18、DRSL)であり、差動増幅器12a6〜12a10に入力される信号の組合せはそれぞれ、(SL1、SL3)、(SL5、SL7)、(SL9、SL11)、(SL13、SL15)、(SL17、SL19)となる。
このように、本実施形態のタッチパネルシステム1cでは、第1フェーズと第2フェーズとの両方において、第1センスライン群SLG1の第1センスラインSLFと第2センスライン群SLG2の第2センスラインSLSとが同じ差動増幅器12aに入力されることが無い。換言すれば、タッチパネル3における偶数組のセンスラインSLと、奇数組のセンスラインSLとが同じ差動増幅器12aに入力されることが無い。
そのため、タッチパネル3の両側から交互にセンス配線SWを引き出すような構成であっても、以下の効果を奏する。すなわち、減算部12において差分信号処理を実行するにあたって、両側センスラインDRSLからの信号と両側センスラインDRSLに隣接する第2センスラインSLS(センスラインSL19)からの信号との差分、および、両側センスラインDRSLからの信号と第1センスラインSLS(センスラインSL1)からの信号との差分、をそれぞれ算出した場合に、配線経路の差によってノイズ除去の効果が低減するという現象が生じることを抑制することができる。
したがって、額縁面積を狭くしつつ、ノイズ除去の効果が低減することを抑制することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1におけるタッチパネルシステムは、タッチパネル3に配置されたM本の第1センスラインSLFとN本の第2センスラインSLSと(M、Nは複数)L本の両側配線センスライン(両側センスラインDRSL)(Lは1以上の整数)とからの信号の差分を増幅するK個の差動入力増幅回路(差動増幅器12a)と(Kは、(M+N+L)=(2K+1)を満足する整数)、前記M本の第1センスラインに対応するM本の第1配線(第1センス配線SWF)と、前記L本の両側配線センスラインに対応するL本の両側配線DRWと、前記N本の第2センスラインに対応するN本の第2配線(第2センス配線SWS)とが接続される(M+L+N)個の入力端子Inpと、前記K個の差動入力増幅回路に対応する(2×K)個の出力端子Outとを有する切替回路(フェーズ切替部11)とを備え、前記M本の第1配線が1番目からM番目に配置された入力端子に接続され、前記L本の両側配線DRWが(M+1)番目から(M+L)番目に配置された入力端子に接続され、前記N本の第2配線が(M+L+1)番目から(M+L+N)番目に配置された入力端子に接続されることを特徴としている。
上記の構成によれば、タッチパネルの周囲の額縁領域を狭くするために、第1配線および第2配線をそれぞれタッチパネルの左右から引き出すような場合において、両側配線が第1配線および第2配線との双方の配線経路成分を含むようにすることができる。この場合、両側配線センスラインからの信号と、第1センスラインおよび第2センスラインからの信号との差分をそれぞれ算出した場合に、配線経路の差によってノイズ除去の効果が低減するという現象が生じることを抑制することができる。
したがって、額縁面積を狭くした場合に、ノイズ除去の効果が低減することを抑制し得るタッチパネルシステムを提供することができる。
本発明の態様2におけるタッチパネルシステムは、態様1におけるタッチパネルシステムにおいて、前記第1センスラインが第1方向に沿って前記タッチパネル3から引き出されて前記第1配線に接続され、前記第2センスラインが前記第1方向とは逆の第2方向に沿って前記タッチパネル3から引き出されて前記第2配線に接続される構成である。
上記の構成によれば、タッチパネルの周囲の額縁領域を狭くすることができ、タッチパネルの領域を広くすることができる。
本発明の態様3におけるタッチパネルシステムは、態様2におけるタッチパネルシステムにおいて、前記両側配線DRWは、前記第1方向に沿って前記タッチパネル3から引き出され、前記第1配線に沿った経路にて延びる第1経路配線(第1両側配線DRW1)と、前記第2方向に沿って前記タッチパネル3から引き出され、前記第2配線に沿った経路にて延びる第2経路配線(第2両側配線DRW2)とが合流する配線合流部40を備えている構成である。
上記の構成によれば、両側配線は、第1配線と第2配線との双方の配線経路成分を含むように構成されている。そのため、両側配線センスラインからの信号と、第1センスラインおよび第2センスラインからの信号との差分をそれぞれ算出した場合に、配線経路の差によってノイズ除去の効果が低減するという現象が生じることを抑制することができる。
したがって、額縁面積を狭くしつつ、ノイズ除去の効果が低減することを抑制することができるタッチパネルシステムを提供することができる。
本発明の態様4における電子機器は、態様1から3のいずれかのタッチパネルシステムを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、表示部の額縁面積を狭くしつつ、ノイズ除去の効果が低減することを抑制することができるタッチパネルシステムを備えた電子機器を提供することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1a〜1c タッチパネルシステム
3 タッチパネル
11 フェーズ切替部(切替回路)
11a 入力端子群
11c 出力端子群
12a 差動増幅器(差動入力増幅回路)
40 配線合流部
DRSL 両側センスライン(両側配線センスライン)
DRW 両側配線
DRW1 第1両側配線(第1経路配線)
DRW2 第2両側配線(第2経路配線)
SLF 第1センスライン
SLS 第2センスライン
SWF 第1センス配線(第1配線)
SWS 第2センス配線(第2配線)
Inp1〜Inp21 入力端子

Claims (4)

  1. タッチパネルに配置されたM本の第1センスラインとN本の第2センスラインと(M、Nは複数)L本の両側配線センスライン(Lは1以上の整数)とからの信号の差分を増幅するK個の差動入力増幅回路と(Kは、(M+N+L)=(2K+1)を満足する整数)、
    前記M本の第1センスラインに対応するM本の第1配線と、前記L本の両側配線センスラインに対応するL本の両側配線と、前記N本の第2センスラインに対応するN本の第2配線とが接続される(M+L+N)個の入力端子と、前記K個の差動入力増幅回路に対応する(2×K)個の出力端子とを有する切替回路とを備え、
    前記M本の第1配線が1番目からM番目に配置された入力端子に接続され、前記L本の両側配線が(M+1)番目から(M+L)番目に配置された入力端子に接続され、前記N本の第2配線が(M+L+1)番目から(M+L+N)番目に配置された入力端子に接続されることを特徴とするタッチパネルシステム。
  2. 前記第1センスラインが第1方向に沿って前記タッチパネルから引き出されて前記第1配線に接続され、
    前記第2センスラインが前記第1方向とは逆の第2方向に沿って前記タッチパネルから引き出されて前記第2配線に接続されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルシステム。
  3. 前記両側配線は、前記第1方向に沿って前記タッチパネルから引き出され、前記第1配線に沿った経路にて延びる第1経路配線と、前記第2方向に沿って前記タッチパネルから引き出され、前記第2配線に沿った経路にて延びる第2経路配線とが合流する配線合流部を備えていることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネルシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネルシステムを備えることを特徴とする電子機器。
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