JP6821168B2 - 植物セルロースの微細化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、植物セルロースの微細化方法に関する。
近年、リサイクル・再商品化事業の動きが活発化し再生資源の利用も定着し始めている。樹脂業界においても、リサイクル・再生が活発化しているが、現在は再生樹脂の物性の改質化を図り、より高度化利用できる再生樹脂を求めると共に品質向上を目指している。
セルロースの利活用について研究開発が多く行われており、セルロースと樹脂の混合・相溶化による改質の向上が図られている。
例えば特許文献1〜特許文献5は、セルロースを樹脂に混合する方法を開示している。
特許文献1は、原料繊維を裁断する裁断工程と、熱可塑性樹脂と裁断繊維とを混練し、混合する混合工程とを備えることで、多量の植物繊維を含有させることができ、且つ射出成形等に用いたときに、十分な流動性を有する熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提案している。
特許文献2は、植物繊維を所定長さの裁断繊維(好ましくは繊維長が20mm以下)とする裁断工程と、裁断繊維を所定寸法の粉砕繊維(好ましくは平均繊維長が0.5〜6mmであり、且つ平均繊維径が10〜60μm)とする粉砕工程と、熱可塑性樹脂と粉砕繊維とを溶融混練して混合する混合工程とを備えることで、多量の植物繊維を含有させることができ、且つ射出成形等に用いたときに、十分な流動性を有する熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提案している。
特許文献3は、熱可塑性樹脂(PP等)を植物性材料(ケナフ等)と混合して、50〜95質量%の植物性材料が含有された第1混合物を得る工程と、熱可塑性樹脂(PP等)を植物性材料(ケナフ等)と混合して、50〜95質量%の植物性材料が含有されると共に、曲げ弾性率が第1混合物の50〜90%、バーフロー長が第1混合物の1.1〜2.5倍の第2混合物を得る工程と、第1混合物を破砕した第1破砕物と第2混合物を破砕した第2破砕物との混合破砕物を得る第3混合工程と、混合破砕物をペレット化するペレット化工程とを備えることで、植物性材料を多く含有しながら射出性に優れ、機械的特性にも優れた成形体が得られる熱可塑性組成物の製造方法及び成形体の製造方法を提案している。
特許文献4は、熱可塑性樹脂と植物繊維とを混練し、混合して樹脂繊維混合物とする混合工程と、樹脂繊維混合物を圧延して平板状の圧延物C1とする圧延工程とを備えることで、多量の植物繊維を含有させることができ、且つ射出成形等に用いたときに、十分な流動性を有する熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提案している。
特許文献5は、植物性材料(ケナフコア)を蒸煮する蒸煮工程と、蒸煮された植物性材料を押し固めて植物性材料ペレットを得るペレット化工程と、植物性材料ペレットと熱可塑性樹脂(ポリプロピレン及び/又はポリ乳酸)とを混練して熱可塑性樹脂組成物を得る混練工程とをこの順に備えることで、植物性材料と熱可塑性樹脂との比重差が大きくとも効率よく混合できる熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び成形体の製造方法を提案している。
特許文献6は、ケナフ繊維の含有量を10〜50質量%とすることにより、電気・電子機器製品等の成形品の製造に適した繊維強化樹脂組成物を提案している。
特許文献7は、結晶性を有する熱可塑性樹脂である生分解性樹脂組成物であって、ケナフ繊維の含有量を10〜50質量%とすることにより、電気・電子機器製品等の成形品の製造に適した繊維強化樹脂組成物を提案している。
特許文献8は、天然繊維として非木材繊維を少なくとも50重量%以上含有する熱可塑性組成物で、特に該非木材繊維がケナフパルプとすることで、寸法安定性や廃棄特性に優れ、また臭いのない熱可塑性組成物を提案している。
ところで、セルロースを樹脂組成物に含有させるためには、混合するセルロースは極力微細形状(ミクロン単位以上)であり、混合時のセルロースは極力分散化しており、樹脂との混合は混合時点より溶融してからの均一混合が必要である。
ここで、セルロースを微細化する方法としては、乾式、湿式、薬剤による微細化がある。
特許文献9は、天然有機繊維を膨潤させる媒体下で、懸濁液がチクソトロピー性を有す濃度条件下で、かつ懸濁媒体中で繊維の長軸に対して、それに垂直な方向に剪断力が加えられる条件下で、2枚の回転するデスク間に懸濁液を誘導し、超微細解繊し得られる、直径数ナノ・メーター(数nm)から直径数10ナノ・メーター(数10nm)からなる超微細化繊維を提案している。具体的な方法として、天然有機繊維を膨潤させる水又は溶液に、当該繊維を分散させた懸濁液を、2枚の回転するデスク(互いに逆方向に回転する2枚のデスク)間の中心部に、または、一方が固定で、他方が回転する2枚のデスク間の中心部に、それぞれ投入し、かつ懸濁液が、デスクの回転により生じる遠心力により中心から外側に移動する際、繊維の長軸方向を遠心力の方向に一致するように誘導している。
特許文献10は、繊維状セルロースの懸濁液を小径オリフィスを通過させ、その懸濁液に少くとも3000piiの圧力差で高速度を与え、次にこれを衝突させて急速に減速させることにより切断作用を行なわせる工程と、この工程を繰返してセルロースの懸濁液が実質的に安定な懸濁液となるようにする工程とからなり、これらの工程によりセルロースの出発材料に実質的な化学変化を起させないでセルロースを微小繊維状セルロースに変換する微小繊維状セルロースの製造方法を提案している。また、特許文献10には、数10ミクロンの直径を有するセルロースを作るためにボールミルが用いられ、ボールミルによる粉砕工程によってセルロースの化学的結合が破られていること、水中でセルロースを加圧して粉砕することにより1ミクロン以下の粒子径を有する微小セルロースが得られること、セルロース誘導体の場合にはこれを液体窒素中で粉砕すること、ボールミルを用いて音波で粉砕することにより極微小粒子のセルロースを作ることが記載されている。
特許文献11は、天然繊維1重量部に10〜15倍量の水又は油を混合した天然繊維素材原料を、上部のポリマーで複合化した固定砥石と下部の同じくポリマーで複合化した回転砥石とが円周部の平坦面で相接触され、この円周平坦面に続く内周部の中窪み面に放射方向に対して互いに反対方向に傾斜する摩砕突条並びに凹溝を上下面ではさみ状に交叉するように配設してなる融砕機の固定砥石と回転砥石間の中央部に供給し、上記回転砥石の回転に伴う遠心力と上下砥石の摩砕突条との接触とによって、上記繊維素材原料の剪断と摩砕を10回以内で繰返し与えて砥石間の外周吐出部より直径0.9μm以下に解繊された天然繊維体を得ることを提案している。
特許文献12は、ケナフ由来のポリマーを溶媒に溶解させてケナフ溶液を準備するケナフ溶液準備工程と、ケナフ溶液を含む電界紡糸溶液を用いて電界紡糸を行う電界紡糸工程とをこの順番で行うことを提案している。
特許文献13は、原料の繊維質物質(例えばセルロース)を媒体(例えば水)に分散させ、高圧ホモジナイザーで処理して、該繊維質物質のミクロフィフリル化懸濁液を得る第1工程と、この懸濁液を脱液(例えばフィルタープレス脱水)して固いケーキ状とする第2工程と、このケーキ状物質を取り扱いが便利な程度にまで粉砕して、液体媒体で湿った状態であるにもかかわらず、相互付着性がなく、包装された材料が積み重ねられてもブロック化することのない実質的に粉粒体として取り扱うことが可能な微小繊維材料とする第3工程とによって微小繊維材料を製造することを提案している。
特許文献14は、木質チップを、希苛性ソーダ水溶液を用いて常温で親水化処理し、希硝酸中でリグニンを選択的に部分酸化して変性し、希苛性ソーダ水溶液を用いて大気圧下で蒸解してパルプを製造することを提案している。
特許文献15は、水の存在下で植物の靭皮に対して酵素を作用させる酵素処理工程を備え、酵素にはペクチナーゼを含むことで、簡便な環境で植物から植物繊維を製造することができる植物繊維の製造方法を提案している。
特許文献16は、繊維植物材料の繊維間に存在する物質を分解する微生物を含む解繊液に繊維植物材料を浸漬するレッティング処理により繊維を解すレッティング処理工程を含む天然繊維の製造方法であり、レッティング処理工程を経てレッティング処理の施された繊維を加圧しながら水中で加熱する加圧煮沸工程を有することで、レッティング処理後の天然繊維に生じる特有の臭いを低減することを提案している。
特開2010-275400号公報 特開2010-241986号公報 特開2010-30047号公報 特開2011-5742号公報 特開2009-96875号公報 特開2011-63821号公報 特開2005-105245号公報 特開2000−219812号公報 特開2003−155349号公報 特開昭56−19921号公報 特開平4−281017号公報 特開2013-44063号公報 特開平3−152130号公報 特開2009-167554号公報 特開2013-91878号公報 特開2010-47849号公報
このように、セルロースを微細化する方法には、乾式、湿式、薬剤による微細化などがあるが、前後の加工、保管、及び移動を安価で容易に行えることが重要である。
本発明は、蒸解工程での薬液の量を少なくできるとともに蒸解時間を短縮でき、蒸解工程以降の取り扱いが容易な植物セルロースの微細化方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の植物セルロースの微細化方法は、綿状の木質茎を有する植物を対象とし、前記植物がケナフ(hibiscus cannabinus)及びトマト(Solanum lycopersicum)のいずれかであり、搬入した前記植物を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程で洗浄した前記植物を脱水する脱水工程と、前記脱水工程で脱水した前記植物を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥した前記植物を、乾式による破砕によって6mm〜8mmに破砕する破砕工程と、前記破砕工程によって破砕した前記植物を、乾式による粉砕によって1mm〜3mmに粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で粉砕した前記植物を、苛性ソーダと硫化ナトリウムとを主成分とする薬液を用いて蒸解する蒸解工程と、前記蒸解工程で蒸解したセルロースから液状物を分離する固液分離工程と、前記固液分離工程で分離した前記セルロースを、洗浄脱水後に、湿式による石臼式粉砕機によって微細化する微細化工程と、前記微細化工程で微細化した前記セルロースを、漂白剤と界面活性剤とを用いて漂白疎水化する漂白・疎水化工程と、前記漂白・疎水化工程で漂白疎水化した前記セルロースを、洗浄、脱水する洗浄脱水工程と、前記洗浄脱水工程で洗浄脱水した前記セルロースを、ペレタイザーによってペレット化する造粒工程と、前記造粒工程でペレット化した前記セルロースを乾燥する乾燥工程とを有することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の植物セルロースの微細化方法において、前記洗浄脱水工程で洗浄脱水した前記セルロースを、前記造粒工程の前に、湿式による前記石臼式粉砕機によって超微細化する超微細化工程と、前記超微細化工程の後に、比重が1以下の第1物質と前記セルロースとを溶媒にて攪拌する混合撹拌工程と、前記混合撹拌工程の後に、混合した前記第1物質と前記セルロースとを積層方法により脱水する積層脱水工程とを有し、前記積層脱水工程の後に前記造粒工程を行うことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の植物セルロースの微細化方法において、前記洗浄脱水工程で洗浄脱水した前記セルロースを、前記造粒工程の前に、湿式による前記石臼式粉砕機によって超微細化する超微細化工程と、前記超微細化工程の後に、比重が1より大きい第2物質と前記セルロースとを混合する混合工程とを有し、前記混合工程の後に前記造粒工程を行うことを特徴とする。
本発明によれば、蒸解工程を行う前に、2段階の乾式粉砕によってケナフ又はトマトを適度に微細化しているため、蒸解工程での薬液の量を少なくできるとともに蒸解時間を短縮でき、またケナフ又はトマトを超微細化までしていないために、蒸解工程以降の取り扱いが容易である。また、本発明によれば、漂白剤を用いることでカビの発生を防止でき、界面活性剤を用いることでケナフ又はトマトの疎水化を行えることで、水に分散させた状態で保管や移動を行う必要がなく、ペレット化して保管や移動を行える。
本発明の一実施例による植物セルロースの微細化方法による工程図
本発明の第1の実施の形態による植物セルロースの微細化方法は、綿状の木質茎を有する植物を対象とし、植物がケナフ(hibiscus cannabinus)及びトマト(Solanum lycopersicum)のいずれかであり、搬入した植物を洗浄する洗浄工程と、洗浄工程で洗浄した植物を脱水する脱水工程と、脱水工程で脱水した植物を乾燥する乾燥工程と、乾燥工程で乾燥した植物を、乾式による破砕によって6mm〜8mmに破砕する破砕工程と、破砕工程によって破砕した植物を、乾式による粉砕によって1mm〜3mmに粉砕する粉砕工程と、粉砕工程で粉砕した植物を、苛性ソーダと硫化ナトリウムとを主成分とする薬液を用いて蒸解する蒸解工程と、蒸解工程で蒸解した植物から液状物を分離する固液分離工程と、固液分離工程で分離したセルロースを、洗浄脱水後に、湿式による石臼式粉砕機によって微細化する微細化工程と、微細化工程で微細化したセルロースを、漂白剤と界面活性剤とを用いて漂白疎水化する漂白・疎水化工程と、漂白・疎水化工程で漂白疎水化したセルロースを、洗浄、脱水する洗浄脱水工程と、洗浄脱水工程で洗浄脱水したセルロースを、ペレタイザーによってペレット化する造粒工程と、造粒工程でペレット化したセルロースを乾燥する乾燥工程とを有するものである。本実施の形態によれば、蒸解工程を行う前に、2段階の乾式粉砕によって植物を適度に微細化しているため、蒸解工程での薬液の量を少なくできるとともに蒸解時間を短縮でき、また植物を超微細化までしていないために、蒸解工程以降の取り扱いが容易である。また、本実施の形態によれば、漂白剤を用いることでカビの発生を防止でき、界面活性剤を用いることでセルロースの疎水化を行えることで、水に分散させた状態で保管や移動を行う必要がなく、ペレット化して保管や移動を行える。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による植物セルロースの微細化方法において、洗浄脱水工程で洗浄脱水したセルロースを、造粒工程の前に、湿式による石臼式粉砕機によって超微細化する超微細化工程と、超微細化工程の後に、比重が1以下の第1物質とセルロースとを溶媒にて攪拌する混合撹拌工程と、混合撹拌工程の後に、混合した第1物質とセルロースとを積層方法により脱水する積層脱水工程とを有し、積層脱水工程の後に造粒工程を行うものである。本実施の形態によれば、比重が1以下の第1物質との均質性を図ることができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態による植物セルロースの微細化方法において、洗浄脱水工程で洗浄脱水したセルロースを、造粒工程の前に、湿式による石臼式粉砕機によって超微細化する超微細化工程と、超微細化工程の後に、比重が1より大きい第2物質とセルロースとを混合する混合工程とを有し、混合工程の後に造粒工程を行うものである。本実施の形態によれば、比重が1より大きい第2物質との均質性を図ることができる。
以下に本発明の一実施例による植物セルロースの微細化方法について説明する。
図1は本発明の一実施例による植物セルロースの微細化方法による工程図である。
本実施例によるケナフ(学名:hibiscus cannabinus及びhibiscus sabdariffa 等)は、紅麻、キューバケナフ、洋麻、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻及びボンベイ麻等と呼ばれ、表皮と木質茎(維管束)とを有する一年草であり、アオイ科に分類される植物である。なお、ケナフ以外では、トマト(学名:Solanum lycopersicum)やひまわり(学名:Helianthus annuus)など、綿状の木質茎(維管束)を有する一年草を用いることができる。
図1に示すステップ1における搬入工程からステップ9における固液分離工程まではケナフのパルプ化工程である。
ステップ1における搬入工程では、刈り取られてロール状に巻かれたケナフの刈り取り品を搬入する。
ステップ2における洗浄工程では、搬入したロール状に巻かれたケナフを解梱後、ベルトコンヤーに投入して洗浄する。
ステップ2における洗浄工程とともに、又はステップ2の洗浄工程の後に、選別工程を行う(ステップ3)。ステップ3における選別工程では、洗浄したケナフから土泥やケナフ以外の草木を除去する。
ステップ3における選別工程の後に、脱水工程を行う(ステップ4)。ステップ4における脱水工程には、スクリュー式プレス機を用いる。スクリュー式プレス機は、モーターなどの動力の回転運動をネジ機構によって往復運動に変換するプレス機である。ネジ機構に回転運動を伝達する方法によって、摩擦クラッチを介するフリクション式プレス機と、サーボモーターで直接ネジ機構を駆動するサーボ式プレス機とがある。
ステップ4における脱水工程の後に、乾燥工程を行う(ステップ5)。ステップ5における乾燥工程には、加熱式ドラム乾燥機を用いる。加熱式ドラム乾燥機は、円筒形のドラムの表面に乾燥物を付着させ、ドラム内部に熱媒として水蒸気や温水を供給し、表面膜状にドラムと接触させながら乾燥を行い連続処理を行うことができる。加熱式ドラムにて乾燥させることで、破砕時に桂皮が残ることを防止できる。
ステップ5における乾燥工程の後に、破砕工程を行う(ステップ6)。ステップ6における破砕工程では、乾式一軸破砕機にて、ケナフを6mm〜8mmの大きさに破砕する。ケナフは、回転するローターに取り付けられた回転刃と、本体に取り付けられた固定刃とによって切断するように破砕される。破砕されたケナフは、一軸破砕機本体に取り付けられたスクリーンを通過して本体下部より排出される。スクリーンを通過できないサイズのケナフはスクリーンを通過できるサイズになるまで再度破砕される。また、ケナフは、ホッパーによって上方から投入され、プッシャーによって押されることにより、安定して破砕が継続される。ステップ6における破砕工程によって、ステップ7における粉砕工程に適したサイズにできる。
ステップ6における破砕工程の後に、粉砕工程を行う(ステップ7)。ステップ7における粉砕工程では、乾式ハンマミルによって一次破砕品(6mm〜8mm)を1mm〜3mmのサイズに粉砕する。ハンマミルは、高速回転粉砕機であり、高速回転するハンマーによって供給粒子に衝撃を加え粉砕する。ハンマーにはスウィングハンマータイプがある。出口側に多孔板やスクリーン、グリットなどをおいて、いわゆるスクリーンミルとして粉砕製品の粒度のコントロールを行うことができる。
粉砕したケナフの粒度が微細である程蒸解しやすいが、あまり微細に粉砕すると後工程での取り扱いが容易でない。
ステップ7における粉砕工程の後に蒸解工程を行う(ステップ8)。ステップ8における蒸解工程では、苛性ソーダと硫化ナトリウムを主成分とする薬液を用いてケナフを蒸解する。蒸解工程は高温で行うことが好ましい。
ステップ7における粉砕工程で粉砕するケナフの粒度が微細である程、反応に使用する薬液の量、煮込み時間の短縮が図れる。
ステップ8における蒸解工程の後に固液分離工程を行う(ステップ9)。ステップ9における固液分離工程では、パルプ(セルロース)と煮液を分離するため、パルプを麻等の袋に入れ、加圧プレスすることにより、パルプから樹脂液(通称黒液)を絞り出す。パルプは、含水率20〜30%以下であれば、完全脱水の固液分離でなくてもよい。樹脂液を分離したパルプを再度、水で洗浄し、脱水してセルロース化する。
ステップ10における微細化工程からステップ18における乾燥工程まではセルロースのペレット化工程である。
ステップ10における微細化工程では、湿式の回転速度の速い石臼タイプの粉砕機を使用して微細化処理を行う。粉砕機は、回転によるすりつぶしにより発生する熱を冷却するため、湿式タイプが好ましい。ステップ10における微細化工程によって、セルロースは10nm〜60nmに微細化される。
ステップ10における微細化工程の後に、漂白・疏水化工程を行う(ステップ11)。ステップ11における漂白・疏水化工程では、微細化されたセルロースへのカビ菌の発生を防止するために塩素系の漂白剤を使用して漂白を行う。また、疏水化には界面活性剤を使用する。
ステップ11における漂白・疏水化工程の後に、洗浄脱水工程を行う(ステップ12)。ステップ12における洗浄脱水工程では、漂白・疏水化されたセルロースを洗浄脱水する。
ステップ12における洗浄脱水工程の後に、超微細化工程を行う(ステップ13)。ステップ13における超微細化工程では、湿式の石臼タイプの粉砕機を使用して超微細化処理を行う。湿式の回転速度の速い石臼タイプの粉砕機を使用して、粉砕とほごし作業とを同時に行うことで、ケナフ繊維を超微細化する。ステップ13の超微細化工程によって、セルロースは10nm〜30nmに超微細化される。
比重が1以下の第1物質を混合する場合には、ステップ13における超微細化工程の後に、混合撹拌工程を行う(ステップ14)。ステップ14における混合撹拌工程では、比重が1以下の第1物質とセルロースとを溶媒にて攪拌する。例えば水中で混合撹拌する。ここで、比重が1以下の第1物質は、新素材として利活用できる物質であり、例えばポリプロピレン、ポリエチレンがありセルロースとともに樹脂を混練することで、引張・衝撃・曲げ弾数の優れた機能を持つ樹脂を得ることができる。また、粘土鉱物を混合することでバリヤ性機能を持つ樹脂を得ることができる。
ステップ14における混合撹拌工程の後に、積層脱水工程を行う(ステップ15)。ステップ15における積層脱水工程では、混合した第1物質とセルロースとを積層方法により脱水する。ここで、積層方法による脱水とは、例えば紙漉のように、網又はネットを張った枠部材によって混合した第1物質とセルロースとを漉き、網又はネット上に積層した混合物から水を切り脱水する。
比重が1より大きい第2物質を混合する場合には、ステップ12における洗浄脱水工程の後、ステップ13における超微細化工程の後、又はステップ15における積層脱水工程の後に、混合工程を行う(ステップ16)。ステップ16における混合工程では、ニーダーやミキサーを用いて、比重が1より大きい第2物質とセルロースとを混合する。ここで、比重が1より大きい第2物質は、新素材として利活用できる物質であり、例えば炭素、金属、鉱物等があり、銅の微粉を混合する場合は、セルロースとともに樹脂に混練することで導電機能を持つ導電性の樹脂を得ることができる。また、炭素を混合する場合にはセルロースとともに樹脂に混練する事で磁気、磁波を遮断する機能を持つ樹脂を得ることができる。
ステップ15における積層脱水工程の後、又はステップ16における混合工程の後に、造粒工程を行う(ステップ17)。
ステップ17における造粒工程では、ペレタイザーにて含水率20〜30%のペレット化を行う。
ステップ17における造粒工程の後に、乾燥工程を行う(ステップ18)。ステップ18における乾燥工程では、振動や熱風にて乾燥する。
以上のように本実施例によれば、ステップ8における蒸解工程を行う前に、2段階の乾式粉砕によってケナフを適度に微細化しているため、蒸解工程での薬液の量を少なくできるとともに蒸解時間を短縮でき、またケナフを超微細化までしていないために、蒸解工程以降の取り扱いが容易である。
また、本実施例によれば、漂白剤を用いることでカビの発生を防止できる。また、疎水化処理を行ったセルロースは水中分散が向上するため、超微細化工程において繊維のほぐれ・粉砕が円滑に行われ超微細化が容易になる。
本発明による植物セルロースの微細化方法は、トマトやひまわりのような一年草のセルロースを用いることに適している。

Claims (3)

  1. 綿状の木質茎を有する植物を対象とし、
    前記植物がケナフ(hibiscus cannabinus)及びトマト(Solanum lycopersicum)のいずれかであり、
    搬入した前記植物を洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程で洗浄した前記植物を脱水する脱水工程と、
    前記脱水工程で脱水した前記植物を乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥工程で乾燥した前記植物を、乾式による破砕によって6〜8mmに破砕する破砕工程と、
    前記破砕工程によって破砕した前記植物を、乾式による粉砕によって1〜3mmに粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程で粉砕した前記植物を、苛性ソーダと硫化ナトリウムとを主成分とする薬液を用いて蒸解する蒸解工程と、
    前記蒸解工程で蒸解したセルロースから液状物を分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程で分離した前記セルロースを、洗浄脱水後に、湿式による石臼式粉砕機によって微細化する微細化工程と、
    前記微細化工程で微細化した前記セルロースを、漂白剤と界面活性剤とを用いて漂白疎水化する漂白・疎水化工程と、
    前記漂白・疎水化工程で漂白疎水化した前記セルロースを、洗浄、脱水する洗浄脱水工程と、
    前記洗浄脱水工程で洗浄脱水した前記セルロースを、ペレタイザーによってペレット化する造粒工程と、
    前記造粒工程でペレット化した前記セルロースを乾燥する乾燥工程と
    を有することを特徴とする植物セルロースの微細化方法。
  2. 前記洗浄脱水工程で洗浄脱水した前記セルロースを、前記造粒工程の前に、湿式による前記石臼式粉砕機によって超微細化する超微細化工程と、
    前記超微細化工程の後に、比重が1以下の第1物質と前記セルロースとを溶媒にて攪拌する混合撹拌工程と、
    前記混合撹拌工程の後に、混合した前記第1物質と前記セルロースとを積層方法により脱水する積層脱水工程と
    を有し、
    前記積層脱水工程の後に前記造粒工程を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の植物セルロースの微細化方法。
  3. 前記洗浄脱水工程で洗浄脱水した前記セルロースを、前記造粒工程の前に、湿式による前記石臼式粉砕機によって超微細化する超微細化工程と、
    前記超微細化工程の後に、比重が1より大きい第2物質と前記セルロースとを混合する混合工程と
    を有し、
    前記混合工程の後に前記造粒工程を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の植物セルロースの微細化方法。
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