JP6819533B2 - 全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材 - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材 Download PDF

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Description

本開示は、全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材に関する。
Liと合金を形成することが可能な金属を含有する活物質(合金系活物質)は、炭素系の負極活物質と比較して体積当たりの理論容量が大きいことから、このような合金系活物質を負極に用いたリチウムイオン電池が提案されている。
中でも、特に容量が大きいことから、Liと合金を形成することが可能な金属としてSi単体が注目されている。
特許文献1には、負極活物質として、リチウムイオンの挿入脱離が可能な金属又は合金を用いた全固体電池であって、特定の充放電サイクル条件下で、充放電を100サイクル行った後の放電容量維持率が50%以上である、全固体電池が開示されている。また、特許文献1の実施例には、負極活物質としてSi粉末を用いて作製した全固体電池が開示されている。
特開2013−222530号公報
しかしながら、本研究者らは、特許文献1に開示されているような、Si元素を含有する負極活物質を用いた負極を備える全固体リチウムイオン二次電池では、充放電サイクルを繰り返すと内部抵抗が大きく上昇することを知見した。
本開示は、上記実情に鑑み、Si単体を含有する負極活物質を有し、全固体リチウムイオン二次電池における内部抵抗の上昇を抑制できる、全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材を提供することを目的とする。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材は、負極活物質、固体電解質及び添加剤を含有し、前記負極活物質は、Si単体を含み、前記固体電解質は、硫化物固体電解質であり、前記添加剤は、リン酸トリメチル及びリン酸トリエチルからなる群より選ばれる少なくとも一種、並びにリチウム塩を含むことを特徴とする。
本開示によれば、Si単体を含有する負極活物質を有し、全固体リチウムイオン二次電池における内部抵抗の上昇を抑制できる、全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材を提供することができる。
全固体リチウムイオン二次電池の構成例の模式図である。
本開示の負極合材は、全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材であって、前記負極合材は、負極活物質、固体電解質及び添加剤を含有し、前記負極活物質は、Si単体を含み、前記固体電解質は、硫化物固体電解質であり、前記添加剤は、リン酸トリメチル及びリン酸トリエチルからなる群より選ばれる少なくとも一種、並びにリチウム塩を含むことを特徴とする。
Liと合金を形成可能な金属自体はイオン伝導性及び電子伝導性が低いことから、通常、当該金属を負極活物質として用いる場合には、負極中に負極活物質と共に導電材と固体電解質を含有させる。
本研究者らは、特許文献1に開示されているような全固体リチウムイオン二次電池では、充放電に伴う負極活物質の体積膨張収縮が大きいため、充放電を繰り返すと、固体電解質と負極電解質との間に空隙が発生し、空隙部分においてLiイオン伝導パスが切れることで、内部抵抗が大きく上昇することを知見した。
Si単体を含有する負極活物質を用いた負極における、固体電解質と負極電解質との間の空隙発生のメカニズムは以下の通りである。まず、Liイオン挿入時(充電時)に、負極活物質が大幅に体積膨張すると共に、負極活物質周辺の固体電解質が、膨張する負極活物質により押されて変形する。その後、Liイオン脱離時(放電時)に負極活物質が体積収縮すると共に、変形後の固体電解質が、負極活物質の体積収縮に追従できないことにより、空隙が発生する。
本開示の負極合材を全固体リチウムイオン二次電池に用いることにより、充放電の繰り返しによって発生した空隙が、前記添加剤により埋められ、当該添加剤が、固体電解質と負極活物質との間に発生した空隙のイオン伝導を担う。具体的には、前記添加剤中のリン酸トリメチル及び/又はリン酸トリエチルにより、固体電解質と負極活物質との間に発生した空隙が埋められる。それと共に、前記添加剤中のリチウム塩により、固体電解質の内部を移動するLiイオンが供給される。このため、全固体リチウムイオン二次電池において充放電サイクルを繰り返したときの、Liイオン伝導パスの切断を抑制し、内部抵抗の上昇を抑制することができる。
ここでいう「空隙部分」とは、少なくとも固体電解質及び負極活物質が存在しない部分をいう。
負極合材は、負極活物質、固体電解質及び添加剤を含有する。
(負極活物質)
前記負極活物質は、Si単体を含む。
負極合材中の負極活物質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば40質量%以上であり、50質量%〜90質量%の範囲内であってもよく、50質量%〜70質量%の範囲内であってもよい。
前記Liと合金を形成可能な金属、及び当該金属の酸化物の形状には特に制限はなく、例えば、粒子状、膜状の形状等が挙げられる。
(固体電解質)
固体電解質としては、硫化物固体電解質を用いる。前記硫化物固体電解質としては、例えば、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P−LiBr、LiS−P、LiI−LiBr−LiS−P等が挙げられる。また、前記硫化物固体電解質としては、Li10GeP12等のLGPS系の固体電解質も挙げられる。
負極合材中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以上であり、20質量%〜50質量%の範囲内であってもよく、25質量%〜45質量%の範囲内であってもよい。
前記固体電解質の原料は、密度が2.0〜2.5g/cmであってもよい。
(添加剤)
前記添加剤は、リン酸トリメチル及びリン酸トリエチルからなる群より選ばれる少なくとも一種(以下、「リン酸トリメチル等」と称する場合がある。)、並びにリチウム塩を含む。
リン酸トリメチル等は、いずれも常温で液体である。したがって、リン酸トリメチル等を含む添加剤を含有する負極合材を、全固体リチウムイオン二次電池に用いることにより、充放電の繰り返しによって負極活物質と固体電解質との間に発生した空隙部分に、リン酸トリメチル等が浸入する。その結果、当該空隙部分がリン酸トリメチル等により埋まる。また、リン酸トリメチル等は、いずれも、負極活物質中のSi単体及び硫化物固体電解質との反応性に乏しいため、これらの成分との反応による内部抵抗の上昇を抑制することができる。
負極合材中の添加剤の割合は、負極合材の固形分の合計量(負極活物質、固体電解質等)を100質量部としたとき、1〜50質量部の範囲内であってもよい。負極合材中の添加剤の割合を、上記範囲とすることで、当該負極合材を用いた全固体リチウムイオン二次電池において、液漏れ等の不具合の発生を抑制しつつ、充放電を繰り返した時の、Liイオン伝導パスの切断を抑制し、これに伴う内部抵抗の上昇を抑制することができる。
添加剤に含まれるリチウム塩は、固体電解質の内部を移動するLiイオンを供給するものであり、例えばリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド及びLiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)からなる群から選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
添加剤中に含まれる、リチウム塩の含有割合は、0.1〜10mol/lであることが好ましい。
添加剤中に含まれるリチウム塩の含有割合を上記範囲とすることで、Si元素を含有する負極活物質を用いた負極を備える全固体リチウムイオン二次電池において、充放電サイクルを繰り返した場合でも、良好なLiイオン伝導性を得ることができる。
本開示の負極合材は、導電材を含んでいてもよい。
導電材は、全固体リチウムイオン二次電池の負極に使用できるものであれば、特に制限はない。
導電材の原料は、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材であってもよい。
電子伝導性の観点から、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材であってもよく、当該カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーはVGCF(気相法炭素繊維)であってもよい。
負極合材中の導電材の割合は、負極合材の質量を100質量%としたとき、1.0質量%以上であり、1.0質量%〜12.0質量%の範囲内であってもよく、2.0質量%〜10.0質量%の範囲内であってもよい。
負極合材には上記成分以外に、結着剤などの他の成分が含まれていてもよい。
前記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブチレンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂等を用いることができ、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)であってもよい。
エネルギー密度が高くなることから、本開示に係る負極は、負極活物質以外の成分が少ないものであってもよい。
負極合材の形成方法としては、好適には、負極活物質、固体電解質、添加剤等を分散媒により分散させて、ペースト状の負極合材を作製し、負極集電体上に塗布、乾燥する方法等が挙げられる。
分散媒としては、特に限定されず、例えば、ヘプタン等が挙げられる。分散方法としては、特に限定されないが、例えば、ホモジナイザー、ビーズミル、シェアミキサー、ロールミル等が挙げられる。ペースト状の負極合材の塗布方法、乾燥方法等は適宜選択することができる。
二次電池として機能し、かつ負極に前記負極合材を用いるものであれば、全固体リチウムイオン二次電池の構成に特に制限はない。
図1に示すように、典型的には、正極2、負極3、並びに、当該正極2及び当該負極3の間に配置される固体電解質層1を備え、正極−固体電解質層−負極集合体101として構成される。この正極−固体電解質層−負極集合体101は、正極、固体電解質層及び負極がこの順序で配列され、直接または他の材料からなる部分を介して接合していてもよく、さらに、正極上の固体電解質層が存在する位置とは反対側(正極の外方側)、及び、負極上の固体電解質層が存在する位置とは反対側(負極の外方側)のうちの片方又は両方の側に、他の材料からなる部分が接合していてもよい配列構造を有する各部の集合体である。
前記正極は、正極合材を含む。正極合材は、通常、Liを含有する正極活物質を含み、必要に応じ、結着剤、固体電解質、及び導電材等の他の成分を含む。
正極活物質の原料としては、全固体リチウムイオン二次電池に使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3(0≦x<0.3)等を挙げることができる。
前記正極活物質は、リチウムイオン伝導性を有し、かつ、活物質や固体電解質と接触しても流動せず、被覆層の形態を維持し得る物質を含有する被覆層を有していてもよい。当該物質としては、例えば、LiNbO、LiTi12、LiPOが挙げられる。
固体電解質、導電材、結着剤の原料としては、負極で使用する材料と同様のものを用いることができる。
前記固体電解質層も、全固体リチウム二次電池の固体電解質として機能するものであれば、特に制限はないが、通常、固体電解質原料を含み、必要に応じ、結着剤等の他の成分を含む。
固体電解質、結着剤の原料としては、負極で使用する材料と同様のものを用いることができる。
なお、全固体リチウム二次電池において、前記添加剤は、正極には含まれないことが好ましい。仮に、リン酸トリメチル等が、正極に存在する状態で通電すると、正極の電位により、リン酸トリメチル等が分解して、内部抵抗を上昇させる可能性がある。
上記したように、正極と負極との間には固体電解質層が存在する。したがって、負極中のリン酸トリメチル等は、固体電解質層に遮られ、正極まで移動することはない。このため、リン酸トリメチル等が正極中に混入することによる内部抵抗の上昇は抑制される。
全固体リチウムイオン二次電池の製造方法としては、例えば、固体電解質層の一方の面側に正極合材を加えてプレスし、他方の面側に負極合材を加えてプレスする方法が挙げられる。
1.負極合材の製造
[実施例1]
(1)硫化物固体電解質の合成工程
下記硫化物固体電解質用原料をメノウ乳鉢に加えた。
・硫化リチウム(LiS、フルウチ化学製、純度99.9%)0.550g
・五硫化二リン(P、Aldrich社製、純度99%)0.887g
・ヨウ化リチウム(LiI、日宝化学製、純度99%)0.285g
・臭化リチウム(LiBr、高純度化学製)0.277g
上記材料をメノウ乳鉢で5分間混合した後、遊星型ボールミルに投入し、脱水ヘプタン(関東化学工業製、4g)を投入した。さらに、ZrOボールを投入し、容器を完全に密閉した(Ar雰囲気)。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製)に取り付け、台盤回転数毎分300回転で、40時間のメカニカルミリング処理を行い、適宜乾燥することで、硫化物固体電解質(LiI−LiBr−LiS−P)を得た。
(2)負極合材の製造工程
容器に下記負極用原料を加えた。
・負極活物質:Si粒子(高純度化学製)1.0g
・固体電解質:上記硫化物固体電解質(LiI−LiBr−LiS−P)0.776g
・導電材:VGCF(昭和電工社製)0.04g
・結着剤:PVdF(クレハ製)0.02g
・分散媒:酪酸ブチル(ナカライテスク社製)2.4g
容器中の混合物を、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UH−50)により60秒間攪拌混合した後、適宜乾燥することで、負極合材用混合物を得た。
上記で作製した負極合材用混合物に、添加剤として、LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、キシダ化学社製)を添加したリン酸トリメチル(ナカライテスク社製、下記式(1))を、0.184g加えた後、混合して、負極合材(実施例1)を調製した。
添加剤は、負極合材用混合物の固形分(負極活物質、導電材、固体電解質及び結着剤)の合計量100質量部に対して、10質量部となるように添加した。
添加剤としては、リン酸トリメチルに、LiTFSIを、LiTFSI濃度が1.0mol/Lとなるように添加したものを用いた。
Figure 0006819533
[実施例2]
実施例1の「(1)負極合材形成工程」に使用した添加剤中のエステル化合物を、リン酸トリメチルからリン酸トリエチル(ナカライテスク社製、下記式(2))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、負極合材(実施例2)を製造した。
Figure 0006819533
[比較例1]
実施例1の「(1)負極合材形成工程」において、添加剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、負極合材(比較例1)を製造した。
[比較例2]
実施例1の「(1)負極合材形成工程」に使用した添加剤中のエステル化合物を、リン酸トリメチルから炭酸プロピレン(ナカライテスク社製、下記式(3))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、負極合材(比較例2)を製造した。
Figure 0006819533
[比較例3]
実施例1の「(1)負極合材形成工程」に使用した添加剤中のエステル化合物を、リン酸トリメチルからリン酸トリフェニル(ナカライテスク社製、下記式(4))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、負極合材(比較例3)を製造した。
Figure 0006819533
添加剤は、実施例2及び比較例2〜3においても、実施例1と同様に、負極合材用混合物の固形分(活物質、導電材、固体電解質及び結着剤)の合計量100質量部に対して、10質量部となるように添加した。
添加剤としては、実施例2及び比較例2〜3においても、実施例1と同様に、上記した各化合物に対して、それぞれ、LiTFSI濃度が1.0mol/LとなるようにLiTFSIを添加して調製した。
2.全固体リチウムイオン二次電池の製造
(1)正極合材製造工程
容器に下記正極用原料を加えた。
・正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3粒子、(日亜化学工業社製、LiNbOによる表面処理粒子)1.5g
・固体電解質:上記硫化物固体電解質(LiI−LiBr−LiS−P)0.239g
・導電材:VGCF(昭和電工社製)0.023g
・結着剤:PVdF(クレハ製)0.011g
・分散媒:酪酸ブチル(ナカライテスク社製)0.8g
容器中の混合物を、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UH−50)により60秒間攪拌混合した後、適宜乾燥して、正極合材を得た。
(2)電池の組み立て工程
上記硫化物固体電解質(LiI−LiBr−LiS−P)を0.065g秤量し、底面積1cmのセラミックス製の型に入れ、1ton/cmのプレス圧でプレスして、固体電解質層(セパレート層)を作製した。
次いで、前記正極合材0.018gを秤量し、上記にて作製した固体電解質層(セパレート層)の一方の面側に加え、1ton/cmのプレス圧でプレスして、正極を作製した。
次いで、実施例1−実施例2及び比較例1−比較例3のうちいずれか1つの負極合材0.0054gを秤量し、固体電解質層(セパレート層)の他方の面側に加え、4ton/cmのプレス圧でプレスして負極を作製した。
次いで、上記で作製した正極上に、アルミ箔を積層し、正極集電体を形成した。また、上記で作製した負極上に、銅箔を積層して、負極集電体を形成し、全固体リチウムイオン二次電池を得た。
このように、実施例1−実施例2及び比較例1−比較例3の各負極合材について、全固体リチウムイオン二次電池を製造した。
3.評価
(1)充放電サイクル時の内部抵抗測定
(i)初期充放電
0.245mAの電流値(充電レート)で、定電圧−定電流の条件下で通電して、4.35Vまで充電を行った。その後、0.245mAの電流値(放電レート)で、定電圧−定電流の条件下で通電して、3.00Vまで放電を行った。
(ii)初期内部抵抗測定
次に、電流値0.245mAにて通電して、3.7Vまで充電を行った後、7.35mAで5秒間放電し、放電中の電圧値を充放電装置(東洋システム社製)により測定し、その電圧値の変化から、内部抵抗を算出した。
(iii)充放電サイクル
(ii)にて初期内部抵抗測定を行った後のリチウムイオン二次電池を、恒温槽内に入れて60℃に温度設定した状態で、電圧範囲3.2〜4.2Vで、電流値4.9mAの定電流の条件下で、充放電を300サイクル行った。
(iv)充放電サイクル後の内部抵抗測定
次いで、(iii)の300サイクルの充放電を行った後のリチウムイオン二次電池に対して、更に(i)の初期充放電を行った後、(ii)で説明したのと同様にして、内部抵抗測定を行った。
(iv)にて得られた内部抵抗測定値から、(ii)にて得られた初期内部抵抗の測定値を減じた値を、内部抵抗増加量として算出した。
表1に、実施例1−2及び比較例2−3について、比較例1の内部抵抗増加量を100%としたときの、比内部抵抗増加量を示す。
下記表1には、実施例1−2及び比較例1−3の比内部抵抗増加量を、添加剤中のエステル化合物の種類及び融点と併せて示している。
Figure 0006819533
4.考察
上記表1に示すように、実施例1−2の内部抵抗増加量は、添加剤を用いない比較例1の場合よりも、いずれも大きく下回る。これは、実施例1−2の全固体リチウムイオン二次電池では、負極合材中のリン酸トリエステルにより、負極活物質と固体電解質との間に生じた空隙が埋められ、Liイオンのイオン伝導パスの切断が抑制されたためであると考えられる。
一方、比較例2における内部抵抗増加量は、比較例1における内部抵抗増加量を上回る。これは、炭酸プロピレンが硫化物固体電解質と反応したためと考えられる。
また、比較例3における内部抵抗増加量も、比較例1における内部抵抗増加量を上回る。これは、リン酸トリフェニルの融点が高く、常温で固体であるため、充放電に伴い発生した負極活物質と固体電解質との間の空隙が埋まらない結果、Liイオン伝導パスの切断が生じたためと考えられる。
1 固体電解質層
2 正極
3 負極
101 正極−固体電解質層−負極集合体

Claims (1)

  1. 全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材であって、
    前記負極合材は、負極活物質、固体電解質及び添加剤を含有し、
    前記負極活物質は、Si単体を含み、
    前記固体電解質は、硫化物固体電解質であり、
    前記添加剤は、リン酸トリメチル及びリン酸トリエチルからなる群より選ばれる少なくとも一種、並びにリチウム塩を含むことを特徴とする、全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材。
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