JP6818776B2 - 炭化ケイ素部材および半導体製造装置用部材 - Google Patents

炭化ケイ素部材および半導体製造装置用部材 Download PDF

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Description

本開示は、炭化ケイ素部材および半導体製造装置用部材に関するものである。
化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition、CVD法)により得られる炭化ケイ素材料(CVD−SiC材料)は、被覆材料として用いられるほか、CVD−SiC材料単体で種々の部材として用いられている。単体のCVD−SiC部材は、たとえば基体の表面にCVD法により炭化ケイ素(SiC)を析出させ、成膜した後、基体を除去することで得られる。CVD−SiC材料は、焼結法で製造されたSiC材料に比較して緻密で高純度であり、耐食性、耐熱性、強度特性にも優れている。そのため、CVD−SiC材料は、半導体製造装置用の加熱ヒータ、エッチング装置に用いられるフォーカスリング、ダミーウェハ、サセプター、炉芯管、耐薬品性治具、分析用容器等の各種部材として提案されている。
CVD−SiC材料は、主として半導体製造装置の内部で用いられる。そのため、成膜時に用いた基体を除去した状態で、高純度SiCの自立膜として用いられる。自立膜として用いるために厚いCVD-SiC材料の膜を形成すると、内部応力が大きくなり、基体を除去した際にCVD−SiCの膜(以下、単にCVD−SiC膜という)に亀裂、反りなどの変形が生じる場合があった。特許文献1では、3層以上の炭化ケイ素層を積層した積層体において、CVDにより形成された各層の表面を平坦化し、各層の厚みを100μm以下とすることで反りが抑制されることが開示されている。
また、SiCは複数の異なる結晶構造が存在する。たとえば、厚いCVD−SiCを効率的に得るために成膜速度を高めると、異なる結晶構造を有する複数の炭化ケイ素結晶が混在したものとなっていた。
特開平8−188468号公報
本開示の炭化ケイ素部材は、3Cの結晶構造を有するβ型の第1の炭化ケイ素結晶と、第1の炭化ケイ素結晶とは異なる結晶構造を有する第2の炭化ケイ素結晶とを含む。炭化ケイ素部材は第1の表面を有し、第1の表面と直交する方向を第1方向とする。第2の炭化ケイ素結晶の粒子は、第1方向に沿ってのびる長径を有するとともに、第1方向の長さの平均が100μm以下である。
本開示の半導体製造装置用部材、フォーカスリング、およびダミーウェハは、上記の炭化ケイ素部材を含む。
半導体製造装置用部材の例の一つである、フォーカスリングを模式的に示す斜視図である。 半導体製造装置用部材の例の一つである、ダミーウェハを模式的に示す斜視図である。 図1のIII−III線断面図である。 図3の破線部を拡大した断面図の一例である。 図3の破線部を拡大した断面図の別の例である。 炭化ケイ素部材の微構造の例の一つを模式的に示すもので、図3の破線部を拡大した断面図である。 炭化ケイ素部材の微構造の例の一つを模式的に示すもので、第1の表面付近を拡大した断面図である。 図6の別の例の一つを模式的に示す断面図である。 炭化ケイ素部材の微構造の別の例を模式的に示す断面図である。
図1および図2は、炭化ケイ素材料を用いた半導体製造装置用部材1の例である。図1はフォーカスリング1a、図2はダミーウェハ1bを模式的に示している。半導体製造装置、特にCVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相成長法)、PVD(Physical Vapor Deposition、物理気相成長法)、およびプラズマエッチング装置では、Siなどのウェハがプラズマ処理される。
フォーカスリング1aは、ウェハの外周に配置される。フォーカスリング1aを用いてウェハ処理することで、ウェハをより均一に処理することができる。そのため、フォーカスリング1aには、被処理物であるウェハと同等または類似の抵抗率、およびプラズマに対する高い耐食性を有することが求められる。プラズマに対する耐食性を耐プラズマ性という場合がある。
ダミーウェハ1bは、半導体製造装置の条件調整、クリーニングなどの際に、ウェハの代替として用いられる。ダミーウェハ1bもフォーカスリング1aと同様に、被処理物であるウェハと同等または類似の抵抗率、および高い耐プラズマ性を有することが求められる。
図3〜図5は、図1に示したフォーカスリング1aのIII−III線断面図である。図3に示すように、炭化ケイ素部材は第1の表面S1を有している。炭化ケイ素部材は、主として第1の表面S1でプラズマに曝される。図4および図5は、図3の一部を拡大した断面図である。図4の例と図5の例とは微構造が異なる。CVD法により形成された炭化ケイ素材料は、一般に、図4または図5に示すように、第1方向である矢印方向vに沿って結晶が成長した柱状の炭化ケイ素結晶2によって構成される。第1方向は、第1の表面S1と直交する。以下、炭化ケイ素をSiCと言い、CVD法により形成された炭化ケイ素材料をCVD−SiC材料という場合がある。
炭化ケイ素部材は、図4、図5のいずれの構造を有していてもよい。なお、図4、図5では、炭化ケイ素結晶2を模式的に長方形で記載しているため、複数の炭化ケイ素結晶2間に空洞があるような記載となっている。しかし、CVDにより形成された実際の炭化ケイ素材料は、このように大きな空洞を有さず、緻密である。
炭化ケイ素の結晶構造には、3C、4H、6Hおよび15R等多くの結晶多形が存在する。閃亜鉛鉱型構造である3Cはβ型とも呼ばれ、それ以外の構造を有する4H、6H、15R等はα型と呼ばれる。
結晶構造(結晶形)の異なる炭化ケイ素結晶は、プラズマや薬液に対する耐性がそれぞれ異なる。α型の炭化ケイ素結晶は、プラズマや薬液に対する耐性がβ型の炭化ケイ素結晶と比べて相対的に低い。また、互いに異なる結晶形を有する炭化ケイ素結晶同士の界面では、プラズマや薬液による腐食が進行しやすい。
たとえば、α型の炭化ケイ素結晶が結晶成長して粗大粒子を形成した炭化ケイ素部材では、その粗大粒子およびその粒界は、プラズマや薬液に対する耐性が比較的低い部位となる。炭化ケイ素部材のβ型炭化ケイ素結晶とα型の炭化ケイ素結晶とが混在する表面がプラズマや薬液に曝されると、α型の炭化ケイ素結晶およびその粒界が選択的にエッチングされる。α型の粗大粒が存在した場合、エッチングされた表面の凹凸が大きくなって表面が荒れ、表面粗さが大きくなる。表面粗さが大きくなると、プラズマや薬液に曝される表面積が大きくなり、腐食が進行しやすくなる。このように、α型の粗大粒子の存在は、炭化ケイ素部材全体としてのプラズマや薬液に対する耐性を劣化させる懸念がある。
<第1実施形態>
第1実施形態の炭化ケイ素部材は、図6に示すように、3Cの結晶構造を有するβ型の第1の炭化ケイ素結晶2aと、第1の炭化ケイ素結晶2aとは異なる結晶構造を有するα型の第2の炭化ケイ素結晶2bとを含んでいる。また、炭化ケイ素部材は、第1の表面S1を有し、第1の炭化ケイ素結晶2aの粒子および第2の炭化ケイ素結晶2bの粒子は、いずれも第1の表面S1に直交する第1方向に沿ってのびる長径を有する。粒子が第1方向に沿ってのびる長径を有するとは、粒子の長径の方向が第1方向に対し45°未満の角度をなすことをいう。すなわち、第1の炭化ケイ素結晶2aの粒子および第2の炭化ケイ素結晶2bの粒子は、第1方向の長さが第1方向に直交する方向の長さよりも長い形状を有する。また、第2の炭化ケイ素結晶2bの粒子の大きさは、第1の炭化ケイ素結晶2aの粒子の大きさよりも大きい。第2の炭化ケイ素結晶2bの粒子は、その第1方向の長さをd1とした時、d1の平均が100μm以下である。
第2のSiC結晶2bはα型であり、プラズマや薬液に対する耐性がβ型の第1のSiC結晶2aよりも低い。以下、プラズマや薬液に対する耐性を総じて耐食性という場合がある。耐食性の低い第2のSiC結晶2bの粒子が第1方向に沿ってのびる長径を有し、その第1の方向の長さd1の平均を100μm以下とすることで、第2のSiC結晶2bの粗大粒の大きさ及び数が低減される。その結果、第2のSiC結晶2bの露出部の面積、すなわち第1の表面S1に露出した第2のSiC結晶2bの面積が低減され、SiC部材の耐食性が向上する。d1の平均は、50μm以下、さらに30μm以下でもよい。d1をより小さくすることで、第2のSiC結晶2bの露出部の面積がさらに低減され、SiC部材の耐食性がさらに向上する。
なお、第1の表面S1とは、CVDの最終工程において形成された表面であり、基体と接する側の面ではない。第1の表面S1は、研磨処理などをした加工面であってもよい。通常、基体と接する側の面には、第2のSiC結晶2bはほとんど存在しない。第2のSiC結晶2bは、CVD−SiCの堆積中に発生した核を起点として成長する。したがって、基材が除去されたCVD−SiCについても、その断面を観察することで、基体と接していた側の面と第1の表面S1とを判別することができる。
SiC部材の微構造は、たとえば、SiC部材の研磨された表面または断面を、後方散乱電子回折(Electron BackScatter Diffraction、EBSD)で観察して確認すればよい。SiC部材の研磨された表面または断面を、さらにウェットエッチングし、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、微構造を確認してもよい。ウェットエッチングの方法は、たとえば溶融NaOHや溶融KOHにSiC部材を浸漬する方法などを用いてもよい。SiC結晶の結晶構造は、X線回折により確認してもよい。また、SiC部材の断面における局所的な結晶構造(各SiC粒子の結晶構造)は、後方散乱電子回折(Electron BackScatter Diffraction、EBSD)で確認してもよい。
第2のSiC結晶2bは、SiC部材の内部および第1の表面S1に存在している。図7に示すように、第2のSiC結晶2bは、SiC部材の第1の表面S1に露出した部分を有していてもよい。以下、第2のSiC結晶2bがSiC部材の第1の表面S1に露出した部分を、単に第2のSiC結晶2bの露出部という場合もある。第2のSiC結晶2bの露出部の長さd2の平均は、20μm以下でもよい。第2のSiC結晶2bの露出部の長さであるd2の平均を20μm以下にすると、SiC部材の第1の表面S1において、プラズマや薬液に対する耐性の局所的な低下を小さくできる。その結果、SiC部材がプラズマや薬液にさらされても、その表面すなわち第1の表面S1の荒れや亀裂の発生を低減できる。d2の平均は、10μm以下、さらには5μm以下でもよい。d2をより小さくすることで、SiC部材の耐食性がさらに向上する。
第2のSiC結晶2bの露出部の長さd2は、図7に示すように、第1の表面S1に垂直な断面における露出部の長さd2を測定してもよい。d2の測定数は、たとえば10個とし、それを平均してもよい。また、第2のSiC結晶2bの露出部の面積を円換算した直径を算出し、その直径をd2としてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態の炭化ケイ素部材は、図8に示すように第1の炭化ケイ素結晶2aおよび第2の炭化ケイ素結晶2bを含む炭化ケイ素層4を、少なくとも2つ備えている。2つまたは3つ以上の炭化ケイ素層4は、第1方向に重なっていてもよい。第2実施形態の第1の炭化ケイ素結晶2aの粒子および第2の炭化ケイ素結晶2bの粒子の形状は、第1実施形態と同じ、または類似している。
SiC層4の第1方向の平均厚さは、1層あたり200μm以下であってもよい。SiC層4の平均厚さを200μm以下とすることで、第2のSiC結晶2bの大きさを小さくすることができる。第2のSiC結晶2bの大きさを小さくすることにより、SiC部材がプラズマや薬液にさらされた場合のエッチングレートを均一化することができる。また、第2のSiC結晶2bの粒子が、第1の表面S1から剥離し難くなり、エッチングによる第1の表面S1の荒れを小さくできる。SiC層4の平均厚さは50μm以上でもよい。
異なるSiC層4は、同じくらいの厚さを有してもよいし、それぞれ異なる厚さを有してもよい。厚さの異なる2つ以上のSiC層4を備えるSiC部材は、第1方向の中央よりも第1の表面S1に近い部位に薄いSiC層4を備え、第1方向の中央よりも第1の表面S1から遠い部位に厚いSiC層4を備えていてもよい。
1つのSiC層4の厚さは、たとえばSiC部材の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)などで観察し、1つのSiC層4の厚さを3か所以上測定し、その平均値とすればよい。また、各SiC層4の厚さが略均等であれば、SiC部材の総厚さの平均値を、SiC層4の層数で除した値を1つのSiC層4の平均厚さとしてもよい。
隣接するSiC層4とSiC層4との界面には、図8に示すように介在層5が存在していてもよい。
介在層5が存在することにより、隣接するSiC層4のうち、一方のSiC層4中に存在する第2のSiC結晶2bと、もう一方のSiC層4中に存在する第2のSiC結晶2bとが、つながりにくくなる。すなわち、第2のSiC結晶2bを、隣接する炭化ケイ素層4と炭化ケイ素層4との界面で効果的に途切れさせることができる。したがって、第2のSiC結晶2bのうち、2つ以上の炭化ケイ素層4にわたって存在する第2のSiC結晶2b、すなわち、隣接する炭化ケイ素層4の界面または介在層5から突出して、2つ以上の炭化ケイ素層4に存在する第2のSiC結晶2bを低減することができる。介在層5の厚さは、たとえば1μm以上10μm以下としてもよい。
SiC部材に含まれる第2のSiC結晶2bのうち、2つ以上のSiC層4にわたって存在する第2のSiC結晶2bの個数比率をN1としたとき、N1は20%以下でもよい。第2のSiC結晶2bが複数のSiC層4にわたって存在すると、粗大粒となりやすくSiC部材の耐食性を低下させる懸念がある。N1を20%以下とすることで、SiC部材の耐食性の低下を小さくできる。なお、2つ以上のSiC層4にわたって存在する第2のSiC結晶2bとは、隣接するSiC層4の界面または介在層5を貫いて2つ以上のSiC層4に連続したひとつの第2のSiC結晶2bとも言える。
介在層5は、第1のSiC結晶2aを含んでいてもよい。介在層5は、主として第1のSiC結晶2aにより構成されてもよい。介在層5が主として第1のSiC結晶2aにより構成されるとは、介在層5を構成するSiC結晶の90%以上が、第1のSiC結晶2aであることを意味する。
介在層5は、SiC層4よりも高い欠陥密度を有していてもよい。欠陥密度は、SiC部材の断面を鏡面加工し、その鏡面加工した断面をウェットエッチングして、走査型電子顕微鏡(SEM)などで観察することで確認できる。
介在層5は、炭素(C)に対するケイ素(Si)の原子比率(Si/C比)が、SiC層4よりも小さくてもよい。介在層5のSi/C比がSiC層4よりも小さいと、SiC層4を形成する際に、α型の第2のSiC結晶2bがβ型の第1のSiC結晶2aに相転移しやすくなる。その結果、介在層5の近傍で第2のSiC結晶2bの粒成長を効果的に抑制できる。この場合、第2のSiC結晶2bの粒子のd1の平均をたとえば50μm以下とすることができる。なお、SiC層4のSi/C比はおよそ1.0であり、たとえば0.95以上、1.05以下でもよい。
主としてSiCにより構成される介在層5は、特に0.90以上、0.999以下のSi/C比を有していてもよい。
介在層5は、炭素を主成分とする非晶質相および結晶相のうち少なくともいずれかを含んでもよい。介在層5は、炭素(C)を主成分としてもよい。介在層5が炭素を主成分とするとは、介在層5を構成する元素の90%以上が炭素であることをいう。隣接するSiC層4とSiC層4との間に、炭素を主成分とする介在層5を有するSiC部材は、SiC層4を形成する際に、第2のSiC結晶2bの粒成長がより効果的に抑制される。その結果、2つ以上のSiC層4にわたって存在する第2のSiC結晶2b、すなわち介在層5から突出して複数のSiC層4に跨って存在する第2のSiC結晶2bの大きさ及び数をさらに低減することができる。
また、炭素の導電率はSiCの導電率よりも高い。そのため、炭素を主成分とする介在層5を有するSiC部材を、例えばフォーカスリングとして用いると、ウェハに蓄積された電荷を、フォーカスリングの介在層5を通して速やかに逃がすことができ、ウェハの加工効率を高めることができる。
SiC層4および介在層5を構成する元素の種類、およびその比率は、エネルギー分散型X線分光(EDS)等の元素分析によって確認できる。また、後方散乱電子回折(Electron BackScatter Diffraction、EBSD)や電子線回折によって、結晶構造を評価することでも確認できる。
第2実施形態においても、第2のSiC結晶2bは、SiC部材の内部および第1の表面S1に存在していてもよい。
SiC層4の面、すなわち隣接するSiC層4とSiC層4との界面、またはSiC層4と介在層5との界面は、最大高さRzが20μm以上の凹凸を有してもよい。SiC層4の面の最大高さRzを20μm以上とすることで、SiC層4同士の界面の構造またはSiC層4と介在層5との界面の構造を、凹凸を有する構造とし、SiC層4間またはSiC層4と介在層5の密着性を向上させることができる。SiC層4の面の最大高さRzは、SiC部材の第1方向に沿う断面において、SiC層4とSiC層4との界面、またはSiC層4と介在層5との界面の線粗さを測定し、算出すればよい。
<製法>
SiC部材の製法について説明する。本実施形態のSiC部材の作製に用いるCVD装置は、特にこれに限定されない。CVD装置は、たとえばガスの導入口および導出口を有する縦型または横型のバッチ式のCVD室と、電気的な加熱手段とを備えたものでもよい。高周波を用いて加熱するCVD装置では、基体を選択的に加熱できる。加熱に用いる高周波の周波数は、たとえば3kHz以上、100kHz以下とすればよい。
CVDの方法は、CVD室内に基体をセットし、原料ガス、キャリアガスなどのガスをCVD室内に導入し、基体上で化学気相成長(CVD)反応させるものであればよい。
原料ガスは、炭素原子およびケイ素原子を含むガスであればよい。ケイ素原子を含むガスとしては、分子中に、ケイ素原子に1個以上の塩素原子が結合している構造を有するものを用いてもよい。メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、または塩化ケイ素と炭化水素ガスとの混合原料などを用いてもよい。これらの原料ガスを用いることで、たとえば、堆積速度0.1mm/時間以上の高速でCVD−SiCを堆積させることができ、効率的にSiC部材を作製することができる。
これらの原料ガスは、水素、アルゴン等のキャリアガスと所定の比率で混合され、混合ガスとしてCVD室内に導入される。原料ガスとキャリアガスとの混合比率は、たとえば原料ガスの体積に対して、キャリアガスの体積を3倍以上、10倍以下としてもよい。キャリアガスは水素であってもよい。水素をキャリアガスとして用いると、ケイ素原子からの脱塩素反応を促進させることができる。
CVD室内には、さらにドーパント原子を含有するガスを導入してもよい。CVD−SiC中にドーパント原子を導入することで、CVD−SiCの電気抵抗率を低下させることができる。ドーパント原子としては、窒素、またはホウ素などを用いてもよい。窒素含有ガスとしては、例えば窒素、アンモニア、トリメチルアミン、およびトリエチルアミンなどが挙げられる。ホウ素含有ガスとしては、例えば三塩化ホウ素、およびジボランなどが挙げられる。原料ガスと、ドーパント原子を含有するガスとの比率は、所望の電気抵抗率に応じて適宜調整してもよい。たとえば、原料ガスの体積に対し、ドーパント原子を含有するガスの体積を0.01倍以上、50倍以下としてもよい。以下、原料ガス、キャリアガス、および必要に応じドーパント原子を含有するガスの混合ガスを、総じて混合原料ガスという。
CVDの反応温度は、たとえば1200℃以上としてもよく、さらに1250℃以上としてもよい。反応温度が1200℃未満であると、CVD−SiCの堆積速度が著しく低下し、生産効率が低下する。反応温度は、特に1350℃以上、さらには1350℃以上、1500℃以下としてもよい。
図6に示すような微構造を有する炭化ケイ素部材は、以下のようにして作製すればよい。
(工程A)
CVD室内の圧力が大気圧に対して−98kPa以上、−80kPa以下程度になるように、混合原料ガスを基体上に導入し、基体上に50μm以上、200μm以下の厚さのCVD−SiCを堆積させる(SiC層4)。CVD−SiCの堆積速度および混合原料ガスの導入時間は、適宜調整すればよい。
(工程B)
工程Bでは、原料ガスの導入流量を、工程Aの1/100以上、1/10以下として、混合原料ガスを基体上に導入し、工程Aで形成されたCVD−SiCのSiC層4上にさらに1μm以上、10μm以下の厚さのCVD−SiCを堆積させる。原料ガスの導入流量を調整するには、混合原料ガスの導入流量を1/100以上、1/10以下とする方法、または混合原料ガス中における原料ガスの比率を1/100以上、1/10以下とする方法があり、そのいずれを用いてもよい。CVD−SiCの堆積速度および混合原料ガスの導入時間は、適宜調整すればよい。
この工程Bでは、原料ガスが希薄な状態であるため、3C構造を有する微小なβ型の第1のSiC結晶2aが生成しやすくなり、α型の第2のSiC結晶2bの成長が抑制される。
上記の工程A、工程Bを交互に繰り返すことにより、図6に示すような微構造を有する炭化ケイ素部材が得られる。このとき、基体の温度は1200℃以上、1400℃以下とすればよい。また、工程Aおよび工程Bの繰り返し回数は、所望する炭化ケイ素部材の厚さに応じて適宜調節すればよい。
図8に示すような微構造を有する炭化ケイ素部材は、以下のようにして作製すればよい。
(工程C)
工程Cでは、原料ガスの導入流量を、工程Aの1/100より小さくする。この混合原料ガスを基体上に導入し、工程Aで形成されたCVD−SiCのSiC層4上にさらにCVD−SiCを堆積させる。原料ガスの導入流量を調整するには、混合原料ガスの導入流量を1/100より小さくする方法、混合原料ガス中における原料ガスの比率を1/100より小さくする方法があり、そのいずれを用いてもよい。工程Cにおける混合原料ガスの導入時間は、たとえば工程Aに要する時間の0.01倍以上、4.0倍以下とすればよい。
この工程Cでも、3C構造を有するβ型の第1のSiC結晶2aが生成しやすくなる。工程Cでは、特に原料ガスが極めて希薄な状態であるため、形成される第1のSiC結晶2aの欠陥密度が高くなり、介在層5が形成される。その結果、α型の第2のSiC結晶2bの成長がさらに抑制され、第2のSiC結晶2bの粗大化をより効果的に抑制することができる。欠陥密度が高い介在層5の存在は、炭化ケイ素部材の断面をウェットエッチングすることによって確認できる。
上記の工程A、工程Cを交互に繰り返すことにより、図8に示すような微構造を有する炭化ケイ素部材が得られる。このとき、基体の温度は1200℃以上、1400℃以下とすればよい。また、工程Aおよび工程Cの繰り返し回数は、所望する炭化ケイ素部材の厚さに応じて適宜調節すればよい。
(工程D)
さらに工程Dでは、原料ガスの導入流量を工程Aの1/100以上、1/10以下とし、CVD室内の圧力を大気圧に対して−100kPa以上、−98kPa未満程度とする。工程Dでは、CVD室内の圧力が低いため、工程Aで形成されたCVD−SiCのSiC層4からSiが離脱する。その結果、SiC層4よりもSi/C比の低い介在層5が形成される。工程Dにおける混合原料ガスの導入時間は、たとえば工程Aに要する時間の0.01倍以上、4.0倍以下とすればよい。
上記の工程A、工程Dを交互に繰り返すことにより、図8に示すような微構造を有し、介在層5のSi/C比が、SiC層4のSi/C比よりも小さい炭化ケイ素部材が得られる。このとき、基体の温度は1200℃以上、1400℃以下とすればよい。また、工程Aおよび工程Dの繰り返し回数は、所望する炭化ケイ素部材の厚さに応じて適宜調節すればよい。
(工程E)
工程Eでは、CVD室内の圧力を大気圧に対して−100kPa以上、−98kPa未満程度とし、さらに原料ガスおよびキャリアガスの導入を停止する。工程Eでは、CVD室内の圧力が低く、原料ガスが供給されないため、工程Aで形成されたCVD−SiCのSiC層4からSiの離脱がより進行する。その結果、炭素を主成分とする介在層5が形成される。工程Eにおいて、ガス導入を停止する時間は、たとえば工程Aに要する時間の0.01倍以上、4.0倍以下とすればよい。
上記の工程A、工程Eを交互に繰り返すことにより、図8に示すような微構造を有し、介在層5の主成分が炭素である炭化ケイ素部材が得られる。このとき、基体の温度は1200℃以上、1400℃以下とすればよい。また、工程Aおよび工程Eの繰り返し回数は、所望する炭化ケイ素部材の厚さに応じて適宜調節すればよい。
このように、原料ガスの導入流量、および必要に応じCVD室内の圧力を周期的に変化させながらCVD−SiCを堆積させることで、基体およびCVD−SiCをCVD室から取り出すことなく、α型の第2のSiC結晶2bの粒径が小さい炭化ケイ素部材、またはさらに2つ以上の炭化ケイ素層4を有する炭化ケイ素部材を得られる。したがって、本開示の炭化ケイ素部材は、従来のようなCVD室からの取り出しや加工を経て積層構造を形成する場合と比較し、生産効率に優れるという利点も有している。
CVD−SiCを堆積させる基体としては、たとえば黒鉛を用いてもよい。黒鉛の熱膨張係数は、炭化ケイ素の熱膨張係数に近いため、基体として黒鉛を用いることで、基体および基体の表面に形成されたCVD−SiCの熱応力による変形を小さくすることができる。
黒鉛の熱膨張係数は、CVD−SiCの熱膨張係数よりも若干大きくてもよい。CVD−SiCを堆積させた後に、基体およびCVD−SiCを室温まで冷却した際、黒鉛の熱膨張係数がCVD−SiCの熱膨張係数よりも若干大きいと、CVD−SiCに生じる熱応力は圧縮応力となる。CVD−SiCに圧縮応力が加わることにより、CVD−SiCにはクラックが発生しにくくなる。
また、フォーカスリング1aやダミーウェハ1b等の炭化ケイ素部材では、CVD−SiCを自立体(自立膜ともいう)として用いる。自立体として用いる炭化ケイ素部材では、形成したCVD−SiCから基体を除去する必要がある。黒鉛製の基体は、酸化や研削によりCVD−SiCから除去しやすい。
このようにして得られた炭化ケイ素部材では、図9に示すような耐食性の低いコーン状の構造6が発生しにくい。そのため、このような炭化ケイ素部材は、プラズマや薬液にさらされても外表面の荒れや亀裂の発生が少ない。このような炭化ケイ素部材は、図1に示したフォーカスリング1aおよびダミーウェハ1bのほか、半導体製造装置用の加熱ヒータおよびサセプターとして用いてもよく、さらに炉芯管、耐薬品性治具、分析用容器等の各種部材として用いてもよい。
本開示の炭化ケイ素部材は、上述のように基体を除去した自立体だけでなく、炭化ケイ素被膜と基体との複合部材も含む。
メチルトリクロロシラン、水素、および窒素を原料として、CVD法により、黒鉛基体上にCVD−SiCを形成した。
CVD装置は、高周波誘導加熱により基体を加熱する方式の装置を用いた。高周波の周波数は60kHzとした。CVD室内に、黒鉛基体および断熱材からなる基体支持体を配置し、CVD室内を真空排気しながら昇温した。黒鉛基体の温度を1400℃とし、原料ガスであるメチルトリクロロシラン、キャリアガスである水素、およびドーパントガスである窒素の混合原料ガスを導入し、黒鉛基体上にCVD−SiCを堆積させた。メチルトリクロロシランに対する窒素の体積比率は、5倍とした。
工程Aでは、原料ガスに対するキャリアガスの体積比率を5倍とし、CVD室内の圧力を大気圧に対して−95kPaとした。このとき、CVD−SiCの堆積速度はおよそ0.5mm/時間であった。
工程Bでは、原料ガスに対するキャリアガスの体積比率を100倍とし、CVD室内の圧力を大気圧に対して−95kPaとした。このとき、CVD−SiCの堆積速度はおよそ0.06mm/時間であった。
工程Dでは、原料ガスに対するキャリアガスの体積比率を100倍とし、CVD室内の圧力を、大気圧に対して−100kPaとした。このとき、CVD−SiCの堆積速度はおよそ0.02mm/時間であった。
工程Eでは、CVD室内の真空排気を継続した状態で、原料ガスとキャリアガスとの混合原料ガスの供給を停止した。CVD室内の圧力は、大気圧に対して−100kPaとした。
試料No.1〜9では工程Aと、工程B〜Eのいずれか一つとを1セットとし、表1に示す条件でCVD−SiCを作製した。また、試料No.10は、工程Aを20分間行った後、黒鉛基体とその表面に堆積したCVD−SiCをCVD室から取り出し、CVD−SiCの表面を研磨加工した。試料No.10は、工程Aと表面の研磨加工とを1セットとし、表1に示す条件でCVD−SiCを作製した。
得られた試料から黒鉛基体を機械加工により除去し、各種評価を行った。
得られた試料No.1〜10の炭化ケイ素部材を、溶融水酸化ナトリウムに浸漬して表面をエッチングした。その後、炭化ケイ素部材の断面およびエッチングされた表面の状態を走査型電子顕微鏡(SEM)にて確認した。なお、確認した表面とは第1の表面であり、黒鉛基体の除去により露出された表面すなわちCVDの初期に形成されたSiCの面とは異なる。試料No.1〜3には明確なSiC層とその界面は見られなかった。試料No.4〜10には、明確なSiC層とその界面が確認できた。各試料の総厚さをマイクロメータで測定した。また、試料No.4〜10の1層の厚さを、SEMを用いて測定した。各試料の総厚さの平均値、および炭化ケイ素層1層の厚さの平均値を表1に示す。なお、試料No.1〜3は全体で1つのSiC層とみなした。
炭化ケイ素部材の結晶構造は、X線回折(XRD)より確認した。試料No.1〜10はいずれもβ型構造を有する第1のSiC結晶とα型構造を有する第2のSiC結晶とを含んでいた。また、後方散乱電子回折(EBSD)により、試料No.1〜10はいずれも、第2のSiC結晶の大きさが第1のSiC結晶の大きさよりも平均的に大きいことを確認した。各試料の微構造に対応する図番を表1に示す。
Figure 0006818776
第2のSiC結晶の第1方向の長さd1、および第1表面に露出した露出部の長さd2を、SEMを用いて200倍〜500倍の倍率で測定した。d1の平均値、およびd2の平均値を表2に示す。
第2のSiC結晶のうち、2つ以上の炭化ケイ素層にわたって存在する結晶の割合N1は、SEMの断面写真を用いて評価した。写真の倍率は200倍〜500倍とした。第2のSiC結晶の全数と、2つ以上の炭化ケイ素層にわたって存在する第2のSiC結晶の数を計数し、その比率を算出した。
介在層の有無、およびSiC層の線粗さの最大高さRzは、SEMの断面写真を用いて評価した。介在層のSiとCとの比率は、エネルギー分散型X線分光(EDS)で評価した。結果を表2に示す。なお、試料No.1〜3は全体が1つのSiC層であるため、N1、Rzおよび介在層を評価しなかった。
プラズマエッチング試験には、RIE方式のエッチング装置を用いた。各試験片の第1の面を研磨加工して、その表面粗さを同程度にそろえた。エッチング装置のエッチング室内に各試料の試験片を配置し、各試験片の第1の面をエッチング処理した。エッチング処理は、CF4ガスをエッチング室内に導入するとともに、13.56MHzの高周波を出力0.8W/cm2で導入してプラズマを発生させた。処理時間は4時間とした。プラズマに対する耐性の評価として、エッチング処理後の試料のエッチング面の算術平均粗さRaを、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した。また、エッチング面を目視およびSEMで観察し、クラックの有無を確認した。結果を表2に示す。
Figure 0006818776
試料No.1〜9は、第2のSiC結晶の第1方向の長さd1が100μm以下のエッチング面に目立った荒れなどは見られず、Raも410nm以下と小さく、プラズマに対して高い耐食性を有していた。試料No.9は、エッチング面ではなく側面にSiC層の界面に沿ったクラックが見られたが、試料No.1〜8ではクラックは発生しなかった。一方試料No.10は、d1が250μmと大きく第2のSiC結晶が粒成長しており、エッチング面に荒れが目立ち、Raが550nmと大きかった。また、エッチング面に露出した第1のSiC結晶と第2のSiC結晶との粒界にクラックが生じていた。
1 :半導体製造装置用部材
1a :フォーカスリング
1b :ダミーウェハ
2a :第1の炭化ケイ素結晶
2b :第2の炭化ケイ素結晶
4 :炭化ケイ素層
5 :介在層
6 :コーン状組織
S1 :第1の表面

Claims (12)

  1. 3Cの結晶構造を有するβ型の第1の炭化ケイ素結晶と、該第1の炭化ケイ素結晶とは異なる結晶構造を有する第2の炭化ケイ素結晶とを含み、
    第1の表面を有し、該第1の表面と直交する方向を第1方向としたとき、
    前記第2の炭化ケイ素結晶の粒子は、前記第1方向に沿ってのびる長径を有するとともに、前記第1方向の長さの平均が100μm以下であって、
    前記第1の炭化ケイ素結晶および前記第2の炭化ケイ素結晶を含む炭化ケイ素層を少なくとも2つ備え、
    該炭化ケイ素層は、前記第1方向に重なっており、
    前記炭化ケイ素層の間に介在層を有し、
    該介在層は、炭素(C)に対するケイ素(Si)の原子比率(Si/C)が、前記炭化ケイ素層よりも小さい、炭化ケイ素部材。
  2. 前記第2の炭化ケイ素結晶の前記第1方向の長さの平均が50μm以下である、請求項1に記載の炭化ケイ素部材。
  3. 前記第2の炭化ケイ素結晶は、前記第1の表面に露出した露出部を有し、
    該露出部の長さの平均が、20μm以下である、請求項1または2に記載の炭化ケイ素部材。
  4. 前記介在層が、第1の炭化ケイ素結晶を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の炭化ケイ素部材。
  5. 前記介在層が、炭素を主成分とする非晶質相および炭素を主成分とする結晶相のうち、少なくともいずれかを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の炭化ケイ素部材。
  6. 前記炭化ケイ素層の平均厚さが、200μm以下である、請求項1〜5のうちいずれかに記載の炭化ケイ素部材。
  7. 前記炭化ケイ素層の平均厚さが、50μm以上である、請求項に記載の炭化ケイ素部材。
  8. 前記第2の炭化ケイ素結晶のうち、2つ以上の前記炭化ケイ素層にわたって存在する前記第2の炭化ケイ素結晶の個数比率が20%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載
    の炭化ケイ素部材。
  9. 前記第1方向に沿う断面において、前記炭化ケイ素層の面が、線粗さにして最大高さRz≧20μmの凹凸を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の炭化ケイ素部材。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の炭化ケイ素部材を含む、半導体製造装置用部材。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の炭化ケイ素部材を含む、フォーカスリング。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の炭化ケイ素部材を含む、ダミーウェハ。
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