JP6817111B2 - 電気化学式バイオセンサを用いた物質の測定方法及び測定装置 - Google Patents

電気化学式バイオセンサを用いた物質の測定方法及び測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、生体成分等に含まれる測定対象物質を分析するための、酵素反応を利用した電気化学式バイオセンサを用いた測定方法及び測定装置に関する。
特許文献1には、電気化学式バイオセンサの測定において、酸化還元酵素、酸化剤、緩衝剤を含有する電極を用い、酵素反応が実質的に終了する段階まで行なわれた後、電極と試料の間に電位を加えコットレル電流を測定し、該コットレル電流に基づいて物質の濃度を測定することが記載されている。このコットレル電流は、物質の拡散の影響を受けるので、反応速度論においては拡散律速電流の計測が開示されている。一方、特許文献2では、物質の拡散過程ではなく電荷移動過程に基づく電流を検出し、該電流に基づいて物質の濃度を測定する方法が開示されている。物質の拡散の影響を受けずに測定可能なことから、特許文献1の方法に比べて、低コストで短時間の測定が可能である。
特許第2901678号明細書 WO2015/020149
上記の通り、特許文献2では、物質の拡散依存ではなく電荷移動律速電流を測定しているが、測定電流値が酵素活性および酵素量の影響を受けることから、センサ間の測定値のばらつきが課題となっている。
したがって、本発明は電気化学式バイオセンサを利用した物質の測定において、酵素活性および酵素量に基づくセンサ間の測定値のばらつきを低減し、精度よく簡便な系で測定できる方法及び装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、電極に、第一の電位および第二の電位を印加し、試料中の物質濃度の測定に加えて、センサ中で、実際に、前記物質の酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる酸化還元酵素の量または活性を反映するシグナルを測定し、試料中の物質濃度の測定結果を前記酸化還元酵素の量または活性を反映するシグナルで補正するという、センサの自己キャリブレーションを行うことで、センサ間の測定値のばらつきを低減し、精度よく物質を測定できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の方法は、
絶縁性基板と、該絶縁性基板上に形成された2以上の電極を含む電極系であって、少なくとも1つの電極が酸化還元酵素を含む電極系、とを含む電気化学測定セル内に測定対象物質を含む試料を導入する工程と、
第一の電圧を電極系に印加する第一の電圧印加工程と、
第二の電圧を電極系に印加する第二の電圧印加工程と、
前記第一の電圧印加工程において、酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる前記酸化還元酵素の量に依存する第一のシグナルを取得する工程と、
前記第二の電圧印加工程において、前記試料中の測定対象物質の量に依存する第二のシ
グナルを取得する工程と、
前記第一のシグナルにより、前記第二のシグナルを補正し、試料中の測定対象物質の濃度を決定する工程、を含む。
ここで、前記第一の電圧が、前記酸化還元酵素の還元電位以下の電圧であり、前記第二の電圧が、前記酸化還元酵素の酸化電位以上の電圧であることが好ましい。
また、あらかじめ第二のシグナルのレベル域毎に作成された前記第一のシグナルと前記第二のシグナルの検量線を用い、前記第一のシグナルの測定値の、当該検量線からの乖離度から補正係数を算出し、前記第二のシグナルの測定値を前記補正係数で補正し、補正された第二のシグナルの値に基づいて物質濃度を決定することが好ましい。
前記第二のシグナルは電荷移動律速電流であることが好ましく、電荷移動律速電流は、電気二重層の充電による過渡電流発生後の定常電流であることが好ましく、下記式(2)で表されることがより好ましい。
また、酸化還元酵素がピロロキノリンキノンまたはフラビンアデニンジヌクレオチドを含むか、ヘムを含むサブユニットまたはドメインを有することが好ましい。
より具体的には、前記酸化還元酵素がグルコース酸化活性を有する酵素、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼであり、測定対象物質がグルコースであることが好ましい。
本発明の装置は、
絶縁性基板と、該絶縁性基板上に形成された2以上の電極を含む電極系であって、少なくとも1つの電極が酸化還元酵素を含む電極系、とを含む電気化学測定セルを含むバイオセンサと、
バイオセンサへの第一の電圧印加および第二の電圧印加を制御する、制御部と、
バイオセンサへの第一及び第二の電圧印加により得られる、第一及び第二のシグナルを検出する、検出部と、
前記前記第一のシグナルにより、前記第二のシグナルを補正し、試料中に含まれる物質の濃度を決定する、演算部と、
前記算出された前記物質の濃度を出力する出力部とから構成される測定装置、
とから構成される。
測定装置は、測定対象物質がグルコースであり、酸化還元酵素がグルコース酸化活性を有する酵素、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼであることが好ましい。
本発明により、電気化学式バイオセンサを利用した物質の測定において、酵素活性および酵素量の影響が改善され、センサ間の測定値のばらつきを抑えることが可能になった。これまでバイオセンサのキャリブレーションはセンサの製造ロット毎に行われるのが一般的であったが、本発明により、個々のセンサ毎のキャリブレーションが可能になり、更なる測定精度の向上に寄与した。
図1は、本発明のバイオセンサの構造の一態様を示す図である。(A)が全体斜視図、(B)が分解斜視図を示す。 図2は、複数のセンサに還元電位を印加して還元電流の測定を行った結果を示す図である。試料は600mg/dLのグルコースを含む全血サンプルを用いた。 図3は、複数のセンサに酸化電位を印加してクロノアンペロメトリー測定を行った結果を示す図である。試料は600mg/dLのグルコースを含む全血サンプルを用いた。 図4は、各センサにおいて、600mg/dLのグルコースを含む全血サンプルを用いて測定を行った時の、還元電流の測定値と酸化電流の測定値とをプロットしたグラフである。 図5は、各センサについて、134 mg/dL または600mg/dLのグルコースを含む全血サンプルを用いて測定を行った時の、補正前と補正後のグルコース濃度測定値をプロットしたグラフである。 図6は、本発明の測定装置の一態様を示す模式図である。 図7は、本発明の測定装置を用いた測定プログラムの一態様を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下に挙げる実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の実施形態には限定されない。
本発明のバイオセンサを用いた物質の測定方法は、絶縁性基板と、該絶縁性基板上に形成された2以上の電極を含む電極系であって、少なくとも1つの電極が酸化還元酵素を含む電極系、とを含む電気化学測定セル内に測定対象物質を含む試料を導入する工程と、
第一の電圧を電極系に印加する第一の電圧印加工程と、
第二の電圧を電極系に印加する第二の電圧印加工程と、
前記第一の電圧印加工程において、酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる前記酸化還元酵素の量に依存する第一のシグナルを取得する工程と、
前記第二の電圧印加工程において、前記試料中の測定対象物質の量に依存する第二のシグナルを取得する工程と、
前記第一のシグナルにより、前記第二のシグナルを補正し、試料中に含まれる物質の濃度を決定する工程、を含む。
ここで、測定対象物質としては本発明のバイオセンサを用いた測定方法によって測定可能な物質であれば特に制限されないが、生体由来の物質であって疾患や健康状態の指標となりうる物質であることが好ましく、例えば、グルコースやコレステロール、乳酸などが挙げられる。
試料は測定対象物質を含む試料であれば特に制限されないが、生体試料が好ましく、血液、尿などが挙げられる。
以下、本発明の測定方法で使用しうる電気化学式バイオセンサの電気化学測定セルの構成要素について説明する。
<作用電極>
作用電極は例えば、絶縁性基板上に電極材料を配置し、得られた電極の近傍に少なくとも酸化還元酵素を含む試薬層を配置させることによって得ることができる。
電極は、例えば、カーボンのような炭素材料を用いて形成される。或いは、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)のような金属材料を用いることもできる。
絶縁性基板は、例えば、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)のような熱可塑性樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂のような各種の樹脂(プラスチック)、ガラス、セラミック、紙のような絶縁性材料で形成される。
電極及び絶縁性基板の大きさ、厚さは適宜設定可能である。
<酸化還元酵素>
酸化還元酵素は、測定対象物質を酸化還元しうる酵素であればよいが、触媒サブユニット及び触媒ドメインとして、ピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)のうち少なくとも一方を含むことができる。例えば、PQQを含む酸化還元酵素として、PQQグルコースデヒドロゲナーゼ(PQQGDH)が挙げられ、FADを含む酸化還元酵素として、FADを含んだαサブユニットを持つシトクロムグルコースデヒドロゲナーゼ(CyGDH)、グルコースオキシダーゼ(GOD)が挙げられる。
また、酸化還元酵素は、電子伝達サブユニット若しくは、電子伝達ドメインを含むことができる。電子伝達サブユニットとしては、例えば、電子授受の機能を持つヘムを有するサブユニット挙げられる。このヘムを有するサブユニットを含む酸化還元酵素としては、シトクロムを含むものが挙げられ、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼや、PQQGDHとシトクロムとの融合蛋白質を適用することができる。
また、電子伝達ドメインを含む酵素としては、コレステロールオキシダーゼ、キノヘムエタノールデヒドロゲナーゼ(QHEDH (PQQ Ethanol dh)が挙げられる。さらに、電子伝達ドメインは、電子授受の機能を持つヘムを有するシトクロムを含むドメインを適用するのが好ましい。例えば、"QHGDH" (fusion enzyme; GDH with heme domain of QHGDH))、ソルビトールデヒドロゲナーゼ(Sorbitol DH)、D-フルクトースデヒドロゲナーゼ(Fructose DH)、Agrobacterium tumefasience由来のグルコース-3-デヒドロゲナーゼ(Glucose-3-Dehydrogenase)(G3DH from Agrobacterium tumefasience)、セロビオースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼが挙げられる。なお、上述したシトクロムを含むサブユニットの例示であるPQQGDHとシトクロムとの融合蛋白質、及びシトクロムを含むドメインの例示であるPQQGDHのシトクロムドメインは、例えば、国際公開WO2005/030807号公報に開示されている。
また、酸化還元酵素は、少なくとも触媒サブユニットおよび電子受容体の機能を持つヘムを有するシトクロムを含むサブユニットから構成されているオリゴマー酵素を適用するのが好ましい。
なお、測定対象物質は、酸化還元酵素の基質であればよい。例えば、セロビオースデヒドロゲナーゼは、セロビオースを酸化するが、グルコースも酸化するため、グルコースを測定対象物質として用いることもできる。
後述の電荷移動律速電流を測定するためには、作用電極を“直接電子移動型の酵素電極”とすることが好ましい。ここで、“直接電子移動型の酵素電極”とは、試薬層で酵素反応により生じた電子が、電子伝達メディエーターのような酸化還元物質が関与することなく直接電極に伝達されることにより、酵素と電極間の電子授受が行われるタイプの酵素電極である。
なお、生理学的反応系において直接電子移動が起こる限界距離は1〜2nmと云われている。よって、酵素から電極への電子移動が損なわれないように酵素を配置することが重要である。
電荷移動律速電流を測定するためには、電極の近傍に酸化還元酵素を配置させることが重要であるが、そのための方法としては、特に制限されないが、例えば、酸化還元酵素を電極に化学的に固定化する方法、酸化還元酵素をバインダーなどを用いて電極に間接的に固定化する方法、酸化還元酵素を電極に物理的に吸着させる方法などが挙げられる。
作用電極上の酵素試薬層は、導電性粒子を含むことができる。導電性粒子を含むことで、より好適な電極への電子伝達を期待することができる。具体的には、導電性粒子は、金、白金、銀、パラジウムのような金属製粒子、或いは、炭素を材料とした高次構造体を適用することができる。高次構造体は、例えば、導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレンのような、炭素粒子又は炭素微粒子を含むことができる。導電性カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック(デグザ製)、ブラックパール(キャボット)、などが挙げられる。
作用電極上の酵素試薬層はまた、導電性高分子を含むことができる。導電性高分子とし
ては、水溶性のものが好ましく、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、代表例として、三菱レイヨン製スルホン化ポリアニリン水溶液(商品名 アクアパス)が挙げられる。
作用電極上の酵素試薬層はまた、バインダーを含むことができる。バインダーとしては水溶性バインダーが好ましく、具体的には、オキサゾリン基含有水溶性ポリマーなどが挙げられる。
上記したような作用電極は、例えば、以下のようにして作製される。すなわち、絶縁性基板の片面に、電極として機能するカーボン層を形成する。例えば、所定の厚さ(例えば100μm程度)のフィルム状の絶縁性基板の片面に、カーボンインクをスクリーン印刷し、所望の厚さ(例えば10μm程度)を有するカーボン膜を形成することが出来る。カーボン層の代わりに、金属材料を物理蒸着(PVD,例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって成膜することによって、所望の厚さ(例えば30nm程度)を有する金属層を形成することもできる。
次に、電極上に酵素試薬層が形成される。まず、酸化還元酵素と導電性粒子や導電性高分子を含む溶液が調製され、該溶液は、電極の表面に滴下される。該溶液が電極上で乾燥により固化することで、電極上に酵素試薬層が形成された作用電極を得ることができる。
本発明で使用されるバイオセンサの電極系は上記作用電極に加え、対極を含む。対極としては、バイオセンサの対極として一般的に使用できるものであればよいが、例えば、スクリーン印刷により製膜したカーボン電極や、物理蒸着(PVD、例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって成膜した金属電極や、スクリーン印刷により製膜した銀/塩化銀電極を用いることができる。また、本発明で使用されるバイオセンサの電極系はさらに銀/塩化銀電極を参照極とした3電極系でもよい。
(試料中の測定対象物質の測定方法)
本発明のバイオセンサを用いた物質の測定方法では、電気化学測定セル内に物質を含む試料を導入した後、第一および第二の電圧を電極系に印加し、第一および第二のシグナルを取得する。
ここで、第一の電圧は、作用電極に使用された酸化還元酵素の還元電位以下の電圧であることが好ましい。酸化還元酵素の還元電位以下の電圧を印加することにより、試料中の物質濃度には依存せず、酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる酸化還元酵素の量に依存する第一のシグナル、すなわち、第一の電流値(還元電流値)が得られる。
一方、第二の電圧は、作用電極に使用された酸化還元酵素の酸化電位以上の電圧であることが好ましい。酸化還元酵素の酸化電位以上の電圧を印加することにより、試料中の物質濃度に依存する第二のシグナル、すなわち、第二の電流値(酸化電流値)が得られる。
使用する酵素の酸化電位、還元電位は公知の方法で調べることができる。例えば、酵素の電子伝達部位の還元電位の把握には、サイクリックボルタンメトリー等の既知の分析方法にて、確認が可能である。
例を挙げると、酸化還元酵素がCyGDHの場合、第一の電圧としては、−0.01、−0.03、−0.05、−0.08または−0.10V〜−0.20、−0.25、−0.30、−0.35または−0.40の範囲とすることができ、−0.01〜−0.4Vが好ましく、さらに−0.1〜−0.2Vがより好ましく、第二の電圧としては、0.01、0.02、0.03、0.04または0.05V〜0.40、0.50、0.60、0.70または0.80Vの範囲とすることができ、0.01〜0.8Vが好ましく、さらに0.05〜0.4Vがより好ましい。
試料中の物質濃度に依存する第二のシグナルの種類は特に制限されないが、測定対象物
質に由来する電子の電極への移動に基づく電荷移動律速電流が好ましい。ここで、測定対象物質に由来する電子の電極への移動に基づく電荷移動律速電流とは、酸化還元酵素と測定対象物質との反応によって、該酵素から電極へ電子が移動する際に生じる電流であり、時間に依存しない定常電流であり、好ましくは電気二重層の充電による過渡電流発生後の定常電流である。
この電荷移動律速電流は、好ましくは、以下の式(1)で表される。この式から、電流は基質の濃度と酵素反応速度定数に比例することがわかり、定数項をXとすると式(2)に展開できる。なお、式(1)、(2)には示していないが、定数項Xには補正係数などが含まれてもよい。
Figure 0006817111
Figure 0006817111
なお、電極系が、電荷移動律速であることは、サイクリックボルタンメトリーなどによってピークの有無や電圧の掃印方向による電流の増加傾向を調べることにより確認することができる。
作用電極への第一の電圧の印加と、第二の電圧の印加は連続的に行ってもよいが、時間差で行うことが好ましく、例えば、第一の電圧の印加後、3〜10秒の間隔を置いたのち、第二の電圧を印加する態様が例示される。電極への電圧の印加の仕方は特に制限されないが、電荷移動律速電流を効率よく測定するにはステップ印加が好ましい。
また、第一のシグナルの測定は、第一の電圧印加後、1〜5秒後に行うことが好ましく、第二のシグナルの測定は、第二の電圧印加後、3〜60秒に行うことが好ましい。
なお、作用電極への第一の電圧の印加と第二の電圧の印加、およびそれに基づく第一のシグナルおよび第二のシグナルの測定は、全く独立に行ってもよい。例えば、下記の通り、第一のシグナルの値は試料中の測定対象物質の量に依存しないので、第一の電圧の印加と第一のシグナルの測定は測定対象物質を含む試料が存在しない状態で先に行い、後に、第二の電圧の印加と第二のシグナルの測定を測定対象物質を含む試料を存在させた状態で行ってもよい。
第二のシグナルの値は試料中の測定対象物質の量に依存するが、酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる酸化還元酵素の量にも依存する。一方、第一のシグナルの値は前記酸化還元酵素の量に依存するが、試料中の測定対象物質の量には依存しない。したがって、第二のシグナルの値を第一のシグナルの値で補正すれば、酸化還元酵素の活性および酵素量の影響を受けない試料中の測定対象物質の量の測定が可能となる。
より具体的には、電極系に酸化還元酵素の還元電位以下の定電圧を印加した時の電流値(第一のシグナル:還元電流値)は前記酸化還元酵素の量と正の相関関係(比例関係)を有する。したがって、あらかじめ、還元電流値から、測定に使用した酵素電極の相対酵素量(相対総活性)がわかる。
一方、電極系に酸化還元酵素の酸化電位以上の定電圧を印加することにより、測定対象物質の濃度に比例した電流が流れるので、その電流値(第二のシグナル:酸化電流値)からグルコースなどの測定対象物質の濃度の値(仮の値)がわかる。
なお、電荷移動律速電流の場合、測定対象物質の濃度(仮の値)は上記式(1)に基づいて測定電流値より算出することができる。また、濃度既知の試料を用いて検量線を予め作成しておき、その検量線に基づいて測定電流値より算出することも可能である。また、試験により見出した補正係数を式(1)に乗じること等により、検体の濃度を算出することも可能である。この場合、式(2)の定数項Xに補正係数も含まれることとなる。
そして、測定対象物質に基づく酸化電流値と、前記酵素量に基づく還元電流値との関係をあらかじめ求めておけば、還元電流値で補正することにより、正しいグルコースなどの測定対象物質の濃度が測定できる。
なお、あらかじめ酸化電流値から測定対象物質の濃度(仮の値)を求めておき、それを還元電流値で補正して測定対象物質の濃度(補正後)を求めてもよいし、酸化電流値を還元電流値で補正し、酸化電流値(補正後)に基づいて測定対象物質の濃度(補正後)を求めてもよい。
本発明の測定方法によれば、連続的な測定も断続的な測定もいずれも可能である。連続的な測定の場合は、一度、還元電流値を求めておけば、その値に基づいて、測定値を連続的に補正することができ、毎回、還元電流値を求める必要はない。
(試料中の測定対象物質の測定装置)
次に、図面を用いて、本発明の測定装置2について説明する。ここでは、バイオセンサとしてグルコースセンサを使用したグルコース測定装置について例示したが、本発明の測定装置は以下の態様には限定されない。
本発明の測定装置は、上記バイオセンサと、
バイオセンサへの第一の電圧印加および第二の電圧印加を制御する、制御部と、
バイオセンサへの第一及び第二の電圧印加により得られる、第一及び第二のシグナルを検出する、検出部と、
前記前記第一のシグナルにより、前記第二のシグナルを補正し、試料中に含まれる物質の濃度を決定する、演算部と、
前記算出された前記物質の濃度を出力する出力部とから構成される。
図6は、測定装置2内に収容された主な電子部品の構成例を示す。制御コンピュータ3,ポテンショスタット3A,電力供給装置21が、筐体内に収容された基板3a上に設けられている。
制御コンピュータ3は、ハードウェア的には、CPU(中央演算処理装置)のようなプロセッサと、メモリ(RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory))のような記録媒体と、通信ユニットを含んでおり、プロセッサが記録媒体(例えばROM)に記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することによって、出力部20、制御部22、演算部23及び検出部24を備えた装置として機能する。なお、制御コンピュータ3は、半導体メモリ(EEPROM,フラッシュメモリ)やハードディスクのような、補助記憶装置を含んでいてもよい。
制御部22は、電圧印加のタイミング,印加電圧値などを制御する。
電力供給装置21は、バッテリ26を有しており、制御部コンピュータ3やポテンショスタット3Aに動作用の電力を供給する。なお、電力供給装置21は、筐体の外部に置くこともできる。
ポテンショスタット3Aは、作用電極の電位を参照電極に対して一定にする装置であり、制御部22によって制御され、端子CR,Wを用いて、グルコースセンサ(酵素電極)4の対電極(参照電極)と作用電極との間に所定の電圧(第一及び第二の電圧)を印加し、端子Wで得られる作用電極の応答電流(第一及び第二の電流)を測定し、測定結果を検出部24に送る。
演算部23は、グルコースセンサで検出された第二の電流値を第一の電流値で補正し、補正後の第二の電流値に基づいてグルコースの濃度を算出し、得られた値を記憶する。なお、先に第二の電流値からグルコースの濃度(仮の値)を求めるための演算を行い、その後、グルコースの濃度(仮の値)を第一の電流値で補正してもよい。出力部20は、表示部ユニット25との間でデータ通信を行い、演算部23による測定対象物質の濃度の演算結果を表示部ユニット25に送信する。表示部ユニット25は、例えば、測定装置2から受信されたグルコース濃度の演算結果を所定のフォーマットで表示画面に表示することができる。
図7は、制御コンピュータ3によるグルコース濃度測定処理の例を示すフローチャートである。制御コンピュータ3のCPU(制御部22)は、グルコース濃度測定の開始指示を受け付けると、制御部22は、ポテンショスタット3Aを制御して、グルコースセンサに所定の電圧(第一及び第二の電圧)を印加し、それぞれ応答電流(第一及び第二の電流)の測定を開始する(ステップS01)。なお、測定装置へのセンサの装着の検知を、濃度測定開始指示としてもよい。
次に、ポテンショスタット3Aは、電圧印加によって得られる応答電流、すなわち、第一及び第二の電流を測定し、検出部24へ送る(ステップS02)。
演算部23は、まず、第二の電流値を第一の電流値で補正する(ステップS03)。例えば、制御コンピュータ3の演算部23は、第二の電流値と第一の電流値の関係を示す計算式または検量線データを予め保持しており、これらの計算式または検量線を用いて第二の電流値を補正する。
なお、上記第二の電流値と第一の電流値の関係を示す計算式または検量線データは、各グルコース濃度域ごとに用意されていることが好ましい。例えば、グルコース濃度0、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000mg/dLのそれぞれにおいて上記計算式または検量線データが用意されており、前記第二の電流値から最も近い検量線を選択し、その検量線における第二の電流値に対する第一の電流値の理論値と実測値の乖離を評価し、その乖離度に基づいて補正係数を算出し、第二の電流値を補正する。なお、上記第二の電流値と第一の電流値の関係を示す計算式または検量線データを用意するグルコース濃度域は上記に限らず、5mg/dL毎や、10mg/dL毎等、任意に設定できる。
さらに、演算部23は前記補正後の第二の電流値に基づいてグルコース濃度を算出する(ステップS04)。例えば、制御コンピュータ3の演算部23は、グルコース濃度の計算式またはグルコース濃度の検量線データを予め保持しており、これらの計算式または検量線を用いてグルコース濃度を算出する。
なお、ステップS04をステップS03に先んじて行うこともできる。例えば、先に第二
の電流値からグルコースの濃度(仮の値)を求めるための演算を行い、その後、グルコースの濃度(仮の値)を第一の電流値で補正してもよい。
出力部20は、補正後のグルコース濃度の算出結果を、表示部ユニット25との間に形成された通信リンクを通じて表示部ユニット25へ送信する(ステップS05)。その後、制御部22は、測定エラーの有無を検知し(ステップS06)、エラーがなければ測定を終了し、グルコース濃度を表示部に表示する。エラーがあればエラー表示をした後に、図7のフローによる処理を終了する。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の態様に限定はされない。
以下、バイオセンサの実施例について、グルコースセンサを用いて説明する。
<グルコースセンサの作製方法>
グルコースセンサの構造の一例を図1に示す。
グルコースセンサ1は、図1に示されるように、カバー板10、スペーサー11および基板12を有している。
カバー板10には穴部13が設けられており、スペーサー11には穴部13に連通するとともに先端開口部14aが開放した細幅なスリット14が設けられている。カバー板10およびスペーサー11が基板12の上面12aに積層された状態では、スリット14によりキャピラリー15が規定されている。このキャピラリー15は、スリット14の先端開口部14aおよび穴部13を介して外部と連通している。先端開口部14aは試料液導入口15aを構成しており、この試料液導入口15aから供給された試料液は、毛細管現象により穴部13に向けてキャピラリー15内を進行する。
基板12の上面12aには、第1電極16、第2電極17、および試薬層18が設けられている。
第1および第2電極16,17は、全体として基板12の長手方向に延びており、それらの端部16a,17aが基板12の短手方向に延びている。基板12の上面12aは、第1および第2電極16,17の端部16a,16b,17a,17bが露出するようにして絶縁膜19により覆われている。
試薬層18は、第1および第2電極16,17の端部16a,17a間を橋渡すようにして設けられている。この試薬層18は、グルコースデヒドロゲナーゼを含んでいる。
より具体的には、グルコースセンサは以下の方法で作製した。
<下地電極>
下地電極材料として、導電性カーボンインク(アサヒ化学研究所製FTUシリーズ)を用い、このインクをスクリーン印刷手法にてポリエチレンテレフタレート基材(東レ製E-22)(長さ50mm、幅5mm、厚み250μm)の一方の表面にパターンニング印刷を行い、2電極パターンを形成した。一方の電極上に銀塩化銀インク(BAS社製)を塗布し、80℃で20分乾燥させ、銀塩化銀電極を形成し、対極とした。
つぎに、絶縁性樹脂ポリエステルインク(アサヒ化学研究所製 UVFシリーズ)を、前記電極上にスクリーン印刷した。電極パターンと絶縁パターンによって、形成される電極面積は、それぞれ0.5mm2に設定した。
<酵素試薬層の形成>
電極上に、シトクロム含有グルコースデヒドロゲナーゼ(CyGDH)、導電性粒子(カーボンブラック:ケッチェンブラックKJB)、導電助剤としての導電性高分子(ポリアニリン)およびバインダー(オキサゾリン基含有水溶性ポリマー)含む酵素試薬を調製し、電
極上に0.04μL滴下し、100℃で30分乾燥することで、酵素試薬層を形成した。酵素試薬の最終濃度は以下の通りである。
<酵素試薬の処方>
・KJB:0.4wt%
・酵素(CyGDH):7mg/mL
・リン酸Na緩衝液:10mM pH7
・バインダー(オキサゾリン基含有水溶性ポリマーEPOCROS WS-700、日本触媒製)5.0%(w/v)
・ポリアニリン(アクアパス、三菱レーヨン製)0.2%(w/v)
<キャピラリー形成>
下記の方法でキャピラリーを形成した。
前記、酵素試薬層を形成した下地電極に、両面テープおよび親水性フィルムを貼付し、キャピラリーを形成しセンサとした。
<グルコースの測定>
以下の方法でグルコース濃度を測定する。
(1)酵素量測定(自己キャリブレーション測定)
電極系に-0.14Vから-0.2Vへのステップ電圧を5秒間印加し、還元電流を検出した。電圧印加後4秒値をサンプリングし、酵素の還元電流値とした。
(2)グルコース測定
(1)の終了後、5秒間の開回路を設け、その後電極系に0.07Vの電圧を15秒間印加し、グルコース濃度に依存する酸化電流を検出した。電圧印加後、10秒値をグルコース濃度を決定するための酸化電流値とした。
<結果>
複数の製造ロットのセンサに600mg/dLのグルコースを含む全血サンプルを添加し、上記(1)、(2)に従って還元電位、次いで酸化電位を印加し、還元電流および酸化電流の測定を行った。その結果を図2及び図3に示す。なお、図3においては、(1)の自己キャリブレーションの測定結果を省略した図になっている。還元電流値および酸化電流値はセンサごとでばらつきがあることがわかる。
各センサについて還元電流および酸化電流の測定値をプロットした結果、図4に示すように、試料中の物質の濃度に基づく酸化電流は、センサ中の酵素活性および酵素量に基づく還元電流と相関関係を有することが分かり、酸化電流の測定値を還元電流の測定値で補正することによりセンサ間の測定値のばらつきが低減できることが考えられた。
そこで、134 mg/dL または600mg/dLのグルコースを含む全血サンプルを用いて還元電流および酸化電流の測定を行い、グルコース濃度を算出した。補正の手順は以下の通り。なお、還元電流値と酸化電流値の相関性を示す検量線はグルコース濃度134 mg/dLのものと600mg/dLのものをそれぞれ作成した。
(3)相対酵素量によるグルコース測定値の補正
(3-1)センサごとに計測した還元電流値と酸化電流値をプロットし、還元電流値と酸化電流値(10秒値)の相関性を示す検量線を作成する(例えば、図4)。
(3-2)(3-1)であらかじめ作成した還元電流値と酸化電流値の相関性を示す検量線を用い、還元電流の実測値の当該検量線からの乖離度から補正係数を計算する。
(3-3)酸化電流の実測値に(3-2)で計算した補正係数を乗じ、グルコース濃度を決定す
るための酸化電流値(補正後)とし、この値に基づいてグルコース濃度(補正後)を算出する。
補正前と補正後のグルコース濃度測定値をプロットした自己キャリブレーション測定によるグルコース測定値の補正効果を確認したところ、図5および表1に示すように、補正(自己キャリブレーション)がないデータに比べて同時再現性の向上が確認され、補正効果が高いことが確認された。
Figure 0006817111
以上より、酵素の電子伝達部位の還元電流を検出することにより、酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる酵素量(酵素活性)に起因する補正係数を計算し、この補正係数に基づいて測定対象物質の測定結果を補正する自己キャリブレーションが可能であることが分かった。
すなわち、酸化還元酵素の電子伝達部位である、βサブユニットのヘム由来の還元反応測定により酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる酵素量(酵素活性)を反映する補正係数を算出する。具体的には、ヘムの酸化還元電位よりネガティブな電位でヘムの還元反応電流を測定しセンサ間差を捉える。これにより、酵素と電極材料の結合状態が把握でき、酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる酵素量の把握が可能になる。その後、あらかじめ作成した、自己キャリブレーション検量線からの、自己キャリブレーション結果の乖離を計算することにより、補正係数を計算し、これをグルコースの測定結果に乗じることで、個々のセンサ毎の補正が可能になる。また、本自己キャリブレーションの方法は、酵素の酸化還元電位を既知の方法で把握することで、他の基質の測定にも適応が可能である。
さらに、本補正方法は、センサの製造時における製造ロットの評価にも適応できる。つまり、製造ロット内でサンプリングしたセンサについて自己キャリブレーションを実施することにより、センサについて製造ロット毎の平均補正係数数を算出し、ロット補正係数の一部とすることができる。これにより、センサを用いて測定する毎に自己キャリブレーションを実施せずとも、簡易的な測定値の補正が可能になる。
1・・・グルコースセンサ
10・・・カバー板
11・・・スペーサー
12・・・基板
13・・・穴部
14・・・スリット
15・・・キャピラリー
16・・・第1
電極
17・・・第2電極
18・・・試薬層
19・・・絶縁膜
2・・・測定装置
20・・・出力部
21・・・電力供給装置
22・・・制御部
23・・・演算部
24・・・検出部
25・・・表示部ユニット
26・・・バッテリ
3・・・制御コンピュータ
3A・・・ポテンショスタット
3a・・・基板
CR、W・・・端子
4・・・グルコースセンサ

Claims (10)

  1. 絶縁性基板と、該絶縁性基板上に形成された2以上の電極を含む電極系であって、少なくとも1つの電極が酸化還元酵素を含む電極系、とを含む電気化学測定セル内に測定対象物質を含む試料を導入する工程と、
    第一の電圧を電極系に印加する第一の電圧印加工程と、
    第二の電圧を電極系に印加する第二の電圧印加工程と、
    前記第一の電圧印加工程において、酸化還元反応および電極との電子授受に寄与しうる前記酸化還元酵素の量に依存する第一のシグナルを取得する工程と、
    前記第二の電圧印加工程において、前記試料中の測定対象物質の量に依存する第二のシグナルを取得する工程と、
    あらかじめ作成された前記第一のシグナルと前記第二のシグナルの検量線を用い、前記第一のシグナルの測定値の、当該検量線からの乖離度から補正係数を算出し、前記第二のシグナルの測定値を前記補正係数で補正し、補正された第二のシグナルの値に基づいて、試料中の測定対象物質の濃度を決定する工程を含む、バイオセンサを用いた測定方法。
  2. 第一の電圧が、前記酸化還元酵素の還元電位以下の電圧であり、
    第二の電圧が、前記酸化還元酵素の酸化電位以上の電圧であることを特徴とする、請求項1に記載の測定方法。
  3. 第二のシグナルが電荷移動律速電流である、請求項1〜のいずれか一項に記載の測定方法。
  4. 酸化還元酵素がピロロキノリンキノンまたはフラビンアデニンジヌクレオチドを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の測定方法。
  5. 酸化還元酵素がヘムを含むサブユニットまたはドメインを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の測定方法。
  6. 酸化還元酵素がグルコース酸化活性を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の測定方法。
  7. 酸化還元酵素がグルコースデヒドロゲナーゼである、請求項1〜のいずれか一項に記載の測定方法。
  8. 第一の電圧が−0.1〜−0.2Vであり、第二の電圧が0.05〜0.8Vである、請求項に記載の測定方法。
  9. 絶縁性基板と、該絶縁性基板上に形成された2以上の電極を含む電極系であって、少なくとも1つの電極が酸化還元酵素を含む電極系、とを含む電気化学測定セルを含むバイオセンサと、
    バイオセンサへの第一の電圧印加および第二の電圧印加を制御する、制御部と、
    バイオセンサへの第一及び第二の電圧印加により得られる、第一及び第二のシグナルを検出する、検出部と、
    あらかじめ作成された前記第一のシグナルと前記第二のシグナルの検量線を用い、前記第一のシグナルの測定値の、当該検量線からの乖離度から補正係数を算出し、前記第二のシグナルの測定値を前記補正係数で補正し、補正された第二のシグナルの値に基づいて試料中に含まれる物質の濃度を決定する、演算部と、
    前記算出された前記物質の濃度を出力する出力部とから構成される測定装置。
  10. 前記物質がグルコースであり、酸化還元酵素がグルコースデヒドロゲナーゼである、請求項に記載の測定装置。
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