JP6813415B2 - 戸体および建具 - Google Patents
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Description
この建具の戸体には、採光用の開口が形成され、この開口に取り付けられた額縁によって複層ガラスを保持している。額縁は、複層ガラスの屋内側に配置される樹脂製の室内部材と、屋外側に配置されるアルミ製の室外部材とを備えて構成されている。これにより、アルミ製の室外部材から樹脂製の室内部材への熱伝導を抑制し、戸体の断熱性を向上させている。
このような戸体によれば、樹脂製見込み面部とガラスの外周面との少なくとも一方に第1加熱発泡材が設けられているので、第1加熱発泡材が発泡した際に、樹脂製見込み面部およびガラスの外周面間の隙間を塞ぐことができる。これにより、例えば、屋外で火災が発生した場合に、火炎や煙が額縁およびガラス間の隙間を介して屋内に流入することを防止できる。屋内で火災が発生した場合も、火炎や煙が屋内から屋外に流れることを防止できる。したがって、戸体の採光窓における防火性能を向上できる。
同様に、前記樹脂製見込み面部と前記戸体本体の開口部の内周面との少なくとも一方に第2加熱発泡材が設けられているので、第2加熱発泡材が発泡した際に、樹脂製見込み面部および戸体本体の開口部の内周面間の隙間を塞ぐことができ、額縁および戸体本体間の隙間から屋内外に火炎や煙が流入することを防止でき、防火性能を向上できる。
さらに、樹脂製見込み面部と、ガラスおよび戸体本体との間を、第1加熱発泡材と第2加熱発泡材とで塞ぐことができるため、樹脂製見込み面部が高熱に晒されることを抑制でき、樹脂製見込み面部が溶融することを防止できる。このため、各加熱発泡材で隙間を塞ぐ効果も維持できる。
また、ガラスの外周面に沿って配置される樹脂製見込み面部を設けたので、樹脂製見込み面部を少なくともガラスの屋内面よりも屋外側に突出して設けることができる。このため、仮に樹脂製の屋内側額縁の屋外側に金属製の屋外側額縁を配置した場合でも、金属製の屋外側額縁との連結位置を、ガラスの屋内面よりも屋外側に配置させることができ、金属製の屋外側額縁の配置位置を屋外側にできるため、額縁の断熱性能を維持できる。
このため、第1加熱発泡材、第2加熱発泡材が発泡時に塞ぐ必要がある空間の体積が、不燃断熱材を設けない場合に比べて小さくなり、第1加熱発泡材、第2加熱発泡材の量を大幅に少なくでき、コストも低減できる。
また、第1加熱発泡材および第2加熱発泡材を樹脂製の屋内側額縁に設けるため、屋内側額縁と各加熱発泡材とを同時押出成形(共押出成形)で一体成形品として製造することもでき、生産性を向上できる。
本発明において、屋内側の額縁を樹脂製の屋内側額縁とし、屋外側の額縁を金属製の屋外側額縁とし、樹脂製見込み面部を少なくともガラスの屋内面よりも屋外側に突出して設けることができるため、金属製の屋外側額縁との連結位置を、ガラスの屋内面よりも屋外側に配置させることができ、金属製の屋外側額縁の配置位置を屋外側にできるため、額縁の断熱性能を向上できる。
また、屋外側の額縁を金属製の屋外側額縁で構成したので、屋外側の額縁を樹脂製の屋内側額縁で構成した場合に比べて防火性能を向上できる。このため、樹脂製の屋内側額縁および金属製の屋外側額縁で額縁を構成すれば、断熱性能および防火性能をバランス良く向上できる。
このような建具によれば、採光窓を有しつつも、断熱性能および防火性能に優れた建具を提供することができる。
図1〜3に示すように、本発明の建具である玄関ドア1は、いわゆる片開きドアであり、建物の外壁開口部に固定される建具枠であるドア枠2と、このドア枠2に開閉可能に支持される戸体である扉10とを備えて構成されている。
なお、図2、3においては、上枠3、下枠4、縦枠5、6の屋外部材、屋内部材、メインタイト材8、サブタイト材9に関しては、図を見やすくするためにハッチングを省略している。
サブタイト材9は、TPO(サーモポリオレフィン)等の建築用ガスケットとして利用される一般的な合成樹脂材であり、縦枠5、6の屋外部材に嵌合され、扉10を閉めた際に扉10の側面(見込み方向に沿った見込み面)に当接する。
採光窓20は、開口部11Aに配置される複層ガラス21と、複層ガラス21を保持する額縁22とを備える。
扉10の屋外面材14、屋内面材15、断熱芯材16には、採光窓20を形成するための前記開口部11Aが設けられ、内骨13は、開口部11Aの内周面に沿って設けられている。
断熱芯材16は、EPS(発泡ビーズ法ポリスチレン)製の断熱材で構成されている。なお、断熱芯材16は、フェノール樹脂系の断熱材を用いてもよいし、ハニカム材(水酸化アルミハニカム、セラミックハニカム、ペーパーハニカム)、フォーム材(イソシアヌレートフォーム、ウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム)等の断熱材が使用されてもよい。
これらの各骨は、樹脂骨材130と、金属骨材140と、金属製ピース材であるブラケット150と、不燃断熱材160とを備え、ほぼ同じ構成とされている。このため、採光窓20部分を拡大した図4、5に基づいて、内骨13の構造について説明する。特に、樹脂骨材130、金属骨材140、ブラケット150の詳細な構成については、図6に拡大して示す下骨13Bを例に説明する。
樹脂骨材130の屋外片部132は屋外面材14に沿って配置され、屋内片部133は屋内面材15に沿って配置されている。
ブラケット150の固定片部152は、金属骨材140の屋内フランジ143に当接され、金属骨材140に金属製の連結具であるリベット155で連結されている。ブラケット150は複数個用意されており、区画片部134の切欠部分、すなわち、樹脂骨材130の長手方向において、例えば2〜5箇所程度にそれぞれ配置されている。
本実施形態の不燃断熱材160は、樹脂骨材130の長手方向に沿った長尺の角柱材とされ、各ブラケット150の受け片部151に沿って配置されている。つまり、不燃断熱材160は、各ブラケット150に跨がって設けられている。
なお、区画片部134および屋内片部133間には、金属部品である複数のブラケット150も配置されているが、大部分は不燃断熱材160が配置されているため、断熱性能を向上できる。
金属骨材140は、ウェブ141が開口部11A側に配置され、屋外フランジ142および屋内フランジ143は、樹脂骨材130の連結片部131側つまり断熱芯材16側に突出する向きで配置されている。
ブラケット150は、受け片部151が連結片部131に沿って配置され、固定片部152、屋内片部153は、受け片部151から開口部11Aに向かって突出する向きで配置されている。
屋内面材15は、樹脂骨材130の屋内片部133の屋内面に沿って配置され、金属製の固定部材であるリベット135により、屋内片部133を介してブラケット150に固定されている。
なお、屋外面材14および屋内面材15は、断熱芯材16の屋外面、屋内面に対しては、両面テープや接着剤を用いて接着されている。また、樹脂骨材130に対しても、リベット135に代えて、あるいはリベット135に加えて、両面テープや接着剤を用いて接着してもよい。
樹脂骨材130の連結片部131には、加熱発泡材173が両面テープなどで貼られている。加熱発泡材173は、区画片部134および屋内片部133間に配置され、連結片部131およびブラケット150の受け片部151間に配置されている。加熱発泡材173は、樹脂骨材130の長手方向に沿って連続するテープ状の部材であり、樹脂骨材130の長手方向の全長に渡って貼られている。このため、ブラケット150が配置されていない部分では、不燃断熱材160に対向して配置されている。この加熱発泡材173は、ブラケット150および不燃断熱材160と、屋内面材15との隙間などを塞ぐために設けられている。
これらの加熱発泡材171、172、173は、熱膨張性黒鉛などを含んで構成され、火災時などに温度が所定温度(例えば200度)以上になると、発泡して約20〜40倍程度に膨張し、遮炎材として機能するものである。以下で説明する他の加熱発泡材も同じ材質で構成されている。
図5に示すように、縦骨13C、13Dも、上骨13A、下骨13Bと同一の構造であり、樹脂骨材130の連結片部131を戸体本体11の外側(断熱芯材16側)、金属骨材140のウェブ141を開口部11A側(複層ガラス21側)に配置している。
したがって、上骨13A、縦骨13C、13Dの詳細な説明は省略する。
各ガラス211〜213は、スペーサー215、216を介して接合され、各ガラス211〜213間には中空部が設けられている。
複層ガラス21は、網入りガラス211を備えているため、防火性能を確保することができる。また、3枚のガラス211〜213は、中空部を介して配置されているので、断熱性も向上できる。
図6に示すように、複層ガラス21の屋外面21Aは、網入りガラス211の屋外面であり、複層ガラス21の屋内面21Bは、板ガラス212の屋内面である。複層ガラス21の外周面21Cは、内骨13に対向する面であり、網入りガラス211、板ガラス212、213の外周面と、スペーサー215、216の外周面とを含んでいる。
縦額縁30C,30Dは、戸体本体11の上端から下端まで全長に渡って配置されている。また、上額縁30Aは、開口部11Aから戸体本体11の上端まで配置され、下額縁30Bは、開口部11Aから戸体本体11の下端まで配置されている。
したがって、各額縁30A〜30Dは、複層ガラス21を保持するだけでなく、戸体本体11の意匠パーツとしても利用されている。
溝形成部34A、34Bの見込み方向の位置は、複層ガラス21のほぼ中間部つまり板ガラス213が配置された位置であり、また、金属骨材140のウェブ141が設けられた範囲(屋外フランジ142と屋内フランジ143との間)に重なっている。
溝形成部34A、34Bの溝には、後述するように、樹脂製額縁40との連結用のタッピングねじ49がねじ込まれる。
縦額縁30C、30Dでは、見付け方向(X軸方向)において、複層ガラス21側を内側、断熱芯材16側を外側として説明する。
縦額縁30C、30Dは、上額縁30A、下額縁30Bと同様に、戸体本体11の見込み方向に沿って設けられた金属製見込み面部である見込み面部31C、31Dと、金属製保持部である屋外保持部32C、32Dと、化粧面部33C、33Dとを備えている。
見込み面部31C、31Dの見込み方向中間部には図示略の貫通穴が形成され、この貫通穴から前記ビスホール部35A、35Bにネジ(図示略)をねじ込むことで、上額縁30A、下額縁30Bと、縦額縁30C、30Dとが連結されている。
また、見込み面部31C、31Dの見込み方向中間部には、図示略の貫通穴が形成され、この貫通穴から前記ビスホール部35A、35Bにネジ(図示略)をねじ込むことで、上額縁30A、下額縁30Bと、縦額縁30C、30Dとが連結されている。
化粧面部33C、33Dは、中空形状とされ、裏面側は屋外面材14に当接している。
各額縁40A〜40Dは、同一断面形状の樹脂押出形材で構成されている。また、各額縁40A〜40Dの長手方向の端部は、45度の角度で切断され、その端面同士を突き合わせ、溶着や接着によって接合されている。
下額縁40Bは、複層ガラス21の外周面21Cに沿って配置される見込み面部41と、複層ガラス21の屋内側に配置される樹脂製保持部である屋内側保持部42と、屋内面材15に当接される屋内当接部43とを備えている。
見込み面部41は、見込み方向に沿って配置されて、複層ガラス21の外周面21Cに対向する第1見込み面部411と、見込み方向に沿って配置されて、内骨13(下骨13B)に対向する第2見込み面部412と、第1見込み面部411および第2見込み面部412を連結する3つの連結部413〜415とを備えている。
連結部413〜415は、屋外側から順に、第1連結部413、第2連結部414、第3連結部415とされている。なお、第3連結部415は、強度を向上するため、他の連結部413、414に比べて見込み方向の寸法が大きくされ、ホロー部が形成されている。
また、連結部413には、金属製額縁30に当接する軟質当接部413Aが一体に設けられている。
なお、見込み面部41において、樹脂製額縁40の内周側に位置する第1見込み面部411は、第2見込み面部412に比べて屋外側に突出しており、その先端は傾斜面411Aとされている。
中空部422の屋外面には、中空部422に比べて軟質なシール材424が設けられている。
中空部422の屋内面には、図4にも示すように、額縁カバー材50に対向する対向部425と、額縁カバー材50が係合される係合部426とが形成されている。
下額縁40Bの見込み面部41の第1見込み面部411には、第1加熱発泡材45が設けられ、第2見込み面部412には、第2加熱発泡材46が設けられている。また、屋内側保持部42の見付け面部421に、第3加熱発泡材47が設けられている。
第2加熱発泡材46も、同様に、見込み方向の位置が第1ホロー部416と略同じ位置とされた屋外側の第2加熱発泡材46Aと、第2ホロー部417と略同じ位置とされた屋内側の第2加熱発泡材46Bとを備えている。なお、第2加熱発泡材46Bは、その屋内側端部が第2ホロー部417よりも屋内側の位置となるように設けられている。
第3加熱発泡材47は、第1加熱発泡材45Bに連続して設けられている。
すなわち、図4、6に示すように、第1加熱発泡材45Aは、複層ガラス21のスペーサー216に対向する位置に設けられている。
第1加熱発泡材45Bは、板ガラス212の外周面21Cに対向し、さらに板ガラス212と屋内側保持部42との隙間に設けられたシール材424に対向する位置に設けられている。
第2加熱発泡材46Aは、金属骨材140と区画片部134とに対向する位置に設けられている。第2加熱発泡材46Bは、不燃断熱材160に対向する位置に設けられている。第3加熱発泡材47は、板ガラス212の外周部の屋内面21Bと、板ガラス212および第1見込み面部411間の空間に対向する位置に設けられている。
タッピングねじ49を締め付けることで、金属製額縁30および樹脂製額縁40で複層ガラス21を挟み込んで保持できる。この際、シール材36およびシール材424は、複層ガラス21に当接し、シール材434は屋内面材15に当接し、気密性を向上する。
また、樹脂製額縁40は、軟質当接部413Aが金属製額縁30に当接するため、タッピングねじ49を締め付けた際には軟質当接部413Aが変形し、樹脂製額縁40に応力が加わることを低減できる。
額縁カバー材50は、上額縁40A、下額縁40B、縦額縁40C、40Dをそれぞれ被覆しており、その長手方向の端面は、45度に切断されており、その端面を突き合わせて接着することで枠状に組まれている。
なお、額縁カバー材50は、樹脂製額縁40を隠して玄関ドア1の屋内面の意匠性を向上させるものである。したがって、樹脂製額縁40で意匠性を確保できる場合には、額縁カバー材50は設けなくてもよい。
第1保持金具61は、複層ガラス21の外周面21Cに沿って連続する長尺材で構成されている。一方、第2保持金具62は、短尺なピース材であり、複層ガラス21の外周面21Cに沿って、間隔を空けて複数個設けられている。
第1見込み面部611は、網入りガラス(防火ガラス)211の外周面21Cと、下額縁30Bの見込み面部31Bとの間に配置され、見込み面部31Bにリベット614で締結されている。第1見込み面部611の屋外側端縁の見込み方向の位置は、シール材36の配置位置とほぼ一致し、網入りガラス211よりも屋外側の位置とされている。
また、第1見込み面部611の屋内側端縁の位置は、見込み面部31Bの溝形成部34Bよりも屋外側であり、網入りガラス211よりも屋内側の位置とされている。
連結片部613は、第1見付け面部612よりも突出寸法が短くされ、複層ガラス21の外周面21Cに当接しないように構成されている。
第2見込み面部621は、複層ガラス21の板ガラス212および板ガラス213の外周面と、下額縁30Bおよび下額縁40Bとの間に配置されている。このため、第2見込み面部621は、金属製額縁30および樹脂製額縁40に跨がって設けられている。
第2見付け面部622は、第2見込み面部621の屋外側端縁から内側に突設されており、板ガラス212の屋内側に配置される。第2見付け面部622は、見付け方向内側(複層ガラス21側)の位置が第1見付け面部612と同程度となる位置まで延長されており、見込み方向において板ガラス212の屋内面21Bと重なる位置まで設けられている。
なお、上額縁30A、下額縁30Bに取り付けられた第1保持金具61の加熱発泡材631の見込み方向の寸法は、第1見込み面部611の見込み方向の寸法とほぼ同じとされている。
一方、縦額縁30C、30Dに取り付けられた第1保持金具61の加熱発泡材631の見込み方向の寸法は、第1見込み面部611の見込み方向の寸法よりも小さい寸法とされている。このため、縦額縁30C、30Dに取り付けられた第1保持金具61には、連結片部613の屋外面にも加熱発泡材635が接着されている。
第2保持金具62の第2見付け面部622の屋外面には、板ガラス212に対向する加熱発泡材634が接着されている。
セッティングブロック25には、図6に示すように、樹脂製額縁40を金属製額縁30に連結する際に、第1見込み面部411の先端を案内する傾斜面251と、傾斜面251に連続して形成されて第1見込み面部411を案内する案内面252とを備えている。
外骨12は、断熱芯材16の上面、下面、左右の側面に沿って配置された上骨12A、下骨12B、左右の縦骨12C,12Dを備えている。
上骨12A、下骨12B、縦骨12C、12Dは、下骨13Bとは、樹脂骨材130、金属骨材140の向きや、ブラケット150の形状等で一部相違するが、基本的な構造は同じである。このため、各部品で対応する構成には同一符号を付し、説明を簡略する。
上骨12Aでは、樹脂骨材130は、連結片部131が扉10の上面に露出し、屋外片部132、屋内片部133、区画片部134が下方つまり断熱芯材16に向かって突出する向きに配置されている。金属骨材140は、ウェブ141が連結片部131に沿って配置され、屋外フランジ、屋内フランジが下方に向かって突出する向きに配置されている。
ブラケット150は、受け片部が連結片部に沿って配置され、固定片部が下方に向かって突出している。
下骨12Bは、上骨12Aの上下を逆にした向きで配置されている。
屋内面材15は、断熱芯材16の屋内面に沿って配置され、その外縁部は、樹脂骨材130の屋内片部133から連結片部131に沿って屋外側に折り曲げられ、樹脂骨材130およびブラケット150にリベットで固定されている。
加熱発泡材181は、火災によって加熱されると発泡して膨張し、連結片部131が溶融した場合に、金属骨材140と上枠3、下枠4との隙間を塞ぐ。特に、加熱発泡材181のパネル内部側は金属骨材140のウェブ141が配置されているため、加熱発泡材181は上枠3、下枠4側に向かって発泡し、上枠3、下枠4との隙間に充填して塞ぐことができる。
加熱発泡材182は、火災によって加熱されると発泡して膨張し、連結片部131が溶融した場合に、不燃断熱材160と屋内面材15との隙間に充填して塞ぎ、さらに加熱発泡材182の一部は、不燃断熱材160と上枠3、下枠4との隙間に充填して塞ぐことができる。
縦骨12C、12Dの樹脂骨材130の表面には、アルミ製のエッジ材55が取り付けられている。エッジ材55の樹脂骨材130に対向する面には加熱発泡材58が貼られている。
カバー材56の裏面、つまり樹脂骨材130に対向する面には、加熱発泡材565,566が設けられている。カバー材56と、加熱発泡材565,566とは、同時押出成型することで一体に製造されている。
カバー材56は、扉10を閉めた際に、前記サブタイト材9が当接する位置に配置されている。
複層ガラス21と額縁22との間では、網入りガラス211の外周面21Cに対向する加熱発泡材631が発泡して膨張するため、第1保持金具61の第1見込み面部611と網入りガラス211の外周面との間を塞ぐ。なお、縦額縁30C、30Dに設けられた加熱発泡材631は、上額縁30A、下額縁30Bに設けられた加熱発泡材631に比べて体積が小さいが、加熱発泡材635が設けられているので、第1保持金具61で囲まれる空間内の加熱発泡材の体積はほぼ同じである。そして、加熱発泡材631、635は、第1保持金具61で囲まれているので、主に第1保持金具61で塞がれていない網入りガラス211側に向かって膨張し、網入りガラス211と第1保持金具61との間を確実に塞ぐことができる。
また、網入りガラス211の屋外面21Aに対向する加熱発泡材632が発泡し、第1見付け面部612と網入りガラス211の屋外面21Aとの隙間を塞ぐことができる。さらに、加熱発泡材631、加熱発泡材635は、網入りガラス211の屋内側にも対向するため、スペーサー215部分も覆うことができる。
第1保持金具61の屋外面に設けられた加熱発泡材633は、加熱発泡材171とともに隙間を塞いだり、第1保持金具61の屋外面を覆って第1保持金具61等の温度上昇を抑制する。
第1加熱発泡材45A,45Bは、第2保持金具62や複層ガラス21の外周面21Cとの隙間も塞ぎ、火炎や煙が流れることを防止できる。
第2加熱発泡材46A、46Bは、内骨13の金属骨材140や不燃断熱材160との隙間も塞ぐ。
さらに、仮に見込み面部41の一部が溶融した場合でも、ホロー部416、417に不燃断熱材460が配置されているため、加熱発泡材45A,45B、46A,46Bは、不燃断熱材460側ではなく、複層ガラス21や内骨13側に発泡してそれらとの隙間を確実に塞ぐことができる。
第3加熱発泡材47は、複層ガラス21の屋内面21Bに向かって発泡し、屋内側保持部42と複層ガラス21との隙間を塞ぐことができる。
第4加熱発泡材481は、鋼板48と屋内面材15との隙間を塞ぎ、ガス等の流出を防止する。
図7に示すように、加熱発泡材181、182は、発泡して膨張すると、上枠3と上骨12Aとの隙間および下枠4と下骨12Bとの隙間を塞ぐ。また、加熱発泡材320は、上枠3と上骨12Aの隙間を塞ぐ。
(1)戸体である扉10において、樹脂製額縁40の見込み面部41と、複層ガラス21の外周面21Cとの少なくとも一方である見込み面部41に、第1加熱発泡材45を設けたので、火災時の温度上昇により第1加熱発泡材45が発泡した際に、見込み面部41および複層ガラス21の外周面21C間の隙間を、発泡膨張した第1加熱発泡材45で塞ぐことができる。これにより、例えば、屋外または屋内で火災が発生した場合に、火炎や煙が額縁22および複層ガラス21間の隙間を介して屋内外に流入することを防止できる。したがって、扉10の採光窓20における防火性能を向上できる。
扉10において、樹脂製額縁40の見込み面部41と、戸体本体11の開口部11Aの内周面との少なくとも一方である見込み面部41に、第2加熱発泡材46を設けたので、火災時の温度上昇により第2加熱発泡材46が発泡した際に、見込み面部41および戸体本体11の開口部11Aの内周面間の隙間を、発泡膨張した第2加熱発泡材46で塞ぐことができる。これにより、額縁22および戸体本体11間の隙間から屋内外に火炎や煙が流入することを防止でき、扉10の採光窓20における防火性能を向上できる。
また、見込み面部41と、複層ガラス21および戸体本体11との間を、第1加熱発泡材45と第2加熱発泡材46とで塞ぐことができる。このため、見込み面部41が高熱に晒されることを抑制でき、見込み面部41が溶融することを防止できる。このため、各加熱発泡材45,46で前記各隙間を塞ぐ効果も維持できる。
さらに、複層ガラス21の外周面21Cに沿って配置される見込み面部41を設けたので、見込み面部41を少なくとも複層ガラス21の屋内面21Bよりも屋外側に突出して設けることができる。このため、金属製額縁30と樹脂製額縁40との連結位置を、前記屋内面21Bよりも屋外側に配置させることができ、金属製額縁30の配置位置を屋外側にできるため、額縁22の断熱性能を向上できる。
したがって、採光窓20を有しつつ、断熱性能および防火性能を向上できる戸体である扉10と、建具である玄関ドア1を提供できる。
また、ホロー部416,417内に不燃断熱材460が配置されているため、火災時にホロー部416、417つまり見込み面部41の形状を維持することができる。すなわち、本実施形態によれば、ホロー部416,417に不燃断熱材460が配置されていない場合に比べて、火災時に見込み面部41の形状をより長く維持できる。このため、加熱発泡材45、46による各隙間を塞ぐ隙間密閉効果を長く維持でき、その分、防火性能を向上できる。
第1加熱発泡材45および第2加熱発泡材46を樹脂製額縁40に設けるため、樹脂製額縁40と加熱発泡材45、46とを同時押出成形(共押出成形)で一体成形品として製造することもでき、生産性を向上できる。
その上、ドア枠2(上枠3、下枠4、縦枠5、6)を断熱形材で構成し、断熱形材における断熱部材を見込み方向の位置も、前記扉10の断熱ラインにほぼ揃っているため、玄関ドア1の断熱性能も向上できる。
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
樹脂製額縁40としては、前記実施形態の構成に限定されない。例えば、第1加熱発泡材および第2加熱発泡材は、樹脂製額縁40側に設けられるものに限定されず、複層ガラス21の外周面21C側や、開口部11Aの内周面側に設けてもよい。図9に示す樹脂製額縁40Eでは、第1加熱発泡材451は樹脂製見込み面部である見込み面部41の第1見込み面部411に設けているが、第2加熱発泡材は第2見込み面部412に設けていない。すなわち、第2加熱発泡材は、見込み面部41の第2見込み面部412と開口部11Aの内周面(内骨13)との少なくとも一方に設けられていればよく、図9では、金属骨材140に取り付けられた加熱発泡材173が第2加熱発泡材として用いられる。また、第1加熱発泡材も、外周面21C側に設けてもよい。
また、樹脂製額縁40では、2つのホロー部416、417を設けていたが、1つのホロー部のみを設けてもよいし、3つの以上のホロー部を設けてもよい。ホロー部の大きさや数は、見込み面部41の見込み方向の寸法などに応じて設計すればよい。
扉10において、金属製額縁30や樹脂製額縁40の構成は、前記実施形態に限定されない。例えば、金属製額縁30は、樹脂製額縁40と同様に、複層ガラス21の周囲のみに設けてもよいし、その形状も玄関ドア1のデザインなどに応じて適宜設定すれば良い。
上額縁70A、下額縁70Bは、タッピングねじ49を用いて上額縁40A、下額縁40Bと連結されている。また、ガラス保持金具60は、上額縁70A、下額縁70Bにネジ止めされている。図示を略すが縦額縁も同様である。
複層ガラス21の屋外側の額縁を樹脂製額縁70で構成すれば、金属製額縁30を用いた場合に比べて断熱性能を向上できる。また、樹脂製額縁70の見込み面部71A、71Bの複層ガラス21側には、第1保持金具61に取り付けられた加熱発泡材631、632、633が配置され、金属骨材140側には加熱発泡材171、172が配置されているので、発泡した加熱発泡材171、172、631、632、633で、見込み面部71A、71Bを覆うことができる。したがって、樹脂製額縁70の防火性能も向上することができる。
同様に、金属骨材140やブラケット150の形状も前記実施形態に限定されない。
また、ドア枠としては、アルミ製の屋外部材と、樹脂製の屋内部材とで構成したドア枠でもよいし、アルミ製のドア枠でもよい。さらに、ドア枠としては、上枠3、縦枠5、6を備え、下枠を備えないドア枠も用いることができる。
また、第1加熱発泡材、第2加熱発泡材、第3加熱発泡材、その他の加熱発泡材は、それぞれ発泡倍率の異なる加熱発泡材で構成しても良いし、それぞれ発泡開始温度が異なるもので構成しても良い。
Claims (8)
- 開口部を有する戸体本体と、
前記開口部の内周面に沿って取り付けられた額縁と、
前記額縁に保持されて前記開口部に配置されたガラスと、
前記額縁および前記ガラス間に設けられるガラス保持金具と、を備え、
前記額縁は、前記ガラスの屋外側を保持する屋外側額縁と、前記ガラスの屋内側を保持する樹脂製の屋内側額縁とを備えて構成され、
前記屋内側額縁は、前記ガラスの外周面に沿って配置される樹脂製見込み面部を備え、
前記ガラス保持金具は、
前記ガラスと前記屋外側額縁との間に配置され、第1見込み面部および第1見付け面部を備える第1保持金具と、
前記ガラスと前記屋内側額縁との間に配置され、第2見込み面部および第2見付け面部を備える第2保持金具とを備え、
前記第1保持金具は、前記ガラスに沿って連続する長尺材で構成され、前記第2保持金具は、短尺なピース材であり、前記ガラスに沿って間隔を空けて複数個設けられて前記第1保持金具に連結され、
前記樹脂製見込み面部において、前記ガラスの前記外周面に対向する面には、第1加熱発泡材が設けられ、
前記樹脂製見込み面部と前記開口部の前記内周面との少なくとも一方には、第2加熱発泡材が設けられている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1に記載の戸体において、
前記樹脂製見込み面部は、ホロー部を備えて構成され、
前記ホロー部には、不燃断熱材が配置されている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項2に記載の戸体において、
前記屋内側額縁の見込み方向において、前記不燃断熱材が配置される領域と、前記第1加熱発泡材および前記第2加熱発泡材が配置される領域とは、少なくとも一部が重なっている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の戸体において、
前記第2加熱発泡材は、前記樹脂製見込み面部において、前記開口部の前記内周面に対向する面に設けられている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の戸体において、
前記屋内側額縁は、前記ガラスの屋内側に配置される樹脂製保持部を備え、
前記樹脂製保持部の前記ガラスの屋内面に対向する面には、第3加熱発泡材が設けられている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の戸体において、
前記屋内側額縁は、前記戸体本体の屋内側に配置される屋内側見付け面部を有し、
前記屋内側額縁の屋内面には金属製板材が取り付けられ、
前記金属製板材と前記屋内側見付け面部との間に第4加熱発泡材が設けられている
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の戸体において、
前記額縁は、前記屋内側額縁と、前記屋内側額縁の屋外側に配置される金属製の屋外側額縁とを備え、
前記金属製の屋外側額縁は、前記ガラスの屋外側に配置される金属製保持部と、前記ガラスの前記外周面に沿って配置される金属製見込み面部とを備え、
前記屋内側額縁は、前記ガラスの屋内側に配置される樹脂製保持部と、前記ガラスの前記外周面に沿って配置されて前記金属製見込み面部に連結される前記樹脂製見込み面部と
を備える
ことを特徴とする戸体。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の戸体と、
前記戸体を開閉可能に設けた建具枠とを備える建具。
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