JP6812302B2 - シール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、外管と、外管の内側に挿入される内管との間をシールするシール構造、特に吸水膨張性素材を用いたシール構造に関するものである。
管体を接続する部分には必要に応じシール構造が採用される。たとえば、電気ケーブルや通信ケーブル等を挿通するよう用いられる地中埋設管は、管内に水が浸入しないよう、管継手等の接続部位に防水シール構造を備える。
地中埋設管等の接続部における止水のためのシール構造として、吸水膨張性素材を利用したシール部材を用いたものが知られている。
吸水膨張性素材を利用したシール部材としては、吸水膨張性不織布を用いたもの等が知られている。たとえば、特許文献1は、水膨張性不織布を含む二層構造のシートを円筒状にしてシール部材となすことを記載している。そして、該シール部材を管継手に溶着して一体化した、シール部材付き管継手を記載している。このようなシール部材付き管継手は、該管継手と管をねじ込んで接続するだけでシール構造が完成するため、便利である。
その他の吸水膨張性素材を用いた例として、特許文献2は、水膨潤性ゴムをシール部材の一部として用いたシール構造を記載している。特許文献2には、両側端(玉縁)等を水膨潤性ゴムで構成した長尺帯板をシール部材とし、これをコルゲート管の螺旋状凹凸に沿って設けることが示されている。
特開2004−336953号 特開平2−245594号
特許文献1のシール部材は、有端形状の吸水膨張性不織布シートを円筒状にして用いるため、不織布両端の突きあわせ部を有する。このような突きあわせ部では隙間を生じやすく、いわゆる水走りによる止水不良が生じやすい。
また、上記突きあわせ部を含め、シール構造に隙間があると止水性が悪くなるので、吸水膨張性素材は隙間なく管継手等の構成部材に一体化することが求められている。一方で、コスト等の要請により、吸水膨張性素材を効率的にシール構造の構成部材と一体化することが求められている。しかしながら、特許文献1のシール部材付き管継手のような従来のシール構造では、このように隙間なく一体化する作業には大きな労力を伴う。特に、管や継手が螺旋波付き管の場合、シール部材を管壁の凹凸になじませながら、隙間なく一体化することは困難である。場合によっては、特許文献1に示されるように、射出一体成型のような特殊な工程が必要となることもある。
本発明の目的は、水走りが生じにくく、管や管継手本体に吸水膨張性素材からなるシール部材を一体化しやすいシール構造を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、吸水膨張性素材からなるシール部材を2列一組となし、かつ、それぞれのシール部材の突きあわせラインをずらして配置することで上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、外管と、外管の内側に挿入される内管との間をシールするシール構造であって、外管と内管の間に挟持された、管軸方向に隣接した第1シール部材及び第2シール部材からなる一組のシール部材を含み、第1シール部材及び第2シール部材は外管内周面もしくは内管外周面に一体化されており、第1シール部材及び第2シール部材は、それぞれ、吸水膨張性素材からなる条帯からなり、条帯の両端部が突きあわせられたリング状をなしており、第1シール部材の突きあわせラインの第2シール部材側端点と第2シール部材の突きあわせラインの第1シール部材側端点とが管の周方向にオフセットされたシール構造である(第1発明)。
第1発明においては、第1シール部材の突きあわせラインにおける第2シール部材側端点と第2シール部材の突きあわせラインにおける第1シール部材側端点とが管の中心軸回りに45°以上オフセットされていることが好ましい(第2発明)。
第1発明においては、第1シール部材の突きあわせラインが条帯の長手方向に対し傾斜していることが好ましい(第3発明)。第1シール部材の突きあわせラインが階段状であることが好ましい(第4発明)。
本発明のシール構造(第1発明)によれば、管や管継手本体に吸水膨張性素材からなるシール部材を一体化しやすく、しかも水走りを抑制できる。
さらに、第2発明のように、オフセットが一定以上確保されていれば、水走りの抑制効果が高い。また、第3発明や第4発明のように突きあわせラインが設計されていると、より水走りの抑制効果を高められる。
第1実施形態のシール構造に係る管継手を示す正面図及び断面図である。 第1実施形態のシール構造であり、管継手と管の接続部にシール構造が適用された例を示す一部断面図である。 図2のシール構造に係る管継手と2つの管とを接続する工程を示す正面図である。 第1実施形態のシール部材に係る吸水膨張性素材からなる条帯を示す正面図である。 吸水膨張性素材からなる条帯のその他の例を示す正面図である。 シール構造の他の例であり、管が壁面に設けられた穴に接続される接続箇所にシール構造が適用された例を示す一部断面図である。
以下図面を参照しながら、本シール構造が管継手と螺旋波付き管との接続部に適用された形態を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1〜図4に本発明の第1実施形態に係る具体的構成を示す。図1はシール構造に係る管継手を示す正面図及び断面図であり、図2は上記管継手と管とが接続された状態を示す一部断面図であり、図3は管継手と管とを接続する工程を示す正面図であり、図4はシール部材となる吸水膨張性素材からなる条帯を示す正面図である。
図1に示す管継手1は内周面に螺旋状凹凸を有し、図3に示すように、両端部からそれぞれ螺旋波付き管3a、3bをねじ込んで、螺旋波付き管同士を接続可能となっている。そして、接続が完了した状態が図2である。
管継手1は、継手本体11とその両端部に一体化された一組ずつのシール部材とから構成される。それぞれのシール部材の組は第1シール部材21と第2シール部材22からなる。第1シール部材21と第2シール部材22は管軸方向に隣接されるように配置されて一組のシール部材を構成している。
本発明においては、一組のシール部材のうち、管接続部の管外部から近いものを第1シール部材、管外部から遠いものを第2シール部材とする。本実施形態においては、管継手1の端部外側のものが第1シール部材21、端部内側のものが第2シール部材22である。
図2における管継手1のX端側を例に、接続が完了した状態について説明する。接続を完了した状態において、継手本体11と螺旋波付き管3aの間は一組のシール部材によりシールされる。すなわち、「外管」としての継手本体11と、継手本体11の内側に挿入配置される「内管」としての螺旋波付き管3aとの間に、その間に挟持された一組のシール部材21、22からなるシール構造が完成したことになる。
同様に、Y端側についても、「外管」としての継手本体11と、継手本体11の内側に挿入配置される「内管」としての螺旋波付き管3bとの間に、その間に挟持された一組のシール部材からなるシール構造が完成したことになる。
管接続部の外部から完成したシール構造部位に水が浸入した場合、水は、まず第1シール部材21に到達し、第1シール部材21を透過した場合、次に第2シール部材22へと逐次的に到達する。該シール構造はこのような二段階のシール機構を有することにより、優れたシール性能を発揮する。
継手本体11及び螺旋波付き管3a、3bは、公知のものを用いることができる。たとえば、合成樹脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニル樹脂により、射出成型やブロー成型などの公知の成形方法により成形したものである。
以下、一組のシール部材21、22の態様について具体的に説明する。
第1シール部材21及び第2シール部材22は、それぞれリング状をなし、外管と内管の間に挟持されることで、それぞれが独立した閉じたシールラインを形成する。
ここで、リング状の各シール部材は、それぞれ、吸水膨張性素材からなる条帯の両端部を突きあわせることで形成されるものである。従って、各シール部材には、シール部材の突きあわせられた両端部により形成される突きあわせラインが存在する。それぞれ、第1シール部材21には突きあわせライン21a、第2シール部材22には突きあわせライン22aが存在する。なお、図2のX端側の第2シール部材において、突きあわせライン22aは断面の手前側にあるので本来は図示されないが、管における周方向の位置を示すため、破線として示している。
シール部材21とシール部材22は、管軸方向に隣接して一組のシール部材をなすが、その際それぞれの突きあわせラインが連続したラインにならずに分断されて周方向に異なる位置に配置されるように構成される。各突きあわせライン同士をこのような位置関係とするには、第1シール部材の突きあわせラインにおける第2シール部材側端点21bと第2シール部材の突きあわせラインにおける第1シール部材側端点22bとが管の周方向にオフセットされるように構成すればよい。ここで、各突きあわせラインが極力連続したラインにならないようにするため、突きあわせラインのライン端点同士が周方向に離間され、かつ、一方の突きあわせラインの延長線上に他方の突きあわせラインが重ならないようにすることが望ましい。
前記端点21b、端点22bのオフセットによる具体的な位置決めは、たとえば、以下のようにすればよい。それぞれのシール部材を中心軸周りに回転可能なリングと考えた時に、リング同士を相対回転させつつ、端点同士が適度に離間されるまで回転させた位置をオフセットされた位置とすることができる。本発明では、端点同士がこのようにして決定された位置関係にある場合を、周方向にオフセットされた状態とする。
実際のシール構造における端点同士の位置決めに際しては、簡便のため管の中心軸を基準点として、管の中心軸周りの角度で、オフセット量を規定すればよい。この場合、管の中心軸周りに45°以上オフセットさせることが好ましく、中心軸周りに60°以上オフセットさせることがより好ましい。
また、端点同士の距離を基準に端点同士のオフセット量を規定してもよい。この場合、端点同士の周方向の最短距離が、少なくとも第1シール部材の条帯幅以上に離間されていることが好ましく、該条帯幅の1.5〜4.0倍離間されていることがより好ましい。
上記オフセットのより詳細な例を本実施形態で説明する。ここでは便宜上、図1の断面図を参照して説明する。また、図2において管継手1のX端側に実現されるシール構造を第1シール構造、Y端側に実現されるシール構造を第2シール構造と称する。
まず、第1シール構造においては、端点21bと端点22bは、管の中心軸周りに約180°ずれている。すなわち、端点21bと端点22bは管の中心軸周りに180°オフセットされているということができる。このように、第1シール構造においては端点21b、22bの間が最大にオフセットされたものである。
次に、第2シール構造においては、端点21bと端点22bは、管の周方向に約90度ずれている。すなわち、第2シール構造においては、端点21bと端点22bは90°オフセットしているということができる。
本構成により、突きあわせライン21aと22aは分断され、一組のシール部材における水走りの流路も分断されることになる。
次に、シール部材21、22の作成方法について説明する。
各シール部材は、図4、5に示すような吸水膨張性素材からなる条帯からなる。
吸水膨張性素材からなる条帯の長さは、極力突きあわせ部に隙間を生じないように、上記のシール部材の突きあわせ部の態様に応じて設定すればよい。たとえば、シール部材が配置される管の周面の周長に概ね一致する長さであることが好ましい。
吸水膨張性素材は、水分を吸収して膨張する素材でシール性を発揮するシート状のものであれば特に限定されず、吸水膨張性素材は弾力性やクッション性を備える公知の素材を用いることができる。たとえば、吸水性ゴム、吸水性樹脂、吸水膨張性不織布などが挙げられる。また、管継手1の内周面に沿って一体化しやすい柔軟性と伸縮性を有する観点から、吸水膨張性不織布が好ましい。
吸水膨張性素材からなる条帯2aとしては、吸水膨張性素材以外の材料を含むものであってもよい。たとえば、管壁に対する固定性や強度を向上する基材が吸水膨張性素材と共に一体化された条帯としてもよい。基材として、たとえば、粘着シート等が挙げられる。
条帯の幅、すなわち、シール部材の幅は、シール性が確保されるように適宜設定すればよいが、たとえば1cm以上4cm以下とすることができる。本実施形態に係る管継手1のように、シール部材が螺旋状凹凸波付き面に固定される場合においては、シール部材の幅は螺旋ピッチの0.5〜3倍が好ましく、0.8〜2倍がより好ましく、螺旋ピッチと略等しいことが好ましい。
第1シール部材と第2シール部材の幅は異なっていてもよいが、実質的に等しいことが好ましい。このように設計すれば、一組のシール部材における水走りの流路が管軸方向の中心で分断されるため、水走りの抑制効果が最大化される。
吸水膨張性素材からなる条帯2aの両端部をリング状に突きあわせることで、第1シール部材21及び第2シール部材22は形成される。
シール部材の両端部の突きあわせ部については、止水性の観点からは実質的に隙間がないことが好ましいが、作業性の観点から一定の隙間を有するものでもよい。隙間がある場合は、たとえば、隙間は3mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。シール部材の突きあわせ部に隙間があるときは、隙間に対応して突きあわせラインが一定の幅を有することになる。
一方、突きあわせ部では、吸水膨張性素材からなる条帯2aの一端が他端の側に乗り上げていてもよい。この場合、突きあわせ部において、乗り上げた側の端部と、下敷きになった側の端部が存在することになる。ここでは、乗り上げた側の端部、下敷きになった側の端部のそれぞれを突きあわせラインとして扱ってよい。たとえば、下敷きになった側の端部には、下敷きになった側の端部と条帯2aの乗り上げ部と外管の管壁とによって挟まれた隙間を生じうる。同様に、乗り上げた側の端部には、乗り上げた側の端部と条帯2aの下敷き部と内管の管壁とによって挟まれた隙間を生じうる。これらの隙間が水走りしやすい突きあわせラインとなりうる。
図1〜4に示した実施形態では、突きあわせラインが条帯の長手方向に傾斜した直線である例を示した。しかし、各シール部材の突きあわせラインはこれに限定されない。たとえば、突きあわせラインの向きは条帯の長手方向に対し、垂直であってもよく、傾斜していてもよい。また、突きあわせラインの形状は直線であってもよいが、折れ曲がったライン、ジグザグのライン、曲線であってもよい。たとえば、図5に示す条帯2bを用いた場合は、条帯の長手方向に対し垂直な直線の突きあわせラインとなる。
後述するように、水走りを効果的に抑制する観点からは、突きあわせラインは長くすることが好ましい。突きあわせラインを長くするため、たとえば、図4に示す条帯2aを用いることで、本実施形態のように突きあわせラインを条帯の長手方向や管継手の中心軸方向に対し傾斜させることが好ましい。あるいは、図5に示す条帯2cや2dを用いて、突きあわせラインを屈曲した鍵状、すなわち、凹凸形状もしくは階段状にすることも好ましい。
なお、このような突きあわせラインの形状は、必ずしも一組のシール部材の両方に適用する必要はなく、第1シール部材もしくは第2シール部材の一方のみに適用されても、水走り抑制の効果は高められる。従って、一組のシール部材において、各シール部材の突きあわせラインの形状は同一であっても異なっていてもよい。
このようにして形成されるシール部材2つを、管軸方向に隣接するように配置して一組のシール部材となす。これら一組のシール部材は、止水性の観点からは実質的に隙間がなく隣接されることが好ましいが、作業性の観点から一定の隙間を有して隣接するものでもよい。隙間がある場合は、隙間の幅は第1シール部材21の条帯の幅以下であることが好ましく、該条帯の幅の0.3倍以下であることが好ましく、0.1倍以下であることがより好ましい。または、隙間の幅は3mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。
もし、一組のシール部材の隣接距離が管の周方向で一定でない場合、各シール部材間の最長距離を上記隣接距離として扱えばよい。
一方、一組のシール部材は、一方のシール部材の一部が他方のシール部材に乗り上げるように隣接配置されたものであってもよい。
次に、管の接続操作により本実施形態のシール構造が完成されることを説明する。
管継手1は、上述したとおり、両端部にそれぞれ一組のシール部材をあらかじめ備えている。このため、常法どおり管を管継手にねじ込んで接続作業を完了すれば、別途特別な作業を必要とせず、そのまま両端部において本実施形態のシール構造が完成される。従って、管継手1を用いれば、管継手により管体が接続される箇所において、簡便に本実施形態のシール構造を設けることができる。
そして、本実施形態のシール構造においては、管の接続部位から水が浸入した際、シール部材が水を吸水して膨張し、シール構造内における微細な隙間が閉塞されることで、シールが完了する。
次に、管継手1の製造方法について説明する。管継手1はたとえば以下の方法で製造できる。
まず、継手本体11と、図4に示す吸水膨張性素材からなる条帯2aを4枚準備する。次に、2つの条帯2aについて、それぞれの両端部を突きあわせてリング状をなすように、継手本体11のX端側の管壁内周面に固定する。こうして、第1シール構造に係るシール部材21、22を形成できる。同様にして、残る2つの条帯2aによって、Y端側にも第2シール構造に係るシール部材21、22を形成すれば、管継手1を完成する。
条帯の固定方法は、条帯2aと継手本体1の管壁内周面との間に実質的に隙間のない密着状態が得られるものであればよく、特に限定されない。たとえば、接着、粘着、及び、ホットメルトや融着などが挙げられる。固定手段として、接着剤や粘着剤等の薬剤、両面テープ等を用いてよい。固定作業は、作業者の手によるもの(手貼り)、ローラーや治具等の機械的手段のいずれでもよく、各手段を併用してもよい。固定作業は、シール部材が吸水膨張するなどして管接続時の作業性を損なわないよう、乾燥環境下で行うことが好ましい。
たとえば、手貼りによって上記固定作業を行う場合には、まず、条帯2aを継手本体11の管壁内周面に沿うように、接着剤等を用いてリング状に密着させる。この時、条帯2aを螺旋状凹凸になじませながら、隙間ができないように留意する。次に、極力隙間のない突きあわせラインが形成されるように、条帯2aの両端部を突きあわせて、第1シール部材21が形成される。
第2シール部材22については、管壁内周面への密着作業に先立って、それぞれの突きあわせライン同士が管周方向にオフセットするようにあらかじめ位置決めを行うこと以外は、上記同様な手順で作成すればよい。
なお、第1シール部材21と第2シール部材22をそれぞれ作成する順序は特に限定されず、作業性の観点から順序を決定すればよい。
管継手1の他の製造方法としては、射出成型を利用して作成することもできる。この場合、継手本体11の内周面を形成可能なコア型に、シール部材を所定の位置に仮止めして配置する。この状態のコア型を取り囲むように、継手本体11の外周面を形成可能なキャビティ型を型締めしてキャビティを形成し、キャビティに溶融状態の樹脂を射出して継手本体を形成すれば、シール部材を継手本体11に一体化できる。
本実施形態では、第1シール部材21及び第2シール部材22をあらかじめ一組のシール部材として継手本体11の側に配置しておく例を示した。このように、本発明に係る個々のシール部材は、管の接続前においてあらかじめ一組のシール部材を構成していることが好ましい。すなわち、管接続部を構成する1つの外管内周面、又は、1つの内管外周面に一組のシール部材として一体化しておくことが好ましい。管接続前に一組のシール部材を構成しておけば、端点同士のオフセットの調整が容易かつ確実であり、水走りの抑制効果を高めやすい。
ただし、管の接続前における第1シール部材と第2シール部材は必ずしも同じ管体に一体化されていなくてもよい。すなわち、接続部を構成する外管の内周面に第2シール部材を一体化し、該外管の内側に挿入される内管の外周面に第1シール部材を一体化しておいてもよい。
また、管の接続後において一組のシール部材を構成する限り、管が接続される前に第1シール部材や第2シール部材を外管や内管のいずれに一体化しておくかについては特に限定されず、接続部を構成する外管の内周面もしくは内管の外周面に一体化されていればよい。
たとえば、本実施形態に係る継手本体11において、X端側に配置された一組のシール部材21、22について、シール部材21を螺旋波付き管3aの側に一体化し、シール部材22を継手本体11に一体化しておいてもよく、両方を螺旋波付き管3aの側にしておいてもよい。
本実施形態のシール構造の作用及び効果について説明する。
本実施形態のシール構造によれば、シール部位における止水不良、特に水走りを抑制することができる。
発明者らは、吸水膨張性素材を用いたシール構造の止水性改善を検討した結果、従来のシール構造では、特にシールの継ぎ目部分や突きあわせ部分等において、シール部材が吸水膨張してシールが完了するまでに水走りを生じやすいことを突き止めた。
吸水膨張性素材を用いたシール部材は、水を吸水していない乾燥状態から、吸水して膨張が進行している膨張過程を経て、吸水膨張が完了した飽和状態に移行する。通常、吸水膨張性のシール部材は、膨張過程において未だシール性が完全でなく、飽和状態においてシール性が完全となる。
ここで、膨張過程の間に、シールの継ぎ目等の隙間を水が透過する現象が水走りである。特に、吸水膨張性素材を用いたシール部材は、条帯端部の突きあわせ部等において隙間が生じやすく、突きあわせラインに沿った水走りを生じやすい。
これに対し、本実施形態のシール構造は、図1及び図2に示すように、管軸方向に隣接した第1シール部材及び第2シール部材からなる一組のシール部材を含み、第1シール部材及び第2シール部材は、それぞれ、吸水膨張性素材からなる条帯からなり、条帯の両端部が突きあわせられたリング状をなしており、第1シール部材の突きあわせラインの第2シール部材側端点と第2シール部材の突きあわせラインの第1シール部材側端点とが管の周方向にオフセットされている。
すなわち、本シール構造中における突きあわせラインに沿った水走りの流路は、管の軸方向へ貫通せずに分断されることになる。このため、たとえ第1シール部材21によるシールラインに水走りを生じても、水走りの流路の先は第2シール部材22の側端部に突き当たるため、水走りした水は最終的に第2シール部材22によって確実に吸水される。
以上の作用により、本実施形態のシール構造では、仮に第1シール21に突きあわせラインに沿った水走りが生じても、浸入した水が内管内部まで到達することを抑制できる。
特に、上記実施形態のように第1シール部材21の突きあわせラインが条帯の長手方向や管体の中心軸方向に対して傾斜している場合には、浸入した水が突きあわせラインに沿って水走りするための流路が長くなる。この結果、第1シール部材21が飽和状態に達するまでに突きあわせラインに浸入した水がシール部材を透過する可能性が低くなり、水走りの抑制効果がより高められる。
また、本実施形態のシール構造によれば、シール部材の継手本体への一体化作業を容易化できる。
吸水膨張性素材を用いた従来のシール構造には、特に吸水膨張性素材からなる条帯の管壁等への固定作業に大きな労力がかかるという課題がある。特に、本実施形態のように、シール部材が螺旋波付き管の内周面に沿って配置される場合、吸水膨張性素材からなる条帯を凹凸面になじませながら固定する作業が必要となる。このような作業は、作業者に慎重さと熟練を要するため、大きな労力を伴うものであった。
また、吸水膨張性素材の形状やサイズによっては、管壁内周面の凹凸面への追従が不充分となり、シール部材と継手本体の間に隙間を生じかねない。
一方、本実施形態のシール構造においては、2つのシール部材が一組としてシール性を発揮できればよい構造になっている。このため、個々のシール部材の幅を従来のシール構造において求められていた幅の半分にできる。条帯の幅が半分になると、凹凸面への固定が大変容易になる。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
図6は、本発明のシール構造のその他の実施形態の例であり、壁面に設けられた穴に管が接続される接続箇所にシール構造が適用された例を示す一部断面図である。地中埋設管がハンドホール等に接続される箇所に、このような接続構造が適用されうる。
本実施形態において、配管用貫通孔8bに挿通された螺旋波付き管3は、締付部材42を螺合して締めこむことにより、フランジ部材41とベルマウス5の間に壁部8が挟まれて固定されている。
螺旋波付き管3には、締付部材42が第1管状部42aを介して螺合されている。締付部材42は、第1管状部42a、段差部42b及び第2管状部42cから構成される。第1管状部42aは、螺旋波付き管3と螺合可能な螺旋波付き管に形成されている。第2管状部42cは、直管状に形成されている。
フランジ部材41は管状部41aとフランジ部41bとから構成される。管状部41aは、直管状に形成されている。ここで、管状部41aには締付部材42の第2管状部42cが嵌合されている。
フランジ部材41は、締付部材42と一体となって、螺旋波付き管3を壁部8に対して固定する。管状部41aが第2管状部42cへ挿入され、さらに段差部42bまで突き当てられることで締付部材42との嵌合が完了する。そして、締付部材42が螺旋波付き管3に螺合して締めこまれることで、フランジ部41bが壁面8aに押圧され、螺旋波付き管3は壁面8aに固定される。
なお、フランジ部41bと壁面8aとの間には、本発明のシール構造とは独立して、公知のシール部材43を用いた公知のシール構造が設けられる。
螺旋波付き管3の先端内側には、ベルマウス5が螺合して取り付けられている。ベルマウス5は、螺合する螺旋波付き管3の内径よりもその外形がやや小さく形成された円筒状の本体部51を有し、この本体部51の外周面には螺旋波付き管への螺合時にネジ山となる凸部51bが螺旋状に形成されている。本構成により、ベルマウス5は螺旋波付き管3に螺合し、壁面8aに固定可能となっている。ただし、ベルマウスの構成はこれに限定されず、その他公知の構成を用いてよい。
締付部材42、フランジ部材41及びベルマウス5は、公知のものを用いることができる。たとえば、合成樹脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニル樹脂により、射出成型やブロー成型などの公知の成形方法により成形したものである。
本実施形態においては、締付部材42の第1管状部42aと螺旋波付き管3の間がシール部材63、64によりシールされている。係る部分には、前記第1実施形態における図1、2等に示した第1シール構造や第2シール構造を適用することができる。この場合、第1管状部42aが「外管」に対応し、螺旋波付き管3が「内管」に対応する。
このように、図1、2に示されたようなシール構造の適用対象は、管と管継手に限定されず、管と締付け部材の間や、管と他の管等の間のシールに応用できる。
また、本実施形態においては、フランジ部材41の管状部41aと、締付部材42の第2管状部42cとの間がシール部材61、62によりシールされている。係る部分にも、前記第1実施形態における図1、2等に示した第1シール構造や第2シール構造を適用することができる。この場合、管状部41aが「内管」に対応し、第2管状部42cが「外管」に対応する。
このように、図1、2に例示されたシール構造の適用対象は凹凸波付き管に限定されず、この例のように直管の間をシールする構造としても応用できる。
また、このように管接続部を構成する外管と内管とが互いの先端部で接続される場合は、管の接続前であっても外管と内管のシール位置が明確に定まるため、一組のシール部材をあらかじめ内管外周面に一体化しておくことが好ましい。シール部材を内管外周面に一体化する場合、外管内周面に一体化するよりも作業が容易なため、より確実なシール性が得やすくなる。
本シール構造によれば、上記いずれの実施形態であっても水走りを抑制でき、シール部材の一体化作業が容易である。
本発明のシール構造は、他のシール構造と共に用いることもできる。たとえば、管の接続構造において、シールすべき部位が2箇所ある場合、図1、2の実施形態に示したように2箇所とも本発明のシール構造によりシールしてもよいし、1箇所は本発明のシール構造としつつ、他の箇所には従来のシール構造を用いるようにしてもよい。
本発明のシール構造は、第1シール部材及び第2シール部材からなる一組のシール部材の他、さらにその他のシール部材を含むものであってもよい。たとえば、第1シール部材又は第2シール部材に略同一な構成の第3シール部材を、一組のシール部材に隣接させて設けてもよい。
この場合、第3シール部材の端点と隣接するシール部材の端点とが周方向にオフセットされていることが好ましい。オフセットの態様は第1実施形態で説明したとおりである。
本発明のシール構造が適用される管接続部について、管接続部を構成する外管及び内管は長尺の管に限定されるものではなく、たとえば、図6の実施形態の締付部材42とフランジ部材41の間のシール構造のように、短尺の管同士の管接続部であってもよい。ここで、短尺の管とは、管の長さが管の直径の3倍程度以下の管を言う。
本発明のシール構造は、上記実施形態で例示した以外の他の技術分野にも応用できる。
本発明のシール構造は、地中埋設管などの接続構造において使用でき、シール部位の止水性やシール作業性を向上できて産業上の利用価値が高い。
1 管継手
11 継手本体
21 第1シール部材
21a,22a 突きあわせライン
21b,22b 端点
22 第2シール部材
3 螺旋波付き管
41 フランジ部材
41a 管状部
41b フランジ部
42 締付部材
42a 第1管状部
42b 段差部
42c 第2管状部
5 ベルマウス
51 本体部
51b 凸部
61,64 第1シール部材
62,63 第2シール部材
8 壁部
8a 壁面
8b 配管用貫通孔

Claims (4)

  1. 外管と、外管の内側に挿入される内管との間をシールするシール構造であって、
    外管と内管の間に挟持された、管軸方向に隣接した第1シール部材及び第2シール部材からなる一組のシール部材を含み、第1シール部材及び第2シール部材は外管内周面もしくは内管外周面に一体化されており、
    第1シール部材及び第2シール部材は、それぞれ、吸水膨張性素材からなる条帯からなり、条帯の両端部が突きあわせられたリング状をなしており、
    第1シール部材の突きあわせラインの第2シール部材側端点と第2シール部材の突きあわせラインの第1シール部材側端点とが管の周方向にオフセットされたシール構造。
  2. 第1シール部材の突きあわせラインにおける第2シール部材側端点と第2シール部材の突きあわせラインにおける第1シール部材側端点とが管の中心軸回りに45°以上オフセットされた請求項1に記載のシール構造。
  3. 第1シール部材もしくは第2シール部材の突きあわせラインが条帯の長手方向に対し傾斜している請求項1もしくは請求項2に記載のシール構造。
  4. 第1シール部材もしくは第2シール部材の突きあわせラインが凹凸形状もしくは階段状である請求項1もしくは請求項2に記載のシール構造。
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