JP6806100B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサに関し、例えば、ガス濃度に応じて電流−電圧特性に変化が生じるガスセンサに適用して有効な技術に関する。
特開2015−102538号公報(特許文献1)には、半導体基板上に形成された金属酸化物層をガス検知層として利用し、ガス流通時のガス検知層の抵抗変化に由来する電流変化からガス濃度を検出する電界効果トランジスタ型ガスセンサが記載されている。
特開2015−102538号公報
窒素酸化物(NOx)は、バイオマスや化石燃料などの燃焼にともなって発生する人体に悪影響を及ぼすガスであるとともに、種類によっては高い地球温暖化係数を有するガスであり、その排出量の削減が求められている。
窒素酸化物の排出量は燃焼条件などによっても変化することから、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車などの内燃機関を有する自動車においては、エンジンでの燃焼制御による窒素酸化物の排出量を削減することが試みられている。このようなエンジンでの燃焼制御においては、排気ガスに含まれる窒素酸化物のガス濃度を迅速に測定して、その結果を制御系へとフィードバックする必要がある。
このようなニーズに対応する新規なガスセンサとしては、電界効果型ガスセンサに代表される仕事関数型ガスセンサが挙げられる。仕事関数型ガスセンサは、被検出ガスのガス濃度に応じてしきい値電圧が変化するガスセンサである。電界効果型ガスセンサと同様に、ガス濃度に応じて電流−電圧特性が変化するガスセンサには、容量型ガスセンサやダイオード型ガスセンサがある。本明細書では、電界効果型ガスセンサと容量型ガスセンサとダイオード型ガスセンサとを総称して仕事関数型ガスセンサと呼ぶ。
金属酸化物膜をガス検出膜として利用するガスセンサにおいては、被検出ガスと金属酸化物が反応することにより、イオン伝導性が変化する必要がある。したがって、単一の金属酸化物膜を使用するガスセンサにおいては、この金属酸化物膜を構成する金属酸化物が被検出ガスとの反応性があり、かつ、この反応から得られるイオン伝導性の変化が十分に高いことが要求される。このため、単一の金属酸化物膜を使用するガスセンサにおいては、要求を満たす金属酸化物の選択肢が少ない。したがって、金属酸化物膜をガス検出膜として利用するガスセンサにおいて、ガス濃度の検出性能を向上することが難しくなる。
本発明の目的は、ガスセンサの性能を向上することにある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態におけるガスセンサは、被検出ガスの濃度を検出するガスセンサである。このとき、ガスセンサは、半導体基板上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された第1金属酸化物膜と、第1金属酸化物膜上に形成された第2金属酸化物膜と、第2金属酸化物膜と接する金属膜とを有する。そして、第2金属酸化物膜の一部は、露出している。
一実施の形態によれば、ガスセンサの性能向上を図ることができる。
(a)は、実施の形態におけるガスセンサの模式的な構成を示す断面図であり、(b)は、実施の形態におけるガスセンサの模式的な構成を示す斜視図である。 実施の形態におけるガスセンサを使用して、電気的に被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度を検出するための回路構成を模式的に示す図である。 図2に示す回路構成を使用して、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度を算出する方法を説明するグラフである。 電圧変化値と被検出ガスのガス濃度との関係を示すグラフである。 実施の形態におけるイオンポンプ部の模式的な構成を示す図である。 (a)は、変形例1におけるガスセンサの模式的な構成を示す断面図であり、(b)は、変形例1におけるガスセンサの模式的な構成を示す斜視図である。 (a)は、変形例2におけるガスセンサの模式的な構成を示す断面図であり、(b)は、変形例2におけるガスセンサの模式的な構成を示す斜視図である。 (a)は、変形例3におけるガスセンサの模式的な構成を示す断面図であり、(b)は、変形例3におけるガスセンサの模式的な構成を示す斜視図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
<ガスセンサの構成>
図1は、本実施の形態におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す図である。特に、図1(a)は、本実施の形態におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す断面図であり、図1(b)は、本実施の形態におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す斜視図である。図1(a)および図1(b)に示すガスセンサは、例えば、被検出ガス20である窒素酸化物ガス(NOx)のガス濃度を検出する電界効果型ガスセンサである。
図1(a)および図1(b)に示すように、本実施の形態におけるガスセンサは、例えば、シリコン(珪素)やシリコンカーバイド(炭化珪素)を主成分とする半導体基板10を有し、この半導体基板10上には、例えば、酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜13が形成されている。言い換えれば、本実施の形態におけるガスセンサは、シリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)を母体とする半導体基板10を有し、この半導体基板10上には、酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜13が形成されている。
そして、ゲート絶縁膜13上には、ゲート電極が形成されている。具体的に、ゲート絶縁膜13上には、金属酸化物膜14が形成されており、この金属酸化物膜14上には、金属酸化物膜15が形成されている。さらに、金属酸化物膜15上には、金属膜16が形成されている。このように、本実施の形態におけるガスセンサ100では、ゲート電極は、金属酸化物膜14と、金属酸化物膜14上に形成された金属酸化物膜15と、金属酸化物膜15上に形成された金属膜16とを含む。このとき、図1(a)および図1(b)に示すように、ゲート電極の上方に被検出ガスである窒素酸化物ガスが流れるようになっている。そして、ゲート電極の一部を構成する金属酸化物膜15の一部は、露出しており、金属酸化物膜15の表面の一部に、窒素酸化物ガスが接触するように構成されている。
さらに、本実施の形態におけるガスセンサ100は、ゲート絶縁膜13の直下の半導体基板10に形成されたチャネル形成領域と、このチャネル形成領域を挟むソース領域11とドレイン領域12とを有している。以上のようにして、本実施の形態におけるガスセンサ100が模式的に構成されていることになる。
<金属酸化物膜の性質>
次に、金属酸化物膜14と金属酸化物膜15の性質について説明する。本実施の形態における金属酸化物膜14は、イオン伝導性を有する。一方、金属酸化物膜15は、金属酸化物膜15の表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する。具体的に、金属酸化物膜15は、例えば、窒素酸化物ガス(NOx)を含むガスが金属酸化物膜15に接触すると、一酸化窒素(NO)が変性して、より吸着が容易な二酸化窒素(NO)などの吸着種に変化させる機能を有している。そして、金属酸化物膜14は、金属酸化物膜15の表面に吸着した吸着種に起因して、イオン伝導性が変化する性質を有する。
<ガスセンサにおける概念的なガス濃度の検出メカニズム>
続いて、本実施の形態におけるガスセンサによって、窒素酸化物ガスのガス濃度を検出することができる概念的な検出メカニズムについて説明する。まず、図1(a)および図1(b)に示すように、本実施の形態におけるガスセンサ100の上方には、窒素酸化物ガスを含む被検出ガス20が流れている。このとき、本実施の形態1におけるガスセンサ100では、金属酸化物膜15の表面の一部が露出している。このため、露出している金属酸化物膜15の表面には、窒素酸化物ガスが接触する。このとき、金属酸化物膜15は、金属酸化物膜15の表面に吸着する窒素酸化物ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する。言い換えれば、金属酸化物膜15は、金属酸化物膜15の表面に吸着した窒素酸化物ガスに対して酸素を供給する機能を有する。したがって、この金属酸化物膜15の触媒機能によって、窒素酸化物ガスに含まれる一酸化窒素(NO)が金属酸化物膜15に接触すると、一酸化窒素(NO)に対して、金属酸化物膜15から酸素が供給される。この結果、一酸化窒素(NO)は、より吸着が容易な二酸化窒素(NO)などに変化する。そして、二酸化窒素(NO)などが金属酸化物膜15から下層の金属酸化物膜14に移動して、金属酸化物膜14に対して、二酸化窒素(NO)などから、酸素イオン(O2−)が供給される結果、金属酸化物膜14のイオン伝導性が変化する。これにより、ソース領域11とドレイン領域12に挟まれたチャネル形成領域に加わる電界強度が変化して、ソース領域11とドレイン領域12との間を流れる電流およびその電流を流すためのしきい値電圧(ゲート電圧)が変化する。このことから、本実施の形態におけるガスセンサ100においては、このしきい値電圧の変化に基づいて、窒素酸化物ガスのガス濃度を検出することができる。
<ゲート絶縁膜の構成材料>
次に、本実施の形態におけるゲート絶縁膜13を構成する材料について説明する。図1(a)および図1(b)に示す本実施の形態におけるゲート絶縁膜13は、例えば、酸化シリコンに代表されるシリコン(Si)を含む酸化物から構成される。本実施の形態におけるゲート絶縁膜13にシリコンを含む酸化物を使用することにより、ゲート電極からのリーク電流を抑制することができる。この結果、リーク電流に起因するノイズを低減できることから、本実施の形態におけるガスセンサ100の検出精度を向上できる。
<金属酸化物膜の構成材料>
続いて、本実施の形態における金属酸化物膜14を構成する材料について説明する。イオン伝導性を有する金属酸化物膜14は、例えば、ジルコニウム(Zr)を含む酸化物から構成される。また、イオン伝導性を有する金属酸化物膜14は、第1金属と第2金属とを含むように構成することもできる。このとき、第1金属は、ジルコニウム(Zr)である。一方、第2金属は、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)から選ばれる少なくとも1種類の金属である。ここで、ジルコニウム(Zr)以外の元素の添加量は、モル比で1%以上15%以下であることが望ましい。
上述したように、金属酸化物膜14は、ジルコニウムを含む酸化物から構成することができるが、この場合、金属酸化物膜14を構成する金属酸化物の結晶構造は、単斜晶や正方晶や立方晶となる。特に、ジルコニウムだけを含む金属酸化物の結晶構造は、単斜晶となる一方、ジルコニウム(第1金属)と上述した第2金属とを含む金属酸化物の結晶構造は、正方晶や立方晶となる。このとき、正方晶や立方晶の結晶構造は、単斜晶の結晶構造と比較して、酸素欠損を生じやすく、イオン伝導性が変化しやすくなる。このため、イオン伝導性の変化を大きくする観点から、金属酸化物膜14を、ジルコニウム(第1金属)と上述した第2金属とを含む金属酸化物から構成することが望ましい。
続いて、本実施の形態における金属酸化物膜15を構成する材料について説明する。金属酸化物膜15は、例えば、ニッケル(Ni)を含む酸化物から構成される。この場合、金属酸化物膜15に対して、金属酸化物膜15の表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を実現できるとともに、金属酸化物膜15と金属膜16との密着性を向上することができる。さらに、金属酸化物膜15は、ニッケルの他に、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、ジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むこともできる。このとき、ニッケル以外の元素は、必ずしも酸化物の形態で金属酸化物膜15に含まれていなくてもよい。
さらに、金属酸化物膜15の表面に吸着させる吸着種の吸着量を多くする観点から、金属酸化物膜15の表面積を大きくすることが望ましい。具体的に、金属酸化物膜15は、少なくとも一部が多孔質であることが望ましい。ただし、金属酸化物膜15を多孔質から構成する場合、上層の金属膜16との接着強度が不充分となる可能性がある。このため、金属酸化物膜15を構成する金属酸化物の粒径は、10nm以上10μm以下であることが望ましい。これにより、本実施の形態におけるガスセンサ100によれば、金属酸化物膜15の表面に吸着させる吸着種の吸着量を多くすることができるとともに、金属酸化物膜15と金属膜16との接着強度を確保することができる。
<金属膜の構成材料>
次に、本実施の形態における金属膜16を構成する材料について説明する。本実施の形態における金属膜16は、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)から選ばれる少なくとも1種類の元素を含む膜から構成される。
このように構成される金属膜16は、必ずしも、被検出ガスの雰囲気に露出させる必要はない。ただし、金属膜16を白金に代表される貴金属から構成する場合、白金に代表される貴金属は、一酸化窒素(NO)の吸着種を変化させる触媒機能を有している。したがって、例えば、図1(b)の「A」で示す金属酸化物膜15と金属膜16との接触部位では、金属酸化物膜15の触媒機能と金属膜16の触媒機能との相乗効果によって、一酸化窒素(NO)から二酸化窒素(NO)への変化が生じやすくなると考えられる。このことから、本実施の形態のガスセンサ100において、金属酸化物膜15と金属膜16との接触部分(図1(b)の「A」で示されている)は、露出していることが望ましい。
<ソース領域およびドレイン領域の構成材料>
本実施の形態におけるガスセンサ100は、電界効果型ガスセンサである。つまり、ガスセンサ100は、基本的に、nチャネル型電界効果トランジスタやpチャネル型電界効果トランジスタから構成することができる。
例えば、ガスセンサ100をnチャネル型電界効果トランジスタから構成する場合、ソース領域11およびドレイン領域12は、n型半導体領域から構成される。具体的に、半導体基板がシリコンから構成される場合、イオン注入法によって、リン(P)や砒素(As)に代表されるn型不純物(ドナー)を半導体基板に導入することにより、n型半導体領域からなるソース領域11およびドレイン領域12を形成することができる。
一方、ガスセンサ100をpチャネル型電界効果トランジスタから構成する場合、ソース領域11およびドレイン領域12は、p型半導体領域から構成される。具体的に、半導体基板がシリコンから構成される場合、イオン注入法によって、ボロン(B)に代表されるp型不純物(アクセプタ)を半導体基板に導入することにより、p型半導体領域からなるソース領域11およびドレイン領域12を形成することができる。
<半導体基板の構成材料>
続いて、本実施の形態における半導体基板10を構成する材料について説明する。本実施の形態における半導体基板10は、例えば、シリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)から構成することができる。特に、本実施の形態におけるガスセンサ100を自動車のエンジンから排気される排気ガスなどの高温ガス内で使用する場合、熱電子に起因するノイズを低減する観点から、バンドギャップの大きなシリコンカーバイド(SiC)を使用することが望ましい。
<ガスセンサの電気回路構成>
本実施の形態におけるガスセンサ100は、上記のように構成されており、以下に、本実施の形態におけるガスセンサ100を使用して、電気的に被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度を検出するための回路構成について説明する。
図2は、本実施の形態におけるガスセンサ100を使用して、電気的に被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度を検出するための回路構成を模式的に示す図である。図2において、ガスセンサ100には、ソース端子101とドレイン端子102とゲート端子103とが電気的に接続される。具体的に、図1(a)および図1(b)に示すガスセンサ100のソース領域11は、図2に示すソース端子101と電気的に接続され、かつ、図1(a)および図1(b)に示すガスセンサ100のドレイン領域12は、図2に示すドレイン端子102と電気的に接続される。また、図1(a)および図1(b)に示すガスセンサ100のゲート電極(金属膜16)は、図2に示すゲート端子103と電気的に接続される。このような接続構成において、ゲート電極として機能する金属膜16へのゲート電圧の印加は、金属膜16と電気的に接続されたゲート電圧印加装置104で行なわれる。また、ガスセンサ100のソース領域11と電気的に接続されたソース端子101は、グランド電位に接地されている。一方、ガスセンサ100のドレイン領域12と電気的に接続されたドレイン端子102は、電流測定機器105とドレイン電圧印加装置106と電気的に接続されている。以上のような回路構成において、ドレイン電圧印加装置106からドレイン端子102にドレイン電圧を印加した状態で、ゲート電圧印加装置104からゲート端子103に印加するゲート電圧を制御する。この場合、ガスセンサ100が接触する被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度に応じて、ガスセンサ100のしきい値電圧が変化することを利用して、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度が計測される。以下では、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度の算出方法について説明する。
<ガス濃度の算出方法>
図3は、図2に示す回路構成を使用して、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度を算出する方法を説明するグラフである。まず、電界効果トランジスタでは、ゲート電極にしきい値電圧よりも小さいゲート電圧を印加する場合、ソース領域11とドレイン領域12との間にチャネル(反転層)が形成されずに、電流がほとんど流れない。ところが、電界効果トランジスタでは、ゲート電極にある一定以上のゲート電圧を印加すると、ソース領域11とドレイン領域12との間にチャネル(反転層)が形成され、急激にソース領域11とドレイン領域12との間に電流が流れるようになる。そこで、本実施の形態では、ある電流値をしきい値電流とし、このしきい値電流を得るためのゲート電圧をしきい値電圧と定義する。具体的に、図3において、縦軸は、ドレイン電流を示しており、横軸は、ゲート電圧を示している。そして、縦軸には、しきい値電流I1が示されている。
本実施の形態におけるガスセンサ100では、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度によって、金属酸化物膜14のイオン伝導性が変化し、これに伴って、ガスセンサ(電界効果トランジスタ)100のしきい値電圧も変化する。そこで、まず、既知のガス濃度を有するリファレンスガスにおけるしきい値電圧(V1)を測定しておく(曲線30)。次に、被検出ガスを流した場合におけるしきい値電圧(V2)を測定する(曲線40)。このとき、例えば、図3に示すように、しきい値電圧(V1)としきい値電圧(V2)との間に電位差が生じていると、被検出ガスのガス濃度がリファレンスガスのガス濃度から変化していることがわかる。
ここで、例えば、既知の被検出ガスのガス濃度とガスセンサ100のしきい値電圧との相関関係を調べると、例えば、図4に示すグラフが得られる。図4は、電圧変化値(V2−V1)と被検出ガスのガス濃度との関係を示すグラフである。このような図4に示す相関関係を予め把握してバックデータとして取得しておけば、例えば、ガス濃度が未知の被検出ガスを流した場合に得られたガスセンサ100のしきい値電圧から、未知の被検出ガスのガス濃度を算出することができる。
<実施の形態における特徴>
次に、本実施の形態における特徴点について説明する。本実施の形態における第1特徴点は、例えば、図1(a)および図1(b)に示すように、ガスセンサ100において、互いに機能の異なる金属酸化物膜14と金属酸化物膜15とが積層膜を構成している点にある。これにより、本実施の形態におけるガスセンサ100によれば、ガスセンサ100の性能向上を図ることができる。
例えば、電界効果型ガスセンサにおいては、被検出ガスのガス濃度に応じてしきい値電圧が変化することを利用して、被検出ガスのガス濃度を検出する。このような電界効果型ガスセンサにおいては、金属酸化物膜をガス検出膜として利用する。そして、このガスセンサの構成要素となる金属酸化物膜には、被検出ガスと金属酸化物が反応することにより、イオン伝導性が変化することが要求される。したがって、例えば、単一の金属酸化物膜を使用するガスセンサにおいては、この金属酸化物膜を構成する金属酸化物が被検出ガスとの反応性があり、かつ、この反応から得られるイオン伝導性の変化が十分に高いことが要求される。このため、単一の金属酸化物膜を使用するガスセンサにおいては、要求を満たす金属酸化物の選択肢が少なくなる。このことから、単一の金属酸化物膜を使用するガスセンサにおいては、要求を満たす単一の金属酸化物膜を選択する余地が少なく、ガス濃度の検出性能を向上することが難しくなる。つまり、単一の金属酸化物膜を使用するガスセンサにおいては、イオン伝導性の変化が大きく、かつ、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有することが要求される。特に、ガスセンサにおけるガス濃度の検出感度を向上するためには、イオン伝導性の変化が大きいことが要求されるが、さらに、被検出ガスが窒素酸化物ガスの場合には、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有することも重要となってくる。なぜなら、窒素酸化物ガスに含まれる一酸化窒素(NO)は、金属酸化物膜に吸着しにくい性質を有していることから、金属酸化物膜に吸着することを前提としてガス濃度を検出するガスセンサでは、一酸化窒素(NO)では、ガス濃度の検出精度を向上することができないからである。すなわち、窒素酸化物ガスのガス濃度の検出感度を向上するためには、金属酸化物膜に吸着しにくい一酸化窒素(NO)を金属酸化物膜に吸着しやすい二酸化窒素(NO)のように吸着種を変化させる必要があるのである。つまり、窒素酸化物ガスのガス濃度を検出するガスセンサにおいては、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する金属酸化物膜を使用することによって、初めて、高感度なガスセンサを実現できるのである。
この点に関し、本実施の形態では、ガスセンサ100において、互いに機能の異なる金属酸化物膜14と金属酸化物膜15とが積層膜を構成している。具体的に、本実施の形態では、イオン伝導性を有する金属酸化物膜14と、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する金属酸化物膜15とが積層膜を構成している。この場合、金属酸化物膜14に対しては、イオン伝導性の変化が大きい性質を有する観点からだけで膜の種類を選択することができる。同様に、金属酸化物膜15に対しては、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する観点からだけで膜の種類を選択することができる。したがって、ガスセンサ100において、互いに機能の異なる金属酸化物膜14と金属酸化物膜15とが積層膜を構成しているという本実施の形態における第1特徴点によれば、金属酸化物膜14と金属酸化物膜15のそれぞれの材料の選択の余地が広がる。このことは、本実施の形態におけるガスセンサ100によれば、被検出ガスのガス濃度の検出感度を容易に向上させることができることを意味する。つまり、本実施の形態における第1特徴点によれば、イオン伝導性の変化が大きい性質を有する観点と、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する観点とを両立する材料を選択する場合に比べて、遥かに材料の選択の余地が広がる。この結果、本実施の形態における第1特徴点によれば、金属酸化物膜を構成する材料の選択の余地が広がることによって、容易にガスセンサ100の性能向上を図ることができる。さらには、金属酸化物膜を構成する材料の選択の余地が広がることによって、性能が同等であり、かつ、製造コストの低い材料を優先的に選択できる余地が広がる。つまり、本実施の形態における第1特徴点によれば、容易にガスセンサ100の性能向上を図ることができるとともに、製造コストの削減も可能となる点で優れた効果を得ることができる。
続いて、本実施の形態における第2特徴点は、例えば、図1(a)および図1(b)に示すように、金属酸化物膜15の表面の一部を露出する点にある。これにより、本実施の形態におけるガスセンサ100によれば、金属酸化物膜15の表面の一部が、被検出ガス(窒素酸化物ガス)の雰囲気に接することになるため、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する金属酸化物膜15の機能を充分に発揮することができる。この結果、金属酸化物膜15の表面においては、被検出ガス(窒素酸化物ガス)に含まれる一酸化窒素(NO)に対して、酸素を供給して、二酸化窒素(NO)に変化させることができる。これにより、本実施の形態における第2特徴点によれば、金属酸化物膜15の表面に二酸化窒素(NO)がガス濃度に応じて吸着する結果、ガスセンサ100におけるガス濃度の検出精度を向上することができる。
例えば、ゲート絶縁膜13上に金属酸化物膜15を形成し、かつ、金属酸化物膜15上に金属酸化物膜14を形成する構成では、金属酸化物膜15の表面が金属酸化物膜14で覆われることになり、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する金属酸化物膜15の機能を充分に発揮することができなくなる。
これに対し、本実施の形態におけるガスセンサ100では、ゲート絶縁膜13上に金属酸化物膜14を形成し、かつ、金属酸化物膜14上に金属酸化物膜15を形成する構成が採用されている。これにより、本実施の形態におけるガスセンサ100では、金属酸化物膜15の表面の一部が金属膜16から露出する構成が可能となる。したがって、本実施の形態におけるガスセンサ100によれば、上述した第2特徴点が具現化され、表面に吸着する被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する金属酸化物膜15の機能を充分に発揮することができることになる。このため、本実施の形態におけるガスセンサ100によれば、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度に応じた吸着種(二酸化窒素)の吸着量を確保できる結果、ガス濃度の検出精度を向上することができる。
特に、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度に応じた吸着種(二酸化窒素)の吸着量を確保する観点からは、金属酸化物膜15の表面積を大きくすることが望ましい。具体的に、本実施の形態における第2特徴点を採用しながら、さらに、金属酸化物膜15は、少なくとも一部が多孔質であることが望ましい。ただし、金属酸化物膜15を多孔質から構成する場合、上層の金属膜16との接着強度が不充分となる可能性がある。このため、金属酸化物膜15を構成する金属酸化物の粒径は、10nm以上10μm以下であることが望ましい。これにより、本実施の形態におけるガスセンサ100によれば、金属酸化物膜15の表面に吸着させる吸着種の吸着量を多くすることができるとともに、金属酸化物膜15と金属膜16との接着強度を確保することができる。
次に、本実施の形態における第3特徴点は、ガスセンサ100を備えるガスセンサモジュールに、被検出ガスとは異なるガス成分を除去するイオンポンプ部を設ける点にある。これにより、本実施の形態におけるガスセンサモジュールによって、被検出ガスのガス濃度の検出精度を向上することができる。
例えば、酸素ガスなどは、イオン伝導性を有する金属酸化物膜14のイオン伝導性を変化させる働きを有する。したがって、被検出ガス(窒素酸化物ガス)とともに、酸素ガスが雰囲気に混入していると、あたかも、被検出ガス(窒素酸化物ガス)の実際のガス濃度よりも高い値を算出するということが生じる。つまり、被検出ガス(窒素酸化物ガス)とともに、酸素ガスが雰囲気に混入していると、ガスセンサ100に対するノイズ成分が大きくなり、ガスセンサ100の性能低下を招くことになる。そこで、本実施の形態では、例えば、ガスセンサ100とともに、ガスセンサ100が配置される雰囲気から酸素ガスを除去するイオンポンプ部を含むガスセンサモジュールを構成している。これにより、雰囲気からノイズ源となる酸素ガスに代表される妨害ガスを除去できるため、本実施の形態におけるガスセンサモジュールによれば、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度の検出精度を向上することができる。
図5は、本実施の形態におけるイオンポンプ部50の模式的な構成を示す図である。図5において、本実施の形態におけるイオンポンプ部50は、イオンポンプ電極50Aとイオン伝導膜50Bと、イオンポンプ電極50Cとを有する。すなわち、イオンポンプ電極50A上にイオン伝導膜50Bが配置され、かつ、イオン伝導膜50B上にイオンポンプ電極50Cが配置されている。言い換えれば、イオンポンプ電極50Aは、イオン伝導膜50Bの下面に接して形成されている一方、イオンポンプ電極50Cは、イオン伝導膜50Bの上面に接して形成されている。イオンポンプ電極50Aとイオンポンプ電極50Cのそれぞれは、例えば、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などから構成される。また、イオン伝導膜50Bは、例えば、イットリア(Y)などを添加したジルコニア(ZrO)から構成される。
イオンポンプ部50は、イオンポンプ電極50Aとイオンポンプ電極50Cとの間に電圧を印加することにより、イオン電流を流すことができる。例えば、イオン伝導膜50Bを、イットリア(Y)などを添加したジルコニア(ZrO)から構成する場合、イオン伝導膜50Bは、酸素イオン伝導体となる。イオンポンプ電極50Aにイオンポンプ電極50Cを基準にした負電圧を印加すると、イオンポンプ電極50Aの下面で酸素分子(O)が酸素イオン(O2−)に分解され、酸素イオン(O2−)がイオン伝導膜50Bを介して、イオンポンプ電極50Cに移動する。そして、イオンポンプ電極50Cに到達した酸素イオン(O2−)は、電子をイオンポンプ電極50Cに渡して中性となり、酸素分子となってイオンポンプ電極50Cの上面から放出される。
このようにして、本実施の形態における第3特徴点によれば、ガスセンサモジュールに設けられたイオンポンプ部50によって、被検出ガス(窒素酸化物ガス)とノイズとなる妨害ガス(酸素ガス)とを含むガス雰囲気から、妨害ガス(酸素ガス)を除去することができる。これにより、妨害ガスに起因する、ガスセンサ100に含まれる金属酸化物膜14のイオン伝導性の変動を抑制することができる。したがって、本実施の形態における第3特徴点を備えるガスセンサモジュールによれば、妨害ガスの悪影響を受けることなく、被検出ガス(窒素酸化物ガス)のガス濃度の検出精度を向上することができる。
<変形例1>
図6は、実施の形態の変形例1におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す図である。特に、図6(a)は、本変形例1におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す断面図であり、図6(b)は、本変形例1におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す斜視図である。図6(a)および図6(b)に示すように、本変形例1におけるガスセンサ100は、金属膜16を櫛歯形状にしたこと以外は、実施の形態におけるガスセンサ100と同様の構成をしている。すなわち、本変形例1におけるガスセンサ100では、図6(a)および図6(b)に示すように、金属酸化物膜15上に金属膜16Aと金属膜16Bと金属膜16Cとが配置され、金属膜16Aと金属膜16Bと金属膜16Cとによって、櫛歯形状の電極が形成されている。このように、櫛歯形状の電極を使用することにより、下層の金属酸化物膜15への電圧印加および被検出ガスの流通が容易となる。この結果、本変形例1におけるガスセンサ100によれば、応答速度および応答感度の向上を図ることができる。
<変形例2>
図7は、実施の形態の変形例2におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す図である。特に、図7(a)は、本変形例2におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す断面図であり、図7(b)は、本変形例2におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す斜視図である。図7(a)および図7(b)に示すように、本変形例2におけるガスセンサ100は、金属膜16が金属酸化物膜15の内部に設けられている以外は、実施の形態におけるガスセンサ100と同様の構成をしている。言い換えれば、金属膜16は、被検出ガス(窒素酸化物ガス)を含む雰囲気に対して未露出となっている。このように構成されている本変形例2におけるガスセンサ100によれば、被検出ガス(窒素酸化物ガス)を含む雰囲気と接触する金属酸化物膜15の面積が大きくなる結果、ガスセンサ100の応答感度の向上を図ることができる。
<変形例3>
図8は、実施の形態の変形例3におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す図である。特に、図8(a)は、本変形例3におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す断面図であり、図8(b)は、本変形例3におけるガスセンサ100の模式的な構成を示す斜視図である。図8(a)および図8(b)に示すように、本変形例3におけるガスセンサ100では、金属酸化物膜15と金属酸化物膜14とゲート絶縁膜13と半導体基板10とが雰囲気に曝されるように、実施の形態におけるガスセンサ100を横転させた構成をしている。このように構成されている本変形例3におけるガスセンサ100によれば、被検出ガス(窒素酸化物ガス)を含む雰囲気に金属酸化物膜15が接触する面積が大きくなる結果、ガスセンサ100の応答感度の向上を図ることができる。
<変形例4>
実施の形態では、ガス濃度に応じてしきい値電圧が変化する電界効果型ガスセンサを例に挙げて説明したが、実施の形態における技術的思想は、これに限らず、例えば、ガス濃度に応じて、静電容量が変化に起因する電流−電圧特性の変化が生じる静電容量型ガスセンサにも適用することができる。例えば、静電容量型ガスセンサは、金属酸化物膜14と金属酸化物膜15と金属膜16とからなる上部電極と、半導体基板10からなる下部電極と、上部電極と前記下部電極に挟まれ、かつ、絶縁膜からなる容量絶縁膜とを有するように構成することができる。
<変形例5>
実施の形態では、被検出ガスとして、窒素酸化物ガスを取り挙げて説明したが、実施の形態における技術的思想は、これに限らず、基本的に酸化還元反応を利用するガスセンサの検出対象となるガスのガス濃度の検出に幅広く適用することができる。例えば、被検出ガスとして、硫黄酸化物ガス(SOx)やアンモニアガス(NH)にも適用できる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
前記実施の形態は、以下の形態を含む。
(付記1)
被検出ガスの濃度を検出するガスセンサであって、
半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された第1金属酸化物膜と、
前記第1金属酸化物膜上に形成された第2金属酸化物膜と、
前記第2金属酸化物膜と接する金属膜と、
を有し、
前記第2金属酸化物膜の一部は、露出している、ガスセンサ。
(付記2)
付記1に記載のガスセンサにおいて、
前記絶縁膜は、ゲート絶縁膜であり、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極は、
前記第1金属酸化物膜と、
前記第2金属酸化物膜と、
前記金属膜と、
から構成され、
前記ガスセンサは、さらに、
前記ゲート絶縁膜の直下の前記半導体基板内に形成されたチャネル形成領域と、
前記チャネル形成領域を挟むソース領域およびドレイン領域と、
を有する、ガスセンサ。
(付記3)
付記1に記載のガスセンサにおいて、
前記ガスセンサは、容量素子を構成し、
前記ガスセンサは、
前記第1金属酸化物膜と前記第2金属酸化物膜と前記金属膜とからなる上部電極と、
前記半導体基板からなる下部電極と、
前記上部電極と前記下部電極に挟まれ、かつ、前記絶縁膜からなる容量絶縁膜と、
を有する、ガスセンサ。
(付記4)
付記1に記載のガスセンサにおいて、
前記被検出ガスは、窒素酸化物である、ガスセンサ。
(付記5)
付記1に記載のガスセンサと、
被検出ガスとは異なるガス成分を除去するイオンポンプ部と、
を備え、
前記イオンポンプ部は、
イオン伝導膜と、
前記イオン伝導膜の下面に接するように形成された第1イオンポンプ電極と、
前記イオン伝導膜の上面に接するように形成された第2イオンポンプ電極と、
を有する、ガスセンサモジュール。
10 半導体基板
11 ソース領域
12 ドレイン領域
13 ゲート絶縁膜
14 金属酸化物膜
15 金属酸化物膜
16 金属膜
20 被検出ガス
100 ガスセンサ

Claims (13)

  1. 被検出ガスの濃度を検出するガスセンサであって、
    半導体基板上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成された第1金属酸化物膜と、
    前記第1金属酸化物膜上に形成された第2金属酸化物膜と、
    前記第2金属酸化物膜と接する金属膜と、
    を有し、
    前記第2金属酸化物膜の一部は、露出しており、
    前記絶縁膜は、ゲート絶縁膜であり、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極は、
    前記第1金属酸化物膜と、
    前記第2金属酸化物膜と、
    前記金属膜と、
    から構成され、
    前記ガスセンサは、さらに、
    前記半導体基板内に形成されたチャネル形成領域と、
    前記チャネル形成領域を挟むソース領域およびドレイン領域と、
    を有し、
    前記第1金属酸化物膜は、イオン伝導性を有し、
    前記第2金属酸化物膜は、前記第2金属酸化物膜の表面に吸着する前記被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有し、
    前記ガスセンサは、前記第2金属酸化物膜の触媒機能によって変化した前記被検出ガスの吸着種に起因する前記第1金属酸化物膜のイオン伝導性の変化から生じるしきい値電圧の変化に基づいて、前記被検出ガスのガス濃度を検出するように構成されている、ガスセンサ。
  2. 請求項1に記載のガスセンサにおいて、
    前記金属膜は、前記金属膜の表面に吸着する前記被検出ガスの吸着種を変化させる触媒機能を有する、ガスセンサ。
  3. 請求項1または2に記載のガスセンサにおいて、
    前記第1金属酸化物膜は、ジルコニウムを含む酸化物からなる膜である、ガスセンサ。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記第1金属酸化物膜は、第1金属と第2金属とを含み、
    前記第1金属は、ジルコニウムであり、
    前記第2金属は、カルシウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウムから選ばれる少なくとも1種類の金属である、ガスセンサ。
  5. 請求項に記載のガスセンサにおいて、
    前記第1金属酸化物膜を構成する金属酸化物の結晶構造は、正方晶または立方晶である、ガスセンサ。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記第2金属酸化物膜は、ニッケルを含む酸化物からなる膜である、ガスセンサ。
  7. 請求項に記載のガスセンサにおいて、
    前記第2金属酸化物膜は、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、銅、鉄、コバルト、マンガン、セリウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含む膜である、ガスセンサ。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記第2金属酸化物膜は、少なくとも一部が多孔質である、ガスセンサ。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記金属膜は、白金、金、パラジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種類の元素を含む膜である、ガスセンサ。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記第2金属酸化物膜と前記金属膜との接触部分は、露出している、ガスセンサ。
  11. 請求項1〜9の何れか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記金属膜は、未露出である、ガスセンサ。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記絶縁膜は、酸化シリコン膜である、ガスセンサ。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載のガスセンサにおいて、
    前記半導体基板は、炭化珪素を主成分として含む、ガスセンサ。
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