JP6805686B2 - 空気入りタイヤの作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スタッドピンを装着した空気入りタイヤの作製方法に関する。
従来、氷雪路用タイヤでは、空気入りタイヤのトレッド部にスタッドピンが装着され、氷上路面においてグリップが得られるようになっている。
一般に、スタッドピンは、トレッド部に設けられたピン埋め込み用孔(以降、単に孔ともいう)に埋め込まれる。この孔にスタッドピンを埋め込むとき、孔径を拡張した孔にスタッドピンを挿入することで、スタッドピンが孔にきつく埋め込まれる。これにより、空気入りタイヤの転動中に路面から受ける制駆動力や横力によりスタッドピンが孔からの抜け落ちることを防いでいる。
一方、孔に埋め込んだスタッドピンが、空気入りタイヤから抜け落ちるとき、スタッドピンは孔に対して回転しながら抜け落ちるため、スタッドピンの抜け落ちを防止するには、スタッドピンが孔に対して回転しないことが好ましい。
例えば、スタッドピンの、多角形形状を成した上部フランジ及び下部フランジの側面に湾曲状凹部を設け、トレッドゴムが上記湾曲状凹部に入り込むことにより、スタッドピンの回転を抑制することができる技術が知られている(特許文献1)。
国際公開第2015/114813号
このように孔に埋め込まれたスタッドピンが空気入りタイヤから抜け落ちることを抑制する技術は種々検討されている一方、空気入りタイヤのスタッドピン埋め込み用孔にスタッドピンを効率よく埋め込む技術については十分に検討されていない。
スタッドピンを孔に埋め込むもうとする時、装着装置を用いて、孔を拡張し、この拡張した孔の適正な場所に位置決めしたスタッドピンを、孔の深さ方向に真っ直ぐ挿入することが必要である。しかし、装着装置の先端爪で把持したスタッドピンを孔の位置に移動した後、スタッドピンの把持を緩めてスタッドピンを孔に押し込む時、スタッドピンは、孔に対してわずかに位置ずれし、あるいはスタッドピンが孔の深さ方向に対してわずかに傾斜する場合がある。このため、スタッドピンを孔に埋め込むことができず、スタッドピン装着の生産効率が低下する場合がある。また、このような状態でスタッドピンが孔に埋め込むことができた(スタッドピンの埋め込みが失敗しなかった)としても、スタッドピンの孔に対する不適切な位置や向きに起因した余分な応力をトレッドゴムから受けることでスタッドピンが孔から抜け落ち易くなる場合があり、スタッドタイヤの氷上路面におけるグリップ性能は低下し易い。
そこで、本発明は、スタッドピンをスタッドピン埋め込み用孔に埋め込むとき、スタッドピンを孔に対して適切な位置に位置決めして、孔の深さ方向に真っ直ぐ挿入することができる空気入りタイヤの作製方法を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、スタッドピンを装着した空気入りタイヤの作製方法である。当該作成方法に用いる前記スタッドピンは、路面と接触するように構成されたチップと、前記スタッドピン埋め込み用孔に装着されるように構成された一方向に延在した胴体部と、を備え、前記胴体部の延在方向の第1の端面には、前記チップを固定するように設けられたチップ埋め込み用穴を備え、前記胴体部には、前記胴体部の前記第1の端面と反対側の第2の端面から、前記第1の端面に向かって延びて、前記チップ埋め込み用穴と接続せず途中で閉塞する柱状の長穴が設けられている。
前記作製方法は、
トレッドゴムにスタッドピン埋め込み用孔が設けられ、前記スタッドピン埋め込み用孔には、前記スタッドピン埋め込み用孔の底面から突出し、前記スタッドピン埋め込み用孔の側壁から離間して前記スタッドピン埋め込み用孔の深さより短く、柱状に、前記スタッドピン埋め込み用孔の延在方向に沿って延びるゴム突出部が設けられたスタッダブル空気入りタイヤを作製するステップと、
前記スタッドピンの外周をスタッドピン装着治具で把持し、前記スタッドピン埋め込み用孔の側壁を前記スタッドピン装着治具の先端で拡張することにより、前記スタッドピン埋め込み用孔に前記スタッドピンを挿入するステップと、を備える。
前記ゴム突出部の前記底面からの高さの寸法は、前記スタッドピン埋め込み用孔の深さの寸法の40%以上であり、
前記スタッドピン埋め込み用孔に前記スタッドピンを挿入するとき、前記ゴム突出部と前記スタッドピンの前記長穴とが係合することにより、前記ゴム突出部は前記スタッドピンを位置決めし前記スタッドピン埋め込み用孔内にガイドする。
前記ゴム突出部の中心軸は、前記底面の中心を通ることが好ましい。
また、前記長穴の直径は、前記ゴム突出部の直径に比べて大きいことが好ましい。
前記スタッダブル空気入りタイヤを作製するステップは、タイヤ金型を用いてグリーンタイヤを加硫することを含み、
前記タイヤ金型は、
前記スタッダブル空気入りタイヤのトレッド面に対応するトレッド面対応部と、
前記トレッド面対応部に固定された、前記スタッドピン埋め込み用孔に対応するモールドピンと、を備え、
前記モールドピンには、前記モールドピンの先端面から前記モールドピンの基部に向かって柱状に延びて途中で閉塞する柱状凹部が設けられ、
前記柱状凹部の前記先端面からの深さの寸法は、前記トレッド面対応部の表面からの前記モールドピンの突出高さの寸法に比べて小さい、ことが好ましい。
上述の空気入りタイヤの作製方法によれば、スタッドピンをスタッドピン埋め込み用孔に埋め込むとき、スタッドピンを孔に対して適切な位置に位置決めして、孔の深さ方向に真っ直ぐ挿入することができる。
本実施形態のタイヤの断面の一例を示すタイヤ断面図である。 本実施形態のタイヤの外観斜視図である。 本実施形態のタイヤのトレッドパターンの一例を平面上に展開したトレッドパターンの一部の平面展開図である。 (a)は、本実施形態のスタッドピンの一例を示す図であり、(b)は、(a)に示すスタッドピンの下部フランジの底面の一例を示す図である。 本実施形態のタイヤのトレッドゴムに設けられたスタッドピン埋め込み用孔の深さ方向に沿った孔の断面の一例を示す図である。 本実施形態のタイヤを製造するためのタイヤ金型における、スタッドピン埋め込み用孔周りの金型対応部分の一例を説明する図である。 本実施形態のスタッドピンをスタッドピン埋め込み用孔に埋め込むときの様子の一例を説明する図である。 本実施形態のスタッドピンをスタッドピン埋め込み用孔に埋め込むときの様子の他の一例を説明する図である。
(タイヤの全体説明)
以下、本実施形態のスタッドタイヤについて説明する。図1は、本実施形態のスタッドブルタイヤ(以降、タイヤという)10の断面の一例を示すタイヤ断面図である。図2は、タイヤ10の外観斜視図である。
タイヤ10は、トレッドゴムに設けられたスタッドピン埋め込み用孔にスタッドピンが埋め込むことが可能なスタッダブルタイヤである。
タイヤ10は、例えば、乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で具体的に説明する各パターン要素の寸法の数値は、乗用車用タイヤにおける数値例であり、タイヤはこれらの数値例に限定されない。
以降で説明するタイヤ周方向C(図2参照)とは、タイヤ回転軸Axis(図2参照)を中心にタイヤ10を回転させたとき、トレッド面の回転する方向(両回転方向)をいい、タイヤ径方向Rとは、タイヤ回転軸Axisに対して直交して延びる放射方向をいい、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸Axisからタイヤ径方向Rに離れる側をいう。タイヤ幅方向Wとは、タイヤ回転軸方向Axisに平行な方向をいい、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ10のタイヤ赤道線CL(図1,3参照)から離れる両側をいう。
(タイヤ構造)
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ層12と、ベルト層14と、ビードコア16とを有する。タイヤ10は、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム18と、サイドゴム20と、ビードフィラーゴム22と、リムクッションゴム24と、インナーライナゴム26と、を主に有する。
カーカスプライ層12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材12a,12bを含む。図1に示すタイヤ10では、カーカスプライ層12は、カーカスプライ材12a,12bで構成されているが、1つのカーカスプライ材で構成されてもよい。カーカスプライ層12のタイヤ径方向外側に2枚のベルト材14a,14bで構成されるベルト層14が設けられている。ベルト層14は、タイヤ周方向Cに対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材であり、下層のベルト材14aのタイヤ幅方向の幅が上層のベルト材14bの幅に比べて広い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向はタイヤ周方向Cからタイヤ幅方向Wに向かって互いに異なる方向に傾いている。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ層12の膨張を抑制する。
ベルト層14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム18が設けられ、トレッドゴム18の両端部には、サイドゴム20が接続されてサイドウォール部を形成している。トレッドゴム18は2層のゴムで構成され、タイヤ径方向外側に設けられる上層トレッドゴム18aとタイヤ径方向内側に設けられる下層トレッドゴム18bとを有する。サイドゴム20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ層12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわした後のカーカスプライ層12の部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム26が設けられている。
この他に、タイヤ10は、ベルト層14のタイヤ径方向外側からベルト層14を覆う、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバー層28を備える。
タイヤ10は、このようなタイヤ構造を有するが、本実施形態のタイヤ構造は、図1に示すタイヤ構造に限定されない。
(トレッドパターン)
図3は、タイヤ10の、一例であるトレッドパターン30を平面上に展開したトレッドパターンの一部の平面展開図である。図3では、トレッド部に装着されるスタッドピンの図示は省略されている。タイヤ10は図3に示されるように、タイヤ周方向Cの一方の向きを示す回転方向Xが指定されている。回転方向Xの向きの情報は、タイヤ10のサイドウォール表面に設けられた数字、記号(例えば、矢印の記号)等の情報表示部に示されている。スタッドピン(図4(a)参照)は、図3に示される複数のスタッドピン埋め込み用孔29に装着される。
トレッドパターン30は、傾斜溝32と、周方向連絡溝34と、突出溝36と、サイプ38と、を有する。
傾斜溝32は、タイヤ周方向(図3の上下方向)に所定の間隔で複数形成されている。
傾斜溝32は、タイヤ回転方向X(図3では、下方向)と逆方向(図3では、上方向)に、かつタイヤ幅方向外側に延びている。傾斜溝32は、タイヤ赤道線CLを挟んでタイヤ幅方向Wの一方の側の、タイヤ赤道線CLの近傍の位置を始端として、タイヤ赤道線CLを横切って、タイヤ幅方向Wの他方の側に向かって進み、パターンエンドPEに至る。
傾斜溝32の溝幅は、タイヤ赤道線CLの近傍の始端から徐々に大きくなっている。傾斜溝32のタイヤ幅方向Wに対する傾斜は、始端を含むタイヤ赤道線CL近傍で最も小さく、タイヤ赤道線CLを横切った後、タイヤ幅方向Wに対する傾斜角度が大きくなるように屈曲してタイヤ幅方向外側で、タイヤ回転方向Xと逆方向に進む。さらに、タイヤ幅方向外側に進むに連れて上記傾斜角度は、徐々に小さくなっている。このような傾斜溝32は、タイヤ赤道線CLを挟んだ両側に設けられる。
トレッド部のタイヤ赤道線CLを挟んだ一方の側に設けられる傾斜溝32は、他方の側に設けられる傾斜溝32に対してタイヤ周方向Cに対して位置ずれしており、一方の側に設けられる傾斜溝32の始端は、他方の側に設けられる傾斜溝32と接続されない構成となっている。
タイヤ周方向Cに複数設けられる傾斜溝32のうち隣り合う傾斜溝32は、周方向連絡溝34によって連通している。より詳細には、周方向連絡溝34は、傾斜溝32の1つの途中からタイヤ周方向Cに向かって延びて、タイヤ周方向Cに隣り合う傾斜溝32を横切り、この隣り合う傾斜溝32に対してさらにタイヤ周方向Cに隣り合う傾斜溝32まで進む。すなわち、周方向連絡溝34の始端は、傾斜溝32の1つにあり、終端は、始端のある傾斜溝32からタイヤ周方向Cに沿って2つ目の傾斜溝32にある。このように、周方向連絡溝34は、タイヤ周方向Cに沿って隣り合う3つの傾斜溝32を接続するように設けられる。周方向連絡溝34は、タイヤ回転方向Xと反対方向に進むにつれて、タイヤ赤道線CLに近づくように、タイヤ周方向Cに対して傾斜している。
突出溝36は、周方向連絡溝34からタイヤ赤道線CLの方向に向かって突出し、タイヤ赤道線CLに到達する前に閉塞するように設けられている。
傾斜溝32と周方向連絡溝34によって、トレッド部の陸部は、センター領域とショルダー領域に分けられている。トレッド部のセンター領域及びショルダー領域の双方の領域には、傾斜溝32及び周方向連絡溝34に接続された複数のサイプ38が設けられている。
さらに、トレッド部のセンター領域及びショルダー領域の双方の領域には、複数のスタッドピン埋め込み用孔29が設けられている。
傾斜溝32、周方向連絡溝34、及び突出溝36の溝深さは、例えば8.5〜10.5mmであり、溝幅の最大幅は12mmである。図3に示すトレッドパターンは一例であり、本実施形態のスタッドピンを装着するタイヤのトレッドパターンは、図3に示す形態に限定されない。
(スタッドピン)
図4(a)は、タイヤ10のスタッドピン埋め込み用孔(以降、単に孔という)29に埋め込む本実施形態のスタッドピン50の一例を示す斜視図である。図4(b)は、図4(a)に示すスタッドピン50の下部フランジの底部の一例を示す図である。
スタッドピン50は、チップ52と、胴体部54と、を備える。胴体部54は、一方向に延在した形状を有し、胴体部54は、一方向に沿って順番に、上部フランジ56、シャンク部60、及び下部フランジ58を備える。胴体部54は、タイヤ10の孔29に埋め込まれるとき、トレッドゴム18(図1)に埋設されてトレッドゴム18と接触する。
チップ52は、路面と接触するよう構成された部分で、チップ先端面を有する。チップ52は、タングステンカーバイト等の超鋼合金で構成される。このほかに、チップ52は、サーメット材料で構成することもできる。チップ52は、胴体部54の上端面に固定される。このスタッドピン50がタイヤ10に装着された時、スタッドピン50のチップ52がトレッド表面から突出するようになっている。
胴体部54は、タイヤ10のトレッドゴムに設けられた孔29に埋め込まれるように構成されている。胴体部54は、中心軸Zの周りに設けられ、チップ52を保持する。
胴体部54の上部フランジ56は、胴体部54が孔29に埋め込まれる時、トレッド表面からチップ52が突出するように構成されている。上部フランジ56の上端面には、チップ52を固定するように設けられたチップ埋め込み用穴を備える。この穴にチップ52の一部が埋め込まれて、チップ52は上部フランジ56の上端で固定される。
下部フランジ58は、胴体部54が孔29に埋め込まれる時、孔29の底面に接触するように構成されている。下部フランジ58は、上部フランジ56のチップ52を保持する端面と反対側の端に設けられている。
シャンク部60は、上部フランジ56と下部フランジ58を接続する部分で、シャンク部60の中心軸Zに直交する断面は、上部フランジ56及び下部フランジ58それぞれの断面に比べて細い。
胴体部54の材料は特に制限されないが、例えば、スタッドピン50の軽量化のためにアルミニウム合金等で構成されている。
中心軸Zは、胴体部54の延びる延在方向に直交する断面の図心を通る。したがって、中心軸Zの軸方向は、胴体部54の延在方向である。
スタッドピン50の上部フランジ56及び下部フランジ58の中心軸Zに直行する断面形状は、円形状であるが、楕円形状、多角形状、多角形形状の角が丸まった形状、あるいは多角形形状の辺の部分が凹状に内側に窪んだ形状であってもよい。
スタッドピン50は、胴体部54の下部フランジ58の底部(上部フランジ56のチップ52を保持する端面と反対側の底面)58aから、スタッドピン50の内部を、チップ52を保持する端面の側(第1の側)に向かって延びて途中で閉塞する柱状の長穴62が設けられている。長穴62は、具体的には、中心軸Zに沿った穴であり、この穴の中心軸Zと直交する断面の形状は円形状である。中心軸Zが、長穴62の中心を通ることが好ましい。
このように、スタッドピン50の下部フランジ58の底部58aから延びる長穴62を設けるのは、長穴62を、後述するタイヤ10の孔29に設けた柱状のゴム突出部と係合させることで、スタッドピン50の、孔29に対する位置ずれを抑制し、さらに、スタッドピン50の中心軸Zの方向を孔29の深さ方向に一致させるためである。これにより、スタッドピン50を孔29に対して適切な位置に位置決めして、孔29の深さ方向に真っ直ぐ挿入することができる。この結果、孔29に埋め込まれたスタッドピン50が孔29から抜け落ちることを抑制することができる。
下部フランジ58の底部58aから長穴62の閉塞端までの長さの寸法H2(図4(a)参照)は、下部フランジ58の底部58aから上部フランジ56の、チップ52を保持する端面までの長さの寸法H1(図4(a)参照)の40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。この長穴62の長さの寸法H2は、後述するゴム突出部29a全体が長孔62内に入ることができる程度の寸法であるとよい。勿論、寸法H2は、寸法H1の100%未満である。
図5は、本実施形態のタイヤ10のトレッドゴム18に設けられたスタッドピン埋め込み用孔29の深さ方向に沿った孔29の断面の一例を示す図である。
図5に示すように、孔29にはゴム突出部 29aが設けられている。ゴム突出部29aは、孔29の底面29bから突出し、孔29の側壁29cから離間して孔29の深さD1より短く、孔29の延在方向に沿って柱状に延びている。このゴム突出部29aは、スタッドピン50を孔29に装着するとき、上述したスタッドピン50に設けられた長孔62と係合する。
図6は、上述の孔29がトレッドゴムに設けられたスタッダブル空気入りタイヤを加硫して製造するためのタイヤ金型の、孔29周りの金型対応部分の一例を説明する図である。金型70は、トレッド面対応部72と、モールドピン74とを備える。
トレッド面対応部72は、タイヤ10のトレッド面を形作る、タイヤ10のトレッド面に対応する部分である。
モールドピン74は、タイヤ10の孔29を作る部分である。モールドピン74は、トレッド面対応部72に螺子等により固定される。
モールドピン74には、モールドピン74の突出した先端面74aからモールドピン74の基部74bに向かって柱状に延びて途中で閉塞する柱状凹部74cが設けられている。
この柱状凹部74cは、上述したゴム突出部29aに対応する部分である。この柱状凹部74cの先端面74aからの深さの寸法D2(図6参照)は、トレッド面対応部72の表面からのモールドピン74の突出高さの寸法H4に比べて小さい。このため、このタイヤ金型70を用いてタイヤ10を作製した場合、ゴム突出部29aの高さの寸法H3は、孔29の深さの寸法D1に比べて小さくなる。深さの寸法D2は、モールドピン74の突出高さの寸法H4の40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。この深さの寸法D2は、上述したゴム突出部29aが形成されるように、ゴム突出部29aの高さの寸法H3に対応した寸法である。
(タイヤの作製方法)
本実施形態のスタッドピンが装着された空気入りタイヤの作製方法を以下説明する。
まず、上述したスタッドピン50が未装着のスタッダブルタイヤ10が作製される。すなわち、図6に示すようなモールドピン74を多数備え、図3に示すようなトレッドパターン30に対応する凹凸を有するタイヤ金型を用いてグリーンタイヤを加硫することで、スタッダブルタイヤ10が作製される。具体的には、図5に示すように、トレッドゴムにスタッドピン埋め込み用孔29が設けられ、この孔29にゴム突出部29aが設けられたタイヤ10を作製する。
次に、図7に示すように、スタッドピン50の外周をスタッドピン装着治具の先端爪64が把持しつつ、孔29の真上にスタッドピン50を近づける。さらに、孔29の側壁はスタッドピン装着治具の先端爪64が孔29内に進入することにより拡張される。図7は、本実施形態のスタッドピン50を孔29に埋め込むときの様子の一例を説明する図である。
図7では、先端爪64が孔29内に進入することで、孔29が拡張するとともに、先端爪64の間に挟まれて把持されたスタッドピン50が孔29の内部に今から入ろうとする状態を示している。
図8は、本実施形態のスタッドピン50を孔29に埋め込むときの様子の他の一例を説明する図である。図8に示すスタッドピン50の状態は、図7に示すスタッドピン50の状態から時間が経過した状態である。具体的には、図8は、スタッドピン50の把持を緩ませて、ロッド66がスタッドピン50を孔29の底面29bに向かって押すことにより、スタッドピン50を孔29に押し込む様子を示している。図8に示すように、スタッドピン50の把持を緩め、ロッド66がスタッドピン50を孔29に押し込む時点で、長穴62は、すでにゴム突出部29aと係合状態になっている。すなわち、埋め込み用装着装置の先端爪64により把持されたスタッドピン50が孔29に向かって移動する時、長穴62とゴム突出部29aとが係合した後、スタッドピン50の把持が緩められ、ロッド66によりスタッドピン50が孔29内に押し込まれる。したがって、ゴム突出部29aとスタッドピン50の長穴62が係合することにより、ゴム突出部29aはスタッドピン50を位置決めし、孔29内にガイドする。このため、スタッドピン50は孔29に対して適切な位置に位置決めされた状態を維持して、ゴム突出部29aに沿って、孔29の深さ方向に真っ直ぐ挿入される。
以上、本発明の空気入りタイヤの作製方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
12 カーカスプライ層
14 ベルト層
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム
18a 上層トレッドゴム
18b 下層トレッドゴム
20 サイドゴム
22 ビードフィラーゴム
24 リムクッションゴム
26 インナーライナゴム
28 ベルトカバー層
29 スタッドピン埋め込み用孔
29a ゴム突出部
29b 底面
29c 側壁
29d 拡張部
30 トレッドパターン
32 傾斜溝
34 周方向連絡溝
36 突出溝
50 スタッドピン
52 チップ
54 胴体部
56 上部フランジ
58 下部フランジ
58a 底部
60 シャンク部
62 長穴
64 先端爪
66 ロッド

Claims (4)

  1. スタッドピンを装着した空気入りタイヤの作製方法であって、
    前記スタッドピンは、路面と接触するように構成されたチップと、前記スタッドピン埋め込み用孔に装着されるように構成された一方向に延在した胴体部と、を備え、前記胴体部の延在方向の第1の端面には、前記チップを固定するように設けられたチップ埋め込み用穴を備え、前記胴体部には、前記胴体部の前記第1の端面と反対側の第2の端面から、前記第1の端面に向かって延びて、前記チップ埋め込み用穴と接続せず途中で閉塞する柱状の長穴が設けられ、
    トレッドゴムにスタッドピン埋め込み用孔が設けられ、前記スタッドピン埋め込み用孔には、前記スタッドピン埋め込み用孔の底面から突出し、前記スタッドピン埋め込み用孔の側壁から離間して前記スタッドピン埋め込み用孔の深さより短く、柱状に、前記スタッドピン埋め込み用孔の延在方向に沿って延びるゴム突出部が設けられたスタッダブル空気入りタイヤを作製するステップと、
    前記スタッドピンの外周をスタッドピン装着治具で把持し、前記スタッドピン埋め込み用孔の側壁を前記スタッドピン装着治具の先端で拡張することにより、前記スタッドピン埋め込み用孔に前記スタッドピンを挿入するステップと、を備え、
    前記ゴム突出部の前記底面からの高さの寸法は、前記スタッドピン埋め込み用孔の深さの寸法の40%以上であり、
    前記スタッドピン埋め込み用孔に前記スタッドピンを挿入するとき、前記ゴム突出部と前記スタッドピンの前記長穴とが係合することにより、前記ゴム突出部は前記スタッドピンを位置決めし前記スタッドピン埋め込み用孔内にガイドする、ことを特徴とする空気入りタイヤの作製方法。
  2. 前記ゴム突出部の中心軸は、前記底面の中心を通る、請求項1に記載の空気入りタイヤの作製方法。
  3. 前記長穴の直径は、前記ゴム突出部の直径に比べて大きい、請求項1または2に記載の空気入りタイヤの作製方法。
  4. 前記スタッダブル空気入りタイヤを作製するステップは、タイヤ金型を用いてグリーンタイヤを加硫することを含み、
    前記タイヤ金型は、
    前記スタッダブル空気入りタイヤのトレッド面に対応するトレッド面対応部と、
    前記トレッド面対応部に固定された、前記スタッドピン埋め込み用孔に対応するモールドピンと、を備え、
    前記モールドピンには、前記モールドピンの先端面から前記モールドピンの基部に向かって柱状に延びて途中で閉塞する柱状凹部が設けられ、
    前記柱状凹部の前記先端面からの深さの寸法は、前記トレッド面対応部の表面からの前記モールドピンの突出高さの寸法に比べて小さい、請求項1〜のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの作製方法。
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